JP2018515796A - マイクロサンプリングデバイスにより抽出された被分析物の質量分析による定量のための方法 - Google Patents

マイクロサンプリングデバイスにより抽出された被分析物の質量分析による定量のための方法 Download PDF

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Abstract

マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料中の被分析物の量を決定するための質量分析法を記載する。マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出し、液体クロマトグラフィーにより試料を精製し、被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させ、質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することによって試料中の被分析物の量を定量することを対象とする方法が、本明細書で提供される。試料中の被分析物の量を、患者における被分析物の量に関連付ける。【選択図】図1

Description

関連特許出願の相互参照
本出願は、それぞれがその全体として参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月27日に出願された米国特許出願第62/167,164号の優先権を主張するものである。
患者からの被分析物の質量分析による定量には、比較的に多量の体液試料の採取が必要である。そのような試料は、輸送のためにドライアイスで冷凍することや凍結することが必要であり、これは、費用がかかり、試料を取り扱う人員に負担がかかることである。また、体液試料は、特殊な輸送方法を必要とするバイオハザードであると見なされ得る。
乾燥血液スポットカードを用いて患者試料を採取するには、上述の体液採取よりも少ない量を必要とする。乾燥血液スポット検体は、かかと又は指を穿刺することによって得られた数滴の血液を濾紙にのせて吸い取らせることにより採取し、それを抽出及び分析のために穴開け器で打抜く。しかし、乾燥血液スポットカードは、濾紙に血液をのせた後に起こる赤血球と血清の本来的な分離により、定量に一貫性がなく、バラつきがあるという問題がある。また、抽出され、分析される穴開け部分の位置の変動が定量結果に著しい影響を及ぼす可能性がある。
被分析物の質量分析による定量のための信頼できる正確な方法が必要である。
一態様において、本明細書で提供されるのは、マイクロサンプリングデバイスにより採取され、抽出された被分析物の質量分析による定量のための方法である。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、(b)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(c)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された毛細血管血液試料から被分析物を抽出すること、(b)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(c)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、毛細血管血液試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、毛細血管血液をマイクロサンプリングデバイスにより採取する。いくつかの実施形態において、毛細血管血液を乾燥血液スポットにより採取しない。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、質量分析の前に試料を精製することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、液体クロマトグラフィーを用いて試料を精製することを含む。いくつかの実施形態において、液体クロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は高乱流液体クロマトグラフ(HTLC)を含む。いくつかの実施形態において、方法は、試料を固相抽出(SPE)にかけることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、試料を逆相分析カラムにかけることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、(b)試料を液体クロマトグラフィーにより精製すること、(c)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(d)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、質量分析は、タンデム質量分析を含む。いくつかの実施形態において、質量分析は、高分解能質量分析である。いくつかの実施形態において、質量分析は、高分解能/高精度質量分析である。
いくつかの実施形態において、イオン化は、大気圧化学イオン化(APCI)による。いくつかの実施形態において、イオン化は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)による。いくつかの実施形態において、前記イオン化は、ポジティブイオンモードである。いくつかの実施形態において、前記イオン化は、ネガティブイオンモードである。
いくつかの実施形態において、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを96ウエルプレートに入れる。いくつかの実施形態において、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを96ラックに入れる。いくつかの実施形態において、自動化により96ラックを96ウエルプレートに入れる。いくつかの実施形態において、自動化は、HAMILTON(登録商標)自動化である。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、試料に内部標準を添加することを含む。いくつかの実施形態において、内部標準は、標識されている。いくつかの実施形態において、内部標準は、重水素化されている又は同位体標識されている。いくつかの実施形態において、内部標準を抽出緩衝液と共に加える。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスを内部標準であらかじめ湿らせ、乾燥する。
いくつかの実施形態において、抽出ステップは、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料に抽出緩衝液を加えることを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを抽出溶媒を含有する96ウエルプレートに入れることを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップを自動化する。いくつかの実施形態において、96ウエルプレートをボルテックスし、次いでマイクロサンプリングデバイスの吸収チップを除去する。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、窒素中で乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、試料を溶液に再構成することを含む。いくつかの実施形態において、再構成は、水性酸若しくは有機物溶液又は両方を試料に加えることを含む。いくつかの実施形態において、再構成された溶液を濾過する。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、複数の試料の同時の抽出及び質量分析のハイスループット自動化を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、複数の試料の同時の抽出及び質量分析の自動化を可能にする装置を用いることを含む。いくつかの実施形態において、自動化を可能にする装置は、マイクロサンプリングデバイスを含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、ハイスループット装置に配置されている。
いくつかの実施形態において、抽出試料を質量分析システムに注入する。いくつかの実施形態において、抽出試料を液体クロマトグラフィーに注入する。いくつかの実施形態において、抽出及び質量分析ステップは、自動化試料分析を可能にするようにオンライン式で実施する。いくつかの実施形態において、抽出、精製及び質量分析ステップは、自動化試料分析を可能にするようにオンライン式で実施する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、誘導体化されていない。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、試料の処理を必要としない。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、全血である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、尿である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、唾液である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、血清又は血漿である。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、試料を採取する吸収チップを含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、一定の容積の患者体液を吸収している。いくつかの実施形態において、患者体液は、毛細血管血液である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、150μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、100μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、50μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、5μLから150μLまで(5μLと150μLを含む)の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、10μLから100μLまで(10μLと100μLを含む)の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約10μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約15μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約20μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約30μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約50μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約100μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、ヘマトクリットの量にかかわらず、一定容積の血液を吸収している。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、低容積の試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)100μL以下の試料から被分析物を抽出すること、(b)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(c)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、試料は、毛細血管血液試料である。いくつかの実施形態において、試料は、静脈血試料でない。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、低容積の毛細血管血液試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)100μL以下の毛細血管血液試料から被分析物を抽出すること、(b)液体クロマトグラフィーにより試料を精製すること、(c)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(d)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、毛細血管血液試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、方法は、50μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、30μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、20μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、15μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、10μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、冷凍又は凍結せずに輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、ドライアイスを用いずに輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、室温で輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、バイオハザードの懸念なしに輸送することができる。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、採取のための訓練をほとんど必要としない。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取される試料は、どこでも採取することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、輸送のために周囲温度で乾燥することができる。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、抽出及び質量分析の自動化を可能にする装置を含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、複数の試料の同時の抽出及び質量分析のハイスループット自動化を可能にする装置を含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、MITRA(登録商標)チップである。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、抽出及び質量分析の自動化のために設計されたカートリッジに収容されている。
いくつかの実施形態において、方法は、マイクロサンプリングデバイスにより試料を採取することをさらに含む。いくつかの実施形態において、採取するステップは、指穿刺を実施することと、マイクロサンプリングデバイスの吸収チップを血液に当てることとを含む。いくつかの実施形態において、採取するステップは、吸収チップを患者の尿又は唾液中に入れることを含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスに採取された試料を風乾する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスに採取された試料を輸送の前に1〜2時間風乾する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、ステロイドである。いくつかの実施形態において、ステロイドは、コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン、18−ヒドロキシコルチコステロン又は21−デオキシコルチゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、先天性副腎過形成(CAH)を診断するためのステロイドパネルにおけるステロイドである。いくつかの実施形態において、ステロイドは、コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン、18−ヒドロキシコルチコステロン及び21−デオキシコルチゾールからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ステロイドは、25−ヒドロキシビタミンD又は25−ヒドロキシビタミンDである。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、361.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチゾン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.2±0.5又は163.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、363.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチゾール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.1±0.5又は267.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、347.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有する21−デオキシコルチゾール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.1±0.5又は269.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、347.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチコステロン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.1±0.5又は311.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、347.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有する11−デオキシコルチゾール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、287.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアンドロステンジオン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、331.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有する11−デオキシコルチコステロン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、289.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するテストステロン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、331.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有する17−ヒドロキシプロゲステロン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、315.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプロゲステロン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、97.1±0.5又は109.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、369.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチゾン−d7前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、169.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、367.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチゾール−d4前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、351.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するコルチコステロン−d4前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、121.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、350.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有する11−デオキシコルチゾール−13C3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、100.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、290.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアンドロステンジオン−13C3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、100.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、292.4±0.5の質量電荷比(m/z)を有するテストステロン−13C3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、112.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、334.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有する17−ヒドロキシプロゲステロン−13C3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、100.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、318.5±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプロゲステロン−13C3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、100.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、アヘン剤である。いくつかの実施形態において、アヘン剤は、シス−トラマドール、O−デスメチルトラマドール、タペンタドール、N−デスメチルタペンタドール、コデイン、モルヒネ、オキシモルフォン、ノルヒドロコドン、オキシコドン、ノルオキシコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、フェンタニル、ノルフェンタニル、6−モノアセチルモルフィン(6−MAM)、メタドン、ジヒドロコデイン、ナロキソン、ナルトレキソン、6β−ナルトレキソール、ナロルフィン、ナルブフィン又は2−エチリデン−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルピロリジン(EDDP)である。いくつかの実施形態において、アヘン剤は、シス−トラマドール、O−デスメチルトラマドール、タペンタドール、N−デスメチルタペンタドール、コデイン、モルヒネ、オキシモルフォン、ノルヒドロコドン、オキシコドン、ノルオキシコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、フェンタニル、ノルフェンタニル、6−モノアセチルモルフィン(6−MAM)、メタドン、ジヒドロコデイン、ナロキソン、ナルトレキソン、6β−ナルトレキソール、ナロルフィン、ナルブフィン及び2−エチリデン−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルピロリジン(EDDP)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アヘン剤を全血、唾液又は尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、ベンゾジアゼピンである。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、オキサゼパム、テマゼパム、ロラゼパム、ノルジアゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、クロナゼパム、ブロマゼパム、クロバザム、ニトラゼパム、フェナゼパム、プラゼパム、メダゼパム、フルニトラゼパム又はフルラゼパムである。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、オキサゼパム、テマゼパム、ロラゼパム、ノルジアゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、クロナゼパム、ブロマゼパム、クロバザム、ニトラゼパム、フェナゼパム、プラゼパム、メダゼパム、フルニトラゼパム及びフルラゼパムからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンを全血又は尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、316±0.5の質量電荷比(m/z)を有するブロマゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5又は270±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、287±0.5の質量電荷比(m/z)を有するオキサゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、104±0.5又は241±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、300±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロバザム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、224±0.5又は259±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、282±0.5の質量電荷比(m/z)を有するニトラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、180±0.5又は236±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、309.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアルプラゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、165±0.5又は280.9±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、343±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトリアゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、206±0.5又は308±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、316±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロナゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5又は270±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフルラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、287.9±0.5又は315±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、321±0.5の質量電荷比(m/z)を有するロラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、229.1±0.5又は331±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、314±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフルニトラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、211±0.5又は268±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、301.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するテマゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、177±0.5又は255±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、326±0.5の質量電荷比(m/z)を有するミダゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、129±0.5又は244±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、271±0.5の質量電荷比(m/z)を有するノルジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、139.8±0.5又は165±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、351±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェナゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、185.9±0.5又は206±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、301±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロルジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、259±0.5又は224±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、285±0.5の質量電荷比(m/z)を有するジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、154±0.5又は193±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、325±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、165±0.5又は271±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、271±0.5の質量電荷比(m/z)を有するメダゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、180±0.5又は207.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、抗てんかん薬である。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、バルプロ酸、チアガビン、トピラメート、レビチラセツム、ラモトリギン、ラコサミド、エトスキシミド、カルバマゼピン、エスリカルバマゼピン、10,11−カルバマゼピン、フェノバルビタール、ルフィナミド、プリミドン、フェニトイン、ゾニサミド、フェルバメート、ガバペンチン又はプレガブリンである。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、バルプロ酸、チアガビン、トピラメート、レビチラセツム、ラモトリギン、ラコサミド、エトスキシミド、カルバマゼピン、エスリカルバマゼピン、10,11−カルバマゼピン、フェノバルビタール、ルフィナミド、プリミドン、フェニトイン、ゾニサミド、フェルバメート、ガバペンチン及びプレガブリンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、339±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェルバメート前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、117.3±0.5又は261±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、117±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェルバメート前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、115±0.5又は91±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、142±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエトスキシミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、44.3±0.5又は39.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、251±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラコサミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、91.2±0.5又は65.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、256±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラモトリギン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、211±0.5又は145±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、338.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトピラメート前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、78.2±0.5又は96.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、172.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有するガバペンチン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、91.2±0.5又は67.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、297.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエスリカルバマゼピン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、194±0.5又は179±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、219.8±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプリミドン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、79±0.5又は135.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、160.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプレガバリン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、55.2±0.5又は77.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、237±0.5の質量電荷比(m/z)を有するカルバマゼピン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、194.1±0.5又は179±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、231±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェノバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、44.2±0.5又は188.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、236.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエポキシド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、141.2±0.5又は112.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、213.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するゾニサミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、77.2±0.5又は102.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、376.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するチアガビン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、111.1±0.5又は149.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、253.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェニトイン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、104.2±0.5又は182.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、171.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するレベチラセタム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、126.2±0.5又は69.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、143±0.5の質量電荷比(m/z)を有するバルプロ酸前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、143±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、239±0.5の質量電荷比(m/z)を有するルフィナミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、127.2±0.5又は261±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、219±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプリミドン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、126±0.5又は141±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、350±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトピラメートD12前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、78.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、256±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエポキシドD3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、77±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、259±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラモトリギン13前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、177.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するレベチラセタムD6前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、132.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、免疫抑制薬である。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリンA、シロリムス、タクロリムス又はエベロリムスである。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリンA、シロリムス、タクロリムス及びエベロリムスからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、バルビツレートである。いくつかの実施形態において、バルビツレートは、フェノバルビタール、アモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール又はチオペンタールである。いくつかの実施形態において、バルビツレートは、フェノバルビタール、アモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール及びチオペンタールからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バルビツレートを全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、237.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するセコバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、225.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアンモバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、182.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、225.6±0.5の質量電荷比(m/z)を有するペントバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、241.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するチオペンタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、57.9±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、231.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェノバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、223.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するブタルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、タモキシフェンである。いくつかの実施形態において、被分析物は、タモキシフェンの代謝物である。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、ノルエンドキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、エンドキシフェン又はN−デスメチル−4−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、4’−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、4−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、N−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、N−デスメチルタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、ノルエンドキシフェン、エンドキシフェン、4’−ヒドロキシタモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、N−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン及びN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、タモキシフェンまたはその代謝物を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、372.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.14±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、374.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエンドキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する4−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、374.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、358.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、抗腫瘍薬である。いくつかの実施形態において、被分析物は、アナストロゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、レトロゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、エクゼメスタンである。いくつかの実施形態において、被分析物は、アナストロゾール、レトロゾール及びエクゼメスタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗腫瘍薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はその代謝物である。いくつかの実施形態において、THCを尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、抽出された被分析物を加水分解する。いくつかの実施形態において、抽出の前に被分析物を加水分解する。
いくつかの実施形態において、衝突エネルギーは、約5〜60Vの範囲内にある。いくつかの実施形態において、衝突エネルギーは、約5〜60Vの範囲内にある。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、患者における先天性副腎過形成の診断の方法である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される内因性ステロイドの定量の方法を先天性副腎過形成を診断するために用いる。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるTHCの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるバルビツレートの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるアヘン剤の使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるベンゾジアゼピンの使用の検出又はモニタリングの方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体における抗てんかん薬の使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体における抗てんかん薬の有効性をモニタリングする方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるタモキシフェンの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるタモキシフェンの有効性をモニタリングする方法である。
別の態様において、本明細書に示す特定の方法は、高分解能/高精度質量分析を利用して、試料中の被分析物の量を決定する。高精度/高分解能質量分析を利用するいくつかの実施形態において、方法は、(a)イオンを発生させるのに適する条件下で試料からの被分析物をイオン化源にかけること(イオンは質量分析により検出できるものである)、および(b)高分解能/高精度質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む。これらの実施形態において、ステップ(b)で決定された1つ又は複数のイオンの量を試料中の被分析物の量に関連付ける。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析を10,000のFWHM及び50ppmの質量精度で行う。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析を高分解能/高精度飛行時間(TOF)型質量分析計を用いて行う。いくつかの実施形態において、イオン化条件は、酸性条件下での被分析物のイオン化を含む。いくつかの関連実施形態において、酸性条件は、イオン化の前のギ酸による前記試料の処理を含む。
本明細書で述べる方法のいずれかにおいて、試料は、生物学的試料を含み得る。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、尿、血漿又は血清などの生物学的流体を含み得る。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、ヒト、例えば、成人男性若しくは女性、又は若年男性若しくは女性からの試料を含み得る。ここで、若年は、18歳未満、15歳未満、12歳未満、又は10歳未満である。ヒト試料は、病状若しくは状態を診断若しくはモニターするために、又は病状若しくは状態の処置の治療有効性をモニターするために分析することができる。いくつかの関連実施形態において、本明細書で述べる方法は、ヒトから採取した場合の生物学的試料中の被分析物の量を決定するために用いることができる。
タンデム質量分析を利用する実施形態において、タンデム質量分析は、例えば、多重反応モニタリング、前駆イオンスキャニング又はプロダクトイオンスキャニングを含む、当技術分野で公知の方法により実施することができる。
いくつかの実施形態において、タンデム質量分析は、前駆イオンを1つ又は複数のフラグメントイオンにフラグメント化することを含む。2つ以上のフラグメントイオンの量を決定する実施形態において、測定されたイオン量を試料中の被分析物の量に関連付けるために、該量を当技術分野で公知の数学的操作にかけることができる。例えば、試料中の被分析物の量を決定することの一部として、2つ以上のフラグメントイオンの量を合計することができる。
いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約10,000以上、例えば約15,000以上など、例えば約20,000以上など、例えば約25,000以上などの分解能(FWHM)で実施する。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約50ppm以下、例えば約20ppm以下など、例えば約10ppm以下など、例えば約5ppm以下など、例えば約3ppm以下などの精度で実施する。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約10,000以上の分解能(FWHM)及び約50ppm以下の精度で実施する。いくつかの実施形態において、分解能は、約15,000以上であり、精度は、約20ppm以下である。いくつかの実施形態において、分解能は、約20,000以上であり、精度は、約10ppm以下であり、好ましくは、分解能は、約20,000以上であり、精度は、約5ppm以下、例えば約3ppm以下などである。
いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、オービトラップ型質量分析計、飛行時間(TOF)型質量分析計又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析計(時としてフーリエ変換質量分析計として公知である)を用いて実施することができる。
質量分析(タンデム又は高分解能/高精度)は、ポジティブイオンモードで実施することができる。或いは、質量分析は、ネガティブイオンモードで実施することができる。例えば、大気圧化学イオン化(APCI)又はエレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む、様々なイオン化源を用いて被分析物をイオン化することができる。
本明細書で述べる方法のいずれかにおいて、別個に検出できる内部標準を試料に加えることができ、その量も試料中で決定される。別個に検出できる内部標準を利用する実施形態において、試料中に存在する対象の被分析物及び内部標準の両方のすべて又は一部がイオン化されて、質量分析計で検出できる複数のイオンを生成し、それぞれから生成した1つ又は複数のイオンが質量分析により検出される。これらの実施形態において、対象の被分析物から生成したイオンの存在又は量は、検出された内部標準イオンの量との比較により試料中の対象の被分析物の量の存在に関連付けることができる。
或いは、試料中の被分析物の量は、1つ又は複数の外部参照標準との比較により決定することができる。具体例としての外部参照標準は、ヒト若しくは非ヒト被分析物、合成被分析物類似体又はその同位体標識変異体を添加したブランク血漿又は血清などである。
上述の本発明の概要は、非限定的なものであり、本発明の他の特徴及び利点は、本発明の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかである。
質量分析により分析した14種のステロイドのクロマトグラムを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人男性におけるコルチゾールの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人男性におけるコルチゾンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人男性におけるテストステロンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人男性におけるアンドロステンジオンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人女性におけるプロゲステロンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人女性におけるコルチゾールの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人女性におけるコルチゾンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人女性におけるアンドロステンジオンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、正常成人女性における17−OHプロゲステロンの正常レベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児におけるコルチゾールのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児におけるコルチゾンのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児におけるプロゲステロンのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児におけるアンドロステンジオンのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児におけるテストステロンのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児における21−デオキシコルチゾールのレベルを示す図である。 本アッセイにより定量した、小児における17−OHプロゲステロンのレベルを示す図である。 (図18−1および図18−2)50〜10,000ng/dLのテストステロンの標準直線性を示す図である。 (図19−1および図19−2)タモキシフェン及びその代謝物のクロマトグラムを示す図である。 レトロゾール、エキセメスタン及びアナストロゾールのクロマトグラムを示す図である。 (図21−1および図21−2)アヘン剤(オキシモルフォン、ヒドロモルフォン及びコデイン)並びに対応する内部標準の例示的クロマトグラムを示す図である。 (図22−1および図22−2)アヘン剤(ノルオキシコドン、オキシコドン及びノルヒドロコドン)並びに対応する内部標準の例示的クロマトグラムを示す図である。 (図23−1および図23−2)アヘン剤(モルヒネ、ヒドロコドン及びノルフェンタニル)並びに対応する内部標準の例示的クロマトグラムを示す図である。 アヘン剤(フェンタニル)及び対応する内部標準の例示的クロマトグラムを示す図である。 グルクロニダーゼ加水分解により20μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者尿から得られたモルヒネデータを示す図である。 グルクロニダーゼ加水分解により20μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者尿から得られたコデインデータを示す図である。 グルクロニダーゼ加水分解により20μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者尿から得られたヒドロモルフォンデータを示す図である。 グルクロニダーゼ加水分解により20μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者尿から得られたオキシコドンデータを示す図である。 50μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者唾液から得られたオキシコドンデータを示す図である。 ブプレノルフィンのヘマトクリット試験の結果を示す図である。 ノルフェンタニルのヘマトクリット試験の結果を示す図である。 バルビツレート(セコバルビタール、アンモバルビタール)を添加した陰性尿の結果を示す図である。 バルビツレート(ペントバルビタール、チオペンタール)を添加した陰性尿の結果を示す図である。 フェノバルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す図である。 フェノバルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す図である。 ブタルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す図である。 ブタルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す図である。 ブタルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す図である。 20μLチップ及びグルクロニダーゼ加水分解を用いて患者試料中のTHCカルボキシ代謝物分析の結果を示す図である。 ガバペンチン及びルフィナミドのヘマトクリット試験の結果を示す図である。 25−ヒドロキシビタミンDの分析のクロマトグラムを示す図である。 25−ヒドロキシビタミンD2の分析の較正曲線を示す図である。 25−ヒドロキシビタミンD3の分析の較正曲線を示す図である。
本明細書で用いる場合、特に示さない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「a protein」への言及は、複数のタンパク質分子を含む。
本明細書で用いる場合、「精製」、「精製する」及び「濃縮する」という用語は、対象の被分析物(単数又は複数)以外のすべての物質を試料から除去することを意味しない。それよりも、これらの用語は、対象の被分析物の検出を妨害する可能性がある試料中の他の成分と比較して対象の1つ又は複数の被分析物の量を高くする手順を意味する。様々な手段による試料の精製は、1つ又は複数の妨害物質、例えば、質量分析による選択される親又は娘イオンの検出を妨害する可能性がある又は妨害しない可能性がある1つ又は複数の物質の相対的な減少を可能にする。この用語を用いるときの相対的な減少は、精製すべき材料中に対象の被分析物とともに存在する物質が精製により完全に除去されることを必要としない。
本明細書で用いる場合、「免疫精製」又は「免疫精製する」という用語は、対象の1つ又は複数の被分析物を濃縮するためにポリクローナル又はモノクローナル抗体を含む抗体を利用する精製手順を意味する。免疫精製は、当技術分野で周知の免疫精製法のいずれかを用いて実施することができる。しばしば免疫精製手順は、固体担体、例えば、カラム、ウエル、チューブ、ゲル、カプセル、粒子又は同類のものに結合した、コンジュゲートした又は別の状態で結合した抗体を利用するものである。免疫精製は、本明細書で用いる場合、当技術分野でしばしば免疫沈降と呼ばれる手順、並びに当技術分野でしばしばアフィニティークロマトグラフィー又は免疫アフィニティークロマトグラフィーと呼ばれる手順を制限なしに含む。
本明細書で用いる場合、「免疫粒子」という用語は、その表面(粒子上及び/又は内)に結合した、コンジュゲートした又は別の状態で結合した抗体を有するカプセル、ビーズ、ゲル粒子又は同類のものを意味する。特定の好ましい実施形態において、免疫粒子は、セファロース又はアガロースビーズである。好ましい代替実施形態において、免疫粒子は、ガラス、プラスチック若しくはシリカビーズ又はシリカゲルを含む。
本明細書で用いる場合、「試料」という用語は、対象の被分析物を含み得る試料を意味する。本明細書で用いる場合、「体液」という用語は、個人の身体から分離することができる流体を意味する。例えば、「体液」は、血液、血漿、血清、胆汁、唾液、尿、涙液、汗及び同類のものを含み得る。好ましい実施形態において、試料は、ヒトからの体液試料、好ましくは血漿又は血清を含む。
本明細書で用いる場合、「固相抽出」又は「SPE」という用語は、溶液が通過又は周りに流れる固体(すなわち、固相)に対する溶液(すなわち、移動相)中に溶解又は懸濁した成分の親和性の結果として化学物質の混合物を成分に分離する方法を意味する。場合によっては、移動相が固相を通過又はその周りに流れるとき、移動相の望ましくない成分が固相により保持されて、移動相中の被分析物の精製がもたらされる可能性がある。他の場合には、被分析物が固相により保持されて、移動相の望ましくない成分が固相を通過又はその周りに流れることが可能になり得る。これらの場合、さらなる処理又は分析のために次に第2の移動相を用いて、保持された被分析物を固相から溶出する。TFLCを含むSPEは、単一又は混合モード機構により機能し得る。混合モード機構は、同じカラムにおいてイオン交換と疎水性保持を利用するものであり、例えば、混合モードSPEカラムの固相は、強い陰イオン交換及び疎水性保持を示し得る、又は強い陽イオン交換及び疎水性保持を示し得る。
一般的に、被分析物に対するSPEカラム充填物質の親和性は、1つ又は複数の化学的相互作用又は免疫親和性相互作用などの様々な機構のいずれかに起因し得る。いくつかの実施形態において、被分析物のSPEは、免疫親和性カラム充填物質を用いずに行われる。すなわち、いくつかの実施形態において、被分析物は、免疫親和性カラムでないSPEカラムにより試料から精製される。
本明細書で用いる場合、「クロマトグラフィー」という用語は、液体又は気体により運ばれる化学物質の混合物が、静止液体又は固相の周り又は上に流れるときに化学物質の差別的分配の結果として成分に分離される方法を意味する。
本明細書で用いる場合、「液体クロマトグラフィー」又は「LC」という用語は、流体が微細な物質のカラム又は毛細管通路に均一に浸透するときに流体溶液の1つ又は複数の成分が選択的に遅延する方法を意味する。遅延は、1つ又は複数の固定相とバルク流体(すなわち、移動相)との間のこの流体が固定相(単数又は複数)に対して移動するときの混合物の成分の分配に起因する。「液体クロマトグラフィー」の例としては、逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び乱流液体クロマトグラフィー(TFLC)(時に高乱流液体クロマトグラフィー(HTLC)又は高処理液体クロマトグラフィーとして公知である)などがある。
本明細書で用いる場合、「高速液体クロマトグラフィー」又は「HPLC」(時に「高圧液体クロマトグラフィー」として公知である)という用語は、移動相を加圧下で固定相、一般的に密に充填されたカラムに強制的に通すことによって分離の程度を増大させる液体クロマトグラフィーを意味する。
本明細書で用いる場合、「乱流液体クロマトグラフィー」又は「TFLC」(時に高乱流液体クロマトグラフィー又は高処理液体クロマトグラフィーとして公知である)という用語は、カラム充填剤に通すアッセイされる物質の乱流を分離を行う基盤として利用するクロマトグラフィーの形態を意味する。TFLCは、質量分析による分析の前に2つの無名の薬物を含む試料の調製に適用された。例えば、Zimmerら、J Chromatogr、A854巻、23〜35頁(1999年)を参照のこと。TFLCをさらに説明している、米国特許第5,968,367号、第5,919,368号、第5,795,469号及び第5,772,874号も参照のこと。当業者は、「乱流」を理解している。流体がゆっくりと滑らかに流れている場合、その流れは、「層流」と呼ばれる。例えば、HPLCカラム中を低流速で移動している流体は、層流である。層流において、流体の粒子の運動は規則的であり、粒子が一般的に実質的に直線的に移動する。より速い速度では、水の慣性が流体の摩擦力に打ち勝ち、乱流が生ずる。不規則な境界と接触していない流体は、それを「追い越し」、摩擦により遅くなるか、又は平坦でない表面により偏向させられる。流体が乱れて流れている場合、それは、流れが層流である場合より大きい「抵抗」により渦状に旋回して(又は渦巻き状で)流れる。流体の流れが層流又は乱流である場合を判断するうえで助けとするための多くの参考文献が入手可能である(例えば、Turbulent Flow Analysis:Measurement and Prediction、P.S.Bernard & J.M.Wallace、John Wiley & Sons,Inc.(2000年)、An Introduction to Turbulent Flow、Jean Mathieu & Julian Scott、Cambridge University Press(2001年))。
本明細書で用いる場合、「ガスクロマトグラフィー」又は「GC」という用語は、試料混合物を蒸発させ、液体又は粒子状固体からなる固定相を含むカラム中を移動するキャリヤーガス(窒素又はヘリウムとしての)の流れに注入し、固定相に対する化合物の親和性に従ってその成分化合物に分離するクロマトグラフィーを意味する。
本明細書で用いる場合、「大粒子カラム」又は「抽出カラム」という用語は、約50μmより大きい平均粒子直径を含むクロマトグラフィーカラムを意味する。この文脈において用いる場合、「約」という用語は、±10%を意味する。
本明細書で用いる場合、「分析カラム」という用語は、被分析物の存在又は量の決定を可能にするのに十分なカラムから溶出する試料中の物質の分離を達成するのに十分なクロマトグラフ段を有するクロマトグラフィーカラムを意味する。そのようなカラムは、さらなる分析のための精製試料を得るために保持されない物質から保持される物質を分離又は抽出するという一般的な目的を有する「抽出カラム」としばしば区別される。この文脈において用いる場合、「約」という用語は、±10%を意味する。好ましい実施形態において、分析カラムは、直径が約5μmの粒子を含む。
本明細書で用いる場合、「オンライン」及び「インライン」という用語は、例えば、「オンライン自動式〔on-line automated fashion〕」又は「オンライン抽出」に用いられているように、操作者の介入の必要なしに実施される手順を意味する。対照的に、「オフライン」という用語は、本明細書で用いる場合、操作者の手作業による介入を必要とする手順を意味する。したがって、試料を沈殿に供し、次いで、上清を手作業でオートサンプラーに装填する場合、沈殿及び装填ステップは、その後のステップからオフラインである。方法の様々な実施形態において、1つ又は複数のステップをオンライン自動式で実施することができる。
本明細書で用いる場合、「質量分析」又は「MS」という用語は、化合物をそれらの質量により同定するための分析技術を意味する。MSは、イオンの質量電荷比又は「m/z」に基づいてイオンをフィルタリングし、検出し、測定する方法を意味する。MS技術は、一般的に(1)化合物をイオン化して、荷電化合物を生成することと、(2)荷電化合物の分子量を検出し、質量電荷比を計算することとを含む。化合物は、適切な手段によりイオン化し、検出することができる。「質量分析計」は、一般的にイオン化装置、質量分析計及びイオン検出器を含む。一般的に、対象の1つ又は複数の分子がイオン化され、その後イオンが質量分析装置に導入され、そこでは、磁界と電界の組み合わせにより、イオンが質量(「m」)及び電荷(「z」)に依存する空間内の経路をたどる。例えば、「表面からの質量分析〔Mass Spectrometry From Surfaces〕」と題する米国特許第6,204,500号、「タンデム質量分析の方法及び装置〔Methods and Apparatus for Tandem Mass Spectrometry〕」と題する第6,107,623号、「質量分析に基づくDNA診断〔DNA Diagnostics Based On Mass Spectrometry〕」と題する第6,268,144号、「被分析物の脱離及び検出のための表面増強光感受性結合及び放出〔Surface-Enhanced Photolabile Attachment And Release For Desoption And Detection Of Analytes〕」と題する第6,124,137号、Wrightら、Prostate Cancer and Prostatic Diseases、1999年、2巻、264〜76頁並びにMerchant及びWeinberger、Electrophoresis、2000年、21巻、1164〜67頁を参照のこと。
本明細書で用いる場合、「高分解能/高精度質量分析」は、固有の化学イオン〔unique chemical ion〕を確認するのに十分な精度及び正確度で荷電種の質量電荷比を測定することができる質量分析計を用いて実施される質量分析を意味する。固有の化学イオンの確認は、当該イオンの個々の同位体ピークが容易に識別できる場合のイオンについて可能である。固有の化学イオンを確認するために必要な特定の分解能及び質量正確度は、イオンの質量及び電荷状態によって異なる。
本明細書で用いる場合、「分解能」又は「分解能(FWHM)」(当技術分野で「m/Δm50%」としても公知である)は、最大高さの50%における質量ピークの幅(半値全幅、「FWHM」)で割った観測質量電荷比を意味する。分解能の差の効果を、約1093のm/zを有するイオンの理論的な質量スペクトルを示す図1A〜Cに示す。図1Aに約3000の分解能(通常の四重極型質量分析計の一般的な操作条件)を有する質量分析計による理論的質量スペクトルを示す。図1Aにおいてわかるように、個々の同位体ピークは識別できない。比較すると、図1Bに約10,000の分解能を有する質量分析計による理論的質量スペクトルを示すが、個々の同位体ピークが明確に識別できる。図1Cに約12,000の分解能を有する質量分析計による理論的質量スペクトルを示す。この最高の分解能では、個々の同位体ピークは、ベースラインからの1%未満の寄与を含む。
本明細書で用いる場合、質量分析に関する「固有の化学物質イオン」は、単一原子構成を有する単一イオンを意味する。単一イオンは、1価又は多価であり得る。
本明細書で用いる場合、質量分析に関する「正確度」(又は「質量正確度」)は、検討されるイオンの真のm/zからの機器の応答の生じ得る偏りを意味する。正確度は、一般的に百万分の1(ppm)で表される。質量の正確度の差の効果を、1093.52094のm/zの理論的ピークについて検出されるm/zと実際のm/zとの生じ得る差の境界を示す図2A〜Dに示す。図2Aに120ppmの正確度での検出されるm/zの生じ得る範囲を示す。対照的に図2Bに50ppmの正確度での検出されるm/zの生じ得る範囲を示す。図2C及び2Dに20ppm及び10ppmの正確度での検出されるm/zのより狭い生じ得る範囲を示す。
本発明の高分解能/高精度質量分析法は、10,000、15,000、20,000、25,000、50,000、100,000又はさらにより大きい値より大きいFWHMで質量分析を行うことができる機器で実施することができる。同様に、本発明の方法は、50ppm、20ppm、15ppm、10ppm、5ppm、3ppm未満又はさらにより小さい値の正確度で質量分析を行うことができる機器で実施することができる。これらの性能特性の能力がある機器は、特定のオービトラップ質量分析計、飛行時間(「TOF」)型質量分析計又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計を組み込み得る。好ましい実施形態において、方法は、オービトラップ質量分析計又はTOF型質量分析計を含む機器により実施される。
「オービトラップ」という用語は、たる様の外側電極と同軸の内側電極からなるイオントラップを記述する。イオンは、電極間の電界に接線方向に注入され、イオンと電極との間の静電相互作用がイオンが同軸内側電極を周回するときの遠心力と釣り合うためにトラップされる。イオンが同軸内側電極を周回するとき、トラップされたイオンの軌道がイオンの質量電荷比に応じた調和振動数で中心電極の軸に沿って振動する。軌道振動数の検出により、オービトラップを高精度(1〜2ppmと低い)及び高分解能(FWHM)(最大約200,000)を有する質量分析計として用いることが可能になる。オービトラップに基づく質量分析計は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第6,995,364号に詳細に記載されている。オービトラップ分析計の使用は、様々な被分析物の定性及び定量分析について報告された。例えば、米国特許出願公開第2008/0118932号(2007年11月9日出願)、Bredehoeftら、Rapid Commun.Mass Spectrom.、2008年、22巻、477〜485頁、Le Bretonら、Rapid Commun.Mass Spectrom.、2008年、22巻、3130〜36頁、Thevisら、Mass Spectrom.Reviews、2008年、27巻、35〜50頁、Thomasら、J.Mass Spectrom.、2008年、43巻、908〜15頁、Schenkら、BMC Medical Genomics、2008年、1巻、41頁及びOlsenら、Nature Methods、2007年、4巻、709〜12頁を参照のこと。
本明細書で用いる場合、「ネガティブイオンモードで動作する」という用語は、負イオンを発生させ、検出する質量分析法を意味する。「ポジティブイオンモードで動作する」という用語は、本明細書で用いる場合、正イオンを発生させ、検出する質量分析法を意味する。好ましい実施形態において、質量分析をポジティブイオンモードで行う。
本明細書で用いる場合、「イオン化」又は「イオン化する」という用語は、1以上の電子単位に等しい正味の電荷を有する被分析物イオンを発生させる方法を意味する。負イオンは、1以上の電子単位の正味の負電荷を有するものであり、一方、正イオンは、1以上の電子単位の正味の正電荷を有するものである。
本明細書で用いる場合、「電子イオン化」又は「EI」という用語は、気相又は蒸気相中の対象の被分析物が電子の流れと相互作用する方法を意味する。電子と被分析物との衝突が、次に質量分析技術にかけることができる被分析物イオンを生成する。
本明細書で用いる場合、「化学イオン化」又は「CI」という用語は、試薬ガス(例えば、アンモニア)が電子衝撃にかけられ、試薬ガスイオンと被分析物分子との相互作用により被分析物イオンが生じる方法を意味する。
本明細書で用いる場合、「高速原子衝撃」又は「FAB」という用語は、高エネルギー原子(しばしばXe又はAr)のビームが不揮発性試料に衝突し、試料に含まれている分子を脱離させ、イオン化する方法を意味する。試験試料をグリセロール、チオグリセロール、m−ニトロベンジルアルコール、18−クラウン−6クラウンエーテル、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、スルホラン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどの粘性液体マトリックスに溶解する。化合物又は試料に対する適切なマトリックスの選択は、経験的過程である。
本明細書で用いる場合、「マトリックス支援レーザー脱離イオン化」又は「MALDI」という用語は、不揮発性試料を、光イオン化、プロトン化、脱プロトン化及びクラスタ崩壊を含む様々なイオン化経路により試料中の被分析物を脱離させ、イオン化するレーザー照射にさらす方法を意味する。MALDIのために、試料を、被分析物分子の脱離を促進するエネルギー吸収マトリックスと混合する。
本明細書で用いる場合、「表面エンハンス型レーザー脱離イオン化」又は「SELDI」という用語は、不揮発性試料を、光イオン化、プロトン化、脱プロトン化及びクラスタ崩壊を含む様々なイオン化経路により試料中の被分析物を脱離させ、イオン化するレーザー照射にさらす他の方法を意味する。SELDIのために、試料を一般的に、対象の1つ又は複数の被分析物を優先的に保持する表面に結合させる。MALDIと同様に、この方法は、イオン化を促進するエネルギー吸収物質も用いることができる。
本明細書で用いる場合、「エレクトロスプレーイオン化」又は「ESI」という用語は、末端に高い正又は負電位を印加した短い毛細管に溶液を通す方法を意味する。管の末端に到達した溶液は、蒸発して(霧化)、溶媒蒸気中溶液の非常に小さな液滴のジェット又は噴霧体になる。この液滴の噴霧体は、蒸発チャンバー中を流れる。液滴がより小さくなるとき、同符号電荷の間の自然反発力によってイオン並びに中性分子が放出されるような時点まで表面電荷密度が増加する。
本明細書で用いる場合、「大気圧化学イオン化」又は「APCI」という用語は、ESIと同様な質量分析法を意味するが、APCIは、大気圧のプラズマ内で起こるイオン−分子反応によりイオンを生成する。プラズマは、噴霧毛細管と対極との間の放電により維持される。次いで、イオンは、一般的に一組の差動排気スキマーステージを用いることにより質量分析計内に抽出される。向流の乾燥し、予熱されたNガスを用いて、溶媒の除去を改善することができる。APCIにおける気相イオン化は、極性がより低い種を分析するのにESIより有効であり得る。
「大気圧光イオン化」又は「APPI」という用語は、本明細書で用いる場合、分子Mのイオン化の機構が分子イオンM+を生成する光子の吸収及び電子の放出である質量分析の形態を意味する。光子エネルギーが一般的にイオン化電位の直上であるため、分子イオンは解離を受けにくい。多くの場合に、クロマトグラフィーの必要なしに試料を分析することが可能であり、それによりかなりの時間と費用の節約となり得る。水蒸気又はプロトン性溶媒の存在下では、分子イオンは、Hを引き抜いてMH+を形成し得る。Mが高いプロトン親和性を有する場合、これが起こる傾向がある。M+とMH+の合計が一定であるため、これは、定量の正確度に影響を与えない。プロトン性溶媒中の薬物化合物は、通常MH+として観測されるが、ナフタレン又はテストステロンなどの非極性化合物は、通常M+を形成する。例えば、Robbら、Anal.Chem.、2000年、72巻(15号)、3653〜3659頁を参照のこと。
本明細書で用いる場合、「誘導結合プラズマ」又は「ICP」という用語は、大部分の元素が原子化され、イオン化されるような十分に高い温度で試料が部分的にイオン化されたガスと相互作用する方法を意味する。
本明細書で用いる場合、「電界脱離」という用語は、不揮発性試験試料をイオン化表面上にのせ、強い電界を用いて被分析物イオンを発生させる方法を意味する。
本明細書で用いる場合、「脱離」という用語は、表面からの被分析物の除去及び/又は被分析物の気相への侵入を意味する。レーザー脱離熱脱離は、被分析物を含む試料をレーザーパルスにより気相中に熱的に脱離させる技術である。レーザーは、金属基部を備えた特製の96ウエルプレートの裏面を照射する。レーザーパルスが底部を加熱し、熱が試料を気相に移行させる。気相試料が次に質量分析計に引き込まれる。
本明細書で用いる場合、「選択イオンモニタリング」という用語は、比較的狭い質量範囲内、一般的に約1質量単位の範囲内のイオンのみが検出される質量分析機器の検出モードである。
本明細書で用いる場合、「選択反応モニタリング」として時として公知である「多重反応モード」は、前駆イオン及び1つ又は複数のフラグメントイオンが選択的に検出される質量分析機器の検出モードである。
本明細書で用いる場合、「定量化下限」、「定量下限」又は「LLOQ」という用語は、測定が定量的に意味があるようになるポイントを意味する。このLOQにおける被分析物の応答は、特定可能であり、個別的であり、20%未満の相対標準偏差(RSD%)及び85%〜115%の正確度で再現性がある。
本明細書で用いる場合、「検出限界」又は「LOD」という用語は、測定値がそれに関連する不確実さより大きいポイントである。LODは、値がその測定に関連する不確実さを超えるポイントであり、ゼロ濃度における平均値のRSDの3倍と定義される。
本明細書で用いる場合、体液試料中の被分析物の「量」は、一般的に試料の体積において検出できる被分析物の質量を反映する絶対値を意味する。しかし、量は、他の被分析物の量と比較した相対量も意図する。例えば、試料中の被分析物の量は、試料中に通常存在する被分析物の対照又は正常レベルより大きい量であり得る。
「約」という用語は、イオンの質量の測定を含まない定量的測定に関して本明細書で用いる場合、表示値プラス又はマイナス10%を意味する。質量分析機器は、所定の被分析物の質量を決定することについてわずかに異なり得る。イオンの質量又は質量/電荷比に関する「約」という用語は、+/−0.50原子質量単位を意味する。
新生児からの静脈血の採取は、問題のあるものであり得る。包括的なステロイドパネル(又はCAHパネル)に必要な最小の血清の容積が最小限であるが、静脈穿刺により少なくとも1〜2mLの全血が取得される。マイクロサンプリングデバイス(Mitraチップ)を用いることにより、20μLの毛細血管血液が必要であるにすぎず、とりわけ新生児について、より容易で、侵襲性がより低く、これにより、静脈穿刺を行う必要が無くなる。
一態様において、本明細書で提供されるのは、マイクロサンプリングデバイスにより採取され、抽出された被分析物の質量分析による定量の方法である。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、(b)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(c)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量と関連付ける。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、質量分析の前に試料を精製することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、液体クロマトグラフィーを用いて試料を精製することを含む。いくつかの実施形態において、液体クロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は高乱流液体クロマトグラフ(HTLC)を含む。いくつかの実施形態において、方法は、試料を固相抽出(SPE)にかけることを含む。いくつかの実施形態において、方法は、試料を逆相分析カラムにかけることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、(b)液体クロマトグラフィーにより試料を精製すること、(c)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(d)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量と関連付ける。
いくつかの実施形態において、質量分析は、タンデム質量分析を含む。いくつかの実施形態において、質量分析は、高分解能質量分析である。いくつかの実施形態において、質量分析は、高分解能/高精度質量分析である。
いくつかの実施形態において、イオン化は、大気圧化学イオン化(APCI)による。いくつかの実施形態において、イオン化は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)による。いくつかの実施形態において、前記イオン化は、ポジティブイオンモードである。いくつかの実施形態において、前記イオン化は、ネガティブイオンモードである。
いくつかの実施形態において、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを96ウエルプレートに入れる。いくつかの実施形態において、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを96ラックに入れる。いくつかの実施形態において、自動化により96ラックを96ウエルプレートに入れる。いくつかの実施形態において、自動化は、HAMILTON(登録商標)自動化である。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、試料に内部標準を添加することを含む。いくつかの実施形態において、内部標準は、標識されている。いくつかの実施形態において、内部標準は、重水素化されている又は同位体標識されている。いくつかの実施形態において、内部標準を抽出緩衝液と共に加える。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスを内部標準であらかじめ湿らせ、乾燥する。
いくつかの実施形態において、抽出ステップは、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料に抽出緩衝液を加えることを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、試料を含有するマイクロサンプリングデバイスを抽出溶媒を含有する96ウエルプレートに入れることを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップを自動化する。いくつかの実施形態において、96ウエルプレートをボルテックスし、次いでマイクロサンプリングデバイスの吸収チップを除去する。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、窒素中で乾燥することを含む。いくつかの実施形態において、抽出ステップは、試料を溶液に再構成することを含む。いくつかの実施形態において、再構成は、水性酸若しくは有機物溶液又は両方を試料に加えることを含む。いくつかの実施形態において、再構成された溶液を濾過する。
いくつかの実施形態において、抽出試料を質量分析システムに注入する。いくつかの実施形態において、抽出試料を液体クロマトグラフィーに注入する。いくつかの実施形態において、抽出及び質量分析ステップは、自動化試料分析を可能にするようにオンライン式で実施する。いくつかの実施形態において、抽出、精製及び質量分析ステップは、自動化試料分析を可能にするようにオンライン式で実施する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、誘導体化されていない。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、試料の処理を必要としない。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、全血である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、尿である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、唾液である。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、血清又は血漿である。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、試料を採取する吸収チップを含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、一定の容積の患者体液を吸収している。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、150μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、100μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、50μL以下の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、5μLから150μLまで(5μLと150μLを含む)の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、10μLから100μLまで(10μLと100μLを含む)の容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約10μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約15μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約20μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約30μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約50μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、約100μLの容積を有する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、ヘマトクリットの量にかかわらず、一定容積の血液を吸収している。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)100μL以下の試料から被分析物を抽出すること、(b)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(c)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される方法は、(a)100μL以下の試料から被分析物を抽出すること、(b)液体クロマトグラフィーにより試料を精製すること、(c)被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び(d)質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む、試料中の被分析物の量を定量することを対象とする。いくつかの実施形態において、決定された1つ又は複数のイオンの量を用いて、試料中の被分析物の量を決定する。いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける。
いくつかの実施形態において、方法は、50μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、30μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、20μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、15μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、10μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、冷凍又は凍結せずに輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、ドライアイスを用いずに輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、室温で輸送することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、バイオハザードの懸念なしに輸送することができる。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、採取のための訓練をほとんど必要としない。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取される試料は、どこでも採取することができる。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料は、輸送のために周囲温度で乾燥することができる。
いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、MITRA(登録商標)チップである。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスは、抽出及び質量分析の自動化のために設計されたカートリッジに収容されている。
いくつかの実施形態において、方法は、マイクロサンプリングデバイスにより試料を採取することをさらに含む。いくつかの実施形態において、採取するステップは、指穿刺を実施することと、マイクロサンプリングデバイスの吸収チップを血液に当てることとを含む。いくつかの実施形態において、採取するステップは、吸収チップを患者の尿又は唾液中に入れることを含む。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスに採取された試料を風乾する。いくつかの実施形態において、マイクロサンプリングデバイスに採取された試料を輸送の前に1〜2時間風乾する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、ステロイドである。いくつかの実施形態において、ステロイドは、コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン、18−ヒドロキシコルチコステロン又は21−デオキシコルチゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、先天性副腎過形成(CAH)を診断するためのステロイドパネルにおけるステロイドである。いくつかの実施形態において、ステロイドは、コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン、18−ヒドロキシコルチコステロン及び21−デオキシコルチゾールからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ステロイドは、25−ヒドロキシビタミンD又は25−ヒドロキシビタミンDである。
いくつかの実施形態において、被分析物は、アヘン剤である。いくつかの実施形態において、アヘン剤は、シス−トラマドール、O−デスメチルトラマドール、タペンタドール、N−デスメチルタペンタドール、コデイン、モルヒネ、オキシモルフォン、ノルヒドロコドン、オキシコドン、ノルオキシコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、フェンタニル、ノルフェンタニル、6−モノアセチルモルフィン(6−MAM)、メタドン、ジヒドロコデイン、ナロキソン、ナルトレキソン、6β−ナルトレキソール、ナロルフィン、ナルブフィン又は2−エチリデン−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルピロリジン(EDDP)である。いくつかの実施形態において、アヘン剤は、シス−トラマドール、O−デスメチルトラマドール、タペンタドール、N−デスメチルタペンタドール、コデイン、モルヒネ、オキシモルフォン、ノルヒドロコドン、オキシコドン、ノルオキシコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、フェンタニル、ノルフェンタニル、6−モノアセチルモルフィン(6−MAM)、メタドン、ジヒドロコデイン、ナロキソン、ナルトレキソン、6β−ナルトレキソール、ナロルフィン、ナルブフィン及び2−エチリデン−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルピロリジン(EDDP)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アヘン剤を全血、唾液又は尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、ベンゾジアゼピンである。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、オキサゼパム、テマゼパム、ロラゼパム、ノルジアゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、クロナゼパム、ブロマゼパム、クロバザム、ニトラゼパム、フェナゼパム、プラゼパム、メダゼパム、フルニトラゼパム又はフルラゼパムである。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンは、オキサゼパム、テマゼパム、ロラゼパム、ノルジアゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、クロナゼパム、ブロマゼパム、クロバザム、ニトラゼパム、フェナゼパム、プラゼパム、メダゼパム、フルニトラゼパム及びフルラゼパムからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ベンゾジアゼピンを全血又は尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、316±0.5の質量電荷比(m/z)を有するブロマゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5又は270±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、287±0.5の質量電荷比(m/z)を有するオキサゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、104±0.5又は241±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、300±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロバザム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、224±0.5又は259±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、282±0.5の質量電荷比(m/z)を有するニトラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、180±0.5又は236±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、309.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアルプラゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、165±0.5又は280.9±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、343±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトリアゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、206±0.5又は308±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、316±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロナゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5又は270±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフルラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、287.9±0.5又は315±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、321±0.5の質量電荷比(m/z)を有するロラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、229.1±0.5又は331±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、314±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフルニトラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、211±0.5又は268±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、301.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するテマゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、177±0.5又は255±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、326±0.5の質量電荷比(m/z)を有するミダゾラム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、129±0.5又は244±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、271±0.5の質量電荷比(m/z)を有するノルジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、139.8±0.5又は165±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、351±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェナゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、185.9±0.5又は206±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、301±0.5の質量電荷比(m/z)を有するクロルジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、259±0.5又は224±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、285±0.5の質量電荷比(m/z)を有するジアゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、154±0.5又は193±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、325±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプラゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、165±0.5又は271±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、271±0.5の質量電荷比(m/z)を有するメダゼパム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、180±0.5又は207.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、抗てんかん薬である。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、バルプロ酸、チアガビン、トピラメート、レビチラセツム、ラモトリギン、ラコサミド、エトスキシミド、カルバマゼピン、エスリカルバマゼピン、10,11−カルバマゼピン、フェノバルビタール、ルフィナミド、プリミドン、フェニトイン、ゾニサミド、フェルバメート、ガバペンチン又はプレガブリンである。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬は、バルプロ酸、チアガビン、トピラメート、レビチラセツム、ラモトリギン、ラコサミド、エトスキシミド、カルバマゼピン、エスリカルバマゼピン、10,11−カルバマゼピン、フェノバルビタール、ルフィナミド、プリミドン、フェニトイン、ゾニサミド、フェルバメート、ガバペンチン及びプレガブリンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗てんかん薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、339±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェルバメート前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、117.3±0.5又は261±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、142±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエトスキシミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、44.3±0.5又は39.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、251±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラコサミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、91.2±0.5又は65.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、256±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラモトリギン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、211±0.5又は145±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、338.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトピラメート前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、78.2±0.5又は96.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、172.3±0.5の質量電荷比(m/z)を有するガバペンチン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、91.2±0.5又は67.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、297.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエスリカルバマゼピン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、194±0.5又は179±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、219.8±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプリミドン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、79±0.5又は135.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、160.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプレガバリン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、55.2±0.5又は77.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、237±0.5の質量電荷比(m/z)を有するカルバマゼピン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、194.1±0.5又は179±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、231±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェノバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、44.2±0.5又は188.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、236.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエポキシド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、141.2±0.5又は112.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、213.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するゾニサミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、77.2±0.5又は102.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、376.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するチアガビン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、111.1±0.5又は149.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、253.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェニトイン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、104.2±0.5又は182.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、171.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するレベチラセタム前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、126.2±0.5又は69.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、143±0.5の質量電荷比(m/z)を有するバルプロ酸前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、143±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、239±0.5の質量電荷比(m/z)を有するルフィナミド前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、127.2±0.5又は261±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、219±0.5の質量電荷比(m/z)を有するプリミドン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、126±0.5又は141±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、350±0.5の質量電荷比(m/z)を有するトピラメートD12前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、78.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、256±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエポキシドD3前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、77±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、259±0.5の質量電荷比(m/z)を有するラモトリギン13前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、214±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、177.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するレベチラセタムD6前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、132.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、免疫抑制薬である。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリンA、シロリムス、タクロリムス又はエベロリムスである。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリンA、シロリムス、タクロリムス及びエベロリムスからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、バルビツレートである。いくつかの実施形態において、バルビツレートは、フェノバルビタール、アモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール又はチオペンタールである。いくつかの実施形態において、バルビツレートは、フェノバルビタール、アモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール及びチオペンタールからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、バルビツレートを全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、237.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するセコバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、225.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するアンモバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、182.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、225.6±0.5の質量電荷比(m/z)を有するペントバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、241.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するチオペンタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、57.9±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、231.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有するフェノバルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.0±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、223.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有するブタルビタール前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、42.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、タモキシフェンである。いくつかの実施形態において、被分析物は、タモキシフェンの代謝物である。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、ノルエンドキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、エンドキシフェン又はN−デスメチル−4−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、4’−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、4−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、N−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、N−デスメチルタモキシフェンである。いくつかの実施形態において、前記代謝物は、ノルエンドキシフェン、エンドキシフェン、4’−ヒドロキシタモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、N−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン及びN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、タモキシフェン又はその代謝物を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、372.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.14±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、374.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するエンドキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する4−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、374.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、388.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有する4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、72.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、358.2±0.5の質量電荷比(m/z)を有するN−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン前駆イオンを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のイオンは、58.1±0.5の質量電荷比(m/z)を有する1つ又は複数のフラグメントイオンを含む。
いくつかの実施形態において、被分析物は、抗腫瘍薬である。いくつかの実施形態において、被分析物は、アナストロゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、レトロゾールである。いくつかの実施形態において、被分析物は、エクゼメスタンである。いくつかの実施形態において、被分析物は、アナストロゾール、レトロゾール及びエクゼメスタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗腫瘍薬を全血試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、被分析物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はその代謝物である。いくつかの実施形態において、THCを尿試料から抽出する。
いくつかの実施形態において、抽出された被分析物を加水分解する。いくつかの実施形態において、抽出の前に被分析物を加水分解する。
いくつかの実施形態において、衝突エネルギーは、約5〜60Vの範囲内にある。いくつかの実施形態において、衝突エネルギーは、約5〜60Vの範囲内にある。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、患者における先天性副腎過形成の診断の方法である。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される内因性ステロイドの定量の方法を先天性副腎過形成を診断するために用いる。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるTHCの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるバルビツレートの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるアヘン剤の使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるベンゾジアゼピンの使用の検出又はモニタリングの方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体における抗てんかん薬の使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体における抗てんかん薬の有効性をモニタリングする方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるタモキシフェンの使用の検出又はモニタリングの方法である。別の態様において、本明細書で提供されるのは、個体におけるタモキシフェンの有効性をモニタリングする方法である。
別の態様において、本明細書で示す特定の方法は、高分解能/高精度質量分析を利用して、試料中の被分析物の量を決定する。高精度/高分解能質量分析を利用するいくつかの実施形態において、方法は、(a)イオンを発生させるのに適する条件下で試料からの被分析物をイオン化源にかけること(イオンは質量分析により検出できるものである)、および(b)高分解能/高精度質量分析により1つ又は複数のイオンの量を決定することを含む。これらの実施形態において、ステップ(b)で決定された1つ又は複数のイオンの量を試料中の被分析物の量に関連付ける。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析を10,000のFWHM及び50ppmの質量精度で行う。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析を高分解能/高精度飛行時間(TOF)型質量分析計を用いて行う。いくつかの実施形態において、イオン化条件は、酸性条件下での被分析物のイオン化を含む。いくつかの関連実施形態において、酸性条件は、イオン化の前のギ酸による前記試料の処理を含む。
本明細書で述べる方法のいずれかにおいて、試料は、生物学的試料を含み得る。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、尿、血漿又は血清などの生物学的流体を含み得る。いくつかの実施形態において、生物学的試料は、ヒト、例えば、成人男性若しくは女性、又は若年男性若しくは女性からの試料を含み得る。ここで、若年は、18歳未満、15歳未満、12歳未満、又は10歳未満である。ヒト試料は、病状若しくは状態を診断若しくはモニターするために、又は病状若しくは状態の処置の治療有効性をモニターするために分析することができる。いくつかの関連実施形態において、本明細書で述べる方法は、ヒトから採取した場合の生体試料中の被分析物の量を決定するために用いることができる。
タンデム質量分析を利用する実施形態において、タンデム質量分析は、例えば、多重反応モニタリング、前駆イオンスキャニング又はプロダクトイオンスキャニングを含む、当技術分野で公知の方法により実施することができる。
いくつかの実施形態において、タンデム質量分析は、前駆イオンを1つ又は複数のフラグメントイオンにフラグメント化することを含む。2つ以上のフラグメントイオンの量を決定する実施形態において、測定されたイオン量を試料中の被分析物の量に関連付けるために、該量を当技術分野で公知の数学的操作にかけることができる。例えば、試料中の被分析物の量を決定することの一部として、2つ以上のフラグメントイオンの量を合計することができる。
いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約10,000以上、例えば約15,000以上など、例えば約20,000以上など、例えば約25,000以上などの分解能(FWHM)で実施する。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約50ppm以下、例えば約20ppm以下など、例えば約10ppm以下など、例えば約5ppm以下など、例えば約3ppm以下などの精度で実施する。いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、約10,000以上の分解能(FWHM)及び約50ppm以下の精度で実施する。いくつかの実施形態において、分解能は、約15,000超であり、精度は、約20ppm以下である。いくつかの実施形態において、分解能は、約20,000以上であり、精度は、約10ppm以下であり、好ましくは、分解能は、約20,000以上であり、精度は、約5ppm以下、例えば約3ppm以下などである。
いくつかの実施形態において、高分解能/高精度質量分析は、オービトラップ型質量分析計、飛行時間(TOF)型質量分析計又はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析計(時としてフーリエ変換質量分析計として公知である)を用いて実施することができる。
質量分析(タンデム又は高分解能/高精度)は、ポジティブイオンモードで実施することができる。或いは、質量分析は、ネガティブイオンモードで実施することができる。例えば、大気圧化学イオン化(APCI)又はエレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む、様々なイオン化源を用いて被分析物をイオン化することができる。
本明細書で示す方法のいずれかにおいて、別個に検出できる内部標準を試料に加えることができ、その量も試料中で決定される。別個に検出できる内部標準を利用する実施形態において、試料中に存在する対象の被分析物及び内部標準の両方のすべて又は一部がイオン化されて、質量分析計で検出できる複数のイオンを生成し、それぞれから生成した1つ又は複数のイオンが質量分析により検出される。これらの実施形態において、対象の被分析物から生成したイオンの存在又は量は、検出された内部標準イオンの量との比較により試料中の対象の被分析物の量の存在に関連付けることができる。
或いは、試料中の被分析物の量は、1つ又は複数の外部参照標準との比較により決定することができる。具体例としての外部参照標準は、ヒト若しくは非ヒト被分析物、合成被分析物類似体又はその同位体標識変異体を添加したブランク血漿又は血清などである。
質量分析用の試料の調製
質量分析の前に用いることができる試料の精製の1つの方法は、対象の被分析物はカラム充填剤に可逆的に保持されるが、1つ又は複数の他の物質は保持されない条件下で試料を固相抽出(SPE)カラムに加えることである。この技術において、対象の被分析物がカラムにより保持される場合に、第1の移動相条件を用いることができ、保持されない物質が洗い流されたならば、保持された物質をカラムから除去するためにその後に第2の移動相条件を用いることができる。
いくつかの実施形態において、試料中の被分析物は、アルキル結合表面を含む充填剤を含むSPEカラムに可逆的に保持させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、C−8オンラインSPEカラム(Phenomenex,Inc.製のOasis HLBオンラインSPEカラム/カートリッジ(2.1mm×20mm)又は同等物など)は、質量分析の前に被分析物を濃縮するために用いることができる。いくつかの実施形態において、SPEカラムの使用は、洗浄溶液としてのHPLC用0.2%水性ギ酸及び溶出溶液としてのアセトニトリル中0.2%ギ酸を用いて行われる。
質量分析の前に用いることができる試料の精製の他の方法は、液体クロマトグラフィー(LC)である。液体クロマトグラフィー技術において、対象の被分析物が1つ又は複数の他の物質と比べて異なる速度で溶出する移動相条件下で試料をクロマトグラフ分析カラムに加えることによって、被分析物を精製することができる。そのような手順は、試料の1つ又は複数の他の成分と比べて対象の1つ又は複数の被分析物の量を高め得る。
HPLCを含む液体クロマトグラフィーの特定の方法は、比較的に遅い層流技術に依拠している。伝統的なHPLC分析は、カラム中を通る試料の層流が試料からの対象の被分析物の分離の基礎であるカラム充填に依拠している。当業者は、そのようなカラムにおける分離が分配過程であることを理解し、Cペプチドとともに用いるのに適切であるHPLCを含むLC、機器及びカラムを選択することができる。クロマトグラフ分析カラムは、一般的に化合物構成成分の分離(すなわち、分別)を促進するための媒体(すなわち、充填剤)を含む。媒体は、微細な粒子を含み得る。粒子は、一般的に、様々な化合物構成成分と相互作用して化合物構成成分の分離を促進する結合表面を含む。1つの適切な結合表面は、アルキル結合又はシアノ結合表面などの疎水性結合表面である。アルキル結合表面は、C−4、C−8、C−12又はC−18結合アルキル基を含み得る。いくつかの実施形態において、クロマトグラフ分析カラムは、モノリスC−18カラムである。クロマトグラフ分析カラムは、試料を受け入れる入口部及び分別試料を含む溶出物を排出するための出口部を含む。試料は、入口部に直接、又はオンラインSPEカラムなどのSPEカラム若しくはTFLCカラムから供給することができる。いくつかの実施形態において、試料がSPE及び/又はTFLC及び/又はHPLCカラムに達する前に試料中の粒子及びリン脂質を除去するために、オンラインフィルターをSPEカラム及び又はHPLCカラムの前に用いることができる。
1つの実施形態において、試料は、入口部においてLCカラムに加え、溶媒又は溶媒混合物により溶出し、出口部において排出することができる。対象の被分析物(単数又は複数)を溶出するための各種溶媒モードを選択することができる。例えば、液体クロマトグラフィーは、勾配モード、無勾配モード又は多型的(すなわち、混合)モードを用いて実施することができる。クロマトグラフィー中、物質の分離は、溶出液(「移動相」としても公知)、溶出モード、勾配条件、温度の選択等などの変数による影響を受ける。
いくつかの実施形態において、試料中の被分析物をHPLCにより濃縮する。このHPLCは、モノリスC−18カラムクロマトグラフシステム、例えば、Phenomenex Inc.製のOnyxモノリスC−18カラム(50×2.0mm)又は同等物を用いて実施することができる。特定の実施形態において、HPLCは、溶媒AとしてのHPLC用0.2%水性ギ酸及び溶媒Bとしてのアセトニトリル中0.2%ギ酸を用いて実施する。
弁及び継手配管の注意深い選択により、手作業によるステップの必要なく1つのクロマトグラフィーカラムから次のカラムに物質が通るように2つ以上のクロマトグラフィーカラムを必要に応じて接続することができる。好ましい実施形態において、弁及び配管の選択は、必要なステップを実施するようにあらかじめプログラムされたコンピュータにより制御される。最も好ましくは、クロマトグラフィーシステムは、そのようなオンライン式で検出システム、例えば、MSシステムにも接続されている。したがって、操作者が試料のトレーをオートサンプラーに取り付けることができ、残りの操作は、コンピュータ制御のもとに実施されて、選択されるすべての試料の精製及び分析が行われる結果となる。
いくつかの実施形態において、質量分析の前の被分析物の精製のためにTFLCを用いることができる。そのような実施形態において、被分析物を捕捉するTFLCカラムを用いて試料を抽出することができる。次いで、被分析物を溶出し、オンラインで分析HPLCカラムに移す。例えば、試料の抽出は、大粒子径(50μm)充填剤を含むTFLC抽出カートリッジを用いて達成することができる。このカラムから溶出した試料は、質量分析の前のさらなる精製のためにオンラインで分析HPLCカラムに移すことができる。これらのクロマトグラフィー手順に含まれるステップを自動式で連結することができるので、被分析物の精製中の操作者の関与の必要性を最小限にすることができる。この特徴により、時間と費用の節約がもたらされ、操作者の誤りの機会が排除される可能性がある。
いくつかの実施形態において、1つ又は複数の上述の精製技術は、複数の試料の同時処理を可能にするために、被分析物の精製のために並行して用いることができる。
質量分析による被分析物の検出及び定量
質量分析は、分別試料をイオン化し、さらなる分析のために荷電分子を生成するためのイオン源を含む質量分析計を用いて実施される。様々な実施形態において、被分析物は、当業者に公知の方法によりイオン化することができる。例えば、被分析物のイオン化は、電子イオン化、化学イオン化、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、光子イオン化、大気圧化学イオン化(APCI)、光イオン化、大気圧光イオン化(APPI)、レーザーダイオード熱脱離(LDTD)、高速原子衝撃(FAB)、液体二次イオン化(LSI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、電界イオン化、電界脱離、サーモスプレー/プラズマスプレーイオン化、表面エンハンス型レーザー脱離イオン化(SELDI)、誘導結合プラズマ(ICP)及び粒子ビームイオン化により行うことができる。当業者は、イオン化法の選択は、測定される被分析物、試料の種類、検出器の種類、ポジティブ対ネガティブモードの選択等に基づいて決定することができることを理解し、被分析物はポジティブモードでイオン化されても、ネガティブモードでイオン化されてもよい。好ましい実施形態において、被分析物は、ESIによりポジティブイオンモードでイオン化される。
質量分析技術において、一般的に、試料をイオン化した後、それにより生成した正又は負に荷電したイオンを分析して、質量電荷比(m/z)を決定することができる。m/zを決定するための種々の分析計は、四重極型分析計、イオントラップ型分析計、飛行時間型分析計、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計及びオービトラップ型分析計を含む。いくつかの具体例としてのイオントラップ方法は、Bartolucciら、Rapid Commun.Mass Spectrom.、2000年、14巻、967〜73頁に記載されている。
イオンは、数種の検出モードを用いて検出することができる。例えば、選択されるイオンは、すなわち、選択イオンモニタリングモード(SIM)を用いて検出することができ、又は代わりになるべきものとして、衝突誘起解離若しくはニュートラルロスに起因する質量遷移を例えば、多重反応モニタリング(MRM)若しくは選択反応モニタリング(SRM)によりモニターすることができる。いくつかの実施形態において、質量電荷比を四重極型分析計を用いて決定する。「四重極」又は「四重極型イオントラップ」機器において、振動高周波電界におけるイオンは、電極間に印加されたDC電位、RFシグナルの振幅及び質量/電荷比に比例する力を受ける。電圧及び振幅は、特定の質量/電荷比を有するイオンのみが四重極を縦断するが、他のすべてのイオンは偏向させられるように選択できる。したがって、四重極機器は、機器に注入されるイオンの「マスフィルター」及び「質量検出器」の両方として機能し得る。
イオンが検出器に衝突するとき、それらは、デジタル信号に変換される電子のパルスを生じる。取得されたデータは、コンピュータに転送され、コンピュータは、収集されたイオンの計数を時間に対してプロットする。得られる質量クロマトグラムは、伝統的なHPLC−MS法で得られるクロマトグラムに類似している。特定のイオンに対応するピーク下面積又はそのようなピークの振幅を測定し、対象の被分析物の量と関連させることができる。特定の実施形態において、フラグメントイオン(単数又は複数)及び/又は前駆イオンのピークの曲線下面積又は振幅を測定して、被分析物の量を決定する。所定のイオンの相対存在量は、内部又は外部分子標準の1つ又は複数のイオンのピークに基づく較正標準曲線を用いて最初の被分析物の絶対量に変換することができる。
特定の質量分析計を用いるMS技術の分解能を「タンデム質量分析」又は「MS/MS」により向上させることができる。この技術において、対象の分子から得られる前駆イオン(親イオンとも呼ばれる)は、MS機器によりフィルターすることができ、前駆イオンは、その後フラグメント化されて、第2のMS手順で分析される1つ又は複数のフラグメントイオン(娘イオン又はプロダクトイオンとも呼ばれる)を生じる。前駆イオンの注意深い選択により、特定の被分析物により生成するイオンのみがフラグメント化チャンバーに通され、そこでの不活性ガスの原子との衝突により、フラグメントイオンが生成する。前駆及びフラグメントイオンの両方が一連の所定のイオン化/フラグメント化条件下で再現性よく生成するので、MS/MS技術は、極めて強力な分析ツールとなり得る。例えば、フィルトレーション/フラグメンテーションの組み合わせは、妨害物質を除去するために用いることができ、生物学的試料のような複雑な試料に特に有用であり得る。特定の実施形態において、マルチプル四重極型分析計を含む質量分析機器(トリプル四重極型機器など)を用いてタンデム質量分析を行う。
MS/MS技術を用いる特定の実施形態において、前駆イオンをさらなるフラグメント化のために単離し、衝突活性化解離(CAD)を用いて、後続の検出のために前駆イオンからフラグメントイオンを生成する。CADにおいて、前駆イオンは、不活性ガスとの衝突によりエネルギーを獲得し、その後「単分子分解」と呼ばれる過程によりフラグメントになる。振動エネルギーの増加によりイオン内の特定の結合を切断できるように、十分なエネルギーが前駆イオンに蓄積されなければならない。
いくつかの実施形態において、試料中の被分析物は、次のようにMS/MSを用いて検出され、及び/又は定量される。最初に試料をSPEに、次いで、液体クロマトグラフィー、好ましくはHPLCにかけることにより、試料中の被分析物が濃縮され、クロマトグラフ分析カラムからの液体溶媒の流れがMS/MS分析計の加熱ネブライザーインターフェースに入り、溶媒/被分析物混合物がインターフェースの加熱荷電チューブ中で蒸気に変換される。これらの過程において、被分析物がイオン化される。イオン、例えば、前駆イオンは、機器の開口部を通過し、第1の四重極に入る。四重極1及び3(Q1及びQ3)は、イオンの質量電荷比(m/z)に基づいてイオンの選択(すなわち、Q1及びQ3におけるそれぞれ「前駆」及び「フラグメント」イオンの選択)を可能にするマスフィルターである。四重極2(Q2)は、イオンがフラグメント化されるコリジョンセルである。質量分析計の第1の四重極(Q1)は、被分析物イオンのm/zを有する分子を選択する。正しいm/zを有する前駆イオンは、コリジョンチャンバー(Q2)内に通されるが、他のm/zを有する不要なイオンは、四重極の側面に衝突し、除去される。Q2に入った前駆イオンは、中性ガス分子(アルゴン分子など)と衝突し、フラグメントになる。生成したフラグメントイオンは、四重極3(Q3)に通され、ここでフラグメントイオンが検出のために選択される。
特定の実施形態において用いることができるタンデム質量分析機器を操作する代替モードは、プロダクトイオンスキャン法及び前駆イオンスキャン法を含む。これらの操作モードの説明については、例えば、E.Michael Thurmanら、Chromatographic−Mass Spectrometric Food Analysis for Trace Determination of Pesticide Residues、Chapter 8(Amadeo R.Fernandez−Alba編、Elsevier 2005)(387)を参照のこと。
他の実施形態において、高分解能/高精度質量分析計は、本発明の方法による被分析物の定量的分析に用いることができる。定量的結果の容認できる精度を達成するために、質量分析計は、対象のイオンについて約50ppm又はそれ以下の正確度で10,000又はそれ以上の分解能(FWHM)を示すことができなければならない。好ましくは質量分析計は、約5ppm又はそれ以下の正確度で18,000又はそれ以上の分解能(FWHM)、例えば、20,000又はそれ以上の分解能(FWHM)と約3ppm又はそれ以下の正確度など、例えば、25,000又はそれ以上の分解能(FWHM)と約3ppm又はそれ以下の正確度などを示す。被分析物イオンについて必要なレベルの性能を示すことができる3つの具体例としての分析計は、オービトラップ質量分析計、特定のTOF質量分析計及びフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計である。
炭素、酸素及び窒素などの生物学的活性分子に見いだされる元素は、多種の同位体で天然に存在する。例えば、ほとんどの炭素は、12Cとして存在するが、すべての天然に存在する炭素の約1%は、13Cとして存在する。したがって、少なくとも1つの炭素原子を含有する天然に存在する分子の一部分は、少なくとも1つの13C原子を含有することになる。天然に存在する元素同位体が分子に含まれることにより、複数の分子同位体が生じる。分子同位体の質量の差は、少なくとも1原子質量単位(amu)である。これは、元素同位体が少なくとも1つの中性子異なるからである(1つの中性子の質量≒1amu)。分子同位体が多荷電状態にイオン化される場合、質量分析での検出が質量電荷比(m/z)に基づいているため、同位体の間の質量の差異は、識別することが困難になり得る。例えば、両方が5+状態にイオン化される、質量が1amu異なる2つの同位体は、わずか0.2のそれらのm/zの差を示す。高分解能/高精度質量分析は、高度に多荷電イオン(±2、±3、±4、±5又はより高度の電荷を有するイオンなど)の同位体を識別することができる。
天然に存在する元素同位体のため、すべての分子イオン(十分に感度の高い質量分析機器により分析した場合、それぞれが個別に検出できるスペクトルピークを生じ得る)について複数の同位体が一般的に存在する。複数の同位体のm/z比及び相対存在量は、分子イオンの同位体シグニチャを集合的に含む。いくつかの実施形態において、2つ以上の分子同位体のm/z比及び相対存在量は、検討中の分子イオンの同一性を確認するために利用することができる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の同位体の質量分析ピークを用いて分子イオンを定量する。いくつかの関連実施形態において、1つの同位体の単一質量分析ピークを用いて分子イオンを定量する。他の関連実施形態において、複数の同位体ピークを用いて分子イオンを定量する。これらの後者の実施形態において、複数の同位体ピークは、適切な数学的処理にかけることができる。いくつかの数学的処理は、当技術分野で公知であり、多重ピーク下面積の合計又は多重ピークによる応答の平均を含むが、これらに限定されない。しかし、イオンの同位体の変異体について観測される正確な質量は、機器の変動のためにわずかに変化し得ることを注意すること。
いくつかの実施形態において、試料中の被分析物の量を定性的に評価するために1つ又は複数のイオンの相対存在量を高分解能/高精度質量分析計により測定する。高分解能オービトラップ分析計の使用は、様々な被分析物の定性及び定量分析について報告された。例えば、米国特許出願公開第2008/0118932号(2007年11月9日出願)、Bredehoeftら、Rapid Commun.Mass Spectrom.、2008年、22巻、477〜485頁、Le Bretonら、Rapid Commun.Mass Spectrom.、2008年、22巻、3130〜36頁、Thevisら、Mass Spectrom.Reviews、2008年、27巻、35〜50頁、Thomasら、J.Mass Spectrom.、2008年、43巻、908〜15頁、Schenkら、BMC Medical Genomics、2008年、1巻、41頁及びOlsenら、Nature Methods、2007年、4巻、709〜12頁を参照のこと。
被分析物アッセイの結果は、当技術分野で公知の多くの方法により最初の試料中の被分析物の量に関連付けることができる。例えば、サンプリング及び分析パラメーターが注意深く管理されているならば、所定のイオンの相対存在量は、当該相対存在量を最初の分子の絶対量に換算する表と比較することができる。或いは、外部標準を試料とともに実施することができ、標準曲線をそれらの標準から得たイオンに基づいて作成する。そのような標準曲線を用いて、所定のイオンの相対存在量を最初の分子の絶対量に換算することができる。特定の好ましい実施形態において、内部標準を用いて被分析物の量を計算するための標準曲線を作成する。そのような標準曲線を作成し、用いる方法は、当技術分野で周知であり、当業者は適切な内部標準を選択することができる。例えば、好ましい実施形態において、1つ又は複数の形の同位体標識被分析物を内部標準として用いることができる。イオンの量を最初の分子の量に関連させる多くの他の方法は、当業者に周知である。
本明細書で用いる場合、「同位体標識」は、質量分析技術により分析するとき、非標識分子と比べて標識分子の質量シフトをもたらす。適切な標識の例としては、重水素(H)、13C及び15Nなどがある。1つ又は複数の同位体標識を分子における1つ又は複数の位置に組み込むことができ、1つ又は複数の種類の同位体標識を同じ同位体標識分子に用いることができる。
上述の方法のいずれかの1つ又は複数のステップは、自動装置を用いて実施することができる。特定の実施形態において、1つ又は複数の精製ステップをオンラインで実施し、より好ましくは精製及び質量分析ステップのすべてをオンライン式で実施することができる。
以下の実施例は、本発明を説明する役割を果たす。これらの実施例は、本方法の範囲を制限するものではない。
[実施例1]ステロイドの質量分析アッセイ
20μL MITRA(登録商標)チップから患者試料を直接抽出した。チップをNUNC(登録商標)96ディープウエルプレート上に直接のせた。次いで500μLの抽出溶媒(50/50メタノール/酢酸エチル中1M NHOH)及び50μLの内部標準(安定同位体を含有する)並びに抽出緩衝液を各ウエルに加えた。プレートを窒素中で乾燥する前に室温で1時間混合した。乾燥ステップの後、水性酸及び有機物溶液(200μLの50/50水/メタノール中0.1%FA)を各ウエルに加えることによって試料を溶液に戻した。プレートを混合し、次いで濾過する。100μLの濾液を、APCI(大気圧化学イオン化)源を備え、ポジティブイオンモードのLC−MS/MSシステムに注入した。以下の試薬を用いた:移動相A−水中0.1%ギ酸;移動相B−80/20メタノール/アセトニトリル;抽出溶媒:50/50メタノール/酢酸エチル中1M水酸化アンモニウム。
Thermo Scientific製のARIA(登録商標)TX−4システムを液体クロマトグラフィーに用い、逆相分析カラム(KINETEX(登録商標)C18)であるHPLCカラムにより分離を遂行した。用いた検出器は、AB Sciex製のQTRAP(登録商標)6500であった。
1つの20μL MITRA(登録商標)チップ又はDBSの2つの6mm打抜き部分を用いて以下のステロイドを誘導体化されていない状態で検出し、定量した:コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン及び21−デオキシコルチゾール。図1。
質量分析により分析するために以下の質量遷移を用いた。
図2〜17に成人男性、成人女性及び小児における様々なステロイドのレベルを示す。
表1に先天性副腎過形成酵素欠損の特性の識別を示す。
分析感度:定量限界(LOQ)は、測定が定量的に意味があるようになる点である。LOQの許容基準は、変動係数(CV)が20%以下である最低の再現性のある濃度と定義される。予備的LOQを決定するために、濃度が異なる試料のいくつかの複製物を数日間にわたり分析にかけた。予備的分析測定可能範囲は、直線範囲試験において以下のように決定された。
表3に古典的先天性副腎過形成を引き起こす酵素欠損の鑑別診断を示す。
図18に50〜10,000ng/dLのテストステロンの標準直線性を示す。
[実施例2]抗腫瘍薬
このアッセイにおいては、20μL MITRA(登録商標)チップを用いて、患者試料を採取した。チップを内部標準中にあらかじめ浸漬し、2〜24時間乾燥した。
チップを較正標準中に浸漬した。試料を500μLの溶出緩衝液で溶出し、乾燥した。次いで試料を200μLの負荷緩衝液に再懸濁した。90μLの試料を定量のためにLC−MS/MSに注入した。
図19にタモキシフェン及びその代謝物のクロマトグラムを示す。
図20にレトロゾール、エキセメスタン及びアナストロゾールのクロマトグラムを示す。
[実施例3]アヘン剤
このアッセイにおいては、全血を遠心分離し、種々の濃度レベルのアヘン剤標準をスパイクして、アッセイキャリブレータとした。
10μL及び15μLのMITRA(登録商標)チップを完全に飽和するまで全血キャリブレータ中に浸漬した。全血キャリブレータで飽和したチップを室温で少なくとも2.5時間乾燥した。
400μLの抽出緩衝液(メタノール中65%酢酸エチル:0.1%ギ酸中重水素化アヘン剤内部標準)を用いて、ボルテックスミキサー上のチップからアヘン剤を40分間抽出した。或いは500μLの60:40酢酸エチル及び1%ギ酸含有メタノールを用いて、ボルテックスミキサー上のチップからアヘン剤を850ppmで1時間抽出した。次いでチップを捨て、抽出試料をPorvairにより60℃窒素ガス中で完全に乾燥した。次いで試料を水中30%MeOH:0.1%FAに再懸濁し、ボルテックスした。或いは、試料を230μLの50:50メタノール及び0.1%ギ酸含有水に再懸濁した。次いでThermo Ultra三連四重極質量分析計におけるESIポジティブモードでの定量のために試料をLC−MS/MSに注入した。移動相Aには、水中0.1%ギ酸を用いた。移動相Bには、100%アセトニトリルを用いた。Agilentフェニルヘキシル3×100mmカラムを用いた。分析時間は、9分であった。
表4に各アヘン剤の直線範囲を10μLチップと15μLチップとを対比して示す。
図21〜24にアヘン剤及び対応する内部標準の具体例としてのクロマトグラムを示す。
図25〜28にグルクロニダーゼ加水分解により20μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者尿から得られた(それぞれ)モルヒネ、コデイン、ヒドロモルフォン及びオキシコドンデータを示す。
図29に50μL MITRA(登録商標)チップを用いて患者唾液から得られたオキシコドンデータを示す。
図30及び31にそれぞれブプレノルフィン及びノルフェンタニルのヘマトクリット試験の結果を示す。
[実施例4]ベンゾジアゼピン
このアッセイにおいては、全血を遠心分離し、種々の濃度レベルのベンゾジアゼピン標準をスパイクして、アッセイキャリブレータとした。
10μL及び20μLのMITRA(登録商標)チップを完全に飽和するまで全血キャリブレータ中に浸漬した。全血キャリブレータで飽和したチップを室温で少なくとも2.5時間乾燥した。
400μLの抽出緩衝液(メタノール中65%酢酸エチル:0.1%ギ酸中重水素化ベンゾジアゼピン内部標準)を用いて、ボルテックスミキサー上のチップからアヘン剤を40分間抽出した。或いは500μLの60:40酢酸エチル及び1%ギ酸(又は代わるべきものとして、0.1%ギ酸)含有メタノールを用いて、ボルテックスミキサー上のチップからベンゾジアゼピンを850rpmで1時間抽出した。次いでチップを捨て、抽出試料をPorvairにより60℃窒素ガス中で完全に乾燥した。次いで試料を水中30%MeOH:0.1%ギ酸に再懸濁し、ボルテックスした。或いは、試料を230μLの50:50メタノール及び0.1%ギ酸含有水に再懸濁した。或いは、試料を200μLの10%メタノール及び90%水中0.1%ギ酸に再懸濁した。試料を1200rpmで5〜30分間ボルテックスした。次いでThermo Ultra三連四重極質量分析計におけるESIポジティブモードでの定量のために試料をLC−MS/MSに注入した。移動相Aには、水中0.1%ギ酸を用いた。或いは、pH5.2の20mM酢酸アンモニウムを用いた。移動相Bには、100%アセトニトリルを用いた。Agilentフェニルヘキシル3×100mmカラムを用いた。或いは、BDS Hypersil C18、100×3mm、3μカラムを用いた。分析時間は、6分であった。
0.7mL/分の流量が得られ、0〜60秒−90%A:10%B;60〜210秒−30%Bへの勾配;210〜360秒−65%Bへの勾配;360〜420秒−100%Bへの勾配;420〜480秒−100%B保持;480〜600秒−90%A:10%B保持とした。
表5に20μLチップにおいて分析したベンゾジアゼピンを示す。
表6に各アヘン剤の直線範囲を10μLチップと20μLチップとを対比して示す。
[実施例5]バルビツレート
このアッセイにおいては、バルビツレートについて陰性である尿試料に種々の濃度レベルのバルビツレート標準をスパイクして、アッセイキャリブレータとした。
20μLのMITRA(登録商標)チップを完全に飽和するまで尿キャリブレータ中に浸漬した。尿キャリブレータで飽和したチップを室温で乾燥した。
試料をメタノールで1時間抽出した。抽出試料をサーモミキサー[thermomixer]上で60℃で1時間加水分解した。次いで試料を遠心分離し、上清を定量のためにLC−MS/MSに注入した。液体クロマトグラフィー分析時間は、5.75分であった。取得ウインドウは、2.5分であった。アッセイは、2種類の2.75分ごとのデータの取得が可能であった。0.03%NHOHを移動相Aに用いた。90%CAN及び10%MP Aを移動相Bに用いた。
図32及び33にバルビツレート(セコバルビタール、アンモバルビタール、ペントバルビタール及びチオペンタール)をスパイクした陰性尿の結果を示す。
図34〜38にフェノバルビタール及びブタルビタールについて定量した様々な患者試料の結果を示す。
[実施例6]THC
このアッセイにおいては、患者尿試料を分析した。
20μLのMITRA(登録商標)チップを完全に飽和するまで尿試料中に浸漬した。尿試料で飽和したチップを室温で乾燥した。
試料を900rpmで1時間ボルテックスすることによって100%メタノールで抽出した。試料を完全に乾燥するまで窒素空気で60℃で乾燥した。試料をpH4.5の200μLの20mMクエン酸ナトリウム緩衝液に再懸濁した。グルクロニダーゼを試料に加え、サーモミキサー上で60℃で40分間インキュベートした。試料を5500rpmで3分間遠心分離し、上清を定量のためにLC−MS/MS(ABI5500)に注入した。
図39に20μLチップ及びグルクロニダーゼ加水分解を用いた患者試料中のTHCカルボキシ代謝物の分析の結果を示す。
[実施例7]
抗てんかん薬
このアッセイにおいては、患者全血試料を分析した。
20μLのMITRA(登録商標)チップを完全に飽和するまで全血試料中に浸漬した。全血試料で飽和したチップを室温で乾燥した。
試料を90%メタノール及び10%水で1時間抽出した。試料を完全に乾燥するまで窒素空気で60℃で乾燥した。試料を水中0.1%ギ酸に再懸濁し、定量のためにLC−MS/MSに注入した。5μLをThermo Fisher Quantivaに注入した。Thermo Fisher Beta−Basic C18、100x3mm分析カラムを用いた。移動相A:0.1%FA;移動相B:メタノール。
表7に質量分析による分析に用いた質量遷移を示す。
表8に分析に用いた較正標準を示す。
ラン内精度:許容基準:CV%は、≦TEa/2の許容できる値未満であるべきである。このアッセイのTEaは、30%であると決定される。各品質管理の10個の複製物を単一アッセイ内で、低、中及び高の順序で分析した。
表9にエトスキシミドのラン内精度を示す。エトスキシミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり5.16%〜2.23%の範囲であった。
表10にガバペンチンのラン内精度を示す。ガバペンチンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり7.01%〜3.61%の範囲であった。
表11にレベチラセタムのラン内精度を示す。レベチラセタムのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり8.46%〜4.17%の範囲であった。
表12にプレガバリンのラン内精度を示す。プレガバリンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり6.10%〜4.08%の範囲であった。
表13にゾニサミドのラン内精度を示す。ゾニサミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり6.35%〜4.87%の範囲であった。
表14にラモトリギンのラン内精度を示す。ラモトリギンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり6.77%〜6.10%の範囲であった。
表15にラコサミドのラン内精度を示す。ラコサミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり5.78%〜3.26%の範囲であった。
表16にルフィナミドのラン内精度を示す。ルフィナミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり9.12%〜5.78%の範囲であった。
表17にフェルバメートのラン内精度を示す。フェルバメートのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり8.63%〜5.89%の範囲であった。
表18に10,11−カルバマゼピンエポキシドのラン内精度を示す。10,11−カルバマゼピンエポキシドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり8.46%〜5.89%の範囲であった。
表19にフェニトインのラン内精度を示す。フェニトインのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり8.40%〜7.26%の範囲であった。
表20にカルバマゼピンのラン内精度を示す。カルバマゼピンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり9.45%〜4.93%の範囲であった。
表21にエスリカルバマゼピンのラン内精度を示す。エスリカルバマゼピンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり10.65%〜3.74%の範囲であった。
表22にチアガビンのラン内精度を示す。チアガビンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり13.18%〜7.05%の範囲であった。
総ラン精度:許容基準:総SDが≧1/2TEaであるならば容認できない又は総SDが規定のSD若しくはCV未満でなければならない。CV%は、≦TEa/2の許容できる値未満であるべきである。このアッセイのTEaは、30%であると決定される。
エトスキシミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.84%〜1.11%の範囲であった。
ガバペンチンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり10.43%〜3.05%の範囲であった。
レベチラセタムのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり8.48%〜2.28%の範囲であった。
プレガバリンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり10.21%〜2.43%の範囲であった。
ゾニサミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.44%〜1.44%の範囲であった。
ラモトリギンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.17%〜3.80%の範囲であった。
ラコサミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.17%〜3.80%の範囲であった。
ルフィナミドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.01%〜2.50%の範囲であった。
フェルバメートのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり7.92%〜2.03%の範囲であった。
10,11−カルバマゼピンエポキシドのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.44%〜1.76%の範囲であった。
フェニトインのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり10.92%〜2.55%の範囲であった。
カルバマゼピンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり12.64%〜2.05%の範囲であった。
エスリカルバマゼピンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり13.49%〜3.60%の範囲であった。
チアガビンのCV%は、3つの品質管理レベルすべてにわたり16.11%〜0%の範囲であった。
分析感度:検出限界(LOD)−計算:LOD=ブランクの平均値+4SD。以下は、LODである:エトスキシミド−3.24ng/ml;レベチラセタム−0.22ng/ml;プレガバリン−0.29ng/ml;ラモトリギン−0.17ng/ml;ラコサミド−0.47ng/ml。
正確度:既知標準の回収−許容基準:完全な回収の欠如による誤差(回収された量マイナス加えられた量)は、TEaが30%である場合2SD又は15%CV以下であるべきである。3つの全血試料に10、30及び60μg/mLの濃度でスパイクし、各スパイクレベルを3連でアッセイした。Mitraマイクロサンプリングデバイスで全血が採取され、乾燥されるという方法のため、希釈分析は存在しない。
表23にエトスキシミドの正確度を示す。
表24にレベチラセタムの正確度を示す。
表25にプレガバリンの正確度を示す。
表26にゾニサミドの正確度を示す。
表27にラモトリギンの正確度を示す。
表28にラコサミドの正確度を示す。
表29にルフィナミドの正確度を示す。
表30にフェルバメートの正確度を示す。
表31にカルバマゼピンの正確度を示す。
表32にフェニトインの正確度を示す。
表33にカルバマゼピンの正確度を示す。
表34にエスリカルバマゼピンの正確度を示す。
表35にチアガビンの正確度を示す。
図40にガバペンチン及びルフィナミドのヘマトクリット試験の結果を示す。
[実施例8]
25OHヒドロキシビタミンD
このアッセイにおいては、患者全血試料を分析した。
10μLの内部標準及び500μLの抽出溶媒(50:50酢酸エチル及びメタノール中1M水酸化アンモニウム溶液)を清浄な96ウエルプレートに加えることによってヒト血液中のビタミンDを20μLのMitraマイクロサンプリングデバイスから抽出した。Mitraチップを内部標準〔IS〕/抽出溶媒混合物と共にウエル中に落下させた。プレートを加熱プレートミキサー/ボルテクサーで800rpm、45℃で1時間混合した(Eppendorf mixmate)。混合試料プレートにおける抽出溶媒を加熱窒素中で60℃で約15分間乾燥して、試料を濃縮した。乾燥が完了したとき、100μLの0.1ng/mLのアセトニトリル中誘導体化試薬(PTAD)を試料ウエルに加え、室温で1時間インキュベートした。100μLのHPLC等級水をウエルに加えて反応を止めた。次いで試料を、清浄な96ウエル収集プレートがその下に固定された96ウエルフィルタープレート(Captiva ND)に移した。フィルタープレートに陽圧をかけて、濾液を通過させた。25μLの試料をLC−MSMSシステムに注入した。
分離は、逆相C18カラム並びに0.1%水性ギ酸(移動相A)並びに50:50メタノール及びアセトニトリル(移動相B)からなる移動相を用いることによって達成された。Agilent SLポンプを装着したAria LX−システムを加熱エレクトロスプレーイオン(HESI)源を備えた、検出器としてのTSQ Quantum Ultra三連四重極質量分析計と連結した。25−ヒドロキシビタミンD2及びD3は、ポジティブイオン化モードMRM/SRMスキャンで検出し、定量した。以下のパラメーターを用いた:イオン化電圧5000V;蒸発器温度450℃;シースガス20Arb;Aux 20Arb;衝突圧1.0mトル;衝突エネルギー16〜18V。
以下の質量遷移をモニターする。
図41に25−ヒドロキシビタミンD分析のクロマトグラムを示す。図42に25−ヒドロキシビタミンD2分析の較正曲線を示す。図43に25−ヒドロキシビタミンD3分析の較正曲線を示す。
分析の直線範囲は、5〜100ng/mLであった。定量限界(LOQ)は、4ng/mLであった。
本明細書で言及又は引用した論文、特許及び特許出願、並びにその他の全文献及び電子的に入手できる情報の内容は、各個別の刊行物が参照により具体的及び個別に組み入れられるように示される場合と同程度に参照により本明細書に全体として組み入れられる。出願人らは、任意のこのような論文、特許、特許出願又はその他の物理的及び電子的文献からのありとあらゆる材料及び情報を本出願に物理的に組み入れる権利を保持する。
本明細書で例示的に記載した方法は、本明細書に具体的に開示していない任意の要素又は要素(複数)、限定又は限定(複数)の非存在下で適切に実施することができる。したがって、例えば、用語「comprising(含む)」、「including(含む)」、「containing(含有する)」などは、広範に、限定されることなく読み取られるべきである。さらに、本明細書で使用した用語及び表現は、限定ではなく説明のために使用されており、このような用語及び表現の使用において、示された、及び説明された特徴の任意の同等物又はその一部を排除するものではない。請求した本発明の範囲内において様々な変更が可能であることは認識されている。したがって、本発明を好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書で開示しその中で実施される本発明の変更及び変形は当業者であれば用いることができ、このような変更及び変形は本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。
本発明は、本明細書において広範及び一般的に記載してきた。一般的な開示に含まれるより狭い種及び亜種のそれぞれも本方法の一部を形成する。これには、部類から任意の対象物を削除する条件又は消極的限定を有する方法の一般的説明が、削除された材料が本明細書に具体的に記載されているか否かに関わらず、含まれる。
その他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。さらに、方法の特徴又は態様がマーカッシュ群によって記載されている場合は、当業者であれば、本発明はまた、マーカッシュ群の任意の個々の構成要素又は構成要素の亜群によって記載されることを理解するであろう。

Claims (43)

  1. 質量分析により試料中の被分析物の量を決定する方法であって、
    (a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、
    (b)前記被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び
    (c)質量分析により前記1つ又は複数のイオンの量を決定すること
    を含み、
    決定された前記1つ又は複数のイオンの量を用いて、前記試料中の被分析物の量を決定する、方法。
  2. 前記試料中の被分析物の量を患者における被分析物の量に関連付ける、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料が全血、尿、唾液、血漿又は血清試料を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記抽出ステップが、マイクロサンプリングデバイスにより採取された前記試料に抽出緩衝液を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抽出ステップが、窒素ガス中で乾燥することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記抽出ステップが、前記試料を溶液に再構成することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記マイクロサンプリングデバイスが、複数の試料の同時の抽出及び質量分析による分析の自動化を可能にする装置を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記抽出及び質量分析ステップが、自動試料分析を可能にするようにオンライン式で行われる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記マイクロサンプリングデバイスにより採取される試料が100μL以下の容積を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記マイクロサンプリングデバイスにより採取される試料が50μL以下の容積を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記マイクロサンプリングデバイスにより採取される試料が約10μL、約15μL又は約20μLの容積を有する、請求項1に記載の方法。
  12. 質量分析による定量の前に前記試料を加水分解する、請求項1に記載の方法。
  13. 質量分析の前に前記試料を精製することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 前記精製することが、前記試料を液体クロマトグラフィーにかけることを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 液体クロマトグラフィーが高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は高乱流液体クロマトグラフ(HTLC)を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記試料が毛細血管血液である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記質量分析がタンデム質量分析である、請求項1に記載の方法。
  18. イオン化が大気圧化学イオン化(APCI)である、請求項1に記載の方法。
  19. イオン化がポジティブイオンモードである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記被分析物に対する内部標準を前記試料に加える、請求項1に記載の方法。
  21. 前記内部標準が重水素化されている又は同位体標識されている、請求項20に記載の方法。
  22. 前記マイクロサンプリングデバイスが、抽出及び質量分析による分析の自動化のために設計されたカートリッジに収容されている、請求項1に記載の方法。
  23. 前記マイクロサンプリングデバイスがMITRA(登録商標)チップである、請求項1に記載の方法。
  24. 前記被分析物がステロイドである、請求項1に記載の方法。
  25. 前記ステロイドが、コルチゾール、コルチゾン、プロゲステロン、17−ヒドロキシプロゲステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロン、コルチコステロン、デオキシコルチコステロン、11−デオキシコルチゾール、プレグネノロン、17−ヒドロキシプレグネノロン、18−ヒドロキシコルチコステロン、21−デオキシコルチゾール、25−ヒドロキシビタミンD又は25−ヒドロキシビタミンDである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記被分析物がアヘン剤である、請求項1に記載の方法。
  27. 前記アヘン剤が、シス−トラマドール、O−デスメチルトラマドール、タペンタドール、N−デスメチルタペンタドール、コデイン、モルヒネ、オキシモルフォン、ノルヒドロコドン、オキシコドン、ノルオキシコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、ノルブプレノルフィン、フェンタニル、ノルフェンタニル、6−モノアセチルモルフィン(6−MAM)、メタドン、ジヒドロコデイン、ナロキソン、ナルトレキソン、6β−ナルトレキソール、ナロルフィン、ナルブフィン又は2−エチリデン−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルピロリジン(EDDP)である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記被分析物がベンゾジアゼピンである、請求項1に記載の方法。
  29. 前記ベンゾジアゼピンが、オキサゼパム、テマゼパム、ロラゼパム、ノルジアゼパム、ジアゼパム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、クロナゼパム、ブロマゼパム、クロバザム、ニトラゼパム、フェナゼパム、プラゼパム、メダゼパム、フルニトラゼパム又はフルラゼパムである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記被分析物が抗てんかん薬である、請求項1に記載の方法。
  31. 前記抗てんかん薬が、バルプロ酸、チアガビン、トピラメート、レビチラセツム、ラモトリギン、ラコサミド、エトスキシミド、カルバマゼピン、エスリカルバマゼピン、10,11−カルバマゼピン、フェノバルビタール、ルフィナミド、プリミドン、フェニトイン、ゾニサミド、フェルバメート、ガバペンチン又はプレガブリンである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記被分析物が免疫抑制薬である、請求項1に記載の方法。
  33. 前記免疫抑制薬がシクロスポリンA、シロリムス、タクロリムス又はエベロリムスである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記被分析物がバルビツレートである、請求項1に記載の方法。
  35. 前記バルビツレートが、フェノバルビタール、アモバルビタール、ブタルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール又はチオペンタールである、請求項35に記載の方法。
  36. 前記被分析物がタモキシフェン又はその代謝物である、請求項1に記載の方法。
  37. 前記代謝物が、ノルエンドキシフェン、N−デスメチル−4−ヒドロキシタモキシフェン、4’−ヒドロキシタモキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、N−デスメチル−4’−ヒドロキシタモキシフェン、N−デスメチルタモキシフェンである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記被分析物が抗腫瘍薬である、請求項1に記載の方法。
  39. 前記被分析物がアナストロゾール、レトロゾール又はエクゼメスタンである、請求項38に記載の方法。
  40. 前記被分析物がテトラヒドロカンナビノール(THC)又はその代謝物である、請求項1に記載の方法。
  41. 質量分析により試料中の被分析物の量を決定する方法であって、
    (a)マイクロサンプリングデバイスにより採取された試料から被分析物を抽出すること、
    (b)前記試料を液体クロマトグラフィーにより精製すること、
    (c)前記被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び
    (d)質量分析により前記1つ又は複数のイオンの量を決定すること
    を含み、
    決定された前記1つ又は複数のイオンの量を用いて、前記試料中の被分析物の量を決定する、方法。
  42. 質量分析により試料中の被分析物の量を決定する方法であって、
    (a)100μL以下の試料から被分析物を抽出すること、
    (b)前記試料を液体クロマトグラフィーにより精製すること、
    (c)前記被分析物をイオン化して、質量分析により検出できる1つ又は複数のイオンを発生させること、及び
    (d)質量分析により前記1つ又は複数のイオンの量を決定すること
    を含み、
    決定された前記1つ又は複数のイオンの量を用いて、前記試料中の被分析物の量を決定する、方法。
  43. 50μL以下又は30μL以下の試料から被分析物を抽出することを含む、請求項42に記載の方法。
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