JP2021535380A - 糖尿病におけるマイクロサンプリング検出 - Google Patents

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Abstract

本開示は、マイクロサンプリングデバイスにより得られた生体サンプル中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)及び総ヘモグロビン(THb)を含む様々な分析物を検出する方法に関する。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2018年8月22日に出願され、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/721,227号に対して米国特許法第119条(e)による優先権を主張する。
本開示は、全体的に、マイクロサンプリングデバイスから得られる分析物を検出する分野に関する。糖尿病のマーカー、テストステロン及び/又は他のホルモン、微量アルブミン、クレアチニン/推定糸球体濾過率(estimated glomerular filtration rate、eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、C反応性タンパク(CRP)、ビタミンD、及びオメガ3、並びに腎臓、肝臓、又は甲状腺機能のマーカーを検出する方法が記載される。
以下の記述は、本開示を理解する際に読み手を助けるために与えられ、本開示に対する先行技術を記載又は構成することを自認するものではない。
多くの現行の診断及び生体サンプル分析の方法は、比較的多量の流体サンプルに依拠する。そのようなサンプルは、費用がかかりサンプルの取扱者に負担となるドライアイス中での冷却又は運搬のための凍結を必要とする。また、流体サンプルは特別な運搬方法を必要とするバイオハザードであると考えられる場合があり、必要とされる流体量を得るために必要とされる体積は、静脈穿刺によって採血するためのフレボトミストなど、専門職員を獲得する必要がある場合がある。したがって、患者の体験(experience)及び利便性を改善するための代替サンプル種に関心が寄せられている。
代替サンプリング方法は、特にいくつかの分析物を高頻度で検査する患者(例えば、貧血又は糖尿病を有する患者)のために、低減したサンプル体積を使用することを含む。低減したサンプル体積に依拠する方法は、従来の放血とは対照的に、数滴の血液を得るために指穿刺(finger stick)を利用してもよく、これにより、患者による自己採取によって自宅で進めるプロセスが可能となる。これにより、インフラコストが低減され、静脈アクセスが困難な患者(例えば、小児及び肥満患者)にとってコンプライアンスが容易となる。
したがって、当技術分野には、患者コンプライアンス及びアクセス容易性を改善するために、生物学的サンプリング及び生体サンプルの分析を改善する需要が存在する。本開示はこの需要を満たす。
生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから1つ以上の分析物を検出するためのデバイス及び方法が本明細書に記載される。
一態様では、本開示は、サンプル中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)の分率を決定する方法であって、個体から生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから生体サンプルを溶出することと、ヘモグロビンを生体サンプルから抽出することと、HbA1cの濃度及び総ヘモグロビン(THb)の濃度を測定することと、THb中のHbA1cの分率を計算することとを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、生体サンプルは、糖尿病を有するか又は糖尿病を有することが疑われる個体から得られる。
一部の実施形態では、生体サンプルは乾燥流体である。一部の実施形態では、生体サンプルは、乾燥血清、乾燥毛細管血、又は乾燥全血である。
一部の実施形態では、生体サンプルは指穿刺によって患者から採取される。一部の実施形態では、生体サンプルは、水中で吸収性チップをインキュベートすることによって、マイクロサンプリングデバイスの吸収性チップから溶出される。
一部の実施形態では、抽出は、生体サンプルを溶解緩衝液と接触させて、サンプル中の赤血球を溶解させることを含む。一部の実施形態では、本方法は、サンプルを亜硝酸ナトリウムと接触させることをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、本方法は、サンプルをプロテアーゼ、アジ化ナトリウム、及びフルクトシルペプチドオキシダーゼのうちの1つ以上と接触させることをさらに含んでもよい。
一部の実施形態では、THbの濃度は、吸光度を測定することによって決定される。一部の実施形態では、HbA1cの濃度は、間接的マーカーを測定することによって決定される。例えば、一部の実施形態では、間接的マーカーは過酸化水素である。
一部の実施形態では、THb又はHbA1cは質量分析によって測定されるが、一部の実施形態では、THbとHbA1cの両方が質量分析によって測定される。
一部の実施形態では、マイクロサンプリングデバイスは、MITRA(登録商標)チップである。一部の実施形態では、マイクロサンプリングデバイスのサンプル体積は、約10から約20μL以下である。
一部の実施形態では、本方法は、グルコース、LDLp、クレアチニン、及び微量アルブミンのうちの1つ以上を検出することをさらに含んでもよい。
一部の実施形態では、個体は生体サンプルを自己採取する。一部の実施形態では、個体は生体サンプルを自己採取するために使用したマイクロサンプリングデバイスを予め宛名書きされた封筒に入れて検査施設に輸送した。
一部の実施形態では、6.5%以上であるHbA1c/THbの分率は、糖尿病コントロールの欠如を示す。
別の態様では、本開示は、サンプル中の分析物を検出する方法であって、個体から生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから生体サンプルを溶出することと、2つ以上の分析物を生体サンプルから抽出することと、2つ以上の分析物の濃度を測定することとを含み、2つ以上の分析物が、HbA1c、総ヘモグロビン、グルコース、低密度リポタンパク質粒子数(LDLp)、微量アルブミン、クレアチニン/推定糸球体濾過率(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、C反応性タンパク(CRP)、ビタミンD、オメガ3、腎機能マーカー(例えば、クレアチニン、尿素、尿酸、電解質)、肝機能マーカー(例えば、肝トランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アラニントランスアミナーゼ、ビリルビン、アルブミン、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)、及び甲状腺機能マーカー(例えば、TSH、T4、T3)からなる群から選択される方法を提供する。
以下の詳細な説明は例示及び説明であり、本発明のさらなる説明を提供することを意図する。
例示的なマイクロサンプリングデバイス及び指穿刺から血液を得る/保存する際のその使用を示す図である。 糖尿病コントロールの指標(すなわち、経時的な血中グルコースレベル)としてのHbA1c/THbの使用を検証するデミング回帰の散布図を示す。 コルチゾール、テストステロン、及びプロゲステロンが、本開示の方法に従って検証され、検出可能であることを示すデミング回帰の散布図を示す。 図3Aの続きである。 図3Bの続きである。 25-ヒドロキシビタミンD3が、本開示の方法に従って検証され、検出可能であることを示すデミング回帰の散布図を示す。
本明細書に開示される方法は、患者の体験及びコンプライアンスを改善しながら、生体サンプル処理のコストを低減し、効率を増加させる方法を提供する。本開示の方法は、サンプルを処理及び分析する前に、生体サンプル(例えば、血液、血漿、唾液、尿など)を得る及び保存するためにマイクロサンプリングデバイスを使用することに依拠する。
一部の態様では、本開示の方法は、体液の微量サンプルを得ることと、生体サンプルをマイクロサンプリングデバイスから溶出することと、ヘモグロビンをサンプルから抽出することと、総ヘモグロビン(THb)中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)の分率を決定するためにHbA1c及びTHbの濃度を測定することとによって、糖尿病(例えば、1型、2型、又は妊娠)を診断及びモニターするのに特に適している。THbに対するHbA1cの分率が高い程、糖尿病コントロールの程度は低い。本開示の方法は、長期グルコースコントロールを正確に反映する最小侵襲的な連続モニタリングを可能にし、したがって、本明細書に記載の方法は、従来の技法に対してかなりの進歩をもたらす。
定義
以下の用語は当業者によって十分に理解されると考えられるが、本明細書に開示される主題の説明を容易にするために以下の定義を示す。
用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、その実態の1つ以上を指し得る、すなわち複数の対象を指し得る。したがって、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」、「1つ以上の(one or more)」及び「少なくとも1つの(at least one)」は本明細書において互換的に使用される。さらに、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による「要素(an element)」との記載は、文脈が要素のうちの1つ及び1つだけが存在することを明確に要求していなければ、2つ以上の要素が存在する可能性を除外しない。
この明細書全体を通して「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「一態様(one aspect)」、又は「態様(an aspect)」との記載は、その実施形態に関して記載される特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。よって、この明細書全体を通した様々な箇所での語句「一実施形態では(in one embodiment)」又は「実施形態では(in an embodiment)」の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では任意の好適な方式で組み合わせることができる。
本明細書で使用される場合、体液サンプル又は培養物中の分析物の「量(amount)」は、概して、サンプル又は培養物の体積中の検出可能な分析物の質量を反映する絶対値を指す。しかし、量は、別の分析物の量と比較した相対量も企図する。例えば、サンプル中の分析物の量は、サンプル中に通常存在する分析物の対照又は通常レベルより多い量であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「約(about)」又は「およそ(approximately)」は、数値に先行する場合に、その値プラス又はマイナスその値の10%の範囲を示す。
本明細書において互換的に使用される「体液(body fluid)」及び「体液(bodily fluid)」は、ヒト、動物、又は細胞培養物由来の流体サンプルを指す。体液としては、以下に限定されないが、羊水、血液、脳脊髄液、腹水、血漿、胸水、唾液、精液、血清、痰、涙、及び尿が挙げられる。好ましい実施形態では、体液(body fluid)又は体液(bodily fluid)はヒトの血漿である。
本明細書で使用される場合、用語「サンプル」は患者から得られる臨床サンプルを指す。好ましい実施形態では、サンプルは、生物源(すなわち「生体サンプル」)、例えば、対象から採取された組織又は体液から得られる。サンプル源としては、以下に限定されないが、粘液、痰(処理済又は未処理)、気管支肺胞洗浄液(BAL)、気管支洗浄液(BW)、血液、体液、脳脊髄液(CSF)、尿、血漿、血清、又は組織(例えば、生検材料)、又は器官組織(例えば、膵組織)が挙げられる。好ましいサンプル源としては、血漿、血清、又は全血(乾燥又は液体)が挙げられる。
「個体」、「患者」、又は「対象」は、本明細書で使用される場合、個々の生物、脊椎動物、哺乳動物、又はヒトであってもよい。好ましい実施形態では、個体、患者、又は対象はヒトである。
本技術は、本技術の個々の態様の個々の例として意図される、本出願に記載される特定の態様について限定されるべきではない。本技術の多くの改変及び変形は、当業者にとって明らかであるように、その趣旨及び範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書において列挙されるものに加えて、本技術の範囲内の機能的に同等な方法及び装置は、前記記載から当業者にとって明らかであろう。そのような改変及び変形は本技術の範囲内にあることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、組成物又は生物学的システムに限定されず、当然のことながら変更可能であることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定的であることを意図しないことも理解されるべきである。
本技術の方法において用いられるマイクロサンプリングデバイス
従来の乾燥血液スポッティング技術は、不正確なサンプル体積及び一定のサンプル粘度への依拠(すなわち、サンプルがサンプルカード上に均一に広がるという期待)を含むいくつかの欠点を伴っている。一定の粘度は、等体積のサンプルがカードに適用される場合に、血液スポットの直径を一定にとどまらせる。しかし、粘度は、血液中のヘマトクリット(HCT)又は血中血球容積(PCV)レベルが異なるため、血液サンプル間で有意に変化する。ヘマトクリットレベルの高いサンプルは血液スポット紙上により小さい直径のスポットを形成し、サンプリングされたスポットの固定直径内で異なる濃度の血液をもたらす。PCVレベルはスポット径に約45%の変動を示すと考えられる。内部標準がスポットされた血液上に噴霧されると、これは定量において45%の誤差をもたらし得る。本明細書に開示される方法において用いられるマイクロサンプリングデバイスは、より正確な血液体積の採取、ヘマトクリットバイアス(hematocrit bias)の欠如、及び実験室処理のための標準的なリキッドハンドラーで容易に自動化される能力を含むいくつかの利点をもたらす。
さらに、従来の血液スポット技術は、本開示のマイクロサンプリングデバイスに対して比較的多量の血液を必要とする。乾燥血液スポットは、一般的にスポット当たり50〜75μlを必要とするが、マイクロサンプリングデバイスはおよそ20μlから結果を得ることができる。乾燥血液スポットは、他のサンプル種、例えば血漿と比較して、ウイルス負荷を検出することに関して性能の変動性の問題を有する場合が多く(Pannusら、Medicine、95:48頁(e5475) (2016))、乾燥血液スポットの体積は、他のサンプル種、例えば血清と比較して、特定の種類の評価(例えば、光学密度)に関して著しく多い必要がある場合がある(Brandaoら、J. Clin. Virol.、57:98〜102頁(2013))ことが当技術分野で認識されている。実際に、抗レトロウイルス療法を受けているHIV患者においてウイルス負荷及び処置の失敗を検出するための乾燥血液スポット及び血漿スポットの両方のスクリーニングを使用したところ、どちらも高い割合の偽陽性を生じたことが見出された(Sawadogoら、J.Clin.Microbiol.、52(11):3878〜83頁(2014))。
本技術の方法において有用なマイクロサンプリングデバイスは、遠位端及び近位端を有する吸収性チップを含む。吸収性チップの遠位端の幅は近位端の幅と比較して狭い。近位端はホルダーに取り付けられ、一方、遠位端は吸収させようとする流体、例えば血液と接触するように構成される。マイクロサンプリングデバイスは、生体液サンプル、例えば血液を、容易に乾燥させ、輸送し、次いで後に分析することを可能にする。ある特定の実施形態では、生体液は、指穿刺による血液である。例示的なマイクロサンプリングデバイス及び指穿刺へのその適用は図1に示されており、一部の実施形態では、自身の血液を採取する患者によって血液(又は他の生体サンプル)が採取され、乾燥剤パウチ(desiccant pouch)中に密封され、分析のために実験室に郵送されてもよいことをさらに説明する。この種の自己検査は多くの他の従来のサンプリング技術では可能ではない。
吸い上げ作用(wicking action)により、血液は吸収性チップに吸い込まれる。吸収性チップとホルダーの間の任意選択の障壁により、血液がホルダーを通過するか又は吸い上げられることを防ぐ。吸収性チップは、過剰量の流体が利用可能である場合でも、実質的に同じ体積の流体を吸い上げる材料で構成される(容量測定式の吸収性マイクロサンプリング(volumetric absorptive microsampling)又はVAMS(商標))。吸収性チップの体積は、吸収される流体の体積に影響を及ぼす。吸収性チップのサイズ及び形状は、吸収される血液の体積及び吸収速度を調整するために変更することができる。限定されないが血液を含む、様々な生体サンプルの体積は、約7〜15μL、約20μL、さらには最大約30μLであってもよい。サンプリング時間は、約2秒、約3秒、約5秒、又は最大約10秒であってもよい。
一部の実施形態では、吸収性チップに使用される材料は親水性である(例えば、ポリエステル)。あるいは、材料は、最初は疎水性であってもよく、その後、それを親水性にするために処理される。疎水性マトリックスは、種々の公知の方法、例えばマトリックスのプラズマ処理又は界面活性剤処理(例えば、Tween-40又はTween-80)によって親水性にすることができる。一部の実施形態では、プラズマ処理は、疎水性材料、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレンを親水性にするために使用される。あるいは、表面への親水性ポリマーのグラフト化、及び極性又は親水性分子、例えば糖での表面上の活性基の化学的官能化が、吸収性チップに対して親水性表面を達成するために使用され得る。また、共有結合修飾もまた、吸収性チップの表面に極性又は親水性官能基を付加するために使用することができる。吸収性チップに好適な他の材料としては、焼結ガラス、焼結鋼、焼結セラミック、及び焼結プラスチックポリマー(sintered polymers of plastic)、及び焼結ポリエチレンが挙げられる。
一部の実施形態では、マイクロサンプリングデバイスは、約2〜5秒で最大約20μLの血液を吸収するのに十分なサイズを有し、約5mm(0.2インチ)未満の長さ及び約20mm2未満の断面積及び約4g/cc未満の密度を有する、親水性のポリマー材料で作製された吸収性チップを含む。一部の実施形態では、吸収性チップはポリエチレンで構成され、好ましくは1〜7秒以内、より好ましくは約1〜5秒以内に約1〜20マイクロリットルの血液を吸収するように構成される。吸収性チップは、乾燥血液、乾燥抗凝血剤又は内部標準のうちの1つ以上を含有してもよい。
ある特定の実施形態では、吸収性チップは、約35mm3の体積を有し、約3秒で約13〜14マイクロリットルの血液を吸収し、約2.5秒で9〜10マイクロリットルの血液を吸収し、約38%の細孔容積を有する。他の実施形態では、吸収性チップは、約24マイクロリットルの体積、約0.6g/ccの密度を有し、約2.5秒で約10マイクロリットルの血液を吸収し、約40%の細孔容積を有する。一部の実施形態では、容量測定式の吸収性マイクロサンプリングデバイスは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、US2013/0116597に記載されているMITRA(登録商標)チップである。MITRA(登録商標)マイクロサンプリングデバイスは、少量の血液(例えば、毛細管血)を正確に獲得すること及びそれを乾燥状態で保存することが可能であるサンプル採取用デバイスである。デバイスは、20マイクロリットル(μL)の固定体積の血液を採取するよう設計されている、吸収性基質(absorptive substrate)又は「吸収性チップ」(MITRA(登録商標)チップ)が結合した、ピペットチップに似たサンプラー本体からなる。
吸収性チップは、狭く丸い遠位端を有する円錐台に似た外形に成形されてもよい。一部の実施形態では、ホルダーは、吸収性チップの中心内部の凹部に適合し、吸収性チップ及びホルダーの長手方向軸に沿って伸びる円筒状の柱を有する。吸収性チップの円錐型の形状は、サンプルを迅速かつ均一に吸い上げることを助ける。
ホルダーは、ピペットとの使用に適合させることができる。一部の実施形態では、管状の円錐型形状のホルダーが好ましく、吸収性チップは、ホルダーの狭い末端上にある。ホルダーのより幅広い逆の末端は閉じていてもよく、又は開いていて中空であってもよく、任意選択で、ピペットチップに取り付けられるように構成されていてもよい。ホルダーは、外側に伸長するフランジを有していてもよく、そのようなフランジは、ホルダー、乾燥棚(drying rack)又は試験器具中の合わせ構造(mating structure)に隣接し、そのようなホルダー、乾燥棚及び試験器具中の所望の位置に吸収性チップを配置するのを助ける。
ある特定の実施形態では、ホルダーは、ピペットチップ、又はピペットチップと入れ子になるように構成された先細の管状構造を含んでもよい。吸収性チップは、ポリエチレンで構成されていてもよく、吸収性チップとホルダーはいずれも、無菌条件下で作製されるか、又は最後に滅菌される。吸収性チップは、乾燥抗凝血剤を含有してもよい。一部の実施形態では、ホルダーは、ホルダーの長さに沿って伸長する複数のリブを有する。リブは、輸送のために、又は吸収性チップ中の乾燥血液の抽出のために、吸収性チップが、ホルダー及び吸収性チップが配置されている凹部の壁と接触することを防ぐように選択された高さ及び長さを有していてもよい。
少量のサンプルを吸収した後、次いで、吸収性チップを乾燥させる。一部の実施形態では、少量の血液サンプルを、少なくとも10分間、少なくとも20分間、少なくとも30分間、少なくとも40分間、少なくとも50分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも72時間、又は少なくとも96時間、周囲温度又は室温で乾燥させる。ある特定の実施形態では、少量の血液サンプルを約2〜3時間乾燥させる。
乾燥は、好適な棚又はホルダー上で行ってもよく、又は好ましくは、吸収性チップ及びホルダーは、吸収性チップと乾燥容器の壁又は他の可能性のある汚染物質表面との間の接触を最小限にしながら、乾燥を促進するように構成された特殊な乾燥容器に移してもよい。乾燥容器は、乾燥を促進するために乾燥剤を有していてもよい。また、乾燥容器は汚染を防ぐために、運搬のために密封され得る保護カバーを備えていてもよい。一部の実施形態では、カバーは表面を有し、その上に、乾燥血液サンプル源を識別し、他の関連情報を提供するために印刷された識別標識が記載されていてもよい。一部の実施形態では、容器の寸法、及び容器内のホルダーの相対的な位置は、SBS Microwellプレートの仕様に従うものとする。マイクロサンプリングデバイス及び乾燥容器は、乾燥を助けるために乾燥剤と共にプラスチックバッグ中に入れてもよく、この様式で輸送されるか、又は乾燥剤を除去した後に輸送されるかのいずれでもよい。
一部の実施形態では、ホルダーのより幅広な逆の末端は中空であり、容器はホルダーの中空の末端に適合し、取り外し可能にかみ合うサイズの、据え付けの突出部分を有する第1の部分を有する。さらに又はあるいは、容器は、第1の部分に取り外し可能に留められた第2の部分を有し、ホルダーの運搬のためにホルダーの一部を内包するように構成された凹部を有する。容器は、空気をマイクロサンプリングデバイスの吸収性チップにアクセスさせる複数の開口部を含んでいてもよい。さらに、第1の部分は、その中にアクセスポート(access port)を有する側面を有していてもよく、そのような側面はホルダーが据え付けの突出部上にある場合は、ポートを通してホルダー上に識別標識を適用できるように、十分なサイズを有し、且つそのように配置される。
試験場所での受け取り後、吸収性チップは、手作業で又は自動化手段により、所定の体積の好適な緩衝液(本明細書に記載されている)中で溶出されて、目的の核酸又はタンパク質を乾燥血液から抽出することができる。流体及び/又は吸収性チップの物理的な撹拌技術、例えば超音波処理又はボルテックスは、乾燥血液から液体サンプルマトリックス中への抽出プロセスを促進することができる。さらなる分析のためにサンプルマトリックスをさらに単純化にするために、物理的な分離技術、例えば遠心分離、蒸発/再構成、濃縮、沈殿、液体/液体抽出、及び固相抽出を使用することができる。
各容器は複数のホルダーを内包してもよく、その場合、各ホルダーはその遠位端に吸収性チップを含み、中空の近位端を有する。容器は同様に、それぞれ複数のホルダーの中空の末端に適合し、取り外し可能にかみ合うサイズの複数の細長い据え付けの突出部を有する。容器の第2の部分は、容器内の別々の囲いの中に複数のホルダーのそれぞれを別々に内包するように構成された凹部を有する。ある特定の実施形態では、複数のホルダーのそれぞれは、ホルダーの長さに沿って伸長する複数のリブを有し、リブは、吸収性チップが容器の壁と接触することを防ぐように構成される。要求に応じて、吸収性チップ中の血液の乾燥又は乾燥の維持を助けるために、容器の内部に乾燥剤が入れられていてもよい。各ホルダーは、ホルダーを容器及び少なくとも1つの他のホルダーと関連付ける可視的な識別標識、例えばシリアルナンバーを有していてもよく、シリアルナンバーの様々な部分は、関連するホルダー/吸収性チップ及びその中でホルダーを輸送する容器を示す。
HbA1c分率を決定する方法
糖尿病は、高頻度且つ日常的なスクリーニング及び生体サンプルの分析を必要とすることが多い典型的な兆候であり、したがって、代替のサンプリング方法から利益を受けることができる。
サンプル中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)の分率を決定するための方法であって、(a)生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから生体サンプルを溶出することと、(b)ヘモグロビンを生体サンプルから抽出することと、(c)サンプル中のHbA1cの濃度及び総ヘモグロビン(THb)の濃度を測定することと、(d)THb中のHbA1cの分率を計算することとを含む方法が本明細書に開示される。
ヘモグロビン(Hb)は、4つのヘム部分を有する4つのタンパク質鎖からなり、赤血球中に位置する赤色色素のタンパク質である。その主な機能は、血中の酸素及び二酸化炭素の運搬である。各Hb分子は、4つの酸素分子に結合することができる。Hbは、様々な細分画及び誘導体からなる。このヘモグロビンの異種群の中で、HbA1cは糖化ヘモグロビンのうちの1つであり、Hb分子に様々な糖が結合することによって形成された細分画である。HbA1cは、正常な成体Hb(HbA)のベータ鎖のN末端アミノ基とグルコースの非酵素反応による2ステップで形成される。第1のステップは可逆的であり、不安定なHbA1cが得られる。これは、第2の反応ステップでゆっくりと転位し、安定なHbA1cが得られる。
赤血球では、安定なHbA1cに変換されたHbAの相対量は、血中のグルコースの平均濃度と共に増加する。安定なHbA1cへの変換は、およそ100から120日の赤血球の寿命によって制限される。結果として、HbA1cは、先行する2から3カ月の間の平均血中グルコースレベルを反映する。よって、HbA1cは、真性糖尿病を有する個体の長期グルコースコントロールをモニターするのに好適である。より最近のグルコースレベルは、HbA1cレベルにより大きな影響を及ぼす。
糖尿病合併症、例えば、糖尿病性腎症及び網膜症のリスクは、不十分な代謝コントロールによって増加する。平均血中グルコースレベルに関する指標としてのその機能に従って、HbA1cは、1型糖尿病患者における糖尿病合併症の発症を予測する。HbA1cの上昇は、これらの合併症のリスクの増加に直接的に関連する。
通常の臨床用途では、3から4カ月ごとの検査で一般的には十分である。ある特定の臨床状況、例えば妊娠糖尿病では、又は治療の大幅な変更の後には、2から4週間間隔でHbA1cを測定することが有用である場合がある。一部の実施形態では、生体サンプルは、糖尿病、例えば、1型糖尿病若しくは2型糖尿病又は妊娠糖尿病を有するか、又はそれを有することが疑われる患者から得られる。
一部の実施形態では、生体サンプルは、乾燥流体、例えば、乾燥血清、乾燥毛細管血、又は乾燥全血である。他の体液、例えば、唾液、尿、及び汗も同様に、ある特定の実施形態では利用され得る。
一部の実施形態では、生体サンプルは、指穿刺によって患者から採取されるが、静脈穿刺又は血液サンプルを得る他の方法も同様に使用されてもよい。
一部の実施形態では、生体サンプルは、他の構成要素中に吸収性チップを含み得るマイクロサンプリングデバイス(例えば、MITRA(登録商標)チップ)において得られる及び/又は保存される。一部の実施形態では、生体サンプルは、水中で吸収性チップをインキュベートすることによって、マイクロサンプリングデバイスの吸収性チップから溶出される。
一部の実施形態では、抽出は、生体サンプルを溶解緩衝液と接触させて、サンプル中の赤血球を溶解させることを含む。赤血球からのヘモグロビンの抽出後に、本開示のプロセスは、HbA1cのβ鎖のN末端フルクトシルジペプチドを特異的に測定する酵素的方法を利用することができる。例えば、酵素的方法は前処理プロセスを含んでもよく、ヘモグロビンは亜硝酸ナトリウムとの反応によってメトヘモグロビンに変換される。さらなる試薬の添加により、プロテアーゼの作用によって、ヘモグロビンのβ鎖のグリコシル化されたN末端ジペプチド(フルクトシル-VH)が切断されてもよく、ヘモグロビンは、メトヘモグロビンをアジ化ナトリウムと接触させることによって安定なメトヘモグロビンアジドに変換され得る。これにより、安定なメトヘモグロビンアジドの吸光度を測定することによって、総ヘモグロビンの濃度が決定可能となる。フルクトシルペプチドオキシダーゼ(FPOX)を含むさらなる試薬を添加することによって、FPOXとサンプル中のHbA1cから切断されたフルクトシル-VHとの間の反応がもたらされ得る。これにより、得られた過酸化水素を測定することによって、HbA1cの濃度が決定可能となる。
したがって、一部の実施形態では、本開示の方法は、サンプルを亜硝酸ナトリウムと接触させること並びに/又はサンプルをプロテアーゼ、アジ化ナトリウム、及びフルクトシルペプチドオキシダーゼのうちの1つ以上と接触させることをさらに含んでもよい。一部の実施形態では、THbの濃度は吸光度を測定することによって決定され、一部の実施形態では、HbA1cの濃度は間接的マーカー(例えば、過酸化水素)を測定することによって決定されるが、他の実施形態では、当技術分野で公知の他の検出方法、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)及び質量分析(MS)が利用されてもよい。例えば、一部の実施形態は、所与のサンプル中のHbA1c及びTHbの量を検出するためにタンデムLC-MS/MSを用いてもよい。
一部の実施形態では、マイクロサンプリングデバイスは、上記でより詳細に記述されているMITRA(登録商標)チップであってもよい。一部の実施形態では、マイクロサンプリングデバイスは、10〜20μL以下のサンプル体積を保持し得る。
HbA1cの高分率は、糖尿病又は糖尿病コントロールの欠如を示す。図2に示されているように、デミング回帰分析は、HbA1c分率が糖尿病コントロールの有効なマーカーであることを示す。例えば、HbA1cがTHbの5.6%以上を構成する場合、HbA1cは糖尿病コントロールの欠如を示すことができ、パーセンテージ又は分率が大きい程、糖尿病コントロールの欠如(すなわち、高い血中グルコースレベルの持続)をより強く示す。一部の実施形態では、HbA1cが約5.7%、5.8%、5.9%、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、6.9%、又は7.0%以上である場合、HbA1cは糖尿病コントロールの欠如を示す。
本開示の方法は、糖尿病患者の長期健康を維持するのに重要な、糖尿病検査及びモニタリングの合理化にさらに有用である。よって、本開示の方法の一部の実施形態は、マイクロサンプリングデバイスによって生体サンプル(例えば、血液)を患者自身が採取すること、サンプルを所定の実験室又は検査施設に郵送すること、及びその後、サンプルの溶出及び抽出を実施して、THbに対するHbA1cの分率を測定及び計算することを含んでもよい。
さらなる方法及び分析物
HbA1cを検出し、サンプル中の総ヘモグロビン(THb)のうちのHbA1cの分率を決定する方法に加えて、本開示は、個体の糖尿病、代謝、及び心血管の健康を評価する、並びに個体の全般的健康及び栄養を評価するのに有用であり得る他のマーカー及び分析物を検出するための方法を提供する。これらの方法は、マイクロサンプリングデバイスを使用して、生体サンプルを個体から得ることを含む。個体は、糖尿病、代謝疾患、又は心血管疾患を有すると診断されているか、それを有することが疑われるか、又はそれを発症するリスクを有していてもよい。
よって、本開示は、HbA1c、総ヘモグロビン、グルコース、低密度リポタンパク質粒子数(LDLp)、微量アルブミン、クレアチニン/推定糸球体濾過率(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、C反応性タンパク(CRP)、ビタミンD、オメガ3、腎機能マーカー(例えば、クレアチニン、尿素、尿酸、電解質)、肝機能マーカー(例えば、肝トランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アラニントランスアミナーゼ、ビリルビン、アルブミン、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)、及び甲状腺機能マーカー(例えば、TSH、T4、T3)からなるリストから、マイクロサンプリングデバイスにより得られた生体サンプル由来の1つ以上の分析物を検出する方法をさらに提供する。一部の実施形態では、分析物の検出及び/又は分析物の濃度の決定は、質量分析、免疫学的アッセイ、酵素的アッセイ、又は吸光度アッセイを含み得る。
個体の糖尿病、代謝、心血管、又は全体の健康への洞察を提供するために、本開示の分析物の様々な組合せが評価され得る。例えば、一部の実施形態では、HbA1c、グルコース、LDLp、クレアチニン、及び微量アルブミンを一緒に評価して、個体の糖尿病がコントロール下にあるかどうかを決定することができる。一部の実施形態では、TSH及びCRPは一緒に評価されてもよい。一部の実施形態では、LDLp、HbA1c、及びCRPを一緒に評価して、個体の心血管代謝の健康を決定することができる。一部の実施形態では、LDLp、HbA1c、CRP、ビタミンD、及びオメガ3は、任意選択で、腎臓、肝臓、及び/又は甲状腺機能の1つ以上のマーカーと併せて、一緒に評価され、個体の心血管代謝及び栄養上の健康を決定することができる。
図3及び4は、生体サンプルが本開示の方法に従ってマイクロサンプリングデバイスによって得られる場合に、コルチゾール、テストステロン、プロゲステロン、及び25-ヒドロキシビタミンD3が生体サンプル中で検出可能であることを示す。
本明細書において例示的に記載される方法は、本明細書において具体的に開示されていないいずれの要素(複数可)、制限(複数可)も存在しない場合に好適に実践することができる。よって、例えば、用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などは、拡張的に且つ限定することなく解釈されることになる。さらに、本明細書において用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語としては使用されておらず、そのような用語及び表現の使用は、示され且つ記載される特徴又はその部分の任意の同等物を除外することを意図しない。請求される本開示の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。よって、本開示は好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、開示された本明細書において具体的に表現された本開示の改変及び変更は当業者によって行われ、且つそのような改変及び変更はこの開示の範囲内にあると考えられることが理解されるべきである。
本開示は、本明細書において広範且つ一般的に記載されている。包括的な開示の範囲内にあるより狭義の種及び下位概念の分類(subgeneric grouping)のそれぞれはまた、本方法の一部も形成する。これは、削除される材料が本明細書に具体的に記載されているか否かにかかわらず、属(genus)からいずれかの主題を除去する条件又は否定的な限定を有する本方法の一般的記載を含む。本技術は、本技術の個々の態様の個々の例として意図される、本出願に記載される特定の実施形態について限定されるべきではない。本技術の多くの改変及び変形は、当業者にとって明らかであるように、その趣旨及び範囲を逸脱することなくなされ得る。本明細書において列挙されるものに加えて、本技術の範囲内の機能的に同等な方法及び装置は、前記記載から当業者にとって明らかであろう。そのような改変及び変形は本技術の範囲内にあることが意図される。本技術は、特定の方法、試薬、化合物、組成物又は生物学的システムに限定されず、当然のことながら変更可能であることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定的であることを意図しないことも理解されるべきである。
当業者であれば、本開示が、目的を実行し、且つ言及された目標及び利益、並びに本明細書に固有のものを得るために上手く適合されることを容易に認識する。本明細書における改変及び他の用途は当業者に見出されるものである。これらの改変は本開示の趣旨に包含され、本開示の非限定的な実施形態を示す、請求項の範囲によって定義される。
さらに、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群により記載される場合、それにより、本開示はマーカッシュ群の任意の個別のメンバー又はメンバーの下位群に関しても記載されることが、当業者に認識されるであろう。
本明細書において引用されるすべての参照文献、論文、公報、特許、特許公報、及び特許出願は、すべての目的で参照によりその全体が組み込まれる。
しかし、本明細書において引用されるいずれの参照文献、論文、公報、特許、特許公報、及び特許出願の言及も、それらが有効な先行技術を構成すること、若しくは世界の任意の国において共通の一般的知識の一部を形成することを認めるもの又はいずれかの形態で示唆するものではなく、且つそのように解釈されるべきでもない。

Claims (21)

  1. サンプル中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)の分率を決定する方法であって、
    (a)個体から生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから生体サンプルを溶出すること、
    (b)ヘモグロビンを生体サンプルから抽出すること、
    (c)HbA1cの濃度及び総ヘモグロビン(THb)の濃度を測定すること、
    (d)THb中のHbA1cの分率を計算すること
    を含む方法。
  2. 生体サンプルが、糖尿病を有するか又は糖尿病を有することが疑われる個体から得られる、請求項1に記載の方法。
  3. 生体サンプルが乾燥流体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 生体サンプルが、乾燥血清、乾燥毛細管血、又は乾燥全血である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 生体サンプルが指穿刺によって患者から採取される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 生体サンプルが、水中で吸収性チップをインキュベートすることによって、マイクロサンプリングデバイスの吸収性チップから溶出される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 抽出が、生体サンプルを溶解緩衝液と接触させて、サンプル中の赤血球を溶解させることを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. サンプルを亜硝酸ナトリウムと接触させることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. サンプルをプロテアーゼ、アジ化ナトリウム、及びフルクトシルペプチドオキシダーゼのうちの1つ以上と接触させることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  10. THbの濃度が吸光度を測定することによって決定される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. HbA1cの濃度が間接的マーカーを測定することによって決定される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 間接的マーカーが過酸化水素である、請求項11に記載の方法。
  13. THb又はHbA1cが質量分析によって測定される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  14. THb及びHbA1cが質量分析によって測定される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  15. マイクロサンプリングデバイスがMITRA(登録商標)チップである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. マイクロサンプリングデバイスのサンプル体積が、約10から約20μL以下である、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. グルコース、LDLp、クレアチニン、及び微量アルブミンのうちの1つ以上を検出することをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 個体が生体サンプルを自己採取する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 個体が、生体サンプルを自己採取するために使用したマイクロサンプリングデバイスを予め宛名書きされた封筒に入れて検査施設に輸送した、請求項18に記載の方法。
  20. 6.5%以上であるHbA1c/THbの分率が、糖尿病コントロールの欠如を示す、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. サンプル中の分析物を検出する方法であって、
    (a)個体から生体サンプルを採取するために使用されたマイクロサンプリングデバイスから生体サンプルを溶出すること、
    (b)2つ以上の分析物を生体サンプルから抽出すること、
    (c)2つ以上の分析物の濃度を測定すること
    を含み、2つ以上の分析物が、HbA1c、総ヘモグロビン、グルコース、低密度リポタンパク質粒子数(LDLp)、微量アルブミン、クレアチニン/推定糸球体濾過率(eGFR)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、C反応性タンパク(CRP)、ビタミンD、オメガ3、腎機能マーカー(例えば、クレアチニン、尿素、尿酸、電解質)、肝機能マーカー(例えば、肝トランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、アラニントランスアミナーゼ、ビリルビン、アルブミン、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)、及び甲状腺機能マーカー(例えば、TSH、T4、T3)からなる群から選択される方法。
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