JP2018205385A - トナー - Google Patents
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Description
前記微粒子は、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する下記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であり、
前記微粒子は前記トナー粒子の表面に固着していることを特徴とするトナーに関する。
微粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する上記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子である。
コア粒子は、個数平均粒子径が3nm以上500nm以下であることが好ましい。より好ましくは30nm以上300nm以下、更に好ましくは50nm以上200nm以下である。個数平均粒子径が3nm以上のコア粒子を用いることによって、トナー粒子と感光ドラムや中間転写ベルトなどの部材間との距離を十分に遠ざけることができるため、部材がトナー粒子と直に接触し難くなる。これによってトナーと部材間の接触面積が小さくなり、転写性が良化する。また、コア粒子の個数平均粒子径が500nm以下の場合には、微粒子と部材間の接触面積が小さくなることで、転写性が良化する。
微粒子を固着させる前のトナー粒子の製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法等などが挙げられる。水系媒体中でトナー粒子を製造した場合はそのまま次の工程(微粒子を固着させる工程)に用いても良く、洗浄やろ過、乾燥を行った後、水系媒体中にトナー粒子を再分散させても良い。乾式でトナー粒子を製造した場合は公知の方法によって水系媒体に分散させることができる。トナー粒子を水系媒体中に分散させるために、水系媒体が分散安定剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、顔料を使用することができる。顔料としては、以下に挙げるイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、ブラック顔料などが用いられる。
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。本発明に用いられる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビニル系樹脂を用いることが好ましい。なお、ビニル系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどの不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸、マレイン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物、アクリロニトリルなどのニトリル系ビニル単量体、塩化ビニルなどの含ハロゲン系ビニル単量体、ニトロスチレンなどのニトロ系ビニル単量体の単量体の重合体またはそれらの共重合体を用いることが可能である。中でも、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を用いることが好ましい。
トナー粒子には、ワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスとしては、以下ものが挙げられる。
トナー粒子は、さらに荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、特段の制限なく従来公知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、負帯電制御剤として、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属錯体や、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体や、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩又は金属錯体や、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなどが挙げられる。また、正帯電制御剤として、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物や、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。なお、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体あるいは結着樹脂の項に示したビニル系単量体と上記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などを用いることができる。
本発明のトナーは、トナー粒子のままトナーとして用いてもよいし、必要に応じて、トナー粒子に各種有機又は無機微粉体を外添してもよい。有機又は無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
トナー粒子前駆体の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子前駆体10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー母粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いた。測定範囲30℃から200℃の間で、昇温速度10℃/minの設定で測定を行う。この昇温過程で、比熱変化が得られる。トナーのガラス転移温度(Tg)は、可逆比熱変化曲線の比熱変化が得られる前と得られた後の、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状変化部分の曲線が交わる点の温度とする。
ワックス融点は、トナーの中間点ガラス転移温度(Tg)測定と同様に、示差走査熱量分析装置「Q2000」を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー3mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させ、続いて降温速度10℃/minで30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のトナーのDSC測定におけるワックスの融点とする。
トナーのピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
コア粒子の個数平均粒子径の測定は、ゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用いて測定する。試料の調製は、コア粒子を0.5質量%となるように水で希釈する。次に、水で希釈した試料をディスポーザブルキャピラリーセル(DTS1060)に充填し、セルを装置のセルホルダに装入、測定した。
トナー粒子表面の観察は、以下のように行う。S−4800(日立製作所製)の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40Aであることを確認する。トナー粒子が固定された試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
まず、トナー粒子に対するケイ素化合物の縮合生成物の含有量を、蛍光X線分析装置を用いて求める。
Si(S)=Si(T)−Si(R)
続いて、以下のようにしてケイ素縮合生成物の微粉末を作製し、トナー粒子中のケイ素化合物の縮合生成物の含有量を算出する検量線を作成する。
H=G(S)/G(B)
・イオン交換水 90.0部
・エチルトリメトキシシラン(ケイ素化合物) 10.0部
前記材料を混合し、1モル/Lの塩酸でpHを4.0に調整した。その後、ウォーターバスで60℃に加熱しながら1時間撹拌し、ケイ素化合物液1を調製した。
ケイ素化合物の種類を下記表1のように変更した以外は、ケイ素化合物液1の調製を同様にして、ケイ素化合物液2〜9を調製した。
・コア粒子1(シリカ、個数平均粒子径100nm) 40.0部
・イオン交換水 60.0部
上記材料を混合した後に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの超音波洗浄器分散器(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い5分間分散処理を行い、コア粒子分散液1を調製した。
コア粒子の種類を下記表2のように変更した以外は、コア粒子分散液1の調製と同様にしてコア粒子分散液2〜10を調製した。
反応容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
・スチレン 60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業(株)製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。次いで、顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン 10.0部
・n−ブチルアクリレート 30.0部
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体) 5.0部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、水系媒体1中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変更し、150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子前駆体濃度が20.0質量%になるように調整し、トナー粒子前駆体分散液1を得た。トナー粒子前駆体1の重量平均粒径(D4)は、6.7μmであった。
フィッシャートロプシュワックスをパラフィンワックス(融点60℃)に変更した以外はトナー粒子前駆体分散液1と同様の方法でトナー粒子前駆体分散液2を得た。トナー粒子前駆体2の重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。
フィッシャートロプシュワックスをパラフィンワックス(融点65℃)に変更した以外はトナー粒子前駆体分散液1と同様の方法でトナー粒子前駆体分散液3を得た。トナー粒子前駆体3の重量平均粒径(D4)は、6.3μmであった。
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を混合した。
・テレフタル酸 29.0部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
80.0部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)
0.1部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら9時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸5.8部を加え、170℃に加熱し、3時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。
・低密度ポリエチレン(融点100℃)20.0部
・スチレン 64.0部
・n−ブチルアクリレート 13.5部
・アクリロニトリル 2.5部
続いて、系内に、2.0質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50.0部を4.5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンにスチレンアクリル共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得た。
・ポリエステル樹脂 100.0部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 5.0部
・グラフト重合体 5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。次に、得られた粗砕物を、ターボ工業社製のターボ・ミル(T−250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5μm程度の微粉砕物得た後に、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子前駆体4を得た。トナー粒子前駆体4の重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。
下記材料を秤量し、混合・溶解させた。
・スチレン 82.6部
・アクリル酸n−ブチル 9.2部
・アクリル酸 1.3部
・ヘキサンジオールアクリレート 0.4部
・n−ラウリルメルカプタン 3.2部
この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬(株)製)の10%水溶液を添加して、分散させた。
さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部をイオン交換水10.0部に溶解させた水溶液を添加した。窒素置換をした後、温度70℃で6.0時間乳化重合を行った。
以下の材料を秤量し混合した。
・エステルワックス(融点70℃) 100.0部
・ネオゲンRK 15.0部
・イオン交換水 385.0部
湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて1時間分散してワックス分散液を得た。ワックス粒子分散液の固形分濃度は20.0%であった。
以下の材料を秤量し混合した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 100.0部
・ネオゲンRK 15.0部
・イオン交換水 885.0部
湿式ジェットミル JN100を用いて1時間分散して着色剤分散液を得た。着色剤分散液の固形分濃度は10.0%であった。
・樹脂粒子分散液 160.0部
・ワックス分散液 10.0部
・着色剤分散液 10.0部
・硫酸マグネシウム 0.2部
ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1.0時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、個数平均粒径が6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して2.0時間撹拌して、融合したトナー粒子前駆体を得た。
イオン交換水 660.0部、48.5%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液 25.0部を混合撹拌し、T.K.ホモミクサーを用いて、10000rpmにて撹拌して水系媒体を調製した。
・スチレン/ブチルアクリレート共重合体(共重合比:80/20) 100.0部
・ポリエステル樹脂 3.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体)
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 9.0部
次に水系媒体150.0部を容器に入れ、T.K.ホモミクサーを用い、回転数12,000rpmで撹拌し、これに前記溶解液100.0部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを調製した。
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
・ケイ素化合物液1 50.0部
・コア粒子分散液1 5.0部
・トナー粒子前駆体分散液1 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。その後、1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷した。
得られた混合液に希塩酸を加えpH=1.5に調整してから2時間撹拌した後、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子1を得た。これをトナー1とした。
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更した以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2〜28、30、32〜34を得た。
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更してトナー粒子29を得た。トナー粒子29にコア粒子1であるシリカ粒子を1.0部加え、攪拌羽根の先端速度を40m/秒に設定した気流混合機(三井ヘンシェルミキサ、三井三池化工機株式会社製)で5分間攪拌して、トナー29を得た。
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更した以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー31を得た。
トナー粒子前駆体分散液1に希塩酸を加えpH=1.5に調整してから2時間撹拌した後、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、トナー粒子前駆体1の粉体を得た。次に、
・トナー粒子前駆体1 100.0部
・コア粒子1 2.0部
を加えて、攪拌羽根の先端速度を40m/秒に設定した気流混合機(三井ヘンシェルミキサ、三井三池化工機株式会社製)で5分間攪拌して、比較トナー1を得た。
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液6に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー2を得た。
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
・ケイ素化合物液6 160.0部
・コア粒子分散液6 17.5部
・トナー粒子前駆体分散液1 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を、90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。その後、1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷し、分散液中のトナー粒子前駆体濃度が20.0%になるように調整して比較トナー粒子前駆体分散液2とした。
・ケイ素化合物液4 50.0部
・比較トナー粒子前駆体分散液2 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷した。
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液7に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー4を得た。
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液8に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー5を得た。
下記の方法によって、トナー1〜34、比較トナー1〜5の評価を行った。
トナーをSEMで観察し、微粒子の直径Rと微粒子の高さhから各々の微粒子についての埋め込み率を算出する。(図2(a))
埋め込み率(%)=100×(1−h/R)
なお、微粒子の埋め込み率が50%を超え、微粒子の直径RがSEM画像から分からない場合には、微粒子の高さhと微粒子の弦Aから、微粒子の直径Rを算出した後に、埋め込み率を算出する。
1個のトナー粒子につき、微粒子を10個観察して埋め込み率を算出する。それを10個のトナー粒子に対して行う。平均値をトナーの埋め込み率とする。(微粒子としては100個の平均値である。)結果を表4に示す。
プロセススピードが240mm/secとなるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。カートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(温度23℃、湿度60%RH)、A4サイズの普通紙office70(キヤノンマーケティングジャパン製 70g/m2)を用いて、印字率1%チャートを16000枚画像出力した。その後、1000枚の画像出力するごとに、トナーの載り量0.45mg/cm2のベタ画像を1枚出力するとともに、現像ローラ上を目視で観察し、現像ローラの周平行なスジ(ローラスジ)発生の有無を確認した。また、同時にベタ画像上に周方向に対して平行なスジ(画像スジ)が発生するかを確認した。ローラスジおよび画像スジが発生する耐久枚数を指標として、耐久性を以下の基準で評価した。
A:16000枚まで画像スジ・ローラスジともに発生なし
B:16000枚まで画像スジは発生せず、16000枚までにローラスジが発生
C:16000枚まで画像スジは発生せず、10000枚までにローラスジが発生
D:16000枚までに画像スジが発生。
プロセススピードが240mm/secとなるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。印字率1%チャートを16000枚連続で出力した後、ベタ画像を出力し、感光体から中間転写体へトナーを転写するときに装置を停止し、転写工程前の感光体上のトナー載り量M1(mg/cm2)と転写工程後の感光体上のトナー載り量M2(mg/cm2)を測定した。測定されたトナー載り量を用いて、下式より転写効率を算出した。
転写効率(%)=(M1−M2)/M1×100
以下の評価基準により、転写性を評価した。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が85%以上90%未満
D:転写効率が85%未満。
19.0gの磁性キャリアF813−300(パウダーテック社製)と1.0gの上記製造例トナーを50mLの蓋付きプラスチックボトルに投入し、振とう器(YS−LD:(株)ヤヨイ製)で、1秒間に4往復のスピードで3分間振とうを行った。これを二成分現像剤とした。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
本発明では、低温低湿条件(温度15℃、湿度10%RH)での摩擦帯電量(CL)、高温高湿条件(温度30℃、湿度80%RH)での摩擦帯電量(CH)を測定し、下式より環境差における摩擦帯電量の差を求めた。
環境差における摩擦帯電量の差%=(CL−CH)/CL
以下の評価基準により、環境安定性を評価した。結果を表4に示す。
A:環境差における摩擦帯電量の差が20%未満
B:環境差における摩擦帯電量の差が20%以上35%未満
C:環境差における摩擦帯電量の差が35%以上50%未満
D:環境差における摩擦帯電量の差が50%以上
更に、下記の方法によって、トナー22〜24、比較トナー1の評価を行った。結果を表5に示す。
温度を変えられるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。紙にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm2)を出力し、定着温度を変えて定着し評価した。なお、定着温度は定着ローラ表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。紙はA4サイズの普通紙office70(キヤノンマーケティングジャパン製 70g/m2)を用いた。結果を表5に示す。
A:150℃でオフセット発生せず
B:150℃でオフセット発生
C:160℃でオフセット発生
D:170℃でオフセット発生
トナー5.0gをポリカップに取り、温度55℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べて評価した。結果を表5に示す。
A:ポリカップを傾けて回すだけで流動する
B:ポリカップに衝撃を与えれば流動する
C:軽微な凝集塊が存在するが、指で軽く押せば容易に解れる
D:凝集塊が存在し、指で軽く押しても解れない。
2 測定容器
3 スクリーン
4 金属製のフタ
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計
Claims (6)
- 表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記微粒子は、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する下記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であり、
前記微粒子は前記トナー粒子の表面に固着していることを特徴とするトナー。
(式(1)において、Raは、炭素数が2または3のアルキル基、又は炭素数が2または3のアルケニル基を示し、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。) - 前記ケイ素化合物の縮合生成物の含有量が、前記コア粒子1質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記式(1)において、Raは、エチル基、プロピル基、ビニル基のいずれかである請求項1または2に記載のトナー。
- 前記コア粒子の個数平均粒径が3nm以上500nm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記コア粒子が無機微粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記コア粒子の含有量が、前記トナー粒子に対して0.1質量%以上10.0質量%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー。
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