JP5888082B2 - フィルム - Google Patents
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酢酸ビニル含有量が1〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体の質量を100質量%とする)と、高圧法低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とからなる群より選ばれる少なくとも1つのポリエチレン系樹脂(B)と、
平均粒径が3〜15μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)のいずれをも含み、
前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とするときに、前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)の含有量が12〜50質量%であり、
下記式(1)で表される平均酢酸ビニル含有量が21〜30質量%であるフィルムに係るものである。
平均酢酸ビニル含有量(質量%)={X×VA(A)+Y×VA(B)}/(X+Y) (1)
(ここで、X(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量であり、Y(質量%)は前記ポリエチレン系樹脂(B)の含有量であり(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とする)、
VA(A)(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とする)であり、
VA(B)(質量%)は、前記ポリエチレン系樹脂(B)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記ポリエチレン系樹脂(B)の質量を100質量%とする)である。)
本発明に使用されるエチレン酢酸ビニル共重合体(A)は、エチレンに基づく単量体単位と、酢酸ビニルに基づく単量体単位とを有する共重合体であって、
エチレン酢酸ビニル共重合体に含まれる酢酸ビニルに基づく単量体単位の含有量である酢酸ビニル含有量が25〜35質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体である。エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量は、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とするときの値である。
なお、酢酸ビニル含有量は、JIS K7192に従い測定される。
本発明に使用されるポリエチレン系樹脂(B)は、酢酸ビニル含有量が1〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体の質量を100質量%とする)と、高圧法低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とからなる群より選ばれる少なくとも1つのポリエチレン系樹脂である。
ポリエチレン系樹脂(B)としては、酢酸ビニル含有量が1〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましく、より好ましくは、酢酸ビニル含有量が10〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体である。
なお、エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、JIS K7192に従い測定される。
本発明に使用される架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)は、平均粒径が3〜15μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子である。例えば、積水化成品工業株式会社製のテクポリマーSSX(単分散)シリーズSSX−103(平均粒径3μm)、SSX−104(平均粒径4μm)、SSX−105(平均粒径5μm)、SSX−106(平均粒径6μm)、SSX−108(平均粒径8μm)、SSX−110(平均粒径10μm)が挙げられる。
なお、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径は、精密粒度分布測定装置(コールター Multisizer)を用いてコールター法により、測定される。
本発明のフィルムは、酢酸ビニル含有量が25〜35質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(A)(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とする)と、
酢酸ビニル含有量が1〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体の質量を100質量%とする)と、高圧法低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とからなる群より選ばれる少なくとも1つのポリエチレン系樹脂(B)と、
平均粒径が3〜15μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)のいずれをも含み、
前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とするときに、前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)の含有量が12〜50質量%であり、
下記式(1)で表される平均酢酸ビニル含有量が21〜30質量%であるフィルム。
平均酢酸ビニル含有量(質量%)={X×VA(A)+Y×VA(B)}/(X+Y) (1)
(ここで、X(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量であり、Y(質量%)は前記ポリエチレン系樹脂(B)の含有量であり(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とする)、
VA(A)(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とする)であり、
VA(B)(質量%)は、前記ポリエチレン系樹脂(B)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記ポリエチレン系樹脂(B)の質量を100質量%とする)である。)
前記平均酢酸ビニル含有量が21〜30質量%となるように、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量、ポリエチレン系樹脂(B)の酢酸ビニル含有量、フィルムに含まれるエチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量、およびポリエチレン系樹脂(B)の含有量を調整する。
また、本発明のフィルムは、20℃以下で透明性が最も高くなり、透明性が最高となる温度から、温度上昇することにより、透明性が単調低下するものが好ましい。
本発明のフィルムは、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)とポリエチレン系樹脂(B)と架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)とを溶融混練後、フィルム成形して得られる。前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)とポリエチレン系樹脂(B)と架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)とを溶融混練する方法としては、例えば、押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて溶融混練する方法が挙げられる。
溶融した(A)に、(C)を加えて溶融混練後、最後に(B)を加えて溶融混練してもよく、
溶融した(B)に、(C)を加えて溶融混練後、最後に(A)を加えて溶融混練してもよく、
溶融した(A)に、(C)とB)とを同時に加えて溶融混練してもよく、
溶融した(B)に、(C)と(A)とを同時に加えて溶融混練してもよく、
(A)と(C)を同時に溶融混練した後に、(B)を加えて溶融混練してもよく、
(B)と(C)を同時に溶融混練した後に、(A)を加えて溶融混練してもよい。
本発明のフィルムは、温度によって、透明性が可逆的に変化する性質を有し、20〜60℃の範囲で、比較的低温の場合に比べて、高温の場合に透明性が低下することから、その用途としては、外部温度の上昇に伴う内部温度の上昇を抑制する効果が求められる分野、例えば、農業用フィルム、自動車や建造物の窓に貼るフィルムなどへの応用が可能である。例えば、低温の冬季には、フィルムの高い透明性を維持し、外部からの光線の透過を多くし、高温の夏季には、フィルムが不透明となり、外部からの光線の透過が少なくなるので、本発明のフィルムを用いた農業用ハウス、自動車や建造物の内部の人間に涼しく感じさせることができる。
<使用した材料>
EVA−1:酢酸ビニル含有量が15質量%、メルトフローレートが1.5g/10分であるエチレン酢酸ビニル共重合体(エバテートH2020、住友化学株式会社製)
EVA−2:酢酸ビニル含有量が28質量%、メルトフローレートが7g/10分であるエチレン酢酸ビニル共重合体(スミテートKA−30、住友化学株式会社製)
PMMA−1:平均粒径が5μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(テクポリマーSSX−105、積水化成品工業株式会社製)
PMMA−2:平均粒径が3μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(テクポリマーSSX−103、積水化成品工業株式会社製)
PMMA−3:平均粒径が10μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(テクポリマーSSX−110、積水化成品工業株式会社製)
PMMA−4:平均粒径が1.5μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(テクポリマーXX−383K、積水化成品工業株式会社製)
PMMA−5:平均粒径が20μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(テクポリマーSSX−120、積水化成品工業株式会社製)
なお、上記材料の物性は、それぞれ下記の測定方法により測定した。
(1)エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量
JIS K7192に従い測定した。
(2)エチレン酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート
JIS K7210に従い測定した。
(3)架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径
精密粒度分布測定装置(コールター Multisizer)を用いてコールター法により、測定した。
EVA−1 21質量%と、EVA−2 59質量%と、PMMA−1 20質量%となるよう秤量し、溶融混練機(ラボプラストミル30C−150、株式会社東洋精機製作所製)を用いて、温度120℃、回転数60rpmの条件で5分間混練した。この混練物を、鏡面処理した2枚のアルミニウム板に挟み、圧縮成形プレス機(神藤金属工業所製NF−37)を用いて、温度120℃、圧力100Kgf/cm2で5分間プレス成形し、冷却することによって、厚み100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。
EVA−1 21質量%と、EVA−2 59質量%と、PMMA−2 20質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 21質量%と、EVA−2 59質量%と、PMMA−3 20質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 18質量%と、EVA−2 52質量%と、PMMA−1 30質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 80質量%と、PMMA−1 20質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は15質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 21質量%と、EVA−2 59質量%と、PMMA−4 20質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 21質量%と、EVA−2 59質量%と、PMMA−5 20質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
EVA−1 24質量%と、EVA−2 66質量%と、PMMA−1 10質量%を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により厚みが100μmのフィルムを得た。式(1)に基づき算出した平均酢酸ビニル含有量は24.6質量%であった。このフィルムについて、実施例1と同様にヘーズを測定し、結果を表1に示した。
比較例1のフィルムは、酢酸ビニル含有量が25〜35質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体を含まず、20℃の時の透明性と60℃の時の透明性の差が小さかった。
比較例2のフィルムは、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径が3μm未満であり、20℃の時の透明性と60℃の時の透明性の差が小さかった。
比較例3のフィルムは、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の平均粒径が15μmより大きく、20℃の時の透明性と60℃の時の透明性の差が小さかった。
比較例4のフィルムは、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の含有量が12質量%未満であり、20℃の時の透明性と60℃の時の透明性の差が小さかった。
Claims (1)
- 酢酸ビニル含有量が25〜35質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(A)(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とする)と、
酢酸ビニル含有量が1〜20質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体(ただし、エチレン酢酸ビニル共重合体の質量を100質量%とする)と、高圧法低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とからなる群より選ばれる少なくとも1つのポリエチレン系樹脂(B)と、
平均粒径が3〜15μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)のいずれをも含み、
前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とするときに、前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)の含有量が12〜50質量%であり、
下記式(1)で表される平均酢酸ビニル含有量が21〜30質量%であるフィルム。
平均酢酸ビニル含有量(質量%)={X×VA(A)+Y×VA(B)}/(X+Y) (1)
(ここで、X(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の含有量であり、Y(質量%)は前記ポリエチレン系樹脂(B)の含有量であり(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)と前記ポリエチレン系樹脂(B)と前記架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(C)との合計質量を100質量%とする)、
VA(A)(質量%)は、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記エチレン酢酸ビニル共重合体(A)の質量を100質量%とする)であり、
VA(B)(質量%)は、前記ポリエチレン系樹脂(B)の酢酸ビニル含有量(ただし、前記ポリエチレン系樹脂(B)の質量を100質量%とする)である。)
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