JP2019085598A - マグネシウム合金基材に対して高耐食性を簡単に実現できる表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法、その製造方法で得られた表面被覆マグネシウム合金基材、その補修方法、およびその使用方法 - Google Patents

マグネシウム合金基材に対して高耐食性を簡単に実現できる表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法、その製造方法で得られた表面被覆マグネシウム合金基材、その補修方法、およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性に優れた表面被覆マグネシウム合金基材を提供する。【解決手段】本発明の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法は、アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、処理液と、を閉空間に配置する工程と、閉空間を加熱することにより、処理液の蒸気を前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に接触させて、当該表面上に水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜を形成する蒸気コート工程と、水酸化マグネシウム皮膜の表面に、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物を塗布し加熱することにより、シリカ皮膜を形成する塗膜形成工程と、を含むものである。【選択図】図1

Description

本発明は、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法、その製造方法で得られた表面被覆マグネシウム合金基材、その補修方法、およびその使用方法に関する。
マグネシウム系材料は、実用金属材料の中でも極めて軽い合金である。このような軽量の観点から、マグネシウム系材料は、高速輸送・大量輸送・省エネ輸送を実現する材料として、自動車、鉄道、航空機などの輸送機器産業において期待されている。
しかしながら、マグネシウム系材料は腐食しやすい材料であるため、マグネシウム系材料に対する防錆処理において、これまで様々な検討がなされてきた。この種の技術については、例えば、特許文献1に記載のマグネシウム合金の陽極酸化処理が挙げられる。
特許文献1には、マグネシウムとアルミニウムの合金を、アルカリ性水溶液の電解条件において、連続パルス電源または交直重畳電源を用いて2つ以上の電位を繰り返し印加して陽極酸化を施し、アルミニウム含有量が基材合金の平均含有量より20〜200%富化した陽極酸化皮膜を形成すると記載されている(特許文献1の解決手段の欄)。
また、同文献の段落0022には、試験条件は、噴霧として、温度35℃、5%食塩水、pH6.5を2時間噴霧し、その後、乾燥として、温度60℃、湿度25%に4時間保持して試料を乾燥させる。さらに湿潤として、温度50℃、湿度95%以上で結露状態において2時間保持する。この一連の作業を1サイクルとし、この作業を3回繰り返し、その試料と、試験前の試料の表面状態を腐食面積の大きさで比較したと記載されている。
特開2014−62276号公報
上記特許文献1において、24時間の複合サイクル試験によって耐食性が評価されている。しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1におけるマグネシウム合金の陽極酸化処理においては、耐食性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者はさらに検討したところ、上記特許文献1に記載の陽極酸化処理においては、表面処理を実施する前に、マグネシウム合金基材の表面について洗浄などの前処理を必要であることが判明した。
これに対して、本発明者は、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に対して、蒸気コートによってMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜を形成することにより、前処理を必要とせずに、マグネシウム合金基材の耐食性を高められることを見出した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、当該水酸化マグネシウム皮膜の表面に対して、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物によってシリカ皮膜を形成することにより、耐食性についてより一層向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
詳細なメカニズムは定かでないが、シリコンアルコキシド由来のケイ素原子が酸素原子を介して水酸化マグネシウム皮膜の表面におけるMgやAlと化学的に結合すること、またシリカ皮膜と水酸化マグネシウム皮膜とが物理的に結合することによって、上記シリカ皮膜と水酸化マグネシウム皮膜との密着性を高められるため、高耐食性が実現できると考えられる。
本発明によれば、
アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、処理液と、を閉空間に配置する工程と、
前記閉空間を加熱することにより、前記処理液の蒸気を前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に接触させて、当該表面上に水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜を形成する蒸気コート工程と、
前記水酸化マグネシウム皮膜の表面に、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物を塗布し加熱することにより、シリカ皮膜を形成する塗膜形成工程と、を含む、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法が提供される。
また本発明によれば、
上記表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法で得られた前記表面被覆マグネシウム合金基材の表面に対して、前記塗料組成物を用いて補修する補修工程を含む、表面被覆マグネシウム合金基材の補修方法が提供される。
また本発明によれば、
上記表面被覆マグネシウム合金基材を、車両、航空機、船舶または建築物の構成部材として使用する、表面被覆マグネシウム合金基材の使用方法が提供される。
また本発明によれば、
アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、
前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面上に形成された、水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜と、
前記水酸化マグネシウム皮膜の表面に形成されたシリカ皮膜と、を備える、表面被覆マグネシウム合金基材が提供される。
本発明によれば、耐食性に優れた表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法、その製造方法で得られた表面被覆マグネシウム合金基材、その補修方法、およびその使用方法が提供される。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造工程の一例を示す工程断面図である。 オートクレーブの一例の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法における概要を説明する。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法は、アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、処理液と、を閉空間に配置する工程と、閉空間を加熱することにより、処理液の蒸気を前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に接触させて、当該表面上に水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜を形成する蒸気コート工程と、水酸化マグネシウム皮膜の表面に、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物を塗布し加熱することにより、シリカ皮膜を形成する塗膜形成工程と、を含むことができる。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法によれば、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面上に、Mg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜およびシリカ皮膜を形成でき、これらの密着性を高めることができるため、マグネシウム合金基材に対して優れた耐食性を実現することが可能である。
以下、本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法における各工程について詳述する。
図1は、本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100の製造工程の一例を示す工程断面図である。
まず、図1(a)に示すアルミニウム含有マグネシウム合金基材10と、処理液と、を閉空間に配置する。
上記アルミニウム含有マグネシウム合金基材としては、マグネシウムを主成分とする合金であり、アルミニウムおよびその他の成分を含有することができる。このアルミニウム含有マグネシウム合金基材におけるマグネシウム(主成分)の含有率は、例えば、50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、一層好ましくは90質量%以上であり、一方、99質量%以下でもよく、95質量%以下でもよく、93質量%以下でもよい。これにより、軽量化、比強度、比剛性、振動吸収性、切削性、耐くぼみ性、寸法変化耐性、またはリサイクル性に優れた表面被覆マグネシウム合金基材が得られる。
上記アルミニウム含有マグネシウム合金基材のアルミニウム含有率の下限値は、例えば、1質量%以上であり、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。これにより、水酸化マグネシウム皮膜中にMg−Al系層状複水酸化物を形成でき、表面被覆マグネシウム合金基材における耐食性を向上させることができる。一方で、上記アルミニウム含有マグネシウム合金基材のアルミニウム含有率の上限値は、例えば、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。これにより、表面被覆マグネシウム合金基材の各種の特性と耐食性とのバランスを図ることができる。
またアルミニウム含有マグネシウム合金基材は、各種目的に応じて、マグネシウムおよびアルミニウム以外の他の成分を含有することができるが、当該他の成分として、例えば、亜鉛、カルシウム、マンガン、ケイ素、ジルコニウムおよび希土類元素からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、アルミニウム含有マグネシウム合金基材中のカルシウムの含有率は、例えば、3質量%以下であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。さらには、アルミニウム含有マグネシウム合金基材中にカルシウムは含まれなくてもよい。これにより、表面被覆マグネシウム合金基材の耐食性を高めることができる。
また、アルミニウム含有マグネシウム合金基材は、銅、鉄およびニッケルなどの不純物成分を含まない高純度合金であってもよい。ここで、不純物成分を含まないとは、製造上において不可避に混入する成分を許容する意味である。
上記の閉空間に配置する工程において、上記アルミニウム含有マグネシウム合金基材は、特に限定されないが、板状、ロール状などの実用上使用可能な形状であればよい。このとき、アルミニウム含有マグネシウム合金基材は、所定の形状に加工された状態でもよく、例えば、表面において凹凸面や湾曲面が形成されていてもよい。
上記処理液は、上記の蒸気コートにおいて蒸気源となるものであり、例えば、水溶媒、または当該水溶媒中に、炭酸塩、塩化物塩、硝酸塩、フッ化物塩等からなる群から選択される一種以上の塩を含有する水溶液を用いることができる。
上記水溶媒としては、例えば、超純水、純水、工業用水、水道水等が挙げられる。
上記塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩(炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等)、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属の塩(炭酸カルシウム、硝酸カルシウム等)の他、貴金属の塩、コモンメタルの塩、アルミニウムを含む塩(炭酸アルミニウム、硝酸アルミニウム);等を使用することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記処理液の塩濃度は、例えば、1mM〜1Mであり、より好ましくは10mM〜0.5Mである(以下、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す)。
上記閉空間は、密閉可能な容器と当該容器中に蒸気を発生させる蒸気発生手段とを備える蒸気養生装置において、密閉した当該容器の内部に構成されていてもよい。
上記蒸気養生装置の一例としては、例えば、図2に示すオートクレーブ200を挙げることができる。図2(a)は、オートクレーブ200の外観を説明する図であり、図2(b)は、オートクレーブ200の内部構造を説明する図である。
上記オートクレーブ200の一例は、図2(a)に示すように横型のオートクレーブ(加熱・加圧可能な耐圧性装置)である。このオートクレーブ200は、上部に、試料210(上記アルミニウム含有マグネシウム合金基材)を保持する保持部を備えており、下部に、蒸気源となる処理液220を貯める貯蔵部を備えている。オートクレーブ200において、試料210は、その一部または全体が処理液220に浸漬しない状態で、配置される。試料210の配置方法は、公知の方法を採用できるが、吊り下げ方式や置き方式を採用できる。オートクレーブ200中において複数の試料210が配置されてもよい。オートクレーブ200の容器(内空間)のサイズは、目的に応じて適宜設計可能であるが、生産性の観点から大型を採用できる。
続いて、上記の閉空間を加熱することにより、処理液(水溶媒または水溶液)の蒸気をアルミニウム含有マグネシウム合金基材10の表面に接触させて、当該表面上に水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜20(図1(b))を形成する(蒸気コート工程)。具体的には、例えば、図2に示すオートクレーブ200中の温度(圧力)を上昇させることにより、処理液220由来の蒸気を発生させることができ、かかる蒸気を試料210(アルミニウム含有マグネシウム合金基材)の表面に接触させることが可能である。
本実施形態によれば、上記蒸気コート工程における加熱温度や加熱時間を制御することにより、得られる水酸化マグネシウム皮膜の特性を調整することが可能である。
上記蒸気コート工程における加熱温度の下限値は、例えば、100℃以上であり、好ましくは110℃以上であり、より好ましくは120℃以上である。これにより、耐食性やプロセス効率を高めることができる。一方で、上記加熱温度の上限値は、例えば、200℃以下であり、好ましくは190℃以下であり、より好ましくは180℃以下であり、一層好ましくは170℃以下であり、より一層好ましくは160℃以下である。これにより、成膜特性を高めることができる。
上記蒸気コート工程における加熱時間の下限値は、例えば、0.5時間以上であり、好ましくは2時間以上であり、より好ましくは3時間以上である。これにより、耐食性や成膜特性を高めることができる。一方で、上記加熱時間の上限値は、例えば、10時間以下であり、好ましくは9時間以下であり、より好ましくは8時間以下であり、一層好ましくは7時間以下である。これにより、プロセス効率を高めることができる。
上記Mg−Al系層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide:LDH)は、2価の金属(Mg)の水酸化物に3価の金属(Al)のイオンが固溶した複水酸化物が積層構造を形成してなる化合物である。この積層構造においては、複水酸化物基本層が正の電荷を持つことから、層間に負の電荷の陰イオンを挟んだ構造を維持している。このため、他の陰イオンや水分子等の分子(ゲスト物質)が近接したとき、その基本層(ホスト層)の構造を維持しつつ、層間に包含していた陰イオンとゲスト物質とを交換し、ゲスト物質を取り込むことができる。このようなイオン交換能は、Mg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜の耐食性の向上に有用である。詳細なメカニズムは定かでないが、水酸化マグネシウム皮膜が塩水等の腐食環境に曝されたとき、環境中の陰イオンを取り込むことで皮膜の侵食を抑制できると考えられる。
上記Mg−Al系層状複水酸化物は、下記の一般式で示される化合物を含むものである。
Figure 2019085598
上記一般式中、陰イオンであるAn−は、炭酸イオン(CO 2−)、硝酸イオン(NO )、フッ素イオン(F)の少なくともいずれかである。これらの陰イオンは、腐食反応を促進する塩化物イオンや硫酸イオン等とイオン交換反応が可能である。
上記水酸化マグネシウム皮膜の表面において、水酸化マグネシウムの(101)面のX線回折ピーク強度をXとし、Mg−Al系層状複水酸化物の(003)面のX線回折ピーク強度Yとする。このとき、X線回折ピーク強度の比(Y/X)の下限値は、例えば、0.01以上であり、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.05以上である。これにより、表面被覆マグネシウム合金基材の耐食性を向上させることができる。上記X線回折ピーク強度の比(Y/X)の上限値は、例えば、0.35以下でもよく、0.30以下でもよく、0.25以下でもよく、0.20以下でもよい。これにより、水酸化マグネシウム皮膜における耐クラック性を高めることができる。
上記水酸化マグネシウム皮膜の表面において、Mg−Al系層状複水酸化物の結晶子サイズの下限値は、例えば、40Å以上であり、好ましくは50Å以上であり、より好ましくは60Å以上である。一方で、上記Mg−Al系層状複水酸化物の結晶子サイズの上限値は、例えば、180Å以下であり、好ましくは120Å以下であり、より好ましくは110Å以下である。このような数値範囲内とすることにより、表面被覆マグネシウム合金基材の耐食性を向上させることができる。
上記Mg−Al系層状複水酸化物の結晶子サイズ(Å)は、Mg−Al系層状複水酸化物の(003)面のピークの半値幅から算出できる。
上記水酸化マグネシウム皮膜の厚みの下限値は、例えば、300nm以上であり、好ましくは500nm以上であり、より好ましくは1μm以上である。これにより、表面被覆マグネシウム合金基材の耐食性を向上させることができる。一方で、水酸化マグネシウム皮膜の厚みの上限値は、例えば、150μm以下であり、好ましくは120μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。これにより、熱衝撃性や成膜特性などの水酸化マグネシウム皮膜における皮膜特性を高めることができる。
また、上記蒸気コート工程において、前処理されていないアルミニウム含有マグネシウム合金基材を使用し、その表面に対して処理液の蒸気を接触させることができる。すなわち、本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法は、蒸気コート工程の前に、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に対して、酸化膜除去処理、脱脂処理、酸洗処理、防錆処理、除錆処理等の前処理工程を実施しなくてもよい。上記蒸気コート工程において、基材表面に不純物が付着していても、蒸気の清浄作用により当該不純物を除去することが可能である。したがって、前処理を不要とするこができるため、プロセスを簡略化でき、生産性や作業性を向上させることができる。
また、上記蒸気コート工程において、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の湾曲面に水酸化マグネシウム皮膜を形成することができる。板状の基材のみならず、曲げ加工やプレス加工された所定の形状を有するアルミニウム含有マグネシウム合金基材に対しても水酸化マグネシウム皮膜を形成することが可能である。
以上の蒸気コート工程により、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に、水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜が得られる。この水酸化マグネシウム皮膜は、単層であっても十分な耐食性を発揮することができる。
続いて、図1(c)に示すように、水酸化マグネシウム皮膜20の表面に、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物を塗布し加熱することにより、シリカ皮膜30を形成する(塗膜形成工程)。
本実施形態の塗料組成物は、結合剤として、金属アルコキシドの中からシリコンアルコキシドを含有することができる。シリコンアルコキシドは、ケイ素原子に直接結合するアルコキシ基を有するものであり、公知のシリコンアルコキシドを使用することができる。シリコンアルコキシドは、加水分解および重縮合することにより、ポリシロキサンになる。
上記シリコンアルコキシドの一例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシランなどを例示できる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリシロキサンとしては、上記シリコンアルコキシド由来の構造単位を有することができ、例えば、ポリジメチルシロキサンやポリフェニルシロキサン等のオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
なお、シリコンアルコキシドを、予め酸またはアルカリの存在下もしくは非存在下で加水分解した加水分解物、該加水分解物をさらに熟成して重縮合した部分縮合物を使用することもできる。
本実施形態の塗料組成物は、金属粒子として、アルミナをさらに含むことができる。アルミナとして、コロイド状アルミナ(金属コロイド)や微粒子状アルミナ(金属微粒子)を用いることができる。
上記金属コロイド(例えば、コロイド状のアルミナ)は、アルミナなどの無機酸化物を担体として、水および/または低級アルコール類を分散媒とする、pH2.5〜6の金属酸化物ゾル(アルミナゾル)とすることができる。この金属酸化物ゾルは、固形分換算で、例えば、5〜50重量%、好ましくは5〜25重量%含有してもよい。また、金属酸化物ゾルは、安定剤として硝酸、塩酸、酢酸などの酸を含有してもよい。
上記金属微粒子は、例えば、微粒子状アルミナであり、精製アルミニウム塩の高温加水分解法で製造されたアルミナを用いることができる。微粒子状アルミナは、pH2〜6の酸性水性分散液としたものを用いることもできる。
コロイド状アルミナ(金属コロイド)や微粒子状アルミナ(金属微粒子)は、例えば、平均粒径が5〜200nm、好ましくは5〜100nm、より好ましくは5〜50nmのものである。
上記結合剤は、上記オルガノアルコキシシラン、コロイド状アルミナ(金属コロイド)または微粒子状アルミナ(金属微粒子)、および親水性有機溶媒を含むことができる。このような結合剤としては、例えば、日研株式会社製のセラミカG−92−6、日研株式会社製G−90等が挙げられる。
上記親水性有機溶媒は、例えば、アルコール類、グリコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類などである。アルコール類としては、炭素数1〜8の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−n−ペンタノールなどが挙げられる。グリコール類としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールが挙られる。エステル類としては、前記アルコール類およびグリコール類のギ酸、酢酸、プロピオン酸などのエステル、具体的にはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどを例示できる。上記エーテル類として、前記アルコール類およびグリコール類のアルキルエーテルなど、具体的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。ケトン類としては、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなどが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、i−プロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を使用してもよい。
上記シリカ塗膜中において、例えば、シリコンアルコキシド由来のSiO成分と、コロイド状アルミナや微粒子状アルミナ由来のAl成分と、で構成される固形物を形成することができる。
本実施形態の塗料組成物中において、上記固形物の含有量は、固形分換算で、例えば、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
また上記シリカ塗膜中において、Al成分の含有量は、固形物全体に対して、固形分換算で、例えば、10〜45重量%、好ましくは15〜40重量%とすることができる。
本実施形態において、塗料組成物の固形分とは、塗料組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。また、本実施形態において、塗料組成物全体に対する含有量とは、塗料組成物が溶媒を含む場合には、塗料組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
本実施形態の塗料組成物は、シリコン系表面調整剤をさらに含むことができる。これにより、上記シリコンアルコキシドやそのポリシロキサンを含有する塗料組成物において、表面張力を低減し、下地への濡れ性やレベリング性を高めることができる。上記シリコン系表面調整剤としては、例えば、ビックケミー・ジャパン製のBYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンを含有するシリコン系表面調整剤を使用することができる。この上記シリコン系表面調整剤はn−オクタノール等の脂肪族アルコール(例えば、炭素数が6〜20の脂肪族アルコール)を含有してもよい。
本実施形態の塗料組成物は溶媒を含むことができる。この溶媒は、単独溶媒または混合溶媒であってもよい。
上記溶媒は、例えば、沸点が100℃以上、220℃以下の高沸点溶媒を含むことができる。この高沸点溶媒の沸点の上限値としては、例えば、220℃以下であり、好ましくは210℃以下である。これにより、低い温度での加熱や乾燥によって塗膜を成膜することが可能になる。高沸点溶媒の沸点の下限値としては、例えば、100℃以上でもよく、105℃以上でもよい。これにより、室温等の保管環境において、溶媒の蒸発を抑制できるため保管性を高めることができる。また、塗膜特性の再現性を良好なものとすることができる。
上記高沸点溶媒としては、例えば、イソブタノール(沸点108℃)、プロパギルアルコール(沸点113.6℃)、n−ブタノール(沸点117.5℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃)、酢酸ブチル(沸点127℃)、エチルセロソルブ(沸点136℃)、プロピルセロソルブ(沸点150℃)、ブチルセロソルブ(沸点171.2℃)、エチレングリコールモノアセテート(沸点188℃)、酢酸2−エトキシエチル(沸点156.8℃)、エチルジグリコール(沸点202.7℃)等が挙げられる。
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。他の成分として、アルミナ、シリカ、マイカ、コージライトおよび窒化ケイ素等の無機フィラーが挙げられる。
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。
また、本実施形態の塗料組成物は、環境に配慮する観点から、六価クロム、三価クロム等のクロム成分を含まないクロムフリー塗料組成物とすることができる。これにより、安全性に優れた塗料組成物を実現できる。本実施形態によれば、上記蒸気コートおよび上記クロムフリー塗料組成物を使用することにより、環境負荷を非常に低減させることが可能になる。
以下、本実施形態の塗料組成物を使用した施工方法について説明する。
本実施形態の施工方法は、塗料組成物からなる塗膜を基板の表面に形成する塗膜形成工程を含むものである。この施工方法により、基板の表面にトップコート層を形成することができる。
上記施工方法において、塗膜を形成する方法は、公知の方法を利用できるが、例えば、スプレー塗装を利用することができる。すなわち、塗膜形成工程は、例えば、スプレーにより塗料組成物を基板に塗布する工程を含むことができる。これより、大面積の被塗装物に対して効率的に塗装を施すことが可能になる。また、塗膜の膜厚制御も容易になる。
スプレー塗装は、例えば、被塗装物である基板の表面に、霧状の塗料組成物を吹き付けることができる。スプレー塗装を行うブースの湿度は、例えば、60%以下であり、好ましくは55%以下であり、より好ましくは50%以下である。このように、乾燥条件を適切に制御することにより、塗膜の形成効率を高めることができる。
形成された塗膜に対して、さらに乾燥工程を行うことができる。この乾燥工程は、加熱処理とともに乾燥処理を行ってもよく、乾燥処理後に加熱処理を行ってもよい。また、乾燥工程において、乾燥風、温風、乾燥温風等の気流を塗膜に接触させてもよい。これにより、乾燥効率を高めることができるとともに、塗膜全体を均一に乾燥させることができる。
また、加熱処理に関して、上記乾燥工程は、例えば、220℃以下の温度で、好ましくは100℃〜200℃、より好ましくは130℃〜190℃、さらに好ましくは150℃〜180℃の温度で、塗膜を加熱乾燥する工程を含むことができる。
また、本実施形態の塗膜(シリカ皮膜)の膜厚は、目的に応じて適宜調整することができるが、その上限値は、例えば、100μm以下であり、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。薄層とした場合でも、耐食性に優れたトップコート層を形成することができる。一方で、塗膜の膜厚の下限値は、特に限定されないが、例えば、1μm以上でもよく、2μm以上でもよい。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法は、上記蒸気コート工程の後、上記塗膜形成工程の前に、水酸化マグネシウム皮膜に表面処理する表面処理工程をさらに含むことができる。表面処理により、水酸化マグネシウム皮膜とシリカ皮膜との密着性を高めることができる。このような表面処理としては、公知の手段を使用することができるが、例えば、ブラスト処理が挙げられる。
また、本実施形態の塗料組成物を補修の目的で使用することも可能である。
本実施形態の補修方法は、得られた表面被覆マグネシウム合金基材の表面に対して、上記塗料組成物を用いて補修する補修工程を含むことができる。補修工程の実施前に、表面被覆マグネシウム合金基材の表面を洗浄してもよい。塗膜を形成する方法は、上述の施工方法を利用することができる。
本実施形態の塗料組成物を利用することにより、表面被覆マグネシウム合金基材の表面に対して新たなトップコート層を容易に形成することができる。たとえば、スプレー塗装を用いることにより、より簡便に補修を行うことが可能である。これにより、表面被覆マグネシウム合金基材の耐食性を維持することができる。
以上により、図1(c)に示すような表面被覆マグネシウム合金基材100が得られる。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100(水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板)の製造方法は、水酸化マグネシウム皮膜付き基板の製造方法やシリカ皮膜付き基板の製造方法と比べて、優れた耐食性を実現することができる。
従来における耐食性の要求水準は、後述の複合サイクル試験において200時間程度が目安として知られていた。しかしながら、さらなる高耐食性が要求されており、従来の耐食性では不十分であることが判明した。これに対して、本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100の製造方法を使用することにより、従来と比して優れた高耐食性を実現できることが分かった。
また、本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100の製造方法は、アルミニウム含有マグネシウム合金基材の組成が異なる基板に対して、耐食性を実現できるため、基板選択性を高めることが可能である。このため、表面被覆マグネシウム合金基材100は、様々な用途に適用可能である。また、表面被覆マグネシウム合金基材100の製造方法は、水酸化マグネシウム皮膜20の蒸気コート条件が異なる場合でも、耐食性を実現できるため、製造安定性を高めることが可能である。このため、低温かつ短時間の蒸気コート条件を採用することにより、優れた耐食性を実現しつつも、製造効率を高めることが可能となる。
また、表面被覆マグネシウム合金基材100の製造方法は、基板表面の前処理が不要とすることができるため、簡潔に耐食性を実現することができる。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100は、図1(c)に示すように、アルミニウム含有マグネシウム合金基材10と、アルミニウム含有マグネシウム合金基材10の表面上に形成された、水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜20と、水酸化マグネシウム皮膜20の表面に形成されたシリカ皮膜30と、を備えることができる。
本実施形態の表面被覆マグネシウム合金基材100は、様々な用途に活用することができるが、例えば、車両、航空機、船舶または建築物の構成部材として好適に使用することが可能である。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(基板)
基板1:アルミニウム含有マグネシウム合金基材(AZ31、Al:3%、株式会社スタンダードテストピース社製、縦×横:20mm×20mm、厚さ:3mm)
基板2:アルミニウム含有マグネシウム合金基材(AZ61、Al:6%、株式会社スタンダードテストピース社製、縦×横:20mm×20mm、厚さ:3mm)
基板3:アルミニウム含有マグネシウム合金基材(AZ91、Al:9%、株式会社スタンダードテストピース社製、縦×横:20mm×20mm、厚さ:3mm)
基板4:アルミニウム含有マグネシウム合金基材(AZX612、Al:6%、Ca:2%、株式会社スタンダードテストピース社製、縦×横:20mm×20mm、厚さ:3mm)
<水酸化マグネシウム皮膜付き基板の作製>
図2に示す蒸気養生装置(横型のオートクレーブ)を用いて、装置内の下部に蒸気源となる処理液を注入し、装置内の上部に基板を吊り下げた状態で配置し、密閉した。
処理液として、超純水製造装置(メルクミリポア社製、Direct−Q3 UV)から採取した抵抗率18.2MΩの超純水を使用した。
続いて、表1に示す処理温度・処理時間の条件にて、表1に示す基板1〜4の各々の表面に対して蒸気コート処理を行い、当該基板表面に水酸化マグネシウム皮膜を形成して、水酸化マグネシウム皮膜付き基板を得た。
<水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板の作製>
(塗料組成物の作製)
結合剤として、100gのバインダ液(日研株式会社製、セラミカG−92−6:ポリシリコンアルコキシドを主成分とする2液タイプのバインダ液。主剤:3に対し、硬化剤:2の割合で混合し、乾燥固化すると約20重量%の固化物になり、固化物はガラス質で、約20重量%のアルミナを含む。)に対して、シリコン系表面調整剤として、1gのBYK−345を加え、約1分間混合して、塗料組成物を得た。
(シリカ皮膜の形成)
得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板の水酸化マグネシウム皮膜の表面に対して、得られた塗料組成物をスプレー塗装し(塗装ブース内の気温は20℃で湿度は55%)、塗布膜を得た。続いて、塗布膜に対して、150℃で30分加熱処理を実施して、水酸化マグネシウム皮膜上の表面に、トップコート層としてシリカ皮膜(塗膜:膜厚10μm)を形成して、水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板(表面被覆マグネシウム合金基材)を得た。
<シリカ皮膜付き基板の作製>
上記の基板1〜基板4のそれぞれの表面に、上記の塗料組成物を塗工し塗膜を形成し、水酸化マグネシウム皮膜を有しない、シリカ皮膜付き基板1〜4を得た。
得られたシリカ皮膜付き基板1〜4における、下記の複合サイクル試験において、いずれも、204hまで「○」だが、504hは「△」、720hは「×」、1008h「×」との評価結果が得られた。
Figure 2019085598
Figure 2019085598
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得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板、水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板について、以下のような評価を行った。評価結果を表1〜3に示す。
(水酸化マグネシウム皮膜の膜厚)
光学顕微鏡観察により、得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板における水酸化マグネシウム皮膜の膜厚(μm)を測定した。評価結果を表2に示す。
(水酸化マグネシウム皮膜の結晶構造、結晶子サイズ)
得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板における水酸化マグネシウム皮膜についてX線回折分析を行った。X線回折分析の結果については、水酸化マグネシウムの(101)面と同定されるピークのピーク強度(X)と、Mg−Al系層状複水酸化物の(003)面と同定されるピークのピーク強度(Y)との比(Y/X)を算出した。また、水酸化マグネシウムの(101)面と同定されるピークのピーク強度(X)と、マグネシウムの(101)面と同定されるピークのピーク強度(Z)との比(X/Z)を算出した。
また、水酸化マグネシウム(101)面のピークの半値幅から皮膜中の水酸化マグネシウムの結晶子サイズ(Å)を算出した。Mg−Al系層状複水酸化物の(003)面のピークの半値幅から皮膜中のMg−Al系層状複水酸化物(表中)の結晶子サイズ(Å)を算出した。なお、表2中、水酸化マグネシウムをMg(OH)、Mg−Al系層状複水酸化物をLDHと表記し、Y/XをLDH/Mg(OH)、X/ZをMg(OH)/Mgと表記する。
評価結果を表2に示す。
得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板における水酸化マグネシウム皮膜のX線回折分析において、2θ=18.5°、37.9°、50.8°、58.7°、62.1°、68.8°、72.1°付近のピークが、それぞれ水酸化マグネシウムの(001)面、(101)面、(102)面、(110)面、(111)面、(200)面、(201)面に相当する。37.9°付近のピークが水酸化マグネシウムの(101)面のピークとなる。2θ=11.3°、22.6゜付近に見られるピークがAl−Mg系層状複水酸化物([Mg2+ 1−xAl3+ (OH)][CO 2− x/2・yHO])の(003)面、(006)面のピークと同定される。11.3°付近のピークがAl−Mg系層状複水酸化物の(003)面のピークとなる。2θ=14.4°付近のピークが、水酸化酸化アルミニウム(AlO(OH))の(020)面に相当する。
なお、水酸化マグネシウム皮膜のX線回折分析の結果は、水酸化マグネシウム皮膜上にシリカ皮膜が形成された後でも変化しないものと推察される。
(密着性)
得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板、水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板について、皮膜と下地との密着性について、密着性試験キット(Elcometer社製:Elcometer 107 Cross Hatch Cutter)を使用し、密着性を評価した。試験片の表面に碁盤状にカットを入れ、その上に荷重40Nでテープを貼付し、一定時間後にテープを剥離して皮膜の剥離状態を目し観察し、下記の基準に基づいて評価を実施した。水酸化マグネシウム皮膜付き基板の評価結果を表2に示す。水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板の評価結果はいずれも「◎」であった。
◎:剥離が全くなく良好である。
×:剥離が生じた。
(複合サイクル試験)
得られた水酸化マグネシウム皮膜付き基板、水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板について、JASO M 609に準拠し、24h〜1008hまで複合サイクル試験を実施した。下記の基準に基づいて評価を実施した。評価結果を表1に示す。
○:腐食が無く、良好である。
△:変色やわずかな腐食があるが、実用上は問題がない程度のレベルである。
×:腐食面積が1%以上であり、実用上の問題がある。
(連続塩水噴霧試験)
得られた水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板について、JIS Z2371に準拠し、24h〜1008hまで連続塩水噴霧試験を実施した。下記の基準に基づいて評価を実施した。評価結果を表3に示す。
○:腐食が無く、良好である。
△:変色やわずかな腐食があるが、実用上は問題がない程度のレベルである。
×:腐食面積が1%以上であり、実用上の問題がある。
水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板(表面被覆マグネシウム合金基材)の製造方法は、140℃、7hの水酸化マグネシウム皮膜付き基板の製造方法やシリカ皮膜付き基板の製造方法と比べて、またこれらを組み合わせにより予想されるものよりも、複合サイクル試験の結果が良好であり、高耐食性に優れることが分かった。水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板の製造方法は、適用可能な基板種類が多くなることから基板選択性に優れており、水酸化マグネシウム皮膜の蒸気コート条件の適用範囲が広がることから製造安定性に優れることが分かった。
また、水酸化マグネシウム皮膜・シリカ皮膜付き基板の製造方法は、基板表面における前処理が不要となり、製造プロセスを簡潔にできることが分かった。
10 アルミニウム含有マグネシウム合金基材
20 水酸化マグネシウム皮膜
30 シリカ皮膜
100 表面被覆マグネシウム合金基材
200 オートクレーブ
210 試料
220 処理液

Claims (16)

  1. アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、処理液と、を閉空間に配置する工程と、
    前記閉空間を加熱することにより、前記処理液の蒸気を前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に接触させて、当該表面上に水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜を形成する蒸気コート工程と、
    前記水酸化マグネシウム皮膜の表面に、シリコンアルコキシドを含有する塗料組成物を塗布し加熱することにより、シリカ皮膜を形成する塗膜形成工程と、を含む、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記水酸化マグネシウム皮膜の厚みが300nm以上150μm以下である、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記蒸気コート工程において、加熱温度が100℃以上200℃以下である、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記蒸気コート工程において、前処理されていない前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面に対して前記処理液の蒸気を接触させる、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材のアルミニウム含有率が、1質量%以上20質量%以下である、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記塗料組成物がシリコン系表面調整剤をさらに含む、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記塗料組成物がアルミナをさらに含む、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記塗料組成物がクロムを含有しない、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記シリカ皮膜の厚みが1μm以上50μm以下である、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記塗膜形成工程において、スプレーにより前記塗料組成物を塗布する、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記塗膜形成工程において、220℃以下の温度で加熱する、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記蒸気コート工程の後、前記塗膜形成工程の前に、前記水酸化マグネシウム皮膜に表面処理する表面処理工程をさらに含む、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法であって、
    前記蒸気コート工程において、前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の湾曲面に前記水酸化マグネシウム皮膜を形成する、表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材の製造方法で得られた前記表面被覆マグネシウム合金基材の表面に対して、前記塗料組成物を用いて補修する補修工程を含む、表面被覆マグネシウム合金基材の補修方法。
  15. 請求項1から13のいずれか1項に記載の表面被覆マグネシウム合金基材を、車両、航空機、船舶または建築物の構成部材として使用する、表面被覆マグネシウム合金基材の使用方法。
  16. アルミニウム含有マグネシウム合金基材と、
    前記アルミニウム含有マグネシウム合金基材の表面上に形成された、水酸化マグネシウムおよびMg−Al系層状複水酸化物を含む水酸化マグネシウム皮膜と、
    前記水酸化マグネシウム皮膜の表面に形成されたシリカ皮膜と、を備える、表面被覆マグネシウム合金基材。
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