JP7064697B2 - 難燃性電気絶縁組成物及び電線 - Google Patents

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本発明は、機械的強度に優れるとともにUL-VW-1燃焼試験に合格するような非常に高度な難燃性を有した、特に絶縁材料やシース材料として好適な難燃性電気絶縁組成物とそれを被覆した電線に関するものである。
オレフィン系ポリマーは、優れた電気特性を有し、安価で加工性も良いことから、従来より絶縁電線の絶縁層やシース層として広く用いられている。しかし、オレフィン系ポリマーはそれ自体が可燃性物質であるため、電線,ケーブルの絶縁材料やシース材料として使用する際には安全、防火上の問題から、高度な難燃性を付与する必要がある。その方法として、オレフィン系ポリマーにハロゲン系難燃剤等を混和する方法が広く採用されてきた。一方で、近年では、ハロゲン系ガスを発生しない難燃剤として、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムのような無機水和物を混和する方法も提案されている。
しかしながら、このような方法は、オレフィン系ポリマーにハロゲン系難燃剤や無機水和物を多量に混和させることにより、高度な難燃性を付与することはできるものの、一方でオレフィン系ポリマーが本来有する、優れた加工性及び機械的強度を大幅に低下させてしまうという新たな問題を引き起こしてしまっていた。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、無機水和物70~300重量部、及び炭酸リチウム等のリチウム化合物0.5重量部以上を含有する難燃性電気絶縁組成物が開示されている。また、特許文献2には、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、無機水和物100重量部以上300重量部以下、無機リチウム化合物0.5重量部以上50重量部以下、及びアクリルゴム1重量部以上50重量部以下を含有する難燃性電気絶縁組成物が開示されている。これら特許文献1,2によれば、無機水和物を混和量を減少させることで高度な難燃性を実現でき、オレフィン系ポリマーが本来有する、優れた加工性及び機械的強度を損なうことのない組成物を得ることができるとされている。また、本発明に関連する技術として、例えば、特許文献3が挙げられる。
特開平5-170977号公報:クラベ 特開2012-246349公報:クラベ 特許第4754187号公報:クラベ
上記特許文献1,2により、高度の難燃性と優れた機械的強度を有する難燃性電気絶縁組成物を得ることはできた。しかし、昨今の市場からは、更に安全性を高めるため、UL758中の垂直難燃性規格VW-1に代表される非常に厳しい難燃性が要求されると同時に、破断時の伸び150%以上、引張強度11.3MPa以上の機械的強度が要求されてきている。上記特許文献1,2では、無機水和物のようなフィラー成分の混和量減少が充分ではないこともあって、機械的強度の向上が難しく、このような更に厳しい難燃性と機械的強度を両立することができなかった。
本発明は、このような従来技術の欠点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、機械的強度に優れるとともにUL-VW-1燃焼試験に合格するような非常に高度な難燃性を有した難燃性電気絶縁組成物とそれを被覆した電線を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明による難燃性電気絶縁組成物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、無機リチウム化合物0.5重量部以上30重量部以下、シリコーンコンパウンド0.5重量部以上30重量部以下、及びハロゲン系難燃剤5重量部以上70重量部以下を含有することを特徴とするものである。
また、上記無機リチウム化合物が、炭酸リチウムであることが考えられる。
また、上記シリコーンコンパウンドが、シリカ粉末がシリコーンオイル及びシランカップリング剤によって処理されたものであることが考えられる。
上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体を含むことが考えられる。
本発明による電線は、導体線の外周に、上記の難燃性電気絶縁組成物からなる被覆が形成されていることを特徴とするものである。
また、上記被覆が、内層と外層の2層からなり、上記内層における上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンからなり、上記外層における上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体からなることが考えられる。
本発明によれば、上記組成物の配合により、優れた機械的強度を維持したまま、UL-VW-1燃焼試験に合格するような非常に高度な難燃性を得ることができる。
以下、本発明による難燃性電気絶縁組成物の各構成について説明する。
本発明において使用されるオレフィン系ポリマーとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を併用して使用される。また、これらを主成分とし、これらとともに架橋可能な成分を適当に含有させても良い。
これらのオレフィン系ポリマーの中でも、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体などのエチレン-不飽和エステル共重合体を使用することが好ましい。エチレン-不飽和エステル共重合体であれば、後述するリチウム化合物やシリカ等のフィラー成分を多量に配合しても、機械的強度の低下が起こりにくいため好ましい。エチレン-不飽和エステル共重合体の中でも、特に、不飽和エステル成分の含有量が高いものが好ましい。
本発明におけるオレフィン系ポリマーは、機械的強度向上などの必要に応じて不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを含んでいても良い。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンやエチレンアクリル酸エステル共重合体(EMA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体などに、不飽和カルボン酸やその誘導体を反応させて変性させたものを使用することができる。不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、例えば、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは無水マレイン酸変性ポリオレフィンが挙げられ、更に好ましくはエチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸の三元共重合体又はエチレン-ブテン-無水マレイン酸の三元共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸変性ポリオレフィンを配合する場合は、オレフィン系ポリマー中、10重量%以下が配合されていることが好ましい。10重量%を超えると、難燃性が悪くなる傾向にある。
無機リチウム化合物を添加することにより、難燃性を大幅に向上させることができる。無機リチウム化合物としては、炭酸リチウム、ホウ酸リチウム、リン酸リチウム、フッ化リチウム等が挙げられ、特に好ましくは炭酸リチウムが使用される。この無機リチウム化合物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、0.5重量部以上添加させることが好ましく、0.5重量部未満では難燃性の大幅な向上を得ることができない。また、無機リチウム化合物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、30重量部以下添加させることが好ましく、30重量部を超えると機械的強度の低下に繋がる。
更に適切な量のシリコーンコンパウンドを加えることにより、機械的強度(特に引張強度)を向上することができる。このシリコーンコンパウンドは、平均粒子径が10~200μmのものが好ましく使用される。シリコーンコンパウンドの含有量の下限値としては、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、シリコーンコンパウンド0.5重量部以上とされる。シリコーンコンパウンドが0.5重量部未満では補強効果が十分でない。特に、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、シリコーンコンパウンド3重量部以上であることが好ましく、更に、ポリマー分100重量部に対し、シリコーンコンパウンド5重量部以上であることが好ましい。また、シリコーンコンパウンドの含有量の上限値としては、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、シリコーンコンパウンド30重量部以下とされる。30重量部を超えると逆に機械的強度(引張強度及び伸び)が低下してしまうことになる。特に、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、シリコーンコンパウンド15重量部以下であることが好ましく、更に、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、シリコーンコンパウンド10重量部以下であることが好ましい。
上記したシリコーンコンパウンドは、シリカ粉末がシリコーンオイル及びシランカップリング剤によって処理されたものであることが好ましい。これにより、シリコーンコンパウンドがオレフィン系ポリマーに混合されやすくなって均一な分散が図られるとともに、機械的強度と耐熱性を向上させることができる。シリコーンオイルの具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル等が挙げられる。また、側鎖及び/又は末端に有機基を導入した変性シリコーンオイルも使用でき、例えば、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。特に、適度に反応性を高めて相溶性を向上させた末端ヒドロキシ変性ジメチルシリコーンオイルが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤、メタクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。特に、オレフィン系ポリマーとしてエチレン-不飽和エステル共重合体を使用する場合、オレフィン系ポリマーとシリカとの相溶性向上の観点から、メタクリル系シランカップリング剤又はアクリル系シランカップリング剤を使用することが好ましい。
上記のような無機リチウム化合物及びシリコーンパウダーを配合することにより、火炎近接時のような高温時に組成物のガラス化が起こり、ドリップ(溶融滴下)による延焼を防止することができる。このような作用もあいまって、本発明による組成物は、非常に高度な難燃性を得ることができる。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモジフェニル)、パークロロシクロペンタデカンなどが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。上記したハロゲン系難燃剤は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、5~70重量部配合することが好ましい。ハロゲン系難燃剤の配合量が5重量部未満では、難燃性向上の効果が充分でなく、より高度な難燃性(例えば、UL規格に規定されているVW-1垂直燃焼試験に合格する難燃性)を得ることができず、又、70重量部を超えると、機械的強度や耐電圧特性が低下してしまう。
また、上記ハロゲン系難燃剤と併せて酸化アンチモンを使用することが好ましい。酸化アンチモンとハロゲン系難燃剤との併用により、より高度な難燃性を付与させることができる。酸化アンチモンとしては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられる。酸化アンチモンは、ハロゲン系難燃剤の配合量に対して、おおよそ1/2の重量部数で配合すればよい。この場合のおおよそとは、酸化アンチモンの重量部数で誤差±25%程度を示す。
また、本発明においては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛などのような、2族又は3族の金属元素による金属酸化物を配合してもよい。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。これらのような金属酸化物は、受酸剤としての作用を奏することから、耐熱性を向上させることができる。金属酸化物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2~20重量部配合する。金属酸化物の配合量が2重量部未満では、受酸剤として耐熱性を向上させる効果が不十分であり、又、20重量部を超えると、機械的強度や耐電圧特性が低下してしまう。
本発明の難燃性電気絶縁組成物には、難燃性、機械的強度等の特性を損なわない範囲内で一般的に使用される各種の添加剤、例えば、老化防止剤(酸化防止剤)、金属不活性化剤、滑剤、充填剤、カップリング剤、分散剤、着色剤等を適宜添加することができる。老化防止剤としては着色、汚染性の心配のない老化防止剤、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート]、オクタデシル-3-(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4-8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンの様なフェノール系酸化防止剤、2-メルカプトベンゾイミダゾール及びその亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系老化防止剤などが挙げられる。金属不活性化剤としては、例えば、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N,N’-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4ヒドロ キシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等が挙げられる。滑剤としては、例えば、パラフィン、炭化水素樹脂、脂肪酸、脂肪酸金属塩(金属石鹸)、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール等が挙げられる。これら各種の添加剤は、単独で用いても複数を混合して用いても構わない
本発明の難燃性電気絶縁組成物は架橋を行うことにより、難燃性、機械的強度、耐熱性を向上させることができる。架橋の方法については特に規定はしないが、有機過酸化物を用いた化学架橋法や放射線エネルギーを用いた電子線架橋法を利用することができる。架橋方法として有機過酸化物による化学架橋法を利用する場合、有機過酸化物としてはジクミルパーオキシド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが架橋効率、分解開始温度の点で好まし い。電子線架橋を利用する場合、電子線の照射量は4~20Mradが好ましい。4Mrad未満の照射量では十分な架橋度が得られず、難燃性、機械的強度、耐熱性が不十分となる。20Mrad以上では破断時の伸びが低下し、実用に耐えない。難燃性組成物には架橋効率を高める目的でエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレンジメタクリレート、メタクリル酸亜鉛、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋助剤を添加しても良い。
上記の各構成材料を適宜に配合したものを、インターナルミキサー、一軸混練機、二軸混練機等の公知の混練機を使用して充分に混練りすることによって本発明の難燃性電気絶縁組成物を得ることができる。
このようにして得られた本発明の難燃性電気絶縁組成物を公知の方法によって導体線の外周上に押出成形して被覆を形成することにより、本発明の他の態様による電線を得ることができる。難燃性電気絶縁組成物を公知の方法によって導体線の外周上に押出成形して被覆を形成した後、難燃性電気絶縁組成物の耐熱性を向上させるため適宜に架橋を施すこともできる。また、被覆は単層であってもよいが、複数層としてもよい。例えば、被覆が内層と外層の2層からなり、内層におけるオレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンからなり、外層における上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体からなるものが考えられる。このような被覆の構成であれば、(優れた特性を記載してください)
以下、本発明の実施例を比較例と併せて説明する。表3に示した配合材料を表1~2に示した配合部数で配合して、80~150℃のオープンロールにより混練りし、得られた難燃性組成物を汎用の電線用押出機を使用して、導体径0.48mmのスズメッキ軟銅撚り線に0.27mmの厚さで被覆した。更にこの被覆電線を8Mradの照射量電子線照射し、架橋を行った。
このようにして得られた電線を試料として下記の評価方法により評価した。その結果を表1~2に併せて示す。尚、表1~2中の各成分量は重量部単位である。
評価方法は以下の通りである。
機械的強度:
UL758.14に準拠して評価を行った。電線より取り出した管状の試験片を引張速度500mm/minで引張り、破断した際の強度と伸びを測定した。引張強度11.3MPa以上、引張伸び150%以上のものを合格(○)とした。
耐熱性:
UL758.14に準拠して評価を行った。電線より取り出した管状の試験片について136℃の雰囲気中にて168時間加熱保持した後、引張り速度500mm/minで引張り、破断した際の強度と伸びを測定した。この測定結果を加熱試験前の引張強度、引張伸びの値を除して残率を計算した。強度残率70%以上、伸び残率50%以上のものを合格(○)とし、これに満たないものを不合格(×)とした。
難燃性:
UL758.41(VW-1燃焼試験)に準拠して評価を行った。各サンプル10本について評価を行い、5回の接炎後、フラッグの25%が燃焼しなかったサンプルが8本以上のものを合格(○)、7本以下のものを不合格(×)とした。
生産性:
所定の線速で押出成型をした際の表面の平滑性を確認した。線速50m/minで表面が平滑なものを合格(○)、表面にシャークスキンやピンホール等が発生したものを不合格(×)とした。
電気特性:
JASO-D618に準拠し体積抵抗を測定する。合否の基準としては、10Ω・mm以上のものを合格(○)とし、これに満たないものを不合格(×)とした。
Figure 0007064697000001
Figure 0007064697000002
Figure 0007064697000003
表1に示すように、本発明による難燃性電気絶縁組成物は、非常に高度な難燃性と優れた機械的強度を兼ね備えたものであることが確認された。一方、また、無機リチウム化合物の配合量が本発明の範囲未満である比較例1は、難燃性の試験に不合格となり、無機リチウム化合物の配合量が本発明の範囲を超える比較例2は、機械的強度と耐熱性が合格の値に満たないものであった。また、シリコーンコンパウンドの配合量が本発明の範囲未満である比較例3は、機械的強度が合格の値に満たないものであり、シリコーンコンパウンドの配合量が本発明の範囲を超える比較例4もまた、機械的強度と耐熱性が合格の値に満たないものであった。ハロゲン系難燃剤の配合量が本発明の範囲未満である比較例5は、難燃性の試験に不合格となり、ハロゲン系難燃剤の配合量が本発明の範囲を超える比較例6は、機械的強度と耐熱性が合格の値に満たないものであった。
以上説明したとおり、本発明による難燃性電気絶縁組成物は、機械的強度に優れるとともにUL-VW-1燃焼試験に合格するような非常に高度な難燃性を有し、生産性に優れるものである。従って、例えば、電線,ケーブルの絶縁材料やシース材料をはじめとした、種々の絶縁体として好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. オレフィン系ポリマー100重量部に対し、無機リチウム化合物0.5重量部以上30重量部以下、シリコーンコンパウンド0.5重量部以上30重量部以下、及びハロゲン系難燃剤5重量部以上70重量部以下を含有することを特徴とし、上記シリコーンコンパウンドは、シリカ粉末がシリコーンオイル及びシランカップリング剤によって処理されたものであり、上記シリコーンオイルはアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、ヒドロキシ変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルのいずれかであることを特徴とする難燃性電気絶縁組成物。
  2. 上記無機リチウム化合物が、炭酸リチウムであることを特徴とする請求項1記載の難燃性電気絶縁組成物。
  3. 上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の難燃性電気絶縁組成物。
  4. 導体線の外周に、請求項1~何れか記載の難燃性電気絶縁組成物からなる被覆が形成されていることを特徴とする電線。
  5. 導体線の外周に、請求項1~3何れか記載の難燃性電気絶縁組成物からなる被覆が形成され該被覆は内層と外層の2層からなり、上記内層における上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンからなり、上記外層における上記オレフィン系ポリマーが、エチレン-不飽和エステル共重合体からなることを特徴とする電線。
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