JP2018205385A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 長時間使用時にも微粒子がトナー粒子から外れにくく、高い転写性の維持と優れた帯電の環境安定性とを達成したトナーを提供すること。【解決手段】 表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子を有するトナーであって、微粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であり、微粒子はトナー粒子の表面に固着していることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真および静電印刷などの画像形成方法に用いられる静電荷像(静電潜像)を現像するためのトナーに関する。
近年、オフィスから家庭まで幅広い分野で、今まで以上に高精細なフルカラー画像が求められると共に、どのような環境下でも安定した画像が求められ、トナーのさらなる性能の向上が必要とされている。トナー/トナー間およびトナー/現像部材間の付着力を低減して、転写性を向上させることを目的として、トナー表面に微粒子の付着や埋め込みを施した検討が数多く行われている。更に、帯電の環境安定性を目的として、当該微粒子に対して、疎水化処理を施す検討も数多く行われている。
特許文献1には、微粒子に金属アルコキシド処理を施すことで、トナー粒子の表面に微粒子を付着させ、転写性を向上させる方法が開示されている。
特許文献2には、表面に微粒子を埋め込み、凸を形成させたトナーが記載され、トナー表面に微粒子由来の凸が形成されているため、転写性は良好となることが記載されている。
特開2010−286761号公報 特開2009−036980号公報
特許文献1に記載の方法で得られたトナーを本発明者らが検討したところ、トナー粒子に十分に埋め込まれず、初期の転写性は向上するものの微粒子とトナー粒子間に力が掛ったときに微粒子がトナー粒子から外れてしまい、長時間使用後には転写性の低下や現像ローラ汚染が発生する場合があった。特許文献2に記載のトナーは、長時間使用時に転写性の低下や現像ローラ汚染が起こる場合があった。これは、微粒子とトナー間に力が掛ったときに微粒子がトナー粒子から外れやすくなっているためであると思われる。また、特許文献2には、トナー表面に埋め込む微粒子に対して予めシランカップリング剤処理を施し、帯電の環境安定性を向上させているものの、さらに改善する余地があるものであった。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものである。すなわち、微粒子をトナー粒子の表面に固着することによって、長時間使用時にも微粒子がトナー粒子から外れにくく、高い転写性の維持と優れた帯電の環境安定性とを達成したトナーを提供することを目的とする。
本発明は、表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記微粒子は、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する下記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であり、
前記微粒子は前記トナー粒子の表面に固着していることを特徴とするトナーに関する。
(式(1)において、Rは、炭素数が2または3のアルキル基、又は炭素数が2または3のアルケニル基を示し、R、R、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。)
本発明によれば、微粒子をトナー粒子の表面に固着することによって、長時間使用時にも微粒子がトナー粒子から外れにくく、高い転写性の維持と優れた帯電の環境安定性とを達成したトナーを提供することができる。
本発明のトナー粒子表面写真の一例 埋め込み率の算出方法を説明する模式図 トナーの帯電量を測定する測定装置に関する模式図
本発明を実施するための形態を説明する。
本発明は、表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子であり、微粒子はトナー粒子の表面に固着している。さらに、微粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する下記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であることを特徴とする。
(式(1)において、Rは、炭素数が2または3のアルキル基、又は炭素数が2または3のアルケニル基を示し、R、R、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。)
微粒子がトナー粒子の表面に固着しているとは、微粒子がトナー粒子に対し、平均して20%以上埋め込まれている状態に加えて、微粒子とトナー粒子とがしっかりとくっついていることをいう。従来から行われている微粒子を機械的衝撃のみでトナー粒子に付着させる場合では、微粒子がトナー粒子から外れてしまう場合がある。微粒子がトナー粒子と固着していることで、両者の接触面積が高くなるために外れにくくなると考えられる。微粒子がトナー粒子から外れにくいことで、種々の電子写真部材に対して微粒子単独の付着が起こりにくい。これにより、例えば現像ブレードへの微粒子単独付着が起こりにくいことで現像が安定し、長時間使用時における現像ローラ上に発生する周方向に対して平行なスジ(ローラスジ)や、ベタ画像上に発生する周方向に対して平行なスジ(画像スジ)の発生が抑えられる。トナー粒子に十分な転写性を付与する観点から、トナー粒子における微粒子の埋め込み率は、20%以上80%以下が好ましい。埋め込み率の算出にあたっては、例えばトナー粒子のSEM画像(S−4800(日立製作所製)にて撮影)を用いて行うことができる。
(ケイ素化合物)
微粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する上記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子である。
前記式(1)で表されるケイ素化合物は、R〜Rで表される加水分解性基およびヒドロキシ基を3つ有し、かつ炭素数が2または3のRで表される側鎖を持つケイ素化合物である。ここで言う加水分解性基とはハロゲン原子又はアルコキシ基のことで、ケイ素化合物の縮合反応の際にヒドロキシ基を経由してケイ素化合物同士の結合が生成する基のことである。筆者らは鋭意検討し、このような特徴を持つケイ素化合物の縮合生成物でコア粒子を被覆した複合粒子(微粒子)をトナー粒子に固着することで、長時間使用時にも微粒子が外れにくくなり、高い転写性の維持と帯電の環境安定性を達成したトナーを作製できることを見出した。その理由について、本発明者らは下記のように考えている。
長時間使用時にも微粒子が外れにくくなり高い転写性を維持できるのは、式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物が高強度と高柔軟性を合わせ持つためであると考えている。元々シロキサン結合は高い結合エネルギーを持ち、かつ柔軟な構造であるが、式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物は、3次元架橋することによる更なる高強度と、側鎖の炭素数が2または3と適度に短いことによる高柔軟性を合わせ持つことができる。これによって、表面に高強度かつ高柔軟性のケイ素化合物の縮合生成物の層を有する複合粒子になると推測している。この層が、微粒子およびトナー粒子の形状に沿って変形することで微粒子とトナー粒子間の隙間を埋め、接触面積を広げるために微粒子がトナー粒子から外れにくくなる。また高強度であるために長時間使用にも耐えるため、長時間使用時にも微粒子が外れにくくなることで高い転写性を実現できると考えられる。
また、式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物の疎水性が高いことにより、優れた帯電の環境安定性が得られるようになったと考えている。これは、炭素数2または3の側鎖が加水分解性基およびヒドロキシ基の縮合反応を阻害しにくいことと、側鎖自身が高い疎水性を持つことに起因していると考えている。つまり、十分に縮合反応が進むことでシロキサン結合の性質、すなわち外側に疎水性の側鎖が来やすい性質が発揮され、またその側鎖自身が高い疎水性を持つために表面の疎水性が相乗効果で高い縮合生成物となる。この縮合生成物によって微粒子表面が十分に疎水化することで、優れた帯電の環境安定性を達成できたのではないかと考えている。また、ケイ素化合物は摩擦帯電列でマイナスになりやすい位置にいるため、マイナスに帯電しやすく、帯電の絶対量も高い値となる。すなわち、高い帯電量にて安定化することができる。
これらのことから、コア粒子が式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物で被覆されている複合粒子を用いることで、高い転写性の維持と帯電の環境安定性を併せ持ったトナーを作製できると考えている。
微粒子におけるケイ素化合物の縮合生成物の含有量は、コア粒子1質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。また、より好ましくは0.3質量部以上8.0質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以上5.0質量部以下である。ケイ素化合物の縮合生成物の含有量が0.1質量部以上であると、コア粒子に対してケイ素化合物の縮合生成物が適度に被覆されるために微粒子とトナー粒子間の接着剤としての働きが良好になる。これにより、微粒子がトナー粒子から外れにくくなることで、例えば現像スジや画像スジの発生が抑えられる。更に、ケイ素化合物の縮合生成物による複合粒子の疎水化を良好に行うことができる。この疎水化によって、帯電の環境安定性を得ることができる。また、ケイ素化合物の縮合生成物の含有量が10.0質量部以下であると、ケイ素化合物の縮合生成物の被覆層の変形が長時間使用時においても起きにくくなる。
ケイ素化合物は、上記式(1)で表されるものならば、いずれの化合物でも使用できるが、複合粒子の更なる疎水化の向上の観点から、特にRがビニル基、エチル基、プロピル基であるケイ素化合物を使用することが好ましい。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシランなどが使用できる。
また、本発明においては、二種類以上のケイ素化合物を併用してもよい。ケイ素化合物を併用することで、各ケイ素化合物による別々の機能をトナーに付与することができる。併用するケイ素化合物としては、上記式(1)で表わされるケイ素化合物でもよいし、それ以外のケイ素化合物でもよい。(1)で表されるケイ素化合物以外のケイ素化合物としては、一官能、二官能、三官能、四官能の各種シラン化合物が挙げられる。
一官能のシラン化合物としては、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリ2−エチルヘキシルメトキシシランなどが挙げられる。
二官能のシラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
三官能のシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジエトキシメトキシシラン、アリルエトキシジメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メタクリロプロピルエトキシジメトキシシランなどが挙げられる。
四官能のシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどが挙げられる。
(コア粒子)
コア粒子は、個数平均粒子径が3nm以上500nm以下であることが好ましい。より好ましくは30nm以上300nm以下、更に好ましくは50nm以上200nm以下である。個数平均粒子径が3nm以上のコア粒子を用いることによって、トナー粒子と感光ドラムや中間転写ベルトなどの部材間との距離を十分に遠ざけることができるため、部材がトナー粒子と直に接触し難くなる。これによってトナーと部材間の接触面積が小さくなり、転写性が良化する。また、コア粒子の個数平均粒子径が500nm以下の場合には、微粒子と部材間の接触面積が小さくなることで、転写性が良化する。
また、本発明におけるコア粒子の種類は特に限定されないが、無機微粒子であることが好ましい。無機微粒子は、コア粒子自身の硬さが高いため、長時間印刷時の耐久性を向上させることができる。無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、ハイドロタルサイト等が挙げられる。特に、シリカはケイ素化合物の縮合生成物と強固に反応するため、より好ましい。
トナー粒子に対するコア粒子の含有量は、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが転写性と定着性を両立させられるため好ましい。より好ましくは0.3質量%以上7.0質量%以下であり、更に好ましくは0.5質量%以上5.0質量%以下である。コア粒子の含有量が0.1質量%以上の場合、感光ドラムや中間転写ベルトなどの部材がトナー母粒子と直に接触し難くなるため、接触面積が小さくなり、転写性が良化する。また、コア粒子の含有量が10.0質量%以下の場合、部材と接する微粒子の個数が抑えられるため、接触面積が小さくなり、転写性が良化する。
(トナー粒子)
微粒子を固着させる前のトナー粒子の製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法等などが挙げられる。水系媒体中でトナー粒子を製造した場合はそのまま次の工程(微粒子を固着させる工程)に用いても良く、洗浄やろ過、乾燥を行った後、水系媒体中にトナー粒子を再分散させても良い。乾式でトナー粒子を製造した場合は公知の方法によって水系媒体に分散させることができる。トナー粒子を水系媒体中に分散させるために、水系媒体が分散安定剤を含有することが好ましい。
懸濁重合法で微粒子を固着させる前のトナー粒子を得る場合には、重合性単量体、各種材料(着色剤、ワックス、荷電制御剤、極性樹脂など)を加え、分散機を用いてこれらを溶融、溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、重合性単量体組成物中には、必要に応じて離型剤や荷電制御剤、粘度調整のための溶剤、結晶性樹脂、可塑剤、連鎖移動剤、さらに他の添加剤を適宜加えることが可能である。分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機が挙げられる。
次いで、重合性単量体組成物を、あらかじめ用意しておいた難水溶性無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機もしくは超音波分散機などの高速分散機を用いて懸濁液を調製する(造粒工程)。難水溶性無機微粒子として、ヒドロキシアパタイト、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛などのリン酸塩や、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、メタケイ酸カルシウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
その後、懸濁液中の重合性単量体を重合して結着樹脂を生成する(重合工程)。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。重合性単量体を重合して結着樹脂を生成したあと、必要に応じて脱溶剤処理を行うことで、トナー粒子の水分散液が形成される。その後、微粒子の固着を行い、必要に応じて洗浄を行い、種々の方法によって乾燥、分級、外添を行うことでトナーを得ることができる。
また、トナーのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上75℃以下であることが好ましく、40℃以上65℃以下であることがより好ましい。また、本発明のトナーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、ピーク分子量(Mp)が、5000以上50000以下であることが好ましく、より好ましくは5000以上45000以下である。
本発明において、微粒子(複合粒子)をトナー粒子に固着する方法は特に限定されないが、コア粒子とトナー粒子を水系媒体中に共存させた状態からケイ素化合物を添加して縮合させる方法が挙げられる。この方法では、ケイ素化合物の縮合生成物がコア粒子の表面を被覆して微粒子(複合粒子)となるだけでなく、トナー粒子表面の一部も被覆するため、好ましい。
ケイ素化合物の添加方法としては、特に限定されないが、ケイ素化合物をそのまま添加する方法や、アルコキシシランのようなケイ素化合物を水系媒体と混合して、加水分解した後に添加する方法などがある。上記のアルコキシシランのようなケイ素化合物は、加水分解した後に縮合反応がおこる。加水分解反応と縮合反応の最適pHは異なるため、事前にケイ素化合物と水系媒体を混合し、加水分解反応が速いpHで加水分解させた後に、添加すると反応時間を短縮できるため好ましい。
次に、トナーのその他の構成材料について説明する。
(着色剤)
着色剤としては、顔料を使用することができる。顔料としては、以下に挙げるイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、ブラック顔料などが用いられる。
イエロー顔料としては、例えば、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、イソインドリン化合物、ベンズイミダゾロン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レ−キ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。また、前記イエロー顔料、マゼンダ顔料およびシアン顔料を用いて黒色に調色されたものを使用してもよい。
これらの顔料は、単独または混合して、更には固溶体の状態で用いることが出来る。また、顔料とともに、着色剤として従来知られている種々の染料を併用してもよい。
顔料の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
(結着樹脂)
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。本発明に用いられる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビニル系樹脂を用いることが好ましい。なお、ビニル系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどの不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸、マレイン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物、アクリロニトリルなどのニトリル系ビニル単量体、塩化ビニルなどの含ハロゲン系ビニル単量体、ニトロスチレンなどのニトロ系ビニル単量体の単量体の重合体またはそれらの共重合体を用いることが可能である。中でも、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を用いることが好ましい。
(ワックス)
トナー粒子には、ワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスとしては、以下ものが挙げられる。
例えば、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルなどの1価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、1価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネートなどの2価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、2価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;グリセリントリベヘネートなどの3価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、3価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどの4価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、4価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの6価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、6価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;ポリグリセリンベヘネートなどの多価アルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、あるいは、多価カルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル;カルナバワックス、ライスワックスなどの天然エステルワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;酸アミドワックスが挙げられる。
また、ワックスの融点はトナーの保存安定性と低温定着性の両立の観点から65℃以上が好ましく、更に好ましくは70℃以上である。保存時においてはトナーの内部にいるワックスが、定着時にのみトナーの外側に染み出しやすくなるためであると推測している。保存時にはワックスはトナーの内部にいるため、トナーの保存性に影響を与えない。一方、定着時には、熱によって流動性が高くなったワックスと、炭素数が2または3のケイ素化合物からなる縮合物生成物との相互作用がトナー表面近傍で起こることで、ワックスが外側に染み出してくる。この染み出したワックスが定着ローラとトナー間に移行することによって、離型剤としての役割を果たすと考えられる。
(荷電制御剤)
トナー粒子は、さらに荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、特段の制限なく従来公知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、負帯電制御剤として、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属錯体や、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体や、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩又は金属錯体や、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなどが挙げられる。また、正帯電制御剤として、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物や、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。なお、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体あるいは結着樹脂の項に示したビニル系単量体と上記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などを用いることができる。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
(外添剤)
本発明のトナーは、トナー粒子のままトナーとして用いてもよいし、必要に応じて、トナー粒子に各種有機又は無機微粉体を外添してもよい。有機又は無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
有機又は無機微粉体は、トナーの流動性の改良及びトナー粒子の帯電均一化のために疎水化処理することもできる。有機又は無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で使用しても良いし、は併用して使用しても良い。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<トナー粒子前駆体の粒径>
トナー粒子前駆体の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子前駆体10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー母粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<トナーのガラス転移温度(Tg)>
トナーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いた。測定範囲30℃から200℃の間で、昇温速度10℃/minの設定で測定を行う。この昇温過程で、比熱変化が得られる。トナーのガラス転移温度(Tg)は、可逆比熱変化曲線の比熱変化が得られる前と得られた後の、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状変化部分の曲線が交わる点の温度とする。
<ワックス融点>
ワックス融点は、トナーの中間点ガラス転移温度(Tg)測定と同様に、示差走査熱量分析装置「Q2000」を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー3mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させ、続いて降温速度10℃/minで30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のトナーのDSC測定におけるワックスの融点とする。
<トナーのピーク分子量(Mp)>
トナーのピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.5質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<コア粒子の粒径>
コア粒子の個数平均粒子径の測定は、ゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用いて測定する。試料の調製は、コア粒子を0.5質量%となるように水で希釈する。次に、水で希釈した試料をディスポーザブルキャピラリーセル(DTS1060)に充填し、セルを装置のセルホルダに装入、測定した。
<トナー粒子表面の観察条件設定>
トナー粒子表面の観察は、以下のように行う。S−4800(日立製作所製)の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40Aであることを確認する。トナー粒子が固定された試料ホルダをS−4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[2.0kV]、エミッション電流を[10μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[混合]にする。
同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。以上の条件にてトナーを観察した例を図1に示す。
<コア粒子に対するケイ素化合物の縮合生成物の比率>
まず、トナー粒子に対するケイ素化合物の縮合生成物の含有量を、蛍光X線分析装置を用いて求める。
蛍光X線分析装置として、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とする。
測定サンプルとして、専用のプレス用アルミリングの中にトナーを2g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、50MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径12mmに成型したペレットを用いた。前記条件で測定を行い、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からケイ素強度を求め、これをSi(T)とする。
一方で、トナーの製造例に用いたトナー粒子前駆体と微粒子を、トナーの製造例と同じ質量比率で十分に混合させる。得られたサンプルのケイ素強度を前記測定サンプルと同じ方法で求め、これをSi(R)とする。
得られたSi濃度を用いて、下記式によってトナー粒子中に含まれるケイ素化合物縮合生成物のケイ素強度Si(S)を算出する。
Si(S)=Si(T)−Si(R)
続いて、以下のようにしてケイ素縮合生成物の微粉末を作製し、トナー粒子中のケイ素化合物の縮合生成物の含有量を算出する検量線を作成する。
反応容器内にトナー粒子に用いたケイ素化合物液を適量計量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合する。次に、混合液のpHを5.5に調整する。混合液の温度を、90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持する。その後、1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷する。その後、ろ過、水洗、乾燥、解砕を行うことで、ケイ素化合物の縮合生成物の微粉末を得る。
100質量部のトナー粒子前駆体に対して、上記ケイ素化合物の縮合生成物の微粉末を0.5質量部となるように添加し、充分混合する。同様にして、ケイ素化合物の縮合生成物の微粉末を1.0質量部、4.0質量部となるようにトナー粒子前駆体とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて前記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。得られたX線の計数率から求めたケイ素強度を縦軸に、各検量線用試料中のケイ素化合物の縮合生成物の微粉末の比率を横軸にして、一次関数の検量線を得る。この検量線と前記の式から算出したSi(S)を用いて、トナー1に含有される縮合生成物の重さG(S)を求める。
上記求めたG(S)と、前記した測定サンプルに含まれるコア粒子の重さG(B)から、下記式によってコア粒子に対するケイ素化合物の縮合生成物の含有量Hを算出する。
H=G(S)/G(B)
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中及び比較例中の各材料の「部」および「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<ケイ素化合物液1の調製>
・イオン交換水 90.0部
・エチルトリメトキシシラン(ケイ素化合物) 10.0部
前記材料を混合し、1モル/Lの塩酸でpHを4.0に調整した。その後、ウォーターバスで60℃に加熱しながら1時間撹拌し、ケイ素化合物液1を調製した。
<ケイ素化合物液2〜9の調製>
ケイ素化合物の種類を下記表1のように変更した以外は、ケイ素化合物液1の調製を同様にして、ケイ素化合物液2〜9を調製した。
<コア粒子分散液1の調製>
・コア粒子1(シリカ、個数平均粒子径100nm) 40.0部
・イオン交換水 60.0部
上記材料を混合した後に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの超音波洗浄器分散器(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い5分間分散処理を行い、コア粒子分散液1を調製した。
<ケイ素化合物液2〜10の調製>
コア粒子の種類を下記表2のように変更した以外は、コア粒子分散液1の調製と同様にしてコア粒子分散液2〜10を調製した。
<トナー粒子前駆体分散液1の製造方法>
反応容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を反応容器に一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器内の水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を調製した。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業(株)製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。次いで、顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン 10.0部
・n−ブチルアクリレート 30.0部
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体) 5.0部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、水系媒体1中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変更し、150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子前駆体濃度が20.0質量%になるように調整し、トナー粒子前駆体分散液1を得た。トナー粒子前駆体1の重量平均粒径(D4)は、6.7μmであった。
<トナー粒子前駆体分散液2の製造方法>
フィッシャートロプシュワックスをパラフィンワックス(融点60℃)に変更した以外はトナー粒子前駆体分散液1と同様の方法でトナー粒子前駆体分散液2を得た。トナー粒子前駆体2の重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。
<トナー粒子前駆体分散液3の製造方法>
フィッシャートロプシュワックスをパラフィンワックス(融点65℃)に変更した以外はトナー粒子前駆体分散液1と同様の方法でトナー粒子前駆体分散液3を得た。トナー粒子前駆体3の重量平均粒径(D4)は、6.3μmであった。
<トナー粒子前駆体分散液4の製造方法>
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を混合した。
・テレフタル酸 29.0部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
80.0部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)
0.1部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら9時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸5.8部を加え、170℃に加熱し、3時間反応させてポリエステル樹脂を合成した。
次いで、下記の材料をオートクレーブに仕込み、系内を窒素に置換した後、昇温攪拌しながら180℃に保持した。
・低密度ポリエチレン(融点100℃)20.0部
・スチレン 64.0部
・n−ブチルアクリレート 13.5部
・アクリロニトリル 2.5部
続いて、系内に、2.0質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50.0部を4.5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンにスチレンアクリル共重合体がグラフトしたグラフト重合体を得た。
下記材料を三井ヘンシェルミキサ(FM−75型、三井三池化工機株式会社製)でよく混合した後、温度100℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)に溶融混練した。
・ポリエステル樹脂 100.0部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 5.0部
・グラフト重合体 5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。次に、得られた粗砕物を、ターボ工業社製のターボ・ミル(T−250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5μm程度の微粉砕物得た後に、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子前駆体4を得た。トナー粒子前駆体4の重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を反応容器に一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器内の水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー粒子を200.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子濃度が20.0質量%になるように調整し、トナー粒子分散液4を得た。
<トナー粒子前駆体分散液5の製造方法>
下記材料を秤量し、混合・溶解させた。
・スチレン 82.6部
・アクリル酸n−ブチル 9.2部
・アクリル酸 1.3部
・ヘキサンジオールアクリレート 0.4部
・n−ラウリルメルカプタン 3.2部
この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬(株)製)の10%水溶液を添加して、分散させた。
さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部をイオン交換水10.0部に溶解させた水溶液を添加した。窒素置換をした後、温度70℃で6.0時間乳化重合を行った。
重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
以下の材料を秤量し混合した。
・エステルワックス(融点70℃) 100.0部
・ネオゲンRK 15.0部
・イオン交換水 385.0部
湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて1時間分散してワックス分散液を得た。ワックス粒子分散液の固形分濃度は20.0%であった。
以下の材料を秤量し混合した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 100.0部
・ネオゲンRK 15.0部
・イオン交換水 885.0部
湿式ジェットミル JN100を用いて1時間分散して着色剤分散液を得た。着色剤分散液の固形分濃度は10.0%であった。
・樹脂粒子分散液 160.0部
・ワックス分散液 10.0部
・着色剤分散液 10.0部
・硫酸マグネシウム 0.2部
ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1.0時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、個数平均粒径が6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して2.0時間撹拌して、融合したトナー粒子前駆体を得た。
冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720.0部のイオン交換水で、1.0時間撹拌洗浄した。トナー粒子前駆体を含む分散液をろ過し、真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー粒子前駆体5を得た。トナー粒子前駆体5の重量平均粒径(D4)は、7.1μmであった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー粒子前駆体5を100.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子前駆体5の固形分濃度が20.0%になるように調整し、トナー粒子前駆体分散液5を得た。
<トナー粒子前駆体分散液6の製造方法>
イオン交換水 660.0部、48.5%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液 25.0部を混合撹拌し、T.K.ホモミクサーを用いて、10000rpmにて撹拌して水系媒体を調製した。
下記の材料を酢酸エチル500.0部へ投入し、プロペラ式撹拌装置にて100rpmで溶解して溶解液を調製した。
・スチレン/ブチルアクリレート共重合体(共重合比:80/20) 100.0部
・ポリエステル樹脂 3.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体)
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5部
・フィッシャートロプシュワックス(融点70℃) 9.0部
次に水系媒体150.0部を容器に入れ、T.K.ホモミクサーを用い、回転数12,000rpmで撹拌し、これに前記溶解液100.0部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを調製した。
その後、脱気用配管、撹拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリー100.0部を仕込み、撹拌周速20m/分間で撹拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し45℃で4時間熟成させて、脱溶剤スラリーとした。脱溶剤スラリーを減圧濾過した後、得られた濾過ケーキにイオン交換水300.0部を添加し、T.K.ホモミクサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。
得られた濾過ケーキを乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー粒子前駆体6を得た。トナー粒子前駆体6の重量平均粒径(D4)は、6.9μmであった。
容器中のイオン交換水390.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業(株)製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサーを用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10%塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体を調製した。
水系媒体中にトナー粒子前駆体6を100.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5,000rpmで回転させながら15分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子前駆体の固形分濃度が20.0%になるように調整し、トナー粒子前駆体分散液6を得た。
<トナー1の製造方法>
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
・ケイ素化合物液1 50.0部
・コア粒子分散液1 5.0部
・トナー粒子前駆体分散液1 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。その後、1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷した。
得られた混合液に希塩酸を加えpH=1.5に調整してから2時間撹拌した後、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子1を得た。これをトナー1とした。
<トナー2〜28、30、32〜34の製造方法>
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更した以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2〜28、30、32〜34を得た。
<トナー29の製造方法>
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更してトナー粒子29を得た。トナー粒子29にコア粒子1であるシリカ粒子を1.0部加え、攪拌羽根の先端速度を40m/秒に設定した気流混合機(三井ヘンシェルミキサ、三井三池化工機株式会社製)で5分間攪拌して、トナー29を得た。
<トナー31の製造方法>
ケイ素化合物液およびコア粒子分散液の種類と量、およびトナー粒子前駆体分散液の種類を表3に示すように変更した以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー31を得た。
<比較トナー1の製造方法>
トナー粒子前駆体分散液1に希塩酸を加えpH=1.5に調整してから2時間撹拌した後、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、トナー粒子前駆体1の粉体を得た。次に、
・トナー粒子前駆体1 100.0部
・コア粒子1 2.0部
を加えて、攪拌羽根の先端速度を40m/秒に設定した気流混合機(三井ヘンシェルミキサ、三井三池化工機株式会社製)で5分間攪拌して、比較トナー1を得た。
<比較トナー2の製造方法>
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液6に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー2を得た。
<比較トナー3の製造方法>
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
・ケイ素化合物液6 160.0部
・コア粒子分散液6 17.5部
・トナー粒子前駆体分散液1 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を、90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。その後、1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷し、分散液中のトナー粒子前駆体濃度が20.0%になるように調整して比較トナー粒子前駆体分散液2とした。
更に、反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌羽根を用いて混合した。
・ケイ素化合物液4 50.0部
・比較トナー粒子前駆体分散液2 500.0部
次に、混合液のpHを5.5に調整した。混合液の温度を90℃にした後に、プロペラ撹拌羽根を用いて混合しながら、1時間保持した。1モル/L NaOH水溶液を用い、pHを8.3に調整し、撹拌しながら4時間保持した後に温度が25℃になるまで空冷した。
得られた混合液に希塩酸を加えpH=1.5に調整してから2時間撹拌した後、ろ過、水洗、乾燥を行うことで、表面に微粒子に由来する凸部を有する比較トナー粒子3を得た。これを比較トナー3とした。
<比較トナー4の製造方法>
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液7に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー4を得た。
<比較トナー5の製造方法>
ケイ素化合物液1をケイ素化合物液8に変更した以外はトナー18の製造方法と同様にして比較トナー5を得た。
<評価方法>
下記の方法によって、トナー1〜34、比較トナー1〜5の評価を行った。
<微粒子の埋め込み率>
トナーをSEMで観察し、微粒子の直径Rと微粒子の高さhから各々の微粒子についての埋め込み率を算出する。(図2(a))
埋め込み率(%)=100×(1−h/R)
なお、微粒子の埋め込み率が50%を超え、微粒子の直径RがSEM画像から分からない場合には、微粒子の高さhと微粒子の弦Aから、微粒子の直径Rを算出した後に、埋め込み率を算出する。
(図2(b))
1個のトナー粒子につき、微粒子を10個観察して埋め込み率を算出する。それを10個のトナー粒子に対して行う。平均値をトナーの埋め込み率とする。(微粒子としては100個の平均値である。)結果を表4に示す。
<耐久性評価>
プロセススピードが240mm/secとなるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。カートリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温常湿下(温度23℃、湿度60%RH)、A4サイズの普通紙office70(キヤノンマーケティングジャパン製 70g/m)を用いて、印字率1%チャートを16000枚画像出力した。その後、1000枚の画像出力するごとに、トナーの載り量0.45mg/cmのベタ画像を1枚出力するとともに、現像ローラ上を目視で観察し、現像ローラの周平行なスジ(ローラスジ)発生の有無を確認した。また、同時にベタ画像上に周方向に対して平行なスジ(画像スジ)が発生するかを確認した。ローラスジおよび画像スジが発生する耐久枚数を指標として、耐久性を以下の基準で評価した。
A:16000枚まで画像スジ・ローラスジともに発生なし
B:16000枚まで画像スジは発生せず、16000枚までにローラスジが発生
C:16000枚まで画像スジは発生せず、10000枚までにローラスジが発生
D:16000枚までに画像スジが発生。
<転写性評価>
プロセススピードが240mm/secとなるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。印字率1%チャートを16000枚連続で出力した後、ベタ画像を出力し、感光体から中間転写体へトナーを転写するときに装置を停止し、転写工程前の感光体上のトナー載り量M1(mg/cm)と転写工程後の感光体上のトナー載り量M2(mg/cm)を測定した。測定されたトナー載り量を用いて、下式より転写効率を算出した。
転写効率(%)=(M1−M2)/M1×100
以下の評価基準により、転写性を評価した。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が85%以上90%未満
D:転写効率が85%未満。
<環境安定性>
19.0gの磁性キャリアF813−300(パウダーテック社製)と1.0gの上記製造例トナーを50mLの蓋付きプラスチックボトルに投入し、振とう器(YS−LD:(株)ヤヨイ製)で、1秒間に4往復のスピードで3分間振とうを行った。これを二成分現像剤とした。
図3に示す底に500メッシュ(目開き25μm)のスクリーン3のある金属製の測定容器2に前記の二成分現像剤を0.200g入れ金属製のフタ4をした。このときの測定容器2全体の重量を秤りWl(g)とした。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を50mmAqとした。この状態で1分間吸引を行いトナーを吸引除去した。
このときの電位計9の電位をV(ボルト)とした。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量は下記式によって計算される。
摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W1−W2)
本発明では、低温低湿条件(温度15℃、湿度10%RH)での摩擦帯電量(CL)、高温高湿条件(温度30℃、湿度80%RH)での摩擦帯電量(CH)を測定し、下式より環境差における摩擦帯電量の差を求めた。
環境差における摩擦帯電量の差%=(CL−CH)/CL
以下の評価基準により、環境安定性を評価した。結果を表4に示す。
A:環境差における摩擦帯電量の差が20%未満
B:環境差における摩擦帯電量の差が20%以上35%未満
C:環境差における摩擦帯電量の差が35%以上50%未満
D:環境差における摩擦帯電量の差が50%以上
更に、下記の方法によって、トナー22〜24、比較トナー1の評価を行った。結果を表5に示す。
<低温定着性>
温度を変えられるように改造したカラーレーザープリンター(LBP−7700C,キヤノン製)を使用し、シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例のトナーを120g充填した。紙にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm)を出力し、定着温度を変えて定着し評価した。なお、定着温度は定着ローラ表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。紙はA4サイズの普通紙office70(キヤノンマーケティングジャパン製 70g/m)を用いた。結果を表5に示す。
A:150℃でオフセット発生せず
B:150℃でオフセット発生
C:160℃でオフセット発生
D:170℃でオフセット発生
<保存安定性>
トナー5.0gをポリカップに取り、温度55℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べて評価した。結果を表5に示す。
A:ポリカップを傾けて回すだけで流動する
B:ポリカップに衝撃を与えれば流動する
C:軽微な凝集塊が存在するが、指で軽く押せば容易に解れる
D:凝集塊が存在し、指で軽く押しても解れない。
1 吸引機
2 測定容器
3 スクリーン
4 金属製のフタ
5 真空計
6 風量調節弁
7 吸引口
8 コンデンサー
9 電位計

Claims (6)

  1. 表面に微粒子に由来する凸部を有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記微粒子は、コア粒子と、前記コア粒子の表面を被覆する下記式(1)で表されるケイ素化合物の縮合生成物と、を有する複合粒子であり、
    前記微粒子は前記トナー粒子の表面に固着していることを特徴とするトナー。

    (式(1)において、Rは、炭素数が2または3のアルキル基、又は炭素数が2または3のアルケニル基を示し、R、R、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。)
  2. 前記ケイ素化合物の縮合生成物の含有量が、前記コア粒子1質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記式(1)において、Rは、エチル基、プロピル基、ビニル基のいずれかである請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記コア粒子の個数平均粒径が3nm以上500nm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記コア粒子が無機微粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記コア粒子の含有量が、前記トナー粒子に対して0.1質量%以上10.0質量%以下である請求項1から5のいずれか1項に記載のトナー。
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