JP2018194834A - トナーの製造方法 - Google Patents

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健太 上倉
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Maho Tanaka
真帆 田中
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Fumiya Hatakeyama
史也 畠山
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Abstract

【課題】表面に微粒子が固着されており、微粒子の表面が、ケイ素化合物の縮合物で被覆されているトナーの製造方法。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、工程1:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、i)特定のケイ素化合物、ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子、iii)結着樹脂を含むトナー母粒子、並びに、工程2:混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、ケイ素化合物を縮合させる工程、を有し、工程1の混合液のpHにおける微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であるトナーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真及び静電印刷などの画像形成方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、コンピュータ及びマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望され、トナーのさらなる性能の向上が求められている。特に、現像性・転写性・耐熱性の向上を目的として、トナーの表面に微粒子を付着させたり、埋め込んだりする検討が数多く行われている。
特許文献1には、耐熱性の向上を目的として、トナー粒子の表面に樹脂微粒子を埋め込み、凸部を形成させたトナーが開示されている。
特許文献2には、トナー母粒子(トナーコア)の表面に有機微粒子を付着させ、さらに有機微粒子が付着されたトナーコアの表面をメラミン系樹脂や尿素系樹脂で被覆したトナーが開示されている。
また、特許文献3には、無機微粒子を有する最表層をシランカップリング剤の皮膜で被覆し、トナーの付着力を低減させたトナーが開示されている。
特開2012−194314号公報 特開2015−106023号公報 特開平8−292599号公報
特許文献1のトナーは、トナー粒子の表面に樹脂微粒子の凸部が形成されているため、耐熱性は良好であるが、転写性が低下する場合があった。これは、凸部が樹脂微粒子で形成されているため、トナーの付着力が低減されていないと考えられる。また、トナーの付着力を低減させることを期待してシリカ等と混合したとしても、樹脂微粒子による凸部の上にはシリカを付着させることが困難であり、トナーの付着力を十分に低減できていないと思われる。
特許文献2のトナーは、有機微粒子が付着されていないトナーに比べ、現像スリーブへのトナーの付着性は向上しているが、多数枚印刷後に画像濃度の低下が確認された。これは、添加した酸化チタン粒子やシリカ粒子が多数枚印刷時にメラミン系樹脂や尿素系樹脂の様な有機シェル層を有するトナー粒子に埋め込まれ、流動性向上効果が低下したことによるものと考えられる。
特許文献3のトナーは、初期の転写効率は向上していたものの、長期間トナーを使用した場合にトナー表面の無機微粒子が脱離し、転写性が低下する場合があった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、微粒子がトナー母粒子の表面に固着されており、多数枚印刷後であっても微粒子がトナー母粒子の表面から外れにくいトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、前記課題を下記構成で解決できることを見いだした。
すなわち、本発明によれば、
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
工程1:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
i)下記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子、
iii)該結着樹脂を含むトナー母粒子、
並びに、
工程2:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
を有し、
該工程1の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であるトナーの製造方法が提供される。
(式(1)中、
は、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。nは1〜4の整数を示す。)
また、本発明は結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
工程3:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
i)上記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子の水分散体、及び
iii)該結着樹脂を含有するトナー母粒子、又はトナー粒子前駆体、
並びに、
工程4:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
を有し、
該工程3の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であるトナーの製造方法が提供される。
本発明によれば、微粒子がトナー母粒子の表面に固着されており、多数枚印刷後であっても微粒子がトナー母粒子の表面から外れにくいトナーの製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法で製造したトナー粒子の表面の顕微鏡写真(図面代用写真)。 ゾル−ゲル反応における加水分解反応速度と重縮合反応速度のpH依存性を示す概略図。 断面画像から微粒子の埋め込み率を算出するための手順を説明するための図。 単独で存在している微粒子が50%未満の例を示すトナー粒子の表面の顕微鏡写真。 微粒子が10個以上凝集している例を示すトナー粒子の表面の顕微鏡写真。 帯電量の測定装置の概略図。
本発明は、
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
工程1:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
i)下記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子、
iii)該結着樹脂を含むトナー母粒子、
並びに、
工程2:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
を有し、
該工程1の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であるトナーの製造方法である。
(式(1)中、
は、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基、アクリロキシアルキル基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。nは1から4の整数を示す。)
また本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
工程3:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
i)前記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子の水分散体、及び
iii)該結着樹脂を含有するトナー母粒子、又はトナー粒子前駆体、
並びに、
工程4:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
を有し、
該工程3の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であるトナーの製造方法である。
以下に、本発明の概要について説明する。まず、工程1〜工程2の説明を行う。
工程1:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する。
i)前記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子、
iii)結着樹脂を含むトナー母粒子
i)におけるケイ素化合物は、微粒子の表面を被覆するという機能及びトナー母粒子に微粒子を埋め込ませるという機能の2つの機能を担う材料である。
ここで、微粒子がトナー母粒子に埋め込まれた状態で存在する態様としては、以下のようなものを示す。
具体的には、微粒子のトナー母粒子から飛び出た部分(凸部)の最高地点と、埋め込まれた微粒子のトナー母粒子中の最深部の最低地点との距離を微粒子径Rとし、
埋め込まれた微粒子のトナー母粒子中の最深部の最低地点とトナー母粒子表面との距離を微粒子埋込長rとしたときに、r/R×100で表される、トナー母粒子に対する微粒子の埋め込み率が20%以上であることを意味する。トナー母粒子に対する微粒子の埋め込み率が20%未満である場合は、微粒子がトナー母粒子に付着されている状態を意味する。また、微粒子とトナー母粒子とがしっかりと接着されているか否かは、後述する「微粒子外れ率」が20%未満の場合にしっかりと接着されていると判断する。
従来から行われている機械的衝撃力で微粒子を埋め込む手法によって、微粒子をトナー母粒子の表面に埋め込むことはできたとしても、微粒子とトナー母粒子とがしっかりと接着されている状態とすることは困難である。
ii)における個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子は、トナー粒子の表面に凸部を形成させる材料である。
iii)におけるトナー母粒子は、結着樹脂を含むものであればどのようなものでも構わない。i),ii),iii)の材料の具体例は、後述する。
前記材料の混合液の調製は、どのような混合手段を用いてもかまわない。
工程1において、前記混合液を得た後に混合液のpHを調整する工程を行ってもよい。また、混合液中の微粒子を分散する工程を行ってもよい。微粒子を均一に分散させることにより、微粒子をより均一に分散した状態でトナー母粒子の表面に固着させることができるため、好ましい。微粒子の分散には、例えば、高圧式ホモジナイザー、回転せん断型ホモジナイザー、超音波分散機、高圧衝撃式分散機等を用いることができる。
また、工程1の混合液のpHにおける前記微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であることが必要である。DLVO理論(参考『ゼータ電位』北原文雄他 (株)サイエンティスト社)によると、水系媒体中では電気的な反発により、微粒子の分散が安定化されることが知られている。この電気的な反発によって微粒子の分散状態を安定化させるために、微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であることが必要である。
さらに、微粒子のゼータ電位は水系媒体のpHにより変化する。このため、工程1の該混合液のpHにおけるゼータ電位の絶対値を10.0mV以上にすることにより、微粒子の分散性が十分に安定する。「工程1の該混合液のpH」とは、好ましくは混合液を調製した後にpHを調整した後のpHであり、より好ましくは後述する混合液のpHをpH(A)に保持する工程でのpHである。該ゼータ電位の絶対値は好ましくは15mV以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは100mV以下、より好ましくは80mV以下である。該ゼータ電位は、微粒子の表面官能基の種類や量のコントロールにより制御できる。
工程2:得られた混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、前記ケイ素化合物を縮合させる工程
工程2において、前記ケイ素化合物を縮合させることで、以下の2つのことが同時に達成できる。
微粒子の表面を被覆するケイ素化合物縮合体を高分子量化させることによって、トナー母粒子の表面へ微粒子を固着させること、そして、
混合液中に残存するシラノール基の量(以下、「残シラノール量」とも記載する。)を減らすことによって、高帯電量化を達成すること。
これらのメカニズムについて、発明者らは以下のように考えている。
前記ケイ素化合物のRは水系媒体中で加水分解しシラノール基となり、その後、シラノール基同士が縮合する。
図2に示すように、ケイ素化合物(シランカップリング剤)の加水分解、および縮合反応はpH依存性があることが知られている。
pH7.0以上12.0以下の範囲においてケイ素化合物(シランカップリング剤)の縮合反応は効果的に進む。
混合液のpHを7.0以上12.0以下として有機ケイ素化合物を縮合させると、有機ケイ素化合物の縮合物は水系媒体への安定性が低下した状態で、微粒子の表面に付着する。
微粒子の表面に付着した有機ケイ素化合物の縮合物は、さらに縮合反応が進む。縮合反応が進むにつれ、有機ケイ素化合物の縮合物は、Si元素の影響でより疎水化される。
すなわち、微粒子の表面は、疎水化された有機ケイ素化合物の縮合物で被覆されることになる。
疎水化された有機ケイ素化合物も縮合物で被覆された微粒子は、水系媒体中で安定的に存在することが困難になり、その表面を水系媒体中からなくそうと、トナー母粒子に埋めこまれていく。また、この時、有機ケイ素化合物の縮合物が微粒子とトナー母粒子の界面の接着剤として働くため、微粒子とトナー母粒子が強固に固着する。
また、ゼータ電位の絶対値が10.0mV以上である微粒子は、吸湿性が高いため、そのままではトナーに用いることは困難であった。しかし、有機ケイ素化合物を用いて上記工程を経ることで、微粒子の表面が、疎水化したケイ素化合物の縮合体で被覆されるため、トナーに好適に用いられる。
前記の製造方法を用いることで、無機材料であるケイ素化合物の縮合体によって微粒子を被覆するという微粒子の表面処理と、微粒子をトナー母粒子へ固着させるという処理を同時に達成することができる。
従来から行われている下記(A)及び(B)の手法では、トナー母粒子と微粒子の界面に有機ケイ素化合物の縮合物が侵入することができないため、微粒子のトナー母粒子に対する固着率を上げることは困難であった。
(A)トナー母粒子の表面に疎水化処理された微粒子(例えば、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ微粒子)を機械的衝撃力により埋め込む手法。
(B)該疎水化処理された微粒子を機械的衝撃力により埋め込んだ後に、有機ケイ素化合物の縮合体によりトナー母粒子表面を被覆する手法。
次に、工程3〜工程4の説明を行う。
工程3:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
i)下記式(1)で表されるケイ素化合物、
ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子の水分散体、及び
iii)結着樹脂を含有するトナー母粒子、又はトナー母粒子前駆体
工程3は、ii)として微粒子の水分散体を用いる以外は、前記工程1と同様の工程である。
微粒子の水分散体は、既に分散されている微粒子の水分散体を入手し用いてもよい。また、微粒子を水に分散させて得てもよい。微粒子を均一に分散させることにより、微粒子をトナー母粒子の表面に均一に分散した状態で固着させることができる。
微粒子の分散は、例えば、高圧式ホモジナイザー、回転せん断型ホモジナイザー、超音波分散機、高圧衝撃式分散機等を用いて行うことができる。
工程3の混合液のpHにおける微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であることが、前記工程1と同様に微粒子の分散安定性のために必要である。
トナー母粒子前駆体は、結着樹脂を形成し得る重合性単量体を含むものが例示できる。トナー母粒子前駆体における重合性単量体の重合は、工程3において混合液を調製し、好ましくはpHを後述のpH(A)にした後に行ってもよいし、工程4の有機ケイ素化合物の縮合と同時に行ってもよい。
工程4:得られた混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、前記ケイ素化合物を縮合させる工程
本工程4は前記工程2と同様である。
以上、説明した通り、工程1〜2又は、工程3〜4を有するトナーの製造方法を用いることで、表面に微粒子が固着され、前記微粒子の表面が前記ケイ素化合物の縮合物で被覆されているトナーを製造することができる。
次にトナーに用いることのできる材料について説明する。
(1) 下記式(1)で表されるケイ素化合物
(式(1)中、
は、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。nは1〜4の整数を示す。)
該式(1)において、アルキル基の炭素数は、1以上12以下であることが好ましく、1以上6以下であることがより好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2以上6以下であることが好ましく、2以上4以下であることがより好ましい。
アシル基の炭素数は、2以上6以下であることが好ましく、2以上4以下であることがより好ましい。
アリール基の炭素数は、6以上14以下であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1以上6以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましい。
アルコキシ基の炭素数は、1以上10以下であることが好ましく、1以上6以下であることがより好ましい。
式(1)で表されるケイ素化合物は、微粒子の表面の被覆と、微粒子とトナー母粒子との固着という2つの機能を有している。
トナーには、多数枚印刷時でも変わらない印刷品位を達成するために、トナーの表面が劣化しにくく、微粒子の脱離が抑制されていることが求められる。この微粒子の脱離の抑制を達成するためには、トナーに存在する微粒子の表面が硬いことが好ましい。有機樹脂では、この硬さを達成しにくい。そこで、無機化合物であり、シロキサン結合(−Si−O−Si−)を主骨格とした縮合物を生成する前記式(1)で表されるケイ素化合物が、この硬さの達成に適していることが見出された。
式(1)で表されるケイ素化合物としては、例えば以下のような一官能、二官能、三官能、四官能の各種シラン化合物が挙げられる。
一官能のシラン化合物:トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリ2−エチルヘキシルメトキシシランなど。
二官能のシラン化合物:ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなど。
三官能のメチルシラン:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン。
三官能のシラン化合物:エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなど。
三官能のフェニルシラン:フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなど。
三官能のビニルシラン:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど。
三官能のアリルシラン:アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジエトキシメトキシシラン、アリルエトキシジメトキシシランなど。
三官能のγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルエトキシジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの三官能のγ−アクリロキシアルキルシランなど。
三官能のγ−メタクリロキシプロピルシラン:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルエトキシジメトキシシランなど。
四官能のシラン化合物:テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなど。
中でも、二官能・三官能・四官能のシラン化合物は、縮重合時に架橋構造を形成するため、トナーの強度が高まるため好ましい。特に、三官能・四官能のシラン化合物は三次元架橋した強固な膜を形成できるためより好ましい。
該ケイ素化合物は、任意の方法で水系媒体に添加するとよい。ケイ素化合物をそのまま添加する方法もあるが、ケイ素化合物と水系媒体とを混合し、予め加水分解させた後に添加する方法が好ましい。
加水分解しうる有機ケイ素化合物は、加水分解した後に縮合反応がおこる。この2つの反応の最適pHは異なるため、事前に有機ケイ素化合物と水系媒体とを混合し、加水分解反応が速いpHで加水分解させた後に、縮合反応に最適なpHで縮合反応を実施させると反応時間が短縮できるためより好ましい。
混合液中のケイ素化合物の量は、ケイ素化合物の縮合体の形成しやすさと、微粒子の表面被覆性の観点から、トナー母粒子又はトナー粒子前駆体100質量部に対し、0.1質量部以上20.0質量部以下が好ましい。より好ましくは、0.3質量部以上15.0質量部以下である。
(2)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子
凸部を形成し、かつ、トナー母粒子と微粒子の固着強度を高めることができるため、個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子を用いる。微粒子の個数平均粒径は、30nm以上300nm以下が好ましく、50nm以上200nm以下がより好ましい。
個数平均粒径を前記の範囲にすることで、トナー粒子の表面に微小な凸部が形成され、トナーの付着力が低減されるため、トナーの転写性及び流動性を向上させることができる。
微粒子は、特に限定されないが、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子、ハイドロタルサイト微粒子等の無機微粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子、ウレタン樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子、ポリスチレン樹脂微粒子等のポリマー系樹脂微粒子が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子であることが好ましい。無機微粒子は、微粒子自身の硬さが高いため、多数枚印刷後であっても微粒子形状が変化しにくい。また、前記ケイ素化合物との反応性が高いため、トナー粒子の表面に強固なケイ素化合物の縮合物層を形成することができ、微粒子がトナー母粒子の表面から外れにくくなり好ましい。
特に、シリカ微粒子はケイ素化合物の縮合物と強固に反応するため、より好ましい。シリカ微粒子の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
シラン化合物を燃焼させてシリカ粒子を得る燃焼法(すなわち、ヒュームドシリカの製造方法);金属ケイ素粉を爆発的に燃焼させてシリカ粒子を得る爆燃法ケイ酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によってシリカ粒子を得る湿式法(このうち、アルカリ条件で合成したものを沈降法、酸性条件で合成したものをゲル法という。);ヒドロカルビルオキシシランなどのアルコキシシランの加水分解によってシリカ粒子を得るゾルゲル法(いわゆる、Stoeber法)。
微粒子の含有量としては、トナー母粒子又はトナー粒子前駆体100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが、微粒子のトナー母粒子又はトナー粒子前駆体からの外れを抑制できるため好ましい。より好ましくは0.3質量部以上7.0質量部以下である。
(3)前記結着樹脂を含むトナー母粒子、又はトナー粒子前駆体
「トナー粒子前駆体」は、上述の通りである。トナー母粒子の構成材料等については、後述するトナー母粒子の製造方法において説明する。
(4)ケイ素化合物を縮合させる工程(工程2又は工程4)
前述した通り、ケイ素化合物の縮合工程(工程2又は工程4)の混合液のpH(B)を7.0以上12.0以下にし、前記ケイ素化合物を縮合させる。
このようにすることで、微粒子の表面がケイ素化合物の縮合物によって被覆され、かつトナー母粒子の表面へ微粒子が固着される。ケイ素化合物の縮合速度が速いため、より好ましくはpH8.0以上12.0以下である。
なお、微粒子のトナー母粒子への固着強度をより高めるためには、i)低縮合のケイ素化合物、ii)微粒子、及びiii)トナー母粒子(又はトナー粒子前駆体)の接触を効率的に進めることが好ましい。このため、工程1(又は工程3)において、混合液を調製した後であって、工程2又は工程4においてケイ素化合物の縮合度を高める前に、ケイ素化合物を効率的に加水分解させて低縮合のケイ素化合物を十分に得るために、pH3.0以上8.0以下において撹拌することが好ましい。このようにすることで、微粒子、トナー母粒子(又はトナー粒子前駆体)、及び低縮合のケイ素化合物の接触が促進される。(pH(A)に保持して撹拌する工程)
前記i)〜iii)の接触を十分に促進させた後に、混合液のpH値をケイ素化合物の縮合速度が速い、8.0以上12.0以下にすることで、ケイ素化合物の縮合度が上がり、微粒子をより強固に固着できるだけでなく、残シラノール量を減らすことができる。このため、強固な固着とともに、高帯電量も達成することができる。
以上のことから、工程1(又は工程3)において、混合液を調製した後、混合液のpHをpH(A)に保持する工程を有することが好ましい。また、工程2(又は工程4)において混合液のpHをpH(B)としたとき、下記式(1)〜(3)を満たすことが好ましい。これにより微粒子がトナー母粒子の表面に強固に固着したトナーを得ることができる。
式(1) 3.0≦pH(A)≦8.0
式(2) 8.0≦pH(B)≦12.0
式(3) pH(B)−pH(A)≧1.0
また、pH(A)は4.0以上7.0以下であることがより好ましく、pH(B)は9.0以上11.0以下であることがより好ましい。
pH(B)−pH(A)は2.0以上であることがより好ましい。pH(B)−pH(A)の上限は特に制限されないが好ましくは7.0以下である。
水系媒体又は混合液のpHは、既存の酸又はアルカリでコントロールすればよい。pH調整用の酸としては、以下のものが挙げられる。
塩酸、臭酸、ヨウ素酸、過臭素酸、過臭素酸、メタ過ヨウ素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、硫酸、硝酸、ホスホン酸、リン酸、二リン酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、トリポリリン酸、アスパラギン酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、イソニコチン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、2−グリセリンリン酸、グルタミン酸、シアノ酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、o−ニトロ安息香酸、ニトロ酢酸、ピクリン酸、ピコリン酸、ピルビン酸、フマル酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、o−ブロモ安息香酸、マレイン酸、マロン酸。
pH調整用の塩基としては、以下のものが挙げられる。
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物及びそれらの水溶液;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属の炭酸塩及びそれらの水溶液;硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム等のアルカリ金属の硫酸塩及びそれらの水溶液;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウム等のアルカリ金属のリン酸塩及びそれらの水溶液;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物及びそれらの水溶液;アンモニア;ヒスチジン、アルギニン、リシン等の塩基性アミノ酸及びそれらの水溶液、トリスヒドロキシメチルアミノメタン。
これらの酸及び塩基は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、工程2又は工程4が行われる間の温度は、特に制限されないが、Tg℃以上105℃以下であることが好ましい。Tgは、トナー母粒子のガラス転移温度を示す。また、(Tg+10)℃以上105℃以下であることがより好ましく、(Tg+15)℃以上100℃以下であることがさらに好ましい。
Tg℃以上であると微粒子の固着を促進しつつ、ケイ素化合物の縮合速度を高められるためである。また、水系媒体での反応なので、105℃以下であると温度のコントロールがしやすいため好ましい。より好ましくは100℃以下である。
また、工程2又は工程4は、微粒子がトナー母粒子へ十分に埋め込まれるために必要な任意の時間で行うことが可能である。
(5)トナー母粒子の製造方法
トナー母粒子の製造方法としては、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法などを用いることができる。水系媒体中でトナー母粒子を製造した場合はそのまま水分散液として用いてもよく、洗浄や濾過、乾燥を行った後、水系媒体中に再分散させてもよい。乾式でトナー母粒子を製造した場合は公知の方法によって水系媒体に分散させることができる。トナー母粒子を水系媒体中に分散させるために、水系媒体が分散安定剤を含有することが好ましい。
例として、懸濁重合法でトナー母粒子を得る方法を以下に述べる。
まず、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、および必要に応じて各種材料を混合し、分散機を用いて、溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する。上記各種材料として、着色剤、離型剤、荷電制御剤、結晶性樹脂、可塑剤、重合開始剤、連鎖移動剤、さらに他の添加剤を適宜加えることが可能である。分散機としては、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、又は超音波分散機が挙げられる。
次いで、重合性単量体組成物を、難水溶性無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機又は超音波分散機などの高速分散機を用いて、重合性単量体組成物の液滴を調製する(造粒工程)。その後、液滴中の重合性単量体を重合してトナー母粒子を得る(重合工程)。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に混合してもよく、水系媒体中に液滴を形成させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、液滴の造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。重合性単量体を重合して樹脂粒子を得たあと、必要に応じて脱溶剤処理を行い、トナー母粒子の分散液を得るとよい。その後、必要に応じて洗浄や乾燥を行ってもよい。このようにして得られたトナー母粒子を工程1又は3に用いることができる。
次に、トナーの構成材料について説明する。
(着色剤)
着色剤として、以下に挙げるブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが用いられる。
ブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アンスラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、以下のものが挙げられる。モノアゾ化合物;縮合アゾ化合物;ジケトピロロピロール化合物;アントラキノン化合物;キナクリドン化合物;塩基染料レーキ化合物;ナフトール化合物:ベンズイミダゾロン化合物;チオインジゴ化合物;ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19等。
シアン顔料としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物;塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が挙げられる。
また、顔料とともに、着色剤として従来知られている種々の染料を併用してもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビニル系樹脂を用いることが好ましい。なお、ビニル系樹脂としては、以下の重合性単量体を用いることが可能である。スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリルなどのニトリル系ビニル単量体;塩化ビニルなどの含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレンなどのニトロ系ビニル単量体の単量体の重合体又はそれらの共重合体。中でも、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を用いることが好ましい。
(ワックス)
ワックスとしては例えば、以下のものが挙げられる。ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルなどの1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、1価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネートなどの2価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、2価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;グリセリントリベヘネートなどの3価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、3価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどの4価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、4価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの6価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、6価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;ポリグリセリンベヘネートなどの多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸のエステル、又は、多価カルボン酸と脂肪族モノアルコールのエステル;カルナバワックス、ライスワックスなどの天然エステルワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;酸アミドワックス。ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
トナーは、前記方法で製造したトナーをそのまま用いてもよいし、必要に応じて、さらに各種有機又は無機微粒子を外添してもよい。有機又は無機微粒子としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
有機又は無機微粒子は、表面を疎水化処理して用いてもよい。有機又は無機微粒子の疎水化処理の処理剤としては、未変性又は変性のシリコーンワニス、未変性又は変性のシリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で又は併用して用いられてもよい。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<トナー母粒子の重量平均粒径>
トナー母粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(商品名、ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー母粒子10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー母粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<微粒子のゼータ電位、個数平均粒径の測定>
微粒子のゼータ電位及び個数平均粒径の測定は、粒子径分析装置、ゼータ電位分析装置等を組み合わせたシステム(商品名:ゼータサイザーNano−ZS、MALVERN社製)を用いて測定する。
試料の調製は、微粒子を0.5質量%となるように水で希釈する。
次に、工程1又は工程3の混合液のpHと等しくなるように、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液又は0.1mol/Lの塩酸水溶液で試料のpHを調整する。
なお、トナー粒子20〜29については、工程1又は工程3において各混合液を調製した後にpH調整(pH(A)への調整)をしないが、表3の工程1のpH(A)の値におけるゼータ電位を測定した。
pHを調整した試料をディスポーザブルキャピラリーセル(DTS1060、MALVERN社製)に充填し、セルを装置のセルホルダに装入、サンプルの温度を25℃に調整した後に、測定した。
測定条件は、下記のとおりである。
F(ka)selection Model:Smoluchowski
Dispersant:Water
Temperature:25℃
Result Calculation:General Purpose
測定終了後、表示される測定結果のレポート画面において、「Zeta Potential」の値をゼータ電位の平均値(ζt)とした。
<トナーの観察>
トナーの観察は、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて行った。S−4800の観察条件は以下の通りである。
S−4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[2.0kV]、エミッション電流を[10μA]に設定する。
同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、視野内全体にある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。
次に対象のトナーについて、最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を30000(30k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、前記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。
最後に、ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影した。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中及び比較例中の各材料の「部」及び「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<有機ケイ素化合物液1〜9の調製>
イオン交換水 90.0部
メチルトリメトキシシラン 10.0部
前記材料を200mLのビーカーに秤量し、1モル/Lの塩酸でpHを4.0に調整した。その後、ウォーターバスで60℃に加熱しながら1時間撹拌し、有機ケイ素化合物液1を作製した。また、有機ケイ素化合物の種類、量を下記表1のように変更した以外は有機ケイ素化合物液1と同様にして、ケイ素化合物液2〜9を作製した。
<トナー母粒子分散液1の製造例>
(水系媒体1の製造例)
反応容器に、イオン交換水390.0部、リン酸ナトリウム(12水和物)(ラサ工業(株)製)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物1の製造例)
スチレン: 60.0部
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
前記材料をアトライタ(日本コークス工業(株)製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料が分散された分散液1を調製した。
前記分散液1に下記材料を加えた。
スチレン 20.0部
n−ブチルアクリレート 20.0部
ポリエステル樹脂(Tg75℃) 5.0部
(ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テレフタル酸、無水トリメリット酸の縮合物)
フィッシャートロプシュワックス(融点78℃) 7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物1を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物1を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機に変更し、150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行い、トナー母粒子分散液1を得た。トナー母粒子の重量平均粒径(D4)は、6.7μm、Tgは56℃であった。また、トナー母粒子分散液1は、イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子濃度が20.0%になるように調整した。
<トナー粒子1の製造例>
(工程1)
反応容器内に下記材料を秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合し、混合液1を得た。
有機ケイ素化合物液1 59.0部
微粒子(水ガラス法で作製したシリカ微粒子(個数平均粒径30nm)、pH 5.5の時のゼータ電位 −39.5mV) 0.5部
トナー母粒子分散液1 500.0部
次に、混合液1のpHを5.5(pH(A))に調整した。その後、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(型式:VS−150、(株)ヴェルヴォクリーア製)を用い5分間分散処理を行い、混合液1中の微粒子を分散した。混合液1の温度を、70℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。
(工程2)
その後、混合液1を1モル/L NaOH水溶液を用いてpHを8.3に調整し(pH(B))、撹拌しながら4時間保持し、ケイ素化合物を縮合させた。その後、1モル/Lの塩酸を用いてpHを1.5に調整して1時間撹拌した。その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、微粒子が表面に存在するトナー粒子1を得た。
<トナー粒子2の製造方法>
トナー粒子1の製造方法のうち、下記の様に変更した以外は、トナー粒子1の製造方法と同様にしてトナー粒子2を製造した。
(工程1)
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液2に変更し、微粒子の部数を、0.5部から1.0部へ変更して混合液2を得た。高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック(株)製)を用いて回転数15,000rpmで5分間分散処理を行い、混合液2中の微粒子を分散した。また、工程1及び2の条件を表3に示すように変更した。
<トナー粒子3〜29の製造方法>
トナー粒子1の製造方法のうち、工程1のケイ素化合物液の種類・量、微粒子の種類・量、混合液の温度、pH、時間を表2、3に示すように変更し、工程2の温度、pH、時間を表3に示すように変更した。それ以外はトナー粒子1の製造方法と同様にしてトナー粒子3〜19を得た。
トナー粒子1の製造方法のうち、工程1のケイ素化合物の種類・量、微粒子の種類・量を表2、3に示すように変更した。なお、工程1の混合液の温度・pHは、工程2のpH・温度と同じにして、トナー粒子20〜29を得た。
前記の様にして得られたトナー粒子1〜30について下記の評価を行った。
<トナー母粒子に対する微粒子の埋め込み率の算出方法>
トナー母粒子に対する微粒子の埋め込み率は、透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名:JEM2800、日本電子社製)を用いたトナー母粒子の断面観察から算出する。可視光硬化性包埋樹脂(商品名:D−800、東亜合成社製)中にトナーを十分分散させた後、光照射器(商品名:LUXSPOT II,日本電子社製)を用いて可視光を照射し、可視光硬化性包埋樹脂を硬化させて硬化物を得る。得られた硬化物からダイヤモンド刃を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出す。このサンプルを上記透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧20kVで10万倍の倍率に拡大し、トナーの断面を観察する。得られた画像から下記の手順で算出する。下記の微粒子直径R及び微粒子埋込長rと、下記の式とに基づいて微粒子の埋め込み率を算出する(図3)。
この時、トナー母粒子表面Sは直線とみなす。10万倍に拡大したトナー粒子の表面は、多少凸凹した線ではあるものの、ほぼ直線に観察されるため、トナー母粒子表面を直線とみなしている。
埋め込み率[%]=(r/R)×100
微粒子直径R:下記の線Ln1と線Ln2との間の距離。
微粒子埋込長r:トナー母粒子301の表面Sと直線Ln2との距離。
線Ln1:トナー母粒子301に埋め込まれている微粒子302の最高地点Hを通り、かつトナー母粒子301の表面Sに対して平行な線。
最高地点H:トナー母粒子301に埋め込まれた微粒子302の、トナー母粒子301に埋め込まれていない部分の中で、トナー母粒子301の表面Sから最も離れた点。
線Ln2:トナー母粒子301に埋め込まれている微粒子302の最低地点Lを通り、かつトナー母粒子301の表面Sに対して平行な線。
最低地点L:トナー母粒子301に埋め込まれた微粒子302の、トナー母粒子301に埋め込まれた部分の中で、トナー母粒子301の表面Sから最も離れた点。
微粒子100個を観察して各微粒子の埋め込み率を算出し、その相加平均値をそのトナーにおける微粒子の埋め込み率とした。
A:微粒子の埋め込み率 50%以上
B:微粒子の埋め込み率 20%以上50%未満
C:微粒子の埋め込み率 20%未満
<微粒子の分散性>
トナー粒子をSEM(走査電子顕微鏡)で観察し、微粒子の分散性を評価した。分散性の評価にあたっては、トナー粒子1個につき、微粒子を50個観察した。それをトナー粒子10個分行った。つまり、500個の微粒子を観察した。
ある微粒子に着目した場合に、その着目した微粒子と、その着目した微粒子の最も近くに存在する他の微粒子との距離が5nm以上離れている場合に、その着目した微粒子は「単独で存在している微粒子」であると判断した。
また、10個以上の微粒子の各々が、他の2個個以上の微粒子と接触し、一体となっている場合に、「10個以上の微粒子が凝集している」と判断した。
そして、下記の式によって算出された「単独で存在している微粒子の割合」と、「10個以上の微粒子が凝集している」か否かに基づいて微粒子の分散性を評価した。
単独で存在している微粒子の割合(%)=((単独で存在している微粒子の数)/500)×100
「単独で存在している微粒子の割合」、「10個以上の微粒子が凝集しているか/否か」に基づいて以下に示すようにランク付けした。
A:単独で存在している微粒子の割合が80%以上。(例、図1)
B:単独で存在している微粒子の割合が50%以上80%未満。
C:単独で存在している微粒子の割合が50%未満であるが、10個以上の微粒子が凝集してはいない。(例、図4)
D:単独で存在している微粒子の割合が50%未満であって、10個以上の微粒子が凝集している。(例、図5)
なお、図1、図4及び図5は、SEMを用いて得られたトナー粒子の表面画像の例である(倍率:5万倍)。
<微粒子の外れ率>
ジルコニアビーズ(直径:0.05mm)20.0gと評価トナー1.0gとを50mLの蓋付きバイアル瓶に入れ、振とう器(Model-YS, 株式会社ヤヨイ)を用いて、200rpmで1時間、撹拌した。撹拌前後のトナーをSEMで観察し(倍率:5万倍)、トナー粒子1個につき、1ヶ所、300μm四方の領域内の微粒子の数を計測した。トナー粒子10個について観察し、下記の式によって各トナー粒子からの微粒子の外れ率を算出し、その相加平均値をそのトナーにおける微粒子の外れ率とした。
微粒子の外れ率=(Nbefore−Nafter)/Nbefore
Nbefore:撹拌前に観察された微粒子の数
Nafter:撹拌後に観察された微粒子の数
算出された微粒子の外れ率に基づいて以下に示すようにランク付けした。
A:微粒子の外れ率 10%未満
B:微粒子の外れ率 10%以上20%未満
C:微粒子の外れ率 20%以上50%未満
D:微粒子の外れ率 50%以上
前記の評価結果を、表4に示す。
<帯電量>
磁性キャリアF813−300(パウダーテック(株)製)19.0gと評価トナー1.0gとを50mLの蓋付きプラスチックボトルに投入した。そして、振とう器(型式:YS−LD:(株)ヤヨイ製)を用いて、1秒間に4往復のスピードで1分間振とうを行い、二成分現像剤を準備した。
図6に示すように、底に500メッシュ(目開き25μm)のスクリーン3を有する金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする二成分現像剤を0.200g入れ金属製のフタ4をした。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体である吸引機1において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を50mmAq(1mmAq=9.80665Pa)とした。この状態で1分間吸引を行って、トナーを吸引除去した。
このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。コンデンサー8の容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量は下記式により計算される。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
算出された摩擦帯電量に基づいて以下に示すようにランク付けした。
A:摩擦帯電量が、−30mC/kg以下
B:摩擦帯電量が、−30mC/kgより大きく−20mC/kg以下
C:摩擦帯電量が、−20mC/kgより大きく−15mC/kg以下
D:摩擦帯電量が、−15mC/kgより大きい
前記の評価結果を、表5に示す。
<トナー粒子前駆体分散液1の製造方法>
(水系媒体1の製造工程)
反応容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(12水和物)(ラサ工業(株)製)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物の製造工程)
スチレン: 60.0部
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
前記材料をアトライタ(日本コークス工業(株)製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料が分散された分散液を調製した。
スチレン 20.0部
n−ブチルアクリレート 20.0部
ポリエステル樹脂(Tg75℃) 5.0部
(ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テレフタル酸、無水トリメリト酸の縮合物)
フィッシャートロプシュワックス(融点78℃) 7.0部
前記分散液に上記材料を加えて65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒し、トナー粒子前駆体分散液1を得た。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子前駆体濃度が20.0%になるように調整した。
<微粒子分散液1の製造方法>
微粒子(水ガラス法で作製したシリカ、個数平均粒子径200nm、pH5.5のときのゼータ電位:−37.6mV) 40.0部
イオン交換水 60.0部
上記材料を秤量・混合した後に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(型式:VS−150、(株)ヴェルヴォクリーア製)を用いて5分間分散処理を行い、微粒子分散液1を得た。
<微粒子分散液2〜8>
微粒子の種類を表6に示すように変更し、微粒子分散液2〜8を作製した。
<トナー粒子31の製造方法>
(工程3)
反応容器内に下記材料を秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
ケイ素化合物液5: 50.0部
微粒子分散液1: 10.0部
トナー粒子前駆体分散液1: 500.0部
次に、混合液1のpHを5.5に調整した。
(重合工程)
プロペラ撹拌羽根を用いて150rpmで攪拌しながら温度を70℃に保持して5.0時間重合を行い、その後に温度を85℃に昇温し保持して2.0時間加熱することで重合反応を行った。その後に混合液の温度を90℃に昇温し保持して、プロペラ撹拌羽根を用いて1時間混合した。
(工程4)
その後、1モル/L NaOH水溶液を用いてpHを9.2に調整し、撹拌しながら4時間保持した。
1モル/L 塩酸を用いてpHを1.5に調整して1時間撹拌し、その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、表面に微粒子が存在しているトナー粒子31を得た。
<トナー母粒子分散液2の製造方法>
(樹脂微粒子分散液)
下記材料を秤量し、混合・溶解させた。
スチレン 82.6部
アクリル酸n−ブチル 9.2部
アクリル酸 1.3部
ヘキサンジオールアクリレート 0.4部
n−ラウリルメルカプタン 3.2部
この溶液にアニオン界面活性剤(商品名:ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)の10%水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部をイオン交換水10.0部に溶解させた水溶液を添加した。窒素置換をした後、温度70℃で6.0時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂微粒子分散液を得た。
(ワックス分散液)
以下の材料を秤量し混合した。
エステルワックス(融点70℃) 100.0部
アニオン界面活性剤(商品名:ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製) 15.0部
イオン交換水 385.0部
湿式ジェットミル(商品名:ナノジェットパル JN100、(株)常光製)を用いて1時間分散してワックス分散液を得た。ワックス粒子分散液の濃度は20.0%であった。
(着色剤分散液)
以下の材料を秤量し混合した。
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 100.0部
アニオン界面活性剤(商品名:ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製) 15.0部
イオン交換水 885.0部
湿式ジェットミル(商品名:ナノジェットパル JN100、(株)常光製)を用いて1時間分散して着色剤分散液を得た。
樹脂粒子分散液 160.0部
ワックス分散液 10.0部
着色剤分散液 10.0部
硫酸マグネシウム 0.2部
前記の材料をホモジナイザー(商品名:ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1.0時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、個数平均粒径が6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。アニオン界面活性剤(商品名:ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して2.0時間撹拌して、融合した球形トナー母粒子を得た。冷却後、濾過し、濾別した固体を720.0部のイオン交換水で、1.0時間撹拌洗浄した。トナー母粒子を含む溶液を濾過し、真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー母粒子2を得た。トナー母粒子2の重量平均粒径(D4)は、7.1μm、Tgは58℃であった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー母粒子2を100.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子濃度が20.0%になるように調整し、トナー母粒子分散液2を得た。
<トナー母粒子分散液3の製造方法>
イオン交換水:660.0部
48.5%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液:25.0部
上記材料を混合し、T.K.ホモミクサーを用いて、10,000rpmにて撹拌して水系媒体を調製した。
下記の材料を酢酸エチル500.0部へ投入し、プロペラ式撹拌装置にて100rpmで溶解して溶解液を調製した。
スチレン/ブチルアクリレート共重合体(共重合質量比:80/20) 100.0部
飽和ポリエステル樹脂 3.0部(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体)
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
フィッシャートロプシュワックス(融点78℃) 9.0部
次に水系媒体150.0部を容器に入れ、T.K.ホモミクサーを用いて回転数12,000rpmで撹拌し、これに前記溶解液100.0部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを調製した。
その後、脱気用配管、撹拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリー100.0部を仕込み、撹拌周速20m/分間で撹拌しながら温度30℃にて12時間減圧下に置いて、脱溶剤し温度45℃で4時間熟成させて、脱溶剤スラリーとした。脱溶剤スラリーを減圧濾過した後、得られた濾過ケーキにイオン交換水300.0部を添加し、T.K.ホモミクサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。
得られた濾過ケーキを乾燥機にて温度45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー母粒子3を得た。トナー母粒子3の重量平均粒径(D4)は、6.9μm、Tgは55℃であった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー母粒子3を100.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子濃度が20.0%になるように調整し、トナー母粒子分散液3を得た。
<トナー母粒子分散液4の製造方法>
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
テレフタル酸 29.0部
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80.0部
チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート) 0.1部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら9時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸5.8部を加え、170℃に加熱し、3時間反応させポリエステル樹脂を合成した。
低密度ポリエチレン(融点 100℃)20.0部
スチレン 64.0部
n−ブチルアクリレート 13.5部
アクリロニトリル 2.5部
また、前記材料をオートクレーブに仕込み、系内をN置換後、攪拌しながら180℃に昇温し保持した。系内に、2.0%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50.0部を4.5時間連続的に滴下し、冷却後に溶媒を分離除去し、ポリエチレンに共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得た。
ポリエステル樹脂 100.0部
(ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テレフタル酸、無水トリメリット酸の縮合物)
パラフィンワックス(融点 75℃) 5.0部
グラフト重合体 5.0部
着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 5.0部
前記材料を三井ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度100℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)に溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。次に、得られた粗砕物を、ターボ工業(株)製のターボ・ミル(T−250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5μm程度の微粉砕物得た後に、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー母粒子4を得た。トナー母粒子4の重量平均粒径(D4)は、6.4μm、Tgは59℃であった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(12水和物)(ラサ工業(株)製)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー母粒子4を200.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子4の濃度が20.0%になるように調整し、トナー母粒子分散液4を得た。
<トナー粒子32の製造方法>
(工程3)
反応容器内に下記材料を秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
ケイ素化合物液2 50.0部
微粒子分散液1 10.0部
トナー母粒子分散液1 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を、80℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。
(工程4)
その後、1モル/L NaOH水溶液を用いてpHを9.2に調整し、撹拌しながら4時間保持した。1モル/L 塩酸を用いてpHを1.5に調整して1時間撹拌した。その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、表面に微粒子が存在しているトナー粒子32を得た。
<トナー粒子33〜45の製造方法>
工程3のトナー母粒子分散液の種類、ケイ素化合物液の種類・量、及び微粒子分散液の種類・量、工程3、4の温度を表7に示すように変更した以外はトナー粒子32の製造方法と同様にしてトナー粒子33〜45を得た。
<トナー粒子46の製造方法>
前記トナー母粒子1:100.0部と下記の微粒子4.0部とを、三井ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機(株)製)を用いて、3,000rpmで15分間混合し、微粒子を付着させた微粒子付着トナー母粒子を得た。
微粒子(水ガラス法で作製されたシリカ微粒子、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)によって表面を疎水化処理したもの、個数平均径200nm)
反応容器内に下記材料を秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて微粒子分散液46を得た。
イオン交換水 90.0部
メタノール 210.0部
微粒子付着トナー母粒子 104.0部
メチルトリメトキシシラン 5.0部
微粒子分散液46のpHを5.5に調整し、ウォーターバスを用いて50℃で3時間加熱した。このサンプルを吸引濾過後、減圧乾燥を行い、トナー粒子46を得た。
前記の様にして得られたトナー粒子31〜46について、<微粒子の埋め込み率>、<微粒子の分散性>、<微粒子の外れ率>の評価を行った。評価結果を表8に示す。
1 吸引機、2 測定容器、3 スクリーン、4 フタ、5 真空計、6 風量調節弁、7 吸引口、8 コンデンサー、9 電位計

Claims (14)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    工程1:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
    i)下記式(1)で表されるケイ素化合物、
    ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子、
    iii)該結着樹脂を含むトナー母粒子、
    並びに、
    工程2:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
    を有し、
    該工程1の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
    (式(1)中、
    は、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。nは1〜4の整数を示す。)
  2. 前記工程1において前記混合液を調製した後、前記混合液のpHをpH(A)に保持し、
    前記工程2における混合液のpHをpH(B)としたとき、pH(A)及びpH(B)が以下の式(1)〜(3)を満たす請求項1に記載のトナーの製造方法。
    式(1) 3.0≦pH(A)≦8.0
    式(2) 8.0≦pH(B)≦12.0
    式(3) pH(B)−pH(A)≧1.0
  3. 前記工程2の温度が、(Tg+10)℃以上105℃以下である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
    (Tgは、前記トナー母粒子又は前記トナー粒子のガラス転移温度を示す。)
  4. 前記微粒子が、無機微粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記微粒子の含有量が、トナー母粒子100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記微粒子の表面が、前記ケイ素化合物の縮合物で被覆されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  7. 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    工程3:水系媒体中に下記i)、ii)及びiii)を含む混合液を調製する工程、
    i)下記式(1)で表されるケイ素化合物、
    ii)個数平均粒径が3nm以上500nm以下である微粒子の水分散体、及び
    iii)結着樹脂を含むトナー母粒子、又はトナー母粒子前駆体、
    並びに、
    工程4:該混合液のpHを7.0以上12.0以下に調整し、該ケイ素化合物を縮合させる工程、
    を有し、
    該工程3の該混合液のpHにおける該微粒子のゼータ電位の絶対値が10.0mV以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
    (式(1)中、
    は、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基、アクリロキシアルキル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。nは1〜4の整数を示す。)
  8. 前記トナー母粒子前駆体が、前記結着樹脂を形成し得る重合性単量体を含む請求項7に記載のトナーの製造方法。
  9. 前記工程3において混合液を調製した後、前記混合液のpHをpH(A)に保持し、
    前記工程4における混合液のpHをpH(B)としたとき、pH(A)及びpH(B)が以下の式(1)〜(3)を満たす請求項7又は8に記載のトナーの製造方法。
    式(1) 3.0≦pH(A)≦8.0
    式(2) 8.0≦pH(B)≦12.0
    式(3) pH(B)−pH(A)≧1.0
  10. 前記工程4の温度が、(Tg+10)℃以上105℃以下である請求項7〜9のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
    (Tgは、前記トナー母粒子のガラス転移温度を示す。)
  11. 前記微粒子が、無機微粒子である請求項7〜10のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  12. 前記微粒子の含有量が、トナー母粒子又はトナー母粒子前駆体100質量部に対し、0.1質量部以上10.0質量部以下である請求項7〜11のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  13. 前記微粒子の表面が、前記ケイ素化合物の縮合物で被覆されている請求項7〜12のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  14. 前記式(1)において、Rは、それぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基又はメタクリロキシアルキル基を示すことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のトナー製造方法。

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