JP2012087238A - 絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 導体との密着性に優れ、絶縁電線同士の被覆層が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた絶縁電線を提供する。
【解決手段】 (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、シリカ(C)1〜15質量部、及び(D)有機過酸化物0.01〜1.0質量部を含有する組成の混合物を前記樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練してなる難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物及びこれに用いた絶縁電線に関する。
従来、電子・電気機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線やケーブルには、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性をはじめとした各種特性が求められている。これらの絶縁電線やケーブル(以下、両者を併せて「絶縁電線」ともいう。)を電子・電気機器に接続するために、絶縁電線端末の被覆層の皮剥きを行う際、絶縁電線はキャスティングマシンに設置されているローラー上や大きくカーブしたパスラインを経由する。このため、絶縁電線に圧縮応力や磨耗などの機械的な負荷が加わる。この場合、導体と被覆層との密着性が低いと、上記キャスティングマシンにより、絶縁電線端末の被覆層の皮剥ぎ加工を行った後に、導体が1本の単芯タイプでは絶縁被覆層が導体からずれる問題が生じていた。また、導体が複数本の撚り線タイプでは導体端末がばらけることがあった。
そこで、導体と被覆層の密着性を高めるために、導体表面に微小な溝を設けることにより、導体と被覆層との密着性を高める技術が提案されている(例えば特許文献1および2)。しかし、この方法では、導体の加工に手間を要するうえに、導体表面に設けられた微小な溝が電気的な欠陥となることがあり、満足できるものではない。
そこで、導体と被覆層間の密着性を上げるために、金属との密着性の高い熱融着性の材料や粘着性の材料を多く含有する樹脂組成物を被覆層に用いることが考えられる。このような樹脂組成物を被覆層に用いた絶縁電線を製造後、電線をトレイに収納して、その後、絶縁電線を使用する際に、絶縁電線表面の滑り性が低いため、絶縁電線をうまく引き出すことができない場合がある。また、ボビンやドラム等に巻かれた絶縁電線が夏場の倉庫内などの高温環境下で保管された際、絶縁電線同士が融着してしまい、絶縁電線の繰り出し性に問題を生じる。
さらに電子・電気機器の内部および外部配線に使用される絶縁電線に要求される高度の難燃特性を満足し、ノンハロゲンの被覆層を有する絶縁電線とするためには、金属水和物などの難燃剤が高充填された樹脂成分を含む難燃性樹脂組成物を被覆層に用いる必要がある。このような樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体などの樹脂をその一例として挙げることができる。しかしこれらの樹脂は金属との密着性が高い場合が多く、導体との密着性は高いが、絶縁電線同士の融着には問題がある場合が多い。
そこで、導体との密着性に優れ、絶縁電線同士の被覆層が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた絶縁電線の開発が望まれていた。
特開2000−207948号公報 特開2001−135151号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、導体との密着性に優れ、絶縁電線同士の被覆層が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂組成物及びこれを用いた絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の樹脂成分に対してシリカと金属水和物を特定量配合した難燃性樹脂組成物が上記課題を解決できることを見出した。また、この難燃性樹脂組成物を用いて成形された被覆層を有する絶縁電線が上記課題を解決できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、
<1>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、シリカ(C)1〜15質量部、及び(D)有機過酸化物0.01〜1.0質量部を含有する組成の混合物を前記樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物、
<2>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、シリカ(C)1〜15質量部、及び(E)(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤0.03〜1.8質量部を含有する難燃性樹脂組成物、
<3>前記シリカのBET比表面積が50〜380m/gであることを特徴とする<1>または<2>に記載の難燃性樹脂組成物、
<4>前記金属水和物が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、及び水酸化バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
<5>前記金属水和物(B)が、無処理の金属水和物および/またはシランカップリング剤で表面処理された金属水和物であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物、
<6>金属導体の外側に<1>〜<5>のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を用いて成形された被覆層を有することを特徴とする絶縁電線、及び
<7>前記被覆層が架橋されていることを特徴とする<6>に記載の絶縁電線、
を提供するものである。
本発明の樹脂組成物は、上記の問題点を解決し、被覆層として導体との密着性に優れ、絶縁電線同士が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れる絶縁電線を提供することができる。
本発明の絶縁電線を構成する絶縁層層の難燃性樹脂組成物中の樹脂成分(A)は、以下の(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂、及び(e)スチレン系エラストマーを含有する。
(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体
本発明において、樹脂成分(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−アクリル酸エステル共重合体を含有することを特徴とする。これらは、単独でも2種以上を用いても良い。
本発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、例えば、エバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、レバプレン(商品名、バイエル社製)を挙げることができる。
本発明におけるエチレン−アクリル酸エステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸エチル、エチレン−アクリル酸メチル、エチレン−メタクリル酸エチル等が挙げられる。具体的には、例えば、エバルロイ(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ニュクレル(商品名、日本ユニカー(株)製)などを挙げることができる。
(a)成分の配合量は、樹脂成分(A)中、30〜70質量%、好ましくは、40〜60質量%である。この量が少なすぎると、導体と絶縁体間の密着性や難燃性の低下が懸念され、多すぎると、引張強度の低下のみならず、高温環境下における電線同士の融着を招く。
本発明の場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で用いることが好ましい。機械的特性、難燃性、導体/絶縁体間の密着性のバランスの点から、酢酸ビニル(VA)含有量が17〜50質量%、MI値が0.2〜14g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体であることがより好ましい。酢酸ビニル含有量、MI値の異なる樹脂を二種以上組み合わせてもよい。VA含有量、MI値が低すぎると導体と絶縁体間の密着性が低下する。また、酸素指数が低くなり、難燃性が低下する。逆に多くすると密着性が向上するが、電線が高温環境に曝された時に電線同士が融着しやすくなる。また、強度特性も低下する。一種以上組み合わせた同樹脂成分全体の酢酸ビニル含有量に関して、好ましくは、25〜35質量%、MI値は0.2〜1.0g/10分である。
(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体
本発明における不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体は、例えば、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
(b)成分の、エチレン−α−オレフィン共重合体として具体的には、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EPR(エチレンプロピレンゴム)、EBR(エチレン−1−ブテンゴム)、及びメタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。中でも、メタロセン触媒存在下で合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
(b)成分の、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、加熱変形特性、外部からの電線の圧縮に対する反発弾性の面から950kg/m以下が好ましい。この密度の下限は913kg/mが好ましい。
配合量としては、樹脂成分中10〜50質量%、好ましくは、10〜30重量%である。
本発明によるエチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒の存在下に合成されたものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でもメタロセン触媒の存在下に合成されるものが好ましい。その一例として、「カーネル」(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、「エボリュー」(商品名、プライムポリマー(株)製)、「タフマー」(商品名、三井化学(株)製)、「ユメリット」(商品名、宇部丸善石油化学(株)製)を挙げることができる。
(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂
本発明における不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂として、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン樹脂)や、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などを使用することができる。本発明では、エチレン−プロピレンブロック共重合体を使用が好ましく、耐熱性、加熱変形特性を向上させることができる。
ここでエチレン−プロピレンブロック共重合体はエチレン成分含量が5〜15質量%程度のものをいい、エチレン成分とプロピレン成分が独立した成分として存在するものをいう。
混合するポリプロピレンのMI値は、好ましくは0.1〜25g/10分、より好ましくは0.1〜10g/10分、さらに好ましくは0.3〜5g/10分である。
ポリプロピレン系樹脂の含有量は難燃性樹脂成分A中、5〜30重量%であり、好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。このポリプロピレンの含有量が多すぎると成形体の柔軟性や、外部からの電線の圧縮に対する反発弾性が低下する。
(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂
本発明における(d)成分としては、直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性したものを挙げることができる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などを使用することができる。エチレン−α−オレフィン共重合体の変性は、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体と不飽和カルボン酸を有機パーオキサイドの存在下で、加熱・混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸による変性量は、通常、ポリオレフィン共重合体に対し、0.5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸で変性したエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、「アドテックス」(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、「アドマー」(商品名、三井化学(株)製)、「モディック」(商品名、三菱化学(株)製)、「ポリボンド」(商品名、クロンプトン(株)製)を挙げることができる。
本発明において、不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン含有量は、樹脂成分中1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%である。この樹脂成分が少なすぎると強度特性、耐熱性が低くなり、逆にこれが多すぎると伸び特性、柔軟性が低下する。
(e)スチレン系熱可塑性エラストマー
本発明におけるスチレン系エラストマーとしては、スチレンの重合体ブロックSと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体又はランダム共重合体さらにはこれらを水素添加して得られるもの、あるいはこれらの混合物であり、例えば、S−B−S、B−S−B−S、S−B−S−B−S、Sm1−Bn1−Sm2−Bn2・・などの構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物の共重合体あるいは、これらの水素添加されたもの等を挙げることができる。
これらの共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
上記スチレン系エラストマーの具体例としては、HSBR(水素化スチレンブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー)等を挙げることができる。この中でもHSBRが好ましく、このようなものとしては、「ダイナロン1320P」(商品名、JSR(株)製)を挙げることができる。
(e)成分の配合量としては、樹脂成分中、2〜30質量%、好ましくは、5〜20質量%、更に好ましくは10〜15質量%である。この添加量が多いほど、導体と絶縁体間の密着性に優れる。
(B)金属水和物
本発明においては、通常市販されている金属水和物を使用することができる。好ましい金属水和物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。特に、押出成形の容易さ及び難燃性の点から水酸化マグネシウムが特に好ましい。
上記金属水和物は、無処理のままでも、表面処理を施されていてもよい。表面処理の例としては、脂肪酸処理、リン酸処理、チタネート処理、シランカップリング剤による処理などが挙げられる。樹脂成分との相互作用の点から、本発明においては、無処理のものか、シランカップリング剤により表面処理したものを使用するのが好ましい。また、無処理のものとシランカップリング剤により表面処理したものとを併用してもよい。
さらに、本発明においては、無処理の金属水和物や、表面処理を行った金属水和物をそれぞれ単独で使用するのはもちろん、両者を併用してもよい。あるいは、異なる表面処理を行った金属水和物を併用することも可能である。この際、シラン表面処理金属水和物を少なくとも50質量%に設定することが好ましい。
本発明におけるシランカップリング剤は末端にビニル基、メタクリロキシ基、グリシジル基、アミノ基を有するものが好ましい。具体的に、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。
金属水和物をシランカップリング剤で表面処理をする場合には、いずれか1種のシランカップリング剤のみでも、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤による表面処理の方法としては、通常使用される方法で処理を行うことが可能であるが、例えば、表面処理をしていない金属水和物をあらかじめドライブレンドしたり、湿式処理を行ったり、混練時にシランカップリング剤をブレンドすることなどにより得ることが可能である。使用するシランカップリング剤の含有量は、表面処理をするのに十分な量が適宜加えられるが、具体的には金属水和物に対し0.1〜2.5質量%、好ましくは0.2〜1.8質量%、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である。
そのほか、シランカップリング剤によりすでに表面処理された金属水和物のうち、水酸化マグネシウムの市販品としては、具体的には、キスマ5L、キスマ5N、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学(株)製)や、マグシーズS4(商品名、神島化学(株)製)などがあげられる。
また、無処理の水酸化マグネシウムとしては、たとえばキスマ5(商品名、協和化学(株)製)、マグニフィンH5(商品名、アルベマール(株)製)などがあげられる。
本発明の難燃性樹脂組成物の金属水和物の含有量は、耐熱性と耐候性の両立の観点から、樹脂成分(A1)100質量部に対し50〜150質量部であり、好ましくは60〜90質量部、さらに好ましくは70〜85質量部である。これの配合量が少なすぎると、難燃性が低下し、多すぎると機械的特性、耐熱性、耐候性の低下が懸念される。
(C)シリカ
本発明において、樹脂成分(A)にはシリカを含有することを特徴とする。本発明におけるシリカは、液体窒素吸着法により測定されたBET比表面積が50〜380m/gであることが好ましく、130〜300m/gであることがさらに好ましい。また、シリカの平均粒子径は7〜40nmであることが好ましく、7〜20nmであることがさらに好ましい。本発明で用いることのできるシリカとしては、具体的には、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300(商品名、日本アエロジル(株)製)などが挙げられる。
本発明において、シリカを配合することにより、樹脂組成物の表面を荒らすことができる。そうすると、該樹組成物で被覆した電線同士を接触させても、接触面積が少なくなるので、その結果、高温雰囲気に曝されても融着しにくい。
本発明におけるシリカの含有量は、1〜15質量部、好ましくは3〜7質量部である。シリカの配合量が多すぎると、電線表面が荒れてしまい、外観を損なうのみならず、導体/絶縁体間の密着性が低下する。なお、BET比表面積が小さいもの、又は平均粒子径の大きなものを使用することによっても同様の現象が生じる。
本発明の難燃性樹脂組成物には、下記の(D)成分の有機過酸化物か、(E)成分の(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤が配合されている。ほかの成分とともに(D)成分を含有する組成の混合物を、樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練することにより、場合により部分的に架橋されて難燃性樹脂組成物とすることができる。
また、ほかの成分とともに(E)成分を配合した難燃性樹脂組成物は、さらに電子線、γ線などの電離性放射線を照射することにより、架橋することができる。混練温度160〜240℃で行うのが好ましい。
以下、(D)成分と(E)成分の内容について説明する。
(D)有機過酸化物
本発明の絶縁電線において、樹脂成分(A)には有機過酸化物を配合する。
本発明で用いられる(D)有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイドなどを挙げることができる。
これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が最も好ましい。
有機過酸化物(D)の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、0.01〜1.0質量部の範囲であり、好ましくは0.1〜0.6質量部である。有機過酸化物をこの範囲内に選定することにより、材料の溶融・混練中に架橋が進みすぎることがないので、ブツも発生することなく押し出し性に優れた部分的に架橋した絶縁層を形成することができる。部分的に架橋するとは架橋度が通常のものと比べて低く、ゆるやかであることいい、部分的架橋はマテリアルリサイクル性の点から採用する。
(E)(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤
本発明の有機過酸化物による部分架橋処理を行うに際し、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレートのような多官能性ビニルモノマー、またはエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマーを架橋助剤として配合する。
(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤を加える場合、その含有量は樹脂成分(A)100質量部に対し0.03〜1.5質量部、好ましくは0.1〜1.0質量部である。
本発明の難燃性樹脂組成物には、電線、ケーブル、コード、チューブ、電線部品、シート等において、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候安定剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明における酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。この酸化防止剤は、樹脂組成物の耐熱性の維持のみならず、紫外線によって劣化したラジカルをトラップする作用がある。本酸化防止剤として、例えば、イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ(株)製)、イルガノックス1076(チバスペシャルティケミカルズ(株)製が挙げられ、中でもイルガノックス1010が好ましい。
本発明において、耐候性を付与するために、耐候安定剤を添加することができる。
本発明に使用されるベンゾフェノン系耐候安定剤の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾル−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
これらの耐候安定剤は、金属水和物などの塩基性により、分解が引き起こされ、特に水酸化マグネシウムを多量に添加すると、その分解がより顕著に現れる。
このベンゾフェノン系耐候安定剤は、0.4〜8.0質量部、好ましくは、0.6〜3.0質量部、さらに好ましくは、0.8〜1.5質量部である。これが少ないと、耐候性の効果が弱まり、多いと引張特性の低下のみならず、耐熱性も低下する。例えば、アデカスタブ1413(製品名、(株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明に使用されるヒンダードアミン系耐候安定剤の具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピリジン重縮合物、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))などが挙げられる。
このヒンダードアミン系耐候安定剤は、シランカップリング剤による金属水和物とポリマーの結合が紫外線によって切断されても、修復する働きを有している。
このヒンダードアミン系耐候安定剤は、0.4〜1.5質量部、好ましくは、0.5〜0.8質量部である。この量が少ないと、耐候性が低下し、多いと機械的特性の低下を招く。
さらに難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などがあげられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系滑剤が好ましい。
本発明は、耐熱性や耐候性の付与や、高温環境下における電線同士の融着を防止するため、架橋処理を施す必要がある。架橋方法としては、電子線架橋、化学架橋が常法である。電子線架橋を行う場合、本発明の難燃性樹脂組成物を押出成形して被覆層とした後に常法により電子線を照射することにより行う。電子線の照射線量は1〜30Mradとすることが好ましい。電子線架橋の場合、マテリアルリサイクルが不可能であることと、架橋設備が必要であることから、本発明において化学架橋法がより好ましい。化学架橋法の場合は、難燃性樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として配合し、押出成形して被覆層とした後に加熱処理により架橋を行う。樹脂組成物に有機パーオキサイドを0.01〜1.0質量部、並びに(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋剤0.03〜1.8質量部を含有し、溶融・混練し、樹脂組成物の一部分のみを架橋させることが好ましい。ここで、架橋度が高いと、樹脂組成物の粘着性が低下し、導体と絶縁体間の密着性が低下する。一方、架橋度が低いと、樹脂組成物の粘着性が増大し、高温環境下に曝された際に、電線同士が融着しやすくなるのみならず、電線表面の滑りが悪くなり、キャスティング加工時に不具合を生じる。
次に本発明の成形物品について説明する。
本発明の成形物品としては、例えば、導体や光ファイバやその他成形体の周りに上記の本発明の難燃性樹脂組成物が被覆された絶縁電線やケーブルなどがある。この絶縁電線やケーブルは、本発明の難燃性樹脂組成物を通常の押出成形機を用いて導体、光ファイバ、集合絶縁電線やその他成形体の周囲に押出被覆することにより製造することができる。また、チューブについても同様な方式で製造することができる。
例えば、絶縁電線に使用される場合、導体の周りに形成される絶縁樹脂組成物の被覆層の肉厚等の電線構造に関して特に制限はないが、0.50〜2.00mmが好ましい。
本発明においては、(1)樹脂成分(A)〜(D)成分が配合された組成の混合物を樹脂成分(A)の溶融温度以上に加熱して混練し部分的に架橋した難燃性樹脂組成物、または、(2)樹脂成分(A)〜(C)および(E)成分が配合された組成の混合物を溶融混練し部分的に架橋した難燃性樹脂組成物、を押出被覆して絶縁電線を製造する。
本発明における絶縁電線は、シリカを最適量含有してなる難燃性樹脂組成物を用いることにより、シリカによる凹凸を電線表面上に出現させることができる。その結果、電線同士の接触面積が小さくなることで、高温環境下でも融着しにくくなる。また、部分架橋により粘着性・低融点樹脂を使用しても、樹脂組成物の融点が増大し、融着性防止に効果をもたらす。したがって、粘着性樹脂を使用しても、高温環境下において電線同士が融着しないとともに、密着性に優れた絶縁電線を得ることが可能となる。
本発明において、こうした絶縁電線の絶縁層は、架橋密度が低く樹脂成分同士が部分架橋状態になっている。このため、フィラー受容性に優れ、シランカップリング剤で表面処理された金属水和物を多量に配合することが可能になる。したがって、シランカップリング剤を介して樹脂成分と金属水和物が相互作用を有し、耐熱性に優れた絶縁電線を得ることができる。
本発明の絶縁電線の導体径や導体の材質などは特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。導体の周りに形成される難燃性樹脂組成物の被覆層の肉厚も特に制限はない。絶縁層は一般に0.15〜30mm、外側層の厚さは0.1〜50mmが好ましい。また、被覆層は2層に限らず、さらに多層構造であってもよく、本発明の難燃性樹脂組成物で形成した被覆層のほかに下層、中間層などを有するものでもよい。本発明の絶縁電線には各種の彩色を施してもよい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例、比較例]
表1及び表2に示された各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて200℃で溶融混練して、樹脂組成物を製造した。使用した材料は以下の通りである。
(A)成分
(a)成分
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
商品名:EV180(三井・デュポンポリケミカル社製)、VA含有量:33質量%
・エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)
商品名:NUC6510(日本ユニカー社製)、EA含有量:23質量%
(b)成分
・メタロセン系ポリエチレン
商品名:ユメリット4040F(宇部興産製)、密度:937kg/m、MI=4
(c)成分
・プロピレンのブロック共重合体
商品名:ノバテックBC8A(日本ポリプロピレン社製)、MI=0.5
(d)成分
・マレイン酸変性ポリエチレン
商品名:アドマーXE070(三井化学社製)
・アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂
商品名:メタブレンF−410(三菱レイヨン社製)
(e)成分
・水添スチレン−ブタジエンゴム
商品名:ダイナロン1320P(JSR製)
(B)成分
・水酸化マグネシウム
商品名:FK621(神島化学工業社製、末端をビニルシランにて処理)
・水酸化アルミニウム
商品名:ハイジライトH42M(昭和電工社製、無処理)
(C)成分
商品名:ニップシールE743、(東ソー・シリカ社製)、BET比表面積:45m/g、平均粒子径:1.5μm
商品名:アエロジル50、(日本アエロジル社製)、BET比表面積:50m/g、平均粒子径:30nm
商品名:アエロジル200(日本アエロジル社製)、BET比表面積:200m/g、平均粒子径:14nm
商品名:アエロジル380、(日本アエロジル社製)、BET比表面積:380m/g、平均粒子径:7nm
(D)成分
商品名:パーヘキサ25B(日本油脂社製)
(E)成分
商品名:NKエステル3G(新中村化学社製)
<その他の成分>
・高分子シリコーン樹脂
商品名:CF9150(東レ・ダウコーニング製)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤
商品名:イルガノックス1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)
商品名:MD1024(チバスペシャリティケミカルズ社製)
・ブレンド耐候安定剤
商品名:チヌビン111(チバスペシャリティケミカルズ社製)
・ベンゾフェノン系耐候安定剤
商品名:アデカスタブ1413(ADEKA製)
・ヒンダードアミン系耐候安定剤
商品名:アデカスタブLA−52(ADEKA製)
次に、押出被覆機を用いて、予め溶融混練した表に示す樹脂組成物を押出し法により被覆して、各々絶縁電線を製造した。電線は、導体が単芯タイプと撚り線タイプの2種類を準備した。単芯タイプの電線製造の場合、単芯導体(軟銅導体、1本/0.8mmφ)の上に、上記樹脂組成物を外径2.4mmφとなるように押出被覆した電線を用意した。撚り線タイプは、撚り線導体(軟銅導体、30本/0.18mmφ)の上に、上記樹脂組成物を、外径2.74mmφとなるように押出被覆した。
得られた電線について、下記に示されている試験方法で各種の特性を評価した。
(1)引張試験
絶縁電線から導体のみを抜き取った管状サンプルを準備し、JIS C 3005に基づいて標点距離50mm、引張速度200mm/minで引張試験を実施した。引張強度および破断伸びがそれぞれ、10MPa以上、200%以上のものを合格とした。
(2)耐候性
400W水銀灯120℃×60日間照射・加熱処理を行った後、電線工業会技資第130号『照明器具用電線・ケーブルの紫外線劣化促進試験』の方法に基づき、各絶縁電線の被覆層の伸び(%)と被覆層の抗張力(MPa)を、標線間50mm、引張速度200mm/分の条件で測定した。劣化後の破断伸び50%以上、抗張力(引張強さ)残率50%以上が合格である。
(3)導体/絶縁体間密着力の測定
電線の片側端末を10mm皮剥きし、絶縁部位を50mm残した全長60mmのサンプルを準備した。加えて、キャスティング時のパスライン上ローラーによる電線の圧縮を模擬して、同単芯サンプルを万力で外径2.40mmφから2.00mmφに圧縮させたものも用意した。
被覆部と皮剥きして露出させた導体の境目に、単芯タイプの場合は1.0mmφの穴を設けた冶具(ダイス)をセットした。その後、引張試験機を用いて、室温(22℃)下で50mm/minの引張速度で絶縁体を引き抜き、その際に計測された荷重を密着力とした。この密着力が低いと単芯タイプにおける絶縁体のずれが生じ、撚り線タイプに関しては導体がばらけてしまう。逆に高すぎると、皮剥き加工が不可能になる。合格値は、20〜60Nである。なお、初期値とは圧縮加工前を示し、加工後とは圧縮加工後を示す。
(4)電線表面滑り性評価(電線同士の摩擦力測定)
二本平行に並べた電線の上に、それと同じ電線を設置した。上に乗せた電線に3.3Nの荷重を与え、500mm/minの速度で電線を引っ張り、電線同士の摩擦力を計測した。表中のすべり性最大とは最大摩擦力を意味し、すべり性平均とは試験中の摩擦力の平均値を意味する。最大、平均摩擦力ともに2.5N以下を合格とした。
(5)加熱変形
JIS C 3005に基づき絶縁層の加熱変形を測定した。絶縁体に530gfの負荷荷重を120℃の温度下で30分間与え、試験後の変形率を測定した。40%以下を合格とし、40%以上を超えるものを不合格とした。
(6)難燃性
得られた絶縁電線の60度傾斜難燃試験をJIS C 3005の方法で試験を行い、60秒以内に消火したものを合格、それ以外の結果となったものを不合格とした。
(7)電線外観
外観は、絶縁電線の外径の変動の有無や表面の状態を目視で調査し、これらが良好であったものを合格とし、「○」で示した。外径が変動しており不安定なもの、表面に肌荒れが発生したもの、ブリードが発生したものを不合格とし、「×」で示した。
(8)高温融着性
絶縁電線を300mmφのボビンに巻付け、60℃の恒温槽内に24h保持した後、室温(23℃)の大気中に24h保持した。その後、電線同士の接着が見られなかったものを合格とし、「○」で示した。電線同士が接着してしまい、繰り出し不可能なものを不合格とし、「×」で示した。
Figure 2012087238
Figure 2012087238
表1および表2からわかるように、(a)成分の含有量の少ない比較例1および(b)成分を含有しない比較例2は、密着力に劣った。(a)成分の含有量の多い比較例3および(e)成分の含有量の少ない比較例4は、滑り性および高温融着性に劣った。(c)成分を含有しない比較例5は、加熱変形試験が不合格であった。シリカを含有しない比較例6は、滑り性および高温融着性に劣った。また、シリカの含有量の多い比較例7は、密着性および電線外観に劣った。比表面積の小さいシリカを用いた比較例8は、密着性および電線外観に劣った。また、比表面積の大きいシリカを用いた比較例9は、滑り性および高温融着性に劣った。金属水和物の含有量の少ない比較例10は、難燃性に劣った。
これに対して、実施例1〜20については引張特性、耐候性、難燃特性、滑り性、耐熱性及び導体との密着性、高温融着性のいずれの項目において、優れた結果を示した。
本発明は、絶縁電線に関する。
本発明は、上記の問題点を解決し、導体との密着性に優れ、絶縁電線同士の被覆層が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れた樹脂組成物を用いた絶縁電線を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、
<1>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体(但し、α−オレフィンの炭素数4〜12)10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、BET比表面積が50〜380m /gであるシリカ(C)1〜15質量部、及び(D)有機過酸化物0.01〜1.0質量部を含有する組成の混合物を前記樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練してなる難燃性樹脂組成物を用いて成形され、かつ架橋された被覆層を有することを特徴とする絶縁電線
<2>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体(但し、α−オレフィンの炭素数4〜12)10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、BET比表面積が50〜380m /gであるシリカ(C)1〜15質量部、及び(E)(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤0.03〜1.5質量部を含有する難燃性樹脂組成物を用いて成形され、かつ架橋された被覆層を有することを特徴とする絶縁電線
<3>前記金属水和物(B)が50〜90質量部であることを特徴とする<1>または<2>に記載の絶縁電線
<4>前記金属水和物が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、及び水酸化バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の絶縁電線
<5>前記金属水和物(B)が、無処理の金属水和物および/またはシランカップリング剤で表面処理された金属水和物であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の絶縁電線
<6>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体(但し、α−オレフィンの炭素数4〜12)10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、BET比表面積が50〜380m /gであるシリカ(C)1〜15質量部、及び(D)有機過酸化物0.01〜1.0質量部を含有する組成の混合物を前記樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練して難燃性樹脂組成物を製造し、これを押出被覆して被覆層を形成し、加熱により架橋したことを特徴とする絶縁電線の製造方法、および
<7>(a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体(但し、α−オレフィンの炭素数4〜12)10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、BET比表面積が50〜380m /gであるシリカ(C)1〜15質量部、及び(E)(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤0.03〜1.5質量部を加熱・混練して難燃性樹脂組成物を製造し、これを押出被覆して被覆層を形成し、加熱により架橋したことを特徴とする絶縁電線の製造方法
を提供するものである。
本発明で用いる樹脂組成物は、上記の問題点を解決し、被覆層として導体との密着性に優れ、絶縁電線同士が融着することが少なく、高度な機械的特性、難燃特性、耐熱性、耐候性に優れる絶縁電線を提供することができる。
(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体
本発明における不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
(b)成分の、エチレン−α−オレフィン共重合体として具体的には、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EBR(エチレン−1−ブテンゴム)、及びメタロセン触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。中でも、メタロセン触媒存在下で合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
(b)成分の、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、加熱変形特性、外部からの電線の圧縮に対する反発弾性の面から950kg/m以下が好ましい。この密度の下限は913kg/mが好ましい。
配合量としては、樹脂成分中10〜50質量%、好ましくは、10〜30重量%である。
本発明によるエチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒の存在下に合成されたものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でもメタロセン触媒の存在下に合成されるものが好ましい。その一例として、「カーネル」(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、「エボリュー」(商品名、プライムポリマー(株)製)、「タフマー」(商品名、三井化学(株)製)、「ユメリット」(商品名、宇部丸善石油化学(株)製)を挙げることができる。
(C)シリカ
本発明において、樹脂成分(A)にはシリカを含有することを特徴とする。本発明におけるシリカは、液体窒素吸着法により測定されたBET比表面積が50〜380m/gであり、130〜300m/gであることがさらに好ましい。また、シリカの平均粒子径は7〜40nmであることが好ましく、7〜20nmであることがさらに好ましい。本発明で用いることのできるシリカとしては、具体的には、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300(商品名、日本アエロジル(株)製)などが挙げられる。
本発明において、シリカを配合することにより、樹脂組成物の表面を荒らすことができる。そうすると、該樹組成物で被覆した電線同士を接触させても、接触面積が少なくなるので、その結果、高温雰囲気に曝されても融着しにくい。
本発明におけるシリカの含有量は、1〜15質量部、好ましくは3〜7質量部である。シリカの配合量が多すぎると、電線表面が荒れてしまい、外観を損なうのみならず、導体/絶縁体間の密着性が低下する。なお、BET比表面積が小さいもの、又は平均粒子径の大きなものを使用することによっても同様の現象が生じる。
本発明は、耐熱性や耐候性の付与や、高温環境下における電線同士の融着を防止するため、架橋処理を施す必要がある。架橋方法としては、電子線架橋、化学架橋が常法である。電子線架橋を行う場合、本発明の難燃性樹脂組成物を押出成形して被覆層とした後に常法により電子線を照射することにより行う。電子線の照射線量は1〜30Mradとすることが好ましい。電子線架橋の場合、マテリアルリサイクルが不可能であることと、架橋設備が必要であることから、本発明において化学架橋法がより好ましい。化学架橋法の場合は、難燃性樹脂組成物に有機パーオキサイドを架橋剤として配合し、押出成形して被覆層とした後に加熱処理により架橋を行う。樹脂組成物に有機パーオキサイドを0.01〜1.0質量部、並びに(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋剤0.03〜1.5質量部を含有し、溶融・混練し、樹脂組成物の一部分のみを架橋させることが好ましい。ここで、架橋度が高いと、樹脂組成物の粘着性が低下し、導体と絶縁体間の密着性が低下する。一方、架橋度が低いと、樹脂組成物の粘着性が増大し、高温環境下に曝された際に、電線同士が融着しやすくなるのみならず、電線表面の滑りが悪くなり、キャスティング加工時に不具合を生じる。
Figure 2012087238
表1および表2からわかるように、(a)成分の含有量の少ない比較例1および(b)成分を含有しない比較例2は、密着力に劣った。(a)成分の含有量の多い比較例3および(e)成分の含有量の多い比較例4は、滑り性および高温融着性に劣った。(c)成分を含有しない比較例5は、加熱変形試験が不合格であった。シリカを含有しない比較例6は、滑り性および高温融着性に劣った。また、シリカの含有量の多い比較例7は、密着性および電線外観に劣った。比表面積の小さいシリカを用いた比較例8は、密着性および電線外観に劣った。また、比表面積の大きいシリカを用いた比較例9は、滑り性および高温融着性に劣った。金属水和物の含有量の少ない比較例10は、難燃性に劣った。
これに対して、実施例1〜16については引張特性、耐候性、難燃特性、滑り性、耐熱性及び導体との密着性、高温融着性のいずれの項目において、優れた結果を示した。

Claims (7)

  1. (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、シリカ(C)1〜15質量部、及び(D)有機過酸化物0.01〜1.0質量部を含有する組成の混合物を前記樹脂成分(A)の溶融温度以上で加熱・混練してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. (a)エチレン−酢酸ビニル共重合体及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体30〜70質量%、(b)不飽和カルボン酸で変性されていないエチレン−α−オレフィン共重合体10〜30質量%、(c)不飽和カルボン酸で変性されていないポリプロピレン樹脂5〜20質量%、(d)不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィン樹脂1〜15質量%、及び(e)スチレン系熱可塑性エラストマー5〜30質量%からなる樹脂成分(A)100質量部に対して、金属水和物(B)50〜150質量部、シリカ(C)1〜15質量部、及び(E)(メタ)アクリレート系及び/またはアリル系架橋助剤0.03〜1.8質量部を含有する難燃性樹脂組成物。
  3. 前記シリカのBET比表面積が50〜380m/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記金属水和物が、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、及び水酸化バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記金属水和物(B)が、無処理の金属水和物および/またはシランカップリング剤で表面処理された金属水和物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 金属導体の外側に請求項1〜5のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物を用いて成形された被覆層を有することを特徴とする絶縁電線。
  7. 前記被覆層が架橋されていることを特徴とする請求項6に記載の絶縁電線。
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