JP2017066326A - 感温性遮光シート及び農業用シート - Google Patents

感温性遮光シート及び農業用シート Download PDF

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真保 蓮池
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Takuya Ichimura
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Abstract

【課題】温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートであって、室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができ、機械物性や生産性にも優れる感温性遮光シートを提供する。【解決手段】オレフィン系樹脂(A)90〜60質量%、及び、数平均分子量が1,000〜30,000g/molであるアクリル系樹脂(B)10〜40質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シート。【選択図】なし

Description

本発明は、環境温度変化により透明性が変化する感温性遮光シートに関する。より詳細には、オレフィン系樹脂に特定の分子量を有するアクリル系樹脂を配合してなり、実用温度領域(20〜60℃)において、可逆的な透明性変化が良好な感温性遮光シートに関する。さらには、作物の生育を妨げずに、葉焼け防止、ハウス内の温度上昇を抑制することができる農業用シートに関する。
農業用シートや窓材等の用途において、環境の温度変化に伴って光線透過率が可逆的に変化する樹脂組成物が知られている。このような樹脂組成物よりなる感温性遮光シートは、直射日光が強く気温が高い夏場や昼間には熱線を遮断し、日光が弱く気温が低い冬場や朝方・夕方には多くの光を取り込むことで、内部の環境を維持することを目的とする。
特許文献1には、メタクリル樹脂とエチレン・酢酸ビニル共重合体からなり、温度変化により光線透過率が可逆的に変化する感熱性プラスチック成型品について開示されている。
また、特許文献2には、炭素数14以上の直鎖α−オレフィン重合体と、他のα−オレフィン重合体またはメタクリル酸エステル重合体とから構成され、環境の温度変化に伴って光線透過率が可逆的に変化する樹脂組成物が開示されている。
更に、特許文献3には、樹脂と粒子を配合することにより、環境の温度変化に伴って光線拡散率が可逆的に変化する樹脂組成物が開示されている。
特開昭51−132241号公報 特許第2706701号公報 特開2001−226604号公報
特許文献1に記載の発明では、ポリメチルメタクリレートに代表される一般的なメタクリル樹脂はエチレン・酢酸ビニル共重合体中への分散性が悪く、また、分子量も大きいため、分散相であるメタクリル樹脂の分散径が大きくなり、ひいてはマトリックス相であるエチレン・酢酸ビニル共重合体とドメイン相であるメタクリル樹脂の間の界面の表面積が小さくなるため、高温時に光が十分に散乱せず、遮光性に劣るという課題があった。
また、特許文献2に記載の発明では、特許文献1と同様、マトリックス相である直鎖α−オレフィン重合体に対してドメイン相である他のα−オレフィン重合体またはメタクリル酸エステル重合体が分散しにくいため、界面の表面積が小さくなり、高温時の遮光性が十分でないという課題があった。
更に、特許文献3に記載の発明では、ドメイン相として粒子を使用している。しかし、この粒子は、生産時のハンドリング性が悪い、高充填により機械物性が低下する、又は、高価である等の課題があった。
本発明は、温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートであって、室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができ、機械物性や生産性にも優れる感温性遮光シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の実情に鑑み鋭意検討した結果、以下の発明が上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の発明によれば、オレフィン系樹脂(A)90〜60質量%、及び、数平均分子量が1,000〜30,000g/molであるアクリル系樹脂(B)10〜40質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シートが提供される。
また、第2の発明によれば、第1の発明において、前記アクリル系樹脂(B)が、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチル・メタクリル酸フェニル共重合体、または、これらの混合物のいずれかであることを特徴とする感温性遮光シートが提供される。
さらに、第3の発明によれば、第1または第2の発明において、全光線透過率の測定波長を550nmとしたとき、20℃における全光線透過率と60℃における全光線透過率の差が10%以上である感温性遮光シートが提供される。
また、第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記オレフィン系樹脂(A)が、エチレン・酢酸ビニル共重合体、または、エチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする感温性遮光シートが提供される。
さらに、第5の発明によれば、第4の発明において、前記エチレン・酢酸ビニル共重合体を構成する酢酸ビニルの比率が、10〜40質量%であることを特徴とする感温性遮光シートが提供される。
また、第6の発明によれば、第4の発明において、前記エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィン成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする感温性遮光シートが提供される。
また、第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明に係る感温性遮光シートを少なくとも1層備えた感温性積層遮光シートが提供される。
また、第8の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明に係る感温性遮光シートからなる農業用シートが提供される。
また、第9の発明によれば、第7の発明に係る感温性積層遮光シートからなる農業用シートが提供される。
本発明によれば、温度変化に伴って可逆的に透明性が変化する感温性遮光シートを提供することができ、該シートは室温付近で優れた透明性を有すると共に、温度上昇と共に全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現することができる。
本発明の感温性遮光シート及びこの感温性遮光シートを含む感温性積層遮光シートは、オレフィン系樹脂に特定の分子量を有するアクリル系樹脂を配合してなる樹脂組成物を用いて、低コストで効率的に製造することができ、得られるシートの機械物性等にも優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
本発明の感温性遮光シートは、オレフィン系樹脂(A)、及び、アクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物を成形してなるものである。
1.オレフィン系樹脂(A)
本発明に用いるオレフィン系樹脂(A)は20〜60℃での屈折率の温度依存性が大きいものが望ましい。オレフィン系樹脂(A)の20〜60℃での屈折率の差は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上である。前記オレフィン系樹脂(A)の屈折率差をかかる範囲にすることで、より顕著な遮光性を得ることができる。
ここで、オレフィン系樹脂(A)及び後述のアクリル系樹脂(B)の屈折率は、厚み100μmに成形したサンプルについてアタゴ社製アッベ屈折計を用いて、ナトリウムD線(589nm)を光源とし、JIS K7142(2008年)に基づき所定の雰囲気温度で測定した値である。
本発明に用いるオレフィン系樹脂(A)としては、オレフィンを基本骨格としてなる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリ(α−オレフィン)、エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、あるいはこれらの酸変性物(無水マレイン酸とマレイン酸による。)等が挙げられる。この中でも、結晶化度が高過ぎず室温で透明である点、融点が実用温度域に近く温度変化に伴う屈折率変化が大きい点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体のいずれかであることが好ましい。
オレフィン系樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体、及び、ポリ(α−オレフィン)を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独または2種以上が混合されていてもよい。
前記エチレン・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体としては、例えばエチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
これらのエチレン共重合体を構成するコモノマーの比率、すなわち、酢酸ビニル成分、α−オレフィン成分、又は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの比率は、10〜40質量%であることが好ましく、12〜35質量%であることがより好ましく、14〜30質量%であることが更に好ましい。コモノマーの比率をかかる範囲とすることで、融点を実用温度域に近づけることができ、また、以下に説明するアクリル系樹脂(B)の屈折率に近づけることができるため、室温付近での透明性と高温時の遮光性に優れる感温性遮光シートを得ることができる。
前記オレフィン系樹脂(A)の数平均分子量は、30,000g/mol以上、1000,000g/mol以下であることが好ましく、40,000g/mol以上、500,000g/mol以下であることがより好ましく、50,000g/mol以上、100,000g/mol以下であることが更に好ましい。前記オレフィン系樹脂(A)の数平均分子量がかかる範囲であれば、マトリックス樹脂として使用した場合にも十分な機械強度を有する、成形性に優れた感温性遮光シートを得ることができる。
2.アクリル系樹脂(B)
本発明に用いるアクリル系樹脂(B)は20〜60℃での屈折率の温度依存性が小さいものが望ましい。アクリル系樹脂(B)の20〜60℃での屈折率の差は、好ましくは0.01未満、より好ましくは0.005未満である。前記アクリル系樹脂(B)の屈折率差をかかる範囲にすることで、より顕著な遮光性を得ることができる。
本発明に用いるアクリル系樹脂(B)としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸フェニル、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリベンジル(メタ)アクリレート、ポリn−ブチル(メタ)アクリレート、ポリi−ブチル(メタ)アクリレート、ポリt−ブチル(メタ)アクリレート、ポリ2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリラウリル(メタ)アクリレート、ポリトリデシル(メタ)アクリレート、ポリステアリル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリイソボルニル(メタ)アクリレート、ポリノルボルニル(メタ)アクリレート、ポリジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ポリジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ポリジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ポリテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリアクリル(メタ)アクリレート、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリコハク酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ポリマレイン酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ポリフタル酸2−(メタ)アクロイルオキシエチル、ポリヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリオイルオキシエチル、ポリペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ポリテトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を共重合あるいは混合して使用してもよい。
これらの中でも、透明性、機械強度、前記オレフィン系樹脂(A)への分散性、前記オレフィン系樹脂(A)との屈折率差等の観点から、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチル・メタクリル酸フェニル共重合体、または、これらの混合物のいずれかであることが好ましい。
前記メタクリル酸メチル・メタクリル酸フェニル共重合体に含まれるメタクリル酸フェニル成分の比率としては、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、5〜40質量%の範囲であることがより好ましく、10〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。
前記メタクリル酸メチル・メタクリル酸フェニル共重合体に含まれるメタクリル酸フェニル成分の比率がかかる範囲であれば、機械物性を損なうことなく室温において前記オレフィン系樹脂(A)の屈折率に近づけることができ、室温での透明性と高温時の遮光性に優れる感温性遮光シートを得ることができる。
前記アクリル系樹脂(B)の数平均分子量は、1,000〜30,000g/molの範囲であり、3,000〜15,000g/molの範囲であることが好ましく、5,000〜12,000g/molの範囲であることがより好ましい。前記アクリル系樹脂(B)の数平均分子量がかかる範囲であれば、機械物性を損なうことなく前記オレフィン系樹脂(A)に対して良好に分散させることができる。
ここで、アクリル系樹脂(B)の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定されたポリスチレン換算の値である。
3.樹脂組成物
本発明に係る樹脂組成物中の前記オレフィン系樹脂(A)と前記アクリル系樹脂(B)の比率は、90:10〜60:40質量%の範囲であり、85:15〜65:35質量%の範囲であることが好ましく、80:20〜70:30質量%の範囲であることがより好ましい。
前記樹脂組成物中の前記オレフィン系樹脂(A)と前記アクリル系樹脂(B)の比率がかかる範囲であれば、機械物性や成形性を損ねることなく、室温での透明性と高温時の遮光性に優れる感温性遮光シートが得られる。
前記樹脂組成物には、前記樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲において、その他の樹脂や、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、安定剤、染料、顔料、無機質微粒子などの各種添加剤を添加することが出来る。前記各種添加剤の添加量は、添加剤の種類や目的によっても異なるものの、オレフィン系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)を含む樹脂組成物100質量%に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることがとりわけ好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。前記各種添加剤の添加量がかかる範囲であれば、前記樹脂組成物の性質に影響を与えない範囲において、添加剤による目的の特性を付与することができる。
4.感温性遮光シート
本発明の感温性遮光シートは上述の本発明の樹脂組成物を成形して製造される。
本発明の感温性遮光シートは、単層シートでもよいし、耐熱性や耐候性、機械強度の向上を目的として他の樹脂シートと積層した感温性積層遮光シートであってもよい。前記感温性遮光シートに積層する樹脂シートの樹脂としては特に限定されないが、例えば前記オレフィン系樹脂(A)、前記アクリル系樹脂(B)、ポリスチレン、スチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、環状ポリオレフィン、超高分子量ポリエチレン、またはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
感温性遮光シートの成形方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー法、インフレーション法のほか、フィルムやプレートの成形方法として一般的なTダイキャスト法、プレス法などを採用することができる。成形温度としては、各樹脂の融点やガラス転移温度、熱分解温度等を鑑みて、180℃以上、250℃以下であることが好ましく、190℃以上、240℃以下であることがより好ましく、200℃以上、230℃以下であることが更に好ましい。
本発明の感温性遮光シートの厚みは、特に制限されるものではないが、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が特に好ましい。一方、上限は5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下が特に好ましい。厚みが50μm以上であれば、高温時に十分な遮光性、および機械強度を発現させることができる。また、厚みが5mm以下であれば、室温時の透明性、シートのハンドリング性に優れる。
本発明に係る感温性遮光シートの20℃における全光線透過率(T20)は、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましい。20℃における全光線透過率がかかる範囲であることにより、常温で十分な透明性を有することができる。
本発明に係る感温性遮光シートの20℃における全光線透過率(T20)と60℃における全光線透過率(T60)の差(T20−T60)は、10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。全光線透過率の差が上記下限以上であることにより、温度を上げた時に感温性遮光シートとして実用的に使用するために十分な遮光性を有することができる。
本発明に係る感温性遮光シートは、常温では透明性を有する一方、高温では遮光性を有するという特徴をもつので、作物の生育を妨げずに、葉焼けを防止し、ハウス内の温度上昇を抑制することができることから、例えば農業用ハウスの外張りとして好適に使用される農業用フィルムとして利用できる。
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中に示す結果は以下の方法で評価を行った。
[全光線透過率]
恒温器(PH−102、エスペック社製)の中にシートサンプルを置き、測光検出器(MCPD−6800、大塚電子社製)を用いて各温度における全光線透過率を測定した。20℃における全光線透過率(T20)と60℃における全光線透過率(T60)の差(T20−T60)が10%以上の場合を合格(○)、10%未満の場合を不合格(×)とした。なお、測定波長は550nmとした。
[オレフィン系樹脂(A)]
(A)−1:タフマーA4090S(三井化学、エチレン/1−ブテン=85/15質量%、融点=77℃、屈折率(20℃):1.5149、屈折率(60℃):1.4889)
(A)−2: タフマーA4085S(三井化学、エチレン/1−ブテン=82/18質量%、融点=66℃、屈折率(20℃):1.4981、屈折率(60℃):1.4757)
(A)−3:エバフレックスEV560(三井・デュポンポリケミカル、エチレン/酢酸ビニル=86/14質量%、融点=90℃、屈折率(20℃):1.5025、屈折率(60℃):1.4780)
(A)−4:エバフレックスEV460(三井・デュポンポリケミカル、エチレン/酢酸ビニル=81/19質量%、融点=84℃、屈折率(20℃):1.4979、屈折率(60℃):1.4727)
[アクリル系樹脂(B)]
(B)−1:メタブレンH880(三菱レイヨン、メタクリル酸メチル/メタクリル酸フェニル=80/20質量%、数平均分子量=10,000g/mol、屈折率(20℃):1.5069、屈折率(60℃):1.5022)

(B)−2:アクリペットMD001(三菱レイヨン、ポリメタクリル酸メチル、数平均分子量=43,000g/mol、屈折率(20℃):1.4992、屈折率(60℃):1.4949)
(実施例1)
(A)−1と(B)−1を混合質量比75:25の割合でラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて200℃、60回転で5分間混練した。その後、得られた樹脂組成物を熱プレス機で200℃にてプレスし、厚み1mmのシートを作製した。得られたシートについて、全光線透過率の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(A)−2と(B)−1を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(A)−3と(B)−1を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(A)−4と(B)−1を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
(A)−2と(B)−1を混合質量比90:10の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
(A)−2と(B)−1を混合質量比60:40の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(A)−2のみを用いてシートサンプルを作製した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
(A)−2と(B)−1を混合質量比40:60の割合で混練した所、材料が脆すぎてシートサンプルを採取できなかった。
(比較例3)
(A)−2と(B)−2を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
(A)−4と(B)−2を混合質量比75:25の割合で混練した以外は実施例1と同様にサンプル作成及び評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017066326
表1の結果より、実施例1〜6に示したシートはいずれも20℃で85%以上の全光線透過率を有する程度に透明性を有し、かつ、20〜60℃の環境温度変化により樹脂組成物を構成する各成分の屈折率の間に差が生じて全光線透過率が低下し、十分な遮光性を発現していることがわかる。
比較例1は、オレフィン系樹脂を単一で用いており、20〜60℃の環境温度変化によって全光線透過率の差がでていないことがわかる。
比較例2は、分子量が低い成分であるアクリル系樹脂の比率が主成分であるため、プレスをした時、厚み均一なシートが得られない。
比較例3、4は、アクリル系樹脂の分子量が高いため、分散性に劣る。従って20〜60℃の環境温度変化により実施例1〜6の場合に生じる各成分の屈折率の間の差が生じにくいため、全光線透過率の差がでていないことがわかる。

Claims (9)

  1. オレフィン系樹脂(A)90〜60質量%、及び、数平均分子量が1,000〜30,000g/molであるアクリル系樹脂(B)10〜40質量%を含む樹脂組成物からなる感温性遮光シート。
  2. 前記アクリル系樹脂(B)が、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチル・メタクリル酸フェニル共重合体、または、これらの混合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の感温性遮光シート。
  3. 全光線透過率の測定波長を550nmとしたとき、20℃における全光線透過率と60℃における全光線透過率の差が10%以上である請求項1又は2に記載の感温性遮光シート。
  4. 前記オレフィン系樹脂(A)が、エチレン・酢酸ビニル共重合体、または、エチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の感温性遮光シート。
  5. 前記エチレン・酢酸ビニル共重合体を構成する酢酸ビニルの比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、請求項4に記載の感温性遮光シート。
  6. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィン成分の比率が、10〜40質量%であることを特徴とする、請求項4に記載の感温性遮光シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の感温性遮光シートを少なくとも1層備えた感温性積層遮光シート。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の感温性遮光シートからなる農業用シート。
  9. 請求項7に記載の感温性積層遮光シートからなる農業用シート。
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