JP2019064131A - ステイナブル性化粧シート及び化粧シートの着色方法 - Google Patents

ステイナブル性化粧シート及び化粧シートの着色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙基材と不織布との接着性を良好にしつつ、表面の触感及びステイナブル性が良好であるステイナブル性化粧シート、及び該ステイナブル性化粧シートを用いた化粧シートの着色方法を提供する。【解決手段】紙基材10と、紙基材10の少なくとも一方の面11側に設けられたポリオレフィン系樹脂を含む接着層20と、接着層20の紙基材10が設けられた面の他方の面側に設けられた不織布層30とを備え、不織布層30は、層内の厚み方向の接着層20が設けられた面30a側において、不織布層30を構成する繊維の空隙の一部にポリオレフィン系樹脂が充填してなる充填部31を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ステイナブル性化粧シート及び化粧シートの着色方法に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)基材上に絵柄層を印刷した後、不織布と熱融着させた化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該構成からなる化粧シートは、表面に不織布によって微細な凹凸が付与され、木材に酷似した触感を得ることができる点が消費者に好まれている。
また、主に欧米を中心として、ステイン(stain)塗料を用いて、一般消費者が自ら木材から成る建築物内裝材の表面を塗装すること、木材から成る家具等表面を塗装すること(DIY:Do it yourself)が行われている。斯かるステイン塗料は木材内部に浸透してこれを着色せしめる塗料であり、木材自体の木目を隱蔽すること、表面に造膜することが実施上無く、木目、照り(眞珠状光沢)等の木材固有の意匠外観を生かせる特徴が有る。近年、建築物内裝材や家具の表面材として、天然木では無く、シート状基材の表面に木目模樣を印刷して成る化粧シートを積層した形態のものも多用されるようになった。このため、当該ステイン塗装に対応可能な構成の化粧シート(以下、ステイナブル性化粧シートと呼稱する)も製造されている。具体的には、購入者自らステイン塗料をコーティングすることによって所望の風合いとすることを想定して、当該ステイナブル性化粧シートにはステイン塗料の着肉性を担保した表面処理が施されている。
特開平9−262934号公報
しかし、基材としてPVC基材を用いる場合、化粧シートの価格が高くなってしまうという問題がある。また、基材としてPVC基材を用いる場合、廃棄するために燃やすと塩化水素(HCl)等の塩素原子を含む気体を発生してしまう環境問題がある。
そこで、上記問題に対して、基材として紙基材に変更することが考えられている。
しかし、紙基材に変更することにより生じる問題がある。例えば、紙基材上に不織布を積層するにあたって、紙基材と不織布とは接着しないので、紙基材と不織布との接着方法が問題となる。接着方法として紙基材と不織布との間に接着層を設けた場合、不織布の凹凸が失われることがあり、木材に酷似した触感が失われる問題がある。
また、紙基材に変更した化粧シートでは、耐水性及び耐溶剤性を両立させることが困難であり、ステイン塗料の溶媒(溶剤、アルコール等)が紙基材に浸透し、化粧シートの物性が影響を受ける問題がある。したがって、化粧シートの強度、質量、屈曲性等の物性を担保しつつ、水性ステイン塗料及び油性ステイン塗料等の着色剤による浸透性と着肉性とを担保する塗布適性(英語では『stainability』と呼称するが、本明細書中では名詞として使用する場合も『ステイナブル性』の語を採用する)を有することは困難である
本発明は、上記問題に鑑み、紙基材と不織布との接着性を良好にしつつ、表面の触感及びステイナブル性が良好であるステイナブル性化粧シート、及び該ステイナブル性化粧シートを用いた化粧シートの着色方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、紙基材と不織布とを接着する接着層を特定のものとすることにより、上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供する。
[1]紙基材と、前記紙基材の少なくとも一方の面側に設けられたポリオレフィン系樹脂を含む接着層と、前記接着層の前記紙基材が設けられた面の他方の面側に設けられた不織布層とを備え、前記不織布層は、層内の厚み方向の前記接着層が設けられた面側において、不織布層を構成する繊維の空隙の一部に前記ポリオレフィン系樹脂が充填してなる充填部を有する、ステイナブル性化粧シート。
[2]前記不織布層は、層内の厚み方向の前記接着層が設けられた面の他方の面側において、不織布層を構成する繊維の空隙が維持された繊維部を有し、
前記繊維部は、繊維の空隙を維持しつつ、繊維の少なくとも一部の表面に樹脂塗膜を有する[1]のステイナブル性化粧シート。
[3]前記紙基材と前記接着層との間に、絵柄層をさらに備える[1]又は[2]のステイナブル性化粧シート。
[4]前記絵柄層は、木目柄である[3]のステイナブル性化粧シート。
[5][1]〜[4]のいずれかのステイナブル性化粧シートの前記不織布層に着色剤を塗布し、前記不織布層を着色する化粧シートの着色方法。
本発明によれば、紙基材と不織布との接着性を良好にしつつ、表面の触感及びステイナブル性が良好であるステイナブル性化粧シート、及び該ステイナブル性化粧シートを用いた化粧シートの着色方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るステイナブル性化粧シートの模式的断面図である。 本発明のその他の実施の形態に係るステイナブル性化粧シートの模式的断面図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係るステイナブル性化粧シート1は、図1に示すように、紙基材10と、紙基材10の少なくとも一方の面11側に設けられたポリオレフィン系樹脂を含む接着層20と、接着層20の紙基材10が設けられた面の他方の面側に設けられた不織布層30とを備える。そして、本発明の実施の形態に係るステイナブル性化粧シート1の不織布層30は、層内の厚み方向の接着層20が設けられた面30a側において、不織布層30を構成する繊維の空隙の一部にポリオレフィン系樹脂が充填してなる充填部31を有する。
紙基材10としては、例えば、上質紙、薄葉紙、リンター紙、ラフト紙、紙間強化紙、樹脂含浸紙、壁紙用裏打紙、或いはこれらの紙に難燃剤を混抄乃至含侵してなる難燃紙等を用いることができる。これらの材料は、単独で使用してもよいが、例えば、紙同士の積層体等のように、任意の組み合わせによる積層体であってもよい。
紙基材10は、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤を適宜添加したものであってもよい。
紙基材10の厚さは、特に制限はないが、坪量が20g/m以上150g/m以下の範囲であることが好ましく、30g/m以上120g/m以下の範囲であることがより好ましく、50g/m以上100g/m以下の範囲であることがさらに好ましい。
接着層20は、ポリオレフィン系樹脂を含むことで、耐水性及び耐溶剤性を有する。つまり、接着層20が紙基材10と不織布層30との間に存在することで、不織布層30に塗布したステイン塗料の溶媒(溶剤、アルコール)が紙基材10へ浸透するのを抑制し、ステイナブル性化粧シート1の強度、質量、屈曲性等の物性を担保し、ステイナブル性を良好にする。
接着層20は、ポリオレフィン系樹脂から選択される1種又は2種以上を含むものである。
ポリオレフィン系樹脂としては、単量体単位としてエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、4−メチル−1−ペンテン等のモノオレフィンの1種又は2種以上を含むものが挙げられ、更に、シクロペンテン、シクロヘキセン等の脂環族オレフィン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の鎖状もしくは環状のポリエン、スチレン、置換スチレン等の芳香族ビニル化合物等のモノオレフィン以外の単量体単位を含むもの等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、紙基材10及び不織布層30への密着性の見地から、単量体単位としてエチレンを含むポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
接着層20を構成する全樹脂に対するポリオレフィン系樹脂の割合は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、100%であることが最も好ましい。
接着層20の厚さは、特に制限はないが、紙基材10と不織布層30とを十分に接着する観点及び耐水性及び耐溶剤性を付与する観点から、10μm以上50μm以下であることが好ましく、15μm以上45μm以下であることがより好ましく、20μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
不織布層30の層内の厚み方向の接着層20が設けられた面30a側には、繊維の空隙の一部に接着層20を構成するポリオレフィン系樹脂が充填してなる充填部31を備える。充填部31は、紙基材10と不織布30との接着性を担保する。
不織布層30の接着層20が設けられた面30aの他方の面30b側は、繊維の空隙を維持する繊維部32である。繊維部32は、繊維の空隙に水性ステイン塗料及び油性ステイン塗料等の着色剤が入り込む着肉性を担保し、ステイナブル性を良好にする。
また、繊維部32は、不織布層30の表面に微細な凹凸を維持し、木材に酷似した触感を付与することができる。
繊維部32は、繊維の空隙を残しつつ、繊維の少なくとも一部が樹脂塗膜(図示せず)を有することが好ましい。樹脂塗膜は、ステイン塗料受容層としての繊維部32の機能を向上させる。樹脂塗膜は、繊維部32の繊維の一部に存し、繊維の濡れ性を向上させてステイナブル性を改質する。
樹脂塗膜の形成に用いられる塗膜液としては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。バインダー樹脂としては、耐水性及び印刷性を向上させる観点から、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂及びウレタン系樹脂を単独又は2種以上を混合して使用することが好ましい。
不織布層30は、熱可塑性樹脂繊維により構成されることが好ましい。不織布層30を構成する熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂);ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂;ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素樹脂系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー;塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、形態安定性を考慮すると、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等が好ましい。
不織布層30を構成する熱可塑性樹脂繊維の繊維径は、特に制限はないが、補強層の質感が重要視される用途等においては、平均繊維径が1μm以上50μm以下の不織布であることが好ましく、1μm以上30μm以下の不織布であることがより好ましく、1μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。この範囲の平均繊維径を有する熱可塑性樹脂不織布は木材に酷似した触感を得やすい傾向にある。
熱可塑性樹脂繊維の平均繊維径は、電子顕微鏡(300倍)を用いて、熱可塑性樹脂不織布の任意の箇所に存在する熱可塑性樹脂繊維30本の繊維の幅(直径)を測定し、得られた各測定結果の値を平均することで測定することができる。
不織布層30を構成する熱可塑性樹脂繊維は、木材に酷似した触感を得る観点から、例えば、スパンボンド法でフリースを形成し、形成したフリースをサーマルボンド法及びスパンレース法(水流絡合法)等で結合することで形成することができる。
不織布層30を構成する熱可塑性樹脂繊維の坪量は、特に制限はないが、不織布層30の強度を得る観点から、20g/m以上40g/m以下の範囲であることが好ましく、20g/m以上35g/m以下の範囲であることがより好ましく、20g/m以上30g/m以下の範囲であることがさらに好ましい。
不織布層30の厚さは、特に制限はないが、ステイナブル性化粧シート1の強度、質量、屈曲性等の物性を考慮して、50μm以上250μm以下であることが好ましく、80μm以上230μm以下であることがより好ましく、100μm以上200μm以下であることがさらに好ましい。
本発明のステイナブル性化粧シート1の製造方法について、本発明のステイナブル性化粧シートとして好ましい態様の一つである、図1に示すステイナブル性化粧シートを例にとって、その製造方法を説明する。
まず、紙基材10を用意し、紙基材10の上に、ポリオレフィン系樹脂を溶融押し出しし、接着層形成樹脂を配置する。また、これとは別に、上記方法により作製した不織布を用意し、配置された接着層形成樹脂上に該不織布を配置する。
次いで、接着層形成樹脂を間に配置した状態で、紙基材10と不織布とを貼り合わせる押出しラミネート(サンドラミネート)をすることで、不織布繊維の空隙の一部にポリオレフィン系樹脂が充填され、充填部31と繊維部32を有する不織布層30が形成される。
以上の工程により、紙基材10、接着層20及び不織布層30(充填部31、繊維部32)を順に有するステイナブル性化粧シート1を製造することができる。
接着層形成樹脂の厚さは、ステイナブル性化粧シート1の不織布層30において、繊維部32を残存させつつ、紙基材10と不織布層30を接着するために、不織布層30の厚さに対して、10%以上25%以下であることが好ましく、12%以上23%以下であることがより好ましく、14%以上20%以下であることがさらに好ましい。
本発明の実施の形態に係るステイナブル性化粧シート1の着色方法は、ステイナブル性化粧シート1の不織布層30に着色剤を塗布し、不織布層30を着色するものである。
ステイナブル性化粧シート1の不織布層30は、繊維の空隙を維持する繊維部32を有するので、繊維の空隙に水性ステイン塗料及び油性ステイン塗料等の着色剤が入り込む着肉性を担保する。
また、ステイナブル性化粧シート1は、紙基材10と不織布層30との間に接着層20が存在し、接着層20が耐水性及び耐溶剤性を付与することで、不織布層30に塗布しても紙基材10への物性の影響を防ぐことができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
例えば、ステイナブル性化粧シート1は、図2に示すように、紙基材10と接着層20との間に、絵柄層40をさらに備える形態であることが好ましい。
絵柄層40は、ステイナブル性化粧シート1の意匠性を高めることを目的として、紙基材10と接着層20との間の任意の箇所に形成される。
絵柄層40の絵柄(模樣)は、木目柄、石目柄、布目柄、皮シボ柄、幾何学模樣等所望の意匠外観に応じて任意に選択できる。ステイナブル化粧シート1で木目の意匠外観を表現する場合は木目柄であることが好ましい。絵柄層40が木目柄であることによって、ステイナブル性化粧シート1を木材に酷似させることができる。
絵柄層40は、例えば、印刷により形成することができる。絵柄層40は、単層であってもよいが、2以上の層から形成されるものであってもよい。
絵柄層40の形成に用いられるインキとしては、バインダー樹脂に顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。
バインダー樹脂としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。着色剤としては、例えば、チタン白、鉛白、カーボンブラック、鉄黒、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等の公知のものから適宜選択して用いることができる。
絵柄層40の厚さは、特に制限はないが、絵柄による意匠性を良好に発揮する観点から、0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上4.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上4.0μm以下であることがさらに好ましい。絵柄層40が2以上の層から形成される場合、各絵柄層40の厚みの合計が上記範囲であることが好ましい。
絵柄層40中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有しても良い。
絵柄層40を塗布する手段としては、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷等が好ましく、大ロットの場合はグラビア印刷、小ロットの場合はインキジェット印刷がより好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
[測定及び評価]
実施例及び比較例で作製した化粧シートについて、以下の測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
<触感>
実施例及び比較例で作製した化粧シートの不織布層側の表面に対して指触チェックを行った。かなり凹凸を感じるものを2点、凹凸を感じるものを1点、凹凸をほとんど感じないものを0点として、20人の被験者が評価を行い、平均点を算出した。
A:平均点が1.5以上のもの
B:平均点が1.0以上1.5未満のもの
C:平均点が1.0未満のもの
<接着性>
実施例及び比較例で作製した化粧シートを300mm×300mmの寸法で切断し、接着強度試験の試験片とした。試験片の不織布層側に幅25mmのセロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼った後に引き剥がし、接着性を評価した。
A:不織布層内又は不織布層と接着層との間で剥がれない
C:不織布層内又は不織布層と接着層との間で剥がれた
<ステイナブル性>
実施例及び比較例で作製した化粧シートの不織布層側に油性ステイン塗料で塗布し、ステイナブル性を評価した。
A:油性ステイン塗料が着色可能であり、化粧シートの物性低下がない
C:油性ステイン塗料の着色が不可、又は化粧シートの物性が低下
(実施例1)
紙基材として坪量30g/m、厚さ45μmである印刷紙(北越紀州製紙株式会社製、製品名「HPT30」)を用意した。そして、紙基材の上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂及びアクリル系樹脂の1:1質量比混合物をバインダーとし、顔料としてカーボンブラックを含有するインキをグラビア印刷することにより乾燥後の塗布量が紙基材の表面に於いて2〜6g/mの範囲となるように絵柄層を形成した。
次いで、紙基材の絵柄層を形成した面側に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出しし、接着層形成樹脂を配置した。接着層形成樹脂の厚さは、20μmであった。これとは別に、不織布として厚さ120μm、坪量20g/mであるサーマルボンド法によるスパンボンド不織布(ユニチカ株式会社製、製品名「エルベス」)を用意し、接着層形成樹脂上に配置した。
次いで、接着層形成樹脂を間に配置した状態で、紙基材と不織布とを貼り合わせる押出しラミネート(サンドラミネート)をすることで、不織布繊維の紙基材側の空隙の一部にポリエチレン樹脂が充填され、充填部と繊維部を有する不織布層となり、紙基材、接着層及び不織布層を順に有する化粧シートを製造した。
次いで、不織布層の繊維部に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂及びアクリル系樹脂の1:1質量比の混合物をバインダー(昭和インク工業所製、VAGHマットメジウム)100質量部とし、イソシアネート硬化剤(昭和インク工業所製、製品名「OP No.81」)3質量部を含有する塗膜液を塗布し、繊維部に樹脂塗膜を形成した。
得られた化粧シートについて、評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、接着層形成樹脂の厚さを30μmとした以外は同様とし、比較例1のステイナブル性化粧シートを得た。得られたステイナブル性化粧シートについて、評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、接着層形成樹脂の厚さを40μmとした以外は同様とし、比較例2のステイナブル性化粧シートを得た。得られたステイナブル性化粧シートについて、評価した結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、接着層形成樹脂の厚さを10μmとした以外は同様とし、比較例2のステイナブル性化粧シートを得た。得られたステイナブル性化粧シートについて、評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、不織布として厚さ160μm、坪量30g/mであるサーマルボンド法によるスパンボンド不織布(ユニチカ株式会社製、製品名「エルベス」)を用いた以外は同様とし、実施例2の化粧シートを得た。得られた化粧シートについて、評価した結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例2において、接着層形成樹脂の厚さを30μmとした以外は同様とし、実施例3の化粧シートを得た。得られた化粧シートについて、評価した結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例2において、接着層形成樹脂の厚さを40μmとした以外は同様とし、比較例4の化粧シートを得た。得られた化粧シートについて、評価した結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例2において、接着層形成樹脂の厚さを10μmとした以外は同様とし、比較例5の化粧シートを得た。得られた化粧シートについて、評価した結果を表2に示す。
表1及び表2より、実施例1〜3では、触感及びステイナブル性の結果が良好であった。
一方、比較例1,2,4では、触感及びステイナブル性の結果が良くなかった。この結果は、比較例1,2,4では、用いた不織布に対して接着層形成樹脂が多く、接着層を間に配置した状態で、紙基材と不織布とを貼り合わせる押出しラミネート(サンドラミネート)をすることで、不織布繊維の空隙の全てにポリエチレン樹脂が充填されてしまい、不織布層に繊維部が無くなってしまったためであると考えられる。
また、比較例3,5では、接着性及びステイナブル性の結果が良くなかった。この結果は、比較例3,5では、用いた不織布に対して接着層形成樹脂が少なく、紙基材と不織布層との接着が不十分であると共にステイン塗料中の水乃至溶剤に耐水性乃至耐溶剤性も不十分あり、接着層の機能と紙基材の乃至溶剤による膨潤、膨れ、歪の防止效果を発揮しなかったためであると考えられる。
本発明のステイナブル性化粧シートは、不織布の触感を維持しつつ、紙基材と不織布とが十分に接着し、かつ、ステイナブル性を有するものであり、壁、天井、床等の建築物の内裝材用又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具乃至造作部材の他、厨房機器、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内裝用又は外装用部材を構成する層として好適に用いられる。
1:ステイナブル性化粧シート
10:紙基材
20:接着層
30:不織布層
31:充填部
32:繊維部
40:絵柄層

Claims (5)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材の少なくとも一方の面側に設けられたポリオレフィン系樹脂を含む接着層と、
    前記接着層の前記紙基材が設けられた面の他方の面側に設けられた不織布層とを備え、
    前記不織布層は、層内の厚み方向の前記接着層が設けられた面側において、不織布層を構成する繊維の空隙の一部に前記ポリオレフィン系樹脂が充填してなる充填部を有する、ステイナブル性化粧シート。
  2. 前記不織布層は、層内の厚み方向の前記接着層が設けられた面の他方の面側において、不織布層を構成する繊維の空隙が維持された繊維部を有し、
    前記繊維部は、繊維の空隙を維持しつつ、繊維の少なくとも一部の表面に樹脂塗膜を有する請求項1に記載のステイナブル性化粧シート。
  3. 前記紙基材と前記接着層との間に、絵柄層をさらに備える請求項1又は2に記載のステイナブル性化粧シート。
  4. 前記絵柄層は、木目柄である請求項3に記載のステイナブル性化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステイナブル性化粧シートの前記不織布層に着色剤を塗布し、前記不織布層を着色する化粧シートの着色方法。
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