JP2938950B2 - 金属材料の劣化損傷検出装置 - Google Patents

金属材料の劣化損傷検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属材料の劣化および損傷を検出する装置に
係り、特に原子力プラントおよび化学プラントの高温環
境下で使用される含フェライト系ステンレス鋼および低
合金鋼等の金属材料の実機部材における高温時効脆化お
よびひずみ損傷等を検知するに好適な金属材料の劣化損
傷検出装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の金属材料の脆化検出方法の一例としては、特開
昭54−61981号公報に記載のような方法がある。この方
法ではオーステナイト系ステンレス溶接金属の脆化の有
無を初期のδフェライト量が5%以上減少したことで判
定するとしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は高温で使用される金属材料のうちで特
に含フェライト系ステンレス鋼を例にとれば高温長時間
の使用により時効脆化を起こすことが既に知られてお
り、これはおよそ600℃以上の比較的高温においてはσ
相の析出に起因するσ脆化が生じ、また400℃から500℃
の範囲ではいわゆる475℃脆性が生じることによるもの
である。しかし475℃脆性が400℃以下の温度範囲におい
ても長時間使用中に生じる可能性があるため、含フェラ
イト系ステンレス鋼の実機部材の高温での使用にはさら
に十分の配慮が必要であるが、上記従来技術は500℃以
下の脆化およびひずみがある場合のひずみ時効について
の配慮がされておらず、475℃脆性の程度を検出できな
い問題があった。
上記従来技術はまた実機溶接部の初期フェライト量が
溶接位置で異なるうえばらつきも大きく、さらに実機で
は溶接箇所が膨大であるため、全部の溶接部および機器
材料の初期のフェライト量を全て監視することが困難で
あり、したがって上記従来技術は初期フェライト量が不
明な箇所には適用できないため、実機で実用化できない
という問題があった。
本発明は高温環境下で使用する含フェライト系ステン
レス鋼および低合金鋼等の金属材料の実機部材の脆化お
よびひずみ損傷の程度を非破壊的にかつ精度よく検知で
きる金属材料の劣化損傷検出装置を提供することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の金属材料の劣化
損傷検出装置は、測定体に直流磁界を印加する直流マグ
ネットと、渦電流を発生しないような低周波で測定体の
局所に微小交流磁界を印加する交流マグネットと、測定
体の磁気変化を検出するSQUIDセンサと、該SQUIDセンサ
の検出による交流磁気特性から測定体の劣化度および損
傷度を判定する演算処理装置とを備えたものである。
また実プラントの機器材料の検査のためにはセンサ部
を機器上で走査するために走査装置を含めたシステムに
したものである。
上記センサ部としては被検体に直流磁界を広範囲で均
一に印加し、微小交流磁界を局所的に印加するために、
被検体側から小型交流マグネットと磁気センサと直流マ
グネットの順に配置したものである。
また被検体への励磁を効率よく行なうためと横方向励
磁を行うために、馬蹄形ヨークを用いたセンサとしたも
のである。
またセンサ構造を簡略化するために、直流マグネット
の励磁電流に直流成分に加えて微小交流成分を付加した
ものとし、小型交流マグネットを除去したものである。
また微小交流磁界だけを高感度に検出するために、磁
気センサを差動型にしたものである。
また非接触で高感度測定するために磁気センサにSQUI
D(超電導量子干渉素子)センサを用い、直流マグネッ
トに超電導マグネットを用いたものである。
上記演算処理装置としては被検材の劣化度および損傷
度を推定するために、磁気ヒステリシスループのΔB−
ΔHループやΔB/ΔH−Hカーブのパラメータを統計的
に処理するものである。
〔作用〕
上記金属材料の劣化損傷検出装置の動作原理および作
用を第13図の金属材料のB−Hカーブを用いて説明す
る。金属材料は高温環境中で長時間使用すると、内部組
織に変化を生じて強度が低下する。このとき内部組織の
変化に伴い電気抵抗率ρや透磁率μなどの電磁気的特性
も変化することが知られている。
しかし実プラントでは運転温度が比較的低いため、熱
時効による脆化度が小さく、電磁気特性の変化も小さ
い。そこで発明者らは第13図に示すように微小磁気ヒス
テリシス量のΔBi−ΔHi特性を測定した結果、特に材料
の時効脆化と直流磁界HiのときのΔBi−ΔHi特性とがよ
く対応することを見出した。
また含フェライト系ステンレス鋼や低合金鋼等の金属
材料に加工による塑性ひずみを加えると、その塑性ひず
み量に依存して材料のΔB−ΔHの磁気特性が変化す
る。さらに予めひずみを与えた材料を時効させた場合も
同様にひずみ時効の程度に対応したΔB−ΔHの磁気特
性の変化が得られた。
すなわち、このような現象を利用すれば、含フェライ
ト系ステンレス鋼および低合金鋼等の金属材料の時効脆
化および加工ひずみの進行程度を精度よく検知すること
ができる。
そこで本装置では、直流マグネットは第13図に示すよ
うにベース磁界Hiを被検材に印加する。また小型交流マ
グネットは被検材に微小交流磁界ΔHiを印加するもので
ある。このときの微小交流磁界ΔHiによる被検材の磁束
密度変化ΔBiを磁気センサで検出する。それによって劣
化損傷材のΔB−ΔHの微小磁気ヒステリシス特性が測
定できる。演算処理装置は測定した磁気特性のデータか
ら被検材の劣化度および損傷度を予め用意したデータベ
ースと比較して推定できる。それらによって被検材の劣
化度および損傷度が検出が可能となる。
また走査装置は検査対象機器材上でセンサ部を走査す
るもので、それによって実プラントでの測定および検査
が可能である。
上記センサ部に馬蹄形ヨークを用いることにより、横
磁界および効率よい磁界の励磁ができる。また直流マグ
ネットに印加する励磁電流に直流成分と微小交流成分を
重畳することでも同様の作用が得られる。
またセンサ部にSQUID(超電導量子干渉素子)センサ
と超電導マグネットと小型交流常電導マグネットを組み
合わせても、同様の作用が非接触で得られる。また磁気
センサを差動型にすることにより、直流成分をキャンセ
ルして微小交流成分のみを高感度で測定できる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を第1図から第21図により説明
する。
第1図は本発明による金属材料の劣化損傷検出装置の
一実施例を示す全体システム構成斜視図である。第1図
において、被検体(パイプ)40は原子力プラント等に用
いられている配管等の被検体であり、被検体(パイプ)
40の溶接部41の劣化損傷状態を検出する。このため直流
マグネット10と磁気センサ11と小型交流マグネット12か
ら構成されるセンサ部70が溶接部41の上に配置される。
センサ部70はセンサ用バー53を介して走査装置50に取り
付けられており、センサ用バー53の伸縮によりセンサ部
70はパイプ40の軸方向へ走査が可能である。またパイプ
40にはスタンド52によりレール51が固定されており、走
査装置50はレール51上を移動することができる。すなわ
ちセンサ部70は走査装置50によりパイプ40の軸方向と周
方向の走査が可能である。走査装置50は走査制御装置60
で位置制御される。センサ部70の直流マグネット10、磁
気センサ11、小型交流マグネット12はそれぞれ直流電源
20、センサコントローラ21、交流電源22に接続される。
直流電源20とセンサコントローラ21と交流電源22はコン
ピュータ30に接続され、測定結果はコンピュータ30のデ
ィスプレー31および出力装置32に表示される。
第1図のセンサ部70の実施例の詳細を第2図から第10
図により次に説明する。
第2図は第1図のセンサ部70の第1の実施例を示す詳
細断面図である。第2図において、同軸型センサ部70の
実施例を示す。被検体40の表面近傍に小型交流マグネッ
ト12を配置して被検体40を励磁する。このとき被検体40
に渦電流が発生しないように、数Hz以下の低周波数で小
型交流マグネット12を駆動する。被検体(パイプ)40の
劣化損傷に伴う微小磁気変化は小型交流マグネット12の
上部に配置した磁気センサ11で検出する。被検体40にベ
ース磁界を印加する直流マグネット10は磁気センサ11の
さらに上部にある。直流マグネット10と磁気センサ11と
小型交流マグネット12は非磁性・絶縁材料からなるセン
サホルダー100で一体化されている。
第3図は第1図のセンサ部70の第2の実施例を示す詳
細断面図である。第3図において、被検体40の磁気異方
性を検出するためのセンサ部70の実施例を示す。馬蹄形
のヨーク13に直流マグネット10を巻きつけ、さらに小型
交流マグネット12を巻きつけてある。磁気センサ11aは
ヨーク13の中央で被検体(パイプ)40の漏れ磁界を測定
する。また磁気センサ11bはヨーク13の一方の端に配置
して被検体40の直接の磁界を測定する。ヨーク13と直流
マグネット10と小型交流マグネット12と磁気センサ11a,
11bはセンサホルダー100で一体化されている。
第4図は第1図のセンサ部70の第3の実施例を示す詳
細断面図である。第4図において、直流マグネット10と
磁気センサ11からなり、直流マグネット10の直流電源20
に交流電源22の微小交流成分が付加できる機能をもたせ
た励磁電源20′を接続したセンサ部70の実施例を示す。
この実施例により小型交流マグネット12が除去できる。
直流マグネット10と磁気センサ11はセンサホルダー100
で一体化されている。
第5図(a),(b)は第2図から第4図の磁気セン
サ11,11a,11bの一実施例を示す詳細配置図および出力波
形図である。第5図(a),(b)において、第5図
(a)の磁気センサ11A,11BをZ軸方向に距離ΔZだけ
離して配置した差動型磁気センサ11の実施例を示す。直
流マグネット10の直流磁界を印加した状態で小型交流マ
グネット12の微小な交流磁界を検出する場合に、ベース
磁界(直流磁界)で磁気センサ11の出力が大きくなって
微小交流出力が得にくくなるから、そこで2つの磁気セ
ンサ11A,11Bを逆方向に接続してその差分量で交流成分
だけを検出することにより、第5図(b)の磁気センサ
11の交流出力波形が得られる。
第6図(a),(b)は第2図から第4図の磁気セン
サ11,11a,11bの他の実施例を示す詳細配置図および出力
波形図である。第6図(a),(b)において、第6図
(a)の2つの磁気センサ11A,11Bを用いて一方の磁気
センサ11Aで直流磁界および小型交流マグネット12の交
流磁界を測定する。そして第6図(b)の2つの磁気セ
ンサ11b,11Aの出力波形B,Aの差から交流成分を検出す
る。
第7図は第1図のセンサ部70の第4の実施例を示す詳
細断面図である。第7図において、SQUIDセンサシステ
ムおよび超電導マグネットを用いたセンサ部70の実施例
を示す。第7図のクライオスタット113の内部には液体
ヘリウムが充填されており、4.2Kに冷却されている。こ
のクライオスタット113の中にSQUID110とピックアップ
コイル111と超電導マグネット101が納められる。磁界を
検出するピックアップコイル111はSQUID110に接続され
ており、SQUID110で磁気量が電気信号に変換され、2.07
×10-15Wbの高感度で検出できる。SQUID110の出力はア
ンプ115で増幅され、SQUIDコントローラ116で処理され
る。ピックアップコイル111とSQUID110との間にヒート
スイッチ112が設けてあり、超電導マグネット101の磁界
変更時にはヒートスイッチ112をOFFにしてSQUID110に入
る磁界をカットし、SQUID110を保護する。クライオスタ
ット113の下部には交流磁界を印加するための小型常電
導マグネット12が配置される。超電導マグネット101で
安定した直流磁界を被検体40に印加し、小型交流マグネ
ット12による交流磁界をSQUIDセンサで高感度に検出す
る。なおクライオスタット113内の上部には液体ヘリウ
ム蒸発を防ぐための熱しゃへい板114がある。
第8図は第1図のセンサ部70の第5の実施例を示す詳
細断面図である。第8図において、第7図のSQUIDセン
サを用いたセンサ部70について超電導マグネット101と
交流マグネット12と磁気検出のピックアップコイル111
の配置を限定した実施例を示す。第8図のピックアップ
コイル111は通常に微分型コイルを用いる。これは外部
磁界ノイズや励磁時のマグネット磁界をキャンセルする
ためである。従って被検体40の材料による磁界変化だけ
を検出するために、超電導マグネット101および交流マ
グネット12で生じる磁界について磁束密度Bの変化∂B/
∂x=0の位置xにピックアップコイル111を配置する
ものである。
第9図は第1図のセンサ部70の第6の実施例を示す詳
細断面図である。第8図において、第7図または第8図
のSQUIDセンサを用いたセンサ部70について、交流磁界
を印加するのに容易な常電導交流マグネット12を超電導
マグネット101の外側に配置した実施例を示す。
第10図は第1図のセンサ部70の第7の実施例を示す詳
細断面図である。第10図において、第7図または第8図
のSQUIDセンサを用いたセンサ部70において、第9図の
実施例とは逆に常電導交流マグネット12を超電導マグネ
ット101の内側に配置した実施例を示す。
第7図から第10図のSQUIDセンサシステムおよび超電
導マグネットを用いたセンサ部70の実施例について、最
近に液体窒素温度で動作する高温超電導材料が開発され
ており、この高温超電導材料を応用した高温SQUIDが実
現できれば、第7図から第10図と同様のセンサ部70を実
現することが可能となり、この場合には冷却に液体窒素
が使用できるためSQUIDセンサの小型化が図れる。
第11図(a),(b)は第1図および第7図から第10
図の直流電源20および交流電源22の出力波形の一実施例
を示す説明図である。第11図(a),(b)において、
第11図(a)の直流電源20の直流出力波形は一定出力を
出力する波形Aの場合と、第11図(b)の交流電源22の
交流出力波形の周期に比べてはるかに長い周期で変化す
る波形Bの場合を設定する。波形Aの場合は直流出力を
ステップ状に変化させて交流出力で微小ヒステリシスを
測定し、波形Bの場合はこれを連続的に行なうものであ
る。
第12図(a),(b)は第1図および第7図から第10
図の直流電源20および交流電源22の出力波形の他の実施
例を示す説明図である。第12図(a),(b)におい
て、第12図(a)の直列電源20の直流出力波形は第11図
の実施例と同様であるが、第12図(b)の交流電源22の
交流出力波形をパルス状の波形に設定する。このように
交流出力をパルス状にすることにより、急変する磁気特
性(磁区)の変化から被検体40の材料の損傷を検出しよ
うとするもので、この交流マグネット12と直流マグネッ
ト10,101の併用を行うものである。これによりバルクハ
ウゼンノイズなどの磁区の微小な変化にも検出できる。
つぎに第1図から第12図の実施例の被検体40の溶接部
41などの磁気測定および劣化損傷判定方法と動作を第13
図から第21図により説明する。
第13図は第1図の被検体40の金属材料の磁気ヒステリ
シスループのB−Hカーブを示す説明図である。第13図
においてB−Hカープの′→′→′の過程で励磁
した後、直流磁界H1で交流磁界ΔH1を印加する。これに
より磁束密度BはΔB1だけ変化し、その時のΔB1−ΔH1
ループは図示のようになる。つぎに直流磁界H2に変えて
同様に測定する。これをの飽和磁界まで行い、さらに
→と直流磁界を変化させ交流磁界を印加してΔB−
ΔHループを測定する。
第14図は第13図のB−Hカーブの微小励磁領域でのΔ
B−ΔHループを示す説明図である。第14図において、
第13図に示した測定方法により得られるΔB−ΔHルー
プを示し、直流磁界Hi(i=1,2,3,……)に依存してΔ
B−ΔHループが図示のように変化する。このΔB−Δ
Hループのパターンが被検体40の材料の熱時効やひずみ
損傷の程度により変化するものである。
第15図は第1図の被検体40の金属材料の処女材および
時効材のΔB/ΔHと直流磁界成分Hとの関係を例示する
測定結果の説明図である。第15図において、被検体40の
材料の時効劣化度でΔB/ΔH−Hの変化パターンが矢印
で示すように異なったパターンとなるため、この測定デ
ータをデータベースのマスターカーブとして使用でき
る。
第16図は第1図の被検体40の金属材料の処女材および
ひずみ損傷材のΔB/ΔHと直流磁界成分Hとの関係を例
示する測定結果の説明図である。第16図において、被検
体40の材料のひずみ損傷度でΔB/ΔH−Hの変化パター
ンが矢印で示すように異なったパターンとなるため、こ
の測定データをデータベースのマスターカーブとして使
用できる。
第17図は第1図の被検体40の金属材料の直流磁界Hを
パラメータとして時効時間(aging time)とSQUID出力
(ΔB/ΔHΔμ)の関係を例示するSQUIDセンサおよ
び超電導マグネットを用いたセンサ部70による測定結果
の説明図である。第17図において、SQUID110の出力(Δ
B/ΔHμ)は時効時間の増加に伴って減少する。また
直流磁界Hiが大きいほど、SQUID110の出力(ΔB/ΔH
μ)は小である。
第18図は第17図の直流磁界H=0のときの時効時間に
伴うΔB/ΔHループの変化を例示する測定結果の説明図
である。第18図において、直流磁界H=0のときのSQUI
D出力のΔB/ΔHループは時効時間t=0<t1<t2の増
加に伴って図示のように変化する。
第19図は第1図の被検体40の金属材料の直流磁界Hを
パラメータとしてひずみ損傷の負荷ひずみ量ε%とSQ
UID出力(ΔB/ΔHΔμ)の関係を例示するSQUIDセン
サおよび超電導マグネットを用いたセンサ部70による測
定結果の説明図である。第19図において、SQUID110の出
力(ΔB/ΔHμ)は負荷ひずみ量ε%の増加に伴い
増加したのち減少する。また直流磁界Hiが大きいほど、
SQUID110の出力(ΔB/ΔHμ)は小である。
第20図は第19図の直流磁界H=0のときの負荷ひずみ
量εによるΔB−ΔHループの変化を例示する測定結
果の説明図である。第20図において、直流磁界H=0の
ときのSQUID出力のΔB−ΔHループは負荷ひずみ量ε
=0<ε<εの増加に伴って図示のように変化す
る。
第17図から第20図の測定データをデータベースのマス
ターカーブや比較基準のΔB−ΔHループとして使用す
れば、被検体40の実際の測定データの比較演算により被
検体40の金属材料の時効劣化度およびひずみ損傷度が判
定できる。
第21図は第1図から第12図の実施例の被検体40の溶接
部41の磁気測定および劣化損傷判定の動作手順を例示す
るフローチャートである。第21図において、第1図に示
すような装置を被検体(パイプ)40にセットした後、ス
テップ1で溶接部41の検査領域をまず第13図のB−Hカ
ーブの飽和磁界まで励磁して磁気履歴を除去する。つぎ
にステップ2で測定する直流磁界Hiまで直流マグネット
10,101の磁界を減少させる。ついでステップ3で交流マ
グネット12による第13図のΔB−ΔHループをセンサ部
70の磁気センサ11,110で測定する。このステップ2,3の
過程を逆の飽和磁気に達するまで繰返す。つぎにステッ
プ4で逆方向の飽和磁界と判定した場合に、ステップ5
に移行して直流磁界Hi(i=1,2,3,……)でのΔB−Δ
Hループの測定データをメモリに保管する。ついでステ
ップ6でセンサ部70を移動して、ステップ1から再度測
定する。ステップ6ですべての測定位置での検査が終了
した後、ステップ7に移行して第15図から第20図のデー
タベースによる劣化損傷判定を行う。ついでステップ8
で劣化損傷判定結果の出力装置32に表示する。
本実施例によれば、直流磁界に伴う微小交流磁界での
ΔB−ΔHループの変化を測定することにより、金属材
料の劣化度および損傷度が検出できる。また変化させる
交流磁界が小さい場合にも差動磁気センサの使用により
高精度の測定ができる。特にSQUIDセンサを用いた場合
には非接触で検出できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高温で使用される金属材料の脆化の
程度およびひずみ量を非破壊的にかつ迅速に検知できる
ので、機器の損傷を未然に防ぐことが可能となって実機
の安全性を高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による金属材料の劣化損傷検出装置の一
実施例を示す全体システム構成斜視図、第2図は第1図
のセンサ部の第1の実施例を示す詳細断面図、第3図は
第1図のセンサ部の第2の実施例を示す詳細断面図、第
4図は第1図のセンサ部の第3の実施例を示す詳細断面
図、第5図(a),(b)は第2図から第4図の磁気セ
ンサの一実施例を示す詳細配置図および出力波形図、第
6図(a),(b)は第2図から第4図の磁気センサの
他の実施例を示す詳細配置図および出力波形図、第7図
は第1図のセンサ部70の第4の実施例を示す詳細断面
図、第8図は第1図のセンサ部の第5の実施例を示す詳
細断面図、第9図は第1図のセンサ部の第6の実施例を
示す詳細断面図、第10図は第1図のセンサ部の第7の実
施例を示す詳細断面図、第11図(a),(b)は第1図
および第7図から第10図の直流電源および交流電源の出
力波形の一実施例を示す説明図、第12図(a),(b)
は第1図および第7図から第10図の直流電源および交流
電源の出力波形の他の実施例を示す説明図、第13図は第
1図の被検体の金属材料のB−Hカーブを示す説明図、
第14図は第13図のΔB−ΔHループを示す説明図、第15
図は第1図の被検体の金属材料の処女材および時効材の
ΔB/ΔHとHとの関係を例示する測定結果の説明図、第
16図は第1図の被検体の金属材料の処女材およびひずみ
損傷材のΔB/ΔHとHとの関係を例示する測定結果の説
明図、第17図は第1図の被検体の金属材料のHをパラメ
ータとして時効時間とSQUID出力の関係を例示する測定
結果の説明図、第18図は第17図のH=0のときの時効時
間に伴うΔB−ΔHループの変化を例示する測定結果の
説明図、第19図は第1図の被検体の金属材料のHをパラ
メータとしてひずみ量とSQUID出力の関係を例示する測
定結果の説明図、第20図は第19図のH=0のときのひず
み量εによるΔB−ΔHループの変化を例示する測定
結果の説明図、第21図は第1図から第12図の実施例の被
検体の磁気測定および劣化損傷判定の動作手順を例示す
るフローチャートである。 10……直流マグネット、11……磁気センサ、12……小型
交流マグネット、13……ヨーク、20直流電源、21……セ
ンサコントローラ、22……交流電源、30……コンピュー
タ、31……ディスプレイ、32……出力装置、40……被検
材、41……溶接部、50……走査装置、51……レール、52
……スタンド、53……センサ用バー、60……走査制御装
置、70……センサ部、100……センサホルダ、101……超
電導マグネット、110……SQUID、111……ピックアップ
コイル、112……ヒートスイッチ、113……クライオスタ
ット、114……しゃへい板、115……アンプ、116……SQU
IDコントローラ。
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 邦夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平1−147360(JP,A) 特開 平1−245149(JP,A) 特開 平2−213764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定体に励磁コイル等により磁界を印加
    し、それによって測定体に生じる磁気変化から測定体の
    劣化および損傷を検出する金属材料の劣化損傷検出装置
    において、測定体に直流磁界を印加する直流マグネット
    と、渦電流を発生しないような低周波で測定体の局所に
    微小な交流磁界を印加する交流マグネットと、測定体の
    磁気変化を検出するSQUIDセンサと、該SQUIDセンサの検
    出による交流磁気特性から測定体の劣化度および損傷度
    を判定する演算処理装置とを備えたことを特徴とする金
    属材料の劣化損傷検出装置。
  2. 【請求項2】上記直流マグネットは、超電導マグネット
    で構成されたことを特徴とする請求項1記載の金属材料
    の劣化損傷検出装置。
  3. 【請求項3】上記交流マグネットは、常電導材料で構成
    され、クライオスタット外部の室温環境に配設されたこ
    とを特徴とする請求項1記載の金属材料の劣化損傷検出
    装置。
  4. 【請求項4】上記SQUIDセンサを用いた磁気センサは、
    直流マグネットと交流マグネットによって形成される磁
    界において磁束密度Bが∂B/∂x=0となる位置xに差
    動型の磁気センサが配置され、励磁コイルの成分をキャ
    ンセルして測定体の磁気変化のみを検出するようにした
    ものであることを特徴とする請求項1記載の金属材料の
    劣化損傷検出装置。
  5. 【請求項5】上記交流マグネットは、励磁電源にパルス
    出力の可能な電源を設けたもであることを特徴とする請
    求項1または3記載の金属材料の劣化損傷検出装置。
  6. 【請求項6】上記直流マグネットは、測定体に直流磁界
    をステップ状または連続的に変えながら印加するもので
    あることを特徴とする請求項1または2記載の金属材料
    の劣化損傷検出装置。
  7. 【請求項7】上記演算処理装置は、上記SQUIDHセンサの
    検出による交流磁気特性のΔB−ΔHループと予め求め
    ておいたデータベースの値と比較して測定体の劣化度及
    び損傷度を判定するものであることを特徴とする請求項
    1記載の金属材料の劣化損傷検出装置。
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