JP2015021058A - 難燃性樹脂組成物、およびそれを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物、およびそれを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性、耐熱性、耐磨耗性、耐収縮性及び柔軟性に優れた難燃性樹脂組成物と、それを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品の提供。【解決手段】(a)密度が0.900〜0.950g/cm3のエチレン−α−オレフィン共重合体32〜80質量%、(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂10〜50質量%、及び、(c)ポリプロピレン樹脂5〜18質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部と、金属水和物(B)50〜250質量部とを含有し、該(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の一部、又は、該(b)ポリオレフィン樹脂の全部もしくは一部が酸変性されている難燃性樹脂組成物、並びに、この難燃性樹脂組成物を成形し、その後、電子線照射により架橋してなる難燃性樹脂成形体を含むことを特徴とする難燃性物品。該(b)ポリオレフィン樹脂の酸変性されている樹脂は、酸変性スチレン系エラストマーである。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物およびそれを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品に関し、特に、機械的特性、耐熱性、耐磨耗性、耐収縮性および柔軟性に優れ、かつ埋立、焼却などの廃棄時において、重金属化合物の溶出や、多量の煙、腐食性ガスの発生がない難燃性樹脂組成物と、それを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む、例えば、シート、チューブ、配線材、光ファイバコードおよびその他の難燃性物品に関する。
電気・電子機器の内部および外部配線に使用される配線材(絶縁電線、単に電線ともいう)、ケーブル、コードや光ファイバ心線、光ファイバコードなどの物品には、難燃性、引張特性、耐熱性など種々の特性が要求される。このため、これら絶縁電線の被覆材料として、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合した、エチレン系共重合体を主成分とする樹脂組成物がよく知られている。
近年、このような被覆材料を用いた絶縁電線を適切な処理をせずに廃棄した場合の種々の問題が提起されている。例えば、埋立により廃棄した場合には、被覆材料に配合されている可塑剤や重金属安定剤の溶出、また焼却した場合には、多量の腐食性ガスの発生、ダイオキシンの発生などという問題が起こる。
このため、有害な重金属やハロゲン系ガスなどの発生がないノンハロゲン難燃材料で電線を被覆する技術の検討が盛んに行われている。
ところで、自動車などの車両用等として使用されるワイヤハーネスには、安全性の面から高い強度、磨耗性、耐油性が要求される。しかも、近年、自動車などの車両においては電子制御化が進み、1台あたりに使用される電線の使用量は増えているため、ワイヤハーネス用絶縁電線には、軽量化、省スペース化のために細径化が求められている。これにより、絶縁電線への要求特性はさらに厳しいものになっている。
このような背景から、ベース樹脂にポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を用い、難燃剤として水酸化マグネシウムなどの金属水和物を添加した、いわゆるノンハロゲン系難燃性樹脂組成物が開発されてきた。ノンハロゲン系難燃性樹脂組成物は、一般に、機械的特性、耐磨耗性、耐油性に優れるものの、例えばエンジンルーム内に使用される絶縁電線に要求されるような長期的な高耐熱性は不十分である。また、柔軟性にも乏しいため配線しにくく、大きな曲率で曲げた際には白化するなどの問題がある。
ノンハロゲン系難燃性樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、高密度ポリエチレンをベースとしたノンハロゲン系の架橋型難燃性樹脂組成物が提案されている。
特許第4255368号公報
しかし、本発明者は、特許文献1の実施例に記載された架橋型難燃性樹脂組成物を用いて絶縁電線を製造したところ、耐熱性こそ満足するが、絶縁電線がさらに細径になる場合には耐磨耗性が不十分であり、また柔軟性にも劣ることが判明した。
さらに、特許文献1の架橋型難燃性樹脂組成物は、高密度ポリエチレンをベースとしているため、成形加工時の残留歪による被覆の収縮が起こり、コネクタ接続後に不具合が発生する恐れもあることが分かった。
したがって、本発明は、上記の問題点を解決し、機械的特性、耐熱性、耐磨耗性、耐収縮性および柔軟性に優れた難燃性樹脂組成物と、それを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品、例えば、シート、チューブ、配線材、光ファイバコードおよびその他の難燃性物品を提供することを、課題とする。
さらに詳しくは、本発明は、シート、チューブ、配線材、光ファイバコードおよびその他の難燃性物品に要求される高度の耐磨耗性を満足すると同時に、これらに必要とされる耐熱性および柔軟性を併せ持つ難燃性樹脂組成物と、それを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品を提供することを課題とする。
また、本発明は、細径であっても耐磨耗性に優れ、しかもコネクタ接続後も接続状態を維持して信頼性の高い車両用配線材と、それを形成可能な難燃性樹脂組成物を提供することを、課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、ベース樹脂として、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体、酸変性された特定のポリオレフィン樹脂、および、ポリプロピレン樹脂、必要により酸変性されていない特定のポリオレフィン樹脂を主成分とし、さらに特定量の金属水和物を添加することにより、高い機械的強度、耐磨耗性を保持しつつ、高い耐熱性、耐収縮性および柔軟性を有する難燃性樹脂組成物および難燃性物品を見出すことに成功した。
本発明はこの知見に基づき完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
(1)(a)密度が0.900g/cm以上0.950g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体32〜80質量%、(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂10〜50質量%、および、(c)ポリプロピレン樹脂5〜18質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部と、金属水和物(B)50〜250質量部とを含有し、
前記(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の一部、または、前記(b)ポリオレフィン樹脂の全部もしくは一部が酸変性されていることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(2)前記(a)エチレン−α−オレフィン共重合体および前記(b)ポリオレフィン樹脂が、いずれも、酸変性されていることを特徴とする(1)に記載の難燃性樹脂組成物。
(3)前記(b)ポリオレフィン樹脂のうち酸変性されているポリオレフィン樹脂が、酸変性スチレン系エラストマーであることを特徴とする(1)または(2)に記載の難燃性樹脂組成物。
(4)成形後に架橋して使用されることを特徴とする(1)〜(3)いずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
(5)前記架橋が、電子線の照射による架橋であることを特徴とする(4)に記載の難燃性樹脂組成物。
(6)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を成形し、架橋してなる難燃性樹脂成形体を含むことを特徴とする難燃性物品。
(7)前記架橋が、電子線の照射による架橋であることを特徴とする(6)に記載の難燃性物品。
(8)前記難燃性樹脂成形体が、電線導体、光ファイバ素線または光ファイバ心線の外周に被覆層として設けられてなることを特徴とする(6)または(7)に記載の難燃性物品。
本発明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の難燃性樹脂組成物およびそれを成形してなる難燃性樹脂成形体を含む難燃性物品は、優れた機械的特性、耐熱性、耐磨耗性および柔軟性を有している。また、廃棄時の埋立による重金属化合物やリン化合物の溶出や、焼却による多量の煙、腐食性ガスの発生などの問題もない。
加えて、本発明の難燃性樹脂組成物は、成形後も収縮することがないため、コネクタ接続後も接続状態を維持して優れたコネクタ接続性が得られ、本発明の難燃性物品として、細径であっても耐磨耗性に優れ、しかも信頼性の高い車両用配線材を製造できる。
また、本発明によれば、ノンハロゲン系の難燃性樹脂組成物及びノンハロゲン系の難燃性物品を提供できる。
図1は、実施例の耐収縮性におけるヒートサイクルを示す図である。
以下に、本発明および本発明における好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の難燃性樹脂組成物は、上述のように、熱可塑性樹脂(A)および金属水和物(B)を含有する。好ましくはノンハロゲン系難燃性樹脂組成物である。
(A)熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂(A)は、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体と、(b)ポリオレフィン樹脂と、(c)ポリプロピレン樹脂を含有してなり、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体および(b)ポリオレフィン樹脂の少なくともどちらか一方に酸変性されているものが含まれる。
(a)密度が0.900g/cm以上0.950g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体
本発明に用いることのできる(a)エチレン−α−オレフィン共重合体としては、好ましくは、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。(a)成分には、エチレンとプロピレンの共重合体は含まれない。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体としては、特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン・ブタジエンゴム(EBR)、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。このなかでも、機械的強度や耐磨耗性に優れる点でシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.900g/cm以上0.950g/cm未満であり、好ましくは0.910〜0.940g/cm、特に好ましくは0.915〜0.935g/cmである。この密度が低いと、機械的強度や耐磨耗性が低くなることがある。一方、密度が高すぎると結晶性が高くなるため、硬くなり柔軟性が損なわれることがある。さらに、密度が高いと成形加工時に歪が残りやすく、収縮が起こりやすい。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、JIS K 7112に基づいて、測定することができる。
また、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体としては、メルトフローインデックス(ASTM D−1238)が0.5〜30g/10分のものが好ましい。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、熱可塑性樹脂(A)中、32〜80質量%であり、好ましくは40〜70質量%であり、さらに好ましくは45〜65質量%である。エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が少ないと機械的強度や耐磨耗性が低下し、多すぎると柔軟性が損なわれることがある。
本発明においては、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体か後述の(b)ポリオレフィン樹脂の少なくともどちらか一方に酸変性されているものが含まれることが必要である。本発明において、酸変性とは、上記共重合体又は樹脂に、不飽和カルボン酸又はその誘導体がグラフトされていることをいう。ここで、グラフト(側鎖)を形成する不飽和カルボン酸又はその誘導体のグラフト化の長さは特に限定されず、1〜10個の不飽和カルボン酸又はその誘導体が反応してグラフトを形成しているものが好ましい。
本発明においては、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の一部が酸変性されていることが好ましく、全部が変性されていてはならない。すなわち、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体は、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体と、酸変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体とを、それぞれ、少なくとも1種ずつ、含有する。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性に用いられる酸としては、特に限定されないが、不飽和カルボン酸またはその誘導体が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などを挙げることができる。これらのなかでも、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体の酸変性は、例えば、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸またはその誘導体を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体における酸変性量は、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体1分子中、通常0.1〜7質量%程度である。例えばマレイン酸または無水マレイン酸で酸変性された場合の変性量は通常0.1〜7質量%程度である。
エチレン−α−オレフィン共重合体の一部が酸変性されていることにより、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体と後述の金属水和物(B)とが結合し、得られる難燃性樹脂組成物の耐磨耗性や機械的強度が向上する。一方、エチレン−α−オレフィン共重合体の全部が酸変性されていると伸びが低下するので、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体は酸変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する。
酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体と酸変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体の割合(質量比)は、1:9〜1:1が好ましく、さらに1:7〜2:3が好ましい。
(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂
本発明の熱可塑性樹脂(A)は、曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂を含有している。
本発明で用いることのできる(b)ポリオレフィン樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体ゴム(アクリルゴム)、密度が0.900g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレンゴム、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。
本発明で用いることのできる(b)ポリオレフィン樹脂としてのエチレン−α−オレフィン共重合体としては前述のものが挙げられる。
スチレン系エラストマーとは、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを構成成分とするブロック構造及びランダム構造を主体とする共重合体およびその水素添加物である。芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどが挙げられる。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができる。
本発明で用いることのできる(b)ポリオレフィン樹脂は、曲げ弾性率が100MPa未満である。曲げ弾性率はJIS K7171に準拠して測定される。曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂(b)は、柔軟性に優れるため、得られる樹脂組成物の柔軟性が向上する。
(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂(A)中、10〜50質量%である。(b)ポリオレフィン樹脂の含有量が少ないと柔軟性が低くなることがあり、多すぎると機械的強度や耐磨耗性が低下することがある。(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂の含有量は、好ましくは20〜50質量%、さらに好ましくは25〜45質量%である。
本発明では、(b)ポリオレフィン樹脂か前述の(a)エチレン−α−オレフィン共重合体のうち少なくとも一方に酸変性されているものが含まれていることが必要であるが、(b)ポリオレフィン樹脂の一部または全部が酸変性されていることが好ましい。ここで、酸変性とは上述したとおりである。
酸変性に用いる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体に用いる不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘導体と同じである。
(b)ポリオレフィン樹脂の変性は、例えば、ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸またはその誘導体を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。酸変性されたポリオレフィン樹脂における酸変性量は、酸変性されたポリオレフィン樹脂1分子中、通常0.1〜7質量%程度である。例えばマレイン酸または無水マレイン酸で酸変性された場合の変性量は通常0.1〜7質量%程度である。
(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂の一部または全部が酸変性されていることにより、柔軟性を確保しながら得られる樹脂組成物の耐磨耗性や機械的強度が向上する。酸変性されたポリオレフィン樹脂が特に酸変性されたスチレン系エラストマーの場合、優れた耐磨耗性や機械的強度が得られるので好ましい。
酸変性されたポリオレフィン樹脂は一部が変性されていても全部が変性されていてもよいが、一部が変性されていることが好ましい。すなわち、(b)ポリオレフィン樹脂は、酸変性されたポリオレフィン樹脂と、酸変性されていないポリオレフィン樹脂とを、それぞれ、少なくとも1種ずつ、含有する。
酸変性されたポリオレフィン樹脂と酸変性されていないポリオレフィン樹脂の割合(質量比)は1:2〜4:1が好ましく、さらに2:3〜3:1が好ましい。
(c)ポリプロピレン樹脂
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)は、(c)ポリプロピレン樹脂を含有している。本発明に用いることのできる(c)ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンや、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体が挙げられる。
ここで、ランダムポリプロピレンはエチレン成分含量が1〜4重量%程度のエチレン・プロピレンランダム共重合体をいい、ブロックポリプロピレンはエチレン成分含量が5〜20重量%程度のエチレン・プロピレンブロック共重合体をいう。
(c)ポリプロピレン樹脂を添加することにより、成形性や外観が向上する。さらに(c)ポリプロピレン樹脂自体が結晶性の高い樹脂であるため、機械的強度や耐磨耗性が向上する。
(c)ポリプロピレン樹脂としては、メルトフローインデックス(ASTM D−1238)が0.1〜30g/10分のものが好ましい。
(c)ポリプロピレン樹脂は、不飽和カルボン酸またはその誘導体により、酸変性されていてもよい。
(c)ポリプロピレン樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂(A)中、5〜18質量%以下である。(b)ポリプロピレン樹脂の含有量が多すぎると柔軟性や耐熱性が低下することがある。特に、樹脂組成物を架橋する場合には(c)ポリプロピレンが分解する性質を持つため機械的強度が低下することがある。(c)ポリプロピレン樹脂の含有量は、好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは5〜12質量%である。
(B)金属水和物
本発明において、金属水和物は、水酸基または結晶水を有する金属化合物や金属水酸化物をいう。
本発明において用いることのできる金属水和物(B)は、特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基または結晶水を有する金属化合物や金属水酸化物が挙げられ、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの金属水和物のうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、水酸化マグネシウムがさらに好ましい。
金属水和物は、その表面が表面処理剤で処理されていない未処理のものであっても、表面処理されたものであってもよい。
本発明で用いることができる水酸化アルミニウムとしては、特に限定されないが、例えば、表面未処理のものとして、「ハイジライトH42M」(商品名、昭和電工製)などが挙げられ、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたものとして、例えば、「ハイジライトH42S」(商品名、昭和電工社製)などが挙げられる。
また、本発明で用いることができる水酸化マグネシウムとしては、特に限定されないが、例えば、表面無処理のものとして、「キスマ5」(商品名、協和化学社製)などが挙げられる。ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたものとして、例えば、「キスマ5A」(商品名、協和化学社製)などが挙げられ、リン酸エステル処理されたものとして、例えば、「キスマ5J」(商品名、協和化学社製)などが挙げられ、ビニル基またはエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤により表面処理されたものとして、例えば、「キスマ5L」(商品名、協和化学社製)などが挙げられる。本発明においては、シランカップリング剤により表面処理されたものが好ましい。
一般に、樹脂成分に対して水酸化マグネシウムなどの金属水和物を配合して得られた難燃性樹脂組成物は、耐磨耗性が低下する。しかし、本発明においては、金属水和物(B)である水酸化マグネシウム等を特定量含有しても耐磨耗性が低下することはなく、むしろ耐磨耗性、耐油性が向上し、難燃性と耐磨耗性、耐油性を両立させることができる。
本発明において、樹脂成分として特定の成分を含む熱可塑性樹脂(A)に水酸化マグネシウムなどの金属水和物(B)を加えても、耐磨耗性が低下せず、むしろ向上するメカニズムについては、定かではないが、以下のように考えられる。
水酸化マグネシウムなどの金属水和物(B)と酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体あるいは酸変性されたポリオレフィン樹脂が強いイオン性結合を有し、そのため、水酸化マグネシウムなどの金属水和物(B)とポリマー全体がナノ−ミクロ状態で微細に、しかも強固に結合する。水酸化マグネシウムなどの金属水和物(B)と樹脂成分とが一体化することで、水酸化マグネシウムなどの金属水和物(B)が本来有している硬質性、強度、補強性が発揮され、難燃性樹脂組成物の耐磨耗性が格段に向上するものと思われる。この作用により、本発明の難燃性樹脂組成物の成形体表面をこすっても白化現象は生じず、非常に高強度の成形体を得ることができる。
本発明の難燃性樹脂組成物における金属水和物(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、50〜250質量部であり、好ましくは70〜200質量部である。(B)金属水和物の含有量が少なすぎると、難燃性に問題が生じ、または耐磨耗性が低下することがある。多すぎると機械特性が低下し、または柔軟性が低下することがある。
(C)その他の成分
本発明の難燃性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で添加物や他の樹脂を含有することができる。このような添加物としては、特に限定されないが、例えば、各種成形物品(例えば、電線、ケーブル、コード、チューブ、電線部品、シート等)において一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンヅイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
金属不活性剤としては、特に限定されないが、例えば、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。
上述の組成を有する本発明の難燃性樹脂組成物およびこの難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性樹脂成形体は、前述の酸化防止剤、金属不活性剤を適宜処方することにより、例えば特許文献1のような自動車のワイヤハーネスを構成する絶縁電線に用いられた際に、ポリ塩化ビニルと接触して使用されるようなことがあっても特許文献1のように硫化亜鉛を使用することなく、難燃性樹脂組成物及び難燃性樹脂成形体の劣化を防止(ポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能といい、特許文献1の「協調性」に相当する)できる。
このように本発明の難燃性樹脂組成物および難燃性樹脂成形体は、硫化亜鉛を配合しなくても、高いポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能を発揮するが、ポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能をさらに高めることを目的とする場合には、硫化亜鉛を用いることもできる。
さらに難燃(助)剤、充填剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどが挙げられる。
滑剤としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、シリコーンゴム、シリコーンオイルなどのシリコーン化合物を含有することができる。これらのシリコーン化合物は、難燃性を付与、向上させるだけでなく、電線やコードにおいては、絶縁体と導体の密着力を制御する効果があり、ケーブルにおいては、滑性を付与することで、外傷を低減させる効果がある。
このようなシリコーン化合物としては、特に限定されないが、例えば、「SFR−100」(商品名、GE社製)、「CF−9150」(商品名、東レ・ダウシリコーン社製)などの市販品が挙げられる。添加する場合、シリコーン化合物は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部配合される。シリコーン化合物の配合量が少なすぎると難燃性や滑性に対して実質的に効果が奏されないことがある。一方、シリコーン化合物の配合量が多すぎると電線、コード、ケーブルなどの難燃性物品の外観が低下し、押出成形速度が低下して量産性が悪くなることがある。
他の樹脂としては、上述の熱可塑性樹脂(A)以外の樹脂を特に限定されることなく、用いることができる。
以下、本発明の難燃性樹脂組成物の製造方法を説明する。
上述の成分(a)〜(c)を含有する熱可塑性樹脂(A)に、金属水和物(B)、さらに必要に応じて他の樹脂や添加物を加え、加熱混練する。混練温度は、難燃性樹脂組成物が溶融する温度であればよく、例えば熱可塑性樹脂(A)が溶融する温度で適宜設定できる。好ましくは160〜240℃である。混練時間等の混練条件も適宜に設定できる。混練方法としては、ゴム、プラスチックなどで通常用いられる方法であれば満足に使用でき、装置としては例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーまたは各種のニーダーなどが用いられる。この工程により、各成分が均一に分散された難燃性樹脂組成物を得ることができる。
次に、本発明の難燃性物品について説明する。
本発明の難燃性物品としては、本発明の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性樹脂成形体(本発明の難燃性樹脂成形体ということがある)を有する、例えば、シート、チューブ、配線材、光ファイバコード等が挙げられる。本発明の難燃性樹脂成形体は架橋成形体であっても非架橋成形体であってもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物および本発明の難燃性樹脂成形体は、難燃性が要求される物品(半製品、部品、部材も含む。製品ともいう)、ゴム材料などの製品の構成部品またはその部材に適用することができる。このような物品として、例えば、耐熱性難燃絶縁電線等の電線、耐熱難燃ケーブル被覆材料、ゴム代替電線・ケーブル材料、その他耐熱難燃電線部品、難燃耐熱シート、難燃耐熱フィルム等が挙げられる。また、電源プラグ、コネクタ、スリーブ、ボックス、テープ基材、チューブ、パッキン、クッション材、防震材、電気、電子機器の内部および外部配線に使用される配線材、特に電線や光ケーブルが挙げられる。これらの中でも、電気・電子機器の内部および外部配線に使用される配線材や光ファイバ心線、光ファイバコードなどに用いられることが好ましい。
例えば、導体の外周に本発明の難燃性樹脂組成物を用いた難燃性樹脂成形体を被覆層として形成することにより、絶縁電線やケーブルなどの本発明の難燃性物品を製造することができる。
本発明の難燃性物品、例えば配線材は、好ましくは押出成形により、導体の外周に少なくとも1層の被覆層を本発明の難燃性樹脂組成物を用いて難燃性樹脂成形体として成形することにより、製造することができる。このときの押出成形機の温度は、樹脂の種類、導体等の引取り速度の諸条件にもよるが、例えば、シリンダー部で約180℃、クロスヘッド部で約200℃程度にすることが好ましい。
被覆層は多層構造であってもよい。例えば、導体に絶縁層を形成した後に、本発明の難燃性樹脂組成物を用いた被覆層(本発明の難燃性樹脂成形体)を形成して、配線材とすることができる。本発明の難燃性物品の1つである配線材、例えば絶縁電線においては、導体の外周に形成される絶縁層(本発明の難燃性樹脂成形体)の肉厚は特に限定しないが0.15〜5mmが好ましい。
絶縁層と本発明の難燃性樹脂組成物を用いた被覆層との間に、他の樹脂組成物を用いた層で中間層などを形成して、配線材を得ることができる。導体としては、軟銅の単線または撚線などのものを用いることができる。導体としては裸線の他に、錫メッキしたものやエナメル被覆絶縁層を有するものを用いることができる。
本発明の難燃性物品としては、電子機器の内部および外部配線に使用される配線材の中でも、自動車用配線材(自動車用電線ともいう)が好ましく、自動車用薄肉電線がより好ましい。自動車用薄肉電線としては、絶縁被覆の厚さが0.4mm以下ものであれば特に限定されず、例えば、日本自動車技術会規格(JASO)に規定されているものなどが挙げられる。具体的には、AESSX(絶縁被覆の厚さ0.3mm又は0.4mm)等が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物を成形してなる難燃性樹脂成形体を含む本発明の難燃性物品としての車両用配線材は、上述のように細径(例えば絶縁被覆の厚さが0.3mm)であっても、耐磨耗性に優れ、しかも耐収縮性にも優れている。したがって、本発明の難燃性物品としての車両用配線材は、グロメット等を介してコネクタにカシメにより接続される車両用配線材として用いられても、コネクタ接続後も、経時により収縮しにくく、初期のカシメ接続状態を長期間にわたって維持でき、高い信頼性を発揮する。
また、本発明の難燃性物品のうち光ファイバコード(光ファイバケーブルともいう)は、光ファイバ素線や光ファイバ心線上に本発明の難燃性樹脂組成物層を用いた難燃性樹脂成形体からなる層を形成して、製造することができる。同様にして、光ファイバ素線の外周に本発明の難燃性樹脂組成物を用いた難燃性樹脂成形体からなる被覆層を押出被覆されて形成された光ファイバ心線を、製造することができる。
このような本発明の配線材等の難燃性物品は、例えば、本発明の難燃性樹脂組成物を、押出成形機を用いて、光ファイバ素線や光ファイバ心線の外周に押出被覆して製造することができる。このときの押出成形機の温度は、樹脂の種類、光ファイバ素線や光ファイバ心線等の引取り速度の諸条件にもよるが、例えば、シリンダー部で約180℃、クロスヘッド部で約200℃程度にすることが好ましい。
さらに、本発明の難燃性物品としては、抗張力繊維を縦添えまたは撚り合わせた光ファイバ心線の周囲に本発明の難燃性樹脂組成物を押出被覆した、本発明の難燃性樹脂成形体からなる被覆層を有する光ファイバコードを挙げることができる。このときの押出成形機の温度は、上記の光ファイバ心線の場合と同様、シリンダー部で180℃、クロスヘッド部で約200℃程度にすることが好ましい。
本発明の光ファイバコードに用いられる光ファイバ心線は、用途によってはさらに周囲に被覆層を設けないものがそのまま使用される。被覆層の厚さ、光ファイバ心線に縦添えまたは撚り合わせる抗張力繊維の種類、量などは、光ファイバコードの種類、用途などによって異なり、適宜に設定することができる。
本発明の難燃性物品としては、上記の絶縁電線、光ファイバコード、光ファイバ心線等にさらにシース(保護被覆)を被覆したものであってもよい。上記の難燃性物品の被覆層に本発明の難燃性樹脂組成物からなる難燃性樹脂成形体を用いた層が形成されていれば、シースには本発明の難燃性樹脂組成物を使用しなくてもよい。使用する場合は、本発明の難燃性樹脂組成物からなる難燃性樹脂成形体を用いた層がシースの少なくとも1層であればよい。シースは、多層構造であってもよく、本発明の難燃性樹脂組成物以外の樹脂組成物で形成された層を有していてもよい。
本発明の難燃性物品においては、本発明の難燃性樹脂組成物を押出成形して難燃性樹脂成形体、例えば被覆層を形成することができる。導体、光ファイバ素線または光ファイバ心線の外周に本発明の難燃性樹脂組成物を用いて難燃性樹脂成形体からなる被覆層を成形した難燃性物品を得ることができる。本発明の難燃性樹脂組成物は架橋することにより、機械的強度と耐磨耗性を飛躍的に向上させることができる。また、例えば、自動車のワイヤハーネス用絶縁電線の被覆層として用いられる場合にはエンジンルーム内で使用されるような長期的な耐熱性も満足することができる。本発明の難燃性樹脂組成物を架橋する方法として、従来の電子線照射架橋法や化学架橋法が採用できる。
電子線架橋法の場合は、本発明の難燃性樹脂組成物を押出成形した後に常法により電子線を照射することにより架橋を行う。電子線の線量は、特に限定されないが、例えば、1〜30Mradが好ましい。電子線照射架橋法において、効率よく架橋を行うために、本発明の難燃性樹脂組成物に、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として配合させることができる。
化学架橋法の場合は、本発明の難燃性樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として配合し、押出成形した後に、有機パーオキサイドが熱分解する温度以上に、加熱することにより、架橋を行うことができる。このとき用いる有機パーオキサイドは、熱分解によりラジカルを発生するものであれば特に限定されない。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1〜16および比較例1〜14]
表1および表2に示す含有量(表中の数字は、特に断りのない限り質量部を表す。)で各成分を室温にてドライブレンドし、次いで、バンバリーミキサーを用いて、180〜230℃で溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を調製した。
表中に示す各成分材料は以下の通りである。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体
商品名:エボリュー SP0540(密度0.903g/cm)、プライムポリマー社製
商品名:エボリュー SP2520(密度0.925g/cm)、プライムポリマー社製
商品名:エボリュー SP4030(密度0.938g/cm)、プライムポリマー社製
(a’)酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体
商品名:Fusabond E226(密度0.930g/cm、無水マレイン酸変性)、Dupont社製
(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂
商品名:エバフレックス V5274(曲げ弾性率50MPa)、三井デュポンポリケミカル社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名:NUC6510(曲げ弾性率25MPa)、日本ユニカー社製、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
商品名:ENGAGE7256(曲げ弾性率25MPa、密度0.885g/cm)、Dow社製、エチレン−α−オレフィン共重合体
(b’)曲げ弾性率が100MPa未満の酸変性されたポリオレフィン樹脂
商品名:Kraton FG1901X(曲げ弾性率30MPa、無水マレイン酸変性、無水マレイン酸変性量1.5質量%)、Kratonpolymer社製、スチレン系エラストマー
商品名:アドマー XE070(曲げ弾性率35MPa、密度0.893g/cm、無水マレイン酸変性)、三井化学社製、エチレン−α−オレフィン共重合体
商品名:HPR VR101(曲げ弾性率40MPa、無水マレイン酸変性)、三井デュポンポリケミカル社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(c)ポリプロピレン樹脂
商品名:PB222A、サンアロマー社製、ランダムポリプロピレン
商品名:BC8A、日本ポリプロ社製、ブロックポリプロピレン
その他の樹脂
商品名:ハイゼックス HZ5305E(密度0.951g/cm)、プライムポリマー社製、高密度ポリエチレン(HDPE)
商品名:ノバテック LV244(曲げ弾性率140Pa)、日本ポリエチレン社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(B)金属水和物
商品名:キスマ5L(シランカップリング剤処理)、協和化学工業社製、水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5(無処理)、協和化学工業社製、水酸化マグネシウム
(その他の成分)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
商品名:Irganox1010、BASF社製
金属不活性剤
商品名:IrganoxMD1024、BASF社製
ベンゾイミダゾール系酸化防止剤
商品名:ノクラックMBZ、大内新興化学社製
滑剤
商品名:AC−6、Honeywell社製、ポリエチレンワックス
架橋助剤
商品名:TMPT、新中村化学工業社製、トリメチロールプロパントリメタクリレート
次いで、溶融混合して調製した各難燃性樹脂組成物を、電線製造用の押出被覆装置を用いて、錫メッキ軟銅撚り線導体(素線径0.19mm、本数16本)の上に、外径1.4mmとなるように220℃で押出被覆し、次いで、5Mradで電子線を照射して難燃性樹脂組成物を架橋して、絶縁電線を製造した。絶縁電線の被覆層の厚みは0.3mmであった。
製造した各絶縁電線に対して、下記の評価を行った。得られた評価結果を表1および表2に示す。
(1)伸び(EL)、抗張力(TS)
日本自動車技術会規格(JASO) D611に準拠し、製造した各絶縁電線より導体を抜き取って管状片を作成し、引張試験を行った。標線間距離50mm、引張速度200mm/分で試験を行った。伸び(EL)150%以上、抗張力(TS)10.3MPa以上を合格とし、その値未満のものを不合格とした。
(2)耐磨耗性(スクレープ磨耗試験)
製造した各絶縁電線について、JASO D611に準拠し、ブレード往復試験を行った。50mmごとに円周方向に90度回転させて4回測定を行った。最小回数が100回以上を合格としたが、300回以上がより好ましい。
(3)難燃性
製造した各絶縁電線について、JASO D611に準拠し、水平燃焼試験を行った。各実施例及び比較例について同様にして製造した5個のサンプルを用いて評価を行った。残炎時間が30秒以下であれば合格である。全数合格した場合を「○(合格)」とし、それ以外を「×(不合格)」とした。
(4)柔軟性
製造した各絶縁電線について、180度折り曲げた際に絶縁電線の表面が白化するかどうか目視にて確認した。表面が白化しなかった場合を「○(合格)」とし、表面が白化した場合を「×(不合格)」とした。
(5)耐収縮性
各絶縁電線を3mに切り出し、図1に示すヒートサイクル(24時間)を1サイクルとして30サイクル繰り返した後に、絶縁電線の端面から突き出た導体の突き出し量を測定した。図1(A)は実施例の耐収縮性におけるヒートサイクルにおける所要時間(図1(A)において単に時間と標記する)、積算時間および温度を示す表であり、図1(B)は実施例の耐収縮性におけるヒートサイクルにおける積算時間と温度との関係を示すグラフである。
耐収縮性は、導体の突き出し量が0.5mm以内のものを合格とし、0.5mmを超えるものを不合格とした。
(6)耐熱性
JASO D609に準拠し、各絶縁電線の10000h寿命推定温度の評価を行った。製造した各絶縁電線より導体を抜き取って管状片を作成し、試験片とした。試験片を200℃、180℃、158℃で加熱後に引張試験を行い、各温度において伸び(EL)が100%まで低下した時間をそれぞれ算出した。得られた3点をもとにアレニウスプロットを作成し、10000h後に100%まで低下する温度を算出した。120℃以上のものを合格とし、120℃未満のものを不合格とした。
なお、比較例6、7、10および11は、いずれも、伸び(EL)が100%を下回っているため耐熱性の評価をしていないので、表2中、「−」で表記した。
(7)ポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能
実施例16で製造した絶縁電線について、特許文献1に準拠し、条件Aおよび条件Bにおけるポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能試験を行った。
・条件A
絶縁被覆材としてポリ塩化ビニル(PVC)を導体の外周に押出被覆してなるPVC電線10本と、実施例16で製造した絶縁電線3本とをランダムに束ねて混在電線束とした。次いで、この混在電線束の外周に、ワイヤハーネス保護材としてのPVCシートを被覆した後、さらにこのPVCシートの端部に、ワイヤハーネス保護材としてのPVCテープを5回巻き付け、ワイヤハーネスを作製した。次いで、このワイヤハーネスを130℃、480時間の条件下で老化させた後、混在電線束中より実施例16で製造した絶縁電線を取り出し、自己径巻き付けにより3本とも絶縁被覆材に亀裂が生じないものを合格とし、3本のうち1本でも亀裂が生じたものを不合格とした。
・条件B
PVC電線3本と、実施例16で製造した絶縁電線3本とをランダムに束ねて混在電線束とした。次いで、この混在電線束の外周に、ワイヤハーネス保護材としてのPVCシートを被覆した後、さらにこのPVCシートの端部に、ワイヤハーネス保護材としてのPVCテープを5回巻き付け、ワイヤハーネスを作製した。次いで、このワイヤハーネスを130℃、480時間の条件下で老化させた後、混在電線束中より実施例16で製造した絶縁電線を取り出し、自己径巻き付けにより10本とも絶縁被覆材に亀裂が生じないものを合格とし、10本のうち1本でも亀裂が生じたものを不合格とした。
Figure 2015021058
Figure 2015021058
表1に示されるように、上述する特定の熱可塑性樹脂(A)と金属水和物(B)とを含有する実施例1〜16は、いずれも、機械的特性、耐磨耗性、難燃性、柔軟性、耐収縮性および耐熱性に優れていた。実施例16はさらにポリ塩化ビニルに対する耐劣化性能にも優れていた。
これに対して、表2に示されるように、エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン−α−オレフィン共重合体の全部が変性され、しかもエチレン−α−オレフィン共重合体の含有率が少なく、(b)ポリオレフィン樹脂の合計含有率が多い比較例1は耐磨耗性に劣っていた。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の全部が変性され、しかも密度を満たさないエチレン−α−オレフィン共重合体を含有する比較例5、および、さらに酸変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体と(c)ポリプロピレンを含有しない比較例14は、いずれも、柔軟性、耐収縮性および耐熱性に劣っていた。
また、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が少なく、(b)ポリオレフィン樹脂の含有量が多い比較例2は耐磨耗性に劣っていた。
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量が多く、(b)ポリオレフィン樹脂の含有量が少ない比較例3は柔軟性に劣っていた。また、(b)ポリオレフィン樹脂の含有量が少ない比較例4は柔軟性に劣っていた。
さらに、(c)ポリプロピレンの含有量が多い比較例6は伸び、柔軟性が劣っており、(c)ポリプロピレンを含有しない比較例7および比較例13は耐磨耗性に劣っており、また外観も悪いため伸びが劣っていた。
酸変性されている樹脂を全く含まない比較例8は伸び、耐磨耗性および耐熱性に劣っており、エチレン−α−オレフィン共重合体の全部が変性されている比較例11は伸びと柔軟性とが劣っていた。
さらに、(B)金属水和物の含有量が少ない比較例9は耐磨耗性と難燃性に劣り、(B)金属水和物の含有量が多い比較例10は伸びと柔軟性が劣っていた。
(b)ポリオレフィン樹脂を含有せず、曲げ弾性率を満たさないポリオレフィン樹脂を含有する比較例12は柔軟性に劣っていた。

Claims (8)

  1. (a)密度が0.900g/cm以上0.950g/cm未満のエチレン−α−オレフィン共重合体32〜80質量%、(b)曲げ弾性率が100MPa未満のポリオレフィン樹脂10〜50質量%、および、(c)ポリプロピレン樹脂5〜18質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部と、金属水和物(B)50〜250質量部とを含有し、
    前記(a)エチレン−α−オレフィン共重合体の一部、または、前記(b)ポリオレフィン樹脂の全部もしくは一部が酸変性されていることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記(a)エチレン−α−オレフィン共重合体および前記(b)ポリオレフィン樹脂が、いずれも、酸変性されていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(b)ポリオレフィン樹脂のうち酸変性されているポリオレフィン樹脂が、酸変性スチレン系エラストマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 成形後に架橋して使用されることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記架橋が、電子線の照射による架橋であることを特徴とする請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を成形し、架橋してなる難燃性樹脂成形体を含むことを特徴とする難燃性物品。
  7. 前記架橋が、電子線の照射による架橋であることを特徴とする請求項6に記載の難燃性物品。
  8. 前記難燃性樹脂成形体が、電線導体、光ファイバ素線または光ファイバ心線の外周に被覆層として設けられてなることを特徴とする請求項6または7に記載の難燃性物品。

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