JP2018190964A - 光電変換膜、並びにそれを用いた光電変換素子および撮像装置 - Google Patents

光電変換膜、並びにそれを用いた光電変換素子および撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より波長の長い近赤外光領域において光吸収特性を有する光電変換膜、光電変換素子および撮像装置を提供する。【解決手段】光電変換膜は、下記一般式で表される化合物を含む。但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、R1からR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。【選択図】なし

Description

本開示は、光電変換膜、光電変換素子および撮像装置に関する。
有機半導体材料は、シリコンなどの従来の無機半導体材料にはない物性、機能等を備える。このため、新しい半導体デバイス及び電子機器を実現し得る半導体材料として、近年有機半導体材料が活発に研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
例えば、有機半導体材料として特定の化学構造を有する置換ナフタロシアニン系化合物を用いることにより、光電変換機能を示す有機光電変換素子が、特許文献1に開示されている。
また、有機半導体材料を薄膜化し、光電変換材料として用いることにより、光電変換素子を実現することが研究されている。有機薄膜を用いた光電変換素子は、光によって発生する電荷をエネルギーとして取り出すことにより太陽電池として利用することができる(例えば、非特許文献2参照)。
その他、特許文献2に記載されているように、光電変換素子等の各種有機電子デバイスにおいても、赤外領域において光吸収および光電変換特性を示す高性能な有機半導体材料が求められている。
また、光の利用効率を高めるために、それぞれ青、緑、赤の異なる波長の光を吸収する3つの光導電膜を積層配置した固体撮像装置が、特許文献3に開示されている。
特開2010−232410号公報 特許第5216279号公報 特開2003−234460号公報
JANA ZAUMSEIL et al., "Electron and Ambipolar Transport in Organic Field−Effect Transistors", Chemical Reviews, American Chemical Society, 2007年, vol.107, No.4, pp.1296−1323 SERAP GUNES et al., "Conjugated Polymer−Based Organic Solar Cells", Chemical Reviews, American Chemical Society, 2007年, vol.107, No.4, pp.1324−1338
本開示は、より波長の長い近赤外光領域において光吸収特性を有する光電変換膜、光電変換素子および撮像装置を提供する。
本開示の一態様に係る光電変換膜は、下記一般式で表される化合物を含む。
Figure 2018190964
但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
本開示によれば、より波長の長い近赤外光領域において光吸収特性を有する光電変換膜、光電変換素子および撮像装置が提供される。
図1Aは、実施の形態に係る光電変換素子の一例を示す概略断面図である。 図1Bは、実施の形態に係る光電変換素子の他の例を示す概略断面図である。 図2は、図1Bに示す光電変換素子における例示的なエネルギーバンド図である。 図3は、実施の形態に係る撮像装置の回路構成の一例を示す図である。 図4は、実施の形態に係る撮像装置における単位画素セルのデバイス構造の一例を示す概略断面図である。 図5Aは、実施例3に係る吸収スペクトルの図である。 図5Bは、実施例4に係る吸収スペクトルの図である。 図5Cは、比較例2に係る吸収スペクトルの図である。 図6は、実施例5、実施例6、比較例3で得られた光電変換素子の分光感度特性の測定結果を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
有機半導体材料では、使用する有機化合物の分子構造を変えると、エネルギー準位が変化し得る。このため、例えば、有機半導体材料を光電変換材料として用いる場合、吸収波長の制御が可能であり、シリコン(Si)が感度を有さない近赤外光領域においても感度を持たせることができる。つまり、有機半導体材料を用いれば、従来、光電変換に用いられることのなかった波長領域の光を活用することが可能であり、太陽電池の高効率化及び近赤外光領域での光センサを実現することが可能となる。このため、近年、近赤外領域に感度を有する有機半導体材料を用いた光電変換素子および撮像素子が活発に検討されている。
近赤外に感度を有する有機半導体材料として、フタロシアニン、ナフタロシアニン誘導体が知られているが、その吸収波長は850nm以下であり、更なる長波長化が求められている。
また、有機光電変換膜を有機薄膜太陽電池として用いる場合、短絡電流、開放電圧、フィルファクターがデバイス特性のキーファクターであるのに対し、撮像素子として使用する場合には、分光感度、暗電流、高速応答性、高輝度残像、逆バイアス電圧−感度特性など、有機薄膜太陽電池と比べて、求められる特性は大きく異なる。フタロシアニン、ナフタロシアニン誘導体を有機撮像素子の光電変換層として用いる場合においても、これら諸特性を考慮した材料設計(例えば、分子軌道制御及び移動度制御)が行われる。
近年、近赤外で感度を有する撮像素子が検討されており、フタロシアニン、ナフタロシアニン誘導体はπ−π相互作用に起因する分子間相互作用が強いことから有力な候補となる。しかしながら、その吸収極大は850nm程度であり、更なる長波長化と撮像素子特性とを両立する分子構造が求められている。
特許文献1の光電変換素子は、可視近辺での光に対して感度を有しているが、具体的な波長の記載はない。特許文献2の有機半導体材料は、770nm<λmax<830nmであり、素子化した場合の外部量子効率は最も高いもので19%である。また、特許文献3の赤色の波長の光を吸収する光導電膜では、600nmから700nmを中心とする略赤色領域全般のみに光感度を有している。
したがって、従来技術では、900nm以上の近赤外光領域において光吸収特性を有する光電変換膜が得られてない。
発明者らは、フタロシアニン、ナフタロシアニン環の電子状態を制御することにより、有機光電変換膜の応答波長を制御することができることを見出した。
本開示では、より波長の長い近赤外領域において光吸収特性を有する光電変換膜、光電変換素子および撮像装置を提供する。
本開示の一態様に係る光電変換膜は、下記一般式で表される化合物を含む。
Figure 2018190964
但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換膜は、上記一般式で表される化合物を含むため、より波長の長い近赤外領域において光吸収特性を有することができる。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換膜は、イオン化ポテンシャルが5.3eV以上であってもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換膜では、暗電流が抑制される。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換膜は、近赤外波長領域に吸収波長のピークを有していてもよい。例えば、前記吸収波長の前記ピークの位置が900nm以上であってもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換膜は、より波長の長い近赤外領域において光吸収特性を有することができる。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換膜は、上記一般式において、MはSnであり、XはOであり、RからRはエチル基であってもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換素子では、光電変換膜は近赤外光領域において高い光吸収特性を有し、かつ、暗電流を抑制することができる。そのため、本開示の一態様に係る光電変換素子は、近赤外光領域の広い範囲において高い光電変換効率を発現することができる。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換膜は、n型有機半導体材料をさらに含み、前記n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つを含んでもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換膜は、ドナーおよびアクセプター間の電子移動がスムーズに行われるため、より高い光電変換効率を得ることができる。
例えば、本開示の一態様に係る光電変換膜は、さらに、p型有機半導体材料を含み、前記光電変換膜中の前記p型有機半導体材料の体積比率に比べて、前記光電変換膜中の前記n型有機半導体材料の体積比率が4から20倍であってもよい。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換膜は、暗電流の抑制と近赤外光領域における感度とを両立させることができる。
また、本開示の一態様に係る光電変換素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた、上記の光電変換膜を備える。
これにより、本開示の一態様に係る光電変換素子は、より波長の長い近赤外光領域において光吸収特性を有することができる。
また、本開示の一態様に係る撮像装置は、基板と、単位画素セルと、を備え、前記単位画素セルは、前記基板に設けられた電荷検出回路、前記基板上に設けられた光電変換部、および前記電荷検出回路と前記光電変換部とに電気的に接続された電荷蓄積ノードを含み、前記光電変換部は上記の光電変換素子を含む。
これにより、本開示の一態様に係る撮像装置は、より波長の長い近赤外光領域において光吸収特性を有することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
(実施の形態)
以下、本開示に係る光電変換膜、光電変換素子および撮像装置の実施形態について説明する。
[光電変換膜]
図1Aは、本実施の形態に係る光電変換素子10Aの概略断面図であり、図1Bは、本実施の形態に係る光電変換素子10Bの概略断面図である。図1Aおよび図1Bに示すように、本実施の形態に係る光電変換膜3は、第1の電極の一例である下部電極2と、第2の電極の一例である上部電極4との間に配置される。
まず、本実施の形態に係る光電変換膜3に含まれる化合物について説明する。本実施の形態に係る光電変換膜は、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 2018190964
上記一般式(1)において、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
本実施の形態では、上記一般式(1)で表される化合物のRからRがそれぞれ独立なアルキル基であることにより、900nm以上に吸収波長のピークを有する。すなわち、RからRにアルキル基を有さない化合物に比べて、高波長側に吸収ピークを有し、近赤外光領域の広範囲に亘り高い光吸収特性を有することができる。
また、RからR14は、同じであっても異なってもよく、それぞれ独立なアルキル基である。RからR14は、アルキル基であれば特に限定されず、直鎖、分岐、もしくは環状の無置換または置換のアルキル基を含んでもよい。
無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、およびn−ドデシル基等の直鎖のアルキル基、イソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、iso−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、iso−オクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、iso−デシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、iso−ウンデシル基、sec−ウンデシル基、tert−ウンデシル基、iso−ドデシル基、sec−ドデシル基、およびtert−ドデシル基等の分岐鎖アルキル基、または、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、およびシクロドデシル基等の環状アルキル基が挙げられる。
上記アルキル基は、さらに置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、シリル基、エステル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびその他の公知の置換基が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、例えば、ω−ブロモアルキル基、パーフルオロアルキル基などが挙げられる。水酸基で置換されたアルキル基としては、メチロール基、ブチロール基等を挙げられる。アミノ基で置換されたアルキル基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基等の1級または2級のアミノ基が挙げられる。チオール基で置換されたアルキル基としては、例えば、メルカプト基、アルキルチオ基等が挙げられる。シリル基で置換されたアルキル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルtert−ブチルシリル基等が挙げられる。エステル基で置換されたアルキル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
なお、分子量の観点から、RからR14は炭素数12以下のアルキル基であってもよい。また、RからRについては、光電変換効率の観点から、炭素数が少なくてもよく、例えば、炭素数2のエチル基であってもよい。
また、上記一般式(1)で表される化合物は、中心金属Mを有し、分子平面に対して上下に2つの軸配位子を有する軸配位子型の構造を有することにより、分子間相互作用が緩和され、蒸着が容易になる。また、上記一般式(1)で表される化合物は電子吸引性の軸配位子を有しているため、ナフタロシアニン環の電子密度が低下し、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位およびLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位が共に深くなる。さらに、電子供与性のα位側鎖を有することにより、LUMO準位のみが低下する。これらを組み合わせると、LUMOエネルギー準位の下げ幅がHOMOエネルギー準位の下げ幅よりも大きくなるため、HOMO準位を大きくすると同時に、エネルギーギャップ(Eg)が狭くなる。これにより、近赤外吸収と低暗電流を実現できる。
上記一般式(1)中、MはSiおよびSnのいずれかであり、合成の容易性の観点から、MはSnであってもよい。
また、上記一般式(1)中、XはOまたはSのいずれかであり、合成の容易性の観点から、Oであってもよい。
例えば、本実施の形態に係る光電変換膜3は、下記一般式(2)で表される化合物を含んでもよい。
Figure 2018190964
但し、式中、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
なお、RからR14については、上述したとおりであるため、ここでの説明を省略する。
以下、本実施の形態における上記一般式(1)および(2)で表される化合物の合成法について説明する。
上記一般式(1)および(2)で表される化合物のナフタロシアニン環形成反応は、白井汪芳、小林長夫編・著「フタロシアニン−化学と機能−」(アイピーシー社、1997年刊)の第1から62頁、廣橋亮、坂本恵一、奥村映子編「機能性色素としてのフタロシアニン」(アイピーシー社、2004年刊)の第29から77頁に準じて行うことができる。
ナフタロシアニン誘導体の代表的な合成方法としては、上記の文献に記載のワイラー法、フタロニトリル法、リチウム法、サブフタロシアニン法、および塩素化フタロシアニン法などが挙げられる。本実施の形態では、ナフタロシアニン環形成反応において、いかなる反応条件を用いてもよい。環形成反応においては、ナフタロシアニンの中心金属となるSnまたはSi等の金属を添加するとよいが、中心金属を持たないナフタロシアニン誘導体を合成後に、所望の金属を導入してもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよいが、高沸点の溶媒であるとよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いてもよく、特に、塩基を用いるとよい。最適な反応条件は、目的とするナフタロシアニン誘導体の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
上記のナフタロシアニン誘導体の合成に使用する原料としては、無水ナフタル酸、ナフタルイミド、ナフタル酸およびその塩、ナフタル酸ジアミド、ナフタロニトリル、1,3−ジイミノベンゾイソインドリンなどの誘導体を用いることができる。これらの原料は公知のいかなる方法で合成してもよい。
光電変換膜3は、上記一般式(1)または(2)で表される化合物を含み、下記の方法により作製される。
光電変換膜3の作製方法は、例えば、スピンコート等による塗布法、または、真空下で加熱することにより膜の材料を気化し、基板上に堆積させる真空蒸着法などを用いることができる。不純物の混入を防止し、高機能化のための多層化をより自由度を持って行うことを考慮する場合には、真空蒸着法を用いてもよい。蒸着装置は市販の装置を用いてもよい。蒸着中の蒸着源の温度は、例えば、100℃から500℃である。蒸着中の蒸着源の温度は、150℃から400℃であってもよい。蒸着時の真空度は、例えば、1×10−6Paから1Paである。蒸着時の真空度は、1×10−6Paから1×10−4Paであってもよい。また、蒸着源に金属微粒子等を添加して蒸着速度を高める方法を用いてもよい。
光電変換膜3の材料の配合割合は、塗布法では重量比、蒸着法では体積比で示される。より具体的には塗布法では、溶液調整時の各材料の重量で配合割合を規定し、蒸着法では蒸着時に膜厚計で各材料の蒸着膜厚をモニタリングしながら各材料の配合割合を規定する。
また、本実施の形態に係る光電変換膜3は、上述した化合物の他に、n型有機半導体を含んでいてもよい。この場合、光電変換膜3は、さらに、p型有機半導体を含んでいてもよい。すなわち、光電変換膜3は、バルクヘテロ接合構造層であってもよい。なお、上記バルクへテロ接合構造層については、特許第5553727号公報においてバルクヘテロ型活性層について詳細に説明されているとおりである。
バルクへテロ接合構造層では、p型半導体とn型半導体とが接触することにより暗状態においても電荷が発生する場合がある。そのため、p型半導体とn型半導体との接触を少なくすることにより暗電流を抑制することができる。電荷移動度の観点から、バルクヘテロ接合構造層がフラーレン誘導体等のn型半導体を多く含む場合、素子抵抗を抑制することができる。この場合、バルクヘテロ接合構造層におけるp型半導体に対するn型半導体の体積比、および重量比率は4倍以上であってもよい。しかしながら、バルクヘテロ接合構造層において、p型半導体の割合が少なくなると、近赤外光領域における感度が低下する。そのため、感度の観点から、バルクヘテロ接合構造層において、p型半導体に対するn型半導体の体積比率が大きすぎないことがよく、20倍以下であってもよい。したがって、バルクヘテロ接合構造層におけるp型有機半導体に対するn型有機半導体の体積比率が4倍以上20倍以下であれば、暗電流の抑制と近赤外光領域における感度とを両立させることができる(特開2016−225456号公報参照)。
有機化合物のp型半導体は、ドナー性有機半導体であり、主に、正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機半導体は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、アクセプター性有機半導体として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
有機化合物のn型半導体は、アクセプター性有機半導体であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、フラーレン、フラーレン誘導体、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピロリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
また、光電変換膜3は、図1Bに示すように、p型半導体層7およびn型半導体層8の間に配置され、光電変換層3Aを構成してもよい。p型半導体層7及びn型半導体層8は、それぞれ正孔輸送層及び電子輸送層として機能する。
ここで、p型半導体層7に含まれるp型半導体、およびn型半導体層8に含まれるn型半導体の少なくともいずれかが上述した有機半導体であってもよい。
また、光電変換層3Aでは、光電変換膜3は、p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層であってもよい。光電変換層3Aは、バルクへテロ接合構造層を含むことにより、光電変換層3Aにおけるキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。
光電変換膜3がバルクヘテロ接合構造層である場合、光電変換層3Aは、バルクヘテロ接合構造層をp型半導体層7およびn型半導体層8で挟むことにより、バルクヘテロ接合構造層である光電変換膜3よりも正孔および電子の整流性が高くなり、電荷分離した正孔および電子の再結合等によるロスが低減され、さらに高い光電変換率を得ることができる。
[光電変換素子]
以下、本実施の形態に係る光電変換素子について図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、本実施の形態に係る光電変換素子10Aの一例を示す概略断面図である。
本実施の形態に係る光電変換素子10Aは、上述した化合物を含む光電変換膜3を備える。図1Aに示すように、光電変換素子10Aは、例えば、下部電極2と、上部電極4と、下部電極2および上部電極4に挟まれた光電変換膜3とを備える。
本実施の形態に係る光電変換素子10Aは、例えば、支持基板1に支持されている。支持基板1は、近赤外光に対して透明であり、支持基板1を介して光電変換素子10Aに光が入射する。支持基板1は、一般的な光電変換素子にて使用される基板であればよく、例えば、ガラス基板、石英基板、半導体基板、または、プラスチック基板等であってもよい。なお、「近赤外光に対して透明である」とは、近赤外光に対して実質的に透明であることをいい、例えば、近赤外光領域の光の透過率が60%以上である。近赤外光領域の光の透過率が、80%以上であってもよく、90%以上であってもよい。
以下、本実施の形態に係る光電変換素子10Aの各構成要素について説明する。なお、光電変換膜3については、上述したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
上部電極4および下部電極2の少なくとも一方は、近赤外光に対して透明な導電性材料で構成された透明電極である。下部電極2および上部電極4には配線(不図示)によってバイアス電圧が印加される。例えば、バイアス電圧は、光電変換膜3で発生した電荷のうち、電子が上部電極4に移動し、正孔が下部電極2に移動するように、極性が設定される。また、光電変換膜3で発生した電荷のうち、正孔が上部電極4に移動し、電子が下部電極2に移動するように、バイアス電圧を設定してもよい。
また、バイアス電圧は、光電変換素子10Aに生じる電界、すなわち、印加する電圧値を下部電極2と上部電極4との間の距離で割った値の強さが、1.0×10V/cmから1.0×10V/cmの範囲内となるように印加されるとよく、1.0×10V/cmから1.0×10V/cmの範囲内であってもよい。このようにバイアス電圧の大きさを調整することにより、上部電極4に電荷を効率的に移動させ、電荷に応じた信号を外部に取り出すことが可能となる。
下部電極2および上部電極4の材料としては、近赤外光領域の光の透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(TCO;Transparent Conducting
Oxide)を用いてもよい。Auなどの金属薄膜を透明電極として用いることもできるが、近赤外光領域の光の透過率を90%以上得ようとすると、透過率を60%から80%得られるように透明電極を作製した場合に比べ、抵抗値が極端に増大することがある。そのため、Auなどの金属材料よりもTCOの方が近赤外光に対する透明性が高く、かつ、抵抗値が小さい透明電極を得ることができる。TCOは、特に限定されないが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum−doped Zinc Oxide)、FTO(Fluorine−doped Tin Oxide)、SnO、TiO、ZnO等が挙げられる。なお、下部電極2および上部電極4は、所望の透過率に応じて、適宜、TCOおよびAuなどの金属材料を単独または複数組み合わせて作製してもよい。
なお、下部電極2および上部電極4の材料は、上述した近赤外光に対して透明な導電性材料に限られず、他の材料を用いてもよい。
下部電極2および上部電極4の作製には、使用する材料によって種々の方法が用いられる。例えばITOを使用する場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、ゾル−ゲル法などの化学反応法、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法を用いてもよい。この場合、ITO膜を成膜した後に、さらに、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施してもよい。
光電変換素子10Aによれば、支持基板1および下部電極2を介して入射した近赤外光によって、光電変換膜3において、光電変換が生じる。これにより生成した正孔電子対のうち、正孔は下部電極2に集められ、電子は上部電極4に集められる。よって、例えば、下部電極2の電位を測定することによって、光電変換素子10Aに入射した近赤外光を検出することができる。
なお、光電変換素子10Aは、さらに、後述する電子ブロッキング層5および正孔ブロッキング層6を備えてもよい。電子ブロッキング層5および正孔ブロッキング層6により光電変換膜3を挟むことにより、下部電極2から光電変換膜3に電子が注入されること、および、上部電極4から光電変換膜3に正孔が注入されることを抑制することができる。これにより、暗電流を抑制することができる。なお、電子ブロッキング層5および正孔ブロッキング層6については、後述するため、ここでの説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る光電変換素子の他の例について図1Bおよび図2を用いて説明する。図1Bは、本実施の形態に係る光電変換素子の他の例である光電変換素子10Bを示す概略断面図である。図2は、図1Bに示す構成を備える光電変換素子10Bの模式的なエネルギーバンドの一例を示す。
なお、図1Bに示す光電変換素子10Bにおいて、図1Aに示す光電変換素子10Aと同じ構成要素には同じ参照符号を付している。また、光電変換層3Aについては、上述したとおりであるため、ここでの説明は省略する。
図1Bに示すように、光電変換素子10Bは、少なくとも、下部電極2、上部電極4、および下部電極2と上部電極4との間に配置される光電変換層3Aを備えている。さらに、光電変換素子10Bは、下部電極2と光電変換層3Aとの間に配置される電子ブロッキング層5、および上部電極4と光電変換層3Aとの間に配置される正孔ブロッキング層6を備える。
電子ブロッキング層5は、下部電極2から電子が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、下部電極2から電子が光電変換層3Aに注入されることを抑制する。電子ブロッキング層5には上述のp型半導体あるいは正孔輸送性有機化合物を用いることもできる。図2に示すように、電子ブロッキング層5は、光電変換層3Aのp型半導体層7よりも低いHOMOエネルギー準位および高いLUMOエネルギー準位を有する。言い換えると、光電変換層3Aは電子ブロッキング層5との界面近傍において、電子ブロッキング層5よりも高いHOMOエネルギー準位および電子ブロッキング層5よりも低いLUMOエネルギー準位を有する。
正孔ブロッキング層6は、上部電極4から正孔が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、上部電極4からの正孔が光電変換層3Aに注入されることを抑制する。正孔ブロッキング層6の材料は、例えば、銅フタロシアニン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(PTCDA)、アセチルアセトネート錯体、バトクプロイン(BCP)、およびトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)などの有機物、もしくは、有機−金属化合物、または、MgAg、およびMgOなどの無機物を用いてもよい。また、正孔ブロッキング層6は、光電変換膜3の光吸収を妨げないために、近赤外光の透過率が高くてもよく、可視域に吸収を持たない材料を選択してもよく、正孔ブロッキング層6の厚さを小さくしてもよい。正孔ブロッキング層6の厚さは、光電変換層3Aの構成、上部電極4の厚さ等に依存するが、例えば、2から50nmの厚さであってもよい。正孔ブロッキング層6は上述のn型半導体あるいは電子輸送性有機化合物を用いることもできる。
電子ブロッキング層5を設ける場合、下部電極2の材料には、上述した材料の中から電子ブロッキング層5との密着性、電子親和力、イオン化ポテンシャル、及び安定性等を考慮して選ばれる。なお、上部電極4についても同様である。
図2に示すように、上部電極4の仕事関数が比較的大きい(例えば、4.8eV)と、バイアス電圧印加時に正孔が光電変換膜3へと移動する際の障壁が低くなる。そのため、上部電極4から光電変換層3Aへの正孔注入が起こりやすくなり、結果として暗電流が大きくなると考えられる。本実施の形態では正孔ブロッキング層6を設けているため暗電流が抑制されている。
[撮像装置]
本実施の形態に係る撮像装置について図3および図4を用いて説明する。図3は本実施の形態に係る撮像装置100の回路構成の一例を示す図である。図4は、本実施の形態に係る撮像装置100における単位画素セル24のデバイス構造の一例を示す概略断面図である。
本実施の形態に係る撮像装置100は、基板(以下、半導体基板40)と、半導体基板40に設けられた電荷検出回路35、半導体基板40上に設けられた光電変換部10C、および電荷検出回路35と光電変換部10Cとに電気的に接続された電荷蓄積ノード34を含む単位画素セル24と、を備え、単位画素セル24の光電変換部10Cは上記光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bを含む。
図3に示すように、撮像装置100は、複数の単位画素セル24と周辺回路とを備えている。撮像装置100は、1チップの集積回路で実現される有機イメージセンサであり、2次元に配列された複数の単位画素セル24を含む画素アレイを有する。
複数の単位画素セル24は、半導体基板40上に2次元、すなわち行方向および列方向に配列されて、画素領域である感光領域を形成している。図3では、単位画素セル24は、2行2列のマトリクス状に配列される例を示している。なお、図3では、図示の便宜上、単位画素セル24の感度を個別に設定するための回路(例えば、画素電極制御回路)の図示を省略している。また、撮像装置100は、ラインセンサであってもよい。その場合、複数の単位画素セル24は、1次元に配列されていてもよい。なお、本明細書において、行方向および列方向とは、行および列がそれぞれ伸びる方向をいう。つまり、垂直方向が列方向であり、水平方向が行方向である。
各単位画素セル24は、光電変換部10Cと、電荷検出回路35とに電気的に接続された電荷蓄積ノード34とを含む。電荷検出回路35は、増幅トランジスタ21と、リセットトランジスタ22と、アドレストランジスタ23とを含む。
光電変換部10Cは画素電極として設けられた下部電極2および対向電極として設けられた上部電極4を含む。光電変換部10Cは、上述した光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bを含んでいてもよい。上部電極4には、対向電極信号線26を介して所定のバイアス電圧が印加される。
下部電極2は、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gに接続され、下部電極2によって集められた信号電荷は、下部電極2と増幅トランジスタ21のゲート電極21Gとの間に位置する電荷蓄積ノード34に蓄積される。本実施の形態では、信号電荷は正孔であるが、信号電荷は電子であってもよい。
電荷蓄積ノード34に蓄積された信号電荷は、信号電荷の量に応じた電圧として増幅トランジスタ21のゲート電極21Gに印加される。増幅トランジスタ21は、この電圧を増幅し、信号電圧として、アドレストランジスタ23によって、選択的に読み出される。リセットトランジスタ22は、そのソース/ドレイン電極が、下部電極2に接続されており、電荷蓄積ノード34に蓄積された信号電荷をリセットする。換言すると、リセットトランジスタ22は、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gおよび下部電極2の電位をリセットする。
複数の単位画素セル24において上述した動作を選択的に行うために、撮像装置100は、電源配線31と、垂直信号線27と、アドレス信号線36と、リセット信号線37とを有し、これらの線が各単位画素セル24にそれぞれ接続されている。具体的には、電源配線31は、増幅トランジスタ21のソース/ドレイン電極に接続され、垂直信号線27は、アドレストランジスタ23のソース/ドレイン電極に接続される。アドレス信号線36はアドレストランジスタ23のゲート電極23Gに接続される。またリセット信号線37は、リセットトランジスタ22のゲート電極22Gに接続される。
周辺回路は、垂直走査回路25と、水平信号読出し回路20と、複数のカラム信号処理回路29と、複数の負荷回路28と、複数の差動増幅器32とを含む。垂直走査回路25は行走査回路とも称される。水平信号読出し回路20は列走査回路とも称される。カラム信号処理回路29は行信号蓄積回路とも称される。差動増幅器32はフィードバックアンプとも称される。
垂直走査回路25は、アドレス信号線36およびリセット信号線37に接続されており、各行に配置された複数の単位画素セル24を行単位で選択し、信号電圧の読出しおよび下部電極2の電位のリセットを行う。ソースフォロア電源である電源配線31は、各単位画素セル24に所定の電源電圧を供給する。水平信号読出し回路20は、複数のカラム信号処理回路29に電気的に接続されている。カラム信号処理回路29は、各列に対応した垂直信号線27を介して、各列に配置された単位画素セル24に電気的に接続されている。負荷回路28は、各垂直信号線27に電気的に接続されている。負荷回路28と増幅トランジスタ21とは、ソースフォロア回路を形成する。
複数の差動増幅器32は、各列に対応して設けられている。差動増幅器32の負側の入力端子は、対応した垂直信号線27に接続されている。また、差動増幅器32の出力端子は、各列に対応したフィードバック線33を介して単位画素セル24に接続されている。
垂直走査回路25は、アドレス信号線36によって、アドレストランジスタ23のオンおよびオフを制御する行選択信号をアドレストランジスタ23のゲート電極23Gに印加する。これにより、読出し対象の行が走査され、選択される。選択された行の単位画素セル24から垂直信号線27に信号電圧が読み出される。また、垂直走査回路25は、リセット信号線37を介して、リセットトランジスタ22のオンおよびオフを制御するリセット信号をリセットトランジスタ22のゲート電極22Gに印加する。これにより、リセット動作の対象となる単位画素セル24の行が選択される。垂直信号線27は、垂直走査回路25によって選択された単位画素セル24から読み出された信号電圧をカラム信号処理回路29へ伝達する。
カラム信号処理回路29は、相関二重サンプリングに代表される雑音抑圧信号処理およびアナログ−デジタル変換(AD変換)などを行う。
水平信号読出し回路20は、複数のカラム信号処理回路29から水平共通信号線(不図示)に信号を順次読み出す。
差動増幅器32は、フィードバック線33を介してリセットトランジスタ22のドレイン電極に接続されている。したがって、差動増幅器32は、アドレストランジスタ23とリセットトランジスタ22とが導通状態にあるときに、アドレストランジスタ23の出力値を負端子に受ける。増幅トランジスタ21のゲート電位が所定のフィードバック電圧となるように、差動増幅器32はフィードバック動作を行う。このとき、差動増幅器32の出力電圧値は、0Vまたは0V近傍の正電圧である。フィードバック電圧とは、差動増幅器32の出力電圧を意味する。
図4に示すように、単位画素セル24は、半導体基板40と、電荷検出回路35と、光電変換部10Cと、電荷蓄積ノード34とを含む。
半導体基板40は、感光領域が形成される側の表面に半導体層が設けられた絶縁性基板等であってもよく、例えば、p型シリコン基板である。半導体基板40は、不純物領域(ここではn型領域)21D、21S、22D、22S、23Sと、単位画素セル24間の電気的な分離のための素子分離領域41と、を有する。ここでは、素子分離領域41は、不純物領域21Dと不純物領域22Dとの間にも設けられている。これにより、電荷蓄積ノード34で蓄積される信号電荷のリークが抑制される。なお、素子分離領域41は、例えば、所定の注入条件の下でアクセプターのイオン注入を行うことによって形成される。
不純物領域21D、21S、22D、22S、23Sは、典型的には、半導体基板40内に形成された拡散層である。図4に示すように、増幅トランジスタ21は、不純物領域21S、21Dと、ゲート電極21Gと、を含む。不純物領域21Sおよび不純物領域21Dは、それぞれ、増幅トランジスタ21の例えばソース領域およびドレイン領域として機能する。不純物領域21Sおよび不純物領域21Dの間に、増幅トランジスタ21のチャネル領域が形成される。
同様に、アドレストランジスタ23は、不純物領域23S、21Sと、アドレス信号線36に接続されたゲート電極23Gと、を含む。この例では、増幅トランジスタ21およびアドレストランジスタ23は、不純物領域21Sを共有することによって互いに電気的に接続されている。不純物領域23Sは、アドレストランジスタ23の例えばソース領域として機能する。不純物領域23Sは、図3に示す垂直信号線27との接続を有する。
リセットトランジスタ22は、不純物領域22D、22Sと、リセット信号線37に接続されたゲート電極22Gと、を含む。不純物領域22Sは、リセットトランジスタ22の例えばソース領域として機能する。不純物領域22Sは、図3に示すリセット信号線37との接続を有する。
半導体基板40上には、増幅トランジスタ21、アドレストランジスタ23およびリセットトランジスタ22を覆うように層間絶縁層50が積層されている。
また、層間絶縁層50中には、配線層(不図示)が配置され得る。配線層は、典型的には、銅などの金属から形成され、例えば、上述の垂直信号線27などの配線をその一部に含み得る。層間絶縁層50中の絶縁層の層数、および、層間絶縁層50中に配置される配線層に含まれる層数は、任意に設定可能である。
層間絶縁層50中には、リセットトランジスタ22の不純物領域22Dと接続されたコンタクトプラグ54、増幅トランジスタ21のゲート電極21Gと接続されたコンタクトプラグ53、下部電極2と接続されたコンタクトプラグ51、およびコンタクトプラグ51とコンタクトプラグ54とコンタクトプラグ53とを接続する配線52が配置されている。これにより、リセットトランジスタ22の不純物領域22Dが増幅トランジスタ21のゲート電極21Gと電気的に接続されている。
電荷検出回路35は、下部電極2によって捕捉された信号電荷を検出し、信号電圧を出力する。電荷検出回路35は、増幅トランジスタ21と、リセットトランジスタ22と、アドレストランジスタ23とを含み、半導体基板40に形成されている。
増幅トランジスタ21は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域21Dおよび不純物領域21Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層21Xと、ゲート絶縁層21X上に形成されたゲート電極21Gと、を含む。
リセットトランジスタ22は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域22Dおよび不純物領域22Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層22Xと、ゲート絶縁層22X上に形成されたゲート電極22Gと、を含む。
アドレストランジスタ23は、半導体基板40内に形成され、それぞれドレイン電極およびソース電極として機能する不純物領域21Sおよび不純物領域23Sと、半導体基板40上に形成されたゲート絶縁層23Xと、ゲート絶縁層23X上に形成されたゲート電極23Gと、を含む。不純物領域21Sは、増幅トランジスタ21とアドレストランジスタ23とに共用されており、これにより、増幅トランジスタ21とアドレストランジスタ23とが直列に接続される。
層間絶縁層50上には、上述の光電変換部10Cが配置される。換言すれば、本実施の形態では、画素アレイを構成する複数の単位画素セル24が、半導体基板40上に形成されている。そして、半導体基板40上に2次元に配列された複数の単位画素セル24は、感光領域を形成する。隣接する2つの単位画素セル24間の距離(画素ピッチ)は、例えば2μm程度であってもよい。
光電変換部10Cは、上述した光電変換素子10Aまたは光電変換素子10Bの構造を備える。
光電変換部10Cの上方には、カラーフィルタ60、その上方にマイクロレンズ61が設けられている。カラーフィルタ60は、例えば、パターニングによるオンチップカラーフィルタとして形成され、染料または顔料が分散された感光性樹脂等が用いられる。マイクロレンズ61は、例えば、オンチップマイクロレンズとして設けられ、紫外線感光材等が用いられる。
撮像装置100は、一般的な半導体製造プロセスを用いて製造することができる。特に、半導体基板40としてシリコン基板を用いる場合には、種々のシリコン半導体プロセスを利用することによって製造することができる。
以上から、本実施の形態によれば、近赤外光領域に高い光吸収特性を有し、かつ高い光電変換効率を発現することが可能な光電変換素子および撮像装置を得ることができる。
以下、実施例にて本開示の有機光電変換材料を具体的に説明するが、本開示は以下の実施例のみに何ら限定されるものではない。
なお、実施例1、実施例2および比較例1で得られた化合物を用いて成膜した光電変換膜を、それぞれ実施例3、実施例4および比較例2とする。また、実施例3、実施例4および比較例2で得られた光電変換膜を用いた光電変換素子を、それぞれ実施例5、実施例6および比較例3とする。
以下、CをEt、CをPr、iso−CをiPr、CをBu、C13をHex、C1021をDec、C4826をNcと表すことがある。
(実施例1)
<(OCSn(OSi(C13Ncの合成>
以下に説明するステップ(1)から(4)に従い、下記一般式で表される化合物(OCSn(OSi(C13Ncを合成した。
Figure 2018190964
(1)1,4−ジエトキシ−2,3−ナフタロシアニンジカルボニトリルの合成
Figure 2018190964
100mL反応容器に、1,4−ジヒドロキシ−2,3−ナフタレンジカルボニトリル3.0g、炭酸カリウム4.54g、脱水ジメチルホルムアミド15mL、硫酸ジエチル5.06gを加え、Arガス雰囲気下、110℃で20時間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)にて反応終了を確認した後、室温まで冷却した。冷却後、市水を加え、分液洗浄を行った。その後、溶媒を留去することで固体を得た。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムをろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣を、60℃で減圧乾燥することにより、3.47gの1,4−ジエトキシ−2,3−ナフタロシアニンジカルボニトリルを得た。このステップにおける収率は91%であった。
(2)(OCNcの合成
Figure 2018190964
50mL反応容器に、Arガス雰囲気下で、上記ステップ(1)で合成された1,4−ジエトキシ−2,3−ナフタレンジカルボニトリル1.0g、脱水エタノール15mLを加え、70℃で加熱溶解した。その後、リチウム粒0.25gを添加し、70℃で加熱還流下、24時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、室温まで冷却した。冷却後、酢酸10mLを加えてクエンチし、7時間攪拌した。
得られた反応液を減圧下濃縮し、残渣を得た。得られた残渣をジクロロメタン−ピリジン(3:1)溶液に溶解させた後、市水を加え、分液洗浄を行った。分液操作により得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を減圧下濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した後、得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、547.2mgの(OCNcを得た。このステップにおける収率は54%であった。
(3)(OCSnBrNcの合成
Figure 2018190964
50mL反応容器に、Arガス雰囲気下で、上記ステップ(2)で合成された(OCNc0.2g、臭化スズ1.02g、キシレン14mL、2−エチルピリジン1.4mLを加え、200℃で加熱還流下、20時間攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、室温まで放冷した。得られた反応液を減圧下濃縮し、黒色の固体を得た。得られた黒色の固体を含む濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、78.5mgの(OCSnBrNcを得た。このステップにおける収率は31%であった。
(4)(OCSn(OSi(C13Ncの合成
Figure 2018190964
20mL反応容器に、Arガス雰囲気下で、トリヘキシルシラノール0.1mL、キシレン5mLを加え、攪拌溶解した。その後、ナトリウムメトキシド10mgを加え、100℃で加熱還流下、1時間攪拌した。次いで、室温まで冷却後、上記ステップ(3)で合成された(OCSnBrNc(30mg)を加え、160℃で44時間攪拌した。TLCにて反応終了を確認した後、得られた反応液を室温まで冷却した。冷却後、減圧下濃縮し、得られた残渣にメタノールを加えて懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、28.2mgの(OCSn(OSi(C13Ncを得た。このステップにおける収率は70%であった。
得られた化合物の同定はH−NMR(proton nuclear magnetic resonance:プロトン核磁気共鳴分光法)、MALDI−TOF−MS(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization Time Of Flight Mass Spectrometry:マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析)にて行った。結果を以下に示す。
HNMR(400MHz,C):δ(ppm)=9.11(8H)、7.66(8H)、5.61(16H)、1.89(24H)、0.69(12H)、0.43(42H)、−0.17(12H)、−1.14(12H)
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=1781.4[M
目的化合物(OEt)Sn(OSiHexNcの化学式はC10013410SiSnであり、Exact Massは1782.88である。
以上の結果から、上記合成手順により、目的化合物が得られたことが確認できた。
(実施例2)
<(OCSn(OSi(C13Ncの合成>
以下に説明するステップ(1)から(3)に従い、下記一般式で表される化合物(OCSn(OSi(C13Ncを合成した。
Figure 2018190964
(1)(OCNcの合成
Figure 2018190964
200mL反応容器に、Arガス雰囲気下で、実施例1のステップ(1)と同様の手順により合成された1,4−ジブトキシー2,3−ナフタレンジカルボニトリル4.0g、1−ブタノール40mLを加え、70℃で加熱溶解した。その後、リチウム粒1.0gを少量ずつ添加し、加熱還流下、1.5時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸40mLを加えてクエンチし、一晩攪拌した。
得られた反応液を減圧下濃縮し、残渣を得た。得られた残渣をジクロロメタン−ピリジン(3:1)溶液320mLに溶解させた後、市水を加え、分液洗浄を行った。分液操作により得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムをろ過後、ろ液を減圧下濃縮して粗生成物を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、1.9gの(OCNcを得た。このステップにおける収率は48%であった。
(2)(OCSnBrNcの合成
Figure 2018190964
500mL反応容器に、Arガス雰囲気下で、上記ステップ(1)で合成された(OBu)Nc2.1g、臭化スズ9.17g、キシレン152mL、2-エチルピリジン15mLを加え、200℃で加熱還流下、21時間攪拌した。次いで、室温まで冷却後、酢酸40mLを加えて反応をクエンチし、一晩攪拌した。TLCで反応終了を確認した後、室温まで冷却した。得られた反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣にトルエンを加えて溶解させた。トルエンに溶解させた残渣をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧下濃縮して、5.2gの粗生成物を得た。得られた粗生成物をBio−Beadsで精製し、得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、1.8gの(OCSnBrNcを得た。このステップにおける収率は69%であった。
(3)(OCSn(OSi(C13Ncの合成
Figure 2018190964
500mLの反応容器に、Arガス雰囲気下で、トリヘキシルシラノール6.16mL、トルエン300mLを加え、攪拌溶解した。その後、ナトリウムメトキシド616mgを加え100℃で加熱還流下、1時間攪拌した。次いで、室温まで冷却後、上記ステップ(2)で合成された(OCSnBrNc1.8gを加え、150℃で加熱還流下、8時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣にメタノールを加えて懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、3.27gの粗生成物を得た。
得られた粗生成物を活性アルミナで精製した。得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、2.1gの(OBu)Sn(OSiHexNcを得た。このステップにおける収率は89%であった。
得られた化合物の同定はH−NMR、MALDI−TOF−MSにて行った。結果を以下に示す。
H−NMR(400 MHz、C):δ(ppm)=9.20(8H)、7.67(8H)、5.61(16H)、2.45(16H)、1.78(16H)、1.11(24H)、0.68(12H)、0.43(42H)、−0.15(12H)、−1.09(12H)
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=2007.04[M
目的化合物(OBu)Sn(OSiHexNcの化学式はC11616610SiSnであり、Exact Massは2007.13である。
以上の結果から、上記合成手順により、目的化合物が得られたことが確認できた。
(比較例1)
<Sn(OSi(C13Ncの合成>
以下に説明するステップ(1)から(3)に従い、下記一般式で表される化合物Sn(OSiHexNcを合成した。
Figure 2018190964
(1)(C13SiOHの合成
Figure 2018190964
三ツ口フラスコにSiCl(C1315g、THF75mLを入れ、冷却バスに水と氷を入れて10℃以下に冷やす。滴下ろうとにアンモニア水75mLを入れ、10分かけて全量を滴下し、室温で2時間攪拌した。
次いで、酢酸エチル150mLと市水150mLを添加し、10分間攪拌した後、分液ロートで分液した。分液した水相に酢酸エチルを150mL加え、酢酸エチルで水相中の反応生成物を抽出した。この酢酸エチルによる抽出は、2回行った。抽出により得られた有機層に飽和塩化アンモニウム水溶液150mLを加え、分液洗浄を3回行った後、市水150mLを加え、分液洗浄を1回行った。続いて、有機層に飽和食塩水150mLを加え、分液洗浄を行った。洗浄により得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、硫酸マグネシウムをろ過した。得られたろ液を減圧下濃縮し、得られた残渣を60℃で減圧乾燥することにより、(C13SiOHを13.8g得た。このステップにおける収率は97%であった。
(2)Sn(OH)Ncの合成
Figure 2018190964
三ツ口フラスコにSnClNc6.2g、水酸化ナトリウム1.1g、ピリジン45mL、蒸留水90mLをこの順に入れ、100℃で25時間加熱還流させた。加熱後、室温まで冷却した。得られた反応液を減圧下濃縮し、得られた粗生成物をろ取した。得られたろ過物に蒸留水300mLを加えて懸濁洗浄した後、固体をろ取した。得られたろ過物を40℃で5時間減圧下乾燥し、7.5gのSn(OH)Ncを得た。このステップにおける収率は86%であった。
(3)Sn(OSi(C13Ncの合成
Figure 2018190964
リボンヒーターと冷却管とを備えた500mLの三ツ口フラスコを設置し、三ツ口フラスコに、上記ステップ(2)で合成されたSn(OH)Nc5.1g、上記ステップ(1)で合成された(C13SiOH13.8g、1,2,4−trimethylbenzene450mLを入れ、200℃で3時間加熱攪拌した。室温まで冷却後、0℃で3時間程度冷却し、目的物を析出させた後、ろ取した。得られた目的物の固体をエタノール100mLで2回懸濁洗浄した。洗浄に用いたエタノールをアセトン50mLで洗浄して、エタノール中の目的物を再析出させた後、ろ取した。得られた目的物の固体を120℃で3時間減圧下乾燥することにより、6.9gのSn(OSiHexNcを得た。このステップにおける収率は82%であった。
得られた化合物の同定はH−NMR、MALDI−TOF−MSにて行った。結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz、C):δ(ppm)=10.2(8H)、8.27(8H)、7.47(8H)、0.68(12H)、0.5―0.2(42H)、−0.42(12H)、−1.42(12H)
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=1428.69[M
目的化合物Sn(OSiHexNcの化学式はC84102SiSnであり、Exact Massは1430.7である。
以上の結果から、上記合成手順により、目的化合物が得られたことが確認できた。
(実施例3)
支持基板として厚さ0.7mmの石英ガラスを用い、その上に実施例1で得られた(OCSn(OSi(C13Ncを含む組成物をスピンコート法により塗布し、膜厚0.7mmイオン化ポテンシャル5.3eVの光電変換膜を得た。得られた光電変換膜の吸収スペクトルを図5Aに示す。なお、得られた光電変換膜のイオン化ポテンシャルの測定は、化合物をITO基板上に成膜し、大気中光電子分光装置(理研計器製、AC−3)を用いて測定を行った。
(実施例4)
実施例2で得られた(OCSn(OSi(C13Nc含む組成物を用いたこと以外は、実施例3と同様に行い、膜厚0.7mmイオン化ポテンシャル5.3eVの光電変換膜を得た。得られた光電変換膜の吸収スペクトルを図5Bに示す。
(比較例2)
支持基板として厚さ0.7mmの石英ガラスを用い、その上に比較例1で得られたSn(OSi(C13Ncを含む組成物を真空蒸着法により成膜し、膜厚0.7mmイオン化ポテンシャル5.3eVの光電変換膜を得た。得られた光電変換膜の吸収スペクトルを図5Cに示す。
(吸収スペクトルの測定)
実施例3、実施例4および比較例2で得られた光電変換膜について、吸収スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ製、U4100)を用いた。吸収スペクトルの測定波長域は、400nmから1200nmであった。
図5Aに示すように、実施例3の光電変換膜は、吸収ピークが950nm付近に見られた。吸収ピークの吸収係数は7.4/μm程度であった。
図5Bに示すように、実施例4の光電変換膜は、吸収ピークが920nm付近に見られた。吸収ピークの吸収係数は、5.2/μm程度であった。
図5Cに示すように、比較例2の光電変換膜は、吸収ピークが820nm付近に見られた。吸収ピークの吸収係数は、6.8/μm程度であった。
以上のように、実施例3の光電変換膜は、上記3つの光電変換膜の中で最も長い波長に吸収ピークが見られ、最も高い吸収係数が得られた。
実施例3、実施例4、および比較例2の光電変換膜の材料を比較すると、ナフタロシアニン骨格のα位側鎖の有無およびα位側鎖のアルコキシ基のアルキル基の炭素数の違いにより、光電変換膜の吸収特性に差異が生じることが分かった。
実施例3では、光電変換膜の材料として、実施例1で得られた化合物(OEt)Sn(OSiHexNcを含む組成物を用いている。実施例4では、光電変換膜の材料として、実施例2で得られた化合物(OBu)Sn(OSiHexNcを含む組成物を用いている。比較例2では、光電変換膜の材料として、比較例1で得られた化合物Sn(OSiHexNcを用いている。
これらの材料の化学構造と吸収スペクトルの結果から、実施例3および実施例4のようにナフタロシアニン骨格のα位にアルコキシ基を有する化合物を含むと、吸収波長が長波長化する、つまり、近赤外光領域に対して感度を有する波長が長波長化することが確認できた。さらに、実施例3の方が実施例4よりもより長波長域に吸収ピークを有することから、α位のアルコキシ基のアルキル基の炭素数が少ない方が、近赤外光に対して感度を有する波長がより長波長化されることが確認できた。
(実施例5)
基板として150nmのITO電極が成膜された、厚さ0.7mmのガラス基板を用い、このITO電極を下部電極とした。さらに、ITO電極の上に、光電変換層として実施例1で得られた(OCSn(OSi(C13NcとPCBM([6,6]−Phenyl−C61−Butyric Acid Methyl Ester)誘導体との混合膜を厚さ250nmになるように成膜した。さらに、光電変換層の上に、上部電極として厚さ80nmのAl電極を成膜した。Al電極は、5.0×10-4Pa以下の真空度で、蒸着速度1オングストローム/secで成膜した。得られた光電変換素子の分光感度特性を測定した。得られた分光感度特性を図6に実線で示す。
(実施例6)
光電変換層の材料として実施例2で得られた(OBu)Sn(OSi(C13Ncを用いること以外は、実施例5と同様に行い、光電変換素子を得た。得られた光電変換素子の分光感度特性を図6に点線で示す。
(比較例3)
光電変換層の材料として比較例1で得られたSn(OSi(C13Nc、およびフラーレンを用いること以外は、実施例5と同様に行い、光電変換素子を得た。得られた光電変換素子の分光感度特性を図6に破線で示す。
(分光感度の測定)
実施例5、実施例6および比較例3で得られた光電変換素子について、分光感度の測定を行った。測定には、長波長対応型分光感度測定装置(分光計器製、CEP−25RR)を用いた。なお、上記光電変換素子は、窒素雰囲気下のグローブボックス中で密閉できる測定治具に導入され、測定に供された。
図6に示すように、実施例5の光電変換素子は、外部量子効率が920nm付近の波長で最も高く、82%程度であった。また、近赤外光領域の広い範囲、具体的には、680nm付近から1050nm付近の波長域において、高い外部量子効率が得られた。
実施例6の光電変換素子は、外部量子効率が900nmの波長で最も高く、10%程度であった。また、近赤外光領域の750nm付近から950nm付近にかけて、外部量子効率のブロードなピークが見られた。
比較例3の光電変換素子は、外部量子効率が820nm付近の波長で最も高く、84%程度であった。しかしながら、900nm付近の波長では、外部量子効率が10%未満であり、930nm付近以上では0%であった。
以上のように、実施例5の光電変換素子は、上記3つの光電変換素子の中で最も長い波長で高い外部量子効率が得られ、900nm以上の波長領域においても相対的に高い外部量子効率が得られた。実施例6では900nmの波長に外部量子効率のピークが得られた。一方、比較例3では、900nm以上の波長領域に外部量子効率のピークは得られなかった。
光電変換膜の材料として、実施例5では、実施例1で得られた化合物(OEt)Sn(OSiHexNcを含む組成物を用いている。実施例6では、実施例2で得られた化合物(OBu)Sn(OSiHexNcを含む組成物を用いている。比較例3では、比較例1で得られた化合物Sn(OSiHexNcを用いている。
これらの材料の化学構造と外部量子効率の結果から、実施例5および実施例6のようにナフタロシアニン骨格のα位に側鎖を有すると、900nm以上の長波長域で外部量子効率のピークが得られることが分かった。実施例5および実施例6の結果から、ナフタロシアニン骨格のα位の側鎖の炭素数が2であると、高い外部量子効率が得られることも分かった。これは、α位の側鎖の炭素数が少ない方がナフタロシアニン誘導体からアクセプター材料へ電荷移動効率が高まるためであると考えられる。
本開示の化合物は母骨格であるナフタロシアニン環、軸配位子、α位側鎖から構成されている。ナフタロシアニン環は平面構造をとっており、軸配位子が平面に対して垂直に伸びた構造をとっている。比較例3で高い量子効率が得られているため、軸配位子は電子移動に影響を与えていないと考えられる。また、α位側鎖を導入した場合、炭素数が少なくなるほど、量子効率が向上していることから、ナフタロシアニン誘導体からアクセプター材料への電子移動はナフタロシアニン環の外側で生じていると考えられる。そのため、α位の側鎖の炭素数が少ない方が有利であると考えられる。
(まとめ)
以上のように、実施例3、実施例4および比較例2の光電変換膜、ならびに、実施例5、実施例6および比較例3の光電変換素子に関して、近赤外光に対する光吸収特性、光電変換効率を評価した。その結果、ナフタロシアニン骨格のα位に側鎖を有する化合物を用いることにより、近赤外光に対して感度を有する波長が長波長化することが分かった。さらに、実施例5および実施例6の光電変換素子を比較すると、ナフタロシアニン骨格のα位の側鎖が短い、つまり、炭素数が少ないほうが高い光電変換効率を示すことが確認できた。
[合成例]
以下、α位の側鎖に炭素数2のエチレン基を有する他の化合物の合成例について説明する。
(合成例1)
<(OCSn(OSi(C1021Ncの合成>
以下に説明するステップ(1)から(4)に従い、下記一般式で表される化合物(OCSn(OSi(C1021Ncを合成した。
Figure 2018190964
(OCSnBrNcの合成までのステップ(1)から(3)は実施例1と同様の方法で行った。
(4)(OCSn(OSi(C1021Ncの合成
Figure 2018190964
1Lの反応容器に、Arガス雰囲気下で、Si(C1021OH(10eq.)7.2g、脱水キシレン343mLを撹拌溶解した。その後、ナトリウムメトキシド(6eq.)497mgを加え、160℃で1時間攪拌した。
得られた反応液に、上記ステップ(3)で合成された(OCSnBrNc(1eq)2.06gを加え、160℃で一晩攪拌した。TLCにて反応終了を確認した後、反応液を放冷した。次いで、減圧下濃縮し、得られた残渣にメタノールを加え、固体を析出させた。析出した固体をろ取し、6.3gの粗生成物を得た。得られた粗生成物を活性アルミナで精製し、得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、2.2gの(OCSn(OSi(C1021Ncを得た。このステップにおける収率は69%であった。
得られた化合物の同定はH−NMR、MALDI−TOF−MSにて行った。結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,C):δ(ppm)=9.13(8H)、7.70(8H)、5.65(16H)、1.91(24H)、1.31―0.4(102H)、−0.12(12H)、−1.12(12H)
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=2120.30[M
目的化合物(OCSn(OSi(C1021Ncの化学式はC12418210SiSnであり、Exact Massは2119.75である。
以上の結果から、上記合成手順により、目的化合物が得られたことが確認できた。
(合成例2)
<(OCSn(OSi(iCNcの合成>
以下に説明するステップ(1)から(4)に従い、下記一般式で表される化合物(OCSn(OSi(iCNcを合成した。
Figure 2018190964
(OCSnBrNcの合成までのステップ(1)から(3)は実施例1と同様の方法で行なった。
(4)(OCSn(OSi(iCNcの合成
Figure 2018190964
1Lの反応容器に、Arガス雰囲気下で、Si(iPr)OH(14.8eq.)2.18g、脱水キシレン364mLを撹拌溶解した。その後、ナトリウムメトキシド(8.2eq.)719mgを加え、100℃で1時間攪拌した。
得られた反応液に、上記ステップ(3)で合成された(OCSnBrNc(1eq)2.18gを加え、160℃で一晩攪拌した。TLCにて反応終了を確認した後、反応液を放冷した。次いで、減圧下濃縮し、得られた残渣にメタノールを加え、固体を析出させた。析出した固体をろ取し、2.14gの粗生成物を得た。得られた粗生成物は活性アルミナで精製し、得られたフラクションの濃縮物をメタノールで懸濁洗浄し、ろ取した。得られたろ過物を60℃で減圧乾燥し、1.0gの(OCSn(OSi(iCNcを得た。このステップにおける収率は40%であった。
得られた化合物の同定はH−NMR、MALDI−TOF−MSにて行った。結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz,C):δ(ppm)=9.09(8H)、7.61(8H)、5.61(16H)、1.77(24H)、−0.37(36H)、−0.82(6H)
MALDI−TOF−MS 実測値:m/z=1530.97[M
目的化合物(OCSn(OSi(iCNcの化学式はC829810SiSnであり、Exact Massは1530.60である。
以上の結果から、上記合成手順により、目的化合物が得られたことが確認できた。
以上、本開示に係る光電変換膜、光電変換素子および撮像装置について、実施の形態および実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態および実施例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態および実施例に施したもの、並びに実施の形態および実施例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
なお、本開示に係る光電変換膜および光電変換素子は、光によって発生する電荷をエネルギーとして取り出すことにより、太陽電池に利用してもよい。
また、本開示に係る光電変換膜は、近赤外光カット素材としてフィルム、シート、ガラス、建材等に利用してもよい。また、本開示における化合物は、赤外線吸収剤としてインク、樹脂、ガラス等に混合して使用してもよい。
本開示に係る近赤外光電変換膜、近赤外光電変換素子および撮像装置は、イメージセンサなどに適用可能であり、特に、近赤外光領域において高い光吸収特性を有するイメージセンサに好適である。
1 支持基板
2 下部電極
3 光電変換膜
3A 光電変換層
4 上部電極
5 電子ブロッキング層
6 正孔ブロッキング層
7 p型半導体層
8 n型半導体層
10A、10B 光電変換素子
10C 光電変換部
20 水平信号読出し回路
21 増幅トランジスタ
22 リセットトランジスタ
23 アドレストランジスタ
21G、22G、23G ゲート電極
21D、21S、22D、22S、23S 不純物領域
21X、22X、23X ゲート絶縁層
24 単位画素セル
25 垂直走査回路
26 対向電極信号線
27 垂直信号線
28 負荷回路
29 カラム信号処理回路
31 電源配線
32 差動増幅器
33 フィードバック線
34 電荷蓄積ノード
35 電荷検出回路
36 アドレス信号線
37 リセット信号線
40 半導体基板
41 素子分離領域
50 層間絶縁層
51、53、54 コンタクトプラグ
52 配線
60 カラーフィルタ
61 マイクロレンズ
100 撮像装置

Claims (9)

  1. 下記一般式で表される化合物を含む、
    光電変換膜。
    Figure 2018190964
    但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
  2. イオン化ポテンシャルが5.3eV以上である、
    請求項1に記載の光電変換膜。
  3. 近赤外波長領域に吸収波長のピークを有する、
    請求項1に記載の光電変換膜。
  4. 前記吸収波長の前記ピークの位置が900nm以上である、
    請求項3に記載の光電変換膜。
  5. 前記一般式において、
    MはSnであり、
    XはOであり、
    からRはエチル基である、
    請求項1に記載の光電変換膜。
  6. さらに、n型有機半導体材料を含み、
    前記n型有機半導体材料は、フラーレンおよびフラーレン誘導体からなる群から選択される少なくとも一つを含む、
    請求項1から5のいずれかに記載の光電変換膜。
  7. さらに、p型有機半導体材料を含み、
    前記光電変換膜中の前記p型有機半導体材料の体積比率に比べて、前記光電変換膜中の前記n型有機半導体材料の体積比率が4から20倍である、
    請求項6に記載の光電変換膜。
  8. 第1の電極と、
    第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、下記一般式で表される化合物を含む光電変換膜と、を備える、
    光電変換素子。
    Figure 2018190964
    但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
  9. 基板と、
    単位画素セルと、を備え、
    前記単位画素セルは、
    前記基板に設けられた電荷検出回路、
    前記基板上に設けられた光電変換部、および
    前記電荷検出回路と前記光電変換部とに電気的に接続された電荷蓄積ノードを含み、
    前記光電変換部は、
    第1の電極、
    第2の電極、および
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられ、下記一般式で表される化合物を含む光電変換膜を含む、
    撮像装置。
    Figure 2018190964
    但し、式中、MはSiまたはSn、XはOまたはS、RからR14はそれぞれ独立なアルキル基を表す。
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