JP2019055801A - 袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】直線的に破断し易い袋を提供する。【解決手段】袋は、第1基材層及びシーラント層を含む包装材料により形成され、表面及び裏面を有する。袋は、第1端部と、第1端部と第1方向において対向する第2端部と、第1端部から第2端部まで第1方向に沿って延び、表面側において包装材料が重ねられた合掌部と、第1端部、第2端部及び合掌部において包装材料の内面同士を接合するシール部と、合掌部の基部に重なるように第1端部上に設けられた、又は合掌部の基部の近傍であって第1端部上に設けられた、切り欠き又は切り込みを少なくとも含む開封開始部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、内容物を収容する収容部を備えた袋に関する。
内容物を収容するための袋として、PETやナイロンなどのプラスチック材料を含むフィルム状の包装材料から構成された袋が用いられている。このような袋は、例えば特許文献1に記載されているように、包装材料の内面同士を熱溶着してシール部を形成することによって構成されている。この場合、内容物を収容するための収容部は、包装材料およびシール部によって囲われた空間として画成される。
包装材料から構成された袋には通常、シール部を破断して袋を開封することを容易にするための開封手段が設けられている。例えば特許文献1においては、袋の合掌シール部の近傍に、合掌シール部に沿って開封手段を設けることが提案されている。
特開平10−250764号公報
使用者が開封手段に沿って袋を破断させると、袋に開口部が形成される。袋を一方の端部から他方の端部まで直線的に破断させることができれば、開口部の寸法が大きくなり、袋に収容されている内容物を取り出し易くなる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る開封手段を備えた袋を提供することを目的とする。
本発明は、第1基材層及びシーラント層を含む包装材料により形成され、表面及び裏面を有する袋であって、第1端部と、前記第1端部と第1方向において対向する第2端部と、前記第1端部から前記第2端部まで前記第1方向に沿って延び、前記表面側において前記包装材料が重ねられた合掌部と、前記第1端部、前記第2端部及び前記合掌部において前記包装材料の内面同士を接合するシール部と、前記合掌部の基部に重なるように前記第1端部上に設けられた、又は前記合掌部の前記基部の近傍であって前記第1端部上又は前記合掌部の前記第1端部側の端部上に設けられた、切り欠き又は切り込みを少なくとも含む開封開始部と、を備える、袋である。
本発明による袋において、前記包装材料の前記第1基材層の前記第1方向における引張強度が、前記第1方向に直交する第2方向における前記第1基材層の引張強度よりも大きくてもよい。
本発明による袋において、前記第1方向に直交する第2方向における、前記開封開始部と前記合掌部の前記基部との最短距離が、10mm以下であってもよい。
本発明による袋において、前記第1方向に直交する第2方向における、前記開封開始部と前記合掌部の前記基部との最短距離が、前記第2方向における前記合掌部の幅の30%以下であってもよい。
本発明による袋は、前記第1端部から前記第2端部まで前記第1方向に沿って延びる一対の側端部を備え、前記合掌部は、前記一対の側端部のうちのいずれか一方に近接していてもよい。
本発明による袋において、前記開封開始部は、前記合掌部の前記基部と重なるように設けられた切り欠きを含むものであってもよい。
本発明による袋において、前記包装材料の前記第1基材層は、二軸延伸プラスチックフィルムを含み、前記包装材料は、前記第1基材層よりも前記袋の外面側に位置し、紙を含む第2基材層を更に有していてもよい。
本発明によれば、使用者が袋を直線的に破断させ易い。このため、内容物の取り出し易さを向上させることができる。
本発明の実施の形態における袋を示す平面図である。 図1の袋をII−II方向から見た断面図である。 図1の袋の開封開始部を拡大して示す平面図である。 袋を構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 袋を構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 図1に示す袋を開封する様子を示す斜視図である。 開封された状態の袋を示す平面図である。 第1の変形例に係る袋の開封開始部を拡大して示す平面図である。 第2の変形例に係る袋の開封開始部を拡大して示す平面図である。 第3の変形例に係る袋の開封開始部を拡大して示す斜視図である。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。

図1は、内容物19が収容された袋10を示す平面図である。また、図2は、図1の袋10をII−II方向から見た断面図である。袋10は、フィルム状の包装材料30の内面同士を部分的に接合することによって形成されている。袋10は、包装材料30によって構成された表面11及び裏面12を含む。図2に示すように、表面11及び裏面12はいずれも、1枚の包装材料30を折り返すことによって構成されている。なお、図示はしないが、袋10を構成する包装材料30の枚数が1枚に限られることはなく、複数枚の包装材料30によって袋10が構成されていてもよい。
図1に示すように、袋10は、第1端部13と、第1端部13と第1方向D1において対向する第2端部14と、第1端部13から第2端部14まで第1方向D1に沿って延びる一対の側端部15と、を備える。第1方向D1は、フィルム状の包装材料30から袋10を作製する際の包装材料30の搬送方向であり、いわゆるMD(Machine Direction)である。図1に示す例において、第1端部13及び第2端部14は、第1方向D1に直交する第2方向D2に延びており、このため袋10は矩形状の外形を有している。図示はしないが、第1端部13及び第2端部14は、第2方向D2に対して傾斜した方向に延びていてもよい。
図1及び図2に示すように、袋10は、第1端部13から第2端部14まで第1方向D1に沿って延び、包装材料30が重ねられた合掌部17を備える。このように、袋10はいわゆるピロー袋である。合掌部17は、表面11側に位置する。言い換えると、本実施の形態においては、合掌部17が位置する側の面を表面11と称する。また、図1及び図2に示すように、合掌部17は、基部173において、袋10の表面11と接続されている。合掌部17の基部173は、後述するように、袋10を破断させて袋10を開封する際の破断の経路として機能する。
合掌部17は、一対の側端部15のうちの一方の側に配置されている。なお「一方の側に配置」とは、一対の側端部15のうちの一方の側端部15から合掌部17までの第2方向D2における距離が、一対の側端部15のうちの他方の側端部15から合掌部17までの第2方向D2における距離よりも小さいことを意味している。
袋10は、フィルム状の包装材料30の内面同士を接合するシール部を備える。シール部は、第1端部に沿って延びている第1端部シール部131、第2端部14に沿って延びている第2端部シール部141、及び、合掌部17に位置する合掌部シール部171を含む。なお、包装材料30の内面同士を接合して袋10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによって包装材料30の一部を溶融させて、包装材料30の内面同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いて包装材料30の内面同士を接着することによって、シール部を形成してもよい。
図1に示すように、合掌部シール部171は、第1端部シール部131から第2端部シール部141に至るように第1方向D1に延びている。図2に示すように、合掌部シール部171は、第2方向D2において合掌部17の先端部172にまで広がっていてもよく、若しくは、図示はしないが、合掌部シール部171は、先端部172にまで広がっていなくてもよい。また、合掌部シール部171は、第2方向D2において合掌部17の基部173にまで広がっていてもよく、若しくは、図示はしないが、合掌部シール部171は、基部173にまで広がっていなくてもよい。
次に、合掌部17の配置について説明する。合掌部17は、一対の側端部15のうちのいずれか一方に近接していることが好ましい。図1及び図3に示す例において、合掌部17は、一対の側端部15のうちの左側の側端部15に近接している。この場合、合掌部17の基部173に沿って袋10を破断させることにより、側端部15の付近に開口部を形成することができるので、内容物19の取り出し易さをより向上させることができる。なお、「近接」とは、一対の側端部15と合掌部17の基部173との間の第2方向D2における距離のうち短い方の距離L2(図1及び図3参照)が、第1端部13の第2方向D2における幅L1の30%以下であることを意味する。
次に、袋10の開封を容易にするための構成要素について説明する。図1に示すように、袋10は、第1端部13上に設けられた開封開始部23を備えている。
まず、開封開始部23を袋10に設ける背景について説明する。本実施の形態に係る袋10においては、合掌部17の基部173に沿って袋10を破断させることによって袋10を開封する、という開封方法が想定されている。例えば後述するように、合掌部17は、基部173に沿って袋10を破断させることにより、表面11から分離される。この場合、袋10を破断させるための力が基部173に加わり易くなるように袋10を構成することが好ましい。開封開始部23は、開封を開始する際の力が基部173に加わり易くするために袋10に設けられた構成要素である。
次に、開封開始部23の構成について説明する。図1に示す例において、開封開始部23は、第1端部13上において基部173に重なるように設けられた切り欠き231を含む。切り欠き231を設けることにより、合掌部17に加えられた力が、合掌部17の基部173のうち第1端部13側の端部に集中し易くなる。これにより、合掌部17の基部173のうち第1端部13側の端部を起点とした、基部173に沿った袋10の破断が、開始され易くなる。ここで、「重なる」とは、例えば図1に示すように、切り欠き231などの開封開始部23の構成要素が、合掌部17の基部173に接していることを意味する。切り欠き231は、例えば、表面11、裏面12及び合掌部17のうち基部173と重なる部分を打ち抜くことによって形成され得る。
図3は、開封開始部23を拡大して示す平面図である。図3に示す例において、開封開始部23の切り欠き231は、第1端部13側から第2端部14側に向かうにつれて先細りになる形状を有する。例えば、切り欠き231は三角形の形状を有する。図示はしないが、切り欠き231は、半円形の形状など、その他の先細状の形状を有していてもよい。
開封開始部23の第1方向D1における最大深さは、合掌部17に加えられた力が合掌部17の基部173に集中し易くなるよう設定される。例えば、開封開始部23の最大深さは、第1端部シール部131の第1方向D1における幅の30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
内容物19は、例えば固形物である。内容物19は、食品や医薬品など、人が口にする固形物であってもよく、また、入浴剤など、人が口にしない固形物であってもよい。内容物19の具体例としては、板状のチョコレート、クッキー、せんべい、チーズ、ハム、ソーセージ、文房具、おもちゃ、カード等を挙げることができる。
(包装材料の層構成)
次に、袋10を構成する包装材料30の層構成について説明する。図4は、包装材料30の層構成の一例を示す断面図である。
包装材料30は、第1基材層31及びシーラント層32を少なくとも含む。図4に示す例においては、第1基材層31が包装材料30の外面302を構成し、シーラント層32が包装材料30の内面301を構成している。また、包装材料30は、第1基材層31の例えば内面301側に設けられた印刷層33を更に含んでいてもよい。また、包装材料30は、第1基材層31とシーラント層32とを接着する第1接着層34を更に含んでいてもよい。図4に示すような、第1基材層31が外面302を構成する包装材料30の厚みは、例えば25μm以上且つ60μm以下である。
図5は、包装材料30の層構成のその他の例を示す断面図である。包装材料30は、第1基材層31よりも外面302側に位置する第2基材層35を更に含んでいてもよい。包装材料30が第2基材層35を含む場合、図5に示すように、印刷層33が第2基材層35の外面302側に設けられていてもよい。また、包装材料30は、第1基材層31と第2基材層35とを接着する第2接着層36を更に含んでいてもよい。図8に示すような、第1基材層31及びシーラント層32に加えて第2基材層35を更に含む包装材料30の厚みは、例えば35μm以上且つ100μm以下である。
以下、包装材料30の各層について説明する。
第1基材層31を構成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルやナイロンなどのポリアミドや高密度ポリエチレンやポリプロピレンなどポリオレフィンなどのプラスチックを用いることができる。
第1基材層31を構成するプラスチックフィルムは、一軸または二軸に延伸されていてもよい。この場合、第1基材層31は、好ましくは、第1方向D1における引張強度が第2方向D2における引張強度よりも大きくなるよう延伸されている。これにより、第1基材層31が第1方向D1に沿って引き裂かれ易くなる。以下の説明において、第1基材層31などのプラスチックフィルムの特性のうち、第1方向D1における引張強度が第2方向D2における引張強度より大きいという特性のことを、「縦裂き」とも称する。また、プラスチックフィルムの特性のうち、第1方向D1における破断強度が第2方向D2における破断強度より小さくなるという特性のことを、「縦裂き」とも称する。引張強度は、JIS K 7127に準拠して測定される。
第1基材層31を構成するプラスチックフィルムにおいて、第2方向D2における引張強度に対する第1方向D1における引張強度の比は、好ましくは1.05倍以上であり、より好ましくは1.10倍以上であり、更に好ましくは1.15倍以上である。第1基材層31を構成するプラスチックフィルムにおいて、第1方向D1における引張強度は、例えば180MPa以上且つ220MPa以下である。第1基材層31の厚みは、例えば10μm以上且つ20μm以下である。
シーラント層32を構成する材料としては、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMMA)や低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレンやポリプロピレンを用いることができる。ポリプロピレンとしては、例えば無延伸ポリプロピレンフィルムを用いることができる。シーラント層32の厚みは、例えば15μm以上且つ60μm以下である。シーラント層32は、単一の層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
印刷層33は、袋10に製品情報を示したり美感を付与したりするための印刷表示を含む。印刷表示としては、文字、数字、記号、図形、絵柄などを挙げることができる。
第2基材層35は、紙を少なくとも含む。紙の坪量は、例えば15g/m2以上且つ40g/m2以下である。
第1基材層31、シーラント層32、第2基材層35などを積層する方法としては、ドライラミネート法、押し出しラミネート法などを挙げることができる。
ドライラミネート法においては、第1基材層31、シーラント層32、第2基材層35などを、接着剤を用いて貼り合わせる。この場合、第1接着層34や第2接着層36は、エーテル系接着剤などの接着剤を含む。
押し出しラミネート法においては、例えば、第1基材層31の上に、シーラント層32を構成する、溶融状態にある材料をフィルム状に押し出す。この場合、第1基材層31とシーラント層32との間、又は第1基材層31と第2基材層35との間に接着層が存在していなくてもよい。
第1接着層34の厚みは、例えば1μm以上且つ20μm以下である。また、第2接着層36の厚みは、例えば1μm以上且つ20μm以下である。
図示はしないが、包装材料30は、機能層を更に含んでいてもよい。機能層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、包装材料30は、ガスバリア性を備えた機能層として、第1基材層31又はシーラント層32に設けられた蒸着層を更に含んでいてもよい。蒸着層は、例えば、アルミニウムなどの無機物や酸化アルミニウムや酸化珪素などの無機酸化物などの、ガスバリア性を有する物質を含む。
図8の包装材料30の層構成の具体例を以下に示す。「/」は層と層の境界を表している。左端の層が、包装材料30の外面302を構成する層であり、右端の層が、包装材料30の内面301を構成する層である。
印/紙/DL/縦裂きPET/DL/金属蒸着層/CPP
「印」は、印刷表示を構成する印刷層を意味する。「DL」は、ドライラミネートの略であり、接着剤を含む接着剤層が存在することを意味する。「縦裂きPET」は、縦裂きの特性を有するポリエチレンテレフタレートを意味する。「CPP」は、無延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。
袋の開封方法
次に、袋10を開封する方法について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、開封開始部23を起点に袋10に破断を生じさせる方法を示す斜視図である。図7は、袋10を開封して袋10に開口部24を形成した様子を示す平面図である。
まず、使用者は、例えば、一方の手で第1端部13を押さえた状態で、他方の手で合掌部17を摘んで、合掌部17を引っ張る。例えば、図6に示すように、第1方向D1及び第2方向D2を含む面に垂直な方向である第3方向D3へ、合掌部17の端部174を引っ張る。ここで、本実施の形態においては、上述のように、第1端部13上であって、合掌部17の基部173に重なるように、開封開始部23の切り欠き231が設けられている。このため、合掌部17に加えられた力が、合掌部17の基部173の、第1端部13側の端部に集中し易い。従って、図6に示すように、合掌部17の基部173のうち第1端部13側の端部を起点とした、基部173に沿った袋10の破断を開始させることができる。
続いて、使用者は、例えば合掌部17の端部174を第2端部14側へ引っ張る。ここで、本実施の形態において、合掌部17は、上述の通り、包装材料30が重ねられた部分であるため、袋10のその他の部分よりも破断しにくい。このため、開封開始部23を起点として合掌部17の基部173に沿って生じた破断は、合掌部17を横断するようには広がりにくい。これにより、袋10の破断を、合掌部17とその他の部分との境界である基部173に沿って第2端部14まで直線的に進行させることができる。この結果、図7に示すように第1端部シール部131から第2端部シール部141まで広がる開口部24を袋10に形成することができる。これにより、袋10の破断が直線的に進行せず、第2端部14に到達するよりも前に袋10の破断が側端部15で途絶えてしまう場合に比べて、内容物19の取り出し易さを向上させることができる。
なお、図7は、合掌部17の基部173の破断を第2端部14まで進行させ、合掌部17を表面11から切り離した場合について示している。しかしながら、図示はしないが、破断が第2端部シール部141に達した時点で破断の進行を止め、合掌部17を表面11から切り離さないようにしてもよい。
本実施の形態によれば、袋10の破断を合掌部17の合掌部17に沿って進行させることにより、第1端部シール部131から第2端部シール部141に至る開口部24を袋10に形成することができる。これにより、内容物19が取り出し易くなる。また、袋10に開封開始部23を設けることにより、開封を開始する際の力を基部173に加わり易くすることができる。
なお、上述した各実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した各実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の実施の形態においては、開封開始部23の切り欠き231が先細状の形状を有する例を示したが、これに限られることはない。例えば図8に示すように、切り欠き231は矩形状の形状を有していてもよい。
(第2の変形例)
上述の実施の形態においては、切り欠き231などの開封開始部23が合掌部17の基部173に重なるように設けられる例を示したが、これに限られることはない。本変形例においては、開封開始部23が合掌部17の基部173の近傍に設けられる例について説明する。図9は、本変形例に係る袋10の開封開始部23を拡大して示す平面図である。
図9に示す例において、開封開始部23は、合掌部17の第1端部13側の端部上において基部173の近傍に設けられた切り欠き231を含む。「近傍」とは、例えば、図9に示す距離L3が3mm以下であることを意味する。距離L3は、開封開始部23と基部173との間の、第2方向D2における最短距離である。距離L3は、10mm以下であってもよい。
また、「近傍」の定義に関して、距離L3が、第2方向D2における合掌部17の幅L4に対する相対値として定められてもよい。例えば、距離L3は、合掌部17の幅L4の30%以下であってもよく、20%以下であってもよい。
図9に示す例において、合掌部17を引っ張ると、力が切り欠き231の第2端部14側の先端に集中する。このため、開封開始部23を起点とした袋10の破断が開始し易い。袋10の破断が合掌部17の基部173に到達した後は、上述の実施の形態の場合と同様に、合掌部17の基部173に沿って第2端部14まで袋10の破断を直線的に進行させることができる。
好ましくは、図9に示すように、開封開始部23の切り欠き231が、合掌部17の基部173に向かって延びている。これにより、開封開始部23を起点とした袋10の破断が、合掌部17の基部173に到達し易くなる。なお、「切り欠き231が基部173に向かって延びている」とは、第1端部13上における開封開始部23の中心点と、開封開始部23の第2端部14側の先端とを通る直線が、合掌部17の基部173に交わることを意味する。
なお、図9に示す例においては、合掌部17の端部に設けられた切り欠き231と同一の形状の切り欠きが、表面11及び裏面12の第1端部13にも設けられているが、これに限られることはない。図示はしないが、本変形例において、切り欠き231などの開封開始部23は、合掌部17の端部にのみ設けられ、第1端部13には設けられていなくてもよい。
また、図示はしないが、本変形例において、切り欠き231などの開封開始部23は、第1端部13にのみ設けられ、合掌部17の端部には設けられていなくてもよい。この場合において、開封開始部23は、合掌部17の基部173の両側に設けられていてもよいし、合掌部17の基部173のいずれか片側にのみ設けられていてもよい。さらにこの場合において、開封開始部23は、一対の側端部15のうち合掌部17に近接していない一方と合掌部17の基部173との間にのみ設けられていてもよい。もしくは、開封開始部23は、一対の側端部15のうち合掌部17に近接している一方と合掌部17の基部173との間にのみ設けられていてもよい。
開封開始部23が、一対の側端部15のうち合掌部17に近接していない一方と合掌部17の基部173との間に設けられている場合には、開封開始部23によって、袋10の表面11側とともに、裏面12側にも破断を生じさせ、表面11と裏面12とをまとめて破断させることも可能である。この場合、破断が合掌部17まで到達した後、合掌部17は、破断の進行方向を制限するガイドとして機能し、一対の側端部15のうち合掌部17に近接している一方に破断が逃げてしまうのを抑制する。このため、第1端部13から第2端部14まで直線的に破断を進行させることができる。
(第3の変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、開封開始部23が切り欠き231を含む例を示した。しかしながら、破断の起点になることができる限りにおいて、開封開始部23の具体的な形態は限られない。本変形例においては、開封開始部23が切り込みを含む例について説明する。図10は、本変形例に係る袋10の開封開始部23を拡大して示す平面図である。なお図10において、合掌部17は、表面11から斜めに持ち上げられた状態にある。
図10に示す例において、開封開始部23は、合掌部17の基部173を挟むように第1端部13に設けられた一対の切り込み232を含む。この場合、合掌部17を引っ張ると、合掌部17のうち一対の切り込み232によって挟まれている部分が持ち上がる。また、合掌部17のうち持ち上げられた部分の先端に力が集中する。このため、開封開始部23を起点とした袋10の破断が開始し易い。袋10の破断が合掌部17の基部173に到達した後は、上述の実施の形態の場合と同様に、合掌部17の基部173に沿って第2端部14まで袋10の破断を直線的に進行させることができる。
好ましくは、図10に示すように、開封開始部23の一対の切り込み232がいずれも、合掌部17の基部173に向かって延びている。これにより、開封開始部23を起点とした袋10の破断が、合掌部17の基部173に到達し易くなる。なお、「切り込み232が基部173に向かって延びている」とは、切り込み232の延長線が合掌部17の基部173に交わることを意味する。
切り込み232を含む開封開始部23について、図10に示された例を用いて説明したが、切り込み232を含む開封開始部23はこれに限られるものではない。例えば、上述の実施の形態、若しくは実施の形態の第1の変形例又は第2の変形例において、開封開始部23が切り欠き231の代わりに切り込みを含むものとすることも可能である。具体的には、開封開始部23として、第2の変形例における切り欠き231のように、合掌部17の第1端部13側の端部上において基部173の近傍に、合掌部17の基部173に向かって延びるように、切り込みを設けることが可能である。
10 袋
11 表面
12 裏面
13 第1端部
131 第1端部シール部
14 第2端部
141 第2端部シール部
15 側端部
17 合掌部
171 合掌部シール部
172 先端部
173 基部
174 端部
19 内容物
23 開封開始部
231 切り欠き
232 切り込み
24 開口部
30 包装材料
301 内面
302 外面
31 第1基材層
32 シーラント層
33 印刷層
34 第1接着層
35 第2基材層
36 第2接着層

Claims (7)

  1. 第1基材層及びシーラント層を含む包装材料により形成され、表面及び裏面を有する袋であって、
    第1端部と、
    前記第1端部と第1方向において対向する第2端部と、
    前記第1端部から前記第2端部まで前記第1方向に沿って延び、前記表面側において前記包装材料が重ねられた合掌部と、
    前記第1端部、前記第2端部及び前記合掌部において前記包装材料の内面同士を接合するシール部と、
    前記合掌部の基部に重なるように前記第1端部上に設けられた、又は前記合掌部の前記基部の近傍であって前記第1端部上又は前記合掌部の前記第1端部側の端部上に設けられた、切り欠き又は切り込みを少なくとも含む開封開始部と、を備える、袋。
  2. 前記包装材料の前記第1基材層の前記第1方向における引張強度が、前記第1方向に直交する第2方向における前記第1基材層の引張強度よりも大きい、請求項1に記載の袋。
  3. 前記第1方向に直交する第2方向における、前記開封開始部と前記合掌部の前記基部との最短距離が、10mm以下である、請求項1又は2に記載の袋。
  4. 前記第1方向に直交する第2方向における、前記開封開始部と前記合掌部の前記基部との最短距離が、前記第2方向における前記合掌部の幅の30%以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の袋。
  5. 前記袋は、前記第1端部から前記第2端部まで前記第1方向に沿って延びる一対の側端部を備え、
    前記合掌部は、前記一対の側端部のうちのいずれか一方に近接している、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の袋。
  6. 前記開封開始部は、前記合掌部の前記基部と重なるように設けられた切り欠きを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の袋。
  7. 前記包装材料の前記第1基材層は、二軸延伸プラスチックフィルムを含み、
    前記包装材料は、前記第1基材層よりも前記袋の外面側に位置し、紙を含む第2基材層を更に有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の袋。
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