JP2019007907A - 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス - Google Patents

焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2019007907A
JP2019007907A JP2017125975A JP2017125975A JP2019007907A JP 2019007907 A JP2019007907 A JP 2019007907A JP 2017125975 A JP2017125975 A JP 2017125975A JP 2017125975 A JP2017125975 A JP 2017125975A JP 2019007907 A JP2019007907 A JP 2019007907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
coil
transformation rate
magnetic transformation
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017125975A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6432645B1 (ja
Inventor
日野 善道
Yoshimichi Hino
善道 日野
広和 杉原
Hirokazu Sugihara
広和 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2017125975A priority Critical patent/JP6432645B1/ja
Priority to PCT/JP2018/019735 priority patent/WO2019003727A1/ja
Priority to US16/626,054 priority patent/US11125721B2/en
Priority to CN201880043681.6A priority patent/CN110799838B/zh
Priority to EP18823636.8A priority patent/EP3598121A4/en
Priority to KR1020197037613A priority patent/KR102293629B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP6432645B1 publication Critical patent/JP6432645B1/ja
Publication of JP2019007907A publication Critical patent/JP2019007907A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/46Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for sheet metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D11/00Process control or regulation for heat treatments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/52Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for wires; for strips ; for rods of unlimited length
    • C21D9/54Furnaces for treating strips or wire
    • C21D9/56Continuous furnaces for strip or wire
    • C21D9/562Details
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/72Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating magnetic variables
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/20Metals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/20Metals
    • G01N33/204Structure thereof, e.g. crystal structure

Abstract

【課題】焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置および磁気変態率の測定方法、また該磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置を適用した連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセスを提供する。
【解決手段】鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する方法であって、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する駆動コイルにより、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信し、鋼板で反射された駆動信号を、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する受信コイルにより測定し、測定処理装置により、受信コイルで測定された駆動信号の測定値を用いて鋼板と駆動コイルとの距離を補正し、補正した距離に基づいて鋼板の磁気変態率を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定に属し、特に鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置に関する。また、本発明の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置を適用した連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセスに関する。
近年、自動車用鋼板の軽量化の観点から、高強度で加工性に優れる鋼板を提供することに対するニーズが高い。鋼板の高強度・高加工性を得るため、鋼板を特定のγ相(オーステナイト相)とα相(フェライト相)の比率にした状態で、冷却することが行われている。したがって、冷却開始点の各相の比率を把握することは、鋼板の特性を適切に造り込むために有益である。
従来より、各相の比率を把握するための方法として、磁気検出器、すなわち鋼板の磁気変態率を測定する装置が用いられていた(特許文献1、2)。特許文献1、2には、磁気変態率を測定する装置として、磁場を発生する駆動コイルと、鋼板を透過した磁場を測定する検出コイルとから成る装置(特許文献1)、あるいは磁場を発生する駆動コイルと、鋼板で反射した磁場を測定する検出コイルとから成る装置(特許文献2)が、それぞれ開示されている。
特開昭56−82443号公報(第1、2頁、第1図) 特開昭59−188508号公報(第2図)
鋼のオーステナイト相とフェライト相の比率、すなわち変態率を測定することは、上記従来技術で述べられているように、熱間圧延において有益であるとともに、高強度冷延鋼板の焼鈍過程でも重要である。高強度冷延鋼板の焼鈍過程でも、変態率の測定方法として、熱間圧延の場合と同じ測定方法を適用することができる。
しかし、特許文献1に記載される測定装置を用いた測定方法では、特許文献2の第6頁に記載されているように、磁性体への磁束の浸透深さを適正化する観点から、鋼板と測定装置との距離を小さくしなければならないという問題があった。そのため、特許文献1に記載の測定装置を高強度冷延鋼板の焼鈍過程に適用する場合には、900℃程度で焼鈍を行う焼鈍炉の中に鋼板に近接させて測定装置を設置しなければならず、測定装置の冷却を考慮すると不可能であった。
一方、特許文献2に記載される測定装置(検出装置)を用いた測定方法では、励磁コイル(駆動コイル)と検出コイルを鋼材に対して同一側に配置するため、上記した設置に関する問題は克服される。しかしながら、縦型の焼鈍炉のように、鋼板が上下方向に何度も移送されるような場合には、測定装置を炉の高さ方向に対して中途に設置することが必要となる。この場合、重い鉄心を有する測定装置を高温の焼鈍炉内で支えるためには、断面積の大きな部材が必要となる。そのため、測定装置を支えるための断面積の大きな部材が、焼鈍炉の加熱や冷却の妨げになるという問題があった。
また、特許文献1、2に記載されるいずれの測定装置も小型であるため、鋼板の一部分の変態率を測定するだけであり、鋼板の全板幅にわたる変態率を測定するためには、多数の測定装置を板幅方向に設置する必要があるという問題もあった。
さらに、近年の高強度鋼板の製造においては、オーステナイト相分率が高い。しかし、連続焼鈍炉での再加熱や、連続溶融亜鉛めっきラインにおける亜鉛の合金化のための再加熱に用いるソレノイド式誘導加熱装置の加熱効率が低いため、誘導加熱装置の出力は高い状態となり、意図しない鋼板のオーステナイト相分率の変動が生じることにより、温度制御が不安定になっていた。特に、鋼板にオーステナイト相分率の変動が生じると、ソレノイド式誘導加熱装置には鋼板の磁性変化に伴う起電力が発生し、回路に急激な電圧変動を生じて制御ができなくなるという問題があった。電圧変動は、ソレノイド式誘導加熱装置にオーステナイト相分率の変動部が侵入することにより発生するため、事前に予測することができず、生じた電圧変動を制御で抑制することは困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、連続焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置および磁気変態率の測定方法、また該磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置を適用した連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、以下のことを知見した。
本発明は、空芯で、かつ板幅を横断する経路を有する駆動コイルおよび受信コイルを、焼鈍炉内で鋼板に対して同一面側にそれぞれ配置し、駆動コイルから交流の駆動信号を発して鋼板からの反射波を受信コイルで測定することにより、鋼板の変態率を測定するようにした鋼板の磁気変態測定方法である。
反射波を用いる場合には、2つの受信コイルを対とし、この2つの受信コイルは駆動コイルを挟んで対称な位置にそれぞれ配置して逆位相で接続することにより、鋼板の磁性変化による信号変化を判別し易くしている。さらに、上記した対の受信コイルを2組用いる場合には、この2組の受信コイルは、受信コイルと駆動コイルとの距離をそれぞれ異なったものとすることにより、2組の受信コイルで受信し測定した駆動信号から、鋼板と受信コイルとの距離を演算して磁気変態率信号を補正するものである。
また、受信コイルで測定された駆動信号から、発信された駆動信号に対して90°の位相を持つ成分を抽出し、この90°の位相を持つ成分の大きさを用いて変態率を求めるものである。さらに、受信コイルで測定された駆動信号を、発信された駆動信号を基準として0°位相成分と90°位相成分とに分けて、その位相成分の比を用いることにより、変態率を求めるものである。
また、本発明は、焼鈍炉内に、鋼板の板幅方向を横断するような大面積の閉回路を構成した駆動コイルと受信コイルとをそれぞれ配置し、各コイルにコア材を使用しないことを特徴とする鋼板の磁気変態測定装置である。
また、本発明は、本発明の磁気変態測定を誘導加熱の前に行って、鋼板の磁化による影響を考慮したフィードフォワード制御を行う、連続焼鈍プロセスや溶融亜鉛めっきプロセスである。
本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は以下の通りである。
[1] 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する方法であって、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する駆動コイルにより、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信し、
前記鋼板で反射された前記駆動信号を、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する受信コイルにより測定し、
測定処理装置により、前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて前記鋼板と前記駆動コイルとの距離を補正し、補正した前記距離に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
[2] 前記受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、かつ駆動コイルに対して対称な位置に逆位相に接続して、反射された前記駆動信号を測定することを特徴とする[1]に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
[3] 前記受信コイルとして、逆位相に接続される2つの受信コイルを2組用い、かつ該2組の受信コイルと前記駆動コイルとの距離をそれぞれ異なって配置し、
前記測定処理装置により、前記2組の受信コイルにおける前記駆動信号の測定値に基づいて、前記鋼板と前記受信コイルのそれぞれの距離を演算し、演算した結果に基づいて前記磁気変態率を補正することを特徴とする[1]または[2]に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
[4]鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する方法であって、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する駆動コイルにより、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信し、
前記鋼板で反射された前記駆動信号を、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する受信コイルにより測定し、
測定処理装置により、前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値は、発信された前記駆動信号に対して90°の位相を持つ成分に分けられ、該90°の位相を持つ成分に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
[5] 前記測定値は、前記測定処理装置により、発信された前記駆動信号に対して0°の位相を持つ成分および90°の位相を持つ成分にそれぞれ分けられ、該0°の位相を持つ成分に対する該90°の位相を持つ成分の比に基づいて前記磁気変態率を測定することを特徴とする[4]に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
[6] 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する磁気変態率測定装置であって、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信する駆動コイルと、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、前記鋼板で反射された前記駆動信号を受信して測定する受信コイルと、
前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて前記鋼板と前記駆動コイルとの距離を補正し、補正した前記距離に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定する測定処理装置とを有することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
[7] 前記受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、かつ駆動コイルに対して対称な位置に逆位相に接続したことを特徴とする[6]に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
[8] 前記受信コイルとして、逆位相に接続される2つの受信コイルを2組用い、かつ該2組の受信コイルと前記駆動コイルとの距離をそれぞれ異なって配置することを特徴とする[6]または[7]に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
[9] 前記受信コイルは、受信コイル毎にコイルの巻き数を変更し、該コイルの巻き数に対応して前記駆動コイルとの距離を変更して配置することを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
[10] 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する磁気変態率測定装置であって、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信する駆動コイルと、
空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、前記鋼板で反射された前記駆動信号を受信して測定する受信コイルと、
前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて、発信された前記駆動信号に対して0°の位相および/または90°の位相をもつ成分を抽出し、位相成分に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定する測定処理装置とを有することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
[11] [1]〜[5]のいずれかに記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法を用いて、焼鈍炉の誘導加熱装置の前で鋼板の磁気変態率を測定し、
測定処理装置により、測定された該磁気変態率に基づいて誘導加熱装置をフィードフォワード制御することを特徴とする連続焼鈍プロセス。
[12] [1]〜[5]のいずれかに記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法を用いて、焼鈍炉の誘導加熱装置の前で鋼板の磁気変態率を測定し、
測定処理装置により、測定された該磁気変態率に基づいて誘導加熱装置をフィードフォワード制御することを特徴とする連続溶融亜鉛めっきプロセス。
本発明によれば、板幅以上の大きさであって鉄芯を用いない空芯コイルを用いるので、軽量で耐久性に優れ、鋼板の板幅方向で平均の変態率を測定できる。また、測定装置と鋼板との距離を受信コイルの信号を用いて補正し、補正後の距離に基づいて磁気変態率を求めるため、磁気変態率の測定精度も向上する。そして、本発明を連続焼鈍プロセスや溶融亜鉛めっきプロセスに適用することにより、磁気変態率の変化があっても安定して誘導加熱をフィードフォワード制御できる。
図1は、本発明の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置の概略構成を説明する斜視図である。 図2は、図1に示す磁気変態率測定装置における、磁気変態率測定方法の原理を説明する図である。 図3は、本発明の一実施例を説明する斜視図である。 図4は、本発明の別の実施例を説明する一部拡大図である。 図5は、本発明の別の実施例における磁気変態率測定方法の原理を説明する図である。 図6は、本発明の別の実施例における、鋼板と駆動コイル間距離(mm)、信号比(V’÷V)の関係を説明するグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
まず、図1、図2を参照して、本発明に用いる焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置および磁気変態率測定方法の原理について説明する。図1は、本発明の焼鈍炉2中の鋼板の磁気変態測定装置15の概略構成を説明する図である。図2は、図1に示した鋼板の磁気変態測定装置15の磁気変態率測定方法の原理を説明する図である。
図1に示すように、焼鈍炉2内に設置する磁気変態測定装置15は、コイル5、発信機9(図示せず)、電圧計10(図示せず)、測定処理装置14を有する。
コイル5は、1つの駆動コイル(励起コイル)と2つ以上の受信コイルで構成される。駆動コイルとは、鋼板の表面に対して交流の電磁波(駆動信号)を発信するコイルである。受信コイルとは、鋼板で反射された駆動信号を受信して測定するコイルである。
コイル5は、鉄心を用いない空芯4に、導線を通して形成される。受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、それぞれの導線の巻き方向を逆にする。空芯4には、例えば、セラミックパイプ、アルミナパイプなどを用いる。空芯4は、焼鈍炉2の炉体に貫通して設けられ、通板方向に所定の間隔で配置される。ここでは、2本のセラミックパイプ間に導線を通し、鋼板1に平行な面を周回するようにして1組のコイルを形成し、この1組のコイルを鋼板1の表面に対して平行に所定の間隔で3組配置した。中央に配置するコイル5が駆動コイルであり(後述する図3の符号6を参照)、その両側に配置する1対のコイル5が受信コイルである(後述する図3の符号7、8を参照)。例えば、2つの受信コイルと駆動コイルとの距離は、等間隔とする。
なお、各受信コイルの巻き数は異なったものとしてもよく、異なった巻き数にする場合には、2つ受信コイルと駆動コイルとの距離をそれぞれ異なって配置できる。これにより、焼鈍炉2内における設置箇所が狭い場合でも、その影響を受けることなく測定装置を設置できる。
また本発明では、受信コイルは、1対の受信コイルを1組の受信コイルとし、複数組を設けてもよい。複数組の受信コイルを配置することにより、測定精度はより向上する。例えば2組の受信コイルを用いる場合、図4に示すように、駆動コイル6に対して、2組の受信コイル7、8、12、13を対象に配置し、かつ、2組の受信コイルと駆動コイルとの距離はそれぞれ異なるように配置する。
発信機9は、コイル(駆動コイル)に接続され、所定の周波数、電流値の正弦波を出す電源である。例えば、正弦波発信器やファンクションジェネレータである。
電圧計10は、コイル(受信コイル)に接続され、受信コイルで受信した駆動信号を測定する。例えば、ロックインアンプである。
測定処理装置14は、受信コイルで測定された駆動信号の測定値を用いて鋼板と駆動コイルとの距離を補正し、補正した距離に基づいて鋼板の磁気変態率を測定する演算装置である。あるいは、測定処理装置14は、受信コイルで測定された駆動信号の測定値から、発信された駆動信号に対して0°、90°の位相を持つ成分を抽出し、位相成分に基づいて磁気変態率を測定する演算装置である。すなわち、複数の受信コイルの設置位置の違いと、各コイルの信号の比率(信号比)や位相角度の違いにより、距離の補正を行う。なお、測定処理装置14における磁気変態率測定方法については、後述の図2で説明するため、ここでは省略する。
なお、磁気変態測定装置15は、さらに温度計11を有することができる。温度計を備える場合には、鋼板温度の実測値を磁気変態率測定方法に用いることができるため、測定精度をより高めることが可能である。温度計11は、鋼板1の表面温度を測定するものであり、例えば、放射温度計である。
磁気変態測定装置15は、鋼板1の表面に平行に、3組のコイル5(1つの駆動コイルと2つの受信コイル)をそれぞれ配置し、図示しない発信機が駆動コイルに、図示しない電圧計が受信コイルにそれぞれ接続される。磁気変態測定装置15は、図示しない磁気変態測定処理制御装置により、コントローラを介して、入力情報に基づいて駆動コイルの電磁波(信号)の発信を制御する。鋼板が磁気変態測定装置15の前を通過する場合には、駆動コイルにより鋼板1に対して信号(駆動信号)を発し、鋼板1により反射された信号を受信コイルで測定し、測定処理装置14により受信コイルで測定された駆動信号の測定値を用いて鋼板と駆動コイルとの距離を補正し、その補正した距離に基づいて鋼板の磁気変態率を求める。一方、鋼板が磁気変態測定装置15の前を通過しない場合には、駆動コイルにより発した信号は、逆位相に接続された受信コイルで打ち消し合うため、測定処理装置14に送られる信号がでない。
あるいは、鋼板が磁気変態測定装置15の前を通過する場合に、測定処理装置14により、受信コイルで測定された駆動信号の測定値から発信された駆動信号に対して0°、90°の位相を持つ成分を抽出し、位相成分に基づいて磁気変態率を求める。一方、鋼板が磁気変態測定装置15の前を通過しない場合、上述と同様に、測定処理装置14に送られる信号がでない。
なお、連続焼鈍プロセスや連続溶融亜鉛めっきプロセスに適用する場合、鋼板が焼鈍炉の誘導加熱装置を通過する前に、鋼板の磁気変態率を測定し、測定処理装置14により、測定された磁気変態率を後続の誘導加熱装置に送信するフィードフォワード制御を行う。
なお上述した磁気変態測定装置15における駆動コイルの発信は、一定値を基本とするが、受信コイルでの受信信号(すなわち、測定された駆動信号の測定値)が大き過ぎる場合あるいは小さ過ぎる場合には、上記の磁気変態測定処理制御装置により、駆動コイルの発信の大きさを制御することができる。例えば、駆動コイルの信号は、受信コイルの受信信号のオーバーレンジやアンダーレンジにより、10分の1や10倍に切り替える。
本発明によれば、鋼板の磁気変態率を測定するための駆動コイルと受信コイルは、鉄芯を用いない空芯コイルとし、焼鈍炉を横断するような経路を往復するループとしたので、軽量で耐久性に優れる。また、駆動コイルと受信コイルは、鋼板の全幅にわたる磁気変態率に応じた信号を調べるため、鋼板の板幅方向で平均の変態率(すなわち、鋼板の板幅方向平均磁気変態率)を測定することができる効果もある。
また、受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、逆位相で接続して測定するため、受信コイルを通過するノイズの信号が相互に打消し合い、これにより、鋼板の磁気信号を明瞭に測定することができる。
次に、図2を参照して、本発明における鋼板の磁気変態率測定方法の原理について説明する。
鋼板の磁気変態率は、鋼がオーステナイト相からフェライト相に変態することに伴い、常磁性から強磁性に変化する現象を利用して測定される。
本発明では、まず、磁気変態率測定装置15の磁気変態測定処理制御装置により、コントローラを介して、駆動コイルが制御される。そして、駆動コイル6は、鋼板1に向けて電磁波(駆動信号)を発信する。
板厚方向全ての影響を受けて鋼板1の表面側から反射する、鋼板1からの反射波w、wは、2つの受信コイル7、8に入射する。受信コイル7、8では、入射した反射波w、wにより信号が発生するため、電圧計10で各信号の大きさを測定する。
次に、測定処理装置14により、各受信コイル7、8で受けた反射波w、wの大きさの違いから鋼板1と各受信コイル7、8との距離を算出する。ここで、図2に示すように、受信コイル7、8は、鋼板1からの距離を異なったものとし、逆位相で接続されている。このため、受信コイル7、8に発生した信号は互いに打消し合う。また、受信コイル7、8を貫くノイズ信号も互いに打消し合うため、ノイズを防ぐことができる。しかしながら、電波は距離に応じて減衰するため、駆動コイル6によって発生した信号は、受信コイル7と受信コイル8では完全には打消し合わず、鋼板からの信号のみを得ることができる。
したがって、本発明では、受信コイル7、8の合計信号を測定して、鋼板から入射された信号Vのみを利用し、鋼板1の基準位置からの変位量を算出する。そして、算出された変位量に基づいて、鋼板1と磁気変態測定装置15との距離を算出する。なお、「鋼板の基準位置」とは、図2における点線で示した鋼板1の位置を指し、通板ロールによってたるみなく張られた状態の場合の鋼板の位置を指す。また、図2では、図示した両側矢印分だけ変位していることを表す。
次に、測定処理装置14により、算出された上記距離を用いて、各受信コイル7、8に入射された信号Vを鋼板が基準位置に在った場合に相当する信号に補正して、補正信号Vを算出する。そして、例えば、磁気変態率測定装置15の記憶部などに予め記録しておいた信号比の検量線と補正信号Vとを比較して、鋼板温度と変態率による位相変化との関係図から鋼板の磁気変態率を算出する。検量線は、適宜1つ以上の信号を選び、その信号比から鋼板とコイル分との距離を求めることができるものであればよい。例えば、標準の鋼板位置(鋼板の基準位置)で求めた100%フェライト相の鋼板および100%オーステナイト相の鋼板の信号の大きさを用いる場合には、算出された補正信号Vと比較して、鋼板温度と変態率による位相変化との関係図から鋼板の磁気変態率を算出する。
なお、ここでは、鋼板温度として、例えばCAL、CGLプロセスの制御システムが計算する推定値を用いる。一方、上記したように、温度計11を磁気変態率測定装置15に設置することもできる。この場合、鋼板の温度は、鋼板1が本発明の磁気変態測定装置15の3組のコイル5を通過する前に設置された温度計11で測定する。そして、測定された鋼板温度と測定処理装置14により算出された位相変化(補正信号V)とを用いて、予め測定して磁気変態率測定装置15の記憶部などに記録しておいた鋼板温度と変態率による位相変化との関係図から、鋼板の変態率を算出することができる。
また、本発明では、上記した鋼板から入射された信号V(合計信号)から、発信された駆動信号(励起信号)に対して90°の位相を持つ成分(V90°)を抽出し、変態率を算出する。90°の位相成分の信号は、ファラデーの電磁誘導の法則によるもので、鋼板の磁性の大きさを反映しているからである。この抽出した90°の位相を持つ成分(V90°)を用いて、予め測定して磁気変態率測定装置15の記憶部などに記録しておいた検量線と比較し、鋼板温度と変態率による位相変化との関係図から鋼板の磁気変態率を算出することができる。なお、位相成分を用いるのは、同じ鋼板であっても、測定位置が違うと鋼板から入射される信号Vが異なる場合があるため、磁性状態が異なることに起因して入射信号が異なっている場合との区別ができない。そのため、位相成分を抽出することにより、磁性の違いだけに着目する。本発明において、90°の位相成分を用いるのは、受信コイルで受信した信号に対し、鋼板の磁性の影響を最も含んでいるからである。
さらに、本発明では、上記した鋼板から入射された信号Vを、発信された駆動信号(励起信号)に対して0°の位相を持つ成分(V0°)と、発信された駆動信号に対して90°の位相を持つ成分(V90°)に分けて、抽出する。そして、抽出した0°の位相を持つ成分(V0°)および90°の位相を持つ成分(V90°)から、その比(V90°/V0°)を求めることにより、駆動信号(励起信号)に対する受信コイルで受信した信号の位相角を算出する。算出された位相角を用いて、鋼板の磁気変態率を算出する。なお、0°の位相成分を用いるのは、鋼板の電気抵抗の影響を主に含むからである。90°の位相成分を用いるのは、上述のように、受信コイル7、8で受信した合計信号Vに対し、鋼板の磁性の影響を最も含んでいるからである。また、V90°/V0°から求めた位相角(arctan(V90°/V0°))を用いるのは、測定する鋼板の状態によって位相角が違うことを利用して磁気変態率を算出するに際し、鋼板と測定位置との距離の影響による信号の大小、すなわち駆動コイルの信号の大小に影響を受けないからである。
ここでは、1対の受信コイルを1組用いる場合を説明したが、上述したように本発明では、1対の受信コイルを2組以上用いてもよい。この場合、1組の受信コイルの場合よりも、上記した補正精度が向上するため、より正確な磁気変態率を測定することができる。
なお、2組の受信コイルを用いる場合の具体的な測定方法については、後述する実施例2で説明するため、ここでは省略する。
本発明によれば、鋼板に対して駆動コイルと受信コイルを同じ側に配置するため、駆動コイルから発した電磁波(駆動信号)が鋼板で反射された駆動信号を受信コイルで受け取るが、その大きさは、鋼板から離れて配置される受信コイルの位置によって変動する。そのため、受信コイルを電磁波の経路長が異なるように2つ配置することで、2つの受信コイルで受けた駆動信号の大きさの違いから、鋼板と受信コイルとの距離を求める。その後、受信コイルの信号を該距離で補正することにより、補正後の受信コイルの信号から磁気変態率を求めることができる。このとき、受信コイルとして、2つの受信コイルを逆位相とした対のものを2組用いることで、補正精度が向上され、より明瞭な信号を得ることができる。その結果、磁気変態率の測定精度も向上する。
また、受信コイルの信号は、鋼板の磁性の影響と、鋼板に流れる誘導電流の影響とを合わせたものとなっており、駆動コイルの信号を正弦波とした時には、信号の大きさと位相が鋼板の温度や変態率によって異なる。そのため、本発明によれば、受信コイルが受信した駆動信号の合計信号から、鋼板の磁性の影響を最も含んだ、駆動信号(励起信号)に対して90°の位相成分を抽出し、その大きさあるいは鋼板基準位置補正を行った大きさから磁気変態率を求めることで、正確な磁気変態率を求めることができる。
さらに、本発明によれば、受信コイルが受信した駆動信号を、駆動信号(励起信号)に対して0°位相成分の信号と90°位相成分の信号とに分けて測定し、その比を求める。これにより、駆動信号(励起信号)に対する受信した駆動信号の位相角を算出して、鋼板と駆動コイルの位置の影響、具体的にはコイル群(駆動コイル、受信コイル)と鋼板との距離による信号の大小に関わらず、磁気変態率を求めることができる。
以上のように、本発明によれば、駆動コイルと受信コイルとを鉄心を用いない空芯としたので、導線だけで構成された軽量なコイルを、連続焼鈍炉を横断させて配置すれば良い。これにより、900℃程度まで加熱する雰囲気炉の中でも、コイルの自重によって損壊することなく、安定して測定できるようになった。
また、応答性や信号処理のし易さから、駆動コイルから発する信号は、例えば正弦波や矩形波、パルス等の一定の周波数で一定強度のものを用いる。本発明によれば、鋼板の表裏面に対し、どちらか一方の側に駆動コイルと受信コイルを配置して測定する際に、受信コイルを2つとし、この2つの受信コイルを駆動コイルに対して対称となる位置にそれぞれ配置して、それらを逆の位相で接続する。これにより、駆動コイルによって2つの受信コイルに発生する信号を2つの受信コイルで打消し合う(キャンセル)ことができる。また、2つの受信コイルを貫くノイズ信号も打消し合う(キャンセル)ことができるので、ノイズを防ぐこともできる。このとき、駆動コイルから発した信号は、鋼板に反射し、反射した信号は2つの受信コイルに入射して信号を発する。鋼板からの距離は2つの受信コイルで異なり、また、発生した信号の大きさも2つの受信コイルで異なるため、逆位相で接続した2つの受信コイルの合計信号を測定すれば、鋼板から入射された信号のみを利用することができる。
また、本発明によれば、逆位相で接続する受信コイルを2組とし、それぞれが駆動コイルと異なった距離になるように配置することができる。この場合、駆動コイルと各組の受信コイルとの距離が異なるため、鋼板からの反射信号(受信コイルに入射された信号)の比率の違いを用いて、鋼板の基準位置からの変位を演算できる。算出された変位を用いて、鋼板の位置から受信コイルの信号の大きさへの影響を補正することで、1組の受信コイルと比べて、より正確な磁気変態率を測定することができる。
駆動コイルから発して鋼板から反射される信号は、鋼板に発生する渦電流によって生じるが、反射信号は鋼板の磁気と電気抵抗によって大きさと元の信号に対する位相が異なる。強磁性域の鋼の場合、鋼板の磁気の影響は受信コイルの駆動信号に対して90°位相成分に大きく現れる。そこで、本発明では、測定した信号の中で、駆動信号に対して90°の位相を持つ成分の大きさを用いて、鋼板の変態率を求めるようにしたので、鋼板の磁気の大きさを明瞭に測定することができ、正確な磁気変態率の測定ができる。
また、本発明によれば、測定した信号を、駆動信号に対して0°位相と90°位相の各成分に分け、その比あるいは駆動信号に対する測定した信号の位相で変態率を求める。これにより、鋼板の位置変化に起因した信号の大きさの変化に影響されず、正確な磁気変態率の測定ができる。
上述した本発明の磁気変態率測定装置および磁気変態率測定方法は、連続焼鈍プロセスや連続式溶融亜鉛めっきプロセスに適用できる。この場合、連続焼鈍プロセスの焼鈍炉中や連続式溶融亜鉛めっきプロセスの炉中で、かつ再加熱用のソレノイド式誘導加熱装置の前で、磁気変態率測定を行なうことで、鋼板の磁気変態率を把握することができる。これにより、鋼板の磁気変態率の測定結果から、その誘導加熱装置への影響を事前に演算して、誘導加熱装置の電圧変動を抑制するように制御することができる。
なお、本発明の連続焼鈍プロセスや連続式溶融亜鉛めっきプロセスにおける、加熱、均熱、冷却、めっき処理などの温度条件などは、特に限定されず、公知の条件を採用することができる。
本発明によれば、焼鈍炉中で鋼板の磁気変態率を知ることができる。これにより、連続焼鈍プロセスや溶融亜鉛めっきプロセスにおいて、ソレノイド式誘導加熱を行う前に磁気変態率による誘導加熱装置への影響を事前に知ることができる。また、誘導加熱装置のフィードフォワード制御を行い、磁気変態率の変化があっても安定して誘導加熱を行うことができる。
以下、図3〜6を参照して、本発明の詳細について各実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。図3は本発明の一実施例を説明する図であり、図4〜6は本発明の別の実施例を説明する図である。
上述の図1に示したように、鋼板1は、縦型連続焼鈍炉2の炉体内をハースロール3で方向を変えながら焼鈍される。この例では、鋼板は800℃まで加熱され、ガスジェットで600℃まで冷却された後に、本発明の磁気変態測定装置15のコイル5(駆動コイル6、受信コイル7、8)を通過した。
なお、この例では、炉2の幅は2.5mであり、鋼板1は1〜1.8mの板幅のものを用いる。また、連続焼鈍炉2の炉体を貫通するセラミックパイプ4を6本設け、2本のセラミックパイプ4間に導線を通し、導線が鋼板1に平行な面を周回するようにして、3組のコイル5を形成している。一つのコイルループを形成するため、セラミックパイプ4の2本の組は、通板方向に0.5m離して配置した。セラミックパイプ4は、外径30mm、内径24mm、長さ2000mmとし、導体であるφ2mmの銅合金線をその中に10ターン分通した。このセラミックパイプ4は、ひとつで約5kgの重さであるが、銅合金線は炉壁に設けたフランジ部で張力をかけてセラミックパイプの内壁には触れないようにしているため、安定して設置することができた。
図3には、本発明の一実施例(以下、実施例1と称する)における、縦型連続焼鈍炉2内の磁気変態測定装置15の詳細を示す。図3に示すように、3組のコイル6、7、8は、鋼板1の面に平行に配置した。コイル6は駆動コイルであり、コイル7、8は受信コイルである。鋼板と駆動コイルとの距離は、鋼板から200mmの距離とした。駆動コイル6は、周波数55Hz、電流1Aの正弦波を出す電源(発信機)9に接続され、駆動コイルとして機能する。受信コイル7は、駆動コイル6よりも100mmだけ鋼板1に近い位置に配置した。一方、受信コイル8は、駆動コイル6と受信コイル7の間と同じ距離、すなわち100mmだけ、駆動コイル6よりも鋼板1から遠い位置に配置した。
受信コイル7と受信コイル8は、導線の巻方向が逆になるように電気的に接続して電圧計10によって駆動コイル6から反射される信号(反射波)w、wの大きさを測定する、1組の受信コイルとした。このように、巻方向を逆にして接続することで、駆動コイル6から発せられた電波(駆動信号)を受信することにより受信コイル7、8に発生した信号は、互いに打消し合うため、鋼板が無い場合には信号は出ない。なお、背景にあるノイズによって発生する信号のうち、受信コイル7、8を貫くノイズによる信号もまた、巻方向を逆にして接続することにより、互いに弱めあう。
一方、鋼板が有る場合には、駆動コイル6から発した電波は、200mmの距離を経て鋼板1によって反射される。そして、受信コイル7には鋼板からさらに100mmの距離を経て、受信コイル8には鋼板からさらに300mmの距離を経て達することになる。この際、電波は距離に応じて減衰するため、駆動コイル6によって発生した信号は、受信コイル7と受信コイル8では完全には打消し合わない。このため、鋼板からの信号のみを得ることができる。
この減衰の影響をより強くするためには、駆動コイル6を構成する2本のセラミックパイプ4の鋼板搬送方向に対する配置距離をより短くすれば良い。しかし、本実施例1では、施工やメンテナンス性の観点から、3組のコイル6、7、8における鋼板搬送方向に対する配置距離は、いずれも同じとした。
また、本実施例1では、各受信コイル7、8は、巻き数が同じであるため、駆動コイル6に対して等距離に配置した。なお、各受信コイル7、8の巻き数は異なったものとしてもよく、巻き数に応じて駆動コイル6からの信号が相殺されるように、各受信コイル7、8を異なった距離に配置しても良い。こうすることで、設置する周囲の影響により、磁気変態測定装置15の3組のコイルの設置場所が制限される場合でも、設置条件に合わせて受信コイル7、8を設置することができる。
上述のように、本発明の駆動コイルと受信コイルは、鋼板の全幅にわたる磁気変態率に応じた信号を調べる。そのため、鋼板の板幅方向で平均の変態率(鋼板の板幅方向平均磁気変態率)を測定することができる。
本実施例1では、コイルの導線は、一旦炉体外に取り出してから炉を横断させることを繰り返して周回させているが、磁性体である鉄皮の影響を小さくするため、鉄皮の内側を周回させても構わない。なお、本実施例では、鉄皮はほぼ一様であるため、その影響は受信コイル7、8の逆接続で打ち消されて問題にならなかった。
本実施例1では、電圧計10は、ロックインアンプを用いる。電圧計10では、駆動電流信号の位相を基準とし、0°位相の電圧信号V0と、90°位相の電圧信号V90とに分けて測定した。
本実施例1では、鋼板の表面温度は、鋼板1が本発明の磁気変態測定装置15の3組のコイル5を通過する前に設置された温度計11で測定する。
上述のように測定された鋼板温度と測定処理装置により算出された位相変化とを用いて、予め測定して測定処理装置の記録部などに記録しておいた鋼板温度と変態率による位相変化との関係図から、鋼板の変態率を知ることができる。なお、本実施例1では、位相角±2°であり、変態率±1%の違いを測定することができた。
なお、測定中の鋼板1は、ハースロール3間で若干振動するため、鋼板1と磁気変態測定装置15の3組のコイル5との距離も変わる。このため、電圧計10で測定した信号も変動する。本実施例1では、3秒の時間平均処理を施すことで安定して測定できた。
これに対し、比較例として、55Hzで駆動する、特許文献2(特開昭59−188508号公報)の第4実施例(第7図)に示す形式での変態量測定装置を、縦型の連続式熱処理炉に設置した。この場合、変態量測定装置のセンサー機能部(本実施例でいう3組のコイルに相当)は、外寸:80×80×200mm、重量:10kgである。このセンサー機能部を焼鈍炉の熱から保護するためには、該センサー機能部を内部に収める水冷式の保護箱(外寸:200×200×500mm、総重量:50kg)が必要となる。この水冷式の保護箱は、焼鈍炉の側壁から伸ばした支柱の先端に、鋼板と保護箱との距離が100mmとなるように、設置する必要があった。そのため、この設置のために、炉壁の補強を含めた長期の設置工事が必要となった。
また、比較例の場合、重量物を支柱で支える構造であったため、鋼板を移送するローラー等の振動の影響でセンサー機能部が振動し、低速搬送時には共振と推定される振幅20mm程度の大きな振動を生じた。この影響で、支柱基部に亀裂を生じ、2か月で脱落した。
上述した実施例1に示す本発明の場合には、磁気変態測定装置15における3組のコイル5は、軽量のセラミックパイプと導線であり、鋼板を移送する際に振動は生じず、長期の使用でも損壊するようなことは無かった。
図4は、本発明の別の実施例(以下、実施例2と称する)を示す側面図である。
図4に示すように、この実施例2では、1組の受信コイル12、13が追加されている。なお、それ以外の構成は、実施例1と同様のため、説明は省略する。
受信コイル12、13は、上述と同様に、巻き方向を逆にして接続したものであり、図示しない電圧計によって駆動コイル6からの信号の大きさ(電圧V’)を測定している。図4中、実線で示した鋼板1と、各受信コイル7、8、12、13あるいは駆動コイル6との距離は、それぞれ、受信コイル12では100mm、受信コイル7では200mm、駆動コイル6では300mm、受信コイル8では400mm、受信コイル13では500mmとした。
駆動コイル6から発した電波(駆動信号)は、鋼板1で反射されて反射波w、w、w、wとして各受信コイル7、8、12、13に入射する。図5に示したように、鋼板1から各受信コイル7、8、12、13までの距離は、それぞれ異なり、さらに、各組の受信コイル7−8、12−13は、それぞれ巻き方向を逆にして接続されている。そのため、各1組の受信コイルで得られた信号V、V’は、鋼板1の位置によって、その比率V’÷Vが異なる。なお、「鋼板1の位置によって」とは、鋼板と駆動コイル間との距離(mm)を意味する。
本実施例2では、各1組の受信コイル7−8、12−13に発生した信号を、駆動電流信号の位相を基準に、90°位相の電圧信号V90、V90’に分けて測定した。そして、100%がフェライト相である鋼板と、50%がオーステナイト相である鋼板とについて、それぞれ信号比(V90’÷V90)を測定した。
ここでは、例えば100%がフェライト相である鋼板に対する測定結果について、縦軸を信号比(V90’÷V90)、横軸を鋼板と駆動コイル間の距離(mm)として、図6に示した。図6より、信号比から、鋼板と駆動コイル間との距離を特定できることがわかった。本発明では、この鋼板と駆動コイル間との距離を用いて、各受信コイル12、13の信号の大きさを補正する。その後、補正された信号は、予め鋼板の基準位置で求めておいた、100%がフェライト相の鋼板および100%がオーステナイト相の鋼板の信号の大きさと比較することで、鋼板の磁気変態率を求めることができる。ここでは、フェライト相が100%の場合を用いて説明したが、例えばフェライト相:70%+ベイナイト相:30%の場合等を適宜選択される。
なお、上述と同様に、本実施例2の場合も、対に接続する受信コイルの巻き数を異なったものとしてもよい。これにより、各受信コイルは、駆動コイルに対する距離を異なって配置できるため、受信コイルを含めた磁気変態測定装置15の占有体積を小さくすることができ、また設置場所の制限を緩和することができる。
そして、50%γ鋼においても、図6と比べて±1%以内で同じ特性が得られ、γ率によらず距離を測ることができた。
本実施例では、上述した実施例1、2に示した磁気変態測定装置15を、連続式溶融亜鉛めっきプロセスに適用した。磁気変態測定装置15は、溶融亜鉛ポッド前の冷却帯最終パスに設置して、測定した磁気変態率の時間変動率を演算し、磁気変態率の変化、すなわちオーステナイト分率変動による磁気特性の変化を求めた。そして、オーステナイト分率変動による磁気特性の変化が、事前に設定した閾値を超える場合には、その鋼板部分がソレノイド式誘導加熱装置を通過する前から電圧変化が抑制されるように制御の出力を変化させた。これにより、その鋼板部分が通過する際には、出力変動が過大に応答しないように制御の応答速度が遅くなり、安定して誘導加熱制御を行えた。その結果、目標の加熱温度変動範囲に加熱する事ができた。
これに対し、比較例として、上記した本発明の磁気変態率信号による制御への介入を切った。その結果、閾値を超えるオーステナイト分率変動部を、通常の制御で誘導加熱したところ、制御系が過大に応答して、不安定となり、目標の加熱温度変動範囲を逸脱した。
1 鋼板
2 連続式焼鈍炉
3 ハースロール
4 セラミックパイプ
5 コイル
6 駆動コイル
7 受信コイル
8 受信コイル
9 発信機
10 電圧計
11 放射温度計
12 受信コイル
13 受信コイル
14 測定処理装置
15 磁気変態測定装置

Claims (12)

  1. 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する方法であって、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する駆動コイルにより、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信し、
    前記鋼板で反射された前記駆動信号を、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する受信コイルにより測定し、
    測定処理装置により、前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて前記鋼板と前記駆動コイルとの距離を補正し、補正した前記距離に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
  2. 前記受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、かつ駆動コイルに対して対称な位置に逆位相に接続して、反射された前記駆動信号を測定することを特徴とする請求項1に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
  3. 前記受信コイルとして、逆位相に接続される2つの受信コイルを2組用い、かつ該2組の受信コイルと前記駆動コイルとの距離をそれぞれ異なって配置し、
    前記測定処理装置により、前記2組の受信コイルにおける前記駆動信号の測定値に基づいて、前記鋼板と前記受信コイルのそれぞれの距離を演算し、演算した結果に基づいて前記磁気変態率を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
  4. 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する方法であって、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する駆動コイルにより、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信し、
    前記鋼板で反射された前記駆動信号を、空芯を用いた板幅以上の大きさを有する受信コイルにより測定し、
    測定処理装置により、前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値は、発信された前記駆動信号に対して90°の位相を持つ成分に分けられ、該90°の位相を持つ成分に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
  5. 前記測定値は、前記測定処理装置により、発信された前記駆動信号に対して0°の位相を持つ成分および90°の位相を持つ成分にそれぞれ分けられ、該0°の位相を持つ成分に対する該90°の位相を持つ成分の比に基づいて前記磁気変態率を測定することを特徴とする請求項4に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法。
  6. 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する磁気変態率測定装置であって、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信する駆動コイルと、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、前記鋼板で反射された前記駆動信号を受信して測定する受信コイルと、
    前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて前記鋼板と前記駆動コイルとの距離を補正し、補正した前記距離に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定する測定処理装置とを有することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
  7. 前記受信コイルは、2つの受信コイルを対とし、かつ駆動コイルに対して対称な位置に逆位相に接続したことを特徴とする請求項6に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
  8. 前記受信コイルとして、逆位相に接続される2つの受信コイルを2組用い、かつ該2組の受信コイルと前記駆動コイルとの距離をそれぞれ異なって配置することを特徴とする請求項6または7に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
  9. 前記受信コイルは、受信コイル毎にコイルの巻き数を変更し、該コイルの巻き数に対応して前記駆動コイルとの距離を変更して配置することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
  10. 鋼板の表面の一方側に配置される駆動コイルと、該駆動コイルと同一面側で、かつ該駆動コイルの両側で鋼板の表面に対して平行に配置される受信コイルとを用いて、鋼板を焼鈍炉で熱処理する前に鋼板の磁気変態率を測定する磁気変態率測定装置であって、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、鋼板の表面に対して交流の駆動信号を発信する駆動コイルと、
    空芯を用いた板幅以上の大きさを有する大面積の閉回路を構成し、前記鋼板で反射された前記駆動信号を受信して測定する受信コイルと、
    前記受信コイルで測定された前記駆動信号の測定値を用いて、発信された前記駆動信号に対して0°の位相および/または90°の位相をもつ成分を抽出し、位相成分に基づいて前記鋼板の磁気変態率を測定する測定処理装置とを有することを特徴とする焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定装置。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法を用いて、焼鈍炉の誘導加熱装置の前で鋼板の磁気変態率を測定し、
    測定処理装置により、測定された該磁気変態率に基づいて誘導加熱装置をフィードフォワード制御することを特徴とする連続焼鈍プロセス。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法を用いて、焼鈍炉の誘導加熱装置の前で鋼板の磁気変態率を測定し、
    測定処理装置により、測定された該磁気変態率に基づいて誘導加熱装置をフィードフォワード制御することを特徴とする連続溶融亜鉛めっきプロセス。
JP2017125975A 2017-06-28 2017-06-28 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス Active JP6432645B1 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017125975A JP6432645B1 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
PCT/JP2018/019735 WO2019003727A1 (ja) 2017-06-28 2018-05-23 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
US16/626,054 US11125721B2 (en) 2017-06-28 2018-05-23 Method for measuring magnetic transformation rate of steel sheet in annealing furnace, apparatus for measuring the same, continuous annealing process, and continuous galvanizing process
CN201880043681.6A CN110799838B (zh) 2017-06-28 2018-05-23 退火炉中的钢板的磁性转变率测定方法以及磁性转变率测定装置
EP18823636.8A EP3598121A4 (en) 2017-06-28 2018-05-23 METHOD FOR MEASURING MAGNETIC TRANSFORMATION RATE OF STEEL PLATE IN AN ANNUIT OVEN, ASSOCIATED DEVICE FOR MEASURING MAGNETIC TRANSFORMATION RATE, CONTINUOUS ANNUIT PROCESS AND CONTINUOUS HOT GALVANIZATION PROCESS
KR1020197037613A KR102293629B1 (ko) 2017-06-28 2018-05-23 어닐링로 중의 강판의 자기 변태율 측정 방법 및 자기 변태율 측정 장치, 연속 어닐링 프로세스, 연속 용융 아연 도금 프로세스

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017125975A JP6432645B1 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6432645B1 JP6432645B1 (ja) 2018-12-05
JP2019007907A true JP2019007907A (ja) 2019-01-17

Family

ID=64560769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017125975A Active JP6432645B1 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11125721B2 (ja)
EP (1) EP3598121A4 (ja)
JP (1) JP6432645B1 (ja)
KR (1) KR102293629B1 (ja)
CN (1) CN110799838B (ja)
WO (1) WO2019003727A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022049859A1 (ja) 2020-09-03 2022-03-10 Jfeスチール株式会社 鋼帯の鋼中水素量予測方法、鋼中水素量制御方法、製造方法、鋼中水素量予測モデルの生成方法及び鋼中水素量予測装置
WO2022209364A1 (ja) 2021-03-30 2022-10-06 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍設備、連続焼鈍方法、冷延鋼板の製造方法及びめっき鋼板の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112021025284A2 (pt) * 2019-06-14 2022-03-15 Drever Int S A Dispositivo e método para determinação sem contato de pelo menos uma propriedade de um produto de metal
CN110749647B (zh) * 2019-10-21 2022-11-25 杭州西奥电梯有限公司 基于输送线或电子工单的钣金件型号检验方法和系统
JP7342812B2 (ja) * 2020-07-16 2023-09-12 Jfeスチール株式会社 鋼帯の材質予測方法、材質制御方法、製造方法および材質予測モデルの生成方法
CN114200102B (zh) * 2020-08-28 2023-11-14 宝山钢铁股份有限公司 确定与带钢电磁特性相关的物理参数的测量装置及方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59231446A (ja) * 1983-06-15 1984-12-26 Nippon Steel Corp 変態量率の測定方法
JPS6269160A (ja) * 1985-09-24 1987-03-30 Kawasaki Steel Corp 鋼材の相分率測定方法
US5453689A (en) * 1991-12-06 1995-09-26 Massachusetts Institute Of Technology Magnetometer having periodic winding structure and material property estimator
JPH10130742A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Nisshin Steel Co Ltd 準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の熱処理方法
JP2002039997A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Nippon Steel Corp 磁性測定装置及び方法
EP1308721A1 (en) * 2001-11-02 2003-05-07 Corus Technology BV Device and method for detecting magnetic properties of a metal object
KR20060001144A (ko) * 2004-06-30 2006-01-06 주식회사 포스코 후판 변태량 온라인 측정장치
JP2012184931A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Kobe Steel Ltd 鋼板における組織分率の測定方法
JP2012201956A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Kobe Steel Ltd 冷延鋼板の製造条件決定方法、製造条件決定装置および製造条件決定プログラム
JP2015516086A (ja) * 2012-05-10 2015-06-04 サンドビック マイニング アンド コンストラクション リパブリック オブ サウス アフリカ(プロプライアタリー)リミティド 鉱石分析システム
JP2016506502A (ja) * 2012-12-10 2016-03-03 アルセロルミタル・インベステイガシオン・イ・デサロジヨ・エセ・エレ オーステナイト鋼改質管などの健全性および残りのサービス寿命を決定するための方法および装置

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI57181C (fi) * 1975-09-11 1980-06-10 Ovako Oy Fastransformationsmaetare
JPS5682443A (en) 1979-12-11 1981-07-06 Nippon Steel Corp Transformation rate measuring apparatus of steel material
JPS59109859A (ja) 1982-12-16 1984-06-25 Nippon Kokan Kk <Nkk> 鋼板の結晶粒度測定装置
JPS59188508A (ja) 1983-04-12 1984-10-25 Kawasaki Steel Corp 鋼材の変態量及び平坦性のオンライン検出装置
DE3477423D1 (en) 1983-06-15 1989-04-27 Nippon Steel Corp Method for measuring transformation rate
CA1260064A (en) * 1984-10-10 1989-09-26 Osamu Hashimoto System for online-detecting transformation value and/or flatness of steel or magnetic material
JPS6199632A (ja) * 1984-10-19 1986-05-17 Kawasaki Steel Corp 熱延鋼板の冷却制御方法
JPH07190991A (ja) * 1993-12-27 1995-07-28 Nkk Corp 変態率測定方法及び装置
DE19962184A1 (de) * 1999-12-22 2001-07-19 Siemens Ag Verfahren und Vorrichtung zur in situ-Ermittlung des Umwandlungsgrads einer nichtmagnetischen Phase in eine ferromagnetische Phase eines metallischen Werkstücks
JP2005257701A (ja) * 2000-01-20 2005-09-22 Jfe Steel Kk 磁性体材料の材料特性の計測方法、及び磁性体材料の材料特性測定装置
JP4039578B2 (ja) 2002-04-26 2008-01-30 株式会社アヅマシステムズ 磁気プローブ
JP5262436B2 (ja) * 2008-08-27 2013-08-14 Jfeスチール株式会社 磁気測定方法および装置
JP4756409B1 (ja) * 2011-02-18 2011-08-24 大日機械工業株式会社 交番磁場を利用した非破壊検査装置および非破壊検査方法
JP5682443B2 (ja) 2011-05-16 2015-03-11 富士通株式会社 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
EP2960669B1 (en) * 2013-02-25 2022-04-06 Nissan Motor Co., Ltd. Magnet evaluating device and method
AT514380B1 (de) * 2013-05-03 2015-04-15 Siemens Vai Metals Tech Gmbh Bestimmung des ferritischen Phasenanteils nach dem Erwärmen oder Abkühlen eines Stahlbands
JP6269160B2 (ja) 2014-02-26 2018-01-31 セイコーエプソン株式会社 睡眠状態評価装置、睡眠状態評価方法、および睡眠状態評価システム
JP6414170B2 (ja) * 2015-09-30 2018-10-31 Jfeスチール株式会社 鋼板に含まれるオーステナイトの割合の測定方法および装置ならびに合金化炉誘導加熱装置制御方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59231446A (ja) * 1983-06-15 1984-12-26 Nippon Steel Corp 変態量率の測定方法
JPS6269160A (ja) * 1985-09-24 1987-03-30 Kawasaki Steel Corp 鋼材の相分率測定方法
US5453689A (en) * 1991-12-06 1995-09-26 Massachusetts Institute Of Technology Magnetometer having periodic winding structure and material property estimator
JPH10130742A (ja) * 1996-10-28 1998-05-19 Nisshin Steel Co Ltd 準安定オーステナイト系ステンレス鋼帯の熱処理方法
JP2002039997A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Nippon Steel Corp 磁性測定装置及び方法
EP1308721A1 (en) * 2001-11-02 2003-05-07 Corus Technology BV Device and method for detecting magnetic properties of a metal object
KR20060001144A (ko) * 2004-06-30 2006-01-06 주식회사 포스코 후판 변태량 온라인 측정장치
JP2012184931A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Kobe Steel Ltd 鋼板における組織分率の測定方法
JP2012201956A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Kobe Steel Ltd 冷延鋼板の製造条件決定方法、製造条件決定装置および製造条件決定プログラム
JP2015516086A (ja) * 2012-05-10 2015-06-04 サンドビック マイニング アンド コンストラクション リパブリック オブ サウス アフリカ(プロプライアタリー)リミティド 鉱石分析システム
JP2016506502A (ja) * 2012-12-10 2016-03-03 アルセロルミタル・インベステイガシオン・イ・デサロジヨ・エセ・エレ オーステナイト鋼改質管などの健全性および残りのサービス寿命を決定するための方法および装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022049859A1 (ja) 2020-09-03 2022-03-10 Jfeスチール株式会社 鋼帯の鋼中水素量予測方法、鋼中水素量制御方法、製造方法、鋼中水素量予測モデルの生成方法及び鋼中水素量予測装置
WO2022209364A1 (ja) 2021-03-30 2022-10-06 Jfeスチール株式会社 連続焼鈍設備、連続焼鈍方法、冷延鋼板の製造方法及びめっき鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20210148859A1 (en) 2021-05-20
EP3598121A4 (en) 2020-04-08
CN110799838B (zh) 2023-05-09
WO2019003727A1 (ja) 2019-01-03
EP3598121A1 (en) 2020-01-22
JP6432645B1 (ja) 2018-12-05
US11125721B2 (en) 2021-09-21
KR20200009074A (ko) 2020-01-29
KR102293629B1 (ko) 2021-08-24
CN110799838A (zh) 2020-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6432645B1 (ja) 焼鈍炉中の鋼板の磁気変態率測定方法および磁気変態率測定装置、連続焼鈍プロセス、連続溶融亜鉛めっきプロセス
US6455825B1 (en) Use of miniature magnetic sensors for real-time control of the induction heating process
EP2157193A1 (en) Metal plate induction heating device and induction heating method
Sahebalam et al. Comparative study of eddy current and Barkhausen noise methods in microstructural assessment of heat treated steel parts
KR102636180B1 (ko) 스틸에서의 오스테나이트의 백분율의 인-라인 측정용 디바이스
US10005116B2 (en) High frequency induction heating apparatus and processing apparatus
US3963980A (en) Ultrasonic instrument for non-destructive testing of articles with current-conducting surface
JP2019162664A (ja) 鋳片内部状態判定装置および該方法ならびに連続鋳造装置
JPH0242402B2 (ja)
JP6881348B2 (ja) 鋼板の磁気変態率測定装置
JP4303607B2 (ja) 鋼板の誘導加熱方法
Vourna Characterization of electron beam welded non-oriented electrical steel with magnetic Barkhausen noise
JP2940463B2 (ja) 高周波誘導加熱による被加熱部材の変態点検出装置及び焼入れ装置
JP2707841B2 (ja) 連続熱処理薄鋼板の塑性歪比制御方法
US20190388944A1 (en) Method and System for Control of Steel Strip Microstructure in Thermal Processing Equipment Using Electro Magnetic Sensors
Matyuk et al. The plant for pulse magnetic on-line testing of mechanical properties of rolled products
JP2018048388A (ja) 溶融亜鉛めっき層の合金化方法
Hall Measurement of recovery and recrystallisation in interstitial free steels using electromagnetic sensors
JP6880980B2 (ja) 誘導加熱装置及び誘導加熱方法
Sakakura et al. Application of an electro-magnetic induction technique for the magnetization up to 100 T in a vertical single-turn coil system
JPH0762447A (ja) 高品質加工用冷延鋼板の製造方法
JPH11304765A (ja) ボイド検出装置
JPS61147126A (ja) 電磁誘導による鋼材の温度測定方法
Hashimoto et al. Measurement of the localized iron loss in electromagnetic steel sheet by using the needle probe method
CN116263357A (zh) 加热测温电路以及烹饪装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180913

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180913

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6432645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250