JP2010134220A - 静電荷現像用トナー - Google Patents

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幸一 菅間
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政裕 安野
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三郎 平岡
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隼也 大西
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Abstract

【課題】高速機においても外添剤の埋没や離脱が抑制され、安定した耐久劣化の少ない高信頼性の静電荷現像用トナーを提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する着色粒子および該着色粒子に外添される外添剤を含む静電荷現像用トナーであって、着色粒子2表面において、少なくとも一次粒径50〜150nmの第1外添剤が2個以上凝集してなる凝集粒子1Aが、着色粒子表面に存在する全第1外添剤に対して5〜30個数%存在することを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】図1

Description

本発明は静電荷現像用トナーに関する。
近年、電子写真方式を利用したプリンター、デジタル複合機の高速化が進んでいる。特にプロダクション市場をターゲットとした高速機は高画質とともに高信頼性が要求され、トナーについても耐久劣化の少ない安定した性能が要求されている。
高画質な画像形成を実現するため、通常、トナー表面には外添剤と呼ばれる無機粒子や有機粒子が添加されており、外添剤の作用で帯電性や流動性等のトナー性能を維持する様にトナーの設計がなされている(例えば、特許文献1,2)。
しかしながら、トナーに含まれる外添剤は、耐久中に現像器内で様々なストレスを受け、トナーに埋没したり、トナーから離脱して挙動したりして、流動性や帯電性が低下し、現像不良や転写不良といった問題を引き起こしていた。その結果、例えば、階調再現性が低下し、初期と耐久後との間で画像濃度が変動した。そのような画像濃度の変動は、印字率が比較的低い画像を長期にわたって印字した場合に顕著であった。
特開2002−14487号公報 特開2002−108001号公報
本発明は、高速機においても外添剤の埋没や離脱が抑制され、安定した耐久劣化の少ない高信頼性の静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、特に、外添剤の埋没や離脱が抑制され、階調再現性に優れた画像を長期にわたって安定して形成できる静電荷現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する着色粒子および該着色粒子に外添される外添剤を含む静電荷現像用トナーであって、着色粒子表面において、少なくとも一次粒径50〜150nmの第1外添剤が2個以上凝集してなる凝集粒子が、着色粒子表面に存在する全第1外添剤に対して5〜30個数%存在することを特徴とする静電荷現像用トナーに関する。
本明細書中、外添とは、着色粒子表面に存在させるべく、予め製造された着色粒子に対して添加することを意味するものとする。
本発明に係る静電荷現像用トナーによれば、高速機においても外添剤の埋没や離脱が抑制され、耐久劣化が少ない。その結果、階調再現性に優れた画像を長期にわたって安定して形成できる。
[静電荷現像用トナー]
本発明に係る静電荷現像用トナー(以下、単にトナーということがある)は着色粒子および該着色粒子に外添される外添剤を含むものであり、着色粒子表面において、所定粒径の外添剤を含む凝集粒子が存在するものである。本発明においては、所定粒径の外添剤粒子に、着色粒子表面で凝集状態を形成させ、擬似的に比較的大きな粒子として存在させる。そのような凝集粒子は、実機中においてトナーが受けるストレス等の外力を分散するので、外添剤粒子の着色粒子への埋没や外添剤粒子の着色粒子からの脱離を有効に抑制できる。その結果、トナーの耐久劣化が抑制されるので、階調再現性に優れた画像を長期にわたって安定して形成できる。
本発明において規定する凝集粒子は、少なくとも第1外添剤が2個以上凝集してなる集合粒子群であり、以下、第1外添剤の凝集粒子と呼ぶものとする。第1外添剤の凝集粒子を構成する2個以上の粒子は、着色粒子の表面上において集合し、実機中においてトナーが受けるストレス等の外力によって容易に壊れる程度の力で互いに付着している。付着力は、静電気力であっても、分子間力であっても、またはそれらの複合的な力であってもよい。そのような付着力によると、第1外添剤の凝集粒子が外力によって壊れても、その後、比較的容易に再生成されるので、トナーの耐久劣化の抑制に有効であるものと考えられる。
第1外添剤は一次粒径が50〜150nm、好ましくは80〜120nmの無機微粒子または有機微粒子であり、それらの混合物であってよい。第1外添剤の一次粒径が小すぎると、トナーの物理的付着力を下げる効果が不十分で、転写性の改善効果が小さい。また、当該粒子の着色粒子への埋没が起こり易く、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。また第1外添剤の一次粒径が大きすぎると、当該粒子の着色粒子からの脱離が起こり、トナー表面に保持されないので、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
本明細書中、一次粒径とは、一次粒子の粒径であり、特に一次粒子が球形でない場合は当該粒子の最大粒径を意味するものとする。
第1外添剤を構成する材質としては、従来から静電荷現像用トナーの外添剤として使用されているものであれば特に制限されず、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸カルシウム等の無機微粒子、およびポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ナイロン樹脂、メラミン樹脂等の有機微粒子が挙げられる。トナーの耐久劣化を抑制する効果をより一層有効に得る観点から好ましい第1外添剤の材質は、無機微粒子、特にシリカが好ましい。第1外添剤は公知の表面処理剤により表面処理されていてもよい。
第1外添剤は、材質、粒径、表面処理剤等が異なる2種類以上の微粒子が使用されてよい。
第1外添剤の凝集粒子には、2個以上の第1外添剤粒子が含まれている限り、第2外添剤も含まれていて良い。
第2外添剤は一次粒径が50nm未満のものおよび150nmを超えるものである。好ましい第2外添剤の一次粒径は5〜45nm、特に5〜30nmである。
第2外添剤を構成する材質としては、従来から静電荷現像用トナーの外添剤として使用されているものであれば特に制限されず、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸カルシウム等の無機微粒子、およびポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等の有機微粒子、およびステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。トナーの耐久劣化を抑制する効果をより一層有効に得る観点から好ましい第2外添剤の材質は、無機微粒子、特にシリカ、チタニアである。第2外添剤は公知の表面処理剤により表面処理されていてもよい。
第2外添剤は、材質、粒径、表面処理剤等が異なる2種類以上の微粒子が使用されてよい。
第1外添剤凝集粒子の存在量は、着色粒子表面において存在する全ての第1外添剤に対する割合(個数%)で示されるために、絶対的な存在量値は、表面にある第1外添剤の量に依存する。
着色粒子表面における第1外添剤の凝集粒子の存在量は、着色粒子表面において存在する全ての第1外添剤に対して5〜30個数%、好ましくは12〜18個数%である。当該凝集粒子の存在量が少なすぎると、埋没する第1外添剤が多くなり、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。当該凝集粒子の存在量が多すぎると、第1外添剤が着色粒子表面に均一に付着せず、第1外添剤の一次粒子や「1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子」が存在しない領域が増大するので、トナーの流動性や転写性が悪化する。
第1外添剤の凝集粒子の存在量は、トナーのSEM画像を観察することによって測定できる。
詳しくは、まず、トナーをSEM(1万倍)で撮影する。
次いで、任意の10個の着色粒子表面を観察し、SEM画像上において、第1外添剤粒子が2個以上含まれ、かつ最大粒径が2000nm以下の凝集粒子の個数N、第1外添剤の一次粒子の個数N、および1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子の個数Nをカウントする。例えば、SEM画像における1個の着色粒子の表面状態を表す模式図を図1に示す。具体的には、図1において、第1外添剤粒子が2個以上含まれ、かつ最大粒径が2000nm以下の凝集粒子を1Aとして示す。そのような凝集粒子1Aはそれぞれ1群を1個としてカウントし、当該粒子の個数nを得る。第1外添剤の一次粒子を1Bとして示す。そのような一次粒子はそれぞれの粒子を1個としてカウントし、当該粒子の個数nを得る。1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子を1Cとして示す。そのような凝集粒子1Cはそれぞれ1群を1個としてカウントし、当該粒子の個数nを得る。図1中、例えば1Dで表されるような、SEM画像上、第2外添剤粒子のみからなる凝集粒子はカウントしない。着色粒子1個分である個数n、nおよびnを、着色粒子10個分についてカウントし、それぞれ個数N、NおよびNを得る。図中、2は着色粒子である。
最後に、以下の式に基づいて第1外添剤の凝集粒子の存在量を算出する。
第1外添剤の凝集粒子の存在量(個数%)=N/(N+N+N
凝集粒子の最大粒径は、SEM画像上において当該凝集粒子が有する最大長である。詳しくは図1において最大の凝集粒子の最大粒径をRで示す。
第1外添剤の凝集粒子は、着色粒子表面に対して単に付着して存在すればよい。本発明は、当該凝集粒子を構成する粒子が、実機中においてトナーが受けるストレス等の外力によって比較的容易に解れる限り、当該凝集粒子を構成する一部の粒子における少なくとも一部が着色粒子中に埋没することを妨げるものではない。
上記SEM画像において、着色粒子1個あたりに着色粒子表面に存在する、「第1外添剤粒子が2個以上含まれ、かつ最大粒径が2000nm以下の凝集粒子」、「第1外添剤の一次粒子」および「1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子」の総数は120〜1200個、特に150〜300個が好ましい。当該総数は、上記測定方法においてカウントされたN、NおよびNの和を10で除することによって得ることができる。
[トナーの製造方法]
本発明のトナーは、着色粒子に対して外添剤を外添するトナーの製造方法において、以下の要件(1)〜(4)の全てを満たすことによって製造できる。
要件(1);
外添剤として、平均一次粒径が前記第1外添剤の一次粒径範囲と同様の範囲内にある逆極性外添剤および同極性外添剤を用いる。そのような逆極性外添剤および同極性粒子のうち、一次粒径が所定範囲内のものが第1外添剤として着色粒子表面に存在し、そのうちの一部が主に静電気力や分子間力によって互いに付着・凝集し、前記第1外添剤の凝集粒子を構成する。逆極性外添剤と同極性外添剤とを併用しないと、凝集粒子の存在量が多くなりすぎて、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
逆極性外添剤は詳しくは、平均一次粒径が50〜150nm、好ましくは80〜120nmであって、現像時における着色粒子の帯電極性とは逆極性に帯電される特性を有するものである。例えば、現像に際して着色粒子が負極性に帯電される場合、逆極性外添剤は正極性に帯電される外添剤が用いられる。また例えば、現像に際して着色粒子が正極性に帯電される場合、逆極性外添剤は負極性に帯電される外添剤が用いられる。逆極性外添剤の平均一次粒径が小さすぎると、外添剤が凝集しても埋没を抑制する効果が小さく、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。逆極性外添剤の平均一次粒径が大きすぎると、外添剤がトナー表面に保持されにくく、効果的に凝集粒子が形成されないため、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
本明細書中、平均一次粒径は以下の方法によって測定された値を用いている。
外添剤粒子の個数基準における粒度分布の測定方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定されるものである。
具体的には、着色粒子表面上に存在している外添剤粒子を30,000倍にてSEMにより写真撮影し、スキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて、当該SEM写真画像の外添剤粒子について2値化処理し、外添剤粒子100個の最大径を測定し、個数基準における粒度分布を作成するものとする。
なお、外添剤粒子が凝集体として撮影されてしまう場合は、当該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
同極性外添剤は詳しくは、平均一次粒径が50〜150nm、好ましくは80〜120nmであって、現像時における着色粒子の帯電極性と同極性に帯電される特性を有するものである。例えば、現像に際して着色粒子が負極性に帯電される場合、同極性外添剤は負極性に帯電される外添剤が用いられる。また例えば、現像に際して着色粒子が正極性に帯電される場合、同極性外添剤は正極性に帯電される外添剤が用いられる。同極性外添剤の平均一次粒径が小さすぎると、外添剤が凝集しても埋没を抑制する効果が小さく、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。同極性外添剤の平均一次粒径が大きすぎると、外添剤がトナー表面に保持されにくく、効果的に凝集粒子が形成されないため、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
逆極性外添剤および同極性外添剤を着色粒子に外添し、混合してトナーを製造するに際しては、着色粒子に対して逆極性外添剤および同極性外添剤を同時に添加し、混合してもよいし、または予め逆極性外添剤および同極性外添剤を混合して得られた混合物を着色粒子に対して添加し、混合してもよい。好ましくは後者の製造方法を採用する。
混合時に使用される装置としては、特に制限されず、例えば、ヘンシェルミキサー、コヒーミルなどの機械式の混合装置が使用できる。
逆極性外添剤として使用され得る正帯電性外添剤および同極性外添剤として使用され得る正帯電性外添剤は同様のものが使用可能である。
逆極性外添剤として使用され得る負帯電性外添剤および同極性外添剤として使用され得る負帯電性外添剤もまた同様のものが使用可能である。
以下、要件(1)の説明においては、逆極性外添剤および同極性外添剤に共通して使用可能な正帯電性外添剤と、逆極性外添剤および同極性外添剤に共通して使用可能な負帯電性外添剤とについて説明する。
正帯電性外添剤および負帯電性外添剤はそれぞれ、酸化鉄粉との摩擦帯電によって所定極性の帯電量を有するものが使用される。外添剤の帯電量は、酸化鉄粉との摩擦帯電によるブローオフ法に基づいて測定できる。
外添剤のブローオフ帯電量の測定は、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用い、鉄粉キャリア(Z−150/250)(パウダーテック社製)に対してサンプル濃度0.2wt%、混合はターブラーミキサーで1分間混合した際の値で示してある。装置条件はSUS400mesh、ブロー圧力1kgf/cm、60秒値である。
正帯電性外添剤の接触ブローオフ帯電量は、+10〜+200μC/gが好ましく、+30〜+200μC/gがより好ましい。
負帯電性外添剤の接触ブローオフ帯電量は、−10〜−200μC/gが好ましく、−30〜−200μC/gがより好ましい。
正帯電性外添剤は、正帯電性無機微粒子、正帯電性有機微粒子またはそれらの混合物が使用される。好ましくは正帯電性無機微粒子が使用される。
正帯電性無機微粒子としては、表面処理なしで正帯電性を有するチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウムなどのチタン酸化合物、アルミナ等の無機微粒子、ならびに正帯電表面処理剤によって表面処理された、シリカ、チタニア等の無機微粒子が挙げられる。好ましくは正帯電表面処理剤によって表面処理されたシリカが使用される。
正帯電性無機微粒子は、粒子の疎水性を高めるために、表面処理を行なっても良い。疎水性を高める表面処理剤として、例えば、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルメチルクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラン、ジメチルビニルクロロシラン等のシランカップリング剤;ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。
正帯電性の表面処理と疎水性の表面処理は、どちらを先に行なっても構わないが、疎水性の表面処理を先に行なう方が好ましい。
表面処理の有無にかかわらず正帯電性外添剤に使用される無機微粒子は所定粒径を有する市販のものが使用可能である。
特にシリカは、ゾルゲル法によって製造されたシリカが有用である。
ゾルゲル法とは、アルコキシシランを、水が存在する有機溶媒中において、触媒により加水分解、縮合反応させて得られるシリカゾル懸濁液から、溶媒除去、乾燥して、粒子化する、シリカの製造方法である。
アルコキシシランとして具値的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、などが挙げられるが、特に得られるシリカ粒子の形状、粒径、粒度分布等の点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。また、アルコキシシランの加水分解、縮合反応を促進させる為の触媒としては、アンモニア、尿素、モノアミン、四級アンモニウム塩等の塩基性触媒が用いられるが、特にアンモニアが好ましく用いられる。また加水分解、縮合反応工程において使用される有機溶媒としては、アルコキシシランや水、触媒と相溶性が高い、アルコール類が好ましく、特にメタノール、エタノールが好ましい。
ゾルゲル法において加水分解、縮合反応は、アルコキシシランを水、触媒が存在する有機溶媒中に添加し、好ましくは0〜100℃の温度で攪拌してシリカゾル懸濁液を作製する。この時、水や触媒の量、アルコキシシランの種類、濃度などは、生成する粒子の粒子径、粒度分布、比重などに影響するため、これらが好ましい範囲になるように適宜調整・選択して行なう。シリカゾル懸濁液から、溶媒を除去して粒子化の際、即ちゾルゲル法シリカを得る際は、懸濁液を濾過後、遠心分離、溶媒蒸発させ乾燥し、粉体化する方法を用いることができる。
正帯電表面処理剤として、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
正帯電表面処理方法は、無機微粒子表面に表面処理剤のコート層を形成できる限り特に制限されず、例えば、無機微粒子と表面処理剤とをヘンシェルミキサー等の混合機により混合する方法、無機微粒子に対して表面処理剤を噴霧する方法、溶剤に表面処理剤を溶解或いは分散させ、これと無機微粒子とを混合した後、溶剤を除去する方法等がある。
正帯電表面処理剤の配合量は、無機微粒子100重量部に対して0.1〜8重量部が好ましい。
正帯電性有機微粒子としては、表面処理なしで正帯電性を有するナイロン樹脂、メラミン樹脂等の有機微粒子が挙げられる。
負帯電性外添剤は、負帯電性無機微粒子、負帯電性有機微粒子またはそれらの混合物が使用される。好ましくは負帯電性無機微粒子が使用される。
負帯電性無機微粒子としては、表面処理なしで負帯電性を有するシリカ、チタニア等の無機微粒子が挙げられる。
負帯電性無機微粒子は、粒子の疎水性を高めるために、表面処理を行なっても良い。疎水性を高める表面処理剤として、正帯電性無機粒子の疎水性処理剤と同様のものが使用できる。また、表面処理は、複数の処理剤を併用しても良い。
表面処理の有無にかかわらず負帯電性外添剤に使用される無機微粒子は所定粒径を有する市販のものが使用可能である。
特にシリカは、正帯電性外添剤と同様に、ゾルゲル法によって製造されたシリカが有用である。
負帯電性有機微粒子としては、表面処理なしで負帯電性を有するポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等の有機微粒子が挙げられる。
要件(2);
上記要件(1)において逆極性外添剤の添加量Waと同極性外添剤の添加量Wbとの添加量比(Wa/Wb)を重量比で1/9〜4/6、好ましくは2/8〜3/7とする。逆極性外添剤の添加量Waが少なすぎると、効果的に凝集粒子が形成されないため、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。詳しくは、逆極性外添剤が少ないと、外添剤が偏在してしまうので、見かけ上凝集粒子は多くなるが、埋没抑制の効果は得られず、また流動性や転写性が悪化する。逆極性外添剤の添加量Waが多すぎると、凝集粒子の存在量が多くなりすぎて、外添剤が存在しない領域が増大するので、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
逆極性外添剤の添加量Waと同極性外添剤の添加量Wbとの合計量は通常、着色粒子に対して2〜4重量%であり、好ましくは2.5〜3.5重量%である。
要件(3);
上記要件(1)において逆極性外添剤の平均一次粒径Daと同極性外添剤の平均一次粒径Dbとの粒径比(Da/Db)を0.80〜1.25、好ましくは0.90〜1.11とする。当該粒径比が小さすぎたり、大きすぎたりすると、凝集粒子の存在量が多くなりすぎて、トナーの耐久劣化を抑制する効果が得られない。
要件(4);
上記要件(1)において、前記の逆極性外添剤および同極性外添剤以外に、他の外添剤が外添されてもよい。
他の外添剤として、平均一次粒径が前記第2外添剤の一次粒径範囲と同様の範囲内にある外添剤が使用される。
他の外添剤は、詳しくは、平均一次粒径が50nm未満のものおよび150nmを超えるものであり、好ましくは平均一次粒径が5〜45nm、特に5〜30nmのものである。
他の外添剤の材質は特に制限されず、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、等の無機微粒子、およびポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等の有機微粒子、およびステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が使用可能である。
他の外添剤は、帯電の環境安定性の観点から、表面処理剤によって表面処理されて、疎水性を有することが好ましい。そのような表面処理剤として、例えば、正帯電性無機微粒子の疎水性を高めるための表面処理剤と同様のものが挙げられる。
他の外添剤の添加量は特に制限されず、通常は、着色粒子に対して0.1〜3.0重量%であり、好ましくは0.5〜2.0重量%である。他の外添剤として2種類以上の外添剤を添加する場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
要件(4)においては、着色粒子に対して少なくとも逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物を外添し、混合するに際し、平均一次粒径5〜45nm、特に5〜30nmのシリカ粒子(以下、単にシリカ粒子Aという)を存在させない。すなわち着色粒子に対して少なくとも逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物と、着色粒子とを混合する前に、シリカ粒子Aを添加しない。逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物と、着色粒子との混合時に、シリカ粒子Aが存在すると、凝集粒子が有効に形成されず、結果としてトナーの耐久劣化を抑制する効果が得られないためである。
シリカ粒子Aは表面処理されていてもよいし、または表面処理されていなくてもよい。
シリカ粒子Aを外添する場合は、逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物と、着色粒子とを一旦、混合した後で、シリカ粒子Aを添加し、混合すればよい。逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物と、着色粒子との混合時間は、ヘンシェルミキサーを用いる場合で、5分間以上である。混合時間が短すぎると、凝集粒子が有効に形成されない。
シリカ粒子Aの添加量は特に制限されず、通常は着色粒子に対して0.1〜2.0重量%、特に0.5〜1.5重量%が好ましい。
シリカ粒子Aは市販品として入手可能である。
他の外添剤のうち、シリカ粒子A以外の外添剤、特に平均一次粒径5〜45nm、好ましくは5〜30nmのチタニア粒子(以下、単にチタニア粒子Aという)を外添する場合は、逆極性外添剤および同極性外添剤、またはそれらの予備混合物と、着色粒子とを混合する前に、チタニア粒子Aを添加してもよいし、またはそれらの混合後においてチタニア粒子Aを添加し、混合してもよい。
チタニア粒子Aは表面処理されていてもよいし、または表面処理されていなくてもよい。
チタニア粒子Aの添加量は特に制限されず、通常は着色粒子に対して0.01〜1重量%、特に0.05〜0.5重量%が好ましい。
チタニア粒子Aは市販品として入手可能である。
上記したトナーの製造方法において、逆極性外添剤および同極性外添剤の粒径、添加量比(Wa/Wb)および粒径比(Da/Db)を前記した範囲内で調整することによって、着色粒子表面の第1外添剤の凝集粒子の存在量を制御できる。
例えば、逆極性外添剤および同極性外添剤の粒径を小さくすると、当該存在量は多くなり、当該粒径を大きくすると、当該存在量は少なくなる。
また例えば、逆極性外添剤および同極性外添剤の添加量比(Wa/Wb)が約2/8からはずれるほど、当該存在量は多くなり、当該添加量比が約2/8に近づくほど、当該存在量は少なくなる。
また例えば、逆極性外添剤および同極性外添剤の粒径比(Da/Db)が約1からはずれるほど、当該存在量は多くなり、当該粒径比が約1に近づくほど、当該存在量は少なくなる。
[着色粒子]
着色粒子は規制部材またはキャリアとの摩擦接触によって負または正極性に帯電されるものであり、バインダー樹脂中に少なくとも着色剤および所望により負または正の荷電制御剤や離型剤等の添加剤が含有されてなるものである。着色粒子の帯電極性は、外添剤の代わりに着色粒子を用いること以外、前記した外添剤の帯電量の測定方法と同様の方法によって認識することができる。
着色粒子に含有されるバインダー樹脂は、トナーの分野で従来からトナー用バインダー樹脂として使用されているものが使用可能であり、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものが挙げられる。バインダー樹脂は、軟化点が90〜120℃の範囲、ガラス転移点が35〜55℃の範囲であることが好ましい。
着色粒子に含有される着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。
着色剤の添加量は着色粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
着色粒子中には、必要に応じて離型剤や荷電制御剤が含有されていてもよい。離型剤や荷電制御剤としては、各々、公知の種々の化合物を用いることができる。
着色粒子はトナーの分野で公知の製造方法、例えば、粉砕法等の乾式法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法等の湿式造粒法によって製造できる。中でも乳化凝集法によって得ることが好ましく、特に、ミニエマルション重合粒子を乳化重合によって多段重合構成とした樹脂粒子を、会合(凝集/融着)するミニエマルション重合凝集法によって得ることが粒度分布制御の観点より好ましい。
トナーの体積基準におけるメディアン径は、3〜8μmであることが好ましい。測定としては、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出できる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準におけるメディアン径とする。
[用途]
本発明のトナーは、現像ローラ上で規制部材によってトナー薄層を形成しながら帯電を行う、いわゆる非磁性一成分現像方式、またはキャリアとの混合によって帯電を行う、いわゆる二成分現像方式、いずれの現像方式においても有用である。特に本発明のトナーは、高速、高画質対応のため、二成分現像方式において好ましく用いることができる。
キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、20〜100μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの粒子径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外添剤の離脱防止や耐久性を確保でき、より好ましい。
<正帯電性外添剤の製造>
(無機微粒子A1)
攪拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールに、アンモニア水を加え攪拌し、20℃に保った。つぎにこの溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後さらに20℃にて5時間攪拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。つぎにこのシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に懸濁液中のシリカ粒子に対して40%のヘキサメチルジシラザンを加えた後、120℃で2時間反応させシリカの疎水化処理を行なった。その後、懸濁液を250℃に加熱し、トルエンを除去し、乾燥させたあと、スプレーノズルを使用してアミノ変性シリコーンオイルを噴霧し、攪拌を1時間継続し被覆処理した。目開き106μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、平均一次粒径100nmのゾルゲル法シリカ粒子を得た。このシリカ粒子を無機微粒子A1として用いた。この無機微粒子の帯電量を前記した方法により測定したところ、正極性であった。
(無機微粒子A2〜A8)
テトラエトキシシラン滴下後の撹拌時間を調整して、平均一次粒径を所定の値に制御したこと以外、無機微粒子A1の製造方法と同様の方法により、無機微粒子A2〜A8を得た。
これらの無機微粒子の平均一次粒径は以下の通りで帯電性は全て正極性を示した。
無機微粒子A2;90nm
無機微粒子A3;50nm
無機微粒子A4;110nm
無機微粒子A5;150nm
無機微粒子A6;40nm
無機微粒子A7;160nm
無機微粒子A8;75nm
<負帯電性外添剤の製造>
(無機微粒子B1)
攪拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールに、アンモニア水を加え攪拌し、20℃に保った。つぎにこの溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後さらに20℃にて5時間攪拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。つぎにこのシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に懸濁液中のシリカ粒子に対して40%のヘキサメチルジシラザンを加えた後、120℃で2時間反応させシリカの疎水化処理を行なった。その後、懸濁液を250℃に加熱し、トルエンを除去し、乾燥させたあと、目開き106μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、平均一次粒径100nmのゾルゲル法シリカ粒子を得た。このシリカ粒子を無機微粒子B1として用いた。この無機微粒子の帯電量を前記した方法により測定したところ、負極性であった。
(無機微粒子B2〜B8)
テトラエトキシシラン滴下後の撹拌時間を調整して、平均一次粒径を所定の値に制御したこと以外、無機微粒子B1の製造方法と同様の方法により、無機微粒子B2〜B8を得た。
これらの無機微粒子の平均一次粒径は以下の通りで帯電性は全て負極性を示した。
無機微粒子B2;90nm
無機微粒子B3;50nm
無機微粒子B4;110nm
無機微粒子B5;150nm
無機微粒子B6;40nm
無機微粒子B7;160nm
無機微粒子B8;75nm
<負帯電性着色粒子の製造>
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、再度液温80℃とし、スチレン480g、n−ブチルアクリレート250g、メタクリル酸68.0gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート16.0gよりなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1h)を含有する樹脂粒子分散液(1H)を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7gをイオン交換水800mlに溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、上記の樹脂粒子分散液(1H)260gと、スチレン245g、n−ブチルアクリレート120g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート1.5g、離型剤「HNP−11」67gを90℃にて溶解させた重合性単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子(1hm)を含有する樹脂粒子分散液(1HM)を調製した。
(第3段重合)
上記の樹脂粒子分散液(1HM)に過硫酸カリウム11gをイオン交換水400mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、スチレン435g、n−ブチルアクリレート130g、メタクリル酸33gおよびn−オクチル−3−メルカプトプロピオネート8gをからなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子aを含有する樹脂粒子分散液〔A〕を得た。この樹脂粒子分散液〔A〕における樹脂粒子aの粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で150nmであった。また、この樹脂粒子aのガラス転移点温度を測定したところ、45℃であった。
(着色剤微粒子の分散液)
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600mlに溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の分散液〔Bk〕を調製した。
(着色粒子)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂粒子分散液〔A〕を固形分換算で300gと、イオン交換水1400gと、着色剤微粒子の分散液〔Bk〕を120gと、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水120mlに溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35gをイオン交換水35mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加し、3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」にて会合粒子の粒径を測定し、所望の粒子径になった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度98℃にて加熱撹拌することにより、「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
上記の工程にて生成した着色粒子をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、着色粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、着色粒子〔Bk〕を得た。
<トナーの製造>
(実施例1)
無機微粒子A1と無機微粒子B1とを重量比2/8でヘンシェルミキサーにより1分間混合し、無機微粒子混合物を得た。
着色粒子100重量部に対して、無機微粒子混合物2重量部、および疎水性チタニア粒子(個数平均粒子径20nm、アナターゼ型結晶、n−ブチルトリメトキシシラン処理)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで20分間混合した。その後、疎水性シリカ粒子(個数平均粒子径10nm、ヘキサメチルジシラザン処理)1重量部を添加して、再度ヘンシェルミキサーで5分間混合してトナーを得た。
(実施例2〜7/比較例1〜6)
表に示す外添剤を所定の量および比率で使用したこと以外、実施例1と同様の方法によりトナーを得た。
(実施例8)
着色粒子100重量部に対して、無機微粒子A1を0.6重量部、無機微粒子B1を2.4重量部、および疎水性チタニア粒子(個数平均粒子径20nm、アナターゼ型結晶、n−ブチルトリメトキシシラン処理)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで20分間混合した。その後、疎水性シリカ粒子(個数平均粒子径10nm、ヘキサメチルジシラザン処理)1重量部を添加して、再度ヘンシェルミキサーで5分間混合してトナーを得た。
(実施例9)
疎水性チタニア粒子を添加しなかったこと以外、実施例1と同様の方法によりトナーを得た。
(比較例7)
疎水性シリカ粒子を、無機微粒子混合物および疎水性チタニア粒子と同時に、着色粒子に対して添加し、25分間混合したこと以外、実施例1と同様の方法によりトナーを得た。
(比較例8)
疎水性シリカ粒子を、無機微粒子A1、無機微粒子B1および疎水性チタニア粒子と同時に、着色粒子に対して添加し、25分間混合したこと以外、実施例8と同様の方法によりトナーを得た。
<現像剤の製造>
上記で得られた各トナーに、アクリル樹脂を被覆した体積メディアン径(D50)35μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が8重量%の現像剤を調製した。
<評価>
トナーのSEM画像を撮影して、第1外添剤の凝集粒子の存在量を前記した方法により測定した。
また、着色粒子1個あたりに着色粒子表面に存在する、「第1外添剤粒子が2個以上含まれ、かつ最大粒径が2000nm以下の凝集粒子」、「第1外添剤の一次粒子」および「1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子」の総数を、前記した方法により求めた。
(階調再現性)
各実施例/比較例で得られた現像剤をデジタルカラー複合機bizhubC550(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に搭載し、20℃50%RHの環境で、黒トナー単色にて印字率5%の文字チャートをA4版上質紙(64g/m)に10万枚耐刷し、初期および耐久後の画像の階調再現性について評価した。
階調再現性は、耐刷前後で印字率が25%、50%の網点画像、および100%のベタ画像を出力し、各濃度における耐久後画像濃度/初期画像濃度の比を算出してその変動が90%以上100%以下で◎、80%以上90%未満で○、70%以上80%未満で△、70%未満で×として評価を行った。
Figure 2010134220
Figure 2010134220
本発明に係るトナーのSEM画像の一例の模式図を示す。
符号の説明
1:外添剤、1A:第1外添剤の凝集粒子、1B:第1外添剤の一次粒子、1C:1個の第1外添剤粒子と1またはそれ以上の第2外添剤粒子とからなる凝集粒子、1D:第2外添剤粒子のみからなる凝集粒子、2:着色粒子。

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する着色粒子および該着色粒子に外添される外添剤を含む静電荷現像用トナーであって、着色粒子表面において、少なくとも一次粒径50〜150nmの第1外添剤が2個以上凝集してなる凝集粒子が、着色粒子表面に存在する全第1外添剤に対して5〜30個数%存在することを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 第1外添剤の凝集粒子の最大粒径が2000nm以下である請求項1に記載の静電荷現像用トナー。
  3. 着色粒子に対して、少なくとも平均一次粒径50〜150nmであって、着色粒子の帯電極性とは逆極性に帯電される逆極性外添剤、および平均一次粒径50〜150nmであって、着色粒子の帯電極性と同極性に帯電される同極性外添剤を外添して得られる請求項1または2に記載の静電荷現像用トナー。
  4. 逆極性外添剤の添加量Waと同極性外添剤の添加量Wbとの添加量比(Wa/Wb)が重量比で1/9〜4/6である請求項3に記載の静電荷現像用トナー。
  5. 逆極性外添剤の平均一次粒径Daと同極性外添剤の平均一次粒径Dbとの粒径比(Da/Db)が0.80〜1.25である請求項3に記載の静電荷現像用トナー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2395051A1 (en) 2010-06-11 2011-12-14 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition and paper feed roller
JP2013105153A (ja) * 2011-11-16 2013-05-30 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP2015084095A (ja) * 2013-09-20 2015-04-30 キヤノン株式会社 トナーおよび二成分系現像剤
JP2016061998A (ja) * 2014-09-19 2016-04-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成方法、並びに、画像形成装置

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