JP7356648B2 - すべり抵抗性の向上方法、及び、セメント硬化体 - Google Patents

すべり抵抗性の向上方法、及び、セメント硬化体 Download PDF

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Description

本発明は、セメント硬化体から構成される舗装路面におけるすべり抵抗性の向上方法、及び、該方法によりすべり抵抗性が向上したセメント硬化体に関する。
すべり抵抗性には、舗装路面のテクスチャが密接に関係することが知られている(非特許文献1)。テクスチャは、ある仮想の基準面からの凹凸であり、路面プロファイルの波長によって区分けされている。例えば、マクロテクスチャは、路面の水平方向における波長が0.5~50mmであり、タイヤの変形に伴うヒステリシスロスによる摩擦力に寄与する。また、マイクロテクスチャは、路面の水平方向における波長が0.5mm未満であり、タイヤと路面が接触する際に骨材表面等の排水を促進し、十分な接触面積による凝着せん断として摩擦力に寄与する。
従来、舗装路面のすべり抵抗性を向上させるために、該舗装路面にマクロテクスチャを形成する方法が知られている。例えば、硬化前の舗装路面には、ほうきで跡(ほうき目)を付ける方法、リング状の溝跡を付ける真空コンクリート舗装(リング工法)が行われている。その他にも、開粒度アスファルト混合物の空隙に特殊なセメントミルクを浸透させる舗装(半たわみ性舗装)として、セメントミルクを注入した後、硬化する前に砂を散布してすべり抵抗性を確保する方法が知られている(特許文献1)。また、硬化後の舗装路面には、カッターで凹凸を付けるダイヤモンドグライディング工法、樹脂系バインダ及び砂を散布するニート工法等が行われている。
特公平05-059201号公報
舗装工学ライブラリー10「路面テクスチャとすべり」、公益社団法人 土木学会、平成25年3月31日、1ページ
しかしながら、ほうき目等により形成したマクロテクスチャは、タイヤの摩耗により消失する場合があり、特に車両の走行が多い舗装路面において、すべり抵抗性が低下するという問題がある。このような問題を解決するため、マイクロテクスチャの形成によって、舗装路面におけるすべり抵抗性を向上させる技術が求められている。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、マイクロテクスチャの形成によって、すべり抵抗性を向上させることが可能なすべり抵抗性の向上方法、及び、該方法によりすべり抵抗性が向上したセメント硬化体を提供することを課題とする。
本発明に係るすべり抵抗性の向上方法は、セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させる方法であって、前記セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成するテクスチャ形成工程を含む。
セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されることにより、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。
本発明に係るすべり抵抗性の向上方法において、前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含むことが好ましい。
テクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。また、例えば、マイクロテクスチャが形成されたセメント硬化体の表面に、ほうき目等のマクロテクスチャを形成してすべり抵抗性を向上させる場合において、該マクロテクスチャがタイヤの摩耗により消失したとしても、本発明に係るすべり抵抗性の向上方法では、セメント硬化体の表面に前記マイクロテクスチャが形成されているため、優れたすべり抵抗性を持続させることができる。
本発明に係るすべり抵抗性の向上方法は、前記テクスチャ形成材の密度が2.5g/cm以上4.5g/cm未満であることが好ましい。
前記範囲の密度を有するテクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性をより向上させることができる。
本発明に係るすべり抵抗性の向上方法において、前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された型枠を用いて、前記セメント組成物の表面に前記マイクロテクスチャを転写する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含むことが好ましい。
波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された型枠を用いて、セメント組成物の表面にマイクロテクスチャを転写することにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。
本発明に係るセメント硬化体は、表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成される。
セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されることにより、セメント硬化体のすべり抵抗性を向上させることができる。
本発明に係るセメント硬化体は、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を含有するセメント組成物を硬化させてなることが好ましい。
テクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、セメント硬化体のすべり抵抗性を向上させることができる。また、例えば、マイクロテクスチャが形成されたセメント硬化体の表面に、ほうき目等のマクロテクスチャを形成してすべり抵抗性を向上させる場合において、該マクロテクスチャがタイヤの摩耗により消失したとしても、本発明に係るセメント硬化体では、表面に前記マイクロテクスチャが形成されているため、優れたすべり抵抗性を持続させることができる。
本発明に係るセメント硬化体は、前記テクスチャ形成材の密度が2.5g/cm以上4.5g/cm未満であることが好ましい。
前記範囲の密度を有するテクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体のすべり抵抗性をより向上させることができる。
本発明によれば、マイクロテクスチャの形成により、すべり抵抗性を向上させることが可能なすべり抵抗性の向上方法、及び、該方法によりすべり抵抗性が向上したセメント硬化体を提供することができる。
試験Aの供試体におけるテクスチャの波長とPSDとの関係を示すグラフである。 試験Bの供試体におけるテクスチャの波長とPSDとの関係を示すグラフである。
以下、本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法、及び、該方法によりすべり抵抗性が向上したセメント硬化体について説明する。
<すべり抵抗性の向上方法>
本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法は、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成するテクスチャ形成工程を含む。前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含む。
セメント組成物に含まれるセメントとしては、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメント;高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の混合セメント;超速硬セメント、アルミナセメント等の公知のセメントを用いることができる。なお、セメントは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
セメントの配合量は、単位量(kg/m:セメント硬化体1m当たりの質量)で、250kg/m以上500kg/m以下であることが好ましく、300kg/m以上400kg/m以下であることがより好ましい。
セメント組成物に含まれる骨材としては、細骨材、粗骨材等が挙げられる。
細骨材とは、10mm網ふるいを全部通過し、5mm網ふるいを質量で85%以上通過する骨材のことをいう(JIS A 0203:2014)。細骨材としては、例えば、JIS A 5308附属書Aレディミクストコンクリート用骨材で規定される山砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂、石灰石砕砂等の天然由来の砂、高炉スラグ、電気炉酸化スラグ、フェロニッケルスラグ等のスラグ由来の砂等が挙げられる。なお、これらの細骨材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
細骨材率は、舗装路面における擦り減り抵抗性やすべり抵抗性を向上させる観点から、35%以上45%以下であることが好ましく、38%以上42%以下であることがより好ましい。
細骨材の配合量は、単位量(kg/m:セメント硬化体1m当たりの質量)で、550kg/m以上850kg/m以下であることが好ましく、650kg/m以上750kg/m以下であることがより好ましい。
粗骨材とは、5mm網ふるいに質量で85%以上とどまる骨材のことをいう(JIS A 0203:2014)。粗骨材としては、例えば、川砂利、山砂利、海砂利等の天然骨材、砂岩、硬質石灰岩、玄武岩、安山岩等の砕石等の人工骨材、再生骨材等が挙げられる。なお、これらの粗骨材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粗骨材の配合量は、単位量(kg/m:セメント硬化体1m当たりの質量)で、850kg/m以上1300kg/m以下であることが好ましく、950kg/m以上1100kg/m以下であることがより好ましい。
セメント組成物に含まれるテクスチャ形成材は、粒度が0.04mm以上0.5mm以下であり、すべり抵抗性を維持する観点から、0.04mm以上0.2mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.1mm以下であることがより好ましい。
このようなテクスチャ形成材としては、例えば、サンドブラスト砂、珪砂等が挙げられる。これらの中でも、テクスチャ形成材は、粒度が調整された状態で市販され、一般的に入手しやすく、また、舗装路面の研鑽にも用いられる等の観点から、サンドブラスト砂であることが好ましい。なお、これらのテクスチャ形成材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
テクスチャ形成材の密度は、すべり抵抗性を向上させる観点から、2.5g/cm以上4.5g/cm以下であることが好ましく、2.6g/cm以上4.0g/cm以下であることがより好ましい。
テクスチャ形成材の配合量は、単位量(kg/m:セメント硬化体1m当たりの質量)で、250kg/m以上1000kg/m以下であることが好ましく、350kg/m以上600kg/m以下であることがより好ましい。
テクスチャ形成材の含有量は、セメント硬化体の全容積に対して、7%以上26%以下であることが好ましく、9%以上14%以下であることがより好ましい。
セメント組成物に含まれる水としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、工業用水、回収水、地下水、河川水、雨水等を使用することができる。水の配合量は、単位量(kg/m:セメント硬化体1m当たりの質量)で、150kg/m以上175kg/m以下であることが好ましく、155kg/m以上165kg/m以下であることがより好ましい。
水セメント比は、セメント硬化体の強度を向上させる観点から、30%以上60%以下であることが好ましく、40%以上50%以下であることがより好ましい。
セメント組成物は、さらに、混和材を含んでいてもよい。混和材としては、例えば、フライアッシュ、シリカフューム、セメントキルンダスト、高炉フューム、高炉水砕スラグ微粉末、高炉除冷スラグ微粉末、転炉スラグ微粉末、半水石膏、膨張材、石灰石微粉末、生石灰微粉末、ドロマイト微粉末等の無機質微粉末、ナトリウム型ベントナイト、カルシウム型ベントナイト、アタパルジャイト、セピオライト、活性白土、酸性白土、アロフェン、イモゴライト、シラス(火山灰)、シラスバルーン、カオリナイト、メタカオリン(焼成粘土)、合成ゼオライト、人造ゼオライト、人工ゼオライト、モルデナイト、クリノプチロライト等の無機物系フィラーが挙げられる。なお、混和材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
セメント組成物は、さらに、混和剤を含んでいてもよい。混和剤としては、例えば、AE剤、AE減水剤、流動化剤、分離低減剤、凝結遅延剤(例えば、酒石酸等)、凝結促進剤(例えば、硫酸アルミニウム等)、急結剤、収縮低減剤、起泡剤、発泡剤、防水剤等が挙げられる。なお、混和剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
セメント組成物は、練り上がり直後の空気量が、耐凍害性の増大やワーカビリティ改善等の観点から、3.0%以上7.0%以下であることが好ましく、4.0%以上6.0%以下であることがより好ましい。
上述のセメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得ることにより、該セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。
テクスチャの波長とは、表面の水平方向において周期的に繰り返される曲線間の最小距離をいう。テクスチャの波長は、表面粗さ測定機サーフテスト(ミツトヨ社製)を用いて、接触式で測定することができる。具体的には、サーフテストで得られた波形を文献(土木学会:舗装工学ライブラリー1、路面のプロファイリング入門)に準じてフーリエ変換し、波長(波数の逆数)における振幅(凹凸の相対高さ)の2乗とするパワースペクトル密度PSD(μm/mm)を算出する。そして、X軸を波長、Y軸をPSDとしてグラフを作成した際、ピークを示す波長をテクスチャの波長とする。なお、サーフテストの測定は30回行い、そのデータを平均化してフーリエ変換を行う。
本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法は、セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させる方法であって、前記セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成するテクスチャ形成工程を含む。セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されることにより、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。
本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法において、前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含むことが好ましい。テクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。また、例えば、マイクロテクスチャが形成されたセメント硬化体の表面に、ほうき目等のマクロテクスチャを形成してすべり抵抗性を向上させる場合において、該マクロテクスチャがタイヤの摩耗により消失したとしても、本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法では、セメント硬化体の表面に前記マイクロテクスチャが形成されているため、優れたすべり抵抗性を持続させることができる。
本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法は、前記テクスチャ形成材の密度が2.5g/cm以上4.5g/cm未満であることが好ましい。前記範囲の密度を有するテクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性をより向上させることができる。
本実施形態に係るすべり抵抗性の向上方法では、テクスチャ形成工程において、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含む。しかしながら、前記すべり抵抗性の向上方法は、当該構成に限定されるものではなく、セメントと、骨材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された型枠を用いて、前記セメント組成物の表面に前記マイクロテクスチャを転写する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含んでいてもよい。
波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された型枠を用いて、セメント組成物の表面にマイクロテクスチャを転写することにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、該セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させることができる。
<セメント硬化体>
本実施形態に係るすべりセメント硬化体は、表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成される。セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されることにより、セメント硬化体のすべり抵抗性を向上させることができる。
本実施形態に係るセメント硬化体は、上述のセメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を含有するセメント組成物を硬化させてなることが好ましい。テクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成することができる。その結果、セメント硬化体のすべり抵抗性を向上させることができる。また、例えば、マイクロテクスチャが形成されたセメント硬化体の表面に、ほうき目等のマクロテクスチャを形成してすべり抵抗性を向上させる場合において、該マクロテクスチャがタイヤの摩耗により消失したとしても、本実施形態に係るセメント硬化体では、表面に前記マイクロテクスチャが形成されているため、優れたすべり抵抗性を持続させることができる。
本実施形態に係るセメント硬化体において、前記テクスチャ形成材の密度は、2.5g/cm以上4.5g/cm未満であることが好ましい。前記範囲の密度を有するテクスチャ形成材を含むセメント組成物を硬化させることにより、セメント硬化体のすべり抵抗性をより向上させることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[試験A]
<セメント組成物の作製>
SKミキサー(エスケーミキサー社製)を用いて、表1に示す配合量でセメント、細骨材及びテクスチャ形成材を30秒間空練りした後、混練水を投入して2分間練り混ぜることにより、各実施例及び比較例のセメント組成物を作製した。なお、本試験では、表2に示すコンクリート組成物の配合から粗骨材を除き、1バッチ当たり2.5Lとして換算したモルタル組成物を用いて評価を行った。
表1及び表2に示す各成分の詳細を以下に示す。
水(W):水道水
セメント(C):普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)、密度 3.15g/cm
細骨材(S):山砂 F.M2.58(掛川市産)、密度 2.60g/cm
粗骨材(G):砕石 2005 F.M6.66(西茨城郡産)、密度 2.64g/cm
減水剤(SP):マスターグレニウムSP8SV(BASF社製)
テクスチャ形成材(AD)
#36:サンドブラスト砂♯36、粒度 0.425~0.50mm、密度 3.97g/cm
#120:サンドブラスト砂♯120、粒度 0.09~0.106mm、密度 3.97g/cm
#180:サンドブラスト砂♯180、粒度 0.05~0.06mm、密度 3.97g/cm
#220:サンドブラスト砂♯220、粒度 0.04~0.05mm、密度 3.97g/cm
<供試体の作製>
得られたセメント組成物を用いて、幅12.5cm×長さ30cm×厚さ5cmの供試体を作製した。そして、コテ仕上げを行った後、#2000のサンドペーパーで5分間研磨してペーストの膜を除去することにより、各実施例及び比較例の供試体を作製した。テクスチャの波長とPSDとの関係を図1に示す。また、各実施例及び比較例の供試体には、供用中の車のタイヤによりすり磨かれることを想定して、さらにサンドペーパー#180で12分間研磨した後、サンドペーパー#360で6分間、#800で6分間、#2000で6分間研磨することにより、合計30分間の研磨を行った。
<すべり抵抗性の評価>
すべり抵抗性の試験は、舗装調査・試験法便覧S021―2振り子式スキッドレジスタンステスタ(BPN)によるすべり抵抗測定方法に準拠して行った。本試験では、BPNが60以上の供試体を合格と判定した。BPNの結果を表3に示す。なお、実施例A1,A3~A6については、12分間研磨後のBPNの測定を行わなかった。
表3の結果から分かるように、テクスチャ形成材を添加することにより表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された各実施例の供試体は、すべり抵抗性を向上させることができる。また、実施例A1~A3,A5,A6の供試体は、テクスチャ形成材の粒度が0.04mm以上0.2mm以下であるため、優れたすべり抵抗性を維持できることが分かる。
一方、テクスチャ形成材が添加されず、表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されていない比較例A1の供試体は、すべり抵抗性に劣る。また、12分間研磨後に細骨材が露出してすべり抵抗性が向上するものの、研磨を続けるとすべり抵抗性が低下することから、すべり抵抗性を維持できないことが分かる。
[試験B]
<セメント組成物の作製>
SKミキサー(エスケーミキサー社製)を用いて、表4に示す配合量でセメント及び細骨材を30秒間空練りした後、混練水を投入して2分間練り混ぜることにより、セメント組成物を作製した。なお、セメント硬化体から構成される舗装路面は、表層がモルタル組成物から構成される。そのため、本試験では、表5に示すコンクリート組成物の配合から粗骨材を除き、1バッチ当たり2.5Lとして換算したモルタル組成物を用いて評価を行った。
表4及び表5に示す各成分の詳細を以下に示す。
水(W):水道水
セメント(C):普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)、密度 3.15g/cm
細骨材(S):山砂 F.M2.58(掛川市産)、密度 2.60g/cm
粗骨材(G):砕石 2005 F.M6.66(西茨城郡産)、密度 2.64g/cm
<供試体の作製>
(比較例B1)
得られたセメント組成物を用いて、幅12.5cm×長さ30cm×厚さ5cmの供試体を作製した。そして、供試体の表面に金ゴテ仕上げを行うことにより、比較例B1の供試体を作製した。テクスチャの波長とPSDとの関係を図2に示す。
(実施例B1)
波長が0.1mmの旋盤跡がある型枠を用いて、比較例B1の供試体が硬化する前に、該供試体の表面にマイクロテクスチャを転写することにより、実施例B1の供試体を作製した。テクスチャの波長とPSDとの関係を図2に示す。
<すべり抵抗性の評価>
すべり抵抗性の試験は、舗装調査・試験法便覧S021―2振り子式スキッドレジスタンステスタ(BPN)によるすべり抵抗測定方法に準拠して行った。本試験では、BPNが60以上の供試体を合格と判定した。BPNの結果を表6に示す。
表6の結果から分かるように、表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された実施例B1の供試体は、すべり抵抗性を向上させることができる。
一方、表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成されていない比較例B1の供試体は、すべり抵抗性に劣る。

Claims (5)

  1. セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させる方法であって、
    前記セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成するテクスチャ形成工程を含み、
    前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含む、すべり抵抗性の向上方法。
  2. 前記テクスチャ形成材の密度が2.5g/cm以上4.5g/cm未満である、請求項に記載のすべり抵抗性の向上方法。
  3. セメント硬化体から構成される舗装路面のすべり抵抗性を向上させる方法であって、
    前記セメント硬化体の表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャを形成するテクスチャ形成工程を含み、
    前記テクスチャ形成工程は、セメントと、骨材と、水と、を練り混ぜてセメント組成物を作製する工程と、0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成された型枠を用いて、前記セメント組成物の表面に前記マイクロテクスチャを転写する工程と、前記セメント組成物を硬化させてセメント硬化体を得る工程と、を含む、すべり抵抗性の向上方法。
  4. 表面に波長が0.1mm以下のマイクロテクスチャが形成され、
    セメントと、骨材と、粒度が0.04mm以上0.5mm以下のテクスチャ形成材と、水と、を含有するセメント組成物を硬化させてなる、セメント硬化体。
  5. 前記テクスチャ形成材の密度が2.5g/cm以上4.5g/cm未満である、請求項に記載のセメント硬化体。
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本木 新,2次元テクスチャ解析を用いた路面摩擦に影響を及ぼす因子に関する研究,中央大学大学院研究年報 理工学研究科編,37,日本,中央大学,2007年07月01日

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