JP6902205B2 - ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、高い難燃性を有し、耐油性及び低温特性に優れたケーブルに関する。
鉄道車両網が発達している欧州では、EN規格(欧州規格)と呼ばれる地域統一規格の採用が広がっている。かかる規格では、鉄道車両用に使用される電線・ケーブルは、その不具合により大事故につながる危険性があることから、高い難燃性や耐油性を備えたハロゲンフリー材料を使用することが求められている。
かつて、本出願人は、この要求に応えるべく、導体と、前記導体の外周側に形成されたノンハロゲン架橋樹脂組成物からなる絶縁層とを有する鉄道車両用電線であって、前記ノンハロゲン架橋樹脂組成物は、酢酸ビニル含有量(VA量)が60mass%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を20〜70質量部、VA量が30〜50mass%のEVAを25質量部以上、無水マレイン酸で変性したマレイン酸変性エチレンαオレフィン系共重合体を1〜30質量部含有するベースポリマ100質量部に対して金属水酸化物を80〜200質量部含有する鉄道車両用電線を提案した(例えば、特許文献1を参照)。かかるノンハロゲン絶縁電線は、所望の難燃性、低温特性及び耐油性に優れた特性を備えるものであるが、改善の余地がないわけではない。
特開2014−53247号公報
つまり、ケーブル内部にポリオレフィン系樹脂からなる電気絶縁層を備えた絶縁電線を用いるため、ケーブル燃焼時に絶縁電線からの可燃性ガスが発生することによりケーブルの難燃性が低下する課題があり、更に高い難燃性を実現することが難しかった。
そこで、本発明の目的は、高い難燃性を有し、耐油性及び低温特性に優れたケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のケーブルが提供される。
[1]導体の外周に絶縁層を形成した絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外周にシース層を備えたケーブルにおいて、シース層は、ベースポリマ100質量部に対し、金属水酸化物を170質量部以上260質量部以下含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる架橋物であり、前記ベースポリマは(a)エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂及び(b)酸変性ポリオレフィン樹脂を(a):(b)=95:5〜60:40の割合で含有するとともに、当該ベースポリマの酢酸ビニル含有量が5質量%以上40質量%以下であり、前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなり、前記水酸化アルミニウムの含有量は、前記水酸化マグネシウムの含有量よりも多く、前記架橋物はゲル分率が80%以上であることを特徴とするケーブル。
[2]前記水酸化アルミニウムは、ベースポリマ100質量部に対して130質量部以上160質量部以下であり、前記水酸化マグネシウムは、ベースポリマ100質量部に対して40質量部以上100質量部以下であることを特徴とする[1]に記載のケーブル。
[3]前記シース層の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のケーブル。
本発明によれば、高い難燃性を有し、耐油性及び低温特性に優れたケーブルを提供することにある。
本発明の一実施形態に係るケーブルの断面図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。
〔ケーブル〕
本発明の実施形態に係るケーブルは、導体の外周に絶縁層を形成した絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外周にシース層を備えたケーブルにおいて、シース層は、ベースポリマ100質量部に対し、金属水酸化物を170質量部以上260質量部以下含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる架橋物であり、前記ベースポリマは(a)エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂及び(b)酸変性ポリオレフィン樹脂を(a):(b)=95:5〜60:40の割合で含有するとともに、当該ベースポリマの酢酸ビニル含有量が5質量%以上40質量%以下であり、前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなり、前記水酸化アルミニウムの含有量は、前記水酸化マグネシウムの含有量よりも多く、前記架橋物はゲル分率が80%以上である。
本発明は、難燃剤として水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムとを併用することで、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの脱水温度の相違を利用して、消火温度範囲を広げ高い難燃性を得るものである。
つまり、水酸化アルミニウムは245℃、320℃、550℃の三段階の脱水温度を有し、320℃近傍にピークを有する。一方、水酸化マグネシウムの脱水温度は340℃〜420℃であり、400℃近傍にピークを示す。そこで、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを併用することによって、夫々の脱水温度における脱水反応を利用することにより、水酸化マグネシウムを単独で用いた場合に比べて消火温度範囲を広げることができ、高い難燃性を実現することができる。
そして、水酸化マグネシウムの含有量よりも水酸化アルミニウムの含有量が多いのは、脱水温度320℃に比して脱水温度245℃及び550℃における弱い脱水反応を相対的に強めるためである。
(ノンハロゲン難燃性樹脂組成物)
まず、本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ベースポリマ100質量部に対し、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムを170質量部以上260質量部以下含有し、前記水酸化アルミニウムの含有量は、前記水酸化マグネシウムの含有量よりも多いものである。
本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムを併用する。これにより、本発明の実施形態に係るケーブルは、水酸化マグネシウムを単独で用いる場合よりも消火温度範囲が広がり、高い難燃性を得ることができる。
また、本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ベースポリマ100質量部に対し、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムを170質量部以上260質量部以下含有する。170質量部未満では十分な難燃性を得ることができず、260質量部より多いと低温特性が低下するためである。水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムの配合比率は、水酸化マグネシウムが40質量部以上100質量部以下、水酸化アルミニウムが130質量部以上160質量部以下であることが好ましい。
また、本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、水酸化マグネシウムの含有量よりも水酸化アルミニウムの含有量の方が多い構成からなる。水酸化マグネシウムの含有量よりも水酸化アルミニウムの含有量が多いのは、脱水温度320℃に比して脱水温度245℃及び550℃における弱い脱水反応を相対的に強めるためである。
また、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムは、分散性等を考慮し、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ステアリン酸等の脂肪酸等によって表面処理を施すことができる。
本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、難燃剤の他に、難燃効果を補助する難燃助剤を添加することができる。適用可能な難燃助剤としては、例えば、クレー、シリカ、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、水酸化ドロマイド、シリコーンなどが挙げられる。
本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物において、前記ベースポリマは、(a)エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂及び(b)酸変性ポリオレフィン樹脂を(a):(b)=95:5〜60:40の割合で含有するとともに、当該ベースポリマの酢酸ビニル含有量が5質量%以上40質量%以下である。
ベースポリマとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂を用いる。エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体が含まれていればよく、それ以外のポリオレフィンが複数混合されていても良い。ポリオレフィンとしては低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体やエチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体などのエチレンαオレフィン共重合体が挙げられる。融点や分子量には特に限定されない。
また、エチレン酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル量はベースポリマ全体で5質量%以上40質量%以下である。酢酸ビニル量が5質量%未満の場合、高い難燃性を得ることが難しく、酢酸ビニル量が40質量%よりも多い場合、ケーブル同士が接した際、密着し、ケーブル加工性が低下するおそれがある。
また、本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、ベースポリマとして、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いる。低温特性を向上させるためである。例えば、酸変性されたエチレン−αオレフィン共重合体を用いることができる。エチレン−αオレフィン共重合体は低温環境下での柔軟性に優れており、酸で変性すると、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどのフィラーとの密着性を強化することが可能となり、低温特性を向上させることができるためである。
酸変性されたエチレン−αオレフィン共重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体等を挙げることができる。中でもエチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体は結晶が少なく、フィラーを受容することができ、低温時の柔軟性を得ることができるため好ましい。酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等を挙げることができる。
(a)エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂及び(b)酸変性ポリオレフィン樹脂の質量比は(a):(b)=95:5〜60:40であり、より好ましくは(a):(b)=90:10〜70:30 である。(b)が5質量部未満だと低温特性が低下し、40質量部より多いとフィラーとの密着が強すぎて増粘し、押出加工性が低下するためである。
また、本発明の実施形態において使用するノンハロゲン難燃性樹脂組成物は、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、着色剤、補強剤、界面活性剤、無機充填剤、酸化防止剤、可塑剤、金属キレート剤、発泡剤、相溶化剤、加工助剤、安定剤等を含有することができる。
(シース層)
本発明の実施形態において使用するシース層は、上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を使用するものであるが、耐油性の観点から架橋物である。架橋処理は、有機過酸化物又は硫黄化合物、シラン化合物等を用いた化学架橋、電子線、放射線等による照射架橋、その他の化学反応を利用した架橋等があるが、いずれの架橋方法も適用可能である。架橋の程度はゲル分率で定義する。ゲル分率の測定は事前に材料を秤量し、110℃に熱したキシレンに24時間浸漬させる。浸漬後に20℃で3時間大気圧で放置し、80℃で4時間真空乾燥させた材料の重量とキシレン浸漬前の重量比(百分率)とする。耐油性の観点から架橋物のゲル分率は80%以上である。
シース層の肉厚は特に限定しないが、肉厚0.2mm以上1.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.6mm以上1.0mm以下である。
なお、シース層は2層以上の多層構造であっても良く、その場合、ケーブルの最外層に上記ノンハロゲン難燃性樹脂組成物を使用することが好ましい。
(絶縁電線)
本発明の実施形態において使用する絶縁電線は導体の外周に絶縁層を備える。導体としては、特にその材質を限定するものではないが、銅又は銅合金、アルミ又はアルミ合金を使用することができる。導体の構成についても特にこれを限定するものではないが、単線の他、ケーブルの屈曲性を考慮すると、複数の素線を撚り合わせた撚り線構造を採用するのが好適である。また、適宜これにメッキを施すことも可能であり、例えばスズめっきなどを被覆することもできる。
本実施の形態に用いられる絶縁電線は、導体の外周に形成した絶縁層を有する。絶縁層に難燃剤が処方されると、より高い難燃性を得ることができるため、電気絶縁層の外周に難燃層を設けることが好ましい。
電気絶縁層に適用するベースポリマはノンハロゲン材料であれば特に限定しない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などのポリオレフィンが挙げられる。ゴム材料も適用可能であり、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、アクリルゴム、エチレン―アクリル酸エステル共重合体ゴム、エチレンオクテン共重合体ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム、ブタジエン−スチレン共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、ポリスチレンブロックを有するブロック共重合体ゴムなどが挙げられる。また、これらを単独でも2種類以上のブレンドとすることもできる。また電気特性を重視する場合、難燃剤としての金属水酸化物を含有しないことが好ましい。
難燃層に適用するベースポリマは、エンジニアリングプラスチックを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエーテルサルホンなどが挙げられ、これらの熱可塑性エラストマも使用することができる。また、これらを単独でも2種類以上のブレンドとすることもできる。また、難燃層には、ノンハロゲン難燃剤を含有することが好ましい。ノンハロゲン難燃剤の添加量は、ベースポリマ100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。ノンハロゲン難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を用いることができる。
また、電気絶縁層及び難燃層には、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、着色剤、補強剤、界面活性剤、無機充填剤、可塑剤、金属キレート剤、発泡剤、相溶化剤、加工助剤、安定剤等を添加することができる。
(ケーブル構造)
図1は本発明の一実施形態に係るノンハロゲン難燃性ケーブルの断面図である。図1に示すように、本発明の実施形態に使用する絶縁電線は、導体1と導体1の外周を被覆する絶縁層とを有する。絶縁層は電気絶縁層2及び難燃層3からなる。ケーブル8は、絶縁電線4と、シールド層6と、シース層7とを備える。すなわち、導体1の外周に電気絶縁層2を被覆し、電気絶縁層2の外周に難燃層3を被覆して絶縁電線4を形成する。複数の絶縁電線4を撚り合わせ多芯撚線を形成する。セパレータ5は必要に応じて設けることができ、多芯撚線の外周に巻き回されている。シールド層6はセパレータ5の外周に形成されている。多芯撚線とセパレータ5又は多芯撚線とシールド層6との間には空間が形成されている。シールド層6の外周にシース層7を形成している。セパレータ5としては、その材質を限定するものではないが、アルミラミネートPETテープ等を用いることができる。また、シールド層6としては、その材質を特に限定するものではないが、銅又は銅合金を使用することができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
(1)絶縁電線の製造
まず、0.18mmの素線を19本撚り合わせたスズめっき導体を用意した。
ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ノバデュラン5026)100重量部に、難燃剤として水酸化マグネシウム(協和化学工業製、キスマ5L)を30重量部添加し、スクリュー径30mm、L/D=40の2軸押出機を用いて混練し、造粒機でこれをペレット化し、難燃層の材料を用意した。
電気絶縁層の材料には、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマ製、エボリューSP1510)を用い、電気絶縁層厚0.1mm、難燃層厚0.16mmになるように40mm押出機にて2層押出を行い被覆した。得られた絶縁電線を電子線にて照射し架橋を行った。
(2)ケーブルの製造
得られた絶縁電線を2本撚り合わせた多芯撚線を用意し、その上に、32μmのポリエチレンテレフタレートからなるセパレータをラップ巻きし、0.11mmのスズめっき導体を用いて編組密度80%の編組からなるシールド層を形成した。上記シールド層の外周に表1に示すノンハロゲン難燃性樹脂組成物を40mm押出機にて押出被覆した。得られたケーブルを表1に示した照射量で電子線を照射し、シース層を架橋させ、実施例及び比較例のケーブルを作製した。
ケーブルの評価は以下に示す方法により判定した。
(1)低温試験
ケーブルを−40℃の低温槽に4時間以上放置し、φ5mm、φ10mm及びφ20mmのマンドレルに6回巻き付けた。φ5mm、φ10mm及びφ20mmのマンドレルへの巻き付けによりケーブルが割れが発生しなかったものを◎、φ5mmのマンドレルへの巻き付けでは割れが発生したものの、φ10mm及びφ20mmマンドレルへの巻き付けで割れが発生しなかったものを○、φ5mm及びφ10mmマンドレルへの巻き付けで割れが発生したものの、φ20mmマンドレルへの巻き付けで割れが発生しなかったものを△、全てのマンドレルへの巻き付けで割れが発生したものを×とした。
(2)難燃試験
長さ600mmのケーブルを垂直に保ち、60秒炎をあてて、炎を取り去った後、2秒以内に消火したものを◎、10秒以内に消火したものを○、60秒以内に消火したものを△、60秒より長く燃焼したものを×とした。
(3)耐油試験
作製したケーブルから、チューブ状のシース層を剥ぎ取ったのち、6号ダンベル試験片に打ち抜いた。得られたダンベル試験片を70℃に熱したIRM903試験油に168時間浸漬し、その後200mm/minの変位速度で引張試験を実施し、引張強さ及び破断伸びを測定した。引張強さ残率が−30%以上であれば◎、−40%以上−30%未満であれば○、−50%以上−40%未満であれば△、−50%未満であれば×とした。
(4)押出性試験
40mm押出機を用いて、図1に示すケーブルを製造する。表1に示したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を押し出して、最高引取速度が100m/min以上であれば◎、50m/min以上であれば○、20mm/min以上であれば△、20mm/minに到達しなければ×とした。
(5)粘着試験
表1に示したノンハロゲン難燃性樹脂組成物を40mm押出機を用いて、図1に示すケーブルを100m製造する。得られたケーブルを450mm径のボビンに巻き取り、40℃の恒温槽に24時間放置し、ケーブルをほどいて、貼り付き痕が無ければ○、貼り付き痕があれば×とした。
(6)架橋度試験
シース層のゲル分率を測定した。シース層をナイフで切削分離し、事前に材料を秤量し、110℃に熱したキシレンに24時間浸漬させる。浸漬後に20℃3時間大気圧で放置し、80℃で4時間真空乾燥させた材料の重量とキシレン浸漬前の重量比(百分率)を求めた。ゲル分率が80%以上であれば合格、80%未満であれば不合格とした。
(7)可とう性試験
作製したケーブル200mmの片端に50gの錘を吊り下げ、変位量が140mm以上のものを○、140mm未満のものを△とした。
(8)総合評価
上記試験方法において、総合評価としては、全ての試験において◎または○のものを◎とし、△が含まれるものを○、×が含まれるものを×とした。
実施例を表1に、また上記と同様に作製した比較例を表2に示す。
Figure 0006902205
Figure 0006902205
実施例1〜12では、難燃性、耐油性、低温特性に全て合格し、良好な特性を示している。また、押出試験、粘着試験、架橋度試験、可とう性試験についても合格であった。
比較例1では、酸変性されたエチレンαオレフィン共重合体が含まれていないため、低温試験で不合格となった。
比較例2では、ベースポリマ全体の酢酸ビニル量が本発明の規定範囲を下回るため、難燃性が不合格となった。
比較例3では、水酸化アルミニウムを単独で使用し、水酸化マグネシウムを使用しないため、難燃性が不合格となった。
比較例4では、水酸化マグネシウムを単独で使用し、水酸化アルミニウムを使用しないため、難燃性が不合格となった。
比較例5では、架橋物のゲル分率が80%に達しておらず、耐油性が不合格となった。
比較例6では、水酸化アルミニウムの添加量よりも水酸化マグネシウムの添加量の方が多く、難燃性が不合格となった。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
1 導体
2 電気絶縁層
3 難燃層
4 絶縁電線
5 セパレータ
6 シールド層
7 シース層
8 ケーブル

Claims (2)

  1. 導体の外周に絶縁層を形成した絶縁電線を複数本撚り合わせた多芯撚線の外周にシース層を備えたケーブルにおいて、
    前記シース層は、ベースポリマ100質量部に対し、金属水酸化物を170質量部以上260質量部以下含有するノンハロゲン難燃性樹脂組成物からなる架橋物であり、
    前記ベースポリマは(a)エチレン酢酸ビニル共重合体を含む酸変性されていないポリオレフィン樹脂及び(b)酸変性ポリオレフィン樹脂を(a):(b)=95:5〜60:40の割合で含有するとともに、当該ベースポリマの酢酸ビニル含有量が5質量%以上40質量%以下であり、
    前記金属水酸化物は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムからなり、前記水酸化アルミニウムの含有量は、前記水酸化マグネシウムの含有量よりも多く、前記ベースポリマ100質量部に対し130質量部以上160質量部以下であり、前記水酸化マグネシウムの含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対し40質量部以上60質量部以下であり、
    前記架橋物はゲル分率が80%以上であることを特徴とするケーブル。
  2. 前記シース層の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル。
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