JP4998844B2 - ノンハロゲン絶縁電線 - Google Patents

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本発明は、ノンハロゲン絶縁電線に関し、より詳しくは、耐熱性、柔軟性、難燃性、耐摩耗性、電気絶縁性に優れたノンハロゲン絶縁材料で被覆され、自動車のエンジンルーム内のような高度な耐熱寿命が要求される部位に好適に使用されるノンハロゲン絶縁電線に関するものである。
自動車のエンジンルーム内のワイヤーハーネスに使用される絶縁電線の絶縁材料には、高度な耐熱寿命とともに、優れた柔軟性、耐摩耗性、難燃性、耐熱性、耐油性、電気絶縁性等が要求される。そこで従来は、加速電子線等の電離放射線を照射する方法で架橋したポリ塩化ビニル(PVC)や難燃ポリエチレンを絶縁材料に用いた絶縁電線が広く使用され、求められる耐熱寿命などに応じて適宜使い分けられてきた。
近年、ワイヤーハーネスの分野では環境負荷の低減のために、ポリ塩化ビニル等のハロゲン系物質の使用量の低減が望まれている。そこで、ポリプロピレン系や架橋ポリエチレン系などのノンハロゲン難燃材料で絶縁された電線(ノンハロゲン絶縁電線)への要望が高まっている。
ノンハロゲン絶縁電線としては、すでに、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレートのようなエチレン系共重合体に水酸化マグネシウム等の金属水和物系の難燃剤を配合した絶縁材料を、導体上に押出被覆した後、加速電子線を照射し架橋して製造される電線が提案されている(特公平7−54645号公報)。
このノンハロゲン絶縁電線としては、120℃×10000時間の耐熱寿命(アレニウス法)を有するものがすでに実用に供されているが、自動車の高性能化、高機能化が進むに従い、さらに優れた耐熱寿命を有するノンハロゲン絶縁電線の要求が高まっており、150℃×10000時間程度の耐熱寿命を有するノンハロゲン絶縁材料の開発が望まれている。しかし、現状では120℃を上回る耐熱寿命を有するものは実用化されていない。
特公平7−54645号公報
本発明は、従来のノンハロゲン絶縁電線と同様な優れた柔軟性、耐摩耗性、難燃性、耐油性、電気絶縁性等を有するとともに、さらに優れた耐熱寿命を有するノンハロゲン絶縁電線を提供することをその課題とする。
本発明者は、この問題について鋭意検討した結果、ポリエチレンまたはエチレン系共重合体をベース樹脂とし、金属水酸化物、酸化防止剤および酸化亜鉛を含有する樹脂組成物を絶縁材料とし、これを導体上に被覆し、被覆された樹脂組成物のベース樹脂が架橋されているノンハロゲン絶縁電線であって、該酸化防止剤が、イオウ系酸化防止剤およびヒンダードフェノール系酸化防止剤をともに含有する場合、120℃×10000時間を上回る耐熱寿命が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち本発明は、ポリエチレンおよび/またはエチレン系共重合体を主成分とするベース樹脂に、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛を含有する樹脂組成物を、導体上に被覆してなり、さらに該ベース樹脂が架橋されていることを特徴とするノンハロゲン絶縁電線(請求項1)を提供するものである。
ベース樹脂であるポリエチレンやエチレン系共重合体としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体等を例示できる。これらを単独で、または複数種をブレンドして用いることができるし、またこれらの単独若しくは複数種を主成分とし、他の樹脂成分、例えばエチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーをブレンドしてもよい。ここで主成分とするとは、配合量が最も多いことを意味する。
本発明は、導体上に被覆される樹脂組成物に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およびイオウ系酸化防止剤がともに含有されることを特徴とする。この両者が含有されることで、120℃×10000時間を上回る耐熱寿命が確保される。
なお、120℃×10000時間の耐熱寿命とは、JIS規格、JASO規格に従い、アレニウス法で測定された値である。この方法は、自動車用電線の耐熱性評価に用いられており、例えば、絶縁体を200℃、180℃、160℃のギヤオーブンで促進劣化を行い、それぞれの温度において絶縁体の伸びが100%に低下した時間をその温度での寿命とし、3つの温度での寿命から、10000時間の老化によって伸びが100%になる温度を直線外挿する方法で求められた値である。本明細書における耐熱寿命の値は、特に他の記述がない限り、このアレニウス法で測定された値を示す。
特許文献1においては、ポリオレフィンに、金属水酸化物、酸化亜鉛、ヒドロキシベンゾイルイソシアヌレート系化合物、含硫黄エステル系化合物を含有する樹脂組成物を被覆し、架橋する絶縁電線が記載されているが、この絶縁電線は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有してないので、120℃×10000時間を上回る耐熱寿命は有していない。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)等、既知のヒンダードフェノール系酸化防止剤が使用できる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量としては、ベース樹脂(ポリエチレンまたはエチレン系共重合体)100重量部に対し、1〜10重量部が好ましい(以下、配合量は、ベース樹脂100重量部に対しての重量部として表す)。1重量部未満では耐熱寿命が不十分になりやすく、10重量部を超えて配合すると絶縁体表面にヒンダードフェノール酸化防止剤がブリードする等の問題が発生しやすくなる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)等のチオエーテル系酸化防止剤、2−メルカプトベカズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、メルカプトベンズチアゾール等を例示することができる。
イオウ系酸化防止剤の中では、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/またはその誘導体が好ましい。2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/またはその誘導体を用いることにより、さらに高い耐熱寿命が得られる。請求項2は、この好ましい態様に該当する。
イオウ系酸化防止剤の配合量としては、1重量部〜20重量部が好ましい。1重量部未満では耐熱性が不足し、一方20重量部を超えて配合しても、耐熱性の向上効果が飽和しコスト的にも不利となるので好ましくない。
絶縁被覆を形成する樹脂組成物に含有される金属水酸化物としては、ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムが用いられるベーマイトが複合した水酸化アルミニウムを使用した場合は、150℃×10000時間を超える高い耐熱寿命が得られまた電気絶縁性の観点からも好ましい
ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムとは、ベーマイトと水酸化アルミニウムとを単に混合したものではなく、水酸化アルミニウムを原料としてベーマイト化させる過程で水酸化アルミニウムにベーマイトが混在したものをいう。ベーマイトを複合化した水酸化アルミニウムは、例えば、水酸化アルミニウムを水熱処理することにより製造され、脱水開始温度が原料の水酸化アルミニウムより10〜50℃高いので、難燃剤として好適である。
水熱処理は、通常、水酸化アルミニウムを、オートクレーブなどの圧力容器を用いて、水蒸気雰囲気下150℃以上で所定時間加熱して行われる。水熱処理は、水酸化アルミニウムと水を混合して行ってもよく(湿式水熱処理)、または水を混合することなく行ってもよい(乾式水熱処理)。
ベーマイトの複合率が高くなれば脱水温度が上昇する反面、総脱水量が減少する関係にある。そこで、ベーマイトの複合率は、添加される樹脂組成物の成形温度などを考慮して適宜変更すれば良いが、通常、5〜70重量%で、10〜20重量%がより好ましい。ベーマイトの複合率は、加熱温度、処理時間または水比(湿式水熱処理の場合、水酸化アルミニウムと水の重量比)を変更することにより制御可能である。ベーマイトを複合化した水酸化アルミニウムについては、特開2003−292819号公報に記載されている。
ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムは、脂肪酸、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等で表面処理されたものが好ましい。特に、ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムを、脂肪酸やシランカップリング剤等で表面処理することにより、電線の耐摩耗性や難燃性がさらに向上するので、特に好ましい。請求項3は、この特に好ましい態様に該当する。
表面処理剤は、ステアリン酸等の脂肪酸、ビニルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、エポキシシラン等を例示でき、また表面処理方法については、スプレー法等の乾式法や、脂肪酸塩やアクリルシランの水分散液中で処理、乾燥する湿式法を挙げることができ、適宜、要求特性に応じて使い分けられる。
ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムの配合量は、ケーブルのサイズ、導体、絶縁体の構成により、一概に最適配合量の範囲を規定できないが、およそ30〜200重量部に設定すれば、自動車用電線に要求されるのに十分な難燃性が得られる。30重量部以下では難燃性が不足する場合があり、200重量部を超えて配合すると押出加工性が低下する傾向にあり、難燃化効果も飽和する。
酸化亜鉛は、120℃×10000時間を上回る耐熱寿命を確保するために、必須の成分である。この酸化亜鉛としては、一次粒径が0.05〜5μmのもの好ましく使用され、配合量は1重量部〜20重量部が好ましい。1重量部未満では、十分な耐熱寿命が得られない場合があり、一方、20重量部を超えて配合しても耐熱性の向上効果が飽和するのでコスト的に不利になる。
上記樹脂組成物中には、前記に記載の配合剤の他、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、他の配合剤を配合することができる。他の配合剤としては、無水マレイン酸変成ポリマーやエポキシ変性ポリマー等の官能基を有する反応性ポリマー、滑剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤、安定剤、着色剤などの既知の配合薬品を例示することができる。
本発明の電線を被覆する樹脂組成物は、上記の構成成分をオープンロールミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸または二軸の押出型混合機等、既知の混合機を用いて溶融混合する方法で製造することができる。この樹脂組成物は、既知の溶融押出機を用いる方法で、導体上に被覆され、絶縁被覆層が形成される。導体としては、銅や銅合金からなる電線などが挙げられる。
このようにして形成された被覆層の樹脂組成物中のベースポリマーは、架橋により、耐摩耗性などの機械強度及び耐熱性に優れた特性を示す。架橋は加速電子線やガンマ線等の電離放射線の照射や、有機過酸化物を添加した後加熱することによる化学架橋により行うことができる。中でも、加速電子線を照射する方法は、架橋のスピードの点で好ましい。加速電圧は絶縁体の厚みによって適宜設定し、300kV〜2MeVであれば、自動車用電線のサイズに対応できる。照射線量は30〜500kGyの範囲に設定すれば十分な架橋度が得られる。
また、被覆層の樹脂組成物には、有機シラン化合物によるシラン架橋も適用できる。シラン架橋は、コストが低く、製品の経済性が高まるので好ましい。この場合の樹脂組成物は、有機過酸化物等のラジカル発生剤を用いてベース樹脂に有機シラン化合物を予めグラフト重合しておき、そこへ酸化防止剤、酸化亜鉛を配合した「シラン架橋バッチ」と、ベース樹脂に水酸化アルミニウム、シラン架橋触媒等を配合した「難燃・触媒バッチ」を先ず製造し、これらを押出加工直前にドライブレンドする方法により製造でき、この方法により電線に最も効果的に適用できる。
本発明のノンハロゲン絶縁電線は、従来のノンハロゲン絶縁電線と同様な優れた柔軟性、耐摩耗性、難燃性、耐油性、電気絶縁性等を有するとともに、さらに優れた耐熱寿命、すなわち150℃×10000時間を超える優れた耐熱寿命を有する。
次に本発明を実施するための最良の形態を、実施例並びに比較例を用いて、さらに詳しく説明する。なお、本発明は、この実施例の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態への変更も可能である。
(樹脂組成物ペレットの製造)
表1、表2に示す配合処方に従い、10リットルの加圧ニーダーを用いて、150℃で溶融混合し、混合物を排出し、フィーダールーダーを通して、実施例1〜3、および比較例1〜7の樹脂組成物ペレットを得た。なお、配合量は全て重量部で表す。
(絶縁電線の製造)
50mmφ、L/D=24の単軸押出機を用い、押出機設定温度:160℃、押出線速:10m/分で、導体上に、樹脂組成物を被覆し試験用電線を製造した。その後、電子線照射架橋を行い、絶縁電線を得た。試験用電線の導体には、公称断面積8mmおよび20mmの錫めっき軟銅撚線を用い、絶縁体被覆厚は、それぞれ0.9mmおよび1.1mmとした。電子線照射架橋は、2MeV、150kGyで実施した。
(絶縁電線の評価)
絶縁電線の評価は、JASO規格(JASO D608「自動車用耐熱低圧電線」)に則り、機械特性(絶縁体引張強さ、伸び)、耐電圧試験、耐油試験、耐熱性、低温巻付試験、摩耗試験、難燃試験、絶縁抵抗試験および耐熱寿命評価を実施した。以下にそれぞれの試験条件を記述する。なお、難燃試験は、導体の公称断面積が8mmおよび20mmの電線について実施し、他の評価は、導体の公称断面積が8mmの電線についてのみ実施した。
1.機械特性(絶縁体引張強さ、伸び)
絶縁電線サンプルより導体を除去したパイプ状試験片を調製し、インストロン引張試験機を用い、標線間距離50mm、引張速度200mm/分で試験を実施し、絶縁体の引張強さ、伸びを測定した。
2.耐電圧試験
水中5時間浸漬後、電圧をAC1kVまでステップアップして1分間印可し、絶縁破壊の有無を確認し、絶縁破壊のないものを合格とした。
3.耐油試験
50℃油中に20時間浸漬し、屈曲させた後、電圧をAC1kVまでステップアップして1分間印可し、絶縁破壊の有無を確認し、絶縁破壊のないものを合格とした。
4.耐熱試験
耐熱試験は、以下の2項目を実施した。
・耐熱性I:180℃、240時間加熱屈曲後、電圧をAC1kVまでステップアップして1分間印可し、絶縁破壊の有無を確認し、絶縁破壊のないものを合格とした。
・耐熱性II:自己径の2倍の円筒に6回巻き付け、240℃で30分間保持し、亀裂や溶融のないことを確認し、絶縁破壊のないものを合格とした。
5.低温巻付試験
−45℃で3時間放置後、マンドレルに巻き付け、絶縁体の低温破壊による導体露出、および電圧をAC1kVまでステップアップして1分間印可し、絶縁破壊のないことを確認し、絶縁破壊のないものを合格とした。
6.摩耗試験(スクレイプ試験)
耐摩耗性は、図1に示す耐摩耗試験機を用い、荷重7N、ストローク50mm、30サイクル/分の条件で試験を実施し、スクレイプ摩耗のサイクル数を求めた。
7.難燃試験
公称断面積8mmおよび20mmの電線サンプルを水平に固定し、10秒間炎を当てた後取り去り、電線の延焼状態を評価する。30秒以内に消火した場合を合格とした。
8.絶縁抵抗試験
公称断面積8mmの電線を70℃の水中に2時間浸漬後、絶縁体被覆の抵抗率をDC100〜500Vで測定した。
9.耐熱寿命評価
耐熱寿命の評価は、絶縁体を200℃、180℃、160℃のギヤオーブンで促進劣化を行い、それぞれの温度において絶縁体の伸びが100%に低下した時間をその温度での寿命とし、3つの温度の寿命から10000時間の老化によって伸びが100%になる温度を直線外挿する方法で求めた。
各評価試験の結果を、表1及び表2の下段に併せて示す。
Figure 0004998844
Figure 0004998844
前記の表1及び表2で使用した成分の内容を以下に示す。
(*1)エチルアクリレート含量23wt%、MFR=0.5
(*2)平均粒径 1.1μm、BET比表面積 5.0m/g、 例)昭和電工株式会社製 ハイジライトH42
(*3)平均粒径 1.1μm、BET比表面積 5.0m/g、 ステアリン酸処理 例)昭和電工株式会社製 ハイジライトH42S
(*4)平均粒径3.0μm、脱水開始温度 260℃、ステアリン酸処理
(*5)平均粒径3.0μm、脱水開始温度 260℃、アミノシラン処理
(*6)平均粒径1.6μm、BET比表面積4.5m/g、ステアリン酸処理 例)協和化学工業株式会社製 キスマ5A
(*7)ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(*8)ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)
(*9)2−メルカプトベンズイミダゾール
水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、酸化亜鉛が適量配合された樹脂組成物を用いた場合(比較例4〜7)では、10000時間寿命推定温度が130℃を超える高い耐熱寿命が得られている。一方、比較例1、2は、酸化亜鉛が含有されていない例であり、また比較例1、3は、イオウ系酸化防止剤が含有されていない例であるが、いずれも10000時間寿命推定温度は非常に低く、120℃を大きく下回っている。
比較例4〜7の中では、水酸化マグネシウムを用いた比較例7より、水酸化アルミニウムを用いた、比較例4〜6が、耐熱寿命が高く、10000時間寿命推定温度が136℃を超えている。この結果より、金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムより水酸化アルミニウムが優れていることが明らかである。
比較例4〜6の中では、比較例4、5より、イオウ系酸化防止剤として、2−メルカプトベンズイミダゾールを使用した比較例6が、高い耐熱寿命を示している。イオウ系酸化防止剤としては、2−メルカプトベンズイミダゾールが好ましいことが示されている。
水酸化アルミニウムとして、ベーマイト複合型水酸化アルミニウムを使用した実施例1〜3では、比較例6よりもさらに高い耐熱寿命を示している。この結果より、金属水酸化物の中でも、ベーマイト複合型水酸化アルミニウムは、高い耐熱寿命を得るために特に好ましいことが示されている。さらに、比較例4〜6では、公称断面積8mmの電線を用いた場合は、難燃性は合格であるが、公称断面積20mmの電線を用いた場合は不合格であり、難燃性の試験結果は電線のサイズに依存することが示されている。しかし、実施例1〜3では、公称断面積20mmの電線を用いた場合でも、難燃性は合格である。この結果より、ベーマイト複合型水酸化アルミニウムを用いた場合は、評価した電線のサイズ(太さ)に依らず優れた難燃性評価結果が得られることが示されている。
実施例で使用する耐摩耗試験機を示す模式図である。

Claims (3)

  1. ポリエチレンおよび/またはエチレン系共重合体を主成分とするベース樹脂に、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムおよび酸化亜鉛を含有する樹脂組成物を、導体上に被覆してなり、さらに該ベース樹脂が架橋されていることを特徴とするノンハロゲン絶縁電線。
  2. 前記イオウ系酸化防止剤が、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/またはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のノンハロゲン絶縁電線。
  3. ベーマイトが複合した水酸化アルミニウムが、脂肪酸、またはシランカップリング剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のノンハロゲン絶縁電線。
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