JP2008030473A - 感温性遮光資材 - Google Patents
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Abstract
封入材料として汎用フィルムを使用することができ、0〜80℃の温度範囲において曇点を有し、使用環境によっても曇点がほとんど変化せず、更には、安定的に製造できかつ形状保持性に優れ長期間問題なく使用することができる感温性遮光資材を提供する。
【解決手段】
透明基体の間に相分離に由来する曇点を持つ感温性遮光材を含む層を有し、感温性遮光材を含む層はコンパートメント構造を有しており、感温遮光材の曇点が0〜80℃であることを特徴とする感温性遮光資材。
【選択図】 なし
Description
(2)コンパートメント構造が、透明基体の間にスペーサー部材を配置することにより形成されていることを特徴とする(1)に記載の感温性遮光資材、
(3)感温性遮光材の曇点が10〜50℃である(1)又は(2)に記載の感温性遮光資材、
(4)感温性遮光材がLCST特性を有する2種以上の重合体成分を含む(1)〜(3)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(5)透明基体が透明樹脂フィルム又は透明樹脂塗膜である(1)〜(4)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(6)透明基体と感温性遮光材層との間に接着材層又は粘着材層を有する(1)〜(5)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(7)感温性遮光資材の端面がシールされている(1)〜(6)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(8)外界湿度の変化による曇点の変動が20℃以下である(1)〜(7)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(9)感温性遮光材のガラス転移温度が100℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下である(1)〜(8)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、
(10)感温性遮光材が少なくとも2種の重合体を含み、感温性遮光材に含まれる最も高分子量の重合体の重量平均分子量をMH、最も低分子量の重合体の重量平均分子量をMLとした場合に、MH/ML>3かつML<10,000であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1に記載の感温性遮光資材、及び
(11)透明基体の水蒸気透過率が5.0g/m2・日以下である(1)〜(10)のいずれか1に記載の感温性遮光資材を提供するものである。
本発明に使用することができる透明基体としては、各種の透明樹脂フィルムやシートの他、ガラス等が挙げられる。樹脂の種類は熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、その種類としては、透明フィルムやシートとして使用されるものであれば、特に制限はない。熱可塑性樹脂の非限定的例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂などの他、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂などの所謂エンジニアプラスチック等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂の非限定的例としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和アルキド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。本発明で使用することができる透明樹脂フィルム又はシートは、押出し、カレンダー、射出、中空、圧縮成形等の公知の方法で製造することができる。また、本発明における透明基体には、所謂、透明フィルム・透明シートのみならず、透視性があるフィルム・シート等も含まれる。従って、透視性のある、半透明フィルム・シート等、エンボス加工(凹凸、溝)が施されたフィルム・シート等、透視性のある着色フィルム・シート等や、予め模様・印刷等の処理がされたフィルム・シート等も本発明における透明基体に含まれる。
また、透明基体の厚みに特に制限はないが、一般に、透明樹脂フィルム又はシートでは10μm〜5000μm、透明樹脂塗膜では1〜500μm、ガラスでは0.1〜50mmである。
高濁度
本発明で使用する感温性遮光材は500μm以下の膜厚に対して、曇点以下から曇点より20℃高い温度に昇温した時にヘーズが10以上、より好ましくは20以上変化することが好ましい。これより濁度変化が小さい場合、所望の遮光機能を得るための遮光性資材の膜厚が厚くなりすぎることがあるため、好ましくない。
本発明で使用する感温性遮光材は、2種以上の重合体成分からなり、相分離に由来する曇点を有する組成物であることが好ましい。かかる組成物のうち、その曇点の発現に関し実質上水や溶剤を必要としない組成物が好適に用いられる。但し、製造上水や溶剤が残存することもあり得るため、本発明の効果を妨げない範囲で混入していてもよい。係る含有量は任意であるが、通常、重量で10%以下であることが望ましい。これより含有量が高くなると液垂れの点でより不利となる。
本発明で使用する感温性遮光材の曇点は、0〜80℃、好ましくは10〜50℃、更に好ましくは10〜40℃である。ここで、曇点が0℃より低いと低温時の透明性が十分でなく、曇点が80℃より高いと高温時の遮光性が不足するという問題がある。
本発明で使用する感温性遮光材を20℃、20%RHのデシケーター内に水平状態で1週間保持した後にインキュベーターで6℃/1時間の速度で昇温した時の曇点と、30℃、95%RHの恒温恒湿機に水平状態で1週間保持した後、同様に昇温した時の曇点の差が好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下である。当該曇点の差が20℃より大きいと、環境湿度の違いにより同じ温度でも感温遮光機能が大きく異なるという問題があり好ましくない。
本発明で使用する感温性遮光材の30℃、95%RH環境における平衡吸湿量は、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。感温性遮光材の30℃、95%RH環境における平衡吸湿量が10重量%より大きいと、環境湿度の違いによる曇点の変動が大きくなるという問題がある。当該平衡吸湿量は、真空乾燥直後からの経過時間と吸湿による重量変化曲線により決定される。
本発明で使用する感温性遮光材のTgは100℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。以上のTgの上限を超える感温性遮光材を用いると、可逆性が損なわれる危険性が高くなるため好ましくない。
本発明の感温性遮光材が2種以上の重合体を含む場合、最も高分子量の重合体の重量平均分子量をMH、最も低分子量の重合体の重量平均分子量をMLとした場合に、MH/ML>3 かつ ML<10,000である。例えば重量平均分子量300,000の重合体と、10,000の重合体の混合組成物を用いれば、300,000/50,000>3という分子量の条件を満たすことになる。これにより、感温変化において良好な応答速度を得ることができる。MHが大きくなると状態変化が遅くなるため、MHは大きくとも1,000,000である。なお、本発明の効果を損なわない範囲において化学的架橋を含む場合は、この限りではない。
本発明で使用する感温性遮光材は、上記したように2種以上の重合体成分からなることが好ましく、その混合組成は曇点、濁度、応答速度の観点から調整される。上記のMHに該当する重合体(ないしはMLに該当する重合体)の混合組成は、濁度の観点からは1%(ないしは99%)〜99%(ないしは1%)であるが、良好な濁度を得るためには、5%(ないしは95%)〜95%(ないしは5%)、より望ましくは10%(ないしは90%)〜90%(ないしは10%)である。かかる範囲外では相対的に高温時の濁度が低くなり、好ましくない。
本発明の感温性遮光材に含まれる重合体は、線状の高分子であっても、分岐状の高分子であっても構わない。さらにこれらを架橋した構造であっても構わない。重合体が共重合体の場合は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、或いはグラフト共重合体と慣用の高分子構造をとりうる。これらの構造の重合体は、慣用の重合技術により任意に入手可能である。
本発明で使用される感温性遮光材としては、上記の要件を有するポリマーブレンドであれば特に限定されないが、特に以下のポリマーブレンドが好適に使用される。
好適なポリマーブレンドの例としては、水素結合性官能基を有する極性単量体を少なくとも1種含む共重合体Aと共重合体Aが有する水素結合性官能基と水素結合可能な極性官能基を有する極性単量体から構成される重合体Bのポリマーブレンド(以下、重合体組成物1と記す)、フッ化ビニリデン系重合体と(メタ)アクリル酸エステル系重合体(以下、重合体組成物2と記す)、芳香族ポリイミドとポリアルキレンオキシド、芳香環を含有するスルホンとポリアルキレンオキシド(以下、併せて重合体組成物3と記す)である。なお、アクリル酸ないしはメタクリル酸を以下(メタ)アクリル酸と表記する。
上記の共重合体Aを構成する水素結合性官能基を有する極性単量体の具体例としては例えば(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等のモノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及びシトラコン酸等のジカルボン酸などが挙げられる。ただし、これらの繰り返し単位のアルカリ金属(Li、Naなど)塩やアルカリ土類金属(Ca、Mgなど)塩を含む高分子では、吸湿による状態変化や相挙動の変化が大きいため、本発明に用いる高分子としては適さない。従って、本発明の高分子組成物としては、実質的に塩を含まない組成物を用いるのが好ましい。但し、不純物としての混入もあり得るため、本発明の効果を妨げない範囲での混入は許容され、通常、塩としての単量体の分子量を用いて算出されるモル含有率が、全重合体中10%以下、より好ましくは1%以下である。また共重合体Aを構成する水素結合性官能基を有する上記以外の極性単量体の具体例としてはビニルアニリン等のアミン;アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド等のアミド;ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する化合物が挙げられる。
以上の極性単量体のうち、より好ましい極性単量体としては、(メタ)アクリル酸及びクロトン酸等のモノカルボン酸;ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する化合物が挙げられる。
また適切な曇点を得るために、共重合体Aは上記極性単量体と上記極性単量体以外の非イオン性単量体の2種以上の単量体から構成されることが好ましく、非イオン性単量体の具体例としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数が1〜6のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等の脂肪族カルボン酸ビニルエステル;メチルビニルケトン、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン等のカルボニル化合物;スチレン、メチルスチレン等の芳香族化合物などが挙げられる。より高い耐候性が必要とされる場合は芳香族化合物以外の上記単量体から構成されることが好ましい。
さらに好ましい組み合わせは、(メタ)アクリル酸と上記炭素数1〜6のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体/ポリエチレンオキシド、(メタ)アクリル酸と上記炭素数1〜6のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体/ポリプロピレンオキシドである。
フッ化ビニリデン系重合体はTgが100℃以下であれば特に限定しないが、具体例としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、或いはフッ化ビニリデンと前記モノマーとの3元共重合体が挙げられる。この中でも特に低粘度フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が好ましい。
本組成物フッ化ビニリデン系重合体の重量平均分子量は10,000以下、より好ましくは5,000以下である。フッ化ビニリデン系重合体の重量平均分子量が高すぎると結晶化により低温時の透明性や可逆性が十分でなくなる。
芳香族ポリイミドとしてはTgが300℃以下であれば特に限定しないが、具体例としてはポリアミドイミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。
芳香環を含有するスルホンも同様にTgが300℃以下であれば特に限定しないが、具体例としてはポリエーテルスルホンが挙げられる。
重合体組成物3において、芳香族ポリイミド、芳香環を含有するスルホンの平均分子量がMHに相当し、ポリアルキレンオキシドの平均分子量がMLに相当する。
本発明においては、感温性遮光材層にコンパートメント構造(区画構造)を形成させることにより感温性遮光材層の形状を好適に保持することができ、従来問題となっていた感温性遮光材の流動を防止することができるものである。本発明においてコンパートメント構造とは、感温性遮光材からなる層を所定の形状で区画する構造をいい、コンパートメント構造の形状としては、所定の幅を持つ平行な帯状形状、直線及び/又は曲線がランダムに交差することで形成される不規則な二次元形状、規則的な格子状の形状等があげられる。本発明においては、感温性遮光材層の流動防止や外観の点で格子状形状が好ましい。このようなコンパートメント構造は、2枚の透明基体の間にスペーサーとなる部材を挿入したり、基体にエンボス加工等を施し凹凸又は凹部形状を形成することにより得られるが、感温性遮光材層の形状保持にはスペーサーを挿入する方式がより好ましい。スペーサーとなる部材の例としては、透明樹脂ネット、透明有孔フィルム、フラットヤーン等を挙げることができる。スペーサーとなる部材の材質としては、基体フィルム又はシートを構成する樹脂と同じ樹脂又はこれと適合性のある樹脂であれば特に制限されるものではない。本発明においては、スペーサー自体の強度や外観の点から透明樹脂ネットを好適に使用することができる。ここで、透明樹脂ネットとは、フラットヤーンを2方向以上からクロス加工したものをいい、具体的には、2方向から直交した透明樹脂ネットや3方向から交差した透明樹脂ネットである。
<透明基体フィルム:ポリオレフィン系ハウス用積層フィルムの調製>
直径100mmの三層ダイ((株)プラ技研製)と、直径30mmの内外層用の2台の押出機((株)プラ技研製)と、直径40mmの中間層用の押出機((株)プラ技研製)とから成る三層インフレーション成形装置を使用し、表1に示す層構成のポリオレフィン系ハウス用積層フィルムを製造した。成形温度は190℃、ブロー比は3.0、引取速度は8m/分とした。
エタノールにオイドラギットL100−55(デグサ製、メタクリル酸とエチルアクリレートの共重合体、分子量は約278,000)と、PPG4000(キシダ化学製、ポリプロピレングリコール、平均分子量4000)を表2に示す重量割合で溶解させて感温性遮光材塗布液を得た。次に、前述の透明樹脂ネットを積層した面にアプリケーターを使用して上記の感温性遮光材溶液を塗布した後、50℃のオーブン中に5分間保持して溶媒のエタノールを除去し、感温性遮光材層を形成した。感温性遮光材層の厚みは80g/m2であった。更に、表1の構成と組成を有する基体フィルムを別に用意し、そのハウス内層側表面と感温性遮光材層とが接するように重ね、押圧1kg/cmでラミロールを通すことでサンドイッチ構造を有する感温性遮光資材を得た。
1.液垂れ性評価
(1)外観
上記の感温性遮光資材(30cm×30cm)を水平面からの角度30°の架台に設置し、30℃、95%RH環境下で1週間、及び1月保持した後外観を観察した。結果を表2に示す。同表から明らかなように、本発明の感温性遮光資材は液垂れがなく形状保持性が安定している。
(2)曇点測定
上記外観評価試験において95%RH環境下で1週間、及び1月保持した試料を、架台のままインキュベーターに入れ、6℃/1時間の速度で昇温し、10分毎に外観を観察し曇点を測定した。結果を表2に示す。
2.水平状態の曇点
前述の方法で作製した感温性遮光資材を用いて評価を行った。
20℃、20%RHのデシケーター内に水平状態で1月保持した後にインキュベーターで6℃/1時間の速度で昇温し、10分毎に外観を観察し曇点を測定した。また、30℃、95%RHの恒温恒室機に水平状態で1月保持した後、同様に昇温、外観を観察して曇点を測定した。更に、30℃、95%RHの恒温恒湿機に水平状態で12月保持した後、同様に昇温、外観を観察して曇点を測定した。結果を表2に示す。
3.遮光度測定
前述の20℃、20%RH環境で1月保持した時点(外観:透明)と、その後50℃まで昇温して30分経過した時点(外観:白濁)の感温性遮光資材の小片を採取し、直ちに分光光度計(日立U−3500)で555nm全光線透過率を測定し、両者の透過率の差を遮光度とした。結果を表2に示す。
前述の感温性遮光材溶液を用いて評価を行った。ガラスシャーレに感温性遮光材溶液を、200g/m2となるように入れ、50℃のオーブン中に30分間保持して溶媒を除去し、感温性遮光材層を形成した。
20℃、20%RHのデシケーター内に開放状態で1週間保持した後にインキュベーターで6℃/1時間の速度で昇温し、10分毎に外観を観察し曇点を測定した結果、35℃だった。また、30℃、95%RHの恒温恒湿機に開放状態で1週間保持した後、同様に昇温、外観を観察して曇点を測定した結果、40℃だった。
実施例1の透明基体フィルムのハウス外層側表面に、エタノールにオイドラギットL100(デグサ製、メタクリル酸とメチルメタクリレートの共重合体、分子量は約123,000)とPPG3000(キシダ化学製、ポリプロピレングリコール、平均分子量3000)を表2に示す重量割合で溶解させて得た感温性遮光材塗布液を実施例1に準じて塗布し、塗布面に透明樹脂ネット(ダイヤテックス(株)USクロス209)を積層した後、50℃のオーブン中に5分間保持して溶媒のエタノールを除去し、感温性遮光材層を形成した。感温性遮光材層の厚みは80g/m2であった。更に、表1の構成と組成を有する基体フィルムを別に用意し、そのハウス内層側表面と感温性遮光材層とが接するように重ね、押圧1.5kg/cmでラミロールを通すことでサンドイッチ構造を有する感温性遮光資材を得て、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
基体フィルムを、酸化珪素と酸化アルミニウムの二元蒸着フィルム(東洋紡(株)製エコシアール ハイグレード、ベースフィルムはポリオレフィン系樹脂;水蒸気透過率0.2g/m2・日)に置き換えた以外は実施例1と同様にして感温性遮光資材を得て、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1の透明基体フィルムにあらかじめPVDC塗布フィルム(ダイセルバリューコーティング(株)製セネシKOP WVZ、水蒸気透過率1.0g/m2・日)をラミネート加工した以外は実施例2と同様にして感温性遮光資材を得て、実施例1と同様の評価を行った。
透明樹脂ネットを使用せず、ラミロールの押圧を0.1kg/cm以下とした以外は実施例1と同様にして感温性遮光資材を得て評価を行った。評価結果を表2に示す。同表から明らかなように、比較例1の感温性遮光資材は経時で液垂れが発生し、曇点変動があった。
透明樹脂ネットを使用せず、ラミロールの押圧を0.1kg/cm以下とした以外は実施例2と同様にして感温性遮光資材を得て評価を行った。評価結果を表2に示す。同表から明らかなように、比較例2の感温性遮光資材は経時で液垂れが大きく、感温性遮光材がほとんど流出したため、曇点が観察できなかった。
Claims (11)
- 透明基体の間に相分離に由来する曇点を持つ感温性遮光材からなる層を有し、感温性遮光材からなる層にコンパートメント構造が形成されており、感温性遮光材の曇点が0〜80℃であることを特徴とする感温性遮光資材。
- コンパートメント構造が、透明基体の間にスペーサー部材を配置することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感温性遮光資材。
- 感温性遮光材の曇点が10〜50℃である請求項1又は2に記載の感温性遮光資材。
- 感温性遮光材がLCST特性を有する2種以上の重合体成分を含む1〜3のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 透明基体が透明樹脂フィルム及び/又は透明樹脂塗膜である請求項1〜4のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 透明基体と感温性遮光材層との間に接着材層又は粘着材層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 感温性遮光資材の端面がシールされている請求項1〜6のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 外界湿度の変化による曇点の変動が20℃以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 感温性遮光材のガラス転移温度が100℃以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 感温性遮光材が少なくとも2種の重合体を含み、感温性遮光材に含まれる最も高分子量の重合体の重量平均分子量をMH、最も低分子量の重合体の重量平均分子量をMLとした場合に、MH/ML>3かつML<10,000であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
- 透明基体の水蒸気透過率が5.0g/m2・日以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の感温性遮光資材。
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