JP2021057422A - Cmosイメージセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率を高く維持した上で暗電流値を低くできる有機光電変換素子を備えたCMOSイメージセンサを提供することを課題とする。【解決手段】一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサであって、前記正孔輸送層の膜厚が50nm以上100nm以下であり、印加電圧が0V以上−3V以下である、CMOSイメージセンサ。【選択図】図1

Description

本発明は有機光電変換素子を用いたCMOSイメージセンサに関する。詳しくは、高い光電変換効率と低い暗電流値を両立させた有機光電変換素子を用いたCMOSイメージセンサに関する。
従来より、CMOSイメージセンサは、デジタルカメラやスマートフォンの撮像素子として使われている。近年、CMOSイメージセンサには、低照度でも撮影可能な高感度、明暗が混じった画像を同時に撮像できる高いダイナミックレンジ、同時露光一括読み出し(グローバルシャッター)機能、高速で移動する被写体を追跡可能な高いフレームレートなどが求められている。
一方で、有機光電変換素子(有機光電変換膜)は、Siフォトダイオードに比較して、薄膜化が可能であるため入射角を広くとれ、少ない光を確実に光電変換ができること、信号蓄積光電変換部を独立に設計できるため、信号蓄積光電変換部の容量を大きくでき、高ダイナミックレンジ化が容易であること、信号蓄積光電変換部がそのままメモリとして使用できることから、CMOSイメージセンサ用途に適していると考えられている。
近年、有機光電変換膜を用いたCMOSイメージセンサのマシンビジョンへの要求が拡大しており、そこでは、可視光、あるいは赤外光による画像、特に近赤外線を用いることにより、肉眼では見えにくい夜道の人を検出したり、あるいは畑の画像から作物の収穫レベルを確認したり、肉眼では単に黒色にしか見えない壁を透過してその反対側を見るセキュリティ用途などへの展開が期待されている。これは、シリコンを用いたイメージセンサでは赤外域の感度が低いこともあって、有機光電変換膜を用いる方が好ましいとされていることによる。
このようなイメージセンサなどに使われる有機光半導体においては、高いEQE(外部量子効率、EQEが大きいと電流量が大きくなる)を得るため、電圧印加が行われている。一方で光が当たった際の感度を得るために、暗電流の低減も求められている。暗電流が流れていると、イメージセンサが受けた光で、その電流が少しだけ加わっても判別できないため、感度が低下するからである。この課題は、イメージセンサとして使用されるCMOSにおいて、特に問題になる。
この暗電流の低減と感度向上は大きな課題であり、これを解決するために種々の電荷輸送物質を開発したり、添加物の工夫を行うなど電荷輸送層の改良を行ったり、ブロッキング層を設けるなどの努力がされている。
具体的に説明するならば、有機光電変換膜を用いたCMOSイメージセンサは、薄膜化が可能である反面、薄膜化したために発生する素子の短絡、漏れ電流(暗電流)等の問題が発生する。素子の短絡に関しては、電極の平滑化が大きな効果を発揮し、例えば電極上に塗布膜を設けることにより短絡防止効果が得られている。
一方、暗電流の発生に対しても塗布膜を設けることは効果があるが、暗電流の低減の効果を十分に得るためには、従来公知の塗布膜では膜厚を厚くする必要があり、薄膜化のメリットが損なわれてしまう。
また、光電変換層が実質的にp型半導体のみを有する層と、実質的にn型半導体のみを有する層に分かれている場合には、暗電流は低い値に抑えられるものの、この場合には光電変換効率が悪くなるという問題があった。一方で、p型半導体とn型半導体を同一の光
電変換層に含有させるバルクヘテロ接合構造では、光電変換効率に優れるものの暗電流発生の問題がある。
この課題に対し、非特許文献1では、正孔ブロッキング層と光電変換層(キナクリドン)とのIp差と暗電流との関係について報告し、ブロッキング層の存在により、暗電流密度を1×10−7A/cm程度まで低下させている。
また、特許文献1のように、光電変換層の両面に電流ブロッキング層(正孔ブロッキング層と電子ブロッキング層)を設けたものも提案されているが、その暗電流密度は低くても1×10−7A/cm程度であり、現在要求されているレベルには到達できていない。
特許文献2の[0041]段落〜[0042]段落には、「電子ブロッキング層5は、光電変換層3’のp型半導体層7よりも低いエネルギー準位のHOMOおよび高いエネルギー準位のLUMOを有する。言い換えると、光電変換層3’は電子ブロッキング層5との界面近傍において、電子ブロッキング層よりも高いエネルギー準位のHOMOおよび電子ブロッキング層よりも低いエネルギー準位のLUMOを有する。電子ブロッキング層は前述のp型半導体あるいは正孔輸送性有機化合物を用いることもできる。
正孔ブロッキング層6は、上部電極4から正孔が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、上部電極4からの正孔が光電変換層3に注入されるのを阻止する。」との記載があり、正孔ブロッキング層が暗電流の低減に有効であることが記載されているが、正孔ブロッキング層の具体例としては、[0042]段落に、「正孔ブロッキング層6には、銅フタロシアニン、PTCDA、アセチルアセトネート錯体、BCP、Alqなどの有機物、有機−金属化合物や、MgAg、MgOなどの無機物が好ましく用いられる」との記載があるのみである。
特許文献3でも、光電変換層の両面にブロッキング層を設けた構造が開示されているが、特許文献3の図10Aと図10Bを見ると、p型半導体とn型半導体が別の層になっている実施例1では暗電流の値は小さいが効率が低く、赤外域では10%程度にすぎない。p型半導体とn型半導体が同じ層になっている実施例2、3では、効率は良いが暗電流の値が、−1Vで、1×10−5A/cm〜1×10−6A/cm程度と非常に高くなってしまっていることがわかる。
このように、従来の技術では、光電変換効率を高くすることと、暗電流値を低くすることは、両立できておらず、また、新しい電荷輸送物質を開発したり、添加物を開発したりしても、特定の物質を使用するということであると、設計の自由度が減少し、好ましくない。そしてブロッキング層を設けるような構造上の工夫は、製造工程の増大や、イメージセンサの膜厚が必然的に厚くなることを考えると、好ましくはない。
特開2012−4578号公報 特開2016−134570号公報 特開2016−225456号公報
日本写真学会誌2008年71巻2号:75-80
本発明は、光電変換効率を高く維持した上で暗電流値を低くできる有機光電変換素子を
備えたCMOSイメージセンサを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機光電変換素子が備える正孔輸送層の膜厚と、印加すべき電圧に適切な関係を持たせることで、光電変換効率を高くすることと、暗電流値を低くすることを両立できることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1]一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサであって、前記正孔輸送層の膜厚が50nm以上100nm以下であり、印加電圧が0V以上−3V以下である、CMOSイメージセンサ。
[2]一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサであって、前記正孔輸送層の膜厚が100nmより大きく300nm以下であり、印加電圧が−3V以上より大きく−7V以下であるCMOSイメージセンサ。
[3]前記光電変換層は、p型半導体とn型半導体を同一の光電変換層に含有するバルクヘテロ構造を有する[1]又は[2]に記載のCMOSイメージセンサ。
本発明によれば、光電変換効率が高く、しかも暗電流値の低い有機光電変換素子を備えたCMOSイメージセンサを提供することができる。
有機光電変換素子の実施形態の一例を示す断面模式図である。 有機光電変換素子を備えたCMOSイメージセンサの実施形態の一例を示す断面模式図である。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
〔有機光電変換素子〕
CMOSイメージセンサに備えられる有機光電変換素子は、一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含み、通常CMOSイメージセンサに使用される構造であれば特に限定されないが、例えば第1電極、正孔輸送層、光電変換層、及び第2電極をこの順に含んでなる有機光電変換素子である。光電変換層は、p型半導体とn型半導体を含んでいることが好ましい。
本発明の特徴は、有機光電変換素子が有する正孔輸送層の厚さに対し、適切な印加電圧を掛けることにより、光電変換効率を高くすることと、暗電流値を低くすることを両立させることにある。具体的な形態は、正孔輸送層の膜厚が50nm以上100nm以下であって、印加電圧(光が当たったときに流れるのとは逆の方向への電圧)を0V以上−3V以下とするものである。また別の形態では、正孔輸送層の膜厚を100nmより大きく300nm以下であって、印加電圧を−3Vより大きく−7V以下とすることにある。従って各層の構成は公知の有機光電変換素子あるいはCMOSイメージセンサの構成を用いることができる。
本発明の別の観点は、一対の電極に挟持された光電変換層及び膜厚が50nm以上100nm以下である正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサ
を準備する工程、及び前記CMOSイメージセンサを、印加電圧が0V以上−3V以下の条件で動作する工程、を含む、CMOSイメージセンサの動作方法である。
また、本発明の更に別の観点は、一対の電極に挟持された光電変換層及び膜厚が100nmより大きく300nm以下である正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサを準備する工程、及び前記CMOSイメージセンサを、印加電圧が−3Vより大きく−7V以下の条件で動作する工程、を含む、CMOSイメージセンサの動作方法である。
以下各層について説明する。
<正孔輸送層>
CMOSイメージセンサに用いられる有機光電変換素子の正孔輸送層は、公知の正孔輸送物質を用いることができる。またその製膜方法も特に限定されないが、好ましくは正孔輸送性ポリマーを用い、湿式成膜法により形成される。
湿式成膜法による正孔輸送層の形成には、正孔輸送性ポリマーと溶剤とを含む正孔輸送層形成用組成物が用いられる。
該溶剤は、正孔輸送性ポリマーを溶解すればよく、通常正孔輸送性ポリマーを常温で0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する溶剤である。溶剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、アミド系溶剤などが好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル、及び1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン、3−イソプロピルビフェニル、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらの他、ジメチルスルホキシド等も用いることができる。
正孔輸送層形成用組成物における正孔輸送性ポリマーの濃度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であり、膜厚の均一性の点では低い方が好ましく、一方、正孔輸送層に欠陥が生じ難い点では高い方が好ましい。具体的には、0.01重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることが更に好ましく、0.5重量%以上であることが特に好ましく、また、一方、70重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることが更に好ましく、50重量%以下であることが特に好ましい。
また、正孔輸送層形成用組成物中の溶剤の濃度は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
正孔輸送層形成用組成物を用いて正孔輸送層を成膜する場合、正孔輸送層形成用組成物の塗布後、通常加熱を行う。加熱の手法は特に限定されないが、加熱乾燥の場合の条件としては、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上、ま
た通常400℃以下、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下に、正孔輸送層形成用組成物を用いて形成された層を加熱する。
加熱時間としては、通常1分以上、好ましくは24時間以下である。加熱手段としては特に限定されないが、形成された層を有する積層体をホットプレート上に載せたり、オーブン内で加熱するなどの手段が用いられる。例えば、ホットプレート上で120℃以上、1分間以上加熱する等の条件を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚は、一実施形態では50nm以上100nm以下であり、別の実施形態では100nmより大きく300nm以下、好ましくは250nm以下であり、すなわち50nm以上300nm以下、好ましくは250nm以下である。
正孔輸送層の膜厚が上記下限以上であれば、ブロッキング層として正孔輸送層を設けたことによる暗電流の低減効果を有効に得ることができる。正孔輸送層の膜厚が上記上限以下であれば、有機光電変換素子を利用したCMOSイメージセンサにおいて光の入射角を広くとることが可能であり、また、有機光電変換素子の薄膜化を図ることができる。
暗電流を効果的に低減するために、正孔輸送層は光電変換層のn型半導体に対して0.3eV以上浅いLUMOを有していることが好ましく、0.5eV以上浅いLUMOを有していることが好ましく、1.0eV以上浅いLUMOを有することがさらに好ましい。また、正孔輸送層は光電変換層で発生した正孔を効率よく第1電極へと運ぶ役割を果たすことから、光電変換層のp型半導体とのHOMOの差が0.5eV以内であることが好ましく、0.3eV以内であることが好ましい。
<基板>
有機光電変換素子は、前述のとおり第1電極、正孔輸送層、光電変換層、及び第2電極がこの順で積層形成されたものであるが、通常、これらの層を支持するために、基板を備えていてもよい。基板は、第1電極側、第2電極側のいずれに設けられていてもよく、両側に設けられてもよいが、少なくとも、第1電極側に設けられていることが好ましい。
基板は、任意の材料により形成することが可能であるが、光を基板側から入射する場合は、透明性の高い材料で形成する必要がある。
基板の構成材料の例を挙げると、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン等の有機材料;紙、合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に、絶縁性を付与するために表面をコート或いはラミネートしたもの等の複合材料;などが挙げられる。なお、基板の構成材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、基板の形状及び寸法に制限はなく、任意に設定することができる。
さらに、基板には、ガスバリア性の付与や表面状態の制御のために、別の層を積層してもよい。
基板の厚さは、有機光電変換素子の用途、構成材料等に応じて任意に設計可能であるが、過度に薄いと、強度が不足して支持部材としての機能を果たし得ず、過度に厚いとコストアップとなるので、通常10μm〜50mm程度のフィルム状、ないし板状とされる。
<電極>
電極(第1電極、第2電極)は、導電性を有する任意の材料により形成することが可能である。
電極の構成材料の例を挙げると、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその複合酸化物(例えばITO、IZO);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを添加したもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。なお、電極の構成材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
有機光電変換素子において、電極は少なくとも一対(2個)設けられ、この一対の電極の間に光電変換層が設けられる。この際、一対の電極のうち、少なくとも一方は透明(即ち、発電のために光電変換層が吸収する光を透過させる)ことが好ましい。透明な電極の材料を挙げると、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の複合酸化物;金属薄膜などが挙げられる。また、この際、光の透過率の具体的範囲に制限は無いが、有機光電変換素子の光電変換効率を考慮すると、80%以上が好ましい。なお、光の透過率は、通常の分光光度計で測定可能できる。
電極は、光電変換層内に生じた正孔及び電子を捕集する機能を有するものである。従って、電極の構成材料としては、上述した材料のうち、正孔及び電子を捕集するのに適した構成材料を用いることが好ましい。正孔の捕集に適した電極の材料を挙げると、例えば、Au、ITO等の高い仕事関数を有する材料が挙げられる。一方、電子の捕集に適した電極の材料を挙げると、例えば、Alのような低い仕事関数を有する材料が挙げられる。
電極の厚さには特に制限はなく、用いた材料と、必要とされる導電性、透明性等を考慮して適宜決定されるが、通常10nm〜100μm程度である。
なお、電極の形成方法に制限はないが、例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができる。また、例えば、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。この際、導電性インクとしては任意のものを使用することができ、例えば、導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。さらに、電極は2層以上積層してもよく、特性(電気特性やぬれ特性等)改良のための表面処理を施してもよい。
<光電変換層>
光電変換層は、光を吸収して電荷を分離する層であって、本発明の有機光電変換素子の光電変換層は、p型半導体とn型半導体を含む。光電変換層がp型半導体とn型半導体とを含む混合半導体膜よりなるバルクヘテロ接合構造であることにより、p型半導体とn型半導体との距離が近づくことで、光電変換効率の高い光電変換素子を実現することができる。
光電変換層に含まれるp型半導体及びn型半導体としては、それぞれキナクリドン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを特に好ましく用いることができる。
p型半導体(化合物)は、ドナー性半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある化合物をいう。さらに詳しくは2つの材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の化合物をいう。したがって、ドナー性化合物は、電子供与性のある化合物であればいずれの化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミ
ン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい化合物であればドナー性半導体として用いてよい。
n型半導体(化合物)は、アクセプター性半導体(化合物)であり、主に電子輸送性化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある化合物をいう。さらに詳しくは2つの化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の化合物をいう。したがって、アクセプター性化合物は、電子受容性のある化合物であればいずれの化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性化合物として用いた化合物よりも電子親和力の大きな化合物であればアクセプター性半導体として用いてよい。
なお、n型半導体としてフラーレン骨格を有するものを用いてもよいが、フラーレン骨格は嵩高いため、光電変換効率を高めるために、バルクヘテロ接合構造としても、嵩高いフラーレン骨格の存在でn型半導体とp型半導体との距離が離れてしまい、光電変換効率が低下してしまうことがある。よって、n型半導体としてフラーレン骨格のないものを用いることが好ましい、バルクヘテロ接合構造による光電変換効率の向上効果を有効に発揮させる。
光電変換層に含まれるp型半導体とn型半導体の割合は、p型半導体に対するn型半導体の重量比率(n型半導体/p型半導体重量比)で0.5〜2.5倍、特に1.0〜2.0倍であることが好ましい。上記範囲よりもn型半導体が多くp型半導体が少ないと、近赤外領域における感度が低下する傾向があり、上記範囲よりも逆にp型半導体が多くn型半導体が少ないと、暗電流が発生し易い傾向にある。
このようなバルクヘテロ接合構造の光電変換層の形成方法には特に制限はないが、例えば、p型半導体とn型半導体の所定量を適用な溶剤に溶解させて調製した光電変換層形成用組成物を用いる湿式成膜法により形成することができる。
この光電変換層形成用組成物に用いる溶剤としては、p型半導体及びn型半導体を溶解し得るものであればよく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族系溶媒;1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の含ハロゲン溶媒;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル系溶媒;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸イソプロピル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等のエステル系溶媒;などが挙げられる。
光電変換層の膜厚は、光電変換層の構成や有機光電変換素子の用途に応じて任意に設計することができるが、薄過ぎると光吸収が不十分で効率が低下し、厚過ぎると内部抵抗が増大して損失が大きくなることから、通常10nm〜1μm程度とされる。
<電子輸送層>
電子輸送層は、有機光電変換素子に必ずしも必要とされるものではないが、光電変換層と第2電極との間に電子輸送層を設けることで、光電変換効率を高めたり、暗電流を低減したりすることができる。
電子輸送層は、光電変換層で生成した電子を効率よく第2電極に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、光電変換層からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このために、電子輸送層は光電変換層のn型半導体とのLUMOの差が1.5eV以下であることが好ましく、1.0eVであることが好ましい。また、電子輸送層によって暗電流を低減させる場合、電子輸送層は光電変換層のp型半導体に対して0.3eV以上深いHOMOを有していることが好ましく、0.5eV以上深いHOMOを有していることが好ましく、1.0eV以上深いHOMOを有していることがさらに好ましい。
電子輸送層に用いる電子輸送性化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−ヒドロキシフラボン金属錯体、5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
また、電子輸送層の形成材料として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウムなどの金属酸化物を用いることもできる。その場合、電子輸送層の成膜方法としては、金属酸化物のナノ粒子を湿式成膜して乾燥して金属酸化物層とする方法や、前駆体を湿式成膜して加熱変換する方法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上であり、また、一方、通常300nm以下、好ましくは100nm以下である。
電子輸送層は、湿式成膜法或いは真空蒸着法により形成することができるが、通常、真空蒸着法が用いられる。
<その他の構成層>
有機光電変換素子は、本発明の効果を著しく損なわなければ、上述した基板、第1及び第2電極、正孔輸送層、光電変換層及び電子輸送層以外の構成層を備えていてもよい。
例えば、有機光電変換素子は、外気の影響を最小限にするために、光電変換層部分、更
には電極部分を含めて覆うように保護膜を備えていてもよい。保護層は、例えば、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンポリビニルアルコール共重合体、等のポリマー膜;酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化膜や窒化膜;あるいはこれらの積層膜などにより構成することができる。
前記の保護膜の形成方法に制限はない。例えば、保護膜をポリマー膜とする場合には、ポリマー溶液の塗布乾燥による形成方法、モノマーを塗布或いは蒸着して重合する形成方法などが挙げられる。また、ポリマー膜の形成に際しては、さらに架橋処理を行なったり、多層膜を形成したりすることも可能である。一方、保護膜を無機酸化膜や窒化膜等の無機物膜とする場合には、例えば、スパッタ法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法などを用いることができる。
また、光電変換層で発生した電荷を効率よく電極に捕集させるために、第1電極と正孔輸送層との間、あるいは電子輸送層と第2電極との間に電荷注入層を備えていてもよい。
更に、有機光電変換素子は、例えば紫外線を透過させない光学フィルタを光の入射側に備えていてもよい。紫外線は一般に有機光電変換素子の劣化を促進することが多いため、この紫外線を遮断することにより、有機光電変換素子を長寿命化させることができるからである。
<有機光電変換素子の製造方法>
CMOSイメージセンサに備えられる有機光電変換素子は、通常、基板上に、第1電極、正孔輸送層、光電変換層、第2電極の順でこれらの層をそれぞれ前述した方法で積層形成することにより製造される。これらの層間に必要に応じて設けられる電子輸送層等の形成工程が設けられる。
〔CMOSイメージセンサ〕
CMOSイメージセンサは、前述の正孔輸送層の膜厚と、印加電圧の関係を満たしていれば、従来の一般的な赤外線CMOSイメージセンサの構成を採用することができ、例えば、図2に示すような構成とすることができる。
図2の赤外線CMOSイメージセンサは、保護膜3を有する本発明の有機フォトダイオード(有機光電変換素子)10が、トランジスタ6及び信号蓄積部7を有するシリコン基板5上の金属配線層4上に設けられており、この有機フォトダイオード10上にカラーフィルタ2を介してマイクロレンズ1が載置されている。カラーフィルタ2は図2では便宜上R、G、Bとしているが、可視光カットフィルターを載置して近赤外線のみに感度を有するようにすることもできる。
有機フォトダイオード10の下部電極11は、カラーフィルタ2のカラーR、G、Bに対応して分割されている。有機フォトダイオード10の有機光電膜20は、図1に示す通り、下部電極11側から、正孔輸送層12、光電変換層13、電子輸送層14が積層されている。
カラーフィルタ2のR、G、Bの各色に対応する下部電極11と、それに対向する上部電極15と、これらに挟まれる光電変換層の一部とにより、カラーフィルタ2に対応する光電変換素子が形成されている。CMOSイメージセンサに入射した光は画素ごとに設けられたマイクロレンズ1、カラーフィルタ2を介して有機フォトダイオード10に吸収され、電子正孔対が生成される。発生した電子は、光電変換層13に印加される電界強度に応じて下部電極11側に引き抜かれ、信号荷電として信号蓄積部7に蓄積される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、実施例の具体的な説明により本
発明の範囲が制限されるものではない。
・膜厚の測定方法:
膜厚は、接触型としては、例えば、触針式表面形状評価装置Dektak150(アルバック社製)、または、非接触型は、例えば、形状測定レーザマイクロスコープVK−X200(キーエンス社製)で測定することができる。
・外部量子効率の測定方法:
擬似太陽光装置・電気特性測定機器(分光計器社製)による分光感度の測定から、波長940nmにおいて、外部量子効率の値を得た。また、同装置内に暗箱を設け、2400ソースメーターを用いて、素子に−1Vまたは―5Vの電圧を印加した際の電流電圧測定により単位面積当たりの暗電流密度の値を得た。
(実施例1)
ガラス基板上に電極としてITOがパターン成膜されたITO付きガラス基板表面をUVオゾン洗浄機(NL−UV253)で10分間処理した後に、正孔輸送層としてつぎのように成膜した。
下記式(1)に示すポリマー30mgを1mLのトルエンに溶解させ、正孔輸送層形成用組成物を調製した。この組成物を回転数1500rpmで30秒間、ITO基板の電極面にスピンコートし、240℃で30分間時間加熱乾燥して、膜厚が206nmとなる正孔輸送層を形成した。
Figure 2021057422

この正孔輸送層上につぎのように光電変換層を成膜した。光電変換層は、p型半導体PCE−10(アルドリッチ社製)とn型半導体材料として下記式(2)で表されるもの(Rはすべてエチルヘキシル基)を、1対1の重量比で秤量し、クロロベンゼン(アルドリッチ社製)と1−クロロナフタレン(アルドリッチ社製)とを98:2の容量割合で加えて先述のp型半導体ならびにn型半導体を溶解させ、毎分1000回転のスピン塗布し光電変換層を成膜した。電子輸送材料としてC60フラーレン(フロンティアカーボン社製)40nmと金属電極としてアルミニウム100nmをそれぞれ真空にて成膜し光電変換素子を得た。当該素子の分光感度の測定から、波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下の外部量子効率の51%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、5×10−8A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率の2.1%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、2×10−9A/cmの値が得られた。表1にまとめた。
Figure 2021057422
(実施例2)
正孔輸送層で、下記式(1)に示すポリマー24mgを1mLのトルエンに溶解させて成膜し膜厚が153nmとなった以外は実施例1と同様に光電変換素子を得た。光電変換層の波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下の外部量子効率の54%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、1×10−7A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率の7.4%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、3×10−9A/cmの値が得られた。表1にまとめた。
(実施例3)
正孔輸送層で、下記式(1)に示すポリマー16mgを1mLのトルエンに溶解させて成膜し膜厚が92nmとなった以外は実施例1と同様に光電変換素子を得た。光電変換層の波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下の外部量子効率の55%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、2×10−5A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率の0.38%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、1×10−7A/cmの値が得られた。表1にまとめた。
(実施例4)
正孔輸送層で、下記式(1)に示すポリマー12mgを1mLのトルエンに溶解させて成膜し膜厚が66nmとなった以外は実施例1と同様に光電変換素子を得た。光電変換層の波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下の外部量子効率の57%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、6x10−5A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率の44%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、1×10−6A/cmの値が得られた。表1にまとめた。
(比較例1)
正孔輸送層で、下記式(1)に示すポリマー8mgを1mLのトルエンに溶解させて成膜し膜厚が39nmとなった以外は実施例1と同様に光電変換素子を得た。光電変換層の波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下では漏れ電流量が大きいために外部量子効率は正確に計測できず、また、単位面積当たりの暗電流密度は、5x10−3A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率の26%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、9×10−4A/cmの値が得られた。表1にまとめた。
(比較例2)
正孔輸送層で、下記式(1)に示すポリマー40mgを1mLのトルエンに溶解させて成膜し膜厚が318nmとなった以外は実施例1と同様に光電変換素子を得た。光電変換層
の波長940nmにおいて−5Vでの印加電圧下の外部量子効率の17%の値が、また、単位面積当たりの暗電流密度は、2×10−10A/cmの値が得られた。また、−1Vでの印加電圧下の外部量子効率や単位面積当たりの暗電流密度は、ともに値が小さく計測できなかった。表1にまとめた
Figure 2021057422
1 マクロレンズ
2 カラーフィルタ
3 保護膜
4 金属配線層
4A 金属配線
5 シリコン基板
6 トランジスタ
7 信号蓄積部
10 有機フォトダイオード
11 第1電極
12 正孔輸送層
13 光電変換層
14 電子輸送層
15 第2電極
20 有機光電膜

Claims (3)

  1. 一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサであって、前記正孔輸送層の膜厚が50nm以上100nm以下であり、印加電圧が0V以上−3V以下である、CMOSイメージセンサ。
  2. 一対の電極に挟持された光電変換層及び正孔輸送層を含む有機光電変換素子、を備えたCMOSイメージセンサであって、前記正孔輸送層の膜厚が100nmより大きく300nm以下であり、印加電圧が−3Vより大きく−7V以下であるCMOSイメージセンサ。
  3. 前記光電変換層は、p型半導体とn型半導体を同一の光電変換層に含有するバルクヘテロ構造を有する請求項1又は2に記載のCMOSイメージセンサ。
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