JP2019065512A - コンクリート舗装の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】舗装に必要な強度(例えば、曲げ強度)を有し、かつ、すべり抵抗が大きく、さらには、ひび割れが起こりにくいコンクリート舗装の製造方法を提供する。【解決手段】コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる打設工程と、未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する細骨材散布工程と、不陸調整手段を用いて、軽量細骨材が散布された未硬化の舗装面を均す第一の不陸調整工程、を含むコンクリート舗装の製造方法。該製造方法は、好ましくは、打設工程と細骨材散布工程の間に、不陸調整手段を用いて、未硬化の舗装面を均す第二の不陸調整工程を含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート舗装の製造方法に関する。
コンクリート舗装は、アスファルト舗装と比較して流動性が低く、強度が大きいことから、わだち掘れや変形等の劣化に対する耐性が大きく、また、転がり抵抗が小さいことから、車両走行における燃費が良くなる等の利点を有する。その一方で、所定の強度を発現するまでに時間がかかるため、交通の早期開放が難しいことや、すべり抵抗を大きくするための仕上げに手間がかかる等の問題がある。
これに対して、早強セメントを使用し、水セメント比を小さくすることで、交通の早期開放を可能とするコンクリート舗装が提案されている。しかし、水セメント比を小さくした場合、コンクリート舗装が緻密となり、すべり抵抗が小さくなるという問題がある。
特許文献1には、すべり防止の効果を与えた舗装として、排水機能を目的として舗設した開粒度アスファルト舗装体の表層から常温硬化型液状可撓性樹脂の湿気硬化型又は主剤/硬化剤の混合物を散布及び又は塗布浸透させ、直ちに高硬度細骨材を滑り防止材として均一に散布し、常温硬化型液状可撓性樹脂混合物を硬化させ、開粒度アスファルト舗装体の表層に高硬度細骨材を接着させ滑り抵抗性を高め滑り防止すると共に、開粒度アスファルト舗装体の表層骨材飛散防止と開粒度アスファルト舗装体の目潰れ,目詰まりを防止,低減する事を目的とした排水性舗装の施工方法及びその構造が記載されている。
一方、コンクリートを打設した後、コンクリート表面が乾燥すると、該表面に不規則なひび割れが発生する場合がある。
ひび割れの発生が少ないコンクリート舗装として、特許文献2には、吸水率が4〜20%である軽量細骨材を含むことを特徴とするコンクリート舗装が記載されている。
特開平11−269807号公報 特開2014−177774号公報
本発明の目的は、舗装に必要な強度(例えば、曲げ強度)を有し、かつ、すべり抵抗が大きく、さらには、ひび割れが起こりにくいコンクリート舗装の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる工程と、未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する工程と、不陸調整手段を用いて、軽量細骨材が散布された未硬化の舗装面を均す工程を含むコンクリート舗装の製造方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる打設工程と、上記未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する細骨材散布工程と、不陸調整手段を用いて、上記軽量細骨材が散布された上記未硬化の舗装面を均す第一の不陸調整工程、を含むことを特徴とするコンクリート舗装の製造方法。
[2] 上記打設工程と上記細骨材散布工程の間に、不陸調整手段を用いて、上記未硬化の舗装面を均す第二の不陸調整工程を含む前記[1]に記載のコンクリート舗装の製造方法。
[3] 上記軽量細骨材が、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるものである前記[1]又は[2]に記載のコンクリート舗装の製造方法。
[4] 上記細骨材散布工程において、上記軽量細骨材として、上記軽量細骨材の絶乾状態の質量(100質量%)に対して10質量%以上の水を含むものを用いる前記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリート舗装の製造方法。
[5] 上記細骨材散布工程における上記軽量細骨材の散布量が、絶乾状態の質量で、0.3〜2.0kg/mである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のコンクリート舗装の製造方法。
本発明のコンクリート舗装の製造方法によれば、舗装に必要な強度(例えば、曲げ強度)を有し、かつ、すべり抵抗が大きく、さらには、ひび割れが起こりにくいコンクリート舗装を製造することができる。
本発明のコンクリート舗装の製造方法は、コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる打設工程と、未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する細骨材散布工程と、不陸調整手段を用いて、軽量細骨材が散布された未硬化の舗装面を均す第一の不陸調整工程、を含むものである。以下、工程ごとに詳細に説明する。
[打設工程]
本工程は、コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる工程である。
コンクリートに用いられるセメントの例としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、ジェットセメント等の超速硬セメント等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コンクリートに用いられる細骨材の例としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、スラグ細骨材、及び軽量細骨材、またはこれらの混合物等が挙げられる。細骨材の配合量は、特に限定されず、コンクリートにおける一般的な配合量であればよい。例えば、細骨材の配合量は、セメント100質量部に対して、好ましくは100〜500質量部、より好ましくは120〜400質量部である。
コンクリートに用いられる粗骨材の例としては、川砂利、山砂利、陸砂利、海砂利、砕石、スラグ粗骨材、及び軽量粗骨材、またはこれらの混合物等が挙げられる。ただし、コンクリート舗装の強度をより大きくする観点から、上記コンクリートは軽量粗骨材を含まないことが好ましい。なお、本明細書中、軽量粗骨材とは、表乾密度が2.0g/cm以下の粗骨材をいう。
また、細骨材率(細骨材と粗骨材の合計の体積中の細骨材の体積の割合)は、好ましくは5〜60%、より好ましくは30〜50%である。細骨材率が上記範囲内であれば、硬化前のコンクリートのワーカビリティや成形のし易さが向上する。
コンクリートに用いられる水としては、特に限定されず、水道水、スラッジ水等が挙げられる。
水の配合量は特に限定されるものではなく、コンクリートの製造における一般的な配合量であればよい。例えば、本発明において、水の配合量は、水セメント比(水/セメントの質量比)の値として、好ましくは20〜60%、より好ましくは23〜55%、特に好ましくは25〜50%である。水セメント比が20%以上であれば、硬化前のコンクリートを、施工するのにより十分な軟度にすることができる。水セメント比が60%以下であれば、コンクリート舗装に必要な強度を確保することができる。
コンクリートは、硬化前のコンクリートの流動性の向上や、水セメント比を小さくして、コンクリートの強度発現性を向上させる等の観点から、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤を含んでいてもよい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記セメント分散剤の配合量は、その種類によっても異なるが、セメント100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部である。
また、本発明の目的を阻害しない範囲内で、消泡剤、凝結遅延剤等の各種混和剤や、速硬性混和材、ゴムラテックス、ポリマーエマルション、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等の各種混和材を配合してもよい。
本発明のコンクリート舗装の対象となるコンクリートの具体例としては、早期交通開放型コンクリート舗装(1DAY PAVE)に用いられる低水比早強コンクリート(水セメント比を小さくしたコンクリート);速硬性混和材を用いた速硬コンクリート;超速硬セメントを用いた超速硬コンクリート;速硬性混和材とラテックスを用いたラテックス改質速硬コンクリート等が挙げられる。
また、上記コンクリートは、作業性等の観点から、「JIS A 1101:2005(コンクリートのスランプ試験方法)」に準拠して測定されたスランプが、4cm以上(より好ましくは6cm以上)であるものが好ましい。
本工程において未硬化の舗装面を形成させる方法の一例としては、コンクリートを打設(舗設)した後、コンクリートを敷き均し、次いで、バイブレーター等を用いて締め固める方法が挙げられる。
[細骨材散布工程]
本工程は、未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する工程である。
軽量細骨材の例としては、膨張頁岩、フライアッシュ、石炭灰、粘土、膨張スレート、生コンスラッジ、ペーパースラッジ、鋳物廃砂、真珠岩、抗火石、および黒曜石等から選ばれる1種以上を主原料として製造した人工軽量骨材や、火山れき等の天然軽量骨材が挙げられる。中でも、入手の容易性や、コンクリート舗装のすべり抵抗を大きくする観点から、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるもの(換言すると、膨張頁岩の焼成物である、多孔質(発泡状)の人工軽量材)が好ましい。
軽量細骨材の絶乾密度は、好ましくは1.3g/cm以上、1.8g/cm未満であり、より好ましくは1.4〜1.75g/cm、特に好ましくは1.5〜1.7g/cmである。該絶乾密度が1.3g/cm以上であれば、より十分な強度のコンクリート舗装を得ることができる。該密度が1.8g/cm未満であれば、コンクリート舗装のすべり抵抗をより大きくすることができる。
軽量細骨材の粒度分布は、特に限定されないが、通常、「JIS A 5502:2003(構造用軽量コンクリート骨材) 4.4.2」に規定される粒度分布である。中でも、目開き5mmの篩を通過するものが80質量%以上であり、かつ、目開き0.15mmの篩を通過するものが30質量%以下である粒度分布を有する軽量細骨材が好ましい。目開き5mmの篩を通過するものが80質量%以上であれば、コンクリート舗装の曲げ強度がより向上する。目開き0.15mmの篩を通過するものが30質量%以下であれば、コンクリート舗装のすべり抵抗がより大きくなる。
軽量細骨材は、コンクリート舗装の舗装面のひび割れを防止する観点から、軽量細骨材の絶乾状態の質量(100質量%)に対して10質量%以上(好ましくは12質量%以上、30質量%未満、より好ましくは14〜28質量%)の水を含むものが好ましい。
軽量細骨材の散布量は、絶乾状態の質量で、好ましくは0.3〜2.0kg/m、より好ましくは0.5〜1.8kg/m、特に好ましくは0.8〜1.6kg/mである。該量が0.3kg/m以上であれば、コンクリート舗装のすべり抵抗をより大きくすることができる。該量が2.0kg/m以下であれば、散布された軽量細骨材がコンクリートに十分把持されるため、舗装面からの軽量細骨材の抜け落ちが少なくなる。また、より十分な曲げ強度のコンクリート舗装を得ることができる。さらに、コンクリート舗装の施工性がより向上する。
[第一の不陸調整工程]
本工程は、不陸調整手段を用いて、細骨材散布工程で得られた、軽量細骨材が散布された未硬化の舗装面を均す工程である。
不陸調整手段の例としては、フィニッシャー、簡易フィニッシャー、表面仕上げ機等を用いた機械によるものや、コテ、テンプレートタンパ、フロート等を用いた人力によるもの等が挙げられる。
未硬化の舗装面を均すことで、舗装面の平坦性を確保しながら、すべり抵抗を向上させることができる。
本工程によって、舗装面の近傍に軽量細骨材が位置している、未硬化の舗装面を得ることができる。該軽量細骨材が位置している深さ(舗装面から軽量細骨材までの深さ)は、すべり抵抗を向上させる観点から、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下、特に好ましくは1mm以下である。また、すべり抵抗を向上させる観点から、軽量細骨材の一部が、舗装面に露出していることが好ましい。
本工程で未硬化の舗装面を得た後、養生することで、舗装面の近傍に軽量細骨材が位置している状態で硬化した舗装面を有するコンクリート舗装を得ることができる。養生方法としては、特に限定されるものではなく、コンクリート舗装における一般的な養生方法を用いればよい。
また、打設工程と細骨材散布工程の間に、不陸調整手段を用いて、未硬化の舗装面を均す第二の不陸調整工程を含んでいてもよい。
不陸調整手段としては、第一の不陸調製工程において使用されるものと同様のものが挙げられる。
未硬化の舗装面を均すことで、細骨材散布工程において、細骨材をより均一に舗装面に散布することができる。また、第一の不陸調整工程において、軽量細骨材が散布された未硬化の舗装面をより容易に均すことができる。
細骨材散布工程の後に、または、打設工程と細骨材散布工程の間において、舗装面の形成において、乾燥によるひび割れの発生や表層の硬化不良等を防ぐ観点から、養生剤をコンクリートの表面に施工してもよい。ここで、施工とは、養生剤でコンクリート表面の全部または一部を覆う行為をいい、例えば、養生剤をコンクリート表面に噴霧、散布または塗布等する行為が挙げられる。養生剤としては、市販の養生剤を用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[仕上げ方法]
実施例1〜21および比較例1〜9における、未硬化の舗装面を形成させるための仕上げ方法1〜6は、以下のとおりである。
(1)仕上げ方法1:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、人工軽量細骨材を散布して、直ちに表面(舗装面)をコテで押さえて仕上げを行う。
(2)仕上げ方法2:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、人工軽量細骨材を散布し、直ちに簡易フィニッシャーを用いて表面を均して仕上げを行う。
(3)仕上げ方法3:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、簡易フィニッシャーを用いて表面を均した後、人工軽量細骨材を散布する。散布後直ちに表面をコテで押さえて仕上げを行う。
(4)仕上げ方法4:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、簡易フィニッシャーを用いて表面を均した後、直ちに表面をコテで押さえて仕上げを行う。
(5)仕上げ方法5:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、簡易フィニッシャーを用いて表面を均した後、養生剤を200g/mとなる量で散布する。散布後直ちに表面をコテで押さえて仕上げを行う。
(6)仕上げ方法6:コンクリートを打設した後、棒バイブレーターを用いて締め固める。次いで、簡易フィニッシャーを用いて表面を均した後、養生剤を200g/mとなる量で散布する。散布後直ちに表面をコテで押さえ、さらに、30分経過後箒目仕上げを行う。
なお、仕上げ方法1〜3によって形成された未硬化の舗装面は、その近傍(舗装面から1mm以下の深さの領域)に、軽量細骨材が位置し、かつ、軽量細骨材の一部が舗装面に露出しているものであった。
[実施例1〜9、比較例1〜3]
実施例1〜9及び比較例1〜3で使用した材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメント;早強ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
(2)粗骨材;茨城県桜川市産の砕石、表乾密度:2.64g/cm
(3)人工軽量細骨材;太平洋セメント社製、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるもの、商品名「アサノライト細骨材」、絶乾密度:1.66g/cm、吸水率:14.9%、絶乾状態の質量(100質量%)に対する水の量:15、20または25質量%、目開き5mmの篩を通過するものが80質量%以上であり、かつ、目開き0.15mmの篩を通過するものが30質量%以下であるもの
(4)細骨材;静岡県掛川市産の山砂、表乾密度:2.55g/cm
(5)高性能AE減水剤;BASFジャパン社製、商品名「マスターグレニウムSP8SV」
(6)養生剤;太平洋マテリアル社製、商品名「キュアキーパー」
表1に示す種類の材料、および、配合に従って、セメント、細骨材、及び粗骨材を強制練2軸ミキサに投入して15秒間空練りした後、高性能AE減水剤を予め溶解した水を投入して、120秒間混練して、コンクリートを調製した。その後、仕上げを行った。
得られた仕上げ後のコンクリート舗装を用いて、以下の方法に従って、すべり抵抗値およびひび割れの総延長、並びに、曲げ強度を測定した。なお、人工軽量細骨材の散布量および水の量(絶乾状態の人工軽量細骨材の質量(100質量%)に対する水の量)は表2に示すとおりであった。また、曲げ強度試験は、打設後24時間経過した時に測定を行った。
なお、調製したコンクリートは、早期交通開放型コンクリート舗装(1DAY PAVE)に用いられる低水比早強コンクリートに該当するものである。
結果を表2に示す。
[すべり抵抗値およびひび割れの総延長]
得られたコンクリートを用いて、縦1m×横2m×厚さ10cmの版体となるようにコンクリートを打設し、表2に示す種類の仕上げ方法(上述)を行うことによってコンクリート舗装を作製した。コンクリート舗装を作製した後、常温でそのまま静置することで養生を行った。
得られたコンクリート舗装について、仕上げ方法の終了後、28日経過した時に、「JHS 221 (英国式ポータブル・スキッド・レジスタンス・テスタによる路面のすべり抵抗値(BPN)の測定方法)」に準拠して、すべり抵抗値(BPN:British Pundulm Number)を測定した。
なお、すべり抵抗値が大きいほど、すべり抵抗が大きいことを意味する。また、すべり抵抗値が40以上であれば、舗装として十分なすべり抵抗を有しているものと判断できる。
また、得られたコンクリート舗装について、仕上げ方法の終了後、24時間経過した時に、舗装面のひび割れを目視観察し、幅が2.0mm以上のひび割れについて、長さを計測した。該長さを合計してひび割れの総延長を算出した。
[曲げ強度試験]
100×100×400mmの角柱型枠(打設のために開口した面の寸法:100×400mm)にコンクリートを打設し、表2に示す種類の仕上げ方法(上述)によってコンクリートの舗装を作製した。コンクリート舗装を作製した後、常温でそのまま静置することで養生を行った。
得られたコンクリート舗装を用いて、「JIS A 1106:2006(コンクリートの曲げ強度試験方法)」に準拠して、曲げ強度を測定した。
なお、判定基準として、曲げ強度が3.5N/mm以上であれば、舗装として十分な曲げ強度を有しているものと判断できる。
Figure 2019065512
Figure 2019065512
[実施例10〜12、比較例4〜6]
実施例10〜12及び比較例4〜6で使用した材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメント;普通ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
(2)粗骨材;茨城県桜川市産の砕石、表乾密度:2.64g/cm
(3)人工軽量細骨材;太平洋セメント社製、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるもの、商品名「アサノライト細骨材」、絶乾密度:1.66g/cm、吸水率:14.9%、細骨材の絶乾状態の質量(100質量%)に対する水の量:15、20または25質量%、目開き5mmの篩を通過するものが80質量%以上であり、かつ、目開き0.15mmの篩を通過するものが30質量%以下であるもの
(4)細骨材;静岡県掛川市産の山砂、表乾密度:2.55g/cm
(5)速硬性混和材:太平洋マテリアル社製、商品名「Facet」
(6)AE減水剤;BASFジャパン社製、商品名「マスターポゾリス 78S(T)」
(7)養生剤;太平洋マテリアル社製、商品名「キュアキーパー」
(8)遅延剤;太平洋マテリアル社製、商品名「Facetセッター」
表3に示す種類の材料、および、ベースコンクリートの配合に従って、セメント、細骨材、及び粗骨材を強制練2軸ミキサに投入して15秒間空練りした後、AE減水剤を予め溶解した水を投入して、120秒間混練して、ベースコンクリートを調製した。
得られたベースコンクリートに、表3に示す後添加材料の配合に従って、遅延剤を予め溶解した水を投入して30秒間混練し、さらに速硬性混和材を投入して、180秒間混練して、コンクリートを調製した。その後、仕上げを行った。
なお、調製したコンクリートは、速硬コンクリートに該当するものである。
得られた仕上げ後のコンクリート舗装を用いて、実施例1と同様にして、すべり抵抗値およびひび割れの総延長、並びに、曲げ強度を測定した。なお、仕上げ方法および人工軽量細骨材の散布量および水の量(絶乾状態の人工軽量細骨材の質量(100質量%)に対する水の量)は表4に示すとおりであった。また、曲げ強度試験は、打設後6時間経過した時に測定を行った。
結果を表4に示す。
Figure 2019065512
Figure 2019065512
[実施例13〜21、比較例7〜9]
実施例13〜21及び比較例7〜9で使用した材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメント;普通ポルトランドセメント、太平洋セメント社製
(2)粗骨材;愛知県今治市産の砕石、絶乾品、絶乾密度:2.71g/cm
(3)人工軽量細骨材;太平洋セメント社製、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるもの、商品名「アサノライト細骨材」、絶乾密度:1.66g/cm、吸水率:14.9%、細骨材の絶乾状態の質量(100質量%)に対する水の量:15、20または25質量%、目開き5mmの篩を通過するものが80質量%以上であり、かつ、目開き0.15mmの篩を通過するものが30質量%以下であるもの
(4)細骨材;広島県呉市産の砕砂、絶乾品、絶乾密度:2.56g/cm
(5)速硬性混和材:太平洋マテリアル社製、商品名「Facet」
(6)養生剤;太平洋マテリアル社製、商品名「キュアキーパー」
(7)遅延剤;太平洋マテリアル社製、商品名「Facetセッター」
(8)ポリマーエマルション;太平洋マテリアル社製、商品名「モディφ」
表5に示す種類の材料、および、配合に従って、セメント、細骨材、粗骨材、及び、速硬性混和材を強制練2軸ミキサに投入して15秒間空練りした後、ポリマーエマルション、及び、遅延剤を予め溶解した水を投入して、120秒間混練して、コンクリートを調製した。その後、仕上げを行った。
なお、調製したコンクリートは、ラテックス改質速硬コンクリートに該当するものである。
得られた仕上げ後のコンクリート舗装を用いて、実施例1と同様にして、すべり抵抗値およびひび割れの総延長、並びに、曲げ強度を測定した。なお、仕上げ方法および人工軽量細骨材の散布量は表6に示すとおりであった。また、曲げ強度試験は、打設後12時間経過した時に測定を行った。
結果を表6に示す。
Figure 2019065512
Figure 2019065512
表2から、実施例1〜9におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長は0〜25cmであり、比較例1〜3におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長(43〜74cm)よりも小さいことがわかる。
表4から、実施例10〜12におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長は0〜34cmであり、比較例4〜6におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長(45〜85cm)よりも小さいことがわかる。
表6から、実施例13〜21におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長は0〜18cmであり、比較例4〜6におけるコンクリート舗装のひび割れの総延長(18〜32cm)と比較して同等以下であることがわかる。
また、実施例1〜21におけるコンクリート舗装のすべり抵抗値は44〜61であり、比較例1〜9におけるコンクリート舗装のすべり抵抗値(21〜31)よりも大きいことがわかる。
さらに、実施例1〜21におけるコンクリート舗装の曲げ強度は3.6N/mm以上であり、舗装として十分な強度を有していることがわかる。

Claims (5)

  1. コンクリートを打設して、未硬化の舗装面を形成させる打設工程と、
    上記未硬化の舗装面に、軽量細骨材を散布する細骨材散布工程と、
    不陸調整手段を用いて、上記軽量細骨材が散布された上記未硬化の舗装面を均す第一の不陸調整工程、
    を含むことを特徴とするコンクリート舗装の製造方法。
  2. 上記打設工程と上記細骨材散布工程の間に、不陸調整手段を用いて、上記未硬化の舗装面を均す第二の不陸調整工程を含む請求項1に記載のコンクリート舗装の製造方法。
  3. 上記軽量細骨材が、膨張頁岩を焼成および発泡させてなるものである請求項1又は2に記載のコンクリート舗装の製造方法。
  4. 上記細骨材散布工程において、上記軽量細骨材として、上記軽量細骨材の絶乾状態の質量(100質量%)に対して10質量%以上の水を含むものを用いる請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリート舗装の製造方法。
  5. 上記細骨材散布工程における上記軽量細骨材の散布量が、絶乾状態の質量で、0.3〜2.0kg/mである請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリート舗装の製造方法。
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