JP7342812B2 - 鋼帯の材質予測方法、材質制御方法、製造方法および材質予測モデルの生成方法 - Google Patents

鋼帯の材質予測方法、材質制御方法、製造方法および材質予測モデルの生成方法 Download PDF

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Description

本開示は、鋼帯の材質予測方法、材質制御方法、製造方法および材質予測モデルの生成方法に関する。本開示は、特に冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板を製造するための連続焼鈍設備における鋼帯の材質予測方法、材質制御方法、製造方法および材質予測モデルの生成方法に関する。
冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板を製造するための連続焼鈍設備では、熱間圧延および冷間圧延後の鋼帯に熱処理を行うことにより、相変態を利用した材質の造り込みを行っている。
冷延鋼板を製造する連続焼鈍設備(CAL、連続焼鈍ライン)は、焼鈍工程を実行する予熱帯、加熱帯、均熱帯および冷却帯を備え、その後、再加熱工程を実行する過時効帯を備えるのが一般的である。溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続式溶融亜鉛めっき設備(CGL、溶融めっきライン)は、焼鈍工程を実行する予熱帯、加熱帯、均熱帯および冷却帯を備え、所定の温度まで冷却された鋼帯を浸漬する亜鉛めっき槽(亜鉛ポット)を備え、亜鉛の目付量を調整した後に、再加熱工程を実行する合金化帯、保熱帯、冷却帯を備えるのが一般的である。このように、いずれの連続焼鈍設備においても焼鈍工程および再加熱工程が実行されて、その下流側において、鋼帯の機械的性質(降伏点伸び、降伏応力、引張強さ、伸びなど)を調整する調質圧延工程が実行される。さらに、調質圧延工程の下流側において、鋼帯の検査工程が実行されて、鋼帯の表面欠陥等の検査が行われる。検査工程では鋼帯から試験片が採取されて、オフラインで機械的性質の検査が行われる。
このような連続焼鈍設備における鋼帯の機械的性質を制御するために、従来、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、引張強さを対象に、ニューラルネットワークを用いた材質予測方法が開示されている。特許文献1では、鋼帯の材質影響因子として、鋼帯の成分組成であるC、Si、Mnの含有量、製品寸法(板厚)、焼鈍条件(焼鈍温度、焼入れ開始温度、焼入れ水温、焼戻し温度)を変数に含む態様が記載されている。また、材質のばらつきを低減するために、材質影響因子から選択された制御因子を用いて、材質が目標範囲となるように材質制御を行う方法が開示されている。
また、特許文献2では、連続焼鈍設備において鋼帯の変態率を測定する装置および方法が開示されている。特許文献2では、特に再加熱工程の上流側において鋼帯の変態率を測定することにより、再加熱工程における誘導加熱設備による昇温過程の制御が安定化し、製品となる鋼帯の材質の安定化が図れることが開示されている。
特開2010-106314号公報 特開2019-7907号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、鋼帯の材質に影響を与える因子として、上記の材質影響因子が開示されているが、それには連続焼鈍設備における鋼帯の内部組織に関する情報は含まれていない。特に、高強度鋼板の製造では、相変態を活用した組織制御が積極的に行われており、製造工程における相変態に関する情報が用いられないため、鋼帯の機械的性質の予測精度が十分とは言えない。
一方、特許文献2に記載された方法は、連続焼鈍設備における鋼帯の変態率を測定し、鋼帯のオーステナイト分率を同定することにより、誘導加熱における加熱特性の安定化が図れる、というものである。しかし、鋼帯の変態率を測定することによって、いかに鋼帯の機械的性質のばらつきを低減させるかについては記載されていない。
以上の問題を解決すべくなされた本開示の目的は、連続焼鈍設備の出側における鋼帯の機械的性質を高精度に予測する鋼帯の材質予測方法、および、その材質予測方法で用いられる材質予測モデルの生成方法を提供することにある。また、本開示の他の目的は、その材質予測方法を用いて、連続焼鈍設備の出側における鋼帯の機械的性質のばらつきを低減させる鋼帯の材質制御方法および製造方法を提供することにある。
本開示の一実施形態に係る鋼帯の材質予測方法は、
鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備において、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測する鋼帯の材質予測方法であって、
入力データとして、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上のパラメータと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定された変態率情報と、を取得する入力データ取得ステップと、
前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力データとする、機械学習により学習された材質予測モデルを用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測することと、を含む。
本開示の一実施形態に係る鋼帯の材質制御方法は、
上記の鋼帯の材質予測方法を用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測し、予測した機械的性質が予め設定された目標範囲外の場合には、機械的性質が前記目標範囲に入るように、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定すること、を含む。
本開示の一実施形態に係る鋼帯の製造方法は、
鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備における鋼帯の製造方法であって、
入力データとして、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上のパラメータと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定された変態率情報と、を取得することと、
前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力データとする、機械学習により学習された材質予測モデルを用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測することと、
予測した機械的性質が予め設定された目標範囲外の場合には、機械的性質が前記目標範囲に入るように、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定することと、を含む。
本開示の一実施形態に係る鋼帯の材質予測モデルの生成方法は、
鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備において、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測するための鋼帯の材質予測モデルの生成方法であって、
少なくとも前記連続焼鈍設備の操業実績データから選択した1以上の操業実績データと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定された変態率情報の実績データと、を入力実績データとして取得することと、
前記入力実績データに基づく前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力実績データとした、複数の学習用データを取得することと、
取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、鋼帯の材質予測モデルを生成することと、を含む。
本開示によれば、連続焼鈍設備の出側における鋼帯の機械的性質を高精度に予測する鋼帯の材質予測方法、および、その材質予測方法で用いられる材質予測モデルの生成方法を提供することができる。本開示によれば、その材質予測方法を用いて、連続焼鈍設備の出側における鋼帯の機械的性質のばらつきを低減させる鋼帯の材質制御方法および製造方法を提供することができる。
図1は、連続焼鈍設備として、冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインを示す図である。 図2は、連続焼鈍設備として、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきラインを示す図である。 図3は、冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインにおける熱履歴の例を示す図である。 図4は、亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきラインにおける熱履歴の例を示す図である。 図5は、材質予測モデルの生成方法を示す図である。 図6は、材質制御方法を示す図である。
本実施形態に係る鋼帯の材質予測方法は、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程を経て所定の板厚まで減厚された鋼板を、連続焼鈍設備により熱処理し、製造される冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板の連続焼鈍設備の出側における機械的性質を予測する。少なくとも熱間圧延工程以降は、薄鋼板がコイル状に巻かれてから熱処理等が行われるので、本実施形態では、当該薄鋼板を「鋼帯」と記載する。
<連続焼鈍設備>
本実施形態において、連続焼鈍設備は、鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する熱処理設備を対象とする。冷延鋼板を製造する連続焼鈍ライン(CAL)および亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきライン(CGL)のいずれに対しても適用することができる。図1は冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインを示す図である。図2は亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきラインの構成を示す図である。以下、図面を参照して、本開示が具体的に説明される。
<冷延鋼板を製造する連続焼鈍ライン>
図1は、本実施形態に係る冷延鋼板を製造する連続焼鈍設備の設備例を示す模式図である。図1の矢印はライン進行方向を示す。連続焼鈍設備は、入側設備、炉体部および出側設備に大別される。入側設備は、ペイオフリール1、溶接機2、電解清浄装置3および入側ルーパー4を有する。炉体部は、焼鈍部および再加熱部から構成される。焼鈍部は、加熱帯6、均熱帯7および冷却帯8を有し、加熱帯6の上流側には予熱帯5を有する場合がある。本実施形態における焼鈍工程とは、焼鈍部で実行される熱処理工程である。一方、再加熱部は、再加熱帯9、過時効帯10および最終冷却帯11を有し、再加熱部には誘導加熱装置が配置される。本実施形態における再加熱工程とは、再加熱部で実行される熱処理工程である。出側設備は、出側ルーパー12、調質圧延設備13、検査設備14、テンションリール15を有する。検査設備14は、鋼帯から引張試験などのオフラインで機械的性質を測定するためのサンプル材を採取するサンプル採取設備を有する。
焼鈍工程は、鋼帯を室温付近から昇温させ、所定の温度に保持した後、室温近傍まで温度を低下させる工程である。図1に示した連続焼鈍設備では、加熱帯6、均熱帯7および冷却帯8により焼鈍工程が実行される。再加熱工程は、冷却帯8を経た鋼帯の過時効処理を行う工程である。図1に示した連続焼鈍設備では、再加熱帯9、過時効帯10および最終冷却帯11により再加熱工程が実行される。
加熱帯6は、鋼帯を昇温させるための設備であり、鋼種によって600~900℃程度の範囲で予め設定された温度まで加熱する。加熱帯6では、直火あるいは輻射式の燃焼バーナーが用いられる。これらの加熱装置は加熱容量が大きく、応答も比較的早いので、ヒートサイクル変更時の昇温履歴を変更させやすい。均熱帯7は、鋼帯を所定温度に保持する設備であり、炉体放散熱などを補う程度の加熱容量の設備である。
冷却帯8は、鋼帯を所定の温度まで冷却する設備であり、冷却手段としてガスジェット冷却、ロール冷却、水冷却(ウォータークエンチ)などが用いられる。ガスジェット冷却は、鋼帯の表面にノズルから気体を吹き付ける冷却手段である。ロール冷却は、鋼帯を水冷ロールに接触させて冷却する冷却手段である。水冷却は、均熱帯7の下流側に設置された水冷槽に鋼帯を浸漬させて冷却する冷却手段である。これらの冷却装置による鋼帯の冷却速度はそれぞれ異なるので、冷却帯8を第1の冷却帯8Aと第2の冷却帯8Bなど複数に区分して、異なる冷却手段を組み合わせたり、同種の冷却手段の冷却条件を変更したりして、鋼帯の冷却時の熱履歴を制御してよい。
再加熱帯9は、冷却帯8の下流側に配置され、冷却帯8において鋼帯を所定の温度まで冷却した後に、誘導加熱装置を用いて300~400℃程度の温度に再加熱する。過時効帯10は、再加熱した鋼帯を所定時間保持する過時効処理を行う設備である。最終冷却帯11は過時効処理を行った鋼帯を室温付近まで最終冷却する設備である。最終冷却帯11も冷却帯8と同様に、第1の最終冷却帯11Aと第2の最終冷却帯11Bなど複数に区分して、鋼帯の冷却時の熱履歴が制御されてよい。
また、焼鈍部を構成する加熱帯6、均熱帯7、冷却帯8、並びに再加熱工程を構成する再加熱帯9、過時効帯10、最終冷却帯11では、複数の位置に鋼帯の表面温度を測定する温度計が設置されている。特に、鋼帯の温度変化が大きな冷却帯8では、冷却帯8の入側と出側に温度計が設置され、当該位置における鋼帯の表面温度を測定することで冷却帯8の冷却速度の実績値を算出している。また、温度計として、鋼帯の板幅中央部の表面温度を連続的に測定する放射温度計が用いられる。しかしながら、温度計は放射温度計に限らず、板幅方向の温度分布を測定するプロフィール放射温度計を用いてよい。また、鋼帯の表面温度だけでなく、焼鈍工程および再加熱工程の各帯域における炉内の雰囲気温度を測定する炉内温度計も設置されている。測定された鋼帯の表面温度および雰囲気温度は、連続焼鈍設備を制御し、操業を統括するプロセスコンピュータに出力される。
図3は、焼鈍工程および再加熱工程における鋼帯の熱履歴を示すグラフである。横軸が時間を示し、縦軸が鋼帯温度を示す。鋼帯温度は、例えば鋼帯の表面温度である。加熱帯6、均熱帯7および冷却帯8によって焼鈍工程が実行され、その後、再加熱帯9、過時効帯10および最終冷却帯11によって再加熱工程が実行される。鋼帯の長手方向の位置による材質ばらつきを防止するために、焼鈍工程中の鋼帯の搬送速度は一定に保持される。ただし、板厚、板幅、鋼種などが異なる鋼帯が溶接されている場合には、溶接部の前後でライン速度が変化する場合もある。このため、熱履歴のグラフの形状は、鋼帯の測定位置によって変動する場合もある。
<溶融亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきライン>
図2は、本実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続焼鈍設備の設備例を示す模式図である。図2の矢印は鋼帯の進行方向を示す。本実施形態における連続焼鈍設備は、入側設備、炉体部、および出側設備に大別される。入側設備は、図1と同様に、ペイオフリール1、溶接機2、電解清浄装置3および入側ルーパー4を有する。炉体部は、焼鈍部、めっき部および再加熱部から構成される。焼鈍部は、加熱帯6、均熱帯7および冷却帯8を有し、加熱帯6の上流側には予熱帯5を有する場合がある。本実施形態における焼鈍工程とは、焼鈍部で実行される熱処理工程である。また、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する溶融めっきライン(以下「溶融亜鉛めっきライン」と呼ばれる)では、焼鈍部の下流側にめっき部を有し、冷却帯8において所定の温度まで冷却された鋼帯は亜鉛めっき槽16に浸漬され、ワイピング装置21により亜鉛の目付量が調整される。その下流側の再加熱部は、合金化帯17、保熱帯18、最終冷却帯11を有し、合金化帯17には誘導加熱装置が配置される。本実施形態における再加熱工程とは、再加熱部で実行される熱処理工程である。出側設備は、出側ルーパー12、調質圧延設備13、検査設備14、テンションリール15を有する。検査設備14では、鋼帯から引張試験などのオフラインで機械的性質を測定するためのサンプル材を採取するサンプル採取設備を有する。
焼鈍工程は、鋼帯を室温付近から昇温させ、所定の温度に保持した後、亜鉛めっきを行うのに適した温度まで鋼帯の温度を低下させる工程である。
加熱帯6は、鋼帯を昇温させるための設備であり、鋼種によって700~850℃程度の範囲で予め設定された温度まで加熱する。加熱帯6では、直火あるいは輻射式の燃焼バーナーが用いられる。均熱帯7は、鋼帯を所定温度に保持する設備であり、炉体放散熱などを補う程度の加熱容量の設備である。冷却帯8は、亜鉛めっきを行うのに適した温度として480℃程度まで冷却する設備であり、冷却手段としてガスジェット冷却が一般的に使用される。冷却帯8を第1の冷却帯8Aと第2の冷却帯8Bなどの複数に区分して、冷却手段の冷却条件を変更することで、鋼帯の冷却時の熱履歴が制御されてよい。
めっき部は、冷却帯8の出口に連結したスナウト19、亜鉛めっき槽16およびワイピング装置21から構成される。スナウト19は鋼帯が通過する空間を区画する断面が矩形状の部材であり、内部には水素、窒素、水蒸気を含む混合ガスが供給され、鋼帯が亜鉛めっき槽16に浸漬されるまでの雰囲気ガスが調整される。亜鉛めっき槽16は、内部にシンクロールを有し、スナウト19を通過して下方に向けて亜鉛めっき槽16に浸漬され、表面に溶融亜鉛が付着した鋼帯を、めっき浴の上方に引き上げるための設備である。さらに、ワイピング装置21は、鋼帯の両側に配置されたノズルからワイピングガスを吹き付けて、鋼帯の表面に付着した余剰の溶融亜鉛を掻き取って、溶融亜鉛の付着量(目付量とも称する。)を調節する設備である。
めっき部を構成するワイピング装置21の、さらに上方(下流側)には、再加熱部を構成する再加熱帯9(溶融亜鉛めっきラインでは合金化帯17と呼ばれる)が配置される。通常、ワイピング装置21を通過した鋼帯は、概ね430℃程度まで温度低下する。そのため、鋼帯は、合金化帯17で、Zn-Fe合金化反応が進行する温度まで昇温される。合金化帯17において昇温する温度は、目標とされる合金化温度に対応し、鋼帯の合金成分、めっき浴中のAl濃度などによって異なる。ただし、通常、鋼帯は合金化帯17で500℃程度まで昇温される。その後、保熱帯18においては、合金化反応の進行に必要な時間を確保するために、鋼帯の温度が保持される。保熱帯18の下流側には、最終冷却帯11を有し、合金化処理を行った鋼帯を室温付近まで最終冷却する設備である。最終冷却帯11も冷却帯8と同様に、第1の最終冷却帯11Aと第2の最終冷却帯11Bなど複数に区分して、鋼帯の冷却時の熱履歴が制御されてよい。
溶融亜鉛めっきラインにおいても、焼鈍部を構成する加熱帯6、均熱帯7、冷却帯8、再加熱工程を構成する合金化帯17、保熱帯18、最終冷却帯11では、複数の位置に鋼帯の表面温度を測定する温度計が設置されている。また、鋼帯の表面温度だけでなく、焼鈍工程および再加熱工程の各帯域における炉内の雰囲気温度を測定する炉内温度計も設置されている。測定された鋼帯の表面温度および雰囲気温度は、連続焼鈍設備である溶融亜鉛めっきラインを制御し、操業を統括するプロセスコンピュータに出力される。
図4は、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続焼鈍設備の焼鈍工程および再加熱工程を含む鋼帯の熱履歴を示すグラフである。横軸および縦軸は図3と同じである。予熱帯5、加熱帯6、均熱帯7、冷却帯8(第1の冷却帯8Aと第2の冷却帯8B)によって焼鈍工程が実行され、その後、めっき部を通過して、合金化帯17、保熱帯18および最終冷却帯11(第1の最終冷却帯11Aと第2の最終冷却帯11B)によって再加熱工程が実行される。鋼帯の長手方向の位置による材質のばらつきを防止するために、焼鈍工程中の鋼帯の搬送速度は一定に保持される。ただし、板厚、板幅、鋼種などが異なる鋼帯が溶接されている場合には、溶接部の前後でライン速度が変化する場合もある。
<変態率計>
本実施形態に係る変態率計20は、熱処理工程における鋼帯の内部組織として、オーステナイト相(γ相)の全体に対する比率を測定する計測器である。連続焼鈍設備においては、鋼帯の組織を特定のオーステナイト相(γ相)とフェライト相(α相)の2相状態から、相変態を利用して組織制御が行われる場合が多い。変態率計20としては、X線回折を利用した変態率計20を用いることができる。γ相とα相は結晶構造が異なるため、X線を当てるとそれぞれから固有の角度で回折ピークが生じる。この回折ピーク強度から変態率(γ率)を定量化することができる。例えば、例えばSMS社製のX-CAPと呼ばれる製品を使用することができる。また、磁気検出器、すなわち鋼帯の磁気変態率を測定する装置として、磁場を発生する駆動コイルと、鋼帯を透過した磁場を測定する検出コイルとから構成される磁気変態率測定装置を用いて、オーステナイト相率を測定する方法が用いられてよい。具体的には、特許文献2に記載された装置を用いることができる。
本実施形態では、このようなオーステナイト相の比率を測定する変態率計20を、上記連続焼鈍設備の焼鈍工程および再加熱工程の少なくとも1つが実行されるライン上の位置に設置する。換言すると、焼鈍工程、再加熱工程、または、焼鈍工程および再加熱工程において、変態率計20を用いて、変態率が測定される。変態率計20の設置場所としては、例えば焼鈍工程が実行される均熱帯7の入口、均熱帯7の出口、冷却帯8の入口、再加熱工程が実行される再加熱帯9(合金化帯17)の入口または出口に設置するのが好ましい。また、変態率計20は、いずれか一か所に設置されてよいが、複数の異なる位置に設置されることが好ましい。複数の変態率情報を得ることにより、材質予測精度が向上するからである。
<鋼帯の機械的性質に関する情報>
本実施形態に係る鋼帯の機械的性質とは、鋼帯の降伏点伸び、降伏応力、引張強さ、伸び、ランクフォード値、またはこれらの鋼帯の面内における任意の方向に対する値を含む、鋼帯の材質特性をいう。具体的には、上記連続焼鈍設備の検査工程において採取される鋼帯のサンプル材から試験片を採取して、オフラインの引張試験、曲げ試験、深絞り試験などの材料試験から得られる特性値である。本実施形態においては、これらの特性値の中で特に引張強度を用いることが好ましい。近年、連続焼鈍設備を用いた高強度鋼板の需要が高まっており、鋼帯の強度を制御する必要性が高いからである。また、焼鈍工程におけるオーステナイト相のばらつきが、鋼帯の引張強度に大きな影響があるからである。
機械的性質に関する情報は、連続焼鈍設備により熱処理が行われる鋼帯の先端部と尾端部のいずれか、または両方から採取される試験片から得られる特性値を用いる。引張強度を機械的性質に関する情報として用いる場合には、具体的には、鋼帯の長手方向に直交する方向(C方向)と平行な方向に採取された試験片から、JIS5号試験片を採取し、JIS Z2241の規定に準拠して引張試験を行うことで、引張強度に関する情報を得ることができる。
このようにして得られた鋼帯の機械的性質に関する情報は、試験片を採取した鋼帯の識別番号(コイル番号)および必要に応じてその採取位置に関する情報と共に、プロセスコンピュータに対して製造情報等を与える上位コンピュータに送られる。
<材質予測モデルの生成方法>
図5は、本実施形態に係る鋼帯の材質予測モデルの生成方法を示す。
連続焼鈍設備の操業実績データ、変態率計20によって測定される鋼帯の変態率情報の実績データおよび鋼帯の機械的性質に関する情報の実績データがデータベースに蓄積される。連続焼鈍設備の操業実績データの詳細については後述するが、連続焼鈍設備の操業を統括するプロセスコンピュータが有する操業実績データから選択された実績データが、材質予測モデル生成部のデータベースに送られる。また、鋼帯の変態率情報の実績データは、変態率計20から得られた変態率情報であり、変態率情報がプロセスコンピュータに蓄積される場合には、プロセスコンピュータからデータベースに送られる。ただし、変態率情報がプロセスコンピュータに蓄積されない場合には、材質予測モデル生成部のデータベースに直接送られる。
変態率情報は、例えば鋼帯のコイル番号等、連続焼鈍設備の操業実績データと対応付けができる付帯情報と共にデータベースに送られる。さらに、鋼帯の機械的性質に関する情報の実績データは、オフラインの試験により得られる情報であり、上位コンピュータに蓄積されている。この情報も、鋼帯のコイル番号等、連続焼鈍設備の操業実績データと対応付けができる付帯情報と共にデータベースに送られる。そして、連続焼鈍設備の操業実績データ、変態率計20によって測定される鋼帯の変態率情報の実績データおよび鋼帯の機械的性質に関する情報の実績データは、コイル番号等により対応付けされ、一組のデータセットとしてデータベースに蓄積される。このとき、データベースに蓄積されるデータセットは、1本の鋼帯につき1つのデータセットを取得する。ただし、鋼帯の機械的性質に関する情報の実績データが、鋼帯の先端部および尾端部のように複数個所で得られている場合には、その鋼帯の先端部および尾端部など複数個所において取得した連続焼鈍設備の操業実績データと鋼帯の変態率情報の実績データを用いて、1本の鋼帯につき複数のデータセットを取得するようにしてよい。
また、データベースは、鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータから選択した1以上のパラメータを有することが好ましい。鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータの実績データは、製鋼工程における実績値として、コイル番号と共にプロセスコンピュータまたは上位コンピュータに蓄積されており、適宜データベースに送られることにより、データセットを構成できる。鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータを入力に加えることにより、成分組成が異なる鋼帯に対して、材質予測モデルを広く適用できるからである。
本実施形態の材質予測モデルの生成に用いる、データベースのデータセット数としては、200個が好ましく、より好ましくは1000個以上である。
本実施形態では、このようにして作成されたデータベースを用いて、少なくとも連続焼鈍設備の操業実績データから選択した1以上の操業実績データと、焼鈍工程または再加熱工程の少なくともいずれかにおいて変態率計20により測定された変態率情報の実績データと、を入力実績データとして、その入力実績データを用いた機械学習による鋼帯の材質予測モデルを生成する。
機械学習の方法は、公知の学習方法を適用してよい。実用上十分な鋼帯の機械的性質の予測精度が得られれば、機械学習モデルの種類は限定されない。例えば、ニューラルネットワークなどの公知の機械学習手法が用いられてよい。他の手法としては、決定木学習、ランダムフォレスト、サポートベクター回帰、ガウス過程などが例示できる。また複数のモデルを組み合わせたアンサンブルモデルが用いられてよい。また、材質予測モデルは、最新の学習用データを用いて、適宜、更新されてよい。連続焼鈍設備の長期的な操業条件の変化に対応できるからである。
<連続焼鈍設備の操業パラメータ>
連続焼鈍設備における操業パラメータとして、変態率計20によって測定される変態率情報以外のパラメータであって、鋼帯の機械的性質に影響を与える任意の操業パラメータを用いることができる。
図3に示した焼鈍工程および再加熱工程における鋼帯の熱履歴の例を用いると、以下のような焼鈍工程の操業パラメータを用いることができる。例えば、加熱帯6の操業パラメータとして、鋼帯が加熱帯6を通過する時間と温度上昇量を用いてよく、または、これらの値から算出される平均昇温速度を用いてよい。
均熱帯7の操業パラメータとして、均熱帯7での鋼帯の平均温度である均熱温度と均熱帯7を通過する時間である均熱時間とが用いられてよい。複数に区分された冷却帯8の操業パラメータとして、鋼帯が第1の冷却帯8Aを通過する時間と温度低下量を用いてよく、または、これらの値から算出される平均冷却速度を用いてよい。また、冷却帯8の操業パラメータとして、鋼帯が第2の冷却帯8Bを通過する時間と温度低下量を用いてよく、または、これらの値から算出される平均冷却速度を用いてよい。ただし、第2の冷却帯8Bの途中で室温まで鋼帯の温度が冷却される場合には、室温に至る前の実質的な冷却速度を用いることが好ましい。実質的な冷却速度は、例えば第2の冷却帯8B内に設置された2以上の放射温度計によって測定される温度差から算出される。これらの値は、測定後、加熱帯6、均熱帯7および冷却帯8からプロセスコンピュータに出力される。
また、再加熱工程においては、再加熱帯9(合金化帯17)に設置された誘導加熱装置の入側と出側に配置された放射温度計の通過時間と温度上昇量を用いてよく、または、これらの値から算出される平均昇温速度を用いてよい。保熱帯18の操業パラメータとして、保熱帯18での鋼帯の平均温度と保熱帯18を通過する時間が用いられてよい。最終冷却帯11の操業パラメータとして、鋼帯が最終冷却帯11を通過する時間と温度低下量を用いてよく、またはこれらの値から算出される平均冷却速度を用いてよい。これらの値は、測定後、プロセスコンピュータに出力される。
以上のような焼鈍工程および再加熱工程の操業パラメータの少なくとも1つが教師データ(学習用データ)として用いられる。ただし、これらの操業パラメータに限定されるものではなく、加熱帯6および再加熱帯9(合金化帯17)における加熱装置の制御出力値が、操業パラメータとして用いられてよい。また、冷却帯8および最終冷却帯11における冷却装置の制御出力値が、操業パラメータとして用いられてよい。これらの操業パラメータは焼鈍工程および再加熱工程における鋼帯の温度履歴を制御するために用いられる操業パラメータだからである。
上記のように焼鈍工程および再加熱工程における操業パラメータを用いるのは、鋼帯の機械的性質が、連続焼鈍設備において、鋼帯の内部組織における回復、再結晶、粒成長、析出、相変態などの過程を通じて決定されるからであり、鋼帯が受ける熱履歴としての温度および時間の因子が複雑に影響するからである。
さらに、焼鈍工程および再加熱工程の操業パラメータは、上記パラメータに限定されるものではなく、均熱帯7および保熱帯18における鋼帯のライン速度、冷却帯8および最終冷却帯11における平均冷却速度、ガス噴射等の冷却装置の噴射圧力などを用いてよい。これらも鋼帯の熱履歴に影響を与える因子だからである。
一方、焼鈍工程および再加熱工程以外の連続焼鈍設備の操業パラメータとして、調質圧延機における伸長率の設定値または測定値が用いられてよい。調質圧延機は鋼帯の機械的性質を調整するための最終工程であり、特に伸長率によって降伏応力および引張強度に影響を与えるからである。
また、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続焼鈍設備においては、めっき部における操業パラメータを用いてよい。例えば、操業パラメータは、亜鉛めっき槽16に浸漬される際の鋼帯の表面温度、めっき浴の浴温度、ワイピング装置21でのワイピングガス温度および噴射圧力などを含めてよい。亜鉛めっき槽16に浸漬されることにより鋼帯に温度変化が生じるからであり、めっき厚によって保熱帯18における材質変化が生じる場合があるからである。
本実施形態における連続焼鈍設備における操業パラメータは、上記操業データとして、1本の鋼帯あたり、1組の操業パラメータを学習用データとして取得する。材質予測モデルの出力データとなる機械的性質に関する情報は、基本的には鋼帯単位で収集されるからである。その場合に、上記温度データ等は鋼帯の長手方向に対して連続的に収集されるデータであるが、1本の鋼帯に対して代表値を算出して、これを連続焼鈍設備における操業パラメータとする。例えば、鋼帯の先端部または尾端部から予め設定された距離だけ離れた位置で収集されたデータが用いられてよい。また、鋼帯の長手方向の測定値を平均化したデータが用いられてよい。
<変態率情報>
本実施形態では、オーステナイト相の比率を測定する変態率計20を、連続焼鈍設備の焼鈍工程または再加熱工程の少なくともいずれかに設置して、変態率計20による測定結果を変態率情報として、上記材質予測モデルの学習用データの一つとする。
変態率計20によって得られるデータは、鋼帯のオーステナイト相の比率データとして、鋼帯の長手方向に対してサンプリング周期ごとに得られる連続的なデータであるが、1本の鋼帯に対して代表値を算出して、これを変態率情報の実績データとしてよい。このとき、材質予測モデルの出力となる、鋼帯の機械的性質に関する情報の実績データを取得する位置におおむね対応する位置において測定される変態率の測定結果を、変態率情報の実績データとすることが好ましい。連続焼鈍設備においては鋼帯の変態率が長手方向で変動する場合もあり、変態率と鋼帯の機械的性質との相関関係は比較的高いことから、変態率の測定値と、機械的性質の実績データ採取位置とを対応させることで、より高い精度で材質予測が可能となる。
本実施形態において、連続焼鈍設備の操業パラメータに加えて、変態率計20で測定される変態率情報を用いる理由は以下のとおりである。連続焼鈍設備の操業パラメータは、鋼帯の内部組織における回復、再結晶、粒成長、析出、相変態などの過程を通じて鋼帯の機械的性質に影響を与える。しかし、このような内部組織の変化は、連続焼鈍設備の操業パラメータによってのみ決定されるのではなく、その前工程である熱間圧延工程および冷間圧延工程における加工履歴の影響を受ける。例えば、熱間圧延工程における巻取り温度は、熱延鋼板の内部組織として析出物の大きさ(分布)および量に影響を与え、熱処理工程における粒成長および変態挙動に影響を与える。また、冷間圧延工程における圧下率は冷延鋼板の内部祖組織に蓄積されるひずみ状態を通じて、焼鈍工程の再結晶、粒成長および変態挙動に影響を与える。そのため、材質予測モデルの学習用データとして、連続焼鈍設備の操業パラメータのみでは、このような焼鈍工程よりも前工程の操業パラメータが、鋼帯の熱処理後の機械的性質に与える影響を考慮できないために、材質予測精度が低いという課題が生じていた。
これに対して、加熱工程または再加熱工程において変態率計20により測定される変態率情報を学習用データに用いることで、焼鈍工程の前工程である熱間圧延工程および冷間圧延工程における操業パラメータが鋼帯の熱処理後の機械的性質に与える影響を、連続焼鈍設備における工程において、間接的な情報として考慮できるようになる。これにより、材質予測モデルとして精度の高い予測が可能となる。一方、焼鈍工程の前工程である熱間圧延工程および冷間圧延工程における操業パラメータを、上記材質予測モデルの学習用データに加える方法も考えられる。しかし、データベースにデータセットを蓄積する場合に、複数の独立した製造ラインにおける製造実績情報を、コンピュータネットワークを通じて収集し、対応する大量のデータを対応付けしたデータベースを構成するためには、大規模な計算機による処理が必要となる。そのため、直接的に焼鈍工程の前工程の操業パラメータを収集するより、変態率情報を学習用データに用いることが好ましい。
以上から、本実施形態では、オーステナイト相の比率を測定する変態率計20を、連続焼鈍設備の焼鈍工程または再加熱工程の少なくともいずれかに設置して、変態率計20による測定結果を変態率情報として、上記材質予測モデルの学習用データの一つとする。
<鋼帯の成分組成に関する属性パラメータ>
本実施形態においては、上記材質予測モデルの入力データとして、更に、鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータから選択した1以上のパラメータを有することが好ましい。これにより、連続焼鈍設備によって製造する冷延鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板として、各種の成分組成を有する鋼帯の機械的性質を予測する材質予測モデルを生成することができ、材質予測モデルの適用範囲が拡大するからである。
鋼帯の成分組成に関する属性パラメータとしては、鋼帯に含まれる化学成分として、C、Si、Mn、P、Sの含有量を用いることができる。また、鋼帯の成分組成に関する属性パラメータは、Cu、Ni、Cr、Al、Nb、Ti、V、N、Bの含有量を含めてよい。ただし、これらの成分組成を鋼帯の成分組成に関する属性パラメータとしてすべて用いる必要はない。連続焼鈍設備において製造対象とする鋼帯の種類に応じて、成分組成が適宜選択されればよい。各成分組成は、以下のようにして、鋼帯の機械的性質に影響を与える。
Cは鋼帯の機械的性質に最も寄与する元素で、強度上昇、焼入れ性向上に効果がある。しかし、高すぎると延性、靭性が低下する。
Siは0.5%以下ではフェライトに固溶し、延性、靭性を損なわずに強度を上げる。
Mnは置換型で固溶し、フェライトを強化し、パーライトを緻密にするため、強度を上げる。Cに比べて強度が高くなる割に伸びの低減が少ない。
Pは偏析し易い元素で、靭性に影響を与える。
SはP同様に偏析し易い元素で、靭性に影響を与える。
Cuは析出効果によって強度に影響を与える。
Niは強度、靭性の双方に有効な元素である。
Crは焼入れ性を増大させる。
AlはNを固定して歪み時効を改善し、靭性を向上させる。
Nbは0.02~0.05%の添加でA3変態時のフェライト生成を抑制し、結晶粒を微細化し、靭性の向上に寄与する。
Tiは微量の添加で炭化物または窒化物になり結晶粒の微細化へ寄与し、靭性を向上させる。
Vは微量の添加で炭化物または窒化物になり結晶粒の微細化へ寄与し、靭性を向上させる。
NはCと同様に侵入型固溶体で固溶する。過剰のNは歪時効の原因になり得る。しかし、適量なNはAl、Nb、Tiと窒化物を生成し、結晶粒を微細化し靭性を向上させる。
Bは0.003%以下の微量添加で焼入れ性を増大させる。
ここで、これらの成分組成は鋼帯の長手方向の分布がおおむね一定であり、一つの鋼帯に対して一つの属性パラメータを実績データとして取得することができる。
さらに、本実施形態の材質予測モデルの学習用データとして、鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータ以外が用いられてよい。鋼帯の属性パラメータとして、鋼帯の板厚、板幅、鋼帯の長さなど、鋼帯の寸法に係る属性パラメータが用いられてよい。これらは、連続焼鈍設備内での熱伝達挙動に影響を与えるため、同じ炉内雰囲気温度であっても、鋼帯の機械的性質に影響を与えるからである。
<鋼帯の材質制御方法>
図6は、上記のような材質予測方法を用いた鋼帯の材質制御方法(製造方法)を示す。
本実施形態における材質制御方法は、連続焼鈍設備の焼鈍工程または再加熱工程の少なくともいずれかに設置された変態率計20の設置位置により実施形態が異なる。具体的には、上記のようにして生成された材質予測モデルの入力に用いる変態率情報として、複数の変態率計20が設置されている場合に、その最も下流側に設置された変態率計20よりも上流側の帯域と、その下流側の帯域とを区分する。連続焼鈍設備の入側から最も下流側に設置された変態率計20までの帯域は「材質同定帯」と称される。また、最も下流側に設置された変態率計20よりも下流側の帯域は「材質制御帯」と称される。そして、材質予測の対象とする鋼帯の先端部が最も下流側に設置された変態率計20の位置に到達し、鋼帯の変態率情報が取得された時点で、図6に示す制御フローが開始される。
この時点で、材質予測の対象とする鋼帯に対して、連続焼鈍設備の材質同定帯において得られている連続焼鈍設備の操業実績データと、変態率計20により測定された変態率情報が、材質予測モデルの入力データとなる。この入力データを取得するステップは、本開示の入力データ取得ステップに対応する。さらに、その時点での材質制御帯における連続焼鈍設備の操業実績データまたは連続焼鈍設備の操業条件の設定値が材質予測モデルの入力データとされてよい。このようにして取得されたデータを入力として、材質予測モデルを用いて、鋼帯の機械的性質が予測される。
本実施形態では、さらに上位コンピュータにおいて鋼帯の機械的性質の目標範囲が設定されており、予測される機械的性質とその目標範囲が比較される。ここで、機械的性質の目標範囲は、鋼帯の機械的性質に関する過去の操業実績に基づき、そのばらつきを従来よりも小さくするように設定される。例えば、引張強度が980MPa級の鋼帯に対して、機械的性質の目標範囲を、985~1050MPaのように設定することができる。
このとき、連続焼鈍設備の操業条件設定部では、以上のようにして予め設定される機械的性質の目標範囲と、機械的性質の予測結果とが比較され、予測される機械的性質が目標範囲の条件を満たせば、初期設定のまま連続焼鈍設備の操業条件を決定し、連続焼鈍設備の制御部に送られる。一方、予測される機械的性質が目標範囲から外れる場合には、上記材質制御帯における操業条件が再設定される。
具体的には、連続焼鈍設備の中で、最も下流側に設置された変態率計20(ただし、材質予測モデルの入力に使用されている変態率情報を与える変態率計20のうちで、最も下流側の意味)が、焼鈍工程の均熱帯7の入口に設置される場合には、連続焼鈍設備の入側から均熱帯7の入口までが材質同定帯となり、均熱帯7の入口よりも下流側が材質制御帯となる。このとき、鋼帯の先端部が均熱帯7の入口に到達し、変態率計20により変態率情報が取得されると、図6に示す材質制御のフローが開始される。このとき、材質制御帯において、材質を制御するために用いることができる操業条件としては、冷却帯8における冷却条件、再加熱帯9(合金化帯17)における再加熱条件、保熱帯18における保熱温度および保熱時間、最終冷却帯11における冷却速度などから選択した操業条件を再設定することができる。また、再設定する操業条件は、必ずしも材質予測モデルの入力として用いるものには限定されない。例えば、調質圧延工程の伸長率は、材質予測モデルの入力として用いられなくてよいし、材質制御帯における再設定を行う操業条件として用いられてよい。
ここで、最も下流側の変態率計20を再加熱帯9(合金化帯17)の出口に設置している場合には、実質的に、材質制御帯が最終冷却帯11以降の帯域に限定される。つまり、連続焼鈍設備において再設定する操業条件は、最終冷却帯11の冷却速度および調質圧延工程における伸長率等に限定される。
したがって、材質予測モデルの入力として用いる最も下流側の変態率計20の位置としては、再設定するための操業条件の自由度と材質予測モデルによる予測精度との兼ね合いにより、適宜決定すればよい。すなわち、材質同定帯を長くすることで、材質の予測精度は向上するが、材質制御帯における再設定できる操業条件の自由度が低くなる。これに対して、材質同定帯を短くすると、材質の予測精度は低下するものの、材質制御帯において再設定できる操業条件の自由度が高くなる、といった特性がある。
また、図5に示す材質予測モデル生成部、図6に示す材質予測部および連続焼鈍設備の操業条件設定部は、上位コンピュータおよび連続焼鈍設備を構成する各種の装置と通信可能なコンピュータによって実現されてよい。このコンピュータは一例としてプロセスコンピュータであってよい。コンピュータの構成は、特に限定されるものでなく、例えばメモリ(記憶装置)、CPU(処理装置)、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークに接続するための通信制御部、表示装置および入力装置を備えるものであってよい。ここで、材質予測モデル生成部、材質予測部および連続焼鈍設備の操業条件設定部の各種の処理はCPUで実行されてよい。図5のデータベースはハードディスクドライブで実現されてよい。また、材質予測モデルはメモリに記憶されてよい。また、学習用データの収集は通信制御部で実現されてよい。
以下、実施例を用いて、本開示が具体的に説明される。
図2に示すような溶融亜鉛めっき設備において、980MPa級の溶融亜鉛めっき鋼板(目標引張り強さは1020MPa)を200コイル製造した。入力実績データは、溶融亜鉛めっき設備に装入される鋼帯の属性情報の実績データと、溶融亜鉛めっき設備における操業パラメータの操業実績データである。その入力実績データに基づく溶融亜鉛めっき設備の出側における鋼帯の引張強度を出力実績データとして、複数の学習用データが取得された。ここで、入力実績データに基づく出力実績データとは、その入力実績データを操業の設定条件等として用いた場合に対応して出力された実績データ(得られた鋼帯の引張強度)である。取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって学習された材質予測モデルが、図5に示す方法によって生成された。
材質予測モデルの生成にあたって、入力となる鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータにはC、Si、Mnの含有量を用いた。また、連続焼鈍設備の操業実績データとして、均熱帯7における鋼帯温度、鋼帯の先端部が均熱帯7を通過する際の搬送速度を入力とした。さらに、本実施例においては、オンラインの変態率計20を、図2に示す溶融亜鉛めっきラインの均熱帯7の入口および出口の2箇所に設置し、これらの変態率計20により測定された変態率情報の実績データを入力実績データとして用いた。さらに、本実施例においては、その他の入力として、鋼帯の板厚および板幅の設定値、および調質圧延工程における伸長率の実績値を用いて、材質予測モデルを生成した。
ここで、学習用データとして取得した、鋼帯の機械的性質は、溶融亜鉛めっき設備の出側検査台において採取された、鋼帯先端部のサンプルを用いた引張試験から得られる引張強度である。
このようにして生成した材質予測モデルを、図6に示す材質制御における材質予測部に適用し、980MPa級の溶融亜鉛めっき鋼板(目標引張り強さは1020MPa)を100コイル製造した。
この時、上記の材質予測モデルを用いて、溶融亜鉛めっき設備の出側における鋼帯の引張強度を出力データとして予測し、予測した引張強度が予め設定された許容範囲(この場合には、985~1050MPaに設定)に入るように溶融亜鉛めっき設備における操業パラメータを再設定した。このとき、最も下流側の変態率計20が、焼鈍工程の均熱帯7の出口に設置されているため、連続焼鈍設備の入側から均熱帯7の出口までが材質同定帯となり、均熱帯7の出口よりも下流側が材質制御帯となっている。図6に示すフローは、鋼帯の先端部が均熱帯7の出口に到達した後に開始される。材質制御帯においては、材質を制御するために用いた操業条件として、保熱帯18における保熱温度と保熱時間を再設定した。その後、これらの鋼帯の引張試験により得られた引張強度が収集された。その結果、95%の鋼帯が、引張強度の許容範囲(985~1050MPa)内となった。
一方、比較例として、特許文献1に記載した方法により、同様の実験が行われた。その結果、引張強度の許容範囲内となった鋼帯は、65%であった。
以上のように、本開示による材質予測方法の適用により、連続焼鈍設備の出側での鋼帯の機械的性質を高精度に予測することができ、また、鋼帯の機械的性質のばらつきを低減させることができる。
1 ペイオフリール
2 溶接機
3 電解清浄装置
4 入側ルーパー
5 予熱帯
6 加熱帯
7 均熱帯
8 冷却帯
8A 第1の冷却帯
8B 第2の冷却帯
9 再加熱帯
10 過時効帯
11 最終冷却帯
11A 第1の最終冷却帯
11B 第2の最終冷却帯
12 出側ルーパー
13 調質圧延設備
14 検査設備
15 テンションリール
16 亜鉛めっき槽
17 合金化帯
18 保熱帯
19 スナウト
20 変態率計
21 ワイピング装置

Claims (6)

  1. 鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備において、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測する鋼帯の材質予測方法であって、
    入力データとして、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上のパラメータと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定されたオーステナイト相の比率と、を取得する入力データ取得ステップと、
    前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力データとする、機械学習により学習された材質予測モデルを用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測することと、を含む、鋼帯の材質予測方法。
  2. 前記入力データ取得ステップは、前記入力データとして、更に、鋼帯の成分組成に関する鋼帯の属性パラメータから選択した1以上のパラメータを取得する、請求項1に記載の鋼帯の材質予測方法。
  3. 請求項1または2に記載の鋼帯の材質予測方法を用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測し、予測した機械的性質が予め設定された目標範囲外の場合には、機械的性質が前記目標範囲に入るように、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定すること、を含む、鋼帯の材質制御方法。
  4. 鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備における鋼帯の製造方法であって、
    入力データとして、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上のパラメータと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定されたオーステナイト相の比率と、を取得することと、
    前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力データとする、機械学習により学習された材質予測モデルを用いて、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測することと、
    予測した機械的性質が予め設定された目標範囲外の場合には、機械的性質が前記目標範囲に入るように、前記連続焼鈍設備の操業パラメータから選択した1以上の操業パラメータを再設定することと、を含む、鋼帯の製造方法。
  5. 鋼帯の焼鈍工程および再加熱工程を含む製造工程を実行する連続焼鈍設備において、前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質を予測するための鋼帯の材質予測モデルの生成方法であって、
    少なくとも前記連続焼鈍設備の操業実績データから選択した1以上の操業実績データと、前記焼鈍工程および前記再加熱工程の少なくとも1つにおいて測定されたオーステナイト相の比率の実績データと、を入力実績データとして取得することと、
    前記入力実績データに基づく前記再加熱工程の下流側における鋼帯の機械的性質に関する情報を出力実績データとした、複数の学習用データを取得することと、
    取得した複数の学習用データを用いた機械学習によって、鋼帯の材質予測モデルを生成することと、を含む、鋼帯の材質予測モデルの生成方法。
  6. 前記機械学習として、ニューラルネットワーク、決定木学習、ランダムフォレスト、および、サポートベクター回帰から選択される手法が用いられる、請求項5に記載の鋼帯の材質予測モデルの生成方法。
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