JP6396000B2 - コンクリート舗装 - Google Patents
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しかし、被膜養生では、ブリーディング水による膜養生剤の希釈や流動を防止するため、ブリーディング水の消失を待って散布や塗布を行う必要があり、その分作業が遅延していた。
そこで、特許文献1では、ブリーディング水の消失を待たずに散布等できる膜養生剤とこれを用いた養生方法が提案されている。具体的には、これらは、樹脂またはパラフィン類を有機溶剤に溶解させてなる膜養生剤(請求項1)と、これを施工後のコンクリート表面に塗布して皮膜を形成し、コンクリートの硬化初期と後期における水分蒸発を抑制するコンクリートの養生方法(請求項3)である。
[1]軽量細骨材と細骨材の吸水率(加重平均)が3.43〜7.65%である軽量細骨材と細骨材を、コンクリート中に合計の単位量で520〜579kg/m 3 含み、かつ、軽量細骨材の単位量が55〜221kg/m 3 である、プラステックひび割れの発生が少ないコンクリート舗装(ただし、ポーラスコンクリートを除く。)。
(1)軽量細骨材
本発明のコンクリート舗装に用いる軽量細骨材は、吸水率が4〜20%である。吸水率が4%未満ではひび割れ抑制効果が小さく、20%を超えるとコンクリート舗装の耐摩耗性が低下する場合がある。また、前記吸水率は、好ましくは6〜18%であり、より好ましくは8〜16%である。なお、前記吸水率および後記表乾密度はJIS A 1134「構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法」に準拠して求めることができる。
また、前記軽量細骨材の単位量は、好ましくは30〜800kg/m3、より好ましくは70〜700kg/m3、さらに好ましくは100〜600kg/m3である。前記単位量が30kg/m3未満ではコンクリートのひび割れ抑制効果が少ない場合があり、800kg/m3を超えるとコンクリートの耐久性が低下する場合がある。
本発明のコンクリート舗装では、軽量細骨材のみを用いるほかに、後記の実施例に示すように、軽量細骨材と通常の細骨材の混合物を用いることができる。この軽量細骨材と通常の細骨材の混合割合は、コンクリート舗装に要求されるひび割れ抑制効果や耐摩耗性等の程度に応じて決定することができる。例えば、前記混合割合を、軽量細骨材と通常の細骨材の合計の質量を100とした場合の軽量細骨材の含有率で示せば、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。なお、前記通常の細骨材は、特に限定されず、例えば、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、およびスラグ細骨材等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、前記通常の細骨材は、天然骨材のほかに再生骨材も用いることができる。
本発明のコンクリート舗装に用いる粗骨材は、特に限定されず、例えば、砂利、砕石、スラグ粗骨材、および軽量粗骨材から選ばれる1種以上が挙げられる。また、前記粗骨材は、天然骨材のほかに再生骨材も用いることができる。
本発明のコンクリート舗装に用いるセメントは、特に制限されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、石炭灰含有セメント、シリカセメント、白色セメント、およびエコセメント等から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明のコンクリート舗装に用いる水は、コンクリート舗装の凝結や強度に悪影響を与えないものであれば用いることができ、例えば、水道水、下水処理水、および生コンクリートの上澄水等から選ばれる1種以上が挙げられる。
前記コンクリート舗装は、さらに、コンクリートの硬化後の乾燥収縮によるひび割れを防止するために膨張材や収縮低減剤等を含んでもよい。
前記膨張材は、水和により水酸化カルシウムやエトリンガイト等の水和物の結晶が成長して、嵩体積が大きくなる材料であればよく、例えば、生石灰、カルシウムサルホアルミネート、石膏、マグネシア、石灰系膨張材、およびエトリンガイト系膨張材等から選ばれる1種以上が挙げられる。前記膨張材の単位量は、好ましくは10〜30kg/m3、より好ましくは15〜25kg/m3である。前記単位量が10kg/m3未満ではコンクリートの乾燥収縮の低減効果が低く、30kg/m3を超えるとコスト高になる。
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有割合は、セメント100質量部に対し好ましくは1〜10質量部、より好ましくは3〜7質量部である。前記含有率が1質量部未満ではひび割れの発生抑制効果が低く、10質量部を超えるとコスト高になる。
なお、前記膨張材や収縮低減剤は、コンクリートの硬化後の乾燥収縮によるひび割れの抑制に有効であっても、プラスティックひび割れの抑制には効果がない。これは、乾燥収縮によるひび割れとプラスティックひび割れの発生メカニズムが、全く異なることに起因している。
本発明のひび割れ抑制方法は、前記のとおり、吸水率が4〜20%、および表乾密度が1.3〜2.0/cm3である軽量細骨材を、コンクリート中に単位量で30〜800kg/m3混合して、コンクリート舗装のひび割れの発生を抑制する方法である。
後記の実施例に示すように、本発明の方法は、通常の細骨材を用いてコンクリート舗装を施工する従来の方法と比べ、ひび割れの発生を顕著に抑制することができる。
本発明の方法において、さらにひび割れの発生をより抑制するために、水性養生剤をコンクリート表面に施工することができる。ここで、施工とは、水性養生剤でコンクリート表面の全部または一部を覆う行為をいい、例えば、水性養生剤をコンクリート表面に噴霧、散布または塗布等する行為が挙げられる。前記水性養生剤は、樹脂およびパラフィンから選ばれる1種以上を水に分散および/または溶解した状態で含む養生剤であり、市販の水性養生剤を用いることができる。
一般に、コンクリート舗装工事は、コンクリートの舗設(打設)→コンクリートの敷きならし→コンクリートの締固め→表面仕上げ→養生の順に行われる。そして、従来、養生剤を用いた養生は、コンクリート表面に形成された養生剤の層が表面仕上げにより破損して水分の蒸発を十分に防止できないと予想されるため、表面仕上げ後に行われていた。ところが、本発明において、養生剤の施工を表面仕上げ前に行ったところ、表面仕上げ後に行った場合と比べ、従来の予想に反しひび割れ抑制効果が格段に高くなる。
したがって、本発明における表面仕上げ前は、荒仕上げ前、平坦仕上げ前、および粗面仕上げ前のいずれでもよいが、プラスティックひび割れの抑制の観点から、好ましくは荒仕上げ後でかつ平坦仕上げ前である。
1.使用材料
表1に使用材料を示す。
表2に示す配合に従い、セメント、細骨材、軽量細骨材、および粗骨材を強制練りミキサーに投入して15秒間空練りした後、さらに混和剤を溶解した水を投入して120秒間混練しコンクリートを調製した。なお、コンクリートの混練は、プラスティックひび割れの発生を促進させるため30℃で行った。
また、コンクリートのすべり抵抗性試験は、JHS 221「英国式ポータブル・スキッドレジスタンステスタによる路面のすべり抵抗値(BPN)の測定方法」に準拠して行った。また、コンクリートの耐摩耗性試験は、JIS K 7204「プラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法」に準拠し、摩耗輪(H22)が300回転した時のコンクリートの質量減少量を測定して行った。これらの結果を表2に示す。
前記調製したコンクリートを図1に示す鋼製拘束型枠に投入して、コンクリートの締固めとコテを用いて表面仕上げを行った後、白熱電球を用いてコンクリート表面に光を照射するとともに、気温40℃、相対湿度30%、および風速約4m/秒の条件下で送風してひび割れの発生を促進させた。そして、打設後24時間経過した時に、クラックスケールを用いてコンクリート表面に発生したひび割れの幅および長さを測定し、ひび割れ面積を求めた。また、コンクリートを打設してから最初にひび割れが発生するまでの時間を測定した。これらの結果を図2および図3に示す。
図2に示すように、コンクリート表面のひび割れ面積は、通常の細骨材を用いた比較例では2872mm2/m2であるのに対し、軽量細骨材を用いた実施例(本発明)では441〜1257mm2/m2であり、ひび割れ面積は1/7〜1/2に顕著に減少している。
また、図3に示すように、ひび割れが発生する時間は、比較例では45分であるのに対し、実施例では100〜255分と2〜5倍にも伸びるため、養生剤の散布等の後工程に取り掛かるまでの時間を十分に確保でき、作業の自由度が格段に拡大する。一般的に、養生剤を散布した後は、ひび割れの発生が抑制されることが知られており、養生剤を散布する前において、ひび割れが発生する時間が延びることは、ひび割れの抑制対策として極めて有効である。
なお、実施例3および4のすべり抵抗値と耐摩耗性は、通常の細骨材を用いた比較例と同等であるから、本発明のコンクリート舗装は、通常のコンクリート舗装と舗装の特性は同じといえる。
Claims (1)
- 軽量細骨材と細骨材の吸水率(加重平均)が3.43〜7.65%である軽量細骨材と細骨材を、コンクリート中に合計の単位量で520〜579kg/m3含み、かつ、軽量細骨材の単位量が55〜221kg/m3である、プラスティックひび割れの発生が少ないコンクリート舗装(ただし、ポーラスコンクリートを除く。)。
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