各図に適宜示すZ軸方向は、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向である。各図に適宜示す中心軸Jは、Z軸方向と平行であり、上下方向に延びる仮想線である。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向、すなわち上下方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。各図においては、適宜、周方向を矢印θで示す。
また、軸方向におけるZ軸方向の正の側を「上側」と呼び、軸方向におけるZ軸方向の負の側を「下側」と呼ぶ。本実施形態において、上側は、軸方向一方側に相当し、下側は、軸方向他方側に相当する。また、周方向における上側から下側に向かって視て反時計回りに進む側、すなわち矢印θの向きに進む側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向における上側から下側に向かって視て時計回りに進む側、すなわち矢印θの向きと逆に進む側を「周方向他方側」と呼ぶ。
なお、上下方向、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係は、これらの名称で示される配置関係以外の配置関係であってもよい。
<第1実施形態>
図1および図2に示すように、本実施形態のモータ10は、ハウジング11と、ロータ20と、ベアリング51,52と、ステータ30と、ベアリングホルダ40と、バスバーユニット90と、制御装置80と、を備える。図1に示すように、ハウジング11は、モータ10の各部を収容する。ハウジング11は、中心軸Jを中心とする円筒状である。ハウジング11は、下側の底部にベアリング51を保持する。
ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、マグネット23と、を有する。シャフト21は、中心軸Jに沿って配置される。シャフト21は、ベアリング51,52によって回転可能に支持される。ロータコア22は、シャフト21の外周面に固定される円環状である。マグネット23は、ロータコア22の外周面に固定される。ベアリング51は、ロータコア22の下側においてシャフト21を回転可能に支持する。ベアリング52は、ロータコア22の上側においてシャフト21を回転可能に支持する。ベアリング51,52は、ボールベアリングである。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。ステータ30は、ロータ20の径方向外側においてロータ20を囲む。ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ34と、複数のコイル35と、を有する。ステータコア31は、コアバック32と、複数のティース33と、を有する。
複数のコイル35は、インシュレータ34を介して複数のティース33にそれぞれ装着される。コイル35は、導線がインシュレータ34を介してティース33に巻き回されて構成される。各コイル35からはコイル引出線35aが上側に引き出される。コイル引出線35aは、コイル35から延びる導線であり、コイル35を構成する導線の端部である。
ベアリングホルダ40は、ステータ30の上側に配置される。ベアリングホルダ40は、金属製である。ベアリングホルダ40は、ベアリング52を保持する。図2および図3に示すように、ベアリングホルダ40は、第1外側円環部41と、固定筒部42と、第1内側円環部47と、複数の第1接続部44と、ベアリング保持部43と、第1突出部45と、を有する。第1外側円環部41は、中心軸Jを中心とし、板面が軸方向と直交する円環板状である。固定筒部42は、第1外側円環部41の径方向外縁部から下側に延びる円筒状である。図1に示すように、第1外側円環部41の外周面および固定筒部42の外周面は、ハウジング11の内周面に固定される。第1内側円環部47は、中心軸Jを中心とする円筒状である。第1内側円環部47は、第1外側円環部41よりも径方向内側に配置される。第1内側円環部47の下側の端部は、径方向内側に湾曲する。
図2および図3に示すように、複数の第1接続部44は、径方向に延びる。複数の第1接続部44は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。第1接続部44は、例えば、12個設けられる。複数の第1接続部44は、第1外側円環部41の径方向内縁部と第1内側円環部47の上側の端部とを繋ぐ。
第1接続部44のうち一部の第1接続部44は、周方向の幅が径方向外側の部分において大きくなる。例えば、3つの第1接続部44が、周方向の幅が径方向外側の部分において大きくなる。この3つの第1接続部44は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。周方向に隣り合う第1接続部44同士の間には、それぞれ第1貫通孔48が設けられる。第1貫通孔48は、ベアリングホルダ40を軸方向に貫通する。第1貫通孔48のそれぞれには、各コイル35から延びるコイル引出線35aが通される。
図2に示すように、ベアリング保持部43は、第1内側円環部47の下端部の径方向内縁部に繋がる。ベアリング保持部43は、筒部43aと、蓋部43bと、円環突出部43cと、を有する。筒部43aは、中心軸Jを中心とする円筒状である。筒部43aの内周面には、ベアリング52の外周面が固定される。これにより、ベアリング保持部43は、ベアリング52を保持する。ベアリング52は、蓋部43bよりも下側に離れて配置される。
蓋部43bは、筒部43aの上側の端部から径方向内側に突出する円環状である。蓋部43bは、ベアリング52の外輪の上側を覆う。円環突出部43cは、蓋部43bの径方向内縁部から上側に突出する。円環突出部43cは、中心軸Jを中心とする円環状である。円環突出部43cの内周面は、蓋部43bの内周面の上端部に繋がる。円環突出部43cの内周面と蓋部43bの内周面とは、径方向において同じ位置に配置される。
本実施形態では、蓋部43bと円環突出部43cとによって、ベアリングホルダ40を軸方向に貫通する第1中央孔部49が構成される。すなわち、ベアリングホルダ40は、第1中央孔部49を有する。第1中央孔部49の内周面は、蓋部43bの内周面と円環突出部43cの内周面とによって構成される。第1中央孔部49は、軸方向に沿って視て、中心軸Jを中心とする円形状である。
本実施形態では、第1外側円環部41と固定筒部42と第1内側円環部47と複数の第1接続部44とベアリング保持部43とによって、ベアリングホルダ本体40aが構成される。すなわち、ベアリングホルダ40は、ベアリングホルダ本体40aを有する。
図2および図3に示すように、第1突出部45は、ベアリングホルダ本体40aから上側に突出する。第1突出部45は、第1外側円環部41と第1接続部44とに跨って設けられる。第1突出部45は、第1接続部44のうち、上述した周方向の幅が径方向外側の部分において大きくなる第1接続部44にそれぞれ設けられる。すなわち、本実施形態において第1突出部45は、3つ設けられ、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
第1突出部45の上側の面は、下側接触面45aである。下側接触面45aは、軸方向と直交する平坦な面である。下側接触面45aの上側から視た形状は、角丸の略正方形状である。下側接触面45aは、ベアリングホルダ40のうちで最も上側に位置する部分である。
複数の第1突出部45のうちの1つの第1突出部45は、軸方向に窪む穴部46を有する。すなわち、ベアリングホルダ40は、穴部46を有する。穴部46は、下側接触面45aから下側に窪む。すなわち、穴部46は、第1突出部45の上側の面に開口する。穴部46の上側から視た形状は、円形状である。穴部46は、第1突出部45の中央に配置される。図2に示すように、穴部46は、下側接触面45aから第1接続部44の下面まで、ベアリングホルダ40を軸方向に貫通する。
図1に示すように、バスバーユニット90は、ベアリングホルダ40の上側に配置される。バスバーユニット90は、複数のバスバー70と、バスバーホルダ60と、を有する。バスバーホルダ60は、樹脂製である。図4および図5に示すように、バスバーホルダ60は、バスバーホルダ本体61と、上側中央筒部62と、下側中央筒部63と、第2突出部64と、嵌合凸部65と、端子支持部66と、を有する。
バスバーホルダ本体61は、第2内側円環部61aと、第2外側円環部61bと、複数の第2接続部61cと、を有する。第2内側円環部61aおよび第2外側円環部61bは、中心軸Jを中心とする円環状である。第2外側円環部61bは、軸方向に沿って視て、第2内側円環部61aよりも径方向外側において第2内側円環部61aを囲む。図2に示すように、第2内側円環部61aは、ベアリング保持部43の上側に配置される。第2外側円環部61bは、第1外側円環部41の上側に配置される。本実施形態において第2内側円環部61aと第2外側円環部61bとは、軸方向において同じ位置に配置される。第2外側円環部61bの外径は、ベアリングホルダ40の外径よりも小さい。
図4に示すように、複数の第2接続部61cは、径方向に延びる。複数の第2接続部61cは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図4では、第2接続部61cは、例えば、12個設けられる。複数の第2接続部61cは、第2外側円環部61bと第2内側円環部61aとを繋ぐ。より詳細には、複数の第2接続部61cは、第2外側円環部61bの径方向内縁部と第2内側円環部61aの径方向外縁部とを繋ぐ。第2接続部61cは、軸方向に沿って視て、第1接続部44と重なる。周方向に隣り合う第2接続部61c同士の間には、それぞれ第2貫通孔67が設けられる。第2貫通孔67は、バスバーホルダ60を軸方向に貫通する。第2貫通孔67は、軸方向に沿って視て、第1貫通孔48と重なる。第2貫通孔67のそれぞれには、第1貫通孔48を通って上側に延びるコイル引出線35aが挿入される。
図1に示すように、上側中央筒部62は、中心軸Jを中心とし第2内側円環部61aの径方向内縁部から上側に突出する円筒状である。下側中央筒部63は、中心軸Jを中心とし第2内側円環部61aの径方向内縁部から下側に突出する円筒状である。すなわち、下側中央筒部63は、中心軸Jを中心としバスバーホルダ本体61から下側に突出する円筒状である。
上側中央筒部62の内部と下側中央筒部63の内部とは、軸方向に繋がり、バスバーホルダ60を軸方向に貫通する。上側中央筒部62の内部および下側中央筒部63の内部には、シャフト21の上側の端部が通される。
下側中央筒部63の下側の端部は、バスバーユニット90において最も下側に位置する部分である。図2に示すように、下側中央筒部63は、第1中央孔部49に嵌め合わされる。下側中央筒部63の下側の端部は、ベアリング52の上側に隙間を介して対向して配置される。下側中央筒部63の下側の端部は、軸方向において、第1中央孔部49の下側の端部とほぼ同じ位置に配置される。本実施形態において下側中央筒部63は、第1中央筒部に相当する。
第2突出部64は、バスバーホルダ本体61から下側に突出する。図5に示すように、第2突出部64は、第2外側円環部61bと第2接続部61cとに跨って設けられる。第2突出部64は、複数設けられる。複数の第2突出部64は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図5では、第2突出部64は、例えば、3つ設けられる。図6に示すように、第1突出部45と第2突出部64とは、軸方向に沿って視て、互いに重なる。
第2突出部64の下側の面は、上側接触面64aである。上側接触面64aは、軸方向と直交する平坦な面である。図2に示すように、上側接触面64aは、下側中央筒部63の下側の端部よりも上側に配置される。図5に示すように、上側接触面64aの下側から視た形状は、径方向に長い長方形状である。図6に示すように、各第1突出部45の下側接触面45aと各第2突出部64の上側接触面64aとは、それぞれ互いに接触する。これにより、ベアリングホルダ40に対してバスバーユニット90が軸方向に位置決めされる。
本実施形態では、下側接触面45aおよび上側接触面64aは軸方向と直交する平坦な面であるため、ベアリングホルダ40に対してバスバーユニット90が傾いて配置されることを抑制できる。また、バスバーユニット90をベアリングホルダ40によって安定して支持することができる。
嵌合凸部65は、複数の第2突出部64のうちの1つの第2突出部64に設けられる。嵌合凸部65は、上側接触面64aから下側に突出する柱状である。図5に示すように、嵌合凸部65の下側から視た形状は、径方向および軸方向の両方と直交する方向に長い角丸長方形状である。嵌合凸部65の下側の面は、軸方向と直交する平坦な面である。図6に示すように、嵌合凸部65は、穴部46に嵌め合わされる。これにより、バスバーユニット90がベアリングホルダ40に対して周方向に位置決めされ、バスバーユニット90とベアリングホルダ40との周方向の相対位置がずれることを抑制できる。
軸方向と直交する方向における嵌合凸部65の寸法のうち長手方向の寸法は、穴部46の内径とほぼ同じであり、穴部46の内径よりも僅かに小さい。嵌合凸部65の長手方向とは、図6における左右方向である。
嵌合凸部65の下側の端部は、穴部46の下側の端部よりも上側に配置される。図2に示すように、嵌合凸部65の下側の端部は、下側中央筒部63の下側の端部よりも上側に配置される。嵌合凸部65における穴部46に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法H2は、下側中央筒部63における第1中央孔部49に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法H1よりも小さい。寸法H1は、第1中央孔部49の上側の端部と下側中央筒部63の下側の端部との間の軸方向の距離に相当する。寸法H2は、穴部46の上側の端部と、嵌合凸部65の下側の端部との間の軸方向の距離に相当する。本実施形態において嵌合凸部65は、全体が穴部46に嵌め合わされる。そのため、寸法H2は、嵌合凸部65の軸方向の寸法に相当する。
端子支持部66は、バスバーホルダ本体61から上側に突出する。より詳細には、端子支持部66は、第2外側円環部61bから上側に突出する。端子支持部66は、直方体状である。図4に示すように、端子支持部66は、複数設けられる。複数の端子支持部66は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。図4では、端子支持部66は、例えば、3つ設けられる。3つの端子支持部66のそれぞれは、軸方向に沿って視て、3つの第2突出部64のそれぞれと重なる位置に配置される。
図1および図4に示すように、複数のバスバー70のそれぞれは、バスバー本体71と、接続端子72と、把持部73と、を有する。本実施形態においてバスバー70は、例えば、3つ設けられる。3つのバスバー70のそれぞれには、1つの接続端子72と、4つの把持部73と、がそれぞれ設けられる。すなわち、本実施形態において接続端子72は合計3つ設けられ、把持部73は合計12個設けられる。
図1に示すように、バスバー本体71は、バスバーホルダ60に埋め込まれる。これにより、バスバーホルダ60は、バスバー70を保持する。バスバー本体71は、板面が軸方向と直交する板状である。バスバー本体71は、軸方向と直交する平面に沿って延びる。接続端子72は、バスバー本体71と繋がる。接続端子72は、バスバーホルダ60から上側に突出する。より詳細には、接続端子72は、端子支持部66から上側に突出する。接続端子72の下側の部分は、端子支持部66によって支持される。接続端子72の上側の端部は、制御装置80に接続される。図4に示すように、3つのバスバー70の各接続端子72は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置される。
把持部73は、板面が軸方向と直交する板状である。把持部73は、バスバー本体71と繋がり、第2接続部61cから周方向一方側に突出して、バスバーホルダ60の外部に露出する。把持部73は、第2貫通孔67内に配置される。把持部73は、周方向一方側に開口する略U字状である。把持部73は、基部73aと、一対の腕部73b,73cと、を有する。
基部73aは、バスバー本体71と繋がる部分であり、第2接続部61cから周方向一方側に突出する。一対の腕部73b,73cは、基部73aから周方向一方側に延びる。腕部73bと腕部73cとは、径方向に隙間を介して対向する。腕部73bは、軸方向に沿って視て、波状である。把持部73の内側、すなわち腕部73bと腕部73cとの径方向の間には、コイル引出線35aの上側の端部が挿入される。
図示は省略するが、把持部73は、一対の腕部73b,73cの先端部が径方向両側からカシメられてコイル引出線35aを径方向両側から挟持する。これにより、把持部73は、コイル引出線35aを把持する。把持部73とコイル引出線35aとは、例えば、溶接により互いに固定される。これにより、把持部73は、コイル引出線35aと接続され、バスバー70は、コイル35と電気的に接続される。
複数のバスバー70における把持部73のそれぞれにおいては、一対の腕部73b,73cが基部73aから周方向の同じ側に延びる。これにより、把持部73のそれぞれは、周方向の同じ側に開口する。
なお、各図においては、把持部73が周方向一方側に開口した状態を示すが、上述したように腕部73b,73cがカシメられることで、腕部73bの先端部と腕部73cの先端部とが接触してもよい。この場合、把持部73の開口は、閉塞された状態となる。
図1に示すように、制御装置80は、バスバーユニット90の上側に配置される。制御装置80は、接続端子72を介して、バスバー70と電気的に接続される。制御装置80は、バスバー70を介して、コイル35に電力を供給する。制御装置80は、コイル35に供給される電力を制御するインバータ回路が設けられた基板等を有する。
バスバーユニット90をベアリングホルダ40に取り付ける作業者は、図7に示すように、バスバーユニット90を、ベアリングホルダ40に対して、周方向において把持部73が開口する側と逆側、すなわち周方向他方側に僅かにずれた位置に大まかに位置決めする。そして、作業者は、図8に示すように、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に上側から近づけ、嵌合凸部65の下側の面を下側接触面45aに接触させる。このとき、第1貫通孔48を通って上側に延びるコイル引出線35aは、第2貫通孔67に挿入され、把持部73と周方向に対向した状態となる。
また、下側中央筒部63における第1中央孔部49に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法H1は、嵌合凸部65における穴部46に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法H2よりも大きい。そのため、穴部46が開口する下側接触面45aに嵌合凸部65の下側の面が接触すると、下側中央筒部63の下側の端部が第1中央孔部49に嵌め合わされた状態となる。これにより、バスバーユニット90は、下側中央筒部63と第1中央孔部49との嵌め合いにより、ベアリングホルダ40に対して中心軸J周りに回転可能に支持された状態となる。
次に、作業者は、バスバーユニット90に下向きの力を加えつつ、バスバーユニット90を周方向に回転させる。より具体的には、図7に示すように、作業者は、把持部73が開口する側、すなわち周方向一方側に向けてバスバーユニット90を周方向に回転させる。これにより、図8に示すように、嵌合凸部65の下側の面が下側接触面45aを滑りながら周方向に移動する。そして、嵌合凸部65が穴部46と軸方向に重なる位置まで移動すると、嵌合凸部65が穴部46に嵌まり、バスバーユニット90は、上側接触面64aが下側接触面45aに接触するまで下側に移動する。
これにより、作業者は、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に対して軸方向および周方向に位置決めして、取り付けることができる。バスバーユニット90をベアリングホルダ40に対して周方向に位置決めできることで、接続端子72を周方向に位置決めできる。これにより、接続端子72を制御装置80に接続しやすい。また、バスバーユニット90がベアリングホルダ40に対して周方向に位置決めされた状態において、コイル引出線35aは、把持部73の内側に把持部73の開口を介して挿入された状態となる。これにより、コイル引出線35aの位置をバスバー70と接続できる位置に合わせることができる。
以上のように本実施形態によれば、寸法H1が寸法H2よりも大きいため、嵌合凸部65が穴部46に嵌まるよりも先に、下側中央筒部63と第1中央孔部49とを嵌め合わせることができる。そのため、嵌合凸部65が穴部46に嵌め合わされない状態において、下側中央筒部63を回転軸としてバスバーユニット90を回転させることができる。これにより、作業者は、把持部73に対して周方向にずれた位置にコイル引出線35aが位置する状態から、嵌合凸部65が穴部46に嵌め合わされる位置までバスバーユニット90を回転させることで、把持部73の内側にコイル引出線35aを挿入させることができる。
また、複数の把持部73においては、腕部73b,73cが基部73aから周方向の同じ側に延びるため、コイル引出線35aが固定される前において、各把持部73は、周方向の同じ側に開口する。これにより、バスバーユニット90を一方向に回転させることで、複数の把持部73の内側に複数のコイル引出線35aのそれぞれを挿入させることができる。
ここで、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に近づける際、コイル引出線35aは、第2貫通孔67のうち把持部73よりも周方向一方側の部分、すなわち第2貫通孔67のうち把持部73の内側よりも比較的広い部分に挿入されればよい。そのため、コイル引出線35aが把持部73の内側に直接挿入される位置にバスバーユニット90を位置決めする場合に比べて、バスバーユニット90の周方向の位置ずれが許容される。これにより、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に近づける際のバスバーユニット90の位置決めを容易にできる。また、コイル引出線35aがずれた場合であっても、コイル引出線35aを所望する位置、すなわち第2貫通孔67のうち把持部73に対して周方向にずれた位置に挿入させやすい。
このように、作業者は、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に対して、ある程度大まかに周方向に位置決めして近づければ、その後は、嵌合凸部65と穴部46との嵌め合いによって、構造的にバスバーユニット90を周方向に位置決めできる。したがって、本実施形態によれば、把持部73にコイル引出線35aを容易に挿入させることができ、コイル引出線35aをバスバー70に接続しやすくできる。
また、モータ10が小型化するほど把持部73の内側部分は小さくなる。そのため、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に近づけてコイル引出線35aを把持部73に直接挿入することは、モータ10が小型化するほど難しくなる。したがって、上述した把持部73にコイル引出線35aを容易に挿入できる効果は、比較的小型のモータにおいて特に有用に得られる。
また、本実施形態によれば、穴部46はベアリングホルダ40に設けられ、嵌合凸部65はバスバーホルダ60に設けられる。そのため、バスバーホルダ60に穴部を設ける場合に比べて、バスバーホルダ60の強度を確保しやすい。
また、本実施形態によれば、第1突出部45の上側の面は平坦な面である下側接触面45aであり、穴部46は、下側接触面45aに開口する。そのため、嵌合凸部65を下側接触面45aに押し付けて滑らせることで、嵌合凸部65を穴部46に嵌め合わせることができる。これにより、バスバーユニット90を回転させた際に、嵌合凸部65を穴部46に嵌め合わせやすい。また、嵌合凸部65とベアリングホルダ40との間の摩擦を低減しやすく、バスバーユニット90を周方向に回転させやすい。また、嵌合凸部65が損傷することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、嵌合凸部65の下側の面は、軸方向と直交する平坦な面である。そのため、嵌合凸部65を下側接触面45aに押し付けた際に、嵌合凸部65と下側接触面45aとを安定して接触させることができる。これにより、バスバーユニット90をベアリングホルダ40に対して安定して回転させやすい。
また、本実施形態によれば、下側中央筒部63の下側の端部は、嵌合凸部65よりも下側に配置される。そのため、下側中央筒部63の軸方向の寸法を大きくしやすく、下側中央筒部63における嵌め合わされる部分の軸方向の寸法H1を大きくしやすい。したがって、下側中央筒部63と第1中央孔部49との嵌め合いによって、バスバーユニット90を安定して回転可能に支持しやすい。
また、本実施形態によれば、第1中央孔部49の内周面の一部を構成する円環突出部43cが設けられる。そのため、第1中央孔部49の軸方向の寸法を大きくしやすい。これにより、下側中央筒部63における嵌め合わされる部分の軸方向の寸法H1をより大きくしやすい。
また、本実施形態によれば、ベアリング52は、蓋部43bよりも下側に離れて配置される。そのため、ベアリング52を第1中央孔部49に嵌め合わされる下側中央筒部63から下側に離しやすい。したがって、上述したように下側中央筒部63の軸方向の寸法を大きくしても、下側中央筒部63の下側の端部がベアリング52に接触することを抑制できる。
<第2実施形態>
図9に示すように、本実施形態のモータ110において、ベアリングホルダ140は、嵌合凸部146を有する。嵌合凸部146は、第1突出部145から上側に突出する。バスバーホルダ160は、穴部165を有する。穴部165は、第2突出部164の下側の面に開口する。穴部165は、第2突出部164の下側の面から上側に窪む。穴部165は、バスバーホルダ160を軸方向に貫通する。穴部165には、嵌合凸部146が嵌め合わされる。
このように、本実施形態において、穴部165はバスバーホルダ160に設けられ、嵌合凸部146はベアリングホルダ140に設けられる。そのため、ベアリングホルダ140に穴部を設ける場合に比べて、ベアリングホルダ140の強度を確保しやすい。
本発明は上述の実施形態に限られず、以下の他の構成を採用することもできる。上述した実施形態では、バスバーホルダ60が第1中央筒部としての下側中央筒部63を有し、ベアリングホルダ40が第1中央孔部49を有する構成としたが、これに限られない。例えば、バスバーホルダが、中心軸Jを中心としバスバーホルダを軸方向に貫通する第2中央孔部を有し、ベアリングホルダが、中心軸Jを中心としベアリングホルダ本体から上側に突出する円筒状の第2中央筒部を有する構成としてもよい。この構成においては、第2中央筒部が第2中央孔部に嵌め合わされることで、バスバーユニットがベアリングホルダに対して回転可能に支持される。第2中央筒部における第2中央孔部に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法は、嵌合凸部における穴部に嵌め合わされた部分の軸方向の寸法よりも大きい。
穴部は、底を有する穴であってもよい。穴部は、複数設けられてもよい。その場合、嵌合凸部は、穴部ごとに設けられてもよいし、一部の穴部のみに設けられてもよい。また、第1突出部の数および第2突出部の数は、特に限定されない。第1突出部および第2突出部は、設けられなくてもよい。接続端子の数は、特に限定されない。バスバーの数および把持部の数は、2つ以上であれば、特に限定されない。ベアリングは、ベアリング保持部の蓋部と接触してもよい。ベアリング保持部は、円環突出部を有しなくてもよい。
なお、上述した実施形態のモータの用途は、特に限定されない。また、上述した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。