JP2005112907A - グラフト共重合体、耐衝撃改質剤、および熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

グラフト共重合体、耐衝撃改質剤、および熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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敬治 中村
Masahiro Osuga
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Abstract

【課題】少量添加することにより樹脂の耐衝撃性を向上させ、耐候性、湿熱性、熱安定性を良好に維持し、また難燃剤を使用しても難燃性不良を起こさない、高い物性バランスを有する耐衝撃改質剤として有用なグラフト共重合体を提供する。
【解決手段】分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むゴム質重合体(A)と、グラフト部(B)とから成るグラフト共重合体であって、ゴム質重合体(A)の全部または一部が連鎖移動剤を使用して重合して得たものであることを特徴とするグラフト共重合体;そのグラフト共重合体を含む耐衝撃改質剤;およびその改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐候性等の物性に優れたグラフト共重合体、そのグラフト共重合体を含む耐衝撃改質剤、およびその改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物に関する。
ABS樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の汎用の熱可塑性樹脂の耐衝撃性、耐候性、顔料着色性、耐熱分解性を改良する方法に関しては、従来多くの技術が知られている。
例えば特許文献1には、ゴム状重合体ラテックスに特定のアルコールを加えることによって、耐衝撃性を維持しつつ製品外観等を改良する方法が開示されている。また特許文献2には、イソブチレン系重合体セグメントとビニル重合体セグメントが相互に分離できない構造を有する複合ゴムにビニル系単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体を、汎用の熱可塑性樹脂に配合して、その耐衝撃性を向上させる方法が開示されている。
また、ブタジエン系ゴム状重合体にメチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリルなどをグラフト重合させた樹脂[例えばMBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂等]を改質剤として、熱可塑性樹脂に混合し、その耐衝撃性を改良する方法がある。しかし、MBS樹脂を混合すると耐候性が低下し、その成型品を屋外で使用すると耐衝撃性が経時的に著しく低下するという欠点がある。耐候性が低下する主な原因は、MBS樹脂を構成するブタジエン単位の紫外線劣化に基づくものと考えられている。
そこで、アルキル(メタ)アクリレートと架橋剤とから得た架橋アルキル(メタ)アクリレートゴム重合体に、メチルメタクリレート、スチレン、アクリロニトリルなどをグラフト重合させることにより、耐候性を改良し、かつ耐衝撃性を付与する方法が、特許文献3に提案されている。さらに、特許文献4では、ガラス転移温度の異なる成分から構成されるアクリル複合ゴムによる耐衝撃性の改善が提案されている。また、特許文献5では、アクリル複合ゴムの粒子径分布を規定することによって耐衝撃性を向上させる提案がなされている。
これら技術によれば耐衝撃性の向上が認められるが、さらに効率的な耐衝撃発現性が求められている。また、従来技術では、耐候性と耐衝撃性を高いレベルで調和させる点において、さらに改善の余地を残している。例えば、コストダウンへの要求やマトリクス樹脂本来の機械的特性を損なうことなく、樹脂そのものの分解を防止する場合において、安定剤の添加によって防止するのではなく、他の添加剤の量を低減することによって防止しようとする面での改善である。
特公平4−325542号公報 特開平10−101869号公報 特公昭51−28117号公報 特開平10−198882号公報 特開平11−133315号公報
本発明の目的は、少量添加することにより樹脂の耐衝撃性を向上させ、かつ得られた成型品の耐候性、湿熱性、さらには熱安定性を良好に維持し、また難燃用途において種々の難燃剤を使用しても、耐衝撃改質剤に起因する難燃性不良を起こさない、高い物性バランスを有する耐衝撃改質剤として有用なグラフト共重合体、そのグラフト共重合体を含む耐衝撃改質剤、およびその改質剤を配合した熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むゴム質重合体(A)と、グラフト部(B)とから成るグラフト共重合体であって、ゴム質重合体(A)の全部または一部が連鎖移動剤を使用して重合して得たものであることを特徴とするグラフト共重合体である。
さらに本発明は、上記グラフト共重合体を含む耐衝撃改質剤である。
さらに本発明は、熱可塑性樹脂、および、上記耐衝撃改質剤を含む熱可塑性樹脂組成物である。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」という表現は、アクリルとメタクリルの総称である。
本発明のグラフト共重合体は上述のような構成を有するので、耐衝撃改質剤として使用した場合、これを少量添加するだけで熱可塑性樹脂の耐衝撃性を向上させ、かつ得られた成型品の耐候性、耐湿熱性を、さらには耐熱変形性をも良好に維持できる。また、難燃用途において種々の難燃剤を使用しても、耐衝撃改質剤に起因する難燃性不良を起こさない。このような本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種特性に優れたものであり、各種分野において非常に有用な樹脂材料である。
本発明に用いるゴム質重合体(A)は、分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上(好ましくは13)のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むアクリルゴムである。ここで、(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むとは、そのような(メタ)アクリル酸エステルを単量体成分として使用し、これを重合して得られる構造[(メタ)アクリル酸エステル単量体単位]を分子中に繰返し単位として含んでいることを意味する。また、アクリルゴムとは、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体を主成分として重合して得たゴムを意味する。
ゴム質重合体(A)の全部または一部は、連鎖移動剤を使用して重合して得たものである。したがって、ゴム質重合体(A)は、例えばメルカプト基等の連鎖移動末端を有する。本発明においては、ゴム成分が連鎖移動末端を有し、分子量規制が加えられているので、連鎖移動末端を持たないゴム成分よりも分子運動性が向上しており、衝撃を吸収するゴム成分内にもある種の架橋密度差あるいは傾斜を設けることができ、その結果、衝撃強度発現性をさらに高めることができ、また熱可塑性樹脂に添加する場合のその添加量を低減できる。連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
ゴム質重合体(A)を得るために用いる単量体としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、n−ブチルアクリレート等が挙げられる。これら単量体は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
ゴム質重合体(A)を得るために用いる単量体は、通常は、分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体を含む。その含有量は2質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましい。分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体は、架橋剤またはグラフト交叉剤として機能する。架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、多官能メタクリル基変性シリコーン等が挙げられる。グラフト交叉剤としては、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは、架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤およびグラフト交叉剤は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
ゴム質重合体(A)としては、高性能化された複合ゴムを用いることが好ましい。具体的には、分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むアクリルゴム(A1)成分と、n−ブチルアクリレートを構成成分として含むアクリルゴム(A2)成分とからなる複合ゴムが好適である。また、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)は、アクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)よりも低い。この複合ゴムは、異なるガラス転移温度を持つ複数種のゴム成分により衝撃強度改良効果をさらに向上させたものである。
さらに、このアクリルゴム(A1)成分およびアクリルゴム(A2)成分のどちらか一方または両方は、連鎖移動剤を使用して重合して得たものである。すなわち、(A1)成分および(A2)成分のどちらか一方または両方は、例えばメルカプト基等の連鎖移動末端を有する。これにより、同種のポリマー主鎖を構成する(A1)成分と(A2)成分のどちらか一方または両方のゴム成分の分子運動性が高まり、従来のものと比較してさらに高い耐衝撃性を得ることができる。例えば、連鎖移動剤を使用することにより、所望の一次分子量、さらにその分布を制御することができる。実際に架橋ゴムの一次分子量を測定することは困難であるが、連鎖移動剤を使用して積極的に連鎖移動反応を起こせば、それが無い場合と比較して一次分子量は低下する。また、複合ゴム特有の高い耐衝撃性を、さらに高めることができるのは、連鎖移動により1次分子量が規制されることで、分子の運動性が高くなり、より衝撃吸収能が高くなるためと考えられる。また必ずしも明らかではないが、複合ゴムは一般の共重合ゴムよりも高い衝撃性を有するが、ゴム粒子中に異成分間の微小な界面が存在し、マトリクスに入力された衝撃を応力集中により吸収するゴムの役割に加え、さらにゴム内部に対して効率的に応力を伝達する役割を果たしているのではないかと考えられる。
この複合ゴムは、より具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、トリデシルメタクリレートおよびステアリルメタクリレートのうちの少なくとも1種を構成成分として含むアクリルゴム(A1)成分と、n−ブチルアクリレートを主たる構成成分として含むアクリルゴム(A2)成分とからなることが好ましい。
複合ゴムにおける両成分の割合は、耐衝撃性の点から、(A1)成分5〜95質量%、(A2)成分95〜5質量%が好ましく、(A1)成分10〜90質量%、(A2)成分90〜10質量%がより好ましく、(A1)成分10〜85質量%、(A2)成分90〜15質量%が特に好ましい。また、複合ゴムの場合は、(A1)成分に対して使用する架橋剤またはグラフト交差剤の量[架橋剤またはグラフト交差剤の量/A1成分量(%)]よりも、(A2)成分に対して使用する架橋剤またはグラフト交差剤の量[架橋剤またはグラフト交差剤の量/A2成分量(%)]の方が多いことが好ましい。
本発明において、連鎖移動剤の使用量は、その重合工程に使用するビニル単量体の量(100質量%)に対して0.001質量%以上、1質量%以下が好ましい。これが0.001質量%以上であれば耐衝撃性の点で好ましく、また0.5質量%以下であれば1次分子量が極端に低下することを防止でき、耐衝撃性の低下防止、回収性の点で好ましい。さらに、上限値に関しては、0.5質量%以下がより好ましく、0.35質量%以下が特に好ましい。なお、この使用量は、その重合工程毎に使用するビニル単量体の量(架橋剤やグラフト交叉剤の量は除く)を基準とする。したがって、例えばゴム質重合体(A)を一段の重合工程で製造する場合(複合ゴムでない場合)は、ゴム質重合体(A)の製造に使用するビニル単量体の全量に対する連鎖移動剤の使用量が上記範囲内になることが好ましく、複合ゴムの場合は(A1)成分、(A2)成分のそれぞれの製造に使用するビニル単量体の量に対する連鎖移動剤の使用量が上記範囲内になることが好ましい。さらに、ゴム質重合体(A)を製造するに当たり、多段重合する場合においては、各段階で連鎖移動剤の使用量が異なることが好ましい。特に、連鎖移動剤使用量の違いにより同一セグメント内に1次分子量の差が生じれば、衝撃を効率的に吸収できるので好ましい。
ゴム質重合体(A)は、10℃以下にガラス転移温度を2つ以上有することが好ましい。さらに、上述したように、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が、アクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)よりも低いことが好ましい。ガラス転移温度がこのような条件を満たす場合、より高い耐衝撃性を発現できる。
ここで、重合体のガラス転移温度は、動的機械的特性解析装置(以下「DMA」と称す)で測定されるTanδの転移点として測定される。一般に、単量体から得られた重合体は、固有のガラス転移温度を持ち、単独(単一成分または複数成分のランダム共重合体)では一つの転移点が観測されるが、複数成分の混合物あるいは複合化された重合体では、夫々に固有の転移点が観測される。例えば、2成分からなる場合、測定により2つの転移点が観測される。DMAにより測定されるTanδ曲線では、2つのピークが観測されるが、組成比に偏りがある場合や転移温度が近い場合には、夫々のピークが接近する場合があり、ショルダー部分を持つピークとして観測される場合がある。これは、単独成分の場合に見られる単純な1ピークの曲線とは異なり判別可能である。
ゴム質重合体(A)を製造するに当たり、(メタ)アクリル系単量体と他の単量体の混合物を使用して共重合させてもよい。この場合、他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メタクリル酸変性シリコーン、フッ素含有ビニル化合物等の各種のビニル系単量体を共重合成分として含んでいてもよい。他の単量体の使用量は、30質量%以下が好ましい。
ゴム質重合体(A)の粒度分布に関しては、対象とする樹脂、あるいは目的とする物性により適宜決定すればよい。ゴム質重合体(A)の粒度分布は、従来より知られる方法により測定できる。具体的には、例えばキャピラリー・ハイドロ・ダイナミック・フロー・フラクショネーション(CHDF)方式による市販の粒度分布測定装置を用いて、粒度分布のグラフを作成し、このグラフから粒度分布の詳細を知ることができる。このCHDF方式は、粒子径およびその分布を測定する為の手法であり、乳化ラテックス、粒子分散懸濁液などに使用される一般的な測定方法のひとつである。
ゴム質重合体(A)の粒子径は、80nm〜1500nmが好ましい。また、一般的な耐衝撃性の観点からは、100nm〜700nmが好ましい。また、ポリカーボネート樹脂や塩化ビニル樹脂等に配合して耐衝撃性を改良する場合は100nm〜300nmが好ましく、ポリスチレン等のような比較的脆性の樹脂に配合する場合は300nm〜1200nmが好ましい。
ゴム質重合体(A)の製造方法は、特に制限されない。例えば、(メタ)アクリル系単量体またはその混合物を、乳化重合法、懸濁重合法等で重合させることによって、ゴム質重合体(A)を得ることができる。一般に、乳化重合で得られる重合体の粒子径は大きく、懸濁重合では小さい。ゴム質重合体(A)を得るための方法としては、例えば、乳化剤が存在しない状態で、開始剤として過硫酸カリウム等を用いて重合させる方法がある。pHが中性付近、好ましくはpH6以上で、重合開始剤として過硫酸カリウムを用いれば、過硫酸カリウムより硫酸イオンラジカルが発生し、重合体の分子末端は硫酸エステル型となる。
また、ゴム質重合体(A)を製造する為には、2段階以上の重合工程を実施することが好ましい。特に、重合時間を短くする為、かつ重合カレット等の生成を抑える為には、重合工程を2段階以上に分け、乳化剤非存在下で、粒子径増大と共に重合速度が遅くなる第1段階目の重合工程と、乳化剤の存在下で乳化重合を行なう第2段階目以降の重合工程とを組み合わせて実施することが好ましい。また、ゴム質重合体(A)を製造する為に2段階以上の重合工程を実施する場合は、2段階目以降の重合工程において、乳化剤は2回以上に分割添加することが好ましい。また、乳化剤を単量体等の混合物に、純水と共に混合し、同時に系中に添加して重合を行なう方法も好ましい例である。また別の手法としては、上述のような乳化剤の非存在下での重合工程が無い、通常の乳化剤を用いた乳化重合法によって行なう方法もある。ただし、特に1段階で所望の粒子径を得るのは一般的には困難なので、数段に分割して粒子径を成長させることが好ましい。
本発明において、アクリルゴム(A1)成分および(A2)成分からなる複合ゴムを製造する場合は、アクリルゴム(A1)成分の製造工程において、強制乳化工程を経て重合することが好ましい。強制乳化処理を行なうことは、乳化重合に対して重合時のスケール付着が顕著あるいは重合速度遅い等、特に乳化重合し難い単量体を使用する場合に有効である。具体的には、例えば、まずインラインミキサー等の機器を用いて予備乳化し、さらに5MPa以上の圧力をかけることのできるホモジナイザーのような強制乳化機を用いて本分散を行なう。この際乳化される単量体の粒子径は平均的に約0.1〜10μm程度である。
さらに、上記の強制乳化された単量体を含む乳化液を2段階以上の工程に分けて重合することによって、所望の粒子径を得ることができる。この方法によれば、重合スケールの付着等も非常に改善され、効率的な工程サイクルを実現することが可能となる。
なお、酸基含有ポリマー粒子またはその塩等を用いる方法は、比較的簡便に粒子径を大きく出来るものの、所望の粒度分布は得にくく、さらには、それら肥大化剤によってマトリクス樹脂の物性を悪化させる場合があるので好ましくない。
ゴム質重合体(A)を製造する際には、乳化剤または分散安定剤として、アニオン性、非イオン性、カチオン性など、従来より知られる各種の界面活性剤を使用できる。また必要に応じて、2種以上の界面活性剤を混合して用いることもできる。
以上説明したゴム質重合体(A)の存在下に、1種または2種以上のビニル系単量体をグラフト重合させることにより、ゴム質重合体(A)とグラフト部(B)から成るアクリルゴム系グラフト共重合体を得ることができる。
グラフト部(B)を製造する為に用いるビニル系単量体は、特に制限されない。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等の各種のビニル系単量体が挙げられる。これらビニル系単量体は、1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
ビニル系単量体は、耐衝撃性、耐熱性の点から、分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体を含んでいてもよい。その具体例としては、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、多官能メタクリル基変性シリコーン等、架橋剤として機能する単量体;アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等、架橋剤および/またはグラフト交叉剤として機能する単量体などが挙げられる。これら単量体の使用量は20質量%以下であることが好ましい。
また、グラフト部(B)の製造においても、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤の種類や使用量については前に述べたものと同様である。
グラフト部(B)は、1段もしくは多段重合により製造することが出来る。耐衝撃改質剤のマトリクス中での分散性、界面強度等をどのように設定したいかにもよるが、多段化することにより、耐衝撃性を向上させる効果がある。また、グラフト部(B)を、例えばグリシジルメタクリレート等の官能基を有する単量体を使用して製造する場合、その反応性を保持しつつ分散性等を良好に保つ方法として、多段化することは有効な手段である。ただし、製造工程が増加し、生産性が低下するので、必要以上に多段化することは好ましくない。したがって、5段以下、さらには3段以下とするのが好ましい。
グラフト部(B)を製造する為の重合方法としては、一般的な滴下重合を用いることもできる。ただし、ゴム質重合体(A)の1段目を乳化剤の非存在下で製造した場合には、ゴム質重合体(A)の存在下に、グラフト部(B)を構成する成分を一括で仕込み、その後触媒を添加して重合する方法が好ましい。この方法によれば、粉体回収時に、凝集粒子が融着し難くなる。グラフト部(B)を多段重合により製造する場合は、その2段目以降は単量体を一括で仕込んでも、滴下で仕込んでも構わない。
グラフト共重合体におけるゴム質重合体(A)とグラフト部(B)の比率は、両者の合計100質量部を基準として、ゴム質重合体(A)の量が70〜99質量部であることが好ましく、80〜95質量部であることがより好ましく、80〜90質量部であることが特に好ましい。グラフト部(B)の量が1質量部以上であれば、得られるグラフト共重合体の樹脂中での分散性が良好となり樹脂組成物の加工性が向上する。一方、グラフト部(B)の量が20質量部以下であれば、グラフト共重合体の衝撃強度発現性が向上する。
さらに、本発明においては、ゴム質重合体(A)および/またはグラフト部(B)が、エポキシ基、ヒドロキシル基およびイソボロニル基から選ばれる1種以上の官能基を有することも好ましい。このようなグラフト共重合体を、その官能基と反応できる熱可塑性樹脂(例えばポリエステル樹脂等)に配合すれば、樹脂の耐衝撃性をさらに向上でき、また顔料着色性や耐熱変形性等の物性をさらに向上できる。その官能基は、要求物性に応じて導入すればよい。官能基の最適量は熱可塑性樹脂の種類に応じて異なる。通常は、ゴム質重合体(A)またはグラフト部(B)を構成する単量体全量を基準として、官能基を有する単量体の割合は50質量%以下であることが、耐衝撃性の点から好ましい。また、特に顔料着色性や耐熱変形性の点から、官能基を有する単量体の割合は0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
重合に使用する乳化剤としては、従来より知られる各種の乳化剤を使用できる。具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸塩系乳化剤;アルキルベンゼンゼンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム等のスルフォン酸系乳化剤;その他、スルフォ琥珀酸系乳化剤、アミノ基含有乳化剤、モノ脂肪酸や琥珀酸を含有する脂肪酸系乳化剤;などが挙げられる。
以上説明したグラフト重合を行なうと、ゴム質重合体(A)とグラフト部(B)から成るグラフト共重合体は、通常、ラテックスとして得られる。本発明においては、このラテックスとして得たグラフト共重合体を噴霧回収または酸、塩による湿式凝固により、粉体、顆粒またはペレットとして回収することが好ましい。ただしゴム質重合体(A)および/またはグラフト部(B)が官能基を含む場合には、酸による湿式凝固は好ましくない。酸を用いた場合には、官能基を失活、あるいは悪影響を及ぼす場合があるからである。
塩による湿式凝固をを行なう場合、使用する塩類としては、例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩が好ましい。アルカリ土類金属塩を使用すると、リサイクル性を考慮した耐湿熱性、すなわち、水分および熱によるマトリクス樹脂の分解等の劣化を極力抑制できるからである。
また、リサイクル性を考慮した回収法としては、凝析剤用の塩類そのものを含まない噴霧回収法が有効である。噴霧回収する際には、グラフト共重合体以外に、フィラー類あるいはその他の共重合体を同時に共噴霧し、両者が合わさった粉体として回収することができる。このように共噴霧するものの種類を適宜選ぶことにより、粉体のより好ましい取り扱い性を実現することもできる。共噴霧する成分としては、例えば、先に述べたカルシウム成分をはじめ、シリカ、硬質ビニル系共重合体等が挙げられる。
また、本発明の耐衝撃改質剤は、カルシウム分を含むことも、特にエンジニアリングプラスチックの耐衝撃性の向上、耐候性、耐湿熱性の向上に有効であり好ましい。カルシウムの含有量は、グラフト共重合体100質量部に対して0.0001(1.0ppm)〜10質量部が好ましい。なお、カルシウム源については特に限定はない。
本発明の耐衝撃改質剤は、本発明のグラフト共重合体と無機フィラーからなるものであってもよい。このような耐衝撃改質剤は、耐熱変形性をより向上することができ、耐衝撃性等の物性と耐熱変形性の高度なバランスが要求される用途において非常に有用である。無機フィラーとしては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等の炭酸塩、酸化チタン、クレー、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維などが挙げられる。また、水溶性もしくは懸濁状態にあるフィラーを使用することもできる。また、無機フィラーは、グラフト共重合体のラテックスに直接もしくは粉体回収時、さらにはペレット化する時等、いずれの状況でも添加できる。無機フィラーの使用量は、グラフト共重合体100質量部に対して0.01〜30質量部が好ましく、0.01〜20質量部がより好ましく、0.01〜10質量部が特に好ましく、0.01〜5質量部が最も好ましい。上記各範囲の下限値は耐熱性の点で、上限値は耐衝撃性の点で意義がある。すなわち、無機フィラーの使用量が上記各範囲内であれば、耐熱性と共に耐衝撃性も向上できる点で好ましい。
本発明の耐衝撃改質剤は、通常、熱可塑性樹脂に配合して使用する。すなわち本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と本発明の耐衝撃改質剤を主成分として含む組成物である。耐衝撃改質剤の配合量は特に制限されないが、一般的には、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1〜40質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
また、耐衝撃改質剤を熱可塑性樹脂に配合する際に、その熱可塑性樹脂がペレットの場合は、耐衝撃改質剤も顆粒あるいはペレット化して使用することもできる。ペレットは、溶融、半溶融、あるいは単純に圧縮したものでも構わない。ペレット化の方法は、押出しあるいはペレット化装置等を用いて行えばよい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン(PS)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体(MS)、スチレン・アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート共重合体(ASA)、アクリロニトリル・EPDM・スチレン共重合体(AES)等のスチレン系樹脂(St系樹脂);ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系樹脂(Ac系樹脂);ポリカーボネート系樹脂(PC系樹脂);ポリアミド系樹脂(PA系樹脂);ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂(PEs系樹脂);(変性)ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE系樹脂)、ポリオキシメチレン系樹脂(POM系樹脂)、ポリスルフォン系樹脂(PSO系樹脂)、ポリアリレート系樹脂(PAr系樹脂)、ポリフェニレン系樹脂(PPS系樹脂)、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(PU系樹脂)等のエンジニアリングプラスチックス;スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレン等の熱可塑性エラストマー(TPE);PC/ABS等のPC系樹脂/St系樹脂アロイ、PVC/ABS等のPVC系樹脂/St系樹脂アロイ、PA/ABS等のPA系樹脂/St系樹脂アロイ、PA系樹脂/TPEアロイ、PA/PP等のPA系樹脂/ポリオレフィン系樹脂アロイ、PBT系樹脂/TPE、PC/PBT等のPC系樹脂/PEs系樹脂アロイ、ポリオレフィン系樹脂/TPE、PP/PE等のオレフィン系樹脂同士のアロイ、PPE/HIPS、PPE/PBT、PPE/PA等のPPE系樹脂アロイ、ポリアセタール樹脂(POM)、PVC/PMMA等のPVC系樹脂/Ac系樹脂アロイ等のポリマーアロイ;硬質、半硬質、軟質塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。
上述の各種樹脂のうち、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂、塩化ビニル系樹脂が好ましい。さらに、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS樹脂が特に好ましい。
難燃性能が必要な用途に本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用する場合は、さらに難燃剤を含むことが好ましい。難燃剤の具体例としては、リン酸エステル化合物、亜リン酸エステル化合物、縮合リン酸エステル化合物等のリン酸系化合物;水酸化アルミニウム;シリコーン系化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸アンチモン系化合物;含ハロゲンリン酸エステル化合物、含ハロゲン縮合リン酸エステル化合物、塩素化パラフィン、臭素化芳香族化合物(臭素化芳香族トリアジン、臭素化フェニルアルキルエーテル等)等のハロゲン含有化合物;スルフォン系化合物;硫酸塩系化合物;エポキシ系反応型難燃剤;などが挙げられる。特に、ハロゲン系化合物、リン酸系化合物、シリコーン系化合物、ハロゲン含有有機金属塩系化合物は、所期の目的とする耐衝撃性等を損なうことなく、高い難燃性を発現できるので好ましい。
本発明の耐衝撃改質剤を熱可塑性樹脂に配合する場合は、その物性を損なわない限りにおいて、熱可塑性樹脂のコンパウンド時、混練時、成形時等の所望の段階で、従来より知られる各種の安定剤、充填剤等を添加できる。
安定剤には、金属系安定剤と、非金属系安定剤がある。金属系安定剤の具体例としては、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛系安定剤;カリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘン酸等の脂肪酸から誘導される金属石けん系安定剤;アルキル基、エステル基等と、脂肪酸塩、マレイン酸塩、含硫化物等から誘導される有機スズ系安定剤;Ba−Zn系、Ca−Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn系、Ca−Zn−Sn系、Pb−Sn系、Pb−Ba−Ca系等の複合金属石けん系安定剤;バリウム、亜鉛等の金属と、2−エチルヘキサン酸、イソデカン酸、トリアルキル酢酸等の分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、ナフテン酸等の脂肪環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸、それらの置換誘導体などの芳香族酸といった通常二種以上の有機酸から誘導される金属塩系安定剤;これら安定剤を、石油系炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体等の有機溶剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止剤、プレートアウト防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合してなる金属塩液状安定剤;などが挙げられる。非金属系安定剤の具体例としては、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化植物油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポキシ化合物;リンが、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシル基等で置換され、かつプロピレングリコール等の2価アルコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の芳香族化合物を有する有機亜リン酸エステル;2,4−ジ−t−ブチル−3−ヒドロキシトルエン(BHT)や硫黄やメチレン基等で二量体化したビスフェノール等のヒンダードフェノール、サリチル酸エステル、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミンまたはニッケル錯塩の光安定剤;カーボンブラック、ルチル型酸化チタン等の紫外線遮蔽剤;トリメロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコール;β−アミノクロトン酸エステル、2−フェニルインドール、ジフェニルチオ尿素、ジシアンジアミド等の含窒素化合物;ジアルキルチオジプロピオン酸エステル等の含硫黄化合物;アセト酢酸エステル、デヒドロ酢酸、β−ジケトン等のケト化合物;有機珪素化合物;ほう酸エステル;などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤の具体例としては、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等の炭酸塩;酸化チタン、クレー、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維等の無機質系の充填剤;ポリアミド等の有機繊維、シリコーン等の有機質系の充填剤;木粉等の天然有機物;などが挙げられる。なお、本発明の樹脂組成物を、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、有機繊維等の繊維状補強材を配合してなる繊維強化樹脂として用いることは、特に有用である。
さらに必要に応じて、上述した以外の各種の添加剤を使用することもできる。その具体例としては、MBS、ABS、AES、NBR(アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム系グラフト共重合体、熱可塑性エラストマー等の本発明のもの以外の耐衝撃改質剤;(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の加工助剤;ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレート、トリオクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート等の芳香族多塩基酸のアルキルエステル;ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジシオノニルアジぺート、ジブチルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジイソノニルアゼレート等の脂肪酸多塩基酸のアルキルエステル;トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等の多価アルコールとの分子量600〜8,000程度の重縮合体の末端を一価アルコールまたは一価カルボン酸で封止した化合物等のポリエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化トール油脂肪酸−2−エチルヘキシル等のエポキシ系可塑剤;塩素化パラフィン等の可塑剤;流動パラフィン、低分子量ポリエチレン等の純炭化水素、ハロゲン化炭化水素、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸、脂肪酸アミド、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル(エステルワックス)、金属石けん、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル等のエステル、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の滑剤;(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、イミド系共重合体、スチレン・アクリロニトリル系共重合体等の耐熱向上剤;離型剤、結晶核剤、流動性改良剤、着色剤、帯電防止剤、導電性付与剤、界面活性剤、防曇剤、発泡剤、抗菌剤;などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物、すなわち熱可塑性樹脂および本発明の耐衝撃改質剤を含む熱可塑性樹脂組成物を製造する方法は、特に制限されない。従来より知られる各種の混合方法を使用できるが、通常は、溶融混合法が好ましい。また、必要に応じて少量の溶剤を使用してもよい。混合に使用する装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等が挙げられる。これら装置は、回分的または連続的に運転すればよい。成分の混合順は特に限定されない。
本発明の樹脂組成物の用途は、特に制限されない。例えば、建材、自動車、玩具、文房具などの雑貨、さらには自動車部品、OA機器、家電機器などの耐衝撃性が必要とされる成型品に広く利用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、文中の「部」は「質量部」を示す。
[製造例1:耐衝撃改質剤1の製造]
2−エチルヘキシルアクリレート82部、2−エチルヘキシルアクリレート量に対して1.2質量%に相当する量のアリルメタクリレート、0.1質量%に相当する量のターシャリドデシルメルカプタン、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ジナトリウム1.4部、および、水40部を、特殊機化工業(株)製のTKホモミキサーで、12000rpm、5分間予備分散した。その後、ゴウリン製ホモジナイザーLB−40型を用いて圧力20MPaで強制乳化し、プレエマルジョンを得た。次いで、コンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに、上記プレエマルジョンと水120部を仕込み、さらに、プレエマルジョン中の2−エチルヘキシルアクリレート量に対して0.5質量%に相当する量のターシャリブチルハイドロパーオキサイドを仕込んだ。次いで、窒素気流200ml/minで容器内を50分間置換し、その後50℃まで昇温して、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.02部および蒸留水5部からなる混合液を投入し、重合を開始した。その後100分間保持し、ゴム質重合体(A)のラテックスを得た。
このゴム質重合体(A)のラテックスの温度を65℃とし、グラフト部(B)を構成するための単量体としてメチルメタクリレート14.5部およびエチルアクリレート0.5部、この2つの単量体の合計量に対して0.01質量%に相当する量のノルマルオクチルメルカプタン、および、この2つの単量体の合計量に対して0.5質量%に相当する量のターシャリブチルパーオキサイドを混合したものを、25分間に渡り系中に滴下して、グラフト重合を行った。その後、150分間保持して重合を完了し、ゴム質重合体(A)とグラフト部(B)から成るアクリルゴム系グラフト共重合体のラテックスを得た。このグラフト共重合体のラテックスを、酢酸カルシウム5.0質量%を溶解した熱水200部中に滴下し、凝固、分離、洗浄し、75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤1)を得た。
[製造例2:耐衝撃改質剤2の製造]
2−エチルヘキシルアクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート量に対して0.4質量%に相当する量のアリルメタクリレート、0.15質量%に相当する量のターシャリドデシルメルカプタン、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ジナトリウム0.8部、および、水40部を、特殊機化工業(株)製のTKホモミキサーで、12000rpm、5分間予備分散した。その後、ゴウリン製ホモジナイザーLB−40型を用いて圧力20MPaで強制乳化し、プレエマルジョンを得た。次いで、コンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに、上記プレエマルジョンと水120部を仕込み、さらに、プレエマルジョン中の2−エチルヘキシルアクリレート量に対して0.5質量%に相当する量のターシャリブチルハイドロパーオキサイドを仕込んだ。次いで、窒素気流200ml/minで容器内を50分間置換し、その後50℃まで昇温して、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.02部および蒸留水5部からなる混合液を投入し、重合を開始した。その後100分間保持し、アクリルゴム(A1)成分のラテックスを得た。
次いで、系内の温度を55℃に調温し、アクリルゴム(A2)成分を構成するための単量体としてn−ブチルアクリレート55部、n−ブチルアクリレート量に対して1.0質量%に相当する量のアリルメタクリレート、および、0.5質量%に相当する量のターシャリブチルパーオキサイドを混合したものを系内に一括して仕込み、5分間保持した。次いで、ロンガリット0.1部および蒸留水10部の混合液を投入して、2段目の重合を開始した。その後65℃で100分間保持して、アクリルゴム(A1)成分とアクリルゴム(A2)成分からなる複合ゴム[ゴム質重合体(A)]のラテックスを得た。このゴム質重合体(A)の重合率は99.9%であった。また、ラテックスのゲル含量は96.7%であった。このゲル含量は、ラテックスをエタノールで凝固乾燥し、その固形物をトルエンで90℃、12時間抽出して測定した値である。
以上のようにして得たゴム質重合体(A)のラテックスを使用し、かつグラフト部(B)を形成する際にノルマルオクチルメルカプタンを使用しなかったこと以外は、製造例1と同様にしてグラフト重合を行い、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤2)を得た。
[製造例3:耐衝撃改質剤3の製造]
2−エチルヘキシルアクリレートの量を25部、アリルメタクリレートの量を0.5質量%に変更し、ターシャリドデシルメルカプタン0.15質量%の代わりにノルマルオクチルメルカプタン0.12質量%を使用し、かつアルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ジナトリウムの量を1.1部に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、アクリルゴム(A1)成分のラテックスを得た。
次いで、以上のようにして得たアクリルゴム(A1)成分のラテックスを使用し、アクリルゴム(A2)成分を構成するための単量体であるn−ブチルアクリレートの量を60部、アリルメタクリレートの量を1.4質量%に変更し、さらにn−ブチルアクリレート量に対して0.04質量%に相当する量のターシャリドデシルメルカプタンも使用し、かつターシャリブチルパーオキサイドの量を1.0質量%に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、アクリルゴム(A1)成分とアクリルゴム(A2)成分からなる複合ゴム[ゴム質重合体(A)]のラテックスを得た。このゴム質重合体(A)の重合率は99.9%であった。また、前述した条件で測定したラテックスのゲル含量は93.7%であった。
以上のようにして得たゴム質重合体(A)のラテックスを使用し、かつグラフト部(B)を形成する際にエチルアクリレート0.5部の代わりにブチルアクリレート0.5部を使用したこと以外は、製造例2と同様にしてグラフト重合を行い、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤3)を得た。
[製造例4:耐衝撃改質剤4の製造]
2−エチルヘキシルアクリレートの量を10部、アリルメタクリレートの量を0.1質量%に変更し、ターシャリドデシルメルカプタン0.15質量%の代わりにノルマルオクチルメルカプタン0.15質量%を使用し、かつアルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ジナトリウムの量を0.6部に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、アクリルゴム(A1−1)成分のラテックスを得た。
一方、系内の温度を60℃に調温し、アクリルゴム(A1−2)成分を構成するための単量体として2−エチルヘキシルアクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート量に対して0.03質量%に相当する量のターシャリドデシルメルカプタン、0.7質量%に相当する量のアリルメタクリレート、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ジナトリウム0.4部、および、水40部を、TKホモミキサーで、12000rpm、5分間予備分散した。その後、ホモジナイザーLB−40型を用いて圧力20MPaで強制乳化して、プレエマルジョンを得た。このプレエマルジョンを、先に調製したアクリルゴム(A1−1)成分のラテックス中に一括投入した。さらに、ラウリル硫酸ナトリウム0.1部、投入したプレエマルジョン中の2−エチルヘキシルアクリレート量に対して0.5質量%に相当する量のターシャリブチルパーオキサイドを混合し、攪拌しながら系内を60℃に調温した。次いで、ロンガリット0.02部および蒸留水5部からなる混合液を投入し、重合を開始し、その後100分間保持し、アクリルゴム(A1)成分のラテックスを得た。
次いで、以上のようにして得たアクリルゴム(A1)成分のラテックスを使用し、アクリルゴム(A2)成分を構成するための単量体であるn−ブチルアクリレートの量を41部、アリルメタクリレートの量を1.1質量%に変更し、かつロンガリットの量を0.2部に変更したこと以外は、製造例2と同様にして、アクリルゴム(A1)成分とアクリルゴム(A2)成分からなる複合ゴム[ゴム質重合体(A)]のラテックスを得た。このゴム質重合体(A)の重合率は99.9%であった。また、前述した条件で測定したラテックスのゲル含量は97.6%であった。
以上のようにして得たゴム質重合体(A)のラテックスを使用し、かつメチルメタクリレートの量を18.5部に変更したこと以外は、製造例1と同様にしてグラフト重合を行い、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤4)を得た。
[製造例C1:耐衝撃改質剤(C1)の製造]
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに蒸留水295部および牛脂酸カリウム1.0部を加え、さらにホウ酸0.4部、無水炭酸ナトリウム0.04部を加えて10分間攪拌し、窒素置換を行った。その後50℃に昇温し、2−エチルヘキシルアクリレート85部、2−エチルヘキシルアクリレート量に対して2質量%に相当する量のアリルメタクリレート、および、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド0.4部からなる混合液を仕込み、30分間撹拌した。次いで、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部からなる混合液を仕込み、ラジカル重合を開始させ、その後内温710℃で2時間保持して重合を完了して、アクリルゴム(ゴム質重合体)のラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、ゴムの粒子径を測定したところ、0.22μmをピークとする単分散であった。また、このラテックスを乾燥して固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ97.3%であった。
以上のようにして得たゴム質重合体のラテックスを使用し、かつノルマルオクチルメルカプタンを使用しなかったこと以外は、製造例1と同様にしてグラフト重合を行い、アクリルゴム系グラフト共重合体のラテックスを得た。ここで、メチルメタクリレートの重合率は、97.2%であった。このグラフト共重合体のラテックスを、硫酸アルミニウム1.0質量%を溶解した熱水200部中に滴下し、凝固、分離、洗浄し、75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤C1)を得た。
[製造例C2:耐衝撃改質剤(C2)の製造]
2−エチルヘキシルアクリレート100部、および、2−エチルヘキシルアクリレート量に対して1質量%に相当する量のアリルメタクリレートを、ラウリル硫酸Na1.0部を溶解した蒸留水195部に加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備撹拌し、次いでホモジナイザーにより300kg/cm2の圧力で乳化、分散させ、エマルジョンを得た。このエマルジョンをコンデンサーおよび撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、窒素置換および混合撹拌しながら加熱し、50℃になった時にターシャリブチルハイドロパーオキサイド0.5部を添加し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部からなる混合液を投入し、5時間放置して重合を完結し、アクリルゴムのラテックスを得た。その重合率は99.9%であった。また、このラテックスをエタノールで凝固乾燥し固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ92.4質量%であった。
このラテックスを、ポリ2−エチルヘキシルアクリレートの固形分量が10部となるように採取し、これを撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、系内の蒸留水量が195部となるように追加した。次いで、n−ブチルアクリレート75部、n−ブチルアクリレート量に対して2質量%に相当する量のアリルメタクリレート、および、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド0.32部からなる混合液を仕込み、10分間撹拌して、アクリルゴムラテックス粒子に浸透させた。さらに、ラウリル硫酸Naを0.9部追加し、10分間攪拌し、窒素置換を行った。次いで、系内を50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリット0.26部および蒸留水5部からなる混合液を仕込み、重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持して重合を完了し、複合ゴム(ゴム質重合体)のラテックスを得た。このラテックスを一部採取し、ゴムの粒子径分布を測定した。また、このラテックスを乾燥し固形物を得、トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定したところ98.3質量%であった。
以上のようにして得たゴム質重合体のラテックスを使用し、かつノルマルオクチルメルカプタンを使用しなかったこと以外は、製造例3と同様にしてグラフト重合を行い、アクリルゴム系グラフト共重合体のラテックスを得た。ここで、メチルメタクリレートの重合率は99.4%であった。このグラフト共重合体のラテックスを、硫酸アルミニウム1.5質量%を溶解した熱水200部中に滴下し、凝固、分離、洗浄し、75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリルゴム系グラフト共重合体(耐衝撃改質剤C2)を得た。
以上の各製造例における単量体の仕込み組成を、下記表1にまとめて示す。また、ゴム質重合体の粒度分布とガラス転移温度を測定した結果を下記表2に示す。これらの測定は、具体的には以下の方法で実施した。
・ゴム質重合体(A)の粒度分布測定:
得られたゴム質重合体(A)のラテックスを蒸留水で希釈し、これを試料として、米国MATEC社製CHDF2000型粒度分布計を用いて、その粒度分布を測定した。測定条件は、MATEC社が推奨する標準条件で行った。具体的には、専用の粒子分離用キャピラリー式カートリッジおよびキャリア液を用い、液性はほぼ中性、流速1.4ml/min、圧力約4000psi、温度35℃に保った状態で、濃度約3%の希釈ラテックス試料0.1mlを用いて測定した。また、標準粒子径物質として、米国DUKE社製の粒子径既知の単分散ポリスチレンの粒子径0.02μmから0.8μmの範囲内のものを、合計12点用いた。
・グラフト共重合体のガラス転移温度の測定:
グラフト共重合体70部とポリメタクリル酸メチル30部を共に、25φ単軸押し出し機を用いて250℃でペレット化し、200℃設定のプレス機を用いて3mm厚の板に調製し、およそ幅10mm長さ12mmに切り出し、セイコー電子社製のDMS(動的粘弾性測定装置)を用いて昇温速度2℃/minの条件で測定し、得られたTanδ曲線の転移点に対応した温度をガラス転移温度として求めた。なお、本実施例において、このガラス転移温度の値はポリアルキル(メタ)アクリレート系ゴム由来の値である。
Figure 2005112907
表1中の略号は以下のものを示す。
・「2EHA」:2−エチルヘキシルアクリレート
・「AMA」:アリルメタクリレート
・「BA」:n−ブチルアクリレート
・「MMA」:メチルメタクリレート
・「EA」:エチルアクリレート
・「t−DM」:ターシャリドデシルメルカプタン
・「n−OM」:ノルマルオクチルメルカプタン
また、表1中の「ビニル系単量体(A)/(B)のグラフト比率」は、主成分の単量体(架橋剤やグラフト交叉剤等は除く)の仕込み量を比を示す。
Figure 2005112907
表2中の「製造時間」は、5Lスケールにおいて仕込んだ場合に、単量体の処理を含む仕込み工程からゴム質重合体の全重合完了までの時間を示す。
[実施例1〜4および比較例1〜3]
各製造例で得た耐衝撃改質剤1〜4およびC1〜2、ならびに、MBS系樹脂(三菱レイヨン(株)社製、商品名メタブレンC223A)を、各種の熱可塑性樹脂(マトリクス樹脂)に配合して、ペレットを製造した。具体的には、下記表3に示す6種類の割合(配合1〜6)で、ヘンシェルミキサーにより4分間混合し、30mmΦ二軸押し出し機を用いてシリンダー温度280℃で溶融混練し、ペレット状に賦型した。なお、マトリクスとなる各熱可塑性樹脂は、各製品の推奨する乾燥条件によって乾燥し、残存水分等に起因する加水分解等の影響を排した上で使用した。
このようにして得た熱可塑性樹脂組成物から成るペレットを用いて、以下の方法に従い、耐衝撃性、耐熱変形性、耐湿熱性、熱着色性について評価した。その結果を下記表4に示す。
・耐衝撃性試験、耐候性試験:
得られたペレットを用い、射出成形により1/8インチアイゾット試験片を製造した。この成型直後の試験片に対して、ASTM D256に準拠して23℃でのアイゾット衝撃強度(J/m)を測定した。また、この試験片を、60℃に調温した大日本プラスチックス(株)製アイスーパーUVテスターに8時間かけて、その後60℃、95%に調温、調湿した恒温恒湿器に16時間入れるという操作を5回繰り返し、ASTM D256に準じて23℃でのアイゾット衝撃強度(J/m)を測定することにより、耐候試験後の耐衝撃性を評価した。また、表4中の「延性脆性転移温度」は、各温度での耐衝撃試験における延性本数が50%となる温度を、試験結果から計算により求めた値である。この温度が低いほど低温衝撃性に優れると判断される。
・耐熱変形試験:
得られたペレットを用い、射出成形により厚み1/4インチの燃焼棒を製造し、東洋精機製作所製自動HDT測定装置を用いて、ASTM D648に準拠して測定した。測定した温度が高いほど耐熱変形性が良好であると判断される。
・耐湿熱試験:
得られたペレットのメルトフローレートおよびそのペレットを、平山製作所製プレッシャークッカーにて、温度120℃、湿度100%、60時間曝露した後のメルトフローレートを測定し、その差を計算した。この値が小さいほどいわゆる樹脂の加水分解の程度が小さく、耐湿熱性が良好であることを示す。
Figure 2005112907
表3中の熱可塑性樹脂の略号は以下の樹脂を示す。
・「PC」:ポリカーボネート系樹脂(粘度平均分子量約22000のビスフェノールAタイプポリカーボネート)
・「PBT」:ポリエステル系樹脂(極限粘度[η]が1.05のポリテトラブチレンテレフタレート)
・「ABS」:ABS樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名ダイヤペット3001)
・「SAN」:スチレン・アクリロニトリル共重合体(旭化成(株)製、商品名AP789)
・「HIPS」:ハイインパクトポリスチレン(三井化学(株)製、商品名トーボレックス876−HF)
・「PA」:ポリアミド系樹脂(ナイロン66、東レ(株)製、商品名CM3001N)
・「PE」:ポリエチレン樹脂(高密度ポリエチレン、日本ポリケム(株)製、商品名ノバテックHJ580)
Figure 2005112907
表4中の略号は以下の樹脂を示す。
・「MBS」:MBS系樹脂(三菱レイヨン(株)社製、商品名メタブレンC223A)。
[実施例5〜10および比較例4〜5]
各製造例で得た耐衝撃改質剤1〜4およびC1〜2を、下記表5に示す各種の熱可塑性樹脂(マトリクス樹脂)に配合し、また同時に表5に示す難燃(助)剤およびポリテトラフルオロエチレンを添加した。このようにして得た熱可塑性樹脂組成物について、以下の方法に従い難燃性を評価した。その結果を表5に示す。
・難燃性試験:
米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)規格のUL94に規定されている垂直燃焼試験(UL94V)に準拠し、厚み1.6mmの射出成形試験片を用いた燃焼試験時の燃焼時間および燃焼時のドリップ性にて評価した。なお成型条件等については先に述べた方法に準拠した。
Figure 2005112907
表5中の略号は以下のものを示す。
・「PC」:ポリカーボネート系樹脂(粘度平均分子量約22000のビスフェノールAタイプポリカーボネート)
・「ABS」:ABS樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名ダイヤペット3001)
・「SAN」:スチレン・アクリロニトリル共重合体(旭化成(株)製、商品名AP789)
・「PTFE」「F201L」:ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン(株)製、商品名F201L)
・「CR741」:複合リン酸エステル(大八化学(株)製、商品名CR741)
・「Bayowet」:含フッ素有機金属塩(バイエル社製,商品名Bayowet C4)
・「XC−99」:シリコーンオイル(Mw=61000、GE東芝シリコーン(株)製、商品名XC99−B5664)。
[実施例11〜13および比較例6〜8]
グラスファイバー(以下「GF」と称す)を熱可塑性樹脂に配合して成る市販の繊維強化樹脂に対して、各製造例で得た耐衝撃改質剤1〜4およびC1〜2を下記表6に示す割合で配合した。繊維強化樹脂に配合した。このようにして得た熱可塑性樹脂組成物について、前述した方法に従いアイゾット耐衝撃試験を行い、耐衝撃性を評価した。その結果を表6に示す。
Figure 2005112907
表6中の略号は以下のものを示す。
・「RFPET」:GF強化ポリエチレンテレフタレート系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名ノバデュラン5010G15)
・「RFPBT」:GF強化ポリブチレンテレフタレート系樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名タフペット1030)
・「RFPA66」:GF強化ポリアミド系樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製、商品名ノバミット1015G33)。
[実施例14〜17および比較例9]
塩化ビニル樹脂100部に対して、各製造例で得た耐衝撃改質剤1〜4およびC2を以下の割合で配合した。
塩化ビニル樹脂(重合度1100) 100部
二塩基性亜リン酸鉛 2.5部
二塩基性ステアリン酸鉛 0.7部
ステアリン酸鉛 0.5部
ステアリン酸カルシウム 0.9部
ポリエチレンワックス(分子量2200) 0.1部
炭酸カルシウム 5.0部
加工助剤(メタブレンP−501) 1.0部
カーボンブラック 0.5部
耐衝撃改質剤 6.0部。
このようにして調製した塩化ビニル樹脂組成物からなる100cm角、厚み3mmの平板を作製し、この平板からASTM D256に準拠したサンプルを切り出し、アイゾット衝撃試験を行い耐衝撃性を評価した。その結果を表7に示す。
Figure 2005112907
以上の実施例1〜17および比較例1〜9の結果から明らかなように、各実施例の熱可塑性樹脂組成物は何れも耐衝撃性が優れている。また表2に示す結果から、複合ゴムではなく、製造工程において連鎖移動剤を使用した製造例1では、複合ゴムの場合と比較して製造時間が短く、生産性が良いことも分かる。さらに表4に示す結果から、複合ゴムを用いていない実施例1の物性も良好であり、さらに複合ゴムを用いた実施例2〜4は製造時間は長くなるが耐衝撃性が非常に高いことが分かる。
また、表5に示す実施例の結果から、難燃(助)剤も配合した場合であっても、他の物性を損なうことなく高い耐衝撃性を示し、難燃用途においても非常に有効であることが分かる。また表6に示す実施例の結果から、繊維強化樹脂に配合したした場合であっても、高い耐衝撃性を示すことが分かる。さらに、表7に示す実施例の結果から、塩化ビニル樹脂に配合したした場合であっても、高い耐衝撃性を示すことが分かる。一方、各比較例ではそれぞれの耐衝撃性が、実施例と比較して不足している。

Claims (9)

  1. 分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むゴム質重合体(A)と、グラフト部(B)とから成るグラフト共重合体であって、ゴム質重合体(A)の全部または一部が連鎖移動剤を使用して重合して得たものであることを特徴とするグラフト共重合体。
  2. ゴム質重合体(A)が、分岐側鎖を持つアルコールまたは炭素原子数が12以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを構成成分として含むアクリルゴム(A1)成分と、n−ブチルアクリレートを構成成分として含むアクリルゴム(A2)成分とからなる複合ゴムであり、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)がアクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)よりも低く、かつアクリルゴム(A1)成分およびアクリルゴム(A2)成分のどちらか一方または両方が、連鎖移動剤を使用して重合して得たものである請求項1記載のグラフト共重合体。
  3. アクリルゴム(A1)成分が、強制乳化工程を経て重合して得たものである請求項2記載のグラフト共重合体。
  4. 請求項1〜3の何れか一項記載のグラフト共重合体を含む耐衝撃改質剤。
  5. 熱可塑性樹脂、および、請求項4記載の耐衝撃改質剤を含む熱可塑性樹脂組成物。
  6. 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹脂および塩化ビニル系樹脂から成る群より選ばれる1種以上の樹脂である請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. さらに、繊維状補強材を含む請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. さらに、難燃剤を含む請求項5記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 難燃剤が、ハロゲン系化合物、ハロゲン含有有機金属塩系化合物、リン酸系化合物およびシリコーン系化合物から成る群より選ばれる1種以上の化合物である請求項8記載の熱可塑性樹脂組成物。
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