JP6961920B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6961920B2 JP6961920B2 JP2016198272A JP2016198272A JP6961920B2 JP 6961920 B2 JP6961920 B2 JP 6961920B2 JP 2016198272 A JP2016198272 A JP 2016198272A JP 2016198272 A JP2016198272 A JP 2016198272A JP 6961920 B2 JP6961920 B2 JP 6961920B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vinyl chloride
- chloride resin
- resin composition
- molecular weight
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
また、住宅用内外装建材においては、天然木指向を受け、木目模様を付与した押出成形品を製造する様々な方法(例えば、特許文献1,2等)が試みられている。
例えば、木粉を塩化ビニル系樹脂組成物に混合したものを用いた成形品は、木材と塩化ビニル系樹脂との特徴を併せ持ち、木質感に溢れた意匠性の高いものであり、巾木、廻り縁等の内装建材等に使用されている。
また、製品の木質感を高めるために、多量に混合すると著しい物性低下を伴う木粉に替わり、架橋ゲル分を含む塩化ビニル系樹脂を含有する塩化ビニル系樹脂組成物を用いた窓枠用押出成形品(例えば、特許文献3等)も多く使用されている。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂と粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを含むものであり、好ましくは塩化ビニル系樹脂を主成分とし、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを0.1〜100質量部含む。
即ち、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンは、塩化ビニル系樹脂と混合した塩化ビニル系樹脂組成物を成形する際に、塩化ビニル樹脂組成物の溶融温度においても溶け残ることにより、溶け残った超高分子量ポリエチレンが成形品の表面粗さを付与し、得られる成形品に、天然木に酷似した木質感を付与することができる。
また、粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンは、それ自体耐熱性に優れるため、耐熱性に優れた成形品とすることができる。
なお、本発明において、「主成分」とは、当該組成物中に通常50質量%以上、好ましくは55質量%以上、より好ましくは60質量%以上含有される成分をさす。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に含有される塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル又は塩化ビニルとこれに共重合可能な単量体との混合物を懸濁重合法、塊状重合法、微細懸濁重合法又は乳化重合法等の通常の方法によって重合することにより製造された重合体又は共重合体が挙げられる。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に含まれる超高分子量ポリエチレンは、粘度平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)である。
粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンは、分子量が極めて大きく、ほとんど分岐鎖を有さない直鎖状の分子構造をもつポリエチレン樹脂であることが知られている。
Mv=5.37×104ηsp1.37 …(I)
なお、本発明でいう、超高分子量ポリエチレンの平均粒径は、組成物にする前の粒子でも良いし、組成物中に分散している粒子の粒径でも良い。
組成物にする前の粒子は、コールターカウンター法による質量基準粒度分布における平均粒径d50とし、組成物中に分散している場合は、光学顕微鏡などで拡大した超高分子量ポリエチレンの代表粒子50個から得られる平均粒径d50であってもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、上記塩化ビニル系樹脂及び高分子量ポリエチレン以外のその他の成分が、本発明の目的を損なわない範囲で含まれていてもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に安定剤を配合する場合、安定剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部、特に1〜15質量部とすることが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に難燃剤を配合する場合、難燃剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して1〜30質量部、特に1〜15質量部とすることが好ましい。
ゴム質重合体の粉体を熱プレス機によって3mm(厚さ)×10mm(幅)×50mm(長さ)の試験片に調製し、動的機械的特性解析装置(機種名「EXSTAR DMS6100」、セイコーインスツル社製)により、両持ち曲げモード、昇温速度2℃/分、周波数10Hzの条件でtanδ曲線を測定し、tanδ曲線のピークトップの温度をガラス転移温度とする。
尚、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
トを主成分とする混合物を重合して得られるものが好ましい。(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂及び粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンと、必要に応じて用いられるその他の各種添加剤を所定の混練機又は混合機に投入し、塩化ビニル系樹脂が劣化しない温度範囲、例えば、100〜230℃、好ましくは130〜200℃の温度に加熱しながら、均一に混合又は混練することにより、容易に製造することができる。なお、塩化ビニル系樹脂は、高分子量ポリエチレンと予め混合しておき、その後、その他の各種添加剤と混合しても、すべての成分を一括で混合しても、いずれの方法を用いてもよい。上述の配合成分の混合又は混練に用いる混合機又は混練機は、実質的に配合物を均一に混合、混練できる装置であればよく特に限定されるものではない。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を押出成形することにより、窓枠用押出成形品を製造することができる。窓枠用押出成形品としては、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物のみを用い、そのまま押出成形して得られる単層の押出成形品であっても、熱可塑性樹脂からなる基材上に、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物よりなる表皮層が積層被覆されるように共押出成形したものであってもよい。本発明の塩化ビニル系樹脂組成物よりなる表皮層は、熱可塑性樹脂からなる基材上に積層一体化されることにより形成されたものであってもよい。
なお、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物よりなる表皮層の厚さは0.05〜1mm程度であることが好ましい。
上記下限値より低い温度であると十分に樹脂が溶融できない状態で成形することになり意匠性や成形性が悪くなる傾向にある。一方、上記上限値より高いと樹脂成分が分解しやすくなる傾向にある。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物によって得られた押出成形品の表面は、中心線平均粗さRaが好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1〜80μm、更に好ましくは5〜20μmであることが、天然木に酷似した木質感が得られる観点から好ましい。
本発明では、例えば、塩化ビニル系樹脂組成物に配合する超高分子量ポリエチレンの粒径や配合量を調整することにより、中心線平均粗さRaを上記範囲内に制御することができる。
なお、中心線平均粗さRaの測定方法は、後述の実施例の項に記載される通りである。
本発明の窓枠用押出成形品は、木質調の意匠性に優れた押出成形品である上に、耐熱性にも優れるため、住宅用窓枠として好適である。
PVC:平均重合度800の塩化ビニル系樹脂(架橋ゲル分0質量%)
超高分子PE−1:三井化学社製 超高分子量ポリエチレン「ミペロン(登録商標)PM−200」(粘度平均分子量180万、平均粒径10μm、融点136℃)
超高分子PE−2:三井化学社製 超高分子量ポリエチレン「ミペロン(登録商標)XM−220」(粘度平均分子量200万、平均粒径30μm、融点136℃)
架橋PVC:平均重合度1100、架橋ゲル分80質量%の架橋塩化ビニル系樹脂
低分子PE:三井化学社製 ポリエチレン「ハイワックス(登録商標)」(粘度平均分子量2000)
安定剤:Ca−Zn系塩ビ用安定剤
充填材:軽質炭酸カルシウム
耐衝撃性強化剤:ブタジエン系ゴム質重合体(Tg=−66℃)
顔料:カーボンブラック
中心線平均表面粗さ(Ra):JIS B0601「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」に準拠して測定した。
×=木質感なし
△=木質感わずかにあり
○=木質感あり
×=造粒不可
○=造粒可
表−1に示す配合原料を表−1に記載した配合量で高速ミキサーに投入し、100℃になるまで攪拌して排出した。
なお、その他の成分については、安定剤を4質量部、充填材を10質量部、耐衝撃性強化剤を5質量部、顔料を1質量部で合計20質量部となるように配合した。
排出した混合物をφ40mm単軸押出機(シリンダー温度:140〜160℃、ダイス温度:160℃)を用いてペレット形状に造粒した。
表−1に示す評価項目のうち、ペレット造粒の評価においては、このときの造粒物を評価用サンプルとして使用した。
表−1に示す評価項目のうち、耐熱性の評価においては、このペレットをミキシングロール(表面温度180〜190℃)にて混練して、シート化したものをプレス成形機(成形温度180℃、成形圧力200kg/cm2)にて圧縮成形し、評価用のサンプルとして使用した。
表−1に示す評価項目のうち、中心線平均粗さRaと木質感の評価においては、造粒したペレットをφ40mm単軸押出機(シリンダー温度:160〜180℃、ダイス温度:190℃)を用いて幅300mm、厚み1mmの平型成形品を押出成形し、評価用のサンプルとして使用した。
各評価結果を表−1に示す。
これに対し、比較例1は質感改質成分を含まないため、表面が平滑で木質感がなく耐熱性も悪い。
この比較例1に対して架橋PVCを配合した比較例2、3は、木質感は改善されているが耐熱性に変化はなく、十分ではない。
また、実施例1、3における超高分子量ポリエチレンを、低分子ポリエチレンに置き換えた比較例4は、φ40mm単軸押出機によるペレット造粒不可であった。
Claims (10)
- JIS K6721に基づいた平均重合度が800〜1400の塩化ビニル系樹脂100質量部に対して粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリエチレンを3〜80質量部含む塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記塩化ビニル系樹脂を主成分とする、請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記超高分子量ポリエチレンの平均粒径が1〜200μmである、請求項1又は2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 前記塩化ビニル系樹脂組成物の押出成形品表面の中心線平均粗さRaが0.5μm以上となる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂からなる基材を有する押出成形品に表皮材として積層される用途に用いられる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 窓枠用塩化ビニル系樹脂組成物である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物の押出成形品。
- 熱可塑性樹脂からなる基材と、この基材上に積層された、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物よりなる表皮層とを有する窓枠用押出成形品。
- 前記熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂である、請求項8に記載の窓枠用押出成形品。
- 請求項8又は9の窓枠用押出成形品を備える窓枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016198272A JP6961920B2 (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016198272A JP6961920B2 (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018059004A JP2018059004A (ja) | 2018-04-12 |
JP6961920B2 true JP6961920B2 (ja) | 2021-11-05 |
Family
ID=61909742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016198272A Active JP6961920B2 (ja) | 2016-10-06 | 2016-10-06 | 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6961920B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7310219B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2023-07-19 | 大日本印刷株式会社 | 化粧材 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2932921A1 (fr) * | 2008-06-24 | 2009-12-25 | Nexans | Cable d'energie et/ou de telecommunication a glissement ameliore. |
JP6089250B2 (ja) * | 2013-02-14 | 2017-03-08 | 平岡織染株式会社 | ファブリック調日除け膜材 |
CN104262761A (zh) * | 2014-10-29 | 2015-01-07 | 安徽省皖捷液压科技有限公司 | 一种不溶胀耐化学腐蚀的喷嘴 |
-
2016
- 2016-10-06 JP JP2016198272A patent/JP6961920B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018059004A (ja) | 2018-04-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA3018981C (en) | Functionalized acrylic process aids for gloss and surface finish modification | |
JP5144307B2 (ja) | グラフト共重合体、樹脂組成物及びその成形品 | |
JP5100483B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 | |
JP7409359B2 (ja) | ポリ塩化ビニル系樹脂成形品及びその製造方法 | |
JP6961920B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物及び窓枠用押出成形品 | |
JP2005112907A (ja) | グラフト共重合体、耐衝撃改質剤、および熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6992695B2 (ja) | 硬質ポリ塩化ビニル系成形品及びその製造方法 | |
US20220403155A1 (en) | Functionalized process aid blends for cellular pvc | |
JP2009001735A (ja) | 塩化ビニル壁紙を再利用した塩化ビニル系重合体組成物及びその組成物からなる床材シート | |
JPWO2005005538A1 (ja) | 塩化ビニル系熱可塑性エラストマー組成物 | |
JP4446319B2 (ja) | 樹脂組成物及び成形品 | |
JP2000212355A (ja) | スチレン系樹脂組成物 | |
EP3143087B1 (en) | A polymer composition capstock comprising the same and a process to make such capstock | |
KR20200092065A (ko) | 고분자 폐 pvc/pe계 여러가지 혼합물 | |
KR101743794B1 (ko) | 금속 파이프 코팅 조성물 및 이를 이용한 압출품의 제조방법 | |
JP6087263B2 (ja) | マスターペレットおよび木質様樹脂成形体の製造方法 | |
JP7285709B2 (ja) | 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形物 | |
JP4311935B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物 | |
JPH1160871A (ja) | ポリオレフィン樹脂用リサイクル性向上剤、その使用法およびその製造方法 | |
JP3274934B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂組成物の製造法 | |
JP2002348335A (ja) | アクリルゴム系グラフト共重合体、衝撃強度改質剤、樹脂組成物、アクリルゴム系グラフト共重合体の製造方法 | |
KR101737169B1 (ko) | 프로파일용 열가소성 수지 조성물 | |
JP2011126961A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2000095912A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2019073586A (ja) | ポリ塩化ビニル系樹脂成形品及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200825 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210316 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210510 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210914 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210927 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6961920 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |