JP2940463B2 - 高周波誘導加熱による被加熱部材の変態点検出装置及び焼入れ装置 - Google Patents

高周波誘導加熱による被加熱部材の変態点検出装置及び焼入れ装置

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JP2940463B2
JP2940463B2 JP8066330A JP6633096A JP2940463B2 JP 2940463 B2 JP2940463 B2 JP 2940463B2 JP 8066330 A JP8066330 A JP 8066330A JP 6633096 A JP6633096 A JP 6633096A JP 2940463 B2 JP2940463 B2 JP 2940463B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波誘導加熱によ
る被加熱部材の変態点検出装置及び焼入れ装置に関し、
特に加熱部が所定の組織変態点に達しているか否かを判
別する際に適用して有用なものである。
【0002】
【従来の技術】高周波誘導加熱機を用いた金属の加熱処
理は各種産業分野において汎用されている技術である。
これは、高周波誘導加熱機の加熱コイルに高周波電流を
流し、この結果発生する交番磁界を導電体の被加熱部材
である金属に作用させて渦電流を発生させるとともに、
この渦電流により発生するジュール熱により被加熱部材
を加熱して焼入れ等を行なうものである。
【0003】この焼入れにおいては、例えば被加熱部材
が鋼の場合、加熱によりオーステナイト組織迄もってい
く必要がある。オーステナイト組織となっている鋼に冷
却水を供給してこれを急冷することによりはじめて所望
の焼入れ硬度が得られるからである。
【0004】一方、高周波誘導加熱による焼入れの場
合、被加熱部材の表面からの焼入れ深さを規定する渦電
流の生ずる深さ、すなわち渦電流密度が一定値に減る深
さは、表皮効果の影響を受けるため、次式(1)の関係
を有する。
【数1】
【0005】したがって、被加熱部材が特定されればそ
の固有の物理定数である透磁率及び電気伝導度は特定さ
れるため、周波数を特定することにより理論的に、目安
としての焼入れ深さを適宜選定することができる。そこ
で、従来より焼入れ深さは高周波誘導加熱機の高周波電
源の周波数を指標として決定している。
【0006】一方、高周波誘導加熱を行なった場合、加
熱を停止しても被加熱部材に固有の物理定数である熱伝
導率に応じ、注入された熱が被加熱部材の深部へ伝達さ
れる。このため、現実には、上式(1)により理論的に
求まる焼入れ深さよりも若干深部迄焼入れがなされるこ
とが多い。
【0007】そこで、従来は、物理定数が異なる多くの
被加熱部材についての実測と経験により、加熱時間及び
加熱電力と焼入れ具合(硬度/ケースデプス)との関係
を求めておき、この関係に基づいて適切なヒートサイク
ルを決定して実際の焼入れ作業を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く従来技術に
係る高周波誘導加熱による焼入れにおいては、このヒー
トサイクルを決定するのに実測値及び経験値等に頼って
いるため、被加熱部材及び焼入れ条件に応じて個別にヒ
ートサイクルを決定しなければならないばかりでなく、
この場合でも、特定のヒートサイクルにより実施した焼
入れにより所定の焼入れ、すなわち鋼の場合には加熱部
がオーステナイト組織となっているか否かについては被
加熱部材の一部を破断して検査する必要がある。
【0009】特に、複数の加熱コイル(マルチコイル)
を用いて複数箇所の同時焼入れを実施する場合には、特
定の一箇所で明確化した焼入れデータの他の箇所への置
き換えに多数の破壊検査を要する。
【0010】このように従来技術においては高周波誘導
加熱による焼入れにおいてその焼入れ品質の管理に多大
の時間と費用とを要するという欠点がある。
【0011】本発明は、上記従来技術に鑑み、次の事項
をその技術目的とするものである。 1) 被加熱部材の加熱部が焼入れ時の所定の組織状態
(鋼であればオーステナイト組織)になっていることを
容易に検出し得る高周波誘導加熱による被加熱部材の変
態点検出装置を提供すること。 2) 1)の検出結果を利用した理想的なヒートサイク
ルを構築し得る高周波誘導加熱による焼入れ装置を提供
すること。 3) 2)に加え加熱コイルの不良等、ハード面の異常
状態も容易に検出し得る高周波誘導加熱による焼入れ装
置を提供すること。
【0012】上述の如く目的を設定し、その具体的な構
成を考えるに当たっては次の原理及び知見を基礎とし
た。
【0013】図5は純鉄の温度変化に伴う長さと磁気の
変化を示す特性図である。同図を参照すれば明らかな通
り、磁気の強さは、約770℃のA2 変態点迄は一定
で、このA2 変態点を越えると急速に低下して約910
℃のA3 変態点に至り、これを越えると零近傍の一定値
となる。
【0014】これは、A2 変態点迄は強磁性体、A2
態点とA3 変態点との間は常磁性体、A3 変態点以上で
は非磁性体となるからである。
【0015】ここで、焼入れにより実現すべき状態はA
3 変態点以上のγ鉄の状態である。このγ鉄の状態で純
鉄はオーステナイト組織となっているからである。
【0016】したがってA3 変態点に達したことを検出
できれば焼入れに必要な充分な加熱が行なわれたことが
保証される。
【0017】図6は高周波誘導加熱の原理を概念的に示
す説明図である。同図(a)に示すように、高周波誘導
加熱では高周波電源1aにより加熱コイル1bに高周波
電流を流して交番磁界を形成する。この交番磁界を同図
(b)に示すように、磁性体である鋼等の被加熱部材W
に作用させるとこの被加熱部材Wに渦電流Eを生じる。
そして、この渦電流Eはその大きさに応じた磁界を発生
させる。この渦電流Eに応じた磁界は加熱コイル1bの
近傍に配設する探触子1cに発生する電気量(電圧,電
流)の大きさとして検出し得る。
【0018】したがって、探触子1cに発生する電気量
(電圧,電流)の変化とA3 変態点とを関連ずけること
ができればA3 変態点に達したことは検出可能である。
【0019】そこで、A2 ,A3 変態点では電流が急変
するはずであるとの予測の下、鋼材で形成した試料であ
る被加熱部材Wを加熱コイル1bにより誘導加熱し、こ
のとき探触子1cに流れる電流を測定したところ図7に
示すような波形が得られた。この電流波形は、同図にお
ける“ON”の時点で加熱コイル1bに高周波電流を供
給し、“OFF”の時点でこの供給を停止した場合のも
のである。
【0020】かかる実測結果に基づき、電流波形と
2 ,A3 変態点との関係を被加熱部材Wの破壊検査に
より調べたところ、予測通り、図中にA2 ,A3 変態と
記した電流の急変点がそれぞれA2 ,A3 変態点である
ことが確認できた。
【0021】このようにA2 ,A3 変態点で電流が急変
するのは、前述の如く、鉄が強磁性体から常磁性体へ、
常磁性体から非磁性体へと物性が変化し、これに伴ない
物理定数である透磁率が急変するからであると考えられ
る。
【0022】この結果、探触子1cにより加熱コイル1
bの近傍の磁束の状態を把握することにより被加熱部材
Wの加熱部がA2 ,A3 変態点に達していることを検出
し得ることが判明した。
【0023】すなわち、鋼の場合であれば焼入れ時の加
熱により実現すべき組織状態であるオーステナイト組織
が形成されていることは、加熱部の温度を管理すること
なく、上述の如き電気量の把握によって検出し得る。こ
のように、温度管理によらないでオーステナイト組織に
達したことを保証し得るという事実は、A3 変態点に対
応する温度が鋼中の不純物の割合により変化し、A3
態点と加熱部の温度との間に一意的な関連がないことを
考え合わせれば特に好都合である。ちなみに、鋼では炭
素の含有量が増大すればする程、A3 変態点温度が低下
する。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記知見に基づいて技術
目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とす
【0025】) 被加熱部材を誘導加熱する加熱コイ
ルを有する高周波誘導加熱機と、加熱した被加熱部材を
急冷するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、高
周波誘導加熱機及び冷却水供給手段を制御する制御手段
とを有する高周波誘導加熱による焼入れ装置において、
高周波誘導加熱時に磁性体である被加熱部材に流れる渦
電流により発生する磁束を電圧及び電流等の電気量とし
て検出するよう高周波誘導加熱機の加熱コイルの近傍に
配設した探触子と、この探触子が検出した電気量を表わ
す電気信号を処理して被加熱部材の高周波誘導加熱によ
る物性的組織の変態点に対応する電気信号の変化を検出
し、この変態点に達したことを表わす変態点信号を送出
する変態点検出手段とを有する変態点検出手段と、変態
点検出信号を入力してこの入力時から所定時間経過後に
被加熱部材の加熱を停止するよう高周波誘導加熱機を制
御するとともに、この停止から所定時間経過後に被加熱
部材に冷却水を供給するよう冷却水供給手段を制御する
制御手段とを有すること。
【0026】) 被加熱部材を誘導加熱する加熱コイ
ルを有する高周波誘導加熱機と、加熱した被加熱部材を
急冷するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、高
周波誘導加熱機及び冷却水供給手段を制御する制御手段
とを有する高周波誘導加熱による焼入れ装置において、
高周波誘導加熱時に磁性体である被加熱部材に流れる渦
電流により発生する磁束を電圧及び電流等の電気量とし
て検出するよう高周波誘導加熱機の加熱コイルの近傍に
配設した探触子と、この探触子が検出した電気量を表わ
す電気信号を処理して被加熱部材の高周波誘導加熱によ
る物性的組織の変態点に対応する電気信号の変化を検出
し、この変態点に達したことを表わす変態点信号を送出
する変態点検出手段とを有する変態点検出手段と、変態
点検出信号を入力してこの入力時から所定時間経過後に
被加熱部材の加熱を停止するよう高周波誘導加熱機を制
御するとともに、この停止から所定時間経過後に被加熱
部材に冷却水を供給するよう冷却水供給手段を制御し、
さらに加熱開始から変態点検出信号の入力迄の加熱時間
を計測し、この加熱時間が予め定めた設定値の範囲外で
あるときには警報手段が警報を発するように制御する制
御手段とを有すること。
【0027】) 上記1)〜)において、被加熱部
材は鋼,変態点は鋼のA3 変態点及び変態点信号はA3
変態点に達したことを表わすA3 変態点信号であるこ
と。
【0028】) 上記1)〜)において、被加熱部
材は鋼,変態点は鋼のA2 変態点とA3 変態点及び変態
点信号はA2 変態点に達したことを表わすA2 変態点信
号とA3 変態点に達したことを表わすA3 変態点信号で
あること。
【0029】) 上記1)〜)において、探触子は
渦電流が発生する磁束が鎖交するように配設したピック
アップコイルであること。
【0030】) 上記1)〜)において、変態点検
出手段は、電気量を表わす電気信号の微分値を検出する
微分回路と、電気信号の値が予め定められた所定範囲に
収まっているか否かを検出するウインドコンパレータと
を有し、電気信号の微分値が零で、しかもその電気信号
の値が所定範囲に収まっていることを条件として変態点
信号を送出するように構成したこと。
【0031】上記構成の本発明によれば、探触子で、被
加熱部材の焼入れ部の渦電流による磁束を電気信号に変
換して検出する。ここで検出される電気信号の急変部
は、焼入れ部の変態点に対応しており、変態点検出手段
はこの急変部を検出する。
【0032】したがって変態点検出手段の出力信号であ
る変態点信号は、鋼の場合にはオーステナイト組織とい
うように焼入れ部が所定の物性的組織に達したことを反
映したものとなる。
【0033】かくして、変態点信号を基準に構築したヒ
ートサイクルにより被加熱部材の不純物濃度等、組織の
如何にかかわらず理想的な焼入れを実現し得る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0035】図1は本形態に係る焼入れ装置を示すブロ
ック線図である。同図に示すように、高周波誘導加熱機
1は、従来と同様の高周波誘導電源1a及び加熱コイル
1bを有するものに探触子1cを配設したものである。
加熱コイル1bは、高周波電源1aから供給される高周
波電流により形成される交番磁界を被加熱部材(図示せ
ず)に作用させてこの被加熱部材に渦電流を発生させる
ことにより加熱する。探触子1cは被加熱部材の渦電流
により発生する磁束を電圧,電流の電気量として検出す
るように加熱コイル1bの近傍に配設してある。この探
触子1cは具体的にはピックアップコイル及びホール素
子等により好適に形成し得る。
【0036】ここで、被加熱部材は鋼である。したがっ
て、これを焼入れするにはA2 変態点(キューリー点)
を経てA3 変態点に至り、オーステナイト組織となる迄
加熱する必要がある。
【0037】そこで、変態点検出器3は、A2 変態点検
出器3a及びA3 変態点検出器3bを有している。これ
らA2 ,A3 変態点検出器3a,3bはそれぞれA2
3変態点を検出する。すなわち、探触子1cの出力信
号である電気信号S1 を整流器2で整流して得る電気信
号S2 を入力し、この電気信号S2 の急変部であり、極
大となる点を検出することによりA2 ,A3 変態点をそ
れぞれ検出し、A2 ,A3 変態点を表わすA2 ,A3
態点信号S3 ,S4 をそれぞれ送出する。
【0038】本形態においては、探触子1c,整流器2
及び変態点検出器3で変態点検出装置を構成している。
【0039】制御部4は制御信号S5 ,S6 ,S7 によ
り高周波電源1a、冷却水供給装置5及び警報装置7を
はじめ当該焼入れ装置の全般的な制御を行なうものであ
り、特にA2 ,A3 変態点信号S3 ,S4 の入力により
高周波電源1aによる加熱コイル1bに対する電流の供
給を停止するとともに、冷却水供給装置5を制御して鋼
の焼入れ部分に冷却水を供給するように構成してある。
このとき、A3 変態点信号S4 の入力から加熱を停止す
る迄の時間及び加熱を停止してから冷却水を供給する迄
の時間は、理想的な焼入れのヒートサイクルを構築し得
るよう別途実測により求めたデータに基づく時間とす
る。このため、制御部4は上記時間に関するデータを記
憶している。
【0040】制御部4は、加熱開始時点からA3 変態点
に至る迄の時間の許容値も実測により求めた所定範囲の
データとして記憶している。この時間が許容値の範囲内
に収まっていない場合には警報装置7を動作させる。許
容値以下であれば急加熱となり過ぎ、また許容値以上で
あれば加熱コイル1bの鉄心の脱落等、ハード面での異
常が考えられるからである。
【0041】このとき、加熱開始時の室温を室温センサ
6により室温信号S8 として制御部4に取り込んで参照
することにより上記許容値を室温に合わせて補正するよ
うに構成してある。
【0042】図2は本形態に係る焼入れ装置により構築
されるヒートサイクルを示す特性図である。同図に示す
ようにこのヒートサイクルは加熱モードI、待機モード
II及び冷却モードIII を有している。加熱モードIは加
熱コイル1bの通電時、待機モードIIは通電の停止から
実測により求めた熱の浸透期間、冷却モードIII は冷却
水により鋼を急冷する期間にそれぞれ対応している。
【0043】このヒートサイクルは室温から加熱が開始
される鋼の温度特性を表わしており、A2 変態点迄は強
磁性体としての一定の透磁率であるので、加熱部の温度
は直線的に上昇する。
【0044】A2 変態点を通過して変態することにより
上昇率は若干小さくなるが、温度は殆ど連続して直線的
に上昇しA3 変態点に至る。
【0045】A3 変態点を通過すると鋼が非磁性体とな
るので温度上昇率が急激に減少するが、熱伝導率に基因
する熱の浸透を考慮して実測により求めた所定時間の加
熱を継続する。この結果、さらに若干の温度上昇を経た
後、待ちモードIIに至って徐冷される。その後、冷却モ
ードIII で冷却水により急冷され、温度は急速に低下す
る。
【0046】このとき、制御部4は、A3 変態点に至る
迄の時間T1 、A3 変態点から加熱を停止する迄の時間
2 、待機モードIIの時間T3 及び冷却モードIII の時
間T 4 をそれぞれ管理している。それぞれ、焼入れ時に
異常を検出するため、高周波電源1aの通電を停止する
ため、所定の徐冷期間を確保するため及び所定の急冷期
間を確保するためである。
【0047】かかる本形態においては、被加熱部材であ
る鋼のA2 変態点及びA3 変態点は電気信号S2 の極大
点に対応しているため、変態点検出装置3で検出したA
2 ,A3 変態点信号S3 ,S4 は、鋼が加熱により
2 ,A3 変態点に達したことをそれぞれ表わす。
【0048】制御部4はA2 変態点信号S3 に続き、A
3 変態点信号S4 の入力を契機として所定の時間T2
3 ,T4 で高周波電源1aが通電を停止するよう、ま
た冷却水供給装置5が冷却水を供給するとともにこの供
給を停止するように制御する。
【0049】この結果、図2に示すヒートサイクルが実
現されるのであるが、このとき鋼は必ずオーステナイト
組織迄加熱した状態で急冷される。
【0050】また、A3 変態点に達する迄の時間が所定
範囲に収まらない場合には警報装置7による警報が発せ
られる。
【0051】上記実施の形態においては、A3 変態点検
出器3bの他にA2 変態点検出器3aも設けたが、これ
はA3 変態点検出器3bだけでも良い。鋼がオーステナ
イト組織となっていることが保証されれば良いからであ
る。ただし、上記形態の如く二個設け、A2 変態点信号
3 に続いてA3 変態点信号S4 が入力されることを制
御部4における後の制御の条件とすることによりノイズ
等の影響を受けることのない正確なA3 変態点の検出が
可能となる。
【0052】また、被加熱部材は磁性体であれば鋼に限
定する必要はない。同様に電気信号の急変により変態点
を検出し得るからである。
【0053】[実施例]図3は図1の変態点検出装置3
の具体的な構成の一例を示す回路図である。同図に示す
ようにウィンドコンパレータ8,9はA2 ,A3 変態点
をそれぞれ検出するためのものであり、電気信号(電圧
信号)S2 が所定の設定値に収まっている場合に出力が
“1”となる。このとき、ウィンドコンパレータ8の設
定値はV ref1,Vref2(Vref1<Vref2)、ウィンドコ
ンパレータ9の設定値はVref3,Vref4(Vref3<V
ref4)であり、図7と同一波形の図4に示すように、V
ref1<A2 変態点<Vref2、Vref3<A3 変態点<V
ref4となるように設定してある。
【0054】微分回路10は電気信号S2 の微分値をと
るもので、しかもその微分値が零の場合に出力信号が
“1”となる。
【0055】したがって、ウィンドコンパレータ8若し
くは9と微分回路10との出力信号のAND論理をとる
ことによりA2 ,A3 変態点信号A3 ,A4 を得る。A
ND回路11,12はこのためのものである。
【0056】A2 ,A3 変態点信号S3 ,S4 はオア回
路13を介して出力される。
【0057】
【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
たように本発明によれば、焼入れの品質管理に必要な変
態点に達したことを表わす変態点信号を得ることができ
る。
【0058】また、この変態点信号を用いて破壊検査を
行なうことなく所定の変態点に達していることを保証し
得る理想的な焼入れ時のヒートサイクルを実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック線図。
【図2】図1の実施の形態により実現する焼入れ時のヒ
ートサイクルを示す特性図。
【図3】図1の変態点検出器の具体的な実施例を示す回
路図。
【図4】図3におけるA2 ,A3 変態点の検出原理を説
明するための波形図。
【図5】純鉄の温度変化に伴う長さと磁気の変化を示す
特性図。
【図6】高周波誘導加熱及び本発明の原理を概念的に示
す説明図。
【図7】本発明の原理であるA2 ,A3 変態点と渦電流
による磁束変化により発生する電流との関係を示す説明
図。
【符号の説明】
1 高周波誘導加熱機 1a 高周波電源 1b 加熱コイル 1c 探触子 3 変態点検出器 3a A2 変態点検出器 3b A3 変化点検出器 4 制御部 5 冷却水供給装置 7 警報装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱部材を誘導加熱する加熱コイルを
    有する高周波誘導加熱機と、加熱した被加熱部材を急冷
    するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、高周波
    誘導加熱機及び冷却水供給手段を制御する制御手段とを
    有する高周波誘導加熱による焼入れ装置において、 高周波誘導加熱時に磁性体である被加熱部材に流れる渦
    電流により発生する磁束を電圧及び電流等の電気量とし
    て検出するよう高周波誘導加熱機の加熱コイルの近傍に
    配設した探触子と、この探触子が検出した電気量を表わ
    す電気信号を処理して被加熱部材の高周波誘導加熱によ
    る物性的組織の変態点に対応する電気信号の変化を検出
    し、この変態点に達したことを表わす変態点信号を送出
    する変態点検出手段とを有する変態点検出手段と、 変態点検出信号を入力してこの入力時から所定時間経過
    後に被加熱部材の加熱を停止するよう高周波誘導加熱機
    を制御するとともに、この停止から所定時間経過後に被
    加熱部材に冷却水を供給するよう冷却水供給手段を制御
    する制御手段とを有することを特徴とする高周波誘導加
    熱による焼入れ装置。
  2. 【請求項2】 被加熱部材を誘導加熱する加熱コイルを
    有する高周波誘導加熱機と、加熱した被加熱部材を急冷
    するための冷却水を供給する冷却水供給手段と、高周波
    誘導加熱機及び冷却水供給手段を制御する制御手段とを
    有する高周波誘導加熱による焼入れ装置において、 高周波誘導加熱時に磁性体である被加熱部材に流れる渦
    電流により発生する磁束を電圧及び電流等の電気量とし
    て検出するよう高周波誘導加熱機の加熱コイルの近傍に
    配設した探触子と、この探触子が検出した電気量を表わ
    す電気信号を処理して被加熱部材の高周波誘導加熱によ
    る物性的組織の変態点に対応する電気信号の変化を検出
    し、この変態点に達したことを表わす変態点信号を送出
    する変態点検出手段とを有する変態点検出手段と、 変態点検出信号を入力してこの入力時から所定時間経過
    後に被加熱部材の加熱を停止するよう高周波誘導加熱機
    を制御するとともに、この停止から所定時間経過後に被
    加熱部材に冷却水を供給するよう冷却水供給手段を制御
    し、さらに加熱開始から変態点検出信号の入力迄の加熱
    時間を計測し、この加熱時間が予め定めた設定値の範囲
    外であるときには警報手段が警報を発するように制御す
    る制御手段とを有することを特徴とする高周波誘導加熱
    による焼入れ装置。
  3. 【請求項3】 被加熱部材は鋼,変態点は鋼のA3 変態
    点及び変態点信号はA3 変態点に達したことを表わすA
    3 変態点信号であることを特徴とする[請求項1]〜
    [請求項]の何れか一つに記載する高周波誘導加熱に
    よる被加熱部材の変態点検出装置若しくは焼入れ装置。
  4. 【請求項4】 被加熱部材は鋼,変態点は鋼のA2 変態
    点とA3 変態点及び変態点信号はA2 変態点に達したこ
    とを表わすA2 変態点信号とA3 変態点に達したことを
    表わすA3 変態点信号であることを特徴とする[請求項
    1]〜[請求項]の何れか一つに記載する高周波誘導
    加熱による被加熱部材の変態点検出装置若しくは焼入れ
    装置。
  5. 【請求項5】 探触子は渦電流が発生する磁束が鎖交す
    るように配設したピックアップコイルであることを特徴
    とする[請求項1]〜[請求項]の何れか一つに記載
    する高周波誘導加熱による被加熱部材の変態点検出装置
    若しくは焼入れ装置。
  6. 【請求項6】 変態点検出手段は、電気量を表わす電気
    信号の微分値を検出する微分回路と、電気信号の値が予
    め定められた所定範囲に収まっているか否かを検出する
    ウインドコンパレータとを有し、電気信号の微分値が零
    で、しかもその電気信号の値が所定範囲に収まっている
    ことを条件として変態点信号を送出するように構成した
    ことを特徴とする[請求項1]〜[請求項]の何れか
    一つに記載する高周波誘導加熱による被加熱部材の変態
    点検出装置若しくは焼入れ装置。
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