JP7294118B2 - 樹脂組成物、絶縁電線および絶縁電線の製造方法 - Google Patents
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Description
<樹脂組成物の構成>
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物(ノンハロゲン樹脂組成物、難燃性樹脂組成物)は、(A)ベースポリマと、(B)難燃剤とを含んでいる。そして、(A)ベースポリマは、(A1)極性基を有するポリマを含む。(A1)極性基を有するポリマは、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、好ましくはエチレン-酢酸ビニル共重合体である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る絶縁電線(電線)を示す横断面図である。図1に示すように、本実施の形態に係る絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有している。絶縁層2は、本実施の形態の樹脂組成物からなる。
まず、本実施の形態の絶縁電線を製造する装置について説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る絶縁電線を製造する押出被覆装置を示す模式図である。
本発明の一実施の形態に係る樹脂組成物は、(A)ベースポリマと、(B)難燃剤とを含んでいる。そして、(A)ベースポリマは、(A1)極性基を有するポリマを含む。また、本実施の形態の(B)難燃剤は、(B1)シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムと、(B2)シランカップリング剤以外の処理剤で表面処理された水酸化アルミニウムおよび/または(B3)表面処理されていない水酸化アルミニウムとにより構成されている。そして、本実施の形態の樹脂組成物は、(A)ベースポリマ100質量部に対して(B)難燃剤を40質量部を超えて80質量部以下含有する。また、本実施の形態の樹脂組成物は、(B)難燃剤100質量部中、(B1)シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムを10質量部以上70質量部以下含有する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1~実施例12および比較例1~比較例7で用いた原料は、後述の表2乃至表4に示す通りであり、以下には概略のみ示す。
(A1)極性基を有するポリマ:エチレン-酢酸ビニル共重合体
(A2)その他のポリマ:エチレン-ブテン共重合体、エチレン-オクテン共重合体
(B)難燃剤:
(B1)シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウム(表2~表4では、「シラン処理」と略して表記)
(B2)脂肪酸で表面処理された水酸化アルミニウム(表2~表4では、「脂肪酸処理」と略して表記)
(B3)表面処理されていない水酸化アルミニウム(表2~表4では、「未処理」と略して表記)
(C)架橋助剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート
(D)酸化防止剤:
(D1)フェノール系酸化防止剤
(D2)硫黄系酸化防止剤
(E)銅害防止剤:重金属不活性化剤
(F)滑剤:アマイド系滑剤
(G)着色剤:
(G1)カーボンブラック
(G2)カラーマスターバッチ(黄)
(G3)カラーマスターバッチ(緑)
(G4)カラーマスターバッチ(白)
(G5)カラーマスターバッチ(赤)
(G6)カラーマスターバッチ(黒)
<実施例1~実施例12および比較例1~比較例7の製造方法>
実施例1~実施例12および比較例1~比較例7の各サンプルは、以下の方法で作製した。なお、表1には、実施例1~実施例12および比較例1~比較例7の単軸押出機の混練条件をまとめた。
以下、実施例1~実施例12および比較例1~比較例7の評価方法について説明する。以下に示す(1)~(3)の評価項目を総合的に判断し、全ての評価項目において合格であるものを「○」(合格)、一項目でも不合格であるものを「×」(不合格)として、後述の表2~表4に判定として示した。
ドラムに巻き取った未架橋の絶縁電線(図2に示すドラム29に巻き取った未架橋の絶縁電線5に相当)の表面を目視観察することにより、電線製造時のこすれ白化性を評価した。白化が見られないものを「◎」、若干見られるものの製品外観上問題のないものを「○」、製品外観上問題となる程度に白化が見られたものを「×」として、「◎」および「○」を合格、「×」を不合格とした。
前述のコンパウンドを、熱プレス機を用いて160℃にて3mm厚にシート片に成形した。このシート片に対して、電子線照射装置にて、電線架橋時と同条件の電子線(加速電圧2MV、電子線照射量10Mrad)を照射し、架橋されたシート片を作製した。そして、OXYGEN INDEXER(東洋精機製)によりJIS K7201-2(2007)に示される方法で、この架橋されたシート片の酸素指数を測定した。酸素指数が20以上であるものを、十分な難燃性を有するものとして「○」(合格)、酸素指数が20未満であるものを、難燃性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。
架橋された電線から導体を引き抜き、長さ150mmに切断して中央部に50mmの間隔で標線を記した管状試験片を準備した。この管状試験片をショッパー型引張試験機により引張速度200mm/minの条件で標線間100%伸び時の引張荷重を測定し、以下に示す式1にて引張強さを求めた。100%伸び時の引張強さが6.0MPa以下であるものを、十分な柔軟性を有するものとして「○」(合格)、6.0MPaを超えるものを、柔軟性が不十分であるものとして「×」(不合格)とした。
尚、ここで、試験片の断面積Aは日本産業規格JIS C3005(2014)4.16.1.3(a-1)に示される通り、絶縁電線の外径をマイクロメータで3か所計測し、その最小値Dと導体外径dから式2を用いて求めたものである。
(式2)A=π(D2-d2)/4
<実施例1~実施例12および比較例1~比較例7の評価結果>
前述の評価方法に基づく評価結果を、表2~表4にまとめた。
2 絶縁層
5,10 絶縁電線
21 押出被覆装置
22 ホッパ
23 スクリュ
24 ブレーカプレート
25 ヘッド
26 ネック
27 ダイス
28 シリンダ
29 ドラム
Claims (7)
- ベースポリマと、難燃剤とを含む樹脂組成物であって、
前記難燃剤は、シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムと、シランカップリング剤以外の処理剤で表面処理された水酸化アルミニウムおよび/または表面処理されていない水酸化アルミニウムとにより構成され、
前記ベースポリマは、極性基を有するポリマを含み、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記難燃剤を40質量部を超えて80質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記難燃剤100質量部中、前記シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムを10質量部以上70質量部以下含有し、
前記極性基を有するポリマは、エチレン-酢酸ビニル共重合体である、
樹脂組成物。 - 請求項1に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物は、さらに黒色、黄色、白色、赤色又は緑色の着色剤を含む、樹脂組成物。 - 請求項1又は2に記載の樹脂組成物から形成される絶縁層を備える、絶縁電線。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物から形成されるシース層を備える、ケーブル。
- 請求項3記載の絶縁電線において、配電盤または制御盤の盤内配線、あるいはモータ口出線として用いられる、絶縁電線。
- (a)ベースポリマと、難燃剤とを混練し、樹脂組成物を生成する工程、
(b)導体の周囲を被覆するように、前記樹脂組成物を押出して、絶縁層を形成し、未架橋状態の絶縁電線を作製する工程、
(c)前記樹脂組成物中の前記ベースポリマを架橋し、架橋された絶縁電線を作製する工程、
を含み、
前記難燃剤は、シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムと、シランカップリング剤以外の処理剤で表面処理された水酸化アルミニウムおよび/または表面処理されていない水酸化アルミニウムとにより構成され、
前記ベースポリマは、極性基を有するポリマを含み、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記難燃剤を40質量部を超えて80質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記難燃剤100質量部中、前記シランカップリング剤で表面処理された水酸化アルミニウムを10質量部以上70質量部以下含有し、
前記極性基を有するポリマは、エチレン-酢酸ビニル共重合体である、
絶縁電線の製造方法。 - 請求項6記載の絶縁電線の製造方法において、
前記(b)工程の後であって、前記(c)工程の前に、
(d)前記未架橋状態の絶縁電線を巻き取る工程、
を含む、絶縁電線の製造方法。
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