JP2016225456A - 撮像装置および光電変換膜の製造方法 - Google Patents

撮像装置および光電変換膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】近赤外領域に感度を有する撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置は、光電変換部、信号検出回路および電圧供給回路を有する。光電変換部は、一対の電極と、一対の電極間に配置された光電変換層とを含んでおり、電圧供給回路は、一対の電極のうちの一方の電極に接続されている。光電変換層は、下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む。(式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)【選択図】なし

Description

本願は、光電変換層を有する撮像装置に関する。本願は、光電変換膜の製造方法にも関する。
有機半導体材料は、シリコンなどの従来の無機半導体材料にはない物性、機能などを備える。このため、新しい半導体デバイスまたは電子機器を実現し得る半導体材料として、有機半導体材料が近年活発に研究されている(非特許文献1)。
例えば、有機半導体材料を薄膜化し、光電変換材料として用いることにより、光電変換素子を実現することが研究されている。有機薄膜を用いた光電変換素子は、光によって発生する電荷を電気信号として取り出すことにより、固体撮像素子などの光センサとして利用することができる(特許文献1)。
有機半導体材料では、使用する有機化合物の分子構造を変えると、エネルギー準位が変化し得るので、有機半導体材料を光電変換材料として用いることによって吸収波長を制御し得る。例えば、光センサに、Siが感度を有さない近赤外領域においても感度を持たせることができる。つまり、有機半導体材料を用いれば、従来、光電変換に用いられることのなかった波長領域の光を活用することが可能であり、近赤外領域に感度を有する光センサを実現することが可能となる。
特開2003−234460号公報
"Chemical Reviews"、2007、107、p.1296−1323
近赤外領域に感度を有する撮像装置を提供する。
本願の限定的ではないある例示的な実施形態によれば、以下が提供される。
一対の電極および前記一対の電極間に配置された光電変換層を含む光電変換部と、前記光電変換部によって生成された信号を検出する信号検出回路と、前記一対の電極のうちの一方の電極に接続された電圧供給回路とを備え、前記光電変換層は、下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む、撮像装置。
Figure 2016225456
(式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)
本開示の一態様によれば、近赤外領域に感度を有する撮像装置が提供される。
図1は、本開示の第1の実施形態による撮像装置の回路構成の一例を示す図である。 図2は、スズナフタロシアニンを含む材料から形成された光電変換層における吸収スペクトルの一例を示す図である。 図3は、分子軌道計算により得られた、スズナフタロシアニンの分子構造を示す図である。 図4は、分子軌道計算により得られた、スズナフタロシアニンの分子構造を示す図である。 図5は、スズナフタロシアニンを含む有機半導体材料を用いて形成した光電変換層を有する光電変換素子の模式的な断面図である。 図6は、p型半導体層およびn型半導体層を有する光電変換素子の構成の一例を示す模式的な断面図である。 図7は、図6に示す光電変換素子200Aにおける例示的なエネルギーバンド図である。 図8は、本開示の実施形態による撮像装置100中の単位画素セル20のデバイス構造の一例を示す模式的な断面図である。 図9は、本開示の第2の実施形態による光電変換膜の形成方法を説明するための模式的な断面図である。 図10Aは、実施例1〜3の光電変換素子について得られた、暗状態における電流−電圧特性の測定結果を示す図である。 図10Bは、実施例1〜3の光電変換素子について得られた、分光感度特性の測定結果を示す図である。 図11Aは、実施例18および比較例1のサンプルについて得られた吸収スペクトルを示す図である。 図11Bは、実施例18および比較例1のサンプルについて得られたX線回折パターンを示す図である。 図12Aは、比較例2および比較例3のサンプルについて得られた吸収スペクトルを示す図である。 図12Bは、比較例2および比較例3のサンプルについて得られたX線回折パターンを示す図である。 図13Aは、実施例19および比較例4のサンプルについて得られた吸収スペクトルを示す図である。 図13Bは、実施例20および比較例5の光電変換素子について得られた、分光感度特性の測定結果を示す図である。
近赤外領域に感度を有する有機半導体材料を光電変換素子の光電変換材料として用いることが検討されている。このような光電変換材料を用いれば、例えば、近赤外領域に感度を有する撮像装置を実現し得る。
特許第5216279号公報は、近赤外領域に感度を有する有機半導体材料として、中心金属原子にアルキル鎖などの置換基が付与されたナフタロシアニン誘導体を提案している。ナフタロシアニン誘導体は、π−π相互作用に起因する分子間相互作用が強く、近赤外領域に感度を有する有機半導体材料の有力な候補である。しかしながら、特許第5216279号公報に開示されたナフタロシアニン誘導体における吸収極大は、いずれも850nm以下であり、更なる長波長化が望まれている。
本発明者らは、ナフタロシアニンの電子状態を制御することによる吸収波長の制御の可能性を検討した。例えば、特許第5216279号公報では、アルキル鎖などの置換基を付与することにより、中心金属原子、または、中心金属原子を取り囲むナフタロシアニン環を修飾している。しかしながら、本発明者らの検討によれば、このような手法を用いると、分子間相互作用の低下、および、絶縁体であるアルキル鎖による電荷移動度の低下が生じ、撮像素子としての特性が低下する。
本発明者らは、さらに検討を重ね、スズナフタロシアニンが撮像装置に有用な材料であることを見出した。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
[項目1]
一対の電極および一対の電極間に配置された光電変換層を含む光電変換部と、光電変換部によって生成された信号を検出する信号検出回路と、一対の電極のうちの一方の電極に接続された電圧供給回路とを備え、光電変換層は、下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む、撮像装置。
Figure 2016225456
(式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)
項目1の構成によれば、近赤外領域に感度を有する撮像装置を実現し得る。
[項目2]
光電変換層の吸収スペクトルにおいて、短波長側にピークを有し、かつ、ピークの長波長側に、ピークを示す遷移とは異なる、会合体に基づく吸収を有する、項目1に記載の撮像装置。
項目2の構成によれば、より長波長域の光を利用し得る。
[項目3]
光電変換層の厚さは、40nm以上である、項目1または2に記載の撮像装置。
項目3の構成によれば、近赤外領域における吸収を増大させ得る。
[項目4]
一対の電極間に印加される電圧を一対の電極間の距離で割った値は、1.0×103V/cm以上1.0×107V/cm以下である、項目1から3のいずれかに記載の撮像装置。
項目4の構成によれば、光電変換によって生じた電荷を効率的に画素電極に移動させ得る。
[項目5]
シェーラーの式を用いて求められる、光電変換層の結晶子径は、40nm以上である、項目1から4のいずれかに記載の撮像装置。
項目5の構成によれば、近赤外領域における吸収を増大させ得る。
[項目6]
光電変換層は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を有機n型半導体として含む、項目1から5のいずれかに記載の撮像装置。
項目6の構成によれば、光電変換効率を向上させ得る。
[項目7]
光電変換層は、有機p型半導体を含み、光電変換層における、有機p型半導体に対する有機n型半導体の体積比率は、4倍以上20倍以下である、項目6に記載の撮像装置。
項目7の構成によれば、暗電流の抑制と近赤外領域における感度とを両立させ得る。
[項目8]
下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む材料を基板上に堆積する工程(a)と、基板上に堆積した材料における会合度を増大させる工程(b)とを含む、光電変換膜の製造方法。
Figure 2016225456
(式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)
項目8の構成によれば、近赤外領域に吸収を有する光電変換膜を形成し得る。
[項目9]
工程(b)は、基板上に堆積した材料を加熱する工程を含む、項目8に記載の光電変換膜の製造方法。
項目9の構成によれば、基板上に形成された有機層における会合状態を加熱によって制御し得る。
[項目10]
工程(a)および工程(b)は、同時に実行される、項目8または9に記載の光電変換膜の製造方法。
項目10の構成によれば、光電変換膜の製造工程をより簡素化し得る。
以下、本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照しながら、本開示の撮像装置の構成の概略を説明する。本開示の撮像装置における構成の詳細は後述する。
図1は、本開示の第1の実施形態による撮像装置の回路構成の一例を示す。図1に示す撮像装置100は、複数の単位画素セル20と、周辺回路とを有する。周辺回路は、単位画素セル20の各々に所定の電圧を供給する電圧供給回路10を含む。
単位画素セル20は、半導体基板に2次元的に配置されることにより、感光領域(画素領域)を形成する。図1に例示する構成では、単位画素セル20が、行方向および列方向に配列されている。本明細書において、行方向および列方向は、それぞれ、行および列が延びる方向を意味する。つまり、図1の紙面における垂直方向が列方向であり、水平方向が行方向である。図1では、2×2のマトリクス状に配置された4つの単位画素セル20が示されている。図1に示す単位画素セル20の個数はあくまでも説明のための例示であり、単位画素セル20の個数は4つに限定されない。なお、撮像装置100は、ラインセンサであってもよい。すなわち、複数の単位画素セル20は、1次元的に配列され得る。
単位画素セル20の各々は、光電変換部30と、光電変換部30によって生成された信号を検出する信号検出回路40とを有する。光電変換部30は、画素電極32および対向電極38と、これらの間に配置された光電変換層39とを含む。図示するように、対向電極38は、蓄積制御線22を介して電圧供給回路10に接続されている。撮像装置100の動作時、蓄積制御線22を介して対向電極38に所定のバイアス電圧が印加される。バイアス電圧を用いて対向電極38の電位を制御することにより、光電変換によって光電変換層39に生じた正孔−電子対のうち、正孔および電子のいずれか一方を画素電極32によって収集することができる。例えば信号電荷として正孔を利用する場合、画素電極32よりも対向電極38の電位が高くなるように、蓄積制御線22に例えば10V程度の電圧が印加される。以下では、信号電荷として正孔を利用する例を説明する。信号電荷は、正孔に限定されず、電子であってもよい。
図1に例示する構成において、信号検出回路40は、増幅トランジスタ42と、アドレストランジスタ(行選択トランジスタ)44とを含む。典型的には、増幅トランジスタ42およびアドレストランジスタ44は、半導体基板に形成された電界効果トランジスタ(FET)である。以下では、特に断りの無い限り、トランジスタとしてNチャンネルMOSを用いる例を説明する。なお、本明細書における「半導体基板」は、その全体が半導体である基板に限定されず、感光領域が形成される側の表面に半導体層が設けられた絶縁基板などであってもよい。半導体基板の例は、p型シリコン基板である。
図示するように、増幅トランジスタ42の入力端子および出力端子のうちの一方(典型的にはソース)と、アドレストランジスタ44の入力端子および出力端子のうちの一方(典型的にはドレイン)とが接続されている。増幅トランジスタ42の制御端子(ここではゲート)は、光電変換部30の画素電極32に電気的に接続されている。画素電極32によって集められた信号電荷(例えば正孔)は、画素電極32と増幅トランジスタ42のゲートとの間の電荷蓄積ノード(「フローティングディフュージョンノード」とも呼ばれる)41に蓄積される。
増幅トランジスタ42のゲートには、電荷蓄積ノード41に蓄積された信号電荷に応じた電圧が印加される。増幅トランジスタ42は、この電圧を増幅する。すなわち、増幅トランジスタ42は、光電変換部30によって生成された信号を増幅する。増幅トランジスタ42によって増幅された電圧は、信号電圧として、アドレストランジスタ44を介して選択的に読み出される。
本開示の実施形態では、光電変換部30の光電変換層39を構成する材料として有機半導体材料を用いる。光電変換層39は、下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニン(以下、単に「スズナフタロシアニン」と呼ぶことがある)を含む。
Figure 2016225456
一般式(1)中、R1〜R24は、独立して、水素原子または置換基を表す。置換基は、特定の置換基に限定されない。置換基は、重水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールアゾ基、ヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、または、その他の公知の置換基であり得る。
上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンとしては、市販されている製品を用いることができる。あるいは、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンは、例えば特開2010−232410号公報に示されているように、下記の一般式(2)で表されるナフタレン誘導体を出発原料として合成することができる。
Figure 2016225456
一般式(2)中、R25〜R30は、一般式(1)におけるR1〜R24と同様の置換基であり得る。
上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンにおいて、分子の凝集状態の制御のし易さの観点から、R1〜R24のうち、8個以上が水素原子または重水素原子であると有益であり、R1〜R24のうち、16個以上が水素原子または重水素原子であるとより有益であり、全てが水素原子または重水素原子であるとさらに有益である。さらに、以下の式(3)で表されるスズナフタロシアニンは、合成の容易さの観点で有利である。
Figure 2016225456
上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンは、概ね200nm以上1100nm以下の波長帯域に吸収を有する。例えば、上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンは、図2に示すように、波長が概ね870nmの位置に吸収ピークを有する。
図2は、上述の一般式(3)で表されるスズナフタロシアニンを含む光電変換層における吸収スペクトルの一例を示している。図2に示す吸収スペクトルの測定においては、石英基板上に光電変換層(厚さ:30nm)が積層されたサンプルを用いている。
このように、スズナフタロシアニンを含む材料から形成された光電変換層は、近赤外領域に吸収を有する。本開示の実施形態によれば、近赤外光を検出可能な、撮像素子等の撮像装置を実現することが可能である。
本発明者らは、さらに、スズナフタロシアニンを含む材料から形成された光電変換層が、より長波長の帯域において吸収を示し得ることを見出した。後に実施例を参照して説明するように、例えば、スズナフタロシアニンを含む材料から形成された有機層に熱処理を行うことにより、1100nm以上の波長域において特徴的な吸収を示す光電変換層が得られる。この特徴的な吸収は、図2に示す、波長が870nm付近の吸収ピークよりも長波長側に現れる。この長波長側の吸収は、870nm付近の吸収ピークを示す遷移とは異なる、会合体に基づく吸収であると推測される。熱処理の施された光電変換層は、図2に示す、波長が870nm付近の吸収ピークとは異なる新たな吸収ピークを有していてもよい。光電変換層39は、例えば、波長1200nm付近に吸収ピークを有し得る。
また、後に実施例を参照して説明するように、スズナフタロシアニンを含む光電変換層は、X線回折パターンに回折ピークを有し得る。つまり、光電変換層39は、結晶性を有していてもよい。このとき、シェーラーの式(D=Kλ/(βcosθ))を用いて求められる結晶子径は、40nm以上であり得る。シェーラーの式中、Dは、結晶子サイズ(Å)を表し、βは、X線回折パターンにおける回折ピークの半値全幅を表し、θは、回折角(rad)を表す。Kは、Scherrer定数である。
図3および図4を参照する。図3および図4は、分子軌道計算により得られた、スズナフタロシアニンの分子構造を示す。図3に示すように、スズナフタロシアニンにおけるナフタロシアニン環は、平面的には広がっておらず、図3において上に凸の湾曲した形状を有している。これは、ナフタロシアニン環の中心に位置する金属であるSn原子が大きいためであると考えられる。
また、後に実施例を参照して説明するように、1100nm以上の波長域において特徴的な吸収を示したサンプルにおいて、X線回折パターンに回折ピークが認められた。そのため、1100nm以上の波長域において特徴的な吸収を示す光電変換層では、スズナフタロシアニンが、分子が互い違いにスタックするJ会合体を形成していると考えられる。したがって、ナフタロシアニン環が湾曲した分子構造を有するスズナフタロシアニンの会合体は、ナフタロシアニン環が平面的に広がったナフタロシアニン誘導体によって形成される会合体に比べて、より長波長の帯域において吸収を示すと推測される。つまり、スズナフタロシアニンの会合状態を制御することにより、吸収波長を制御し得る。
なお、図3によく表されているように、スズナフタロシアニン中のSn原子は、ナフタロシアニン環が広がる面から突出している。本発明者らの検討によると、Sn原子に代えて、酸化バナジウム、塩化インジウムなどの金属化合物が配置された分子においても、スズナフタロシアニンと同様に、ナフタロシアニン環の中心に位置する金属化合物(例えば酸化バナジウムまたは塩化インジウム)は、ナフタロシアニン環が広がる面から突出する。しかしながら、本発明者らの検討によれば、ナフタロシアニン環が広がる面から金属化合物が突出するような構造を有する分子から形成された光電変換膜では、電荷移動度が低下し、例えば撮像素子としての特性が低下する。
光電変換層39は、例えば、40nm以上の厚さを有する。会合体の形成のしやすさの観点から、光電変換層39の厚さが、スズナフタロシアニン分子の大きさよりも十分に大きいと有益である。ここで、スズナフタロシアニン分子の大きさは、スズナフタロシアニンにおけるナフタロシアニン環の広がりの程度を示す、図4中の矢印Mの長さを意味する。特に、光電変換層39の厚さが、上述のシェーラーの式を用いて求められる結晶子径よりも大きいと有益である。
次に、図5〜図7を参照しながら、本開示の実施形態における光電変換部30の構成の典型例を説明する。ここでは、説明の便宜のため、撮像装置よりも単純な構成を有する光電変換素子を例にとり、光電変換部30の構成の典型例を説明する。
図5は、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む有機半導体材料を用いて形成した光電変換層を有する光電変換素子の断面を模式的に示す。図5に示す光電変換素子200は、第1電極202と、第2電極208と、第1電極202および第2電極208の間に挟まれた光電変換層39とを有する。第1電極202および第2電極208は、それぞれ、図1を参照して説明した光電変換部30における画素電極32および対向電極38に相当する。なお、本明細書における「電極」は、金属から形成された電極に限定されず、酸化物もしくは窒化物、または、ポリシリコン層などから形成された電極を広く含むように解釈される。本明細書における「電極」は、半導体基板に形成された不純物領域であってもよい。
図5に例示する構成において、第2電極208は、基板201に隣接して形成されている。別の言い方をすれば、光電変換素子200では、第2電極208、光電変換層39および第1電極202が、基板201によって支持されている。なお、後に図面を参照して説明するように、本開示の撮像装置100においては、光電変換部30を支持するための基板を対向電極38に隣接して設ける必要はない。
基板201は、近赤外光に対して透明な基板であり、第2電極208は、近赤外光に対して透明な導電性材料から構成された電極である。ここでは、光は、基板201および第2電極208を介して光電変換層39に入射する。つまり、この例では、基板201において第2電極208が形成されていない側の面が受光面である。基板201および第2電極208を介して光電変換層39に近赤外光が入射すると、光電変換層39において正孔−電子対が生じる。
光電変換素子200を撮像素子として利用する場合、第2電極208(撮像装置100における対向電極38)に、不図示の配線を介してバイアス電圧が印加される。このバイアス電圧は、光電変換層39で発生した正孔−電子対のうち、例えば、電子が第2電極208に移動し、正孔が第1電極202に移動するように、その極性が決められる。バイアス電圧を印加することにより、光電変換によって生じた電荷を第1電極202に移動させ、この電荷に応じた信号を外部に取り出すことができる。例えば、第1電極202によって正孔を収集して第1電極202の電位を測定することによって、光電変換素子200に入射した近赤外光を検出することができる。
第2電極208と第1電極202との間に印加される電圧を第2電極208および第1電極202間の距離で割った値(すなわち電界の強さ)が、1.0×103V/cm以上1.0×107V/cm以下の範囲内であると有益である。第2電極208と第1電極202との間に印加される電圧を第2電極208および第1電極202間の距離で割った値の範囲が、1.0×104V/cm以上1.0×107V/cm以下であるとより有益である。第2電極208と第1電極202との間に印加される電圧の値を上記の範囲内に設定することにより、第1電極202に電荷を効率的に移動させ得る。
図1を参照して説明したように、撮像装置100においては、蓄積制御線22を介して、電圧供給回路10から対向電極38にバイアス電圧が印加される。撮像装置100においても、対向電極38と画素電極32との間に印加される電圧を対向電極38および画素電極32の間の距離で割った値が、上記の範囲内であると有益である。
光電変換層39の形成には、例えば、真空下で加熱することにより材料を気化させ、基板上に堆積させる真空蒸着法などを用いることができる。蒸着法は、不純物の混入を防止し、設計上の自由度を確保しながら高機能化のための多層化を行い得る点で有利である。蒸着装置は、市販の装置を用い得る。蒸着中の蒸着源の温度は、100〜700℃が好ましく、400〜600℃がさらに好ましい。蒸着時の真空度は、1〜1×10-7Paが好ましく、1×10-3〜1×10-7Paがさらに好ましい。蒸着源に金属微粒子等を添加して蒸着速度を高める方法を適用してもよい。もちろん、光電変換層39の形成は、真空蒸着法に限定されず、公知の種々の手法を適用可能である。上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む有機半導体材料を基板上に堆積することにより、基板上に光電変換膜を形成することができる。
上述したように、第2電極208は、近赤外光に対して透明な導電性材料から形成される。第2電極208の材料としては、近赤外光に対する透過率が高く、抵抗値が小さい透明導電性酸化物(Transparent Conducting Oxide(TCO))を用いることができる。第2電極208として、Auなどの金属薄膜を用いることもできる。ただし、金属薄膜を用いて90%以上の透過率を得ようとすると抵抗値が極端に増大することがある。TCOとして、例えば、ITO、IZO、AZO、FTO、SnO2、TiO2、ZnO2等を用いることができる。
第1電極202は、第2電極208と同様に、近赤外光に対して透明な導電性材料から形成されてもよいし、他の材料から形成されてもよい。第1電極202は、アルミニウム、銅などの金属、または、不純物がドープされることにより導電性が付与されたポリシリコンなどから形成され得る。
第2電極208および第1電極202の作製には、使用する材料に応じて種々の方法が用いられる。例えばITOを使用して電極を形成する場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法を適用できる。ITO膜の形成後、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施してもよい。
光電変換部30(図1参照)における対向電極38も、第2電極208と同様の材料および方法によって形成することができる。同様に、光電変換部30における画素電極32も、第1電極202と同様の材料および方法によって形成することができる。
図6は、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む有機半導体材料を用いて形成した光電変換層を有する光電変換素子の他の一例を示す。図6に示す光電変換素子200Aと、図5を参照して説明した光電変換素子200との間の相違点は、光電変換素子200Aが、光電変換層39に代えて、光電変換層39hを含む光電変換構造39Aを有する点である。
この光電変換構造39Aは、p型半導体およびn型半導体の少なくとも一方を含む。図6に例示する構成では、光電変換構造39Aは、光電変換層39h、p型半導体層36およびn型半導体層37を含んでおり、p型半導体層36およびn型半導体層37の間に光電変換層39hが挟まれている。p型半導体層36は、光電変換層および/または正孔輸送層としての機能を有し、n型半導体層37は、光電変換層および/または電子輸送層としての機能を有する。後述するように、光電変換層39hがp型半導体およびn型半導体の少なくとも一方を含んでいてもよい。
p型半導体層36およびn型半導体層37は、それぞれ、有機p型半導体および有機n型半導体を含む。すなわち、光電変換構造39Aは、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む有機光電変換材料と、有機p型半導体および有機n型半導体の少なくとも一方とを含む。
有機p型半導体(化合物)は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、有機p型半導体(化合物)は、2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物としては、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、ドナー性有機半導体は、これらに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用い得る。上述のスズナフタロシアニンは、有機p型半導体材料の一例である。
有機n型半導体(化合物)は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは、有機n型半導体(化合物)は、2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物としては、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、フラーレン、フラーレン誘導体、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。なお、これらに限らず、上記したように、p型(ドナー性)有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用い得る。
光電変換層39hは、p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層であってもよい。バルクへテロ接合構造は、キャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させ得る。バルクへテロ接合構造を有する層として光電変換層39hを形成する場合、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンをp型半導体材料として用い得る。n型半導体材料としては、例えば、フラーレンおよび/またはフラーレン誘導体を用いることができる。p型半導体層36を構成する材料が、光電変換層39hに含まれるp型半導体材料と同じであると有益である。同様に、n型半導体層37を構成する材料が、光電変換層39hに含まれるn型半導体材料と同じであると有益である。バルクへテロ接合構造は、特許第5553727号公報において詳細に説明されている。参考のため、特許第5553727号公報の開示内容の全てを本明細書に援用する。
なお、バルクへテロ接合構造では、p型半導体とn型半導体が接触することに起因して、暗状態においても電荷が発生し得る。しかしながら、暗電流は、p型半導体とn型半導体との接触を少なくすることによって抑制可能である。光電変換構造39Aは、有機n型半導体としてフラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を含む。電荷移動度の観点から、例えば、n型半導体としてフラーレン誘導体が多く含まれていてもよい。特に、光電変換層39hにおける、p型半導体に対するn型半導体の体積比率が4倍以上であると、素子抵抗を抑制し得るので有益である。ただし、p型半導体の割合が小さくなると、近赤外領域における感度が低下し得る。つまり、感度の点からは、p型半導体に対するn型半導体の体積比率が大きすぎない方が有利である。例えばp型半導体に対するn型半導体の体積比率が20倍以下であると、近赤外領域における感度の低下を抑制し得るので有益である。p型半導体に対するn型半導体の体積比率が4倍以上20倍以下であると、暗電流の抑制と近赤外領域における感度とを両立させ得るので有益である。
図6に例示する構成において、光電変換素子200Aは、第2電極208と光電変換構造39Aとの間に位置する電子ブロッキング層34と、第1電極202と光電変換構造39Aとの間に位置する正孔ブロッキング層35とを有する。
図7は、光電変換素子200Aにおけるエネルギーバンドの一例を模式的に示す。電子ブロッキング層34は、第2電極208から電子が注入されることによる暗電流を低減するために設けられている。図7に示すように、電子ブロッキング層34は、光電変換構造39Aにおけるp型半導体層36よりも低いエネルギー準位のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)および高いエネルギー準位のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)を有する。言い換えると、光電変換構造39Aは、電子ブロッキング層34との界面近傍において、電子ブロッキング層34よりも高いエネルギー準位のHOMOおよび電子ブロッキング層34よりも低いエネルギー準位のLUMOを有する。電子ブロッキング層34は、例えば前述のp型半導体または正孔輸送性有機化合物を用いて形成され得る。
正孔ブロッキング層35は、第1電極202から正孔が注入されることによる暗電流を低減するために設けられており、第1電極202からの光電変換層39hへの正孔の注入を阻止する。正孔ブロッキング層35を形成するための材料としては、例えば、銅フタロシアニン、PTCDA、アセチルアセトネート錯体、BCP、Alqなどの有機物、もしくは、有機−金属化合物、または、MgAg、MgOなどの無機物を用いることができる。正孔ブロッキング層35を形成するための材料として、前述のn型半導体あるいは電子輸送性有機化合物を用いることもできる。
なお、第1電極202側から光電変換層39hに光が入射するような構成においては、正孔ブロッキング層35において近赤外光の透過率が高いと有益である。例えば、可視域に吸収をもたない材料を用いて正孔ブロッキング層35を形成してもよいし、正孔ブロッキング層35の厚さを小さくしてもよい。光電変換層39hの構成、第1電極202の厚さ等によるが、正孔ブロッキング層35の厚さが2〜50nmの範囲内であると有益である。
電子ブロッキング層34を設ける場合、電子ブロッキング層34との密着性、電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して第2電極208の材料が選ばれる。第1電極202についても同様である。
図7に示すように、第1電極202の仕事関数が比較的大きい(例えば4.8eV)と、バイアス印加時に正孔が光電変換層39hへと移動する際の障壁が低くなるので、第1電極202から光電変換構造39Aへの正孔注入が起こりやすく、その結果として暗電流が大きくなると考えられる。この例では正孔ブロッキング層35を設けているので、暗電流が抑制され得る。
再び図1を参照して、撮像装置100における構成をより詳細に説明する。
上述したように、撮像装置100は、複数の単位画素セル20と、周辺回路とを有する。単位画素セル20の各々は、リセットトランジスタ46を含む。リセットトランジスタ46のソースおよびドレインの一方は、電荷蓄積ノード41に接続されている。言い換えれば、リセットトランジスタ46のソースおよびドレインの一方は、画素電極32との電気的な接続を有する。
リセットトランジスタ46は、電荷蓄積ノード41に蓄積された信号電荷をリセットする。換言すると、リセットトランジスタ46は、増幅トランジスタ42のゲートおよび画素電極32の電位をリセットする。
図示するように、撮像装置100は、電源線23と、垂直信号線24と、アドレス信号線25と、リセット信号線26とを含む。これらの線は、各単位画素セル20に接続されている。電源線(ソースフォロア電源)23は、増幅トランジスタ42のソースおよびドレインの一方に接続されており、各単位画素セル20に所定の電源電圧を供給する。垂直信号線24は、アドレストランジスタ44のソースおよびドレインのうち、増幅トランジスタ42のソースまたはドレインと接続されていない側に接続されている。アドレス信号線25は、アドレストランジスタ44のゲート電極に接続されている。リセット信号線26は、リセットトランジスタ46のゲートに接続されている。
撮像装置100の周辺回路は、垂直走査回路(「行走査回路」とも呼ばれる)52と、水平信号読出し回路(「列走査回路」とも呼ばれる)54と、複数のカラム信号処理回路(「行信号蓄積回路」とも呼ばれる)56と、複数の負荷回路58と、複数の反転増幅器59とを含む。カラム信号処理回路56、負荷回路58および反転増幅器59は、行方向および列方向に配列された複数の単位画素セル20の各列に対応して設けられている。カラム信号処理回路56の各々は、複数の単位画素セル20の各列に対応した垂直信号線24を介して、各列に配置された単位画素セル20に電気的に接続されている。複数のカラム信号処理回路56は、水平信号読出し回路54に電気的に接続されている。負荷回路58の各々は、各垂直信号線24に電気的に接続されており、負荷回路58と増幅トランジスタ42とによってソースフォロア回路が形成されている。
垂直走査回路52は、アドレス信号線25およびリセット信号線26に接続されている。垂直走査回路52は、アドレス信号線25を介して、アドレストランジスタ44のオンおよびオフを制御するための行選択信号をアドレストランジスタ44のゲートに印加する。アドレス信号線25毎に行選択信号が送出されることにより、読出し対象の行が走査および選択される。選択された行の単位画素セル20から垂直信号線24に信号電圧が読み出される。また、垂直走査回路52は、リセット信号線26を介して、リセットトランジスタ46のオンおよびオフを制御するためのリセット信号をリセットトランジスタ46のゲートに印加する。リセット信号線26毎に行選択信号が送出されることにより、リセット動作の対象となる単位画素セル20の行が選択される。このように、垂直走査回路52は、複数の単位画素セル20を行単位で選択し、信号電圧の読出しおよび画素電極32の電位のリセットを行う。
垂直走査回路52によって選択された単位画素セル20から読み出された信号電圧は、垂直信号線24を介して、カラム信号処理回路56へ送られる。カラム信号処理回路56は、相関二重サンプリングに代表される雑音抑圧信号処理およびアナログ−デジタル変換(AD変換)などを行う。水平信号読出し回路54は、複数のカラム信号処理回路56から水平共通信号線(不図示)に信号を順次読み出す。
なお、垂直走査回路52は、上述の電圧供給回路10を一部に含んでいてもよい。あるいは、電圧供給回路10が垂直走査回路52との電気的接続を有していてもよい。言い換えれば、垂直走査回路52を介して、対向電極38にバイアス電圧が印加されてもよい。
図1に例示する構成では、複数の反転増幅器59が、各列に対応して設けられている。反転増幅器59の負側の入力端子は、対応する垂直信号線24に接続されている。反転増幅器59の出力端子は、各列に対応して設けられたフィードバック線27を介して、対応する列の各単位画素セル20に接続されている。
図示するように、フィードバック線27は、リセットトランジスタ46のソースおよびドレインのうち、電荷蓄積ノード41と接続されていない側(ここではドレイン)に接続されている。したがって、反転増幅器59は、アドレストランジスタ44とリセットトランジスタ46とが導通状態にあるときに、アドレストランジスタ44の出力を負端子に受ける。一方、反転増幅器59の正側の入力端子には、不図示の電源からリセットにおける基準電圧が印加される。反転増幅器59は、増幅トランジスタ42のゲート電圧が所定のフィードバック電圧となるようにフィードバック動作を行う。フィードバック電圧とは、反転増幅器59の出力電圧を意味する。反転増幅器59の出力電圧は、例えば0Vまたは0V近傍の正電圧である。反転増幅器59を「フィードバックアンプ」と呼んでもよい。
図8は、本開示の実施形態による撮像装置100中の単位画素セル20のデバイス構造の断面を模式的に示している。
図8に例示する構成において、単位画素セル20は、光電変換部30を支持する半導体基板62(例えばシリコン基板)を含む。図示するように、光電変換部30は、半導体基板62の上方に配置される。この例では、半導体基板62上に層間絶縁層63A、63Bおよび63Cが積層されており、層間絶縁層63C上に、画素電極32、光電変換層39および対向電極38の積層体が配置されている。ここでは、互いに隣接する2つの単位画素セル20間において画素電極32が空間的に分離して形成されることにより、互いに隣接する2つの画素電極32は、電気的に分離されている。また、ここでは、光電変換層39および対向電極38は、複数の単位画素セル20に跨るように形成されている。
光電変換部30としては、例えば、図5に示す光電変換素子200から基板201を除いた構成、または、図6に示す光電変換素子200Aから基板201を除いた構成を適用し得る。光電変換素子200および光電変換素子200Aにおける第1電極202および第2電極208が、それぞれ、画素電極32および対向電極38に対応する。なお、図8に例示する構成では、対向電極38上に保護層72が設けられている。この保護層72は、光電変換部30を支持するために配置された基板ではない。図8に示すように、保護層72上にマイクロレンズ74が配置されていてもよい。
半導体基板62には、増幅トランジスタ42、アドレストランジスタ44およびリセットトランジスタ46が形成されている。
増幅トランジスタ42は、半導体基板62に形成された不純物領域62aおよび62bと、半導体基板62上に位置するゲート絶縁層42gと、ゲート絶縁層42g上に位置するゲート電極42eとを含む。不純物領域(ここではn型不純物領域)62aおよび62bは、増幅トランジスタ42のドレインまたはソースとして機能する。
アドレストランジスタ44は、半導体基板62に形成された不純物領域62aおよび62cと、半導体基板62上に位置するゲート絶縁層44gと、ゲート絶縁層44g上に位置するゲート電極44eとを含む。不純物領域(ここではn型不純物領域)62aおよび62cは、アドレストランジスタ44のドレインまたはソースとして機能する。この例では、増幅トランジスタ42とアドレストランジスタ44が不純物領域62aを共有することにより、増幅トランジスタ42のソース(またはドレイン)と、アドレストランジスタ44のドレイン(またはソース)とが電気的に接続されている。
リセットトランジスタ46は、半導体基板62内に形成された不純物領域62dおよび62eと、半導体基板62上に位置するゲート絶縁層46gと、ゲート絶縁層46g上に位置するゲート電極46eとを含む。不純物領域(ここではn型不純物領域)62dおよび62eは、リセットトランジスタ46のドレインまたはソースとして機能する。
半導体基板62において、互いに隣接する単位画素セル20間、および、増幅トランジスタ42とリセットトランジスタ46との間には、素子分離領域62sが設けられている。素子分離領域62sにより、互いに隣接する単位画素セル20が電気的に分離されている。また、互いに隣接する単位画素セル20間に素子分離領域62sが設けられることにより、電荷蓄積ノード41に蓄積される信号電荷のリークが抑制される。
層間絶縁層63A内には、リセットトランジスタ46の不純物領域62dに接続されたコンタクトプラグ65A、増幅トランジスタ42のゲート電極42eに接続されたコンタクトプラグ65B、および、コンタクトプラグ65Aとコンタクトプラグ65Bとを接続する配線66Aが形成されている。これにより、リセットトランジスタ46のn型不純物領域62d(例えばドレイン)が増幅トランジスタ42のゲート電極42eと電気的に接続されている。図8に例示する構成では、層間絶縁層63A内に、プラグ67Aおよび配線68Aがさらに形成されている。また、層間絶縁層63B内にプラグ67Bおよび配線68Bが形成され、層間絶縁層63C内にプラグ67Cが形成されることにより、配線66Aと画素電極32とが電気的に接続されている。コンタクトプラグ65A、コンタクトプラグ65B、配線66A、プラグ67A、配線68A、プラグ67B、配線68B、および、プラグ67Cは、典型的には金属から構成される。
撮像装置100は、一般的な半導体製造プロセスを用いて製造することができる。特に、半導体基板62としてシリコン基板を用いる場合には、種々のシリコン半導体プロセスを利用することによって撮像装置100を製造することができる。なお、上述の実施形態では、増幅トランジスタ42、アドレストランジスタ44およびリセットトランジスタ46の各々がNチャンネルMOSである例を説明した。しかしながら、本開示の実施形態におけるトランジスタは、NチャンネルMOSに限定されない。増幅トランジスタ42、アドレストランジスタ44およびリセットトランジスタ46は、PチャンネルMOSであってもよい。また、これらの全てがNチャンネルMOSまたはPチャンネルMOSのいずれかに統一されている必要はない。トランジスタとして、FETのほか、バイポーラトランジスタも用い得る。
(第2の実施形態)
次に、光電変換膜の例示的な形成方法を説明する。図9は、本開示の第2の実施形態による光電変換膜の形成方法を説明するための模式的な断面図である。図9に例示する構成では、基板(例えばガラス基板)61上に光電変換膜11が形成されている。ここでは、光電変換膜11は、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む。
まず、基板61を用意する。次に、上述の一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む材料を基板61上に堆積することにより、基板61上に有機層を形成する。このとき、スズナフタロシアニンのみを用いてもよいし、フラーレン誘導体などの異種の材料との混合物を用いて有機層を形成してもよい。有機層は、バルクヘテロ接合構造を有していてもよい。ここでは、スズナフタロシアニンを基板61上に堆積する。基板61上へのスズナフタロシアニンの堆積は、撮像装置100における光電変換層39と同様にして(例えば真空蒸着法によって)実行し得る。
次に、基板61上に堆積した材料における会合度を増大させる。基板61上に堆積した材料における会合度を増大させることにより、近赤外領域に吸収を有する光電変換膜11が得られる。基板61上に堆積した材料における会合度を増大させる方法は、特定の方法に限定されない。例えば、有機層を形成するための材料(ここではスズナフタロシアニン)を基板61上に堆積した後、基板61および有機層を加熱することにより、有機層における会合状態を制御してもよい。基板61上に形成された有機層を加熱する方法は、特定の方法に限定されない。例えば、基板61および有機層の積層体をヒーターなどに直接接触させる方法、基板61および有機層の積層体を高温の雰囲気にさらす方法などを用い得る。基板61および有機層の積層体を熱源にさらす方法は、プロセスを簡素化し得るので有益である。
有機層上に機能層(例えば電子ブロッキング層または正孔ブロッキング層)、電極などをさらに形成する場合には、機能層または電極を形成する工程における輻射熱(例えばITOのスパッタにおける輻射熱、蒸着に使用する坩堝からの輻射熱)を利用することによって有機層を加熱してもよい。すなわち、光電変換膜を有する素子を作製する場合においては、有機層の会合状態の制御は、電極成膜時に蒸着源から発せられる熱、および/または、気化し、有機層上に堆積される材料そのものの熱を用いて実行され得る。
有機層を形成するための材料に対する加熱は、基板61上への堆積と同時に実行されてもよい。例えば、真空蒸着法を適用する場合、蒸着中に基板61を加熱することにより、基板61に堆積された材料に熱を与えてもよい。つまり、基板61上へのスズナフタロシアニンを含む材料の堆積と、基板61上に堆積した材料における会合度の増大とは、同時に実行され得る。
なお、有機層の酸化などを抑制する観点から、有機層の加熱が不活性雰囲気下で行われると有益であり、真空下で行われるとより有益である。真空度は、1〜1×10-7Paが好ましく、1×10-3〜1×10-7Paがさらに好ましい。
基板61上に堆積した材料における会合度を増大させる方法は、加熱に限定されない。有機層を形成するための材料を基板61に堆積する前に、基板61の表面を予めSAM(self-assembled monolayer)などで修飾しておくことによっても有機層の会合状態を制御し得る。あるいは、堆積速度を例えば1Å/sec以下とするなど、有機層の形成時の条件を調整することによっても有機層の会合状態を制御し得る。
スズナフタロシアニンを用いて形成した有機層を例えば加熱することによって、吸収スペクトルにおける長波長域に、加熱前には見られなかった吸収が現れる。実施例を参照して後に詳しく説明するように、長波長域におけるこのような吸収を得る観点からは、光電変換膜の厚さが、光電変換膜内に含まれる結晶子のサイズより大きいことが有益である。光電変換膜の厚さが、結晶子サイズの例えば10倍以上であるとより有益である。
なお、有機薄膜を用いた光電変換素子は、光によって発生する電荷(キャリア)をエネルギーとして取り出すことにより、太陽電池(有機薄膜太陽電池)として利用することもできる(特開2010−232410号公報、"Chemical Reviews"、2007、107、p.1324−1338)。ただし、短絡電流、開放電圧、フィルファクターなどが主要なパラメータであり、動作時に光電変換膜に外部から電圧を印加をすることができない有機薄膜太陽電池では、光電変換膜の厚さは、通常、数10nm以下である。一方、光電変換膜を有する撮像装置では、分光感度、暗電流、高速応答性、高輝度残像、逆バイアス電圧−感度特性などが主要なパラメータであり、かつ、動作時に光電変換膜に外部から電圧を印加をすることが可能である。そのため、撮像装置(例えば光センサ、イメージセンサなど)においては、有機薄膜太陽電池と比較して厚い(例えば100nm〜1000nm程度、典型的には300nm〜500nm)光電変換膜が用いられる。
有機薄膜太陽電池における光電変換膜のような薄膜では、電極界面における、光電変換膜内の分子の配向の乱れが移動度に大きな影響を与える。そのため、バルクにおける移動度は大きな問題とならない。一方、比較的厚い光電変換膜を有する撮像装置では、電極近傍における分子の配向の乱れの影響よりも、バルクにおける移動度の影響が大きく、光電変換膜の材料として、バルクにおいて高い移動度を有する材料を用いることが有益である。スズナフタロシアニンは、比較的高いバルク移動度を有するので、撮像装置において有用な材料である。
なお、ナフタロシアニンの電子状態は、ナフタロシアニン環の中心に位置する金属を変更することによって制御し得る。したがって、例えば、フタロシアニン環の中心に位置する金属をSnと同程度の電気陰性度を有するCu、Pbなどに変更することも考えられる。しかしながら、本発明者らの検討によると、フタロシアニン環の中心にCuまたはPbが配置された構成では、フタロシアニン環の中心にSnが配置された構成ほどの長波長領域における吸収は確認されなかった。これは、Snは、電気陰性度が高いことに加え、2価が最も安定なCu、Pbなどとは異なり、2価、4価共に安定なのでCu、Pbなどと比べて電子受容性が高いためであると推測される。
(1)暗電流特性および分光感度特性の測定
(実施例1)
まず、ガラス基板を用意した。次に、ガラス基板上に、第2電極、電子ブロッキング層(厚さ:10nm)、光電変換層(厚さ:60nm)、正孔ブロッキング層(厚さ:10nm)および第1電極(厚さ:80nm)を順次形成することにより、実施例1の光電変換素子を作製した。
第2電極、電子ブロッキング層、光電変換層、正孔ブロッキング層および第1電極を形成するための材料として、それぞれ、ITO、下記式(4)で表される化合物A、上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニン(HOMO=5.1eV、LUMO=3.9eV)、下記式(5)で表される化合物B、および、Alを用いた。下記式(4)で表される化合物A、上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンおよび下記式(5)で表される化合物Bには、いずれも、市販の製品を使用した。第2電極、電子ブロッキング層、光電変換層、正孔ブロッキング層および第1電極の形成には、いずれも真空蒸着装置を用い、5.0×10-4Pa以下の真空度および1Å/secの蒸着速度で各層の形成を行った。
Figure 2016225456
化合物A
(HOMO=5.2eV、LUMO=2.1eV)
Figure 2016225456
化合物B
(実施例2)
光電変換層の形成に、1:1の体積比でスズナフタロシアニンとC60とが混合された材料を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の光電変換素子を作製した。
(実施例3)
光電変換層を、ドナー層(p型半導体層)、バルクへテロ層、アクセプター層(n型半導体層)のp−i−n構造を有する光電変換構造に置き換えた以外は実施例1と同様にして、実施例3の光電変換素子を作製した。ドナー層およびアクセプター層を形成するための材料として、それぞれ、上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンおよびC60を用いた。バルクへテロ層におけるドナー(ここではスズナフタロシアニン)とアクセプター(ここではC60)の比率は1:1とした。ドナー層、バルクへテロ層およびアクセプター層の厚さは、それぞれ、5nm、40nmおよび25nmであった。
実施例1〜3の光電変換素子について、暗状態における電流−電圧特性(暗電流特性)、および分光感度特性を測定した。暗電流特性の測定、分光感度特性の測定は、分光計器株式会社製、CEP−25RRを用いて行った。得られた暗電流特性、分光感度特性を図10Aおよび図10Bにそれぞれ示す。
図10Bから分かるように、実施例1〜3の光電変換素子の吸収スペクトルはいずれも、850nmよりも大きい波長域に吸収を示している。このように、スズナフタロシアニンを光電変換層に用いることにより、近赤外領域における光電変換を実現できることが分かった。さらに、C60などのアクセプター材料を用いて光電変換層にバルクへテロ構造またはp−i−n構造を導入することにより、外部量子効率の大幅な向上が見られることが分かった。このように、光電変換層が、スズナフタロシアニンに加えてC60などのアクセプター材料を含んでいると有益である。
(実施例4〜17)
表1に示すように、電子ブロッキング層を形成するための材料および正孔ブロッキング層を形成するための材料の組み合わせ、ならびに、電子ブロッキング層の厚さおよび正孔ブロッキング層の厚さを変更した以外は実施例3と同様にして、実施例4〜17の光電変換素子を作製した。電子ブロッキング層を形成するための材料として使用した、下記式(6)で表される化合物Cおよび下記式(7)で表される化合物Dを以下に示す。また、正孔ブロッキング層を形成するための材料として使用した、下記式(8)で表される化合物E、下記式(9)で表される化合物Fおよび下記式(10)で表される化合物Gを以下に示す。下記式(6)で表される化合物C、下記式(7)で表される化合物D、下記式(8)で表される化合物E、下記式(9)で表される化合物Fおよび下記式(10)で表される化合物Gには、いずれも、市販の製品を使用した。
Figure 2016225456
化合物C
(HOMO=5.3eV、LUMO=2.2eV)
Figure 2016225456
化合物D
(HOMO=5.5eV、LUMO=2.5eV)
Figure 2016225456
化合物E
Figure 2016225456
化合物F
Figure 2016225456
化合物G
実施例4〜17の光電変換素子のそれぞれについて分光感度特性を測定した。実施例4〜17の光電変換素子のそれぞれについての暗電流値、および、極大波長(ここでは870nm)における外部量子効率を表1に示す。この時の印加電圧は−5Vである。
Figure 2016225456
表1から、ドナー材料にスズナフタロシアニンを用いることによって、ブロッキング層を構成する材料によらず、近赤外領域に感度が得られることが分かった。
(2)吸収スペクトルの測定および結晶性の評価
(実施例18)
真空蒸着法により、石英基板上に上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンを堆積し、400nmの厚さを有するスズナフタロシアニン層を形成した。さらに、石英基板およびスズナフタロシアニン層の積層体を、真空下において、250度で30分間の加熱を行い、実施例18のサンプルを作製した。上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンには、市販の製品を使用した。
(比較例1)
スズナフタロシアニン層の形成後に加熱処理を行わない以外は実施例18と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
(比較例2)
スズナフタロシアニン層の厚さを30nmにした以外は実施例18と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
(比較例3)
スズナフタロシアニン層の形成後に加熱処理を行わない以外は比較例2と同様にして、比較例3のサンプルを作製した。
実施例18、および、比較例1〜3のサンプルのそれぞれについて、日立ハイテクノロジーズ製「U4100」を用いて透過測定を行うことにより、スズナフタロシアニン層の吸収スペクトルを求めた。また、X線回折法により、各サンプルにおけるスズナフタロシアニン層の結晶性の評価を行った。各サンプルの結晶性の評価においては、Rigaku製XRD装置「SmartLab」を用い、2θ/θ測定を行った。
実施例18および比較例1のサンプルについて得られた吸収スペクトルを図11Aに示し、比較例2および比較例3のサンプルについて得られた吸収スペクトルを図12Aに示す。また、実施例18および比較例1のサンプルについて得られたX線回折パターンを図11Bに示し、比較例2および比較例3のサンプルについて得られたX線回折パターンを図12Bに示す。なお、図11B中の線L1および線L2は、それぞれ、実施例18のサンプルについての測定結果および比較例1のサンプルについての測定結果を示している。図12B中の線L3および線L4は、それぞれ、比較例2のサンプルについての測定結果および比較例3のサンプルについての測定結果を示している。
図11Aに示すように、実施例18のサンプルでは、波長800nm付近における吸収ピークとは別に、波長1200nm付近にも吸収ピークを示すことが分かった。これに対し、図11Aおよび図12Aから、比較例1〜3のサンプルは、波長1200nm付近ではこのような吸収ピークを示さないことが分かった。
また、図11Bおよび図12Bから、実施例18のサンプルと、比較例1〜3のサンプルとの間でX線回折パターンにおいても違いが現れることが分かった。図11Bに示すように、実施例18のサンプルは、X線回折パターンにおいて回折角2θが13°および26°の付近にピークを有する。X線回折パターンにおけるピークは、スズナフタロシアニン層において分子の会合が生じ、スズナフタロシアニン層がアモルファス性から結晶性に変化している可能性を示唆している。実施例18のサンプルの吸収スペクトルにおける、長波長域での特徴的な吸収は、スズナフタロシアニン層が結晶性を有することに起因していると推測される。つまり、長波長域におけるこの特徴的な吸収は、波長800nm付近に吸収ピークを示す遷移とは異なり、会合体に基づく吸収であると考えられる。
結晶性膜中の結晶子径は、上述のシェーラーの式を用いて求めることができる。Scherrer定数Kを0.9として実施例18のサンプルにおける結晶子のサイズを求めると、結晶子のサイズは、40nmであった。実施例18のサンプルでは、スズナフタロシアニン層は、シェーラーの式を用いて求められた結晶子径である40nmよりも大きい400nmの厚さを有する。
これに対し、波長1200nm付近に吸収ピークを有しない比較例1〜3のサンプルでは、分子の会合は生じていないと考えられる。比較例1〜3のX線回折パターンにピークが見られなかったことも、このことを支持している(図11Bおよび図12B参照)。なお、図12Aから、スズナフタロシアニン層の厚さが結晶子サイズよりも小さいと、加熱の有無によらず、近赤外領域における吸収の増大が見られないと推測される。
以上のことから、スズナフタロシアニンを含む光電変換層の厚さが結晶子径と同程度か結晶子径よりも大きいと、1100nm以上の波長域における吸収が増大し得るので有益であることが分かった。特に、スズナフタロシアニンを含む光電変換層の厚さが結晶子の大きさの10倍以上であると有益であることが分かった。
(実施例19)
スズナフタロシアニンに代えて、1:1の体積比でスズナフタロシアニンとC60とが混合された材料を石英基板上に堆積した以外は、実施例18と同様にして、実施例19のサンプルを作製した。
(比較例4)
スズナフタロシアニンとC60とが混合された材料の堆積後に加熱処理を行わない以外は実施例19と同様にして、比較例4のサンプルを作製した。
上述の実施例18、および、比較例1〜3のサンプルと同様にして、実施例19および比較例4のサンプルについて吸収スペクトルを得た。得られた吸収スペクトルを図13Aに示す。
図13Aから分かるように、実施例19のサンプルは、実施例18のサンプルと同様に、波長1200nm付近に吸収ピークを示していた。すなわち、スズナフタロシアニンとC60との混合膜においても、実施例18と同様の効果を得ることが可能であると分かった。すなわち、光電変換に有利なバルクへテロ接合構造も適用し得ることが分かった。実施例19と比較例4の吸収スペクトルの比較から、スズナフタロシアニンを含む材料を用いて形成した光電変換膜の吸収波長を加熱によって制御し得ることが分かった。
(3)分光感度特性の測定
(実施例20)
光電変換層の形成に、1:1の体積比でスズナフタロシアニンとC60とが混合された材料を用い、その厚さを400nmにした以外は実施例1と同様にして、実施例20の光電変換素子を作製した。
(比較例5)
光電変換層の厚さを40nmにした以外は実施例20と同様にして、比較例5の光電変換素子を作製した。
上述の実施例1と同様にして、実施例20および比較例5の光電変換素子について分光感度特性を測定した。得られた分光感度特性を図13Bに示す。
図13Bから、実施例20の光電変換素子は、波長1100nm付近においても感度を有することが分かった。これに対し、比較例5の光電変換素子は、波長1100nm付近において十分な感度を有しないことが分かった。これらのことから、スズナフタロシアニンを含み、かつ、十分な厚さを有するバルクへテロ層を形成することにより、長波長領域に感度を有する光電変換素子を実現できることが分かった。なお、実施例20および比較例5の光電変換素子では、光電変換層上に、正孔ブロッキング層および第1電極(ここではAl電極)を形成している。そのため、正孔ブロッキング層の形成プロセスおよび/または第1電極の形成プロセスにおいて、正孔ブロッキング層の形成に伴う熱および/または第1電極の形成に伴う熱が光電変換層に加わっていると考えられる。
(4)S/N比の評価
(実施例21〜25)
材料中における、上述の式(3)で表されるスズナフタロシアニンおよびC60の混合比(体積比)を0:100〜50:50の範囲で変更した以外は実施例20と同様にして、比較例6および実施例21〜24の光電変換素子を作製した。比較例6および実施例21〜24の光電変換素子のそれぞれについての、p型半導体としてのスズナフタロシアニンとn型半導体としてのC60の比率を下記の表2に示す。また、印加電圧が−5Vのもとでの、極大波長(ここでは900nm)における外部量子効率およびS/N比を表2に示す。ここで言うS/N比は、(外部量子効率(%)/暗電流(mA/cm2))である。
表2に示すように、光電変換層を形成するための材料中におけるスズナフタロシアニンの比率が高くなるにつれて、外部量子効率が向上する傾向が見られた。ただし、外部量子効率の向上と同時に、暗電流も増加していく傾向が見られた。表2に示すように、特に、実施例22および実施例23において、高いS/N比が得られた。このことから、p型半導体に対するn型半導体の体積比率を9〜19倍の範囲とすることで、外部量子効率と暗電流の比率を示すS/N比としてより高い値が得られることが分かった。
Figure 2016225456
以上に説明したように、スズナフタロシアニンを光電変換層に用いることによって、長波長領域に感度を有する光電変換素子を実現し得ることが分かった。また、長波長領域に感度を有する光電変換素子の形成においては、スズナフタロシアニンを含む層の加熱が有効であることが分かった。
本開示の実施形態に係る撮像装置によれば、近赤外光を用いて画像を取得することが可能である。このような撮像装置は、例えば、近赤外光を照明光として用いることによって、セキュリティカメラ、車両に搭載されて使用されるカメラ等に用いることができる。車両搭載用カメラは、例えば、車両が安全に走行するための、制御装置に対する入力として利用され得る。あるいは、車両が安全に走行するための、オペレータの支援に利用され得る。
10 電圧供給回路
11 光電変換膜
20 単位画素セル
22 蓄積制御線
23 電源線
24 垂直信号線
25 アドレス信号線
26 リセット信号線
27 フィードバック線
30 光電変換部
32 画素電極
34 電子ブロッキング層
35 正孔ブロッキング層
36 p型半導体層
37 n型半導体層
38 対向電極
39、39h 光電変換層
39A 光電変換構造
40 信号検出回路
41 電荷蓄積ノード
42 増幅トランジスタ
42g、44g、46g ゲート絶縁層
42e、44e、46e ゲート電極
44 アドレストランジスタ
46 リセットトランジスタ
52 垂直走査回路
54 水平信号読出し回路
56 カラム信号処理回路
58 負荷回路
59 反転増幅器
61 基板
62 半導体基板
62a〜62e 不純物領域
62s 素子分離領域
63A〜63C 層間絶縁層
65A、65B コンタクトプラグ
66A、68A、68B 配線
67A〜67C プラグ
72 保護層
74 マイクロレンズ
100 撮像装置
200、200A 光電変換素子
201 基板
202 第1電極
208 第2電極

Claims (10)

  1. 一対の電極および前記一対の電極間に配置された光電変換層を含む光電変換部と、
    前記光電変換部によって生成された信号を検出する信号検出回路と、
    前記一対の電極のうちの一方の電極に接続された電圧供給回路と
    を備え、
    前記光電変換層は、下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む、撮像装置。
    Figure 2016225456
    (式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)
  2. 前記光電変換層の吸収スペクトルにおいて、短波長側にピークを有し、かつ、前記ピークの長波長側に、前記ピークを示す遷移とは異なる、会合体に基づく吸収を有する、請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光電変換層の厚さは、40nm以上である、請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記一対の電極間に印加される電圧を前記一対の電極間の距離で割った値は、1.0×103V/cm以上1.0×107V/cm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
  5. シェーラーの式を用いて求められる、前記光電変換層の結晶子径は、40nm以上である、請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記光電変換層は、フラーレンおよびフラーレン誘導体の少なくとも一方を有機n型半導体として含む、請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 前記光電変換層は、有機p型半導体を含み、
    前記光電変換層における、前記有機p型半導体に対する前記有機n型半導体の体積比率は、4倍以上20倍以下である、請求項6に記載の撮像装置。
  8. 下記一般式(1)で表されるスズナフタロシアニンを含む材料を基板上に堆積する工程(a)と、
    前記基板上に堆積した前記材料における会合度を増大させる工程(b)と
    を含む、光電変換膜の製造方法。
    Figure 2016225456
    (式中、R1〜R24は、独立して、水素原子または重水素原子を表す。)
  9. 前記工程(b)は、前記基板上に堆積した前記材料を加熱する工程を含む、請求項8に記載の光電変換膜の製造方法。
  10. 前記工程(a)および前記工程(b)は、同時に実行される、請求項8または9に記載の光電変換膜の製造方法。
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