JP2020176257A - 樹脂組成物、絶縁電線および絶縁電線の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、絶縁電線および絶縁電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】未架橋時の耐潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とが両立する樹脂組成物および絶縁電線を提供する。【解決手段】絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有している。絶縁層2はベースポリマと金属水酸化物とを含む樹脂組成物からなる。前記ベースポリマはエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン−瘁|オレフィン共重合体とを含む。前記瘁|オレフィンは非極性モノマであり、前記エチレン−瘁|オレフィン共重合体の融点は70以下であり、前記ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は19質量%以下である。前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−瘁|オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、絶縁電線および絶縁電線の製造方法に関するものである。
絶縁電線(電線)は、導体と、前記導体の周囲に設けられる絶縁層(被覆材)とを有している。この絶縁層は、ゴムや樹脂を主原料とした樹脂組成物(電気絶縁性材料)からなる。近年、環境問題に鑑みて、燃焼時に有害ガスを発生させる恐れがあるフッ素、塩素、臭素などのハロゲン元素を含まないノンハロゲン樹脂組成物により絶縁層を構成した絶縁電線が広く用いられるようになってきた。このような絶縁電線は、人的接触の可能性が比較的高い配電盤・制御盤の盤内配線またはモータ口出線などに用いることが好適である。
ノンハロゲン樹脂組成物のベースポリマには、柔軟性が高く比較的安価なエチレン−酢酸ビニル共重合体が広く用いられている。そして、ノンハロゲン樹脂組成物は、一般的に難燃性が低いため、難燃剤を添加して使用することが多い。
このようなノンハロゲン樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマに、金属水酸化物などを混和したノンハロゲン樹脂組成物、および、このノンハロゲン樹脂組成物からなる絶縁層を備える絶縁電線などが記載されている。
特開2013−216866号公報
ここで、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含むベースポリマと、金属水酸化物とを含むノンハロゲン樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という。)について、本発明者が検討した事項について説明する。一般に、絶縁電線の絶縁層に強靭性、柔軟性(可撓性)や耐熱性などの特性を付与するために、樹脂組成物に含まれる分子間を化学的に結合させる架橋工程が必要である。架橋工程において樹脂組成物を架橋する方法としては、例えば、電子線照射法や化学架橋法が挙げられる。特に、電子線照射法は、ほぼ全ての樹脂組成物の架橋に適用することができ、樹脂組成物の配合組成も比較的簡素化できるため好ましい。
しかし、一般に、電子線照射法により架橋された樹脂組成物は、化学架橋法により架橋された樹脂組成物に比べて架橋度が低くなる。電子線照射法は、多くの場合、室温下で絶縁電線に電子線を照射して行われるため、絶縁層の表面温度は25℃〜100℃程度である。この温度は、絶縁層を構成する樹脂組成物の各原料の融点よりも低い若しくは融点近傍の温度であるため、架橋工程中において樹脂組成物の流動性が低く(分子運動がしにくく)、架橋効率が低くなるものと考えられる。特に、樹脂組成物の原料に、結晶成分を多く含む融点の高い樹脂を含む場合には、架橋効率の低下が著しい。
このような問題を解消するために、本発明者は、樹脂組成物を融点の低い樹脂で構成することを検討した。樹脂組成物を融点の低い樹脂により構成することで、電子線照射時の樹脂組成物の流動性を高め、架橋度を高くすることができる。しかし、樹脂組成物を融点の低い樹脂で構成すると、樹脂組成物が柔らかくなりすぎてしまい、樹脂組成物からなる絶縁層の耐潰れ性が低下する。
特に、電子線照射法を採用する場合には、一般的に、絶縁層被覆工程の後に、絶縁電線を一度ドラムなどに巻き取った後に、別工程でドラムから絶縁電線を引き出し、この絶縁電線に電子線を照射することになる。未架橋の状態で絶縁電線をドラムに巻き取るため、樹脂組成物が過度に柔らかい場合には、電線同士の接触部が潰れてしまい、絶縁電線の外観が悪化するという問題が生じる。
なお、絶縁電線の絶縁層を構成する樹脂組成物としては、同時に、例えば、配電盤・制御盤の盤内配線またはモータ口出線などの用途に要求される絶縁電線の絶縁層としての難燃性や柔軟性を確保することも不可欠である。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、未架橋時の耐潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とが両立する樹脂組成物および絶縁電線を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
[1]樹脂組成物は、ベースポリマと、金属水酸化物とを含む。前記ベースポリマは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含む。前記エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、70℃以下であり、前記ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。
[2][1]記載の樹脂組成物において、前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウムである。
[3][2]記載の樹脂組成物において、前記水酸化アルミニウムは、脂肪酸で表面処理されている。
[4][2]記載の樹脂組成物において、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記水酸化アルミニウムを50質量部以上100質量部以下含有する。
[5][1]記載の樹脂組成物において、前記α−オレフィンは、1−ブテンまたは1−オクテンである。
[6][1]記載の樹脂組成物において、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を30質量部以上50質量部以下含有する。
[7][1]記載の樹脂組成物において、前記樹脂組成物は、さらに黒色顔料、黄色顔料または緑色顔料を含む。
[8][1]〜[7]のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成される絶縁層を備える、絶縁電線。
[9][1]〜[7]のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成されるシース層を備える、ケーブル。
[10][8]記載の絶縁電線において、前記樹脂組成物は、さらに重金属不活性化剤を含み、前記絶縁層は、導体と接触している。
[11][8]記載の絶縁電線において、配電盤または制御盤の盤内配線、あるいはモータ口出線として用いられる。
[12]絶縁電線の製造方法は、(a)ベースポリマと、金属水酸化物とを混練し、樹脂組成物を生成する工程、(b)導体の周囲を被覆するように、前記樹脂組成物を押し出して、絶縁層を形成し、未架橋状態の絶縁電線を作製する工程、(c)前記未架橋状態の絶縁電線に電子線を照射し、前記樹脂組成物中の前記ベースポリマを架橋し、架橋された絶縁電線を作製する工程、を含む。前記ベースポリマは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含む。前記エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、前記エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、70℃以下であり、前記ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。
[13][12]記載の絶縁電線の製造方法において、前記(b)工程の後であって、前記(c)工程の前に、(d)前記未架橋状態の絶縁電線を巻き取る工程、を含む。
本発明によれば、未架橋時の耐潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とが両立する樹脂組成物および絶縁電線を提供することができる。
一実施の形態の絶縁電線の構造を示す横断面図である。 一実施の形態の絶縁電線を製造する押出被覆装置を示す模式図である。
(実施の形態)
<樹脂組成物の構成>
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物(ノンハロゲン樹脂組成物、難燃性樹脂組成物)は、(A)ベースポリマと、(B)難燃剤(金属水酸化物)とを含む。そして、(A)ベースポリマは、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体とを含む。
本実施の形態の(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体は、単一のエチレン−酢酸ビニル共重合体でもよいが、酢酸ビニル含有量(VA量)の異なる2種類以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体を混合してもよい。後述の実施例では、酢酸ビニル含有量(VA量)が20質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体と、酢酸ビニル含有量(VA量)が33質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体とを用いている。後述するように、本実施の形態では、ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量を制御することが肝要であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体自体の酢酸ビニル含有量は特に限定されるものではない。
本実施の形態の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマである。エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられ、1−ブテンまたは1−オクテンが好ましい。
また、本実施の形態の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、70℃以下である。ここで、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、示差走査熱量分析(Differential Scanning Calorimetry:DSC)による熱量測定により求めた。すなわち、融点が70℃以下とは、示差走査熱量分析による熱量測定において70℃以下の領域に結晶融解ピークを有することを意味する。後述の実施例に示すように、融点が70℃を超える(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を用いると、十分な架橋度が得られない。
また、本実施の形態の(A)ベースポリマには、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体および(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体以外に、別のポリマを含んでいてもよい。例えば、耐潰れ性を向上するために、(A)ベースポリマに、ポリプロピレンまたはポリエチレンを添加することが好適であり、電気絶縁性を低下させないように、添加する別のポリマは、非極性ポリマであることが好ましい。
また、本実施の形態の(B)難燃剤は、金属水酸化物であり、例えば水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムが挙げられる。窒素酸化物または硫黄酸化物との反応で発生する可能性がある潮解現象を抑制できる点で、(B)難燃剤として水酸化アルミニウムを採用することが好ましい。また、(B1)水酸化アルミニウムは、(B11)脂肪酸で表面処理された水酸化アルミニウム、または、(B12)表面処理されていない水酸化アルミニウムのいずれでもよい。ただし、脂肪酸で表面処理されることによって、ベースポリマとの親和性および分散性が向上し、樹脂組成物の難燃性などが向上するため、表面処理された水酸化アルミニウムの方が表面処理されていない水酸化アルミニウムよりも好適である。
表面処理に用いる脂肪酸としては、炭素数が10程度の高級脂肪酸であればよく、飽和・不飽和を問わない。表面処理に用いる脂肪酸の具体例は、高級飽和脂肪酸であればラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸であり、高級不飽和脂肪酸であればオレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エイコセン酸などのモノ不飽和脂肪酸やリノール酸などのジ不飽和脂肪酸、リノレン酸などのトリ不飽和脂肪酸が挙げられ、この中でもステアリン酸またはオレイン酸が汎用であり好ましい。これらの脂肪酸は、表面処理剤としては単独もしくは複合しての使用が可能である。
また、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマおよび(B)難燃剤以外にも、必要に応じて(C)架橋助剤、(D)酸化防止剤、(E)銅害防止剤、(F)滑剤または(G)着色剤などを含有していてもよい。
(C)架橋助剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、N,N'−メタフェニレンビスマレイミド、エチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛などが挙げられる。
また、(D)酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、フェノール/チオエステル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤などが挙げられる。
(E)銅害防止剤(重金属不活性化剤)としては、銅イオンと錯体を形成するものであればよく、例えば、N,N'−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン(CAS No.32687-78-8)、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール(CAS No.36411-52-6)、N'1,N'12−ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド(CAS No.63245-38-5)などが挙げられる。これらは単体でも他の化合物との混合物でもマスターバッチ化(例えば、樹脂中に高濃度で練り込んだもの)したものでもよい。
(F)滑剤としては、例えば、脂肪酸アミド(アマイド)系、ステアリン酸亜鉛、シリコーン、炭化水素系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。(G)着色剤としては、例えば、カーボンブラック、無機顔料、有機顔料または染料などが挙げられる。
本実施の形態の樹脂組成物は、後述の実施例に示すように、(A)ベースポリマ100質量部中、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有する。(A)ベースポリマ100質量部中の融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の添加量が20質量部未満であると十分な架橋度が得られない。一方、(A)ベースポリマ100質量部中の融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の添加量が70質量部を超えると十分な耐潰れ性が得られない。架橋度向上および耐潰れ性の両立という観点からは、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部中、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を30質量部以上50質量部以下含有することがより好ましい。
また、本実施の形態において、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。ここで、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量(総VA量)は、次式で与えられる。
総VA量=ΣXi×Yi (i=1,2,・・・,k)
ここで、Xiは(A)ベースポリマ中の(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量(質量%)であり、Yiは(A)ベースポリマ中の(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の比率(質量)であり、kは(A)ベースポリマに添加する(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の種類の数(例えば1種類の場合k=1、2種類の場合k=2)である。具体例としては、後述の実施例6の場合、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体は(A11)酢酸ビニル含有量が20質量%のものと(A12)酢酸ビニル含有量が33質量%のものと2種類含んでいるため、次式のように総VA量は16.6質量%と求められる。
総VA量=20質量%×50/100+33質量%×20/100
=16.6質量%
本実施の形態において、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量が19質量%を超えると、一般的な絶縁電線に必要な電気絶縁性が得られず、さらに樹脂組成物表面のべたつきや酢酸臭の増大などによる樹脂組成物およびこれを絶縁層とする絶縁電線の取扱性が悪くなるおそれがある。
また、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。(A)ベースポリマ100質量部に対する(B)金属水酸化物の添加量が30質量部未満であると十分な難燃性が得られない。一方、(A)ベースポリマ100質量部に対する(B)金属水酸化物の添加量が150質量部を超えると十分な引張特性および電気絶縁性が得られない。難燃性、引張特性および電気絶縁性の両立という観点からは、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を50質量部以上100質量部以下含有することがより好ましい。
また、本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、ハロゲン元素を含有しないノンハロゲン樹脂組成物であることが好ましい。
以上で説明した本実施の形態の樹脂組成物は、図2に示す未架橋状態の絶縁電線5を架橋前にドラムなどに巻き取るなど、未架橋状態の絶縁電線5に対して荷重、曲げや擦れなどの外力が加わる工程を含む製造工程によって製造される図1に示す絶縁電線10の絶縁層(ケーブルの場合には、シース層)の材料として好適に採用することができる。
<絶縁電線の構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る絶縁電線(電線)を示す横断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有している。絶縁層2は、本実施の形態の樹脂組成物からなる。
導体1としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線のほか、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、導体1として、金属線の周囲に錫やニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、導体1として、金属線を撚り合わせた撚り導体を用いることもできる。
また、本実施の形態の絶縁電線10は、1層の絶縁層2を有している場合を例に説明したが、その外側にシース層を設けることでケーブルとしてもよい。この場合には、ケーブルの製造工程中の耐潰れ性向上(傷つき防止)の観点から、少なくとも最外層(最表層)であるシース層を本実施の形態の樹脂組成物により構成することが好ましい。
本実施の形態の絶縁電線10は、あらゆる用途およびサイズに適用可能であり、鉄道車両用、自動車用、盤内配線用、機器内配線用、電力用の各電線として使用することができる。
特に、後述の実施例に示すように、本実施の形態の絶縁層2を構成する樹脂組成物に(G)着色剤として、例えば黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料または緑色顔料を添加した場合であっても、耐潰れ性や架橋度に影響がない。そのため、本実施の形態にあっては、黒色、白色、赤色、黄色または緑色など色相での区別が可能な絶縁電線10としての提供が可能であって、外径が小さく(細く)、かつ、狭スペースに多数配線される、配電盤・制御盤の盤内配線またはモータ口出線として使用することが有用であり、その他、狭所での配線作業性(狭所配線性)が求められる用途や、人が直接触れる可能性が高い電線として有用である。
また、このような電線としては、製造コスト削減や配線作業の効率化(柔軟性確保)の観点から、図1に示すように、本実施の形態の絶縁電線10は、導体1と絶縁層2との間にセパレータが設けられず、絶縁層2が導体1と接触している(セパレータレス)ことが好ましいが、これに限定されるものではない。ただし、絶縁電線10がセパレータレスである場合には、通電時に導体1が発熱することによって、導体1から絶縁層2を構成する樹脂組成物中に銅イオンが拡散する場合がある。この際、絶縁層2を構成する樹脂組成物に、前述した(E)銅害防止剤(重金属不活性化剤)を添加しておくことで、拡散した銅イオンが(E)銅害防止剤に補足され、樹脂組成物が劣化するのを防止できる。
<絶縁電線の製造方法>
まず、本実施の形態の絶縁電線を製造する装置について説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る絶縁電線を製造する押出被覆装置を示す模式図である。
本実施の形態に係る押出被覆装置21は、例えばスクリュ径65mmの単軸押出機(L/D=20)である。押出被覆装置21は、樹脂組成物のペレットを投入するホッパ22と、樹脂組成物を加熱するシリンダ28と、シリンダ28内で樹脂組成物を押し出すスクリュ23と、樹脂組成物の流れを規制し、背圧を高めて混練状態を向上させるブレーカプレート24とを有している。さらに、押出被覆装置21は、導体1の周囲に樹脂組成物を被覆するヘッド25と、シリンダ28とヘッド25とを接続するネック26と、電線の径を決めるダイス27とを有している。スクリュ23はフルフライト形状である。シリンダ28は、5つのシリンダに分かれており、以下では、ホッパ22側から順にシリンダ1〜シリンダ5(図示せず、表1参照)と称する。
また、本実施の形態に係る電子線照射装置は、電子線照射部と、絶縁電線をガイドするためのプーリーとを有している(以下、電子線照射装置について図示は省略する。)。
次に、本実施の形態の絶縁電線10の製造方法について説明する。本実施の形態の絶縁電線10の製造方法には、以下で説明する第1実施形態および第2実施形態の2つの製造方法が存在する。
まず、第1実施形態に係る絶縁電線10の製造方法について説明する。例えばニーダ混練機にて、(A)ベースポリマと(B)難燃剤とを混練し、例えばペレット形状に成形した樹脂組成物(コンパウンド)を生成する((a1)混練工程)。
なお、第1実施形態の絶縁電線10の製造方法にあっては、(a1)混練工程の後であって、(b1)絶縁層被覆工程の前に、(f)(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上であって、前記(a1)混練工程における前記樹脂組成物の押出時の設定温度以下の温度に導体1を加熱する工程(導体加熱工程)を含んでいることが好適である(理由は後述する。第2実施形態においても同様。)。
続いて、図2に示す押出被覆装置21にて、例えば樹脂組成物のペレットをホッパ22に投入する。その後、導体1の周囲を被覆するように、樹脂組成物を押し出して、所定厚さの絶縁層2を形成する((b1)絶縁層被覆工程)。こうすることで、未架橋状態の絶縁電線5が作製される。
なお、第1実施形態においては、必須ではないが(b1)絶縁層被覆工程の後であって(c1)架橋工程の前に(d)未架橋状態の絶縁電線5を巻き取る工程を含む。この場合、作製された未架橋状態の絶縁電線5は、ドラム29に巻き取られた状態で一時保管される。
続いて、電子線照射装置にて、未架橋状態の絶縁電線5をドラム29から引き出し、プーリーによってガイドして電子線照射部に導入する。そして、電子線照射部において、未架橋状態の絶縁電線5に対して電子線を照射する((c1)架橋工程)。こうすることで、未架橋状態の絶縁電線5の絶縁層2を構成する樹脂組成物中の(A)ベースポリマが架橋され、架橋された絶縁電線10を作製することができる。なお、必須ではないが、架橋された絶縁電線10は、例えばプーリーにガイドされドラムに巻き取られて保管される。以上の工程により、図1に示す本実施の形態の絶縁電線10を製造することができる。
なお、本実施の形態の樹脂組成物を作製するための混練装置は、ニーダ混練機に限定されるものではなく、例えば、バンバリーミキサーなどのバッチ式混練機、二軸押出機などの連続式混練機などの公知の混練装置を採用することができる。
<本実施の形態の樹脂組成物および絶縁電線の特徴と効果>
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、(A)ベースポリマと、(B)金属水酸化物(難燃剤)とを含んでいる。そして、(A)ベースポリマは、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含む。(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマである。(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。また、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部中、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有する。また、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。
また、図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有し、絶縁層2は、前述した本実施の形態の樹脂組成物からなる。
本実施の形態では、以上のような構成を採用したことにより、未架橋時の耐
潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とが両立する樹脂組成物および絶縁電線を提供することができる。以下、その理由について具体的に説明する。
前述したように、電子線照射法により架橋された樹脂組成物の架橋度を高めるために、樹脂組成物を融点の低い樹脂により構成すると、樹脂組成物からなる絶縁層の耐潰れ性が低下する。
それに対して、本実施の形態に係る樹脂組成物は、(A)ベースポリマとして、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体とを含んでいる。そして、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部中、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有する。
こうすることで、本実施の形態の樹脂組成物およびこれを絶縁層とする絶縁電線にあっては、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体によって耐潰れ性が確保でき、かつ、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体によって架橋度向上が実現できる。その結果、未架橋時の耐潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とを両立させることができる。
また、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量(VA量)を高めると、その融点は低下するため、樹脂組成物の架橋度を向上させることができる一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体の極性が高くなるため、樹脂組成物の電気絶縁性が低下してしまう。この点、本実施の形態に係る樹脂組成物において、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。このように、本実施の形態に係る樹脂組成物にあっては、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の極性を低くするとともに、(A)ベースポリマ全体としての酢酸ビニル総含有量を制御することによって、十分な電気絶縁性を確保することができる。
<本実施の形態の絶縁電線の製造方法の特徴と効果>
本発明の第1実施形態に係る絶縁電線10の製造方法は、(a1)(A)ベースポリマと、(B)金属水酸化物とを混練し、樹脂組成物を生成する工程(混練工程)、図2に示すように(b1)導体1の周囲を被覆するように、前記樹脂組成物を押し出して、絶縁層2を形成し、未架橋状態の絶縁電線5を作製する工程(絶縁層被覆工程)、(c1)未架橋状態の絶縁電線5に電子線を照射し、前記樹脂組成物中の(A)ベースポリマを架橋し、図1に示す架橋された絶縁電線10を作製する工程(架橋工程)を含む。第1実施形態において、(a1)混練工程で生成される樹脂組成物は、前述した本実施の形態の樹脂組成物である。
第1実施形態の絶縁電線10の製造方法にあっては、前述したように、絶縁層2を構成する樹脂組成物において、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体によって耐潰れ性が確保でき、かつ、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体によって架橋度向上を実現できるため、未架橋状態の絶縁電線5の耐潰れ性向上と、架橋された絶縁電線10における絶縁層2の架橋度向上とを両立させることができる。
特に、第1実施形態において、(b1)絶縁層被覆工程の後であって(c1)架橋工程の前に(d)未架橋状態の絶縁電線5を巻き取る工程を含む場合、すなわち、前述したように、作製された未架橋状態の絶縁電線5を、ドラム29に巻き取られた状態で一時保管する工程を含む場合にあっては、(b1)絶縁層被覆工程から(c1)架橋工程に至るまでに、未架橋状態の絶縁電線5の表面が、絶縁電線5同士の接触部で潰れて、電線が傷つくことを防止することができる。
第2実施形態にあっては、第1実施形態と異なり、(c2)架橋工程において、図2に示す未架橋状態の絶縁電線5を巻き取ることなく、未架橋状態の絶縁電線5に電子線を照射する。従って、第2実施形態にあっては、未架橋状態の絶縁電線5に電子線を照射するまでに絶縁電線5同士で接触する工程を経ないため、潰れに伴う不良発生リスクをより低減することができる。
また、第1実施形態および第2実施形態の絶縁電線10の製造方法にあっては、(a1)混練工程の後であって、(b1)絶縁層被覆工程の前に、(f)(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上であって、前記(a1)混練工程における前記樹脂組成物の押出時の設定温度(ダイス温度160℃)以下の温度に導体1を加熱する工程(導体加熱工程)を含んでいることが好適である。
本実施の形態では、(b1)絶縁層被覆工程の前に(f)導体加熱工程を含むことによって、導体1の周囲を樹脂組成物で被覆する際に、前記樹脂組成物が導体1により急激に冷却されるのを防止し、形成される絶縁層2に押出歪みが残留しにくくなる。その結果、絶縁層2を構成する樹脂組成物の伸び特性の低下や絶縁電線10を加熱した際の絶縁層2の収縮(いわゆるシュリンクバック)を抑制することができる。
なお、加熱温度は、(A)ベースポリマ中、融点が最も低い(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上であって、(A)ベースポリマ中、融点が最も高い原料の融点以下であることが好ましい。また、導体1が空冷されて温度が低下するのを防止する観点から、(f)導体加熱工程は、(a1)混練工程の直後に行うことが好ましい。
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に示す実施例1〜20および比較例1〜6は、図1に示す絶縁電線10と同様の構成を有する絶縁電線として構成したものであり、それぞれ、絶縁層2を構成する樹脂組成物の配合を変更したものに相当する。導体1としては、錫メッキ銅撚り線(外径約3.1mm、断面積約5.5mm2)を用いた。また、絶縁層2は、実施例1〜10は後述の表2に、実施例11〜20は後述の表3に、比較例1〜6は後述の表4にそれぞれ示す配合の樹脂組成物により構成した。
<実施例1〜20および比較例1〜6の原料>
実施例1〜20および比較例1〜6で用いた原料は、後述の表2〜表4に示す通りであり、以下には概略のみ示す。
(A)ベースポリマ:
(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体:
(A11)酢酸ビニル含有量(VA量)20質量%
(A12)酢酸ビニル含有量(VA量)33質量%
(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体:
(A21)エチレン−1−オクテン共重合体(融点47℃)
(A22)エチレン−1−ブテン共重合体(融点66℃)
(A23)エチレン−1−ブテン共重合体(融点77℃)
(A3)その他のポリマ:
(A31)ポリエチレン
(A32)ポリプロピレン
(B)難燃剤:
(B1)水酸化アルミニウム:
(B11)脂肪酸で表面処理された水酸化アルミニウム(表2〜表4では、「脂肪酸処理」と略して表記)
(B12)表面処理されていない水酸化アルミニウム(表2〜表4では、「未処理」と略して表記)
(C)架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート
(D)酸化防止剤:
(D1)フェノール系酸化防止剤
(D2)硫黄系酸化防止剤
(E)銅害防止剤:重金属不活性化剤
(F)滑剤:エチレンビスオレイン酸アミド
(G)着色剤:
(G1)カーボンブラック
(G2)カラーマスターバッチ(黄)
(G3)カラーマスターバッチ(緑)
(G4)カラーマスターバッチ(白)
(G5)カラーマスターバッチ(赤)
(G6)カラーマスターバッチ(黒)
<実施例1〜20および比較例1〜6の製造方法>
実施例1〜20および比較例1〜6の各サンプルは、以下の方法で作製した(前述の第1実施形態の絶縁電線10の製造方法に相当)。なお、表1には、実施例1〜20および比較例1〜6の単軸押出機の混練条件をまとめた。
Figure 2020176257
後述の表2〜表4に示す実施例1〜20および比較例1〜6の原料を内容量25Lのニーダ混練機にて混練してコンパウンドを作製し、ペレット形状に成形した。このコンパウンドをスクリュ径65mmの単軸押出機(図2に示す押出被覆装置21に相当)を用いて、表1に示す条件で導体(錫メッキ銅撚り線)の周囲を被覆するように、樹脂組成物を押し出して、被覆厚さ約1.1mmの絶縁層を形成し、未架橋状態の絶縁電線(図2に示す絶縁電線5に相当)を数十m作製した。この際、実施例1〜15および比較例1〜6(実施例16以外)では、導体を100℃((A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点以上であって、押出時の設定温度以下の温度)に加熱した。また、作製された未架橋状態の絶縁電線は、短尺のため、ドラムに巻き取らず束取りにて回収した。
次に、電子線照射装置にて、回収した未架橋状態の絶縁電線に対して、電子線(加速電圧2MV、電子線照射量10Mrad)を照射し、架橋された絶縁電線(図1に示す絶縁電線10に相当)を作製した。
<実施例1〜20および比較例1〜6の評価方法>
以下、実施例1〜20および比較例1〜6の評価方法について説明する。以下に示す(1)〜(6)の評価項目を総合的に判断し、全ての評価項目において合格であるものを「○」(合格)、一項目でも不合格であるものを「×」(不合格)として、後述の表2〜表4に判定として示した。
(1)耐潰れ性(未架橋状態):硬度
3mmの厚さにプレス成型したコンパウンドシート(未架橋)の硬度(デュロメータ硬さ)を測定し、未架橋状態の絶縁電線(図2に示すドラム29に巻き取った未架橋状態の絶縁電線5に相当)の表面の耐潰れ性を評価した。デュロメータはタイプAを使用し、2枚重ねたシート片(厚さ合計6mm)に接触させてから5秒後に指示値を読み取った。今回、デュロメータは、硬度が90を超えた場合でもタイプDを使用せずに、全ての測定をタイプAにて実施した。長尺の電線を一つのドラムに巻いた場合を想定し、A硬度が84以上であるものを十分な耐潰れ性を有しているものとして「○」(合格)、80以上84未満であるものを電線サイズ、巻き取り張力または巻き取った電線の重量などの製造条件によっては潰れる可能性を否定できないものの、製品外観上問題ないレベルであると考えられるものとして「△」(合格)、80未満であるものを耐潰れ性が不十分であるとして「×」(不合格)とした。
(2)架橋度:ゲル分率
電子線照射後の電線から剥ぎ取った円筒状の絶縁層を約1mm幅に刻んだものを約0.5g量り取った(仕込みサンプル)。このサンプルを40メッシュ(目開き約0.4mm)の真鍮製金網に包み、110℃のオイルバス中でキシレンにより24時間抽出処理を行い、一晩自然乾燥の後に、80℃で4時間真空乾燥を行い、抽出・乾燥後のサンプルとした。以下に示す式1にてゲル分率を算出した。なお、水酸化アルミニウムは、キシレン不溶分としてゲル分に算入しないポリマゲルとして扱った。ゲル分率が84%以上であるものを十分な架橋度を有しているものとして「○」(合格)、ゲル分率が82%以上84%未満であるものを一部の用途(極めて高い耐熱性を要求されるものなど)での使用制限を受ける可能性はあるものの汎用の電線の絶縁層への適用には問題ないレベルであるとして「△」(合格)、ゲル分率が82%未満であるものを架橋度が不十分として「×」(不合格)とした。
G=(b−a×(z/x))/(a×(y/x))×100 (G:ゲル分率[%]、a:仕込みサンプルの質量[g]、b:抽出・乾燥後のサンプルの質量[g]、x:樹脂組成物の全配合量[質量部]、y:ベースポリマの配合量[質量部]、z:水酸化アルミニウムの配合量[質量部])・・・(式1)
(3)柔軟性:100%伸び時の引張強さ
電子線照射後の電線から導体を引き抜き、長さ150mmに切断して中央部に50mmの間隔で標線を記した管状試験片を準備した。この管状試験片をショッパー型引張試験機により引張速度200mm/minの条件で標線間100%伸び時の引張荷重を測定し、以下に示す式2にて引張強さを求めた。100%伸び時の引張強さが4.0MPa未満であるものを、十分な柔軟性を有するものとして「○」(合格)、4.0MPa以上6.0MPa未満であるものを、例えば配線作業など実用上問題ないレベルであるとして「△」(合格)、6.0MPaを超えるものを、柔軟性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。尚、ここで、試験片の断面積Aは日本産業規格JIS C3005(2014) 4.16.1.3(a−1)に示される通り、絶縁電線の外径をマイクロメータで3か所計測し、その最小値Dと導体外径dから式2を用いて求めたものである。
(式2)A=π(D2−d2)/4
δ=F/A (δ:引張強さ[MPa])、F:引張荷重[N]、A:試験片の断面積[mm2])・・・(式2)
(4)引張特性:伸び
前述の柔軟性評価と同様の条件の管状試験片を用いた引張試験において、破断時の伸びを測定した。伸びが400%以上であるものを、十分な引張特性を有するものとして「○」(合格)、200%以上400%未満であるものを、適用される規格によっては一部用途で制限を受ける場合もあるが概ね問題なく使用できるものとして「△」(合格)、200%未満であるものを、引張特性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。
(5)電気絶縁性:体積抵抗率
前述のコンパウンドを、熱プレス機を用いて160℃にて1mm厚にシート片に成型した。このシート片に対して、電子線照射装置にて、電線架橋時と同条件の電子線(加速電圧2MV、電子線照射量10Mrad)を照射し、架橋されたシート片を作製した。そして、超高絶縁抵抗測定器R8340A(ADVANTEST製)を用いて、室温(23℃)にてDC500Vを1分印加後の電流値から、この架橋されたシート片の体積抵抗率を求めた。体積抵抗率が2.0×1014Ω・cm以上であるものを、十分な絶縁性を有するものとして「○」(合格)、1.0×1014Ω・cm以上2.0×1014Ω・cm未満であるものを、高度な絶縁性を要求されるもの以外であれば概ね問題なく絶縁体として適用できるレベルであるとして「△」(合格)、1.0×1014Ω・cm未満であるものを、絶縁性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。
(6)難燃性:酸素指数
前述のコンパウンドを、熱プレス機を用いて160℃にて3mm厚にシート片に成型した。このシート片に対して、電子線照射装置にて、電線架橋時と同条件の電子線(加速電圧2MV、電子線照射量10Mrad)を照射し、架橋されたシート片を作製した。そして、OXYGEN INDEXER(東洋精機製)によりJIS K7201−2(2007)に示される方法で、この架橋されたシート片の酸素指数を測定した。酸素指数が23以上であるものを、十分な難燃性を有するものとして「○」(合格)、21以上23未満であるものを、高度な難燃性が要求される用途以上であれば概ね問題なく適用できるレベルであるとして「△」(合格)、21未満であるものを、難燃性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。
<実施例1〜20および比較例1〜6の評価結果>
前述の評価方法に基づく評価結果を、表2〜表4にまとめた。
Figure 2020176257
Figure 2020176257
Figure 2020176257
表2および表3に示すように、実施例1〜20において、(1)耐潰れ性、(2)架橋度、(3)柔軟性、(4)引張特性、(5)電気絶縁性および(6)難燃性はいずれも合格であり、判定は「○」(合格)であった。一方、表4に示すように、比較例1〜6は、判定は「×」(不合格)であった。具体的には、比較例2は(1)耐潰れ性が不合格であり、比較例1および比較例3は(2)架橋度が不合格であり、比較例5は(4)引張特性および(5)電気絶縁性が不合格であり、比較例6は(5)電気絶縁性が不合格であり、比較例4は(6)難燃性が不合格であった。
実施例1〜20の樹脂組成物において、(A)ベースポリマは、(A1)エチレン−酢酸ビニル共重合体と、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含み、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下である。そして、実施例1〜16の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部中、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する。こうすることで、未架橋時の耐潰れ性向上と架橋時の架橋度向上とが両立することがわかった。
より具体的には、実施例1〜4に示すように、架橋度向上および耐潰れ性の両立という観点からは、(A)ベースポリマ100質量部中、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有することが必要であり、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を30質量部以上50質量部以下含有することがより好ましいといえる。
一方、比較例1に示すように、(A)ベースポリマ100質量部中、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を10質量部とすると、(2)架橋度が不十分となることがわかった。この結果から、電子線照射時において、ポリマ分子の運動が比較的大きい(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の比率が過度に減少すると架橋構造を形成しにくくなることがわかった。
そして、比較例2に示すように、(A)ベースポリマ100質量部中、融点が70℃以下の(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体を80質量部とすると、未架橋状態(電子線照射前)の絶縁層の材料硬さがA硬度で78と小さくなり、電線製造時のドラム巻き取りの際に電線表面が潰れてしまうことが懸念される。
また、実施例3、5および6に示すように、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点が70℃以下であれば、所望の特性を発現することがわかった。特に、実施例3、5および6に示すように、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであることが肝要である。
また、比較例3に示すように、(A2)エチレン−α−オレフィン共重合体の融点が70℃を超える場合には、適当な量を配合しても架橋度が不十分となることがわかった。これより、電子線照射法による架橋においては、配合するポリマの融点が重要であることがわかった。
また、比較例6に示すように、(A)ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量が、19質量%を超える場合には、(5)電気絶縁性が低下してしまうことがわかった。
また、実施例3、9〜12に示すように、難燃性、引張特性および電気絶縁性の両立という観点からは、(A)ベースポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有することが必要であり、(B)金属水酸化物を50質量部以上100質量部以下含有することがより好ましいといえる。
一方、比較例4に示すように、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を20質量部まで少なくすると、(6)難燃性が低下してしまうことがわかった。そして、比較例5に示すように、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)金属水酸化物を180質量部まで多くすると、(4)引張特性および(5)電気絶縁性が低下してしまうことがわかった。
また、実施例7および8に示すように、(A)ベースポリマに(A3)その他のポリマとして、ポリプロピレンまたはポリエチレンを添加することで、耐潰れ性を向上することができることがわかった。
また、実施例13から15、実施例17乃至実施例20に示すように、少なくとも絶縁電線の絶縁層の色相が黒色、白色、赤色、黄色および緑色のものについては、(G)着色剤の種類にかかわらず、(G)着色剤以外の配合を変えることなく、未架橋時の耐潰れ性、難燃性および柔軟性に優れた絶縁電線を製造することができることがわかった。
また、実施例3および16に示すように、絶縁層形成時における導体加熱工程の有無は問わないが、導体加熱工程を実施した場合には、押し出し時における絶縁層の急冷が緩和されることにより押し出し残留歪みが低減され、その結果、引張特性(伸び)を向上できることがわかった。
本発明は前記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 導体
2 絶縁層
5,10 絶縁電線
21 押出被覆装置
22 ホッパ
23 スクリュ
24 ブレーカプレート
25 ヘッド
26 ネック
27 ダイス
28 シリンダ
29 ドラム

Claims (13)

  1. ベースポリマと、金属水酸化物とを含む樹脂組成物であって、
    前記ベースポリマは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含み、
    前記エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、
    前記エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、70℃以下であり、
    前記ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下であり、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する、樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物において、
    前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウムである、樹脂組成物。
  3. 請求項2記載の樹脂組成物において、
    前記水酸化アルミニウムは、脂肪酸で表面処理されている、樹脂組成物。
  4. 請求項2記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記水酸化アルミニウムを50質量部以上100質量部以下含有する、樹脂組成物。
  5. 請求項1記載の樹脂組成物において、
    前記α−オレフィンは、1−ブテンまたは1−オクテンである、樹脂組成物。
  6. 請求項1記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を30質量部以上50質量部以下含有する、樹脂組成物。
  7. 請求項1記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物は、さらに黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料または緑色顔料を含む、樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される絶縁層を備える、絶縁電線。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成されるシース層を備える、ケーブル。
  10. 請求項8記載の絶縁電線において、
    前記樹脂組成物は、さらに重金属不活性化剤を含み、
    前記絶縁層は、導体と接触している、絶縁電線。
  11. 請求項8記載の絶縁電線において、
    配電盤または制御盤の盤内配線、あるいはモータ口出線として用いられる、絶縁電線。
  12. (a)ベースポリマと、金属水酸化物とを混練し、樹脂組成物を生成する工程、
    (b)導体の周囲を被覆するように、前記樹脂組成物を押し出して、絶縁層を形成し、未架橋状態の絶縁電線を作製する工程、
    (c)前記未架橋状態の絶縁電線に電子線を照射し、前記樹脂組成物中の前記ベースポリマを架橋し、架橋された絶縁電線を作製する工程、
    を含み、
    前記ベースポリマは、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含み、
    前記エチレン−α−オレフィン共重合体の原料となるα−オレフィンは、非極性モノマであり、
    前記エチレン−α−オレフィン共重合体の融点は、70℃以下であり、
    前記ベースポリマ中の酢酸ビニル総含有量は、19質量%以下であり、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−α−オレフィン共重合体を20質量部以上70質量部以下含有し、
    前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を30質量部以上150質量部以下含有する、絶縁電線の製造方法。
  13. 請求項12記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記(b)工程の後であって、前記(c)工程の前に、
    (d)前記未架橋状態の絶縁電線を巻き取る工程、
    を含む、絶縁電線の製造方法。
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