JP2018188181A - プレススルーパック包装体用蓋材及びプレススルーパック包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
また、高温にてヒートシールされたPTP包装体は、底材の加熱収縮等によりカールしやすく、包装体の外観を損ねる、PTP包装体を重ね合わせたものをピロー包装や外装箱に梱包する際に重ね合わせにくい、梱包の容積が大きくなる、PTP包装体がひっかかってうまく箱に入らない等の問題が生じやすい。
さらに、低温、短時間でヒートシールしたPTP包装体は伝熱が乏しく、底材に蓋材が食い込むことが無いため、錠剤を取り出した後、破られた蓋材を素早く剥離するとシール目で蓋材が破断しないため、隣の錠剤ポケット部分まで蓋材が剥離してしまうという問題もある。
(1)ヒートシール剤からなるヒートシール層、及び蓋材フィルムを有するプレススルーパック包装体用蓋材において、
前記ヒートシール剤は、ガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるアクリル系樹脂、及びガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主体とした接着性樹脂と、フィラーとを含み、
前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みが3〜20μmであり、
前記フィラーが、ポリオレフィンワックス、及び変性ポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を主体としてなる有機フィラーを含み、
前記有機フィラーの含有量は、前記接着性樹脂100質量部に対して5質量部超30質量部以下である
ことを特徴とする、プレススルーパック包装体用蓋材。
(2)前記接着性樹脂が、アクリル系樹脂を主体とした樹脂からなり、
前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、及びアクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボキシル基又はカルボン酸エステル基をもつエチレン性不飽和単量体と、エチレン、スチレン、及びα−メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の他の単量体とを含む単量体成分を共重合して得られる共重合体である、
(1)に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(3)前記有機フィラーの粒子径が、前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みの0.02倍以上1.0倍未満である、(1)又は(2)に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(4)前記フィラーが、アンチブロッキング粒子をさらに含み、
前記アンチブロッキング粒子の粒子径が、前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みの1.0倍以上である、
(3)に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(5)前記蓋材フィルムが、スチレン系樹脂を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の蓋材と、内容物を収容する凹部、及び前記プレススルーパック包装体用蓋材のヒートシール層と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、を互いに貼り合わせてなるプレススルーパック包装体。
(7)前記底材と前記ヒートシール層との間の動摩擦係数(μD)が0.8未満である、
(6)に記載のプレススルーパック包装体。
(8)前記底材を構成する樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂を含む、(7)に記載のプレススルーパック包装体。
なお、本明細書において、PTP包装体用蓋材を、単に「蓋材」と称する場合がある。
図1に示す本実施形態のPTP包装体10は、底材1と本実施形態のPTP包装体用蓋材8とを備える。底材1は、成型されたポケット状の凹部1aと、蓋材8と貼りあわされるフランジ部1bとを有する。凹部1aには、内容物2が充填されている。蓋材8は、蓋材フィルム4Aとヒートシール層3を備え、ヒートシール層3はフランジ部1bで底材1と接着している。
また、蓋材フィルム4Aの底材1と反対側の表面F2上には、製品名称ロゴ等の印刷部分5が、着色されたウレタン系樹脂やアクリル系樹脂等のインキにより形成される場合があり、この場合、印刷部分5を保護するための表面保護層(OP(オーバープリント)ニス層)6が表面F2の全面を覆うように形成される(図1参照)。更に、内容物が医薬品である場合には、医療過誤防止を目的に表面F1にも印刷やアルミ等の蒸着処理がなされる場合がある。
本実施形態の蓋材8は、図2に示す様に、ヒートシール層3のうちフィラーを含まない部分の厚みSが3〜20μmである。
また、フィラーは、ポリオレフィンワックス、及び変性ポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を主体としてなる有機フィラー3cを含んでおり、有機フィラー3cの含有量は、100質量部の接着性樹脂3bに対して5質量部超30質量部以下である。この有機フィラー3cを含むことにより、蓋材8が優れた滑り性を示すことができる。ここで、「優れた滑り性」とは、蓋材8と底材1の間の摩擦係数が低く、蓋材8と底材1が接触しても、底材1に対して蓋材8が容易に滑ることを指す。
本実施形態の蓋材8は、フィラーが、アンチブロッキング粒子(本明細書において、単に「AB粒子」と称する場合がある)3aを更に含んでいても良い。AB粒子3aは、図2及び図3に示すその粒子径(ヒートシール前r1、ヒートシール後r2)が、ヒートシール層3のフィラーを含まない部分の厚みSの1.0倍以上であることが好ましい。
本実施形態の蓋材を有する包装体10は、図3に示す様に、内容物2を収容する凹部1a、及びプレススルーパック包装体用蓋材8のヒートシール層3と貼り合わされるフランジ部1bを有する底材1と、を互いに貼り合わせてなり、フランジ部1bとヒートシール層3との貼り合わせ面の少なくとも一部において、フランジ部1bにAB粒子3aが食い込んでいる構造をとることで、100〜150℃程度の低温で、0.1〜0.2秒程度の短時間ヒートシールをした場合でも、底材1と蓋材8とが十分なヒートシール強度を有し、ヒートシールされるフランジ部分1bに折り込みシワが入ることのない良好な外観を有する。
また、図1に示す様な内容物2と蓋材8とのクリアランス9が小さい場合であっても、内容物2が高温の熱に晒されにくい、PTP成形機の昇温時間が短い、PTP包装体がカールしにくい、という長所も有する。
(蓋材フィルム)
蓋材フィルム4Aは、内容物2を押し出すことによって容易に破れるという性質(プレススルー性)を持つ素材であればいずれのものからなっていてもよく、一般的にはアルミ箔、グラシン紙、熱可塑性樹脂からなるフィルム等が挙げられ、廃棄時の易焼却性、リサイクル性、印刷判読性等の観点から、熱可塑性樹脂を含むフィルムが好ましく、熱可塑性樹脂からなるフィルムが更に好ましい。
蓋材フィルム4Aが熱可塑性樹脂からなるフィルムである場合は、延伸フィルムであることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、フィルム状に製膜できるものであれば特に制限されず、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、エステル系樹脂(ポリ乳酸を含む)、アミド系樹脂等が挙げられる。このうち1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。熱可塑性樹脂の中でも、剛性と脆性の観点から、好ましくはスチレン系樹脂が用いられる。
スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酸無水物共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(例えば、HIPS)、スチレン−α−メチルスチレン共重合体等が挙げられる。
また、スチレン系樹脂には、ポリスチレンとポリフェニレンエーテル樹脂のポリマーアロイ(m−PPE)等も用いられる。
上記のスチレン系共重合樹脂におけるスチレン成分は、スチレン系共重合樹脂を構成する樹脂成分の合計を基準(100質量%)として70〜97質量%であることが好ましく、75〜95質量%がより好ましい。スチレン成分が97質量%以下であると、プレススルー性が向上するばかりか、樹脂の耐熱性が向上し、PTP包装体10の製造工程において底材とのヒートシール時に蓋材フィルム4Aが変形せずに安定した製造が可能となる。また、スチレン成分が70質量%以上であると蓋材フィルム4Aを作る際に延伸製膜しやすく、剛性とプレススルー性の両立が可能となる。
特に、白色の着色剤や印刷は、下記の理由から好ましい。近年、医薬品用のPTP包装体では、従来の製品名称ロゴや使用方法を示す図柄の他に、医療事故の防止やトレーザビリティーの確保を目的とした商品コード、有効期限、製造番号、数量といった各種情報を含んだバーコードを印刷することのニーズが高まりつつある。熱可塑性樹脂に白色の着色剤を配合した蓋材フィルム4Aや白色印刷したものを用いると、バーコードの読取りの際、線のない部分(蓋材フィルム4Aが直接見える部分)が白いために、無地のアルミ箔の蓋材に比べ鏡面反射が起こりにくく、バーコードの線のある部分(一般的には黒色)との色の濃淡もあるため、バーコードが読み取りやすく好ましい。
なお、突刺し強さは、JIS Z1707に準拠し、直径1mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大応力のことをいう。
蓋材8を構成するヒートシール層3は、後述するヒートシール剤を原料とするものであり、ヒートシール剤のみからなることが好ましい。
ヒートシール剤は、ガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるアクリル系樹脂、及びガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂α」と称する場合がある。)を主体としてなる接着性樹脂3bとフィラーとを含む。本実施形態では、フィラーとして有機フィラー3c(後述)を含み、任意選択的にアンチブロッキング粒子3a(後述)を含む。
なお、本開示における主体とする成分とは、最も含有量(含有率)が多い成分を意味し、その含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。
樹脂αは、熱によって樹脂αが融解し、又は樹脂αが底材1と共に融解し、相互に融着(ヒートシール)し得るものとして、ガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるアクリル系樹脂、又はガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるポリエステル系樹脂を、単独で用いてもよいが、二種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度が複数存在する様な混合樹脂のヒートシール剤の場合、質量比率はJIS K7121に準じたDSC法により20℃/分の昇温速度で測定したチャートの、それぞれのガラス転移ピークの各ベースライン間の距離の比率により求めることができる。また、各ベースラインが平行でない場合は、各ベースラインの延長した直線間にある中間点ガラス転移点を通過する位置での各ベースライン間の距離を用いることができる。
アクリル系樹脂とは、少なくとも1種のカルボキシル基又はカルボン酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量体を単量体成分として含む重合体であり、少なくとも1種のカルボキシル基又はカルボン酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量体の単独重合体又は共重合体であっても、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。また、アクリル系樹脂は、上記単独重合体又は上記共重合体の、カルボキシル基(カルボン酸)のアルカリ金属塩、アミン塩、又はアンモニウム塩であってもよい。
カルボキシル基又はカルボン酸エステル基を持つエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等が挙げられる。
アクリル系樹脂が共重合体である場合、上記「他の単量体」としては、エチレン;スチレン、α−メチルスチレン(ビニルトルエン)、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;等が挙げられる。
共重合させる単量体の種類や割合を適宜変更することにより、ガラス転移温度を調整することができる。アクリル系樹脂が共重合体である場合、アクリル構造を有する構造単位の割合が共重合体全体の20%以上を占めることが好ましい。
ポリエステル系樹脂とは、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合反応によって合成されるポリマーであり、各種の原料を使用することができる。
ポリエステル系樹脂の種類としては、(ポリエステル主鎖に不飽和結合を有しない)飽和ホモポリエステル樹脂、飽和共重合ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、(ポリエステル主鎖に不飽和結合を有する)不飽和ポリエステル樹脂のいずれでもよいが、低温ヒートシール性と耐ブロッキング性に優れる観点から、飽和共重合ポリエステル樹脂が好ましい。
重縮合させる多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸、クエン酸等が挙げられる。重縮合させる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ポリエステル系樹脂としては、例えば、1種の多価カルボン酸(例えば、フタル酸等)と、2種の多価アルコール(例えば、エチレングリコールとブタンジオール等)とからなる樹脂等が挙げられる。
ヒートシール剤は、接着性樹脂3bとフィラーを含む混合物である。接着性樹脂3bの100質量部に対してフィラーの配合量は、5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部、更に好ましくは15〜30質量部である。フィラーの含有量が5質量部以下であると、夏場の船便輸送時や亜熱帯地方等に相当する高温(40℃)で且つ高湿(90%RH)の雰囲気下でブロッキングが起こる場合や低温ヒートシール性が悪くなる場合がある。
50質量部を超えると、ヒートシール層3と蓋材フィルム4Aとの間の印刷部分5の印刷印字の輪郭がぼやけて視認性、透明性が悪化する場合や、蓋材8と底材1の間に隙間が出来て接着が不十分となる場合がある。
有機フィラー3cは、ポリオレフィンワックス、及び変性ポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を主体としてなり、100質量部の接着性樹脂3bに対して5質量部超30質量部以下含まれる。この有機フィラー3cを含むことにより、優れた滑り性が得られると共に、遅い剥離速度でも良好なシール性を保持しつつ、速い剥離速度の際のピール性を向上させることができる。また、特にヒートシール層にアルミ等の蒸着層7が設けられた場合に、包装機でカメラ検査を行う際にハレーションが起こりにくくなる。更に、ヒートシール時にフランジ部分に折り込みシワが生じにくくなる。
ポリオレフィンワックス及び変性ポリオレフィンワックスとしては、例えば、低密度ポリエチレンワックス、高密度ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、EVAワックス、EAAワックス等が挙げられる。低温ヒートシール性能保持、および速い剥離速度の際のピール性向上の観点から、特にポリエチレンワックス(低密度ポリエチレンワックス、高密度ポリエチレンワックス、酸化高密度ポリエチレンワックス)が好ましい。
有機フィラー3cの粒子径r3は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。また、有機フィラー3cの粒子径r3は、ヒートシール層3のうちフィラーを含まない部分の厚みSの1.0倍未満であることが好ましく、0.9倍未満であることがより好ましく、0.8倍未満であることが更に好ましい。1μm以上であると、ヒートシール剤への分散が良好となり、また蒸着面を有するフィルムの場合はハレーション防止効果が望める。また、ヒートシール層3のうちフィラーを含まない部分の厚みSに対する有機フィラー3cの粒子径r3(r3/S)が、1.0倍未満であると、低温ヒートシール性能が抑制される。
上記ヒートシール層3のフィラーを含まない部分の厚みSは、ミクロトームを用いて作製したヒートシール前の蓋材8の薄片の切断面を、顕微鏡観察して、フィラーの無い部分を3か所測定した平均厚みをいう。
アンチブロッキング(AB)粒子3aとしては、炭酸カルシウム、フッ素樹脂、シリコーン、シリカ、ガラスビーズ、タルクや、チタニア、アルミナ、マグネシア等の金属酸化物等の無機フィラーや、種々の粒状高分子、例えば、ナイロン、PE、ポリスチレン(PS)、PP、ポリエステル、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートの架橋共重合体等)、ウレタンのプラスチック等の有機フィラーを用いることができる。このうち1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
上記ヒートシール層3のフィラーを含まない部分の厚みSは、前述の通り、ミクロトームを用いて作製したヒートシール前の蓋材8の薄片の切断面を、顕微鏡観察して、フィラーの無い部分を3か所測定した平均厚みをいう。
ヒートシール後のAB粒子3aの粒子径r2は、ミクロトームを用いて作製したPTP包装体10の薄片の切断面を、顕微鏡観察して、AB粒子3aの少なくとも一部がフランジ部1bに食い込んだ投錨構造を構成しているAB粒子3aの平均粒子径をいう。r1とr2とを比較することにより、PTP包装体製造時(特に、ヒートシール時)のAB粒子3aの潰れを確認することができる。
蓋材フィルム4A上にヒートシール層3を設ける方法の代表的な例として、蓋材フィルム4Aにヒートシール剤を塗工して乾燥させる方法、蓋材フィルム4Aの上にヒートシール性を有する樹脂を押出ラミする方法、蓋材フィルム4Aの上にヒートシール性を有するフィルムをラミネートする方法等が挙げられ、中でも、工程が簡略であり生産性に優れる観点から、蓋材フィルム4Aにヒートシール剤を塗工して乾燥する方法が好ましい。
また、ヒートシール剤を塗工して乾燥する方法の場合、ヒートシール剤を水中にポリマー粒子を分散させた水性エマルジョンの状態で用いることが、環境性の観点や耐溶剤性に劣る樹脂フィルムにも塗工できる観点から、好ましい。
なお本開示で、ヒートシール層3の厚みは、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
本実施形態のPTP包装体用蓋材8は、ヒートシール層3側から測定したグロス値が、30〜600であることが好ましく、50〜400がより好ましく、50〜200が更に好ましい。30以上であると、ヒートシール層の下に印刷された文字を容易に判別できる一方、600以下であることにより包装機でカメラ検査を行う際にハレーションが起こりにくくなる。
なお本開示で、PTP包装体用蓋材8のグロス値は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
本実施形態のPTP包装体用蓋材8は、前述の通り、蓋材フィルム4A上に、接着性樹脂3b、フィラー等の混合物であるヒートシール剤を適用して、ヒートシール層3を形成することにより製造することができる。以下、蓋材フィルム4Aにヒートシール剤を塗工し乾燥する方法を例に挙げて、詳細を説明する。
乾燥温度は、好ましくは50〜115℃、より好ましくは60〜100℃である。50℃以上だと、乾燥不足による巻きジワやブロッキングが発生しにくく、115℃以下だと、乾燥時の過加熱がなく、塗工後にシワが生じにくい。
乾燥時間は、好ましくは1秒〜200秒、より好ましくは2秒〜100秒、更に好ましくは3秒〜30秒である。1秒以上であれば、乾燥不足による巻きジワやブロッキングの発生が起こりにくく、200秒以下であれば、乾燥時の過加熱がなく、塗工後にシワが生じにくく、生産性が向上する。
本実施形態におけるPTP包装体10に用いる底材1としては、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、環状オレフィンからなる樹脂等)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル等の周知の合成樹脂を含む、好適にはこれらの合成樹脂からなるシート材が挙げられる。中でも、底材1のポケット状の凹部1aへの真空又は圧空成形する成形条件範囲の広さ、機械的強度、透明性、コスト面の観点から、ポリ塩化ビニル系樹脂からなるシート材が特に好ましい。
また、ヒートシール後に成形機で打ち抜かれたサンプルの底材1のサイズとしては、凹部1aの深さが、1〜15mmであってよく、好ましくは2〜10mmであり、また、特に、凹部1aの開口部分及び底面部分の形状が円形である場合、開口部分の直径は、それぞれ10〜150mmであってよく、好ましくは20〜100mmであり、底面部分の直径は、それぞれ開口部分の直径より10〜20%小さくてよい。
フランジ部1bの平均幅としては、2〜100mmであってよく、好ましくは4〜50mmである。
このカールの度合いは、作成したPTP包装体10を、ヒートシールから1日後に、蓋材8側を下にして平らな机の上に置き、PTP包装体10の蓋材8の一端部を指で押さえ、浮き上がった蓋材8の別の端部と机との最大距離を定規で測定することによって評価することができる。より具体的には、凹部1aの開口部分及び底面部分の形状が円形であるPTP包装体10の場合、PTP包装体10を机の上に置いた後、PTP包装体10のフランジ部1bの一端部を指で押さえたときに浮き上がった当該端部と開口部分を挟んで対向するもう一つのフランジ部1bの端部と机との最大距離を定規で測定することによって評価する。
上記カールの度合いを示す距離は、望ましくは5.0mm以下であり、より望ましくは4.0mm以下であり、最も好ましくは3.0mmである。
なお本開示で、カールの度合いを示す距離は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
本実施形態のPTP包装体用蓋材8は、底材1とヒートシール層3との間の動摩擦係数が、0.8μD未満であることが好ましく、0.1〜0.6μDがより好ましく、0.15〜0.5μDが更に好ましい。0.8μD未満であることにより、PTP包装体のヒートシール時に蓋材に皺なくヒートシールをすることができる。
なお本開示で、PTP包装体用蓋材8における動摩擦係数は、後述の[実施例]の項で説明する手順で測定される値である。
本実施形態のPTP包装体10は、底材1の表面と蓋材8のヒートシール層3の表面とを重ね合わせて、ヒートシールすることにより製造することができる。
ヒートシール温度は、例えば、100〜200℃が挙げられ、内容物2の焼け跡がつきにくくなる観点から、100〜150℃が好ましい。また、ヒートシール時間は、例えば、0.05〜0.4秒が挙げられ、内容物2の焼け跡がつきにくくなる観点から、0.05〜0.2秒が好ましい。また、ヒートシール圧力は、例えば、0.2〜0.6MPaが挙げられ、内容物2の焼け跡がつきにくくなる観点から、0.3〜0.5MPaが好ましい。
本実施形態では、中でも、生産効率が高く、汎用性に優れたロールシール成形機を用いて、PTP包装体10を成形する方法を用いることが望ましい。
PTP包装体10に用いるロールシール成形機には、蓋材8側から加熱を行う加熱シールロールと、それと対となる下シールロールとが配置されており、ここで、加熱シールロールの表面は、彫刻等が施されていない、平滑表面であることが望ましい。この平滑な表面を持つ加熱シールロールを用いることで、蓋材8表面にロールの模様が転写されず、表面の凹凸が抑制された平滑な蓋材8表面を有するPTP包装体10を製造することが可能となる。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)蓋材フィルム
(i)PS系フィルム1:スチレン−メタクリル酸−メチルメタクリル酸エステル共重合体(メチルメタクリル酸エステル含量5質量%、メタクリル酸含量10質量%、ビカット軟化点=123℃)を90質量%、及び、ハイインパクトポリスチレン(DIC社製、耐衝撃ポリスチレン GH8300−5、ビカット軟化点=95℃)を樹脂成分の合計100質量%に対して10質量%配合し、インフレーション法によって延伸し、その後、フィルムの両面に50mN/mのコロナ処理を施して、作製した、ビカット軟化点=120℃、厚さ25μm、突刺し強さ4.8Nの熱可塑性樹脂からなるフィルム。
(ii)PS系フィルム2:汎用ポリスチレン(PSJ社製、汎用ポリスチレン G9504、ビカット軟化点=103℃)をインフレーション法によって延伸し、その後、フィルムの両面に50mN/mのコロナ処理を施して、作製した、ビカット軟化点=103℃、厚さ25μm、突刺し強さ4.2Nの熱可塑性樹脂からなるフィルム。
(i)HS剤1:アクリル系樹脂、ガラス転移温度:−20℃)
(ii)HS剤2:アクリル系樹脂、ガラス転移温度:−5℃)
(iii)HS剤3:アクリル系樹脂、ガラス転移温度:−30℃)
(i)PEW1:ポリエチレンワックス(BYK社製、AQUAMAT208)
(ii)PEW2:ポリエチレンワックス(SHAMROCK社製、Neptune968)
(iii)PEW3:ポリエチレンワックス(SHAMROCK社製、Hydrocer257)
(iv)シリカ:非晶シリカ(富士シリシア社製、サイリシア710)
(v)金属石鹸:ステアリン酸カルシウム(日新化学社製、DEF960−2)
(i)PMMA1:ポリメチルメタクリレート架橋重合体ビーズ(積水化成品工業製、テクポリマーMBXシリーズ、平均粒子径r1:20μm)
(ii)PMMA2:ポリメチルメタクリレート架橋重合体ビーズ(積水化成品工業製、テクポリマーMBXシリーズ、平均粒子径r1:30μm)
PVC:硬質塩化ビニル単層シート(住友ベークライト製スミライトVSSシリーズ(厚さ250μm)、熱変形温度A法及びB法とも約60〜70℃)。深さ:4mm、開口部分の直径:10mm、底面部分の直径:8mmのサイズの凹部を有し、深さ方向に直交する方向に延びる平均幅10mmのフランジ部を有する底材に成形した。開口部分は互いに直交する縦列及び横列に並べられ、開口部分の中心間距離は、縦について17mm、横について20mmとした。
有機フィラーの粒子径(r3)は、JIS Z8825に準拠してレーザー回折・散乱法により、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALDシリーズ、セイシン企業製LMS−2000e)を用いて、個々の粒子を球状粒子に換算して求めた平均粒子径(体積変換して得られた粒度分布より算出したd(50)の値)を、有機フィラーの粒子径とした。
ヒートシール前のAB粒子の粒子径(r1)は、JIS Z8825に準拠してレーザー回折・散乱法により、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALDシリーズ、セイシン企業製LMS−2000e)を用いて、個々の粒子を球状粒子に換算して求めた平均粒子径(体積変換して得られた粒度分布より算出したd(50)の値)を、ヒートシール前のAB粒子の粒子径とした。
PTP包装体のフィラー粒子径(r2)は、ミクロトームを用いて作製したヒートシール後のPTP包装体の薄片化後の切断面顕微鏡観察により、フィラーの少なくとも一部が底材のフランジ部に食い込んだ投錨構造を示している部分を3か所測定した平均値とした。
ヒートシール層のフィラーを含まない部分の厚み(S)は、ミクロトームを用いて作製したヒートシール前の蓋材の薄片化後の切断面顕微鏡観察により、フィラーの無い部分を3か所スケール測定した平均値とし、表1に示した。
蓋材のグロス値は、JIS Z8741−1997に準拠し、ヒートシール層側から測定し、蒸着面に対して45°の入射角で測定n数=3で平均光沢度を測定し、グロス値とした。
底材とヒートシール層との間の動摩擦係数(μD)は、ASTM D 1894−95に準拠し測定を実施した。移動試験片に蓋材フィルムを、固定試験片に底材として用いたPVCシートを使用し、蓋材のヒートシール面と底材表面との動摩擦係数を測定した。試験条件として、試験速度150mm/min、移動距離130mm、スライダーの重量113gを使用した。
実施例及び比較例で作成した蓋材及びこれを用いたPTP包装体について、以下の項目の評価を行った。
底材の凹部(ポケット)のサイズは、前述の通りであり、内容物である錠剤は、円柱状形状を備え、サイズは、錠径8.6mm、錠高3.8mmであった。
ヒートシールの条件は、温度100℃、シール圧力0.4MPa、充填速度5m/分(120ショット/分、シール時間0.1秒相当)を標準条件として実施した。また、その他の条件は、底材成形温度及びスリット温度ともに、PVCは130℃、作業室環境23℃、50%RHとした。
作製したPTP包装体について、減圧リーク試験(PTP包装体100ポケットを水中に入れて、−67kPaで5分間保持し、PTPポケット中に水の漏れがないかを確認する)を行って、ヒートシール強度を確認した。
また、作製したPTP包装体について、耐ピール試験を行い、速い剥離速度における蓋材破れの伝搬に対する抵抗性(耐ピール性)を確認した。具体的には、底材のポケットの開口部分を覆う蓋材の円形部分(以下、「円形部分C」と称する。)のうち、当該ポケットの開口部分の円心と当該ポケットと横方向に隣接するポケットの開口部分の円心とを結んだ直線(以下、「直線E」と称する。)に対して蓋材面上で直交する弦を有し、前述の隣接するポケットの側とは反対側に位置する半円部分(以下、「半円部分C1」と称する。)について、半円部分C1の円弧に沿って蓋材にカッターで切り込みを入れ、半円部分C1をピンセットで挟んだ。切り込みを入れていない残りの半円部分(以下、「半円部分C2」と称する。)も含めた円形部分Cを剥離するように、ピンセットで挟んだ半円部分C1を直線E方向(横方向)に100mm/秒の速度で引張り、蓋材を剥離した。蓋材が剥離した部分について、半円部分C2の円弧と直線Eとの交点から、剥離した部分の直線E方向の先端までの距離(蓋材破れが伝搬した距離)を測定し、この距離が短いほど、低温ヒートシール性が高いとして、下記基準に基づいて耐ピール性を評価した。
<減圧リーク試験の判定基準>
○:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が0個である。
△:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が1〜2個である。
×:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が3個以上である。
<耐ピール試験の判定基準>
○:耐ピール試験の結果、蓋材破れが伝搬した距離が3mm以下である。
△:耐ピール試験の結果、蓋材破れが伝搬した距離が3mmを超え10mm以下である。
×:耐ピール試験の結果、蓋材破れが伝搬した距離が10mmを超える。即ち、隣の錠剤ポケットまで破れが伝搬しているため、実用上不適と判断される。
作製したPTP包装体を、ヒートシールから1日後に、平らな机の上に置いた。そして、PTP包装体の短辺のフランジ部の一端部を指で押さえたときに浮き上がった当該短辺と開口部分を挟んで対向するもう一つの短辺のフランジ部の端部と机との最大距離を定規で測定することにより、PTP包装体のカール性を評価した(n数=5)。
<判定基準>
○:机との距離が3mm未満であり、ほとんどカールしていない。
△:机との距離が3〜5mmであり、ややカールしている。
×:机との距離が5mm超であり、カールしている。
PTP蓋材のヒートシール面を上にして、結晶セルロースを打錠し作成した錠径8.6mm、錠高3.8mmの円形の白色錠剤を蓋材の上に乗せ、30cmの高さより光源を照射しながら、デジタルカメラ(FUJIFILM社製、XP70)で錠剤が中心となるように撮影した。
得られた画像を2値化し、ハレーションの程度を評価した。
<判定基準>
◎:2値化により、錠剤を白、錠剤以外をすべて黒に置き換えられる。
○:2値化により、一部ノイズが入るが錠剤を白、錠剤以外を黒に置き換えられる。
×:2値化により、白に置き換えられるハレーション部分が錠剤のサイズを超える。
作製したPTP包装体の外観を、フランジ部分のヒートシール時の折り込みシワの有無により評価した。
<判定基準>
◎:フランジ部分に折り込みシワが全く無い。
○:フランジ部分に3mm未満の折り込みシワがわずかに発生するが、使用上問題は無い。
△:フランジ部分に3mm以上10mm未満の折り込みシワがわずかに発生するが、使用上問題は無い。
×:フランジ部分に10mm以上の折り込みシワが発生する。
また、総合判定の評価基準は以下の通りである。
<判定基準>
◎:すべての項目で◎もしくは○の評価である。
○:1〜2項目で△の評価があるが、その他は◎もしくは○の評価である。
△:3項目以上で△の評価があるが、その他は◎もしくは○の評価である。
×:×の項目が1項目以上ある。
PS系フィルム1(スチレン−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体及びハイインパクトポリスチレンからなるフィルム)の片面に、線数=230線/インチ、版深度=20μmの版を用いたグラビア印刷機にて、文字サイズ=7ポイントの黒色ゴシック体のアルファベット文字を印刷し、印刷を実施した面と反対の面に、真空蒸着法によりアルミニウムの蒸着層を設けた。更に、蒸着層の上に線数=230線/インチ、版深度=20μmの版を用いたグラビア印刷機にて、文字サイズ=7ポイントの赤色ゴシック体のアルファベット文字を印刷し、その上に、線数=80線/インチ、版深度=130μmの版を用いて、ヒートシール剤(HS剤1)を塗工した。
ヒートシール剤は、塗工前に、不揮発分が40質量%、粘度が100mPa・s〜1000mPa・sとなるように水で希釈し、HS剤1中の固形分100質量部に対して有機フィラーのPEW1(粒子径r3=10μm)が5質量部、AB粒子のPMMA1(ヒートシール前のAB粒子の粒子径r1=20μm)が5質量部となるよう混合した。
塗工後は、100℃に設定した熱風式乾燥機の中を5秒間乾燥して、蓋材を得た。
底材に厚さ250μmのポリ塩化ビニル(PVC)を用いて、PTP成形機(CKD社製、FBP−M1)により、凹部を成形した底材に錠剤を充填し、ヒートシールにより底材とPTP包装体用蓋材とを接着して、PTP包装体を得た。その際に用いた加熱ロールは、表面にダイス等の彫刻による凹凸が無い鏡面ロールを使用した。
ヒートシール条件は、温度100℃、シール圧力0.4MPa、充填速度5m/分(120ショット/分、シール時間0.1秒相当)を標準条件として実施した。また、その他の条件は、底材成形温度及びスリット温度とも130℃、作業室環境23℃、50%RHとした。
評価結果を表1に示す。
なお、切断面顕微鏡観察によるスケール測定値である、ヒートシール後のAB粒子の粒子径r2は、JIS Z8825に準拠したレーザー散乱法によるヒートシール前のAB粒子の平均粒子径r1(=20μm)と同じ20μmであった。
実施例2〜12は、表1に示すように原料、配合量等を変更したこと以外は実施例1と同様にして蓋材を作製し、PTP包装体を得た。詳細な条件及び評価結果を表1に示す。
比較例1〜5は、表1に示すように原料、配合量等を変更したこと以外は実施例1と同様にして蓋材を作製し、PTP包装体を得た。詳細な条件及び評価結果を表1に示す。
1a 底材の凹部
1b 底材のフランジ部
2 内容物(錠剤)
3 ヒートシール層
3a AB粒子
3b 接着性樹脂
3c 有機フィラー
4A 蓋材フィルム
5 印刷部分
6 表面保護層
7 蒸着層
8 蓋材
9 内容物と蓋材のクリアランス
10 包装体
L1 蓋材フィルムの厚み(フランジ部)
L2 底材の厚み(フランジ部)
S ヒートシール層の厚み(フランジ部)
r1 蓋材のAB粒子の粒子径(フィルム厚み方向のAB粒子の粒子径、ヒートシール前の粒子径相当)
r2 PTP包装体のAB粒子の粒子径(フィルム厚み方向のAB粒子の粒子径、ヒートシール後の粒子径相当)
r3 有機フィラーの粒子径(フィルム厚み方向の有機フィラーの粒子径)
F1 表面
F2 表面
Claims (8)
- ヒートシール剤からなるヒートシール層、及び蓋材フィルムを有するプレススルーパック包装体用蓋材において、
前記ヒートシール剤は、ガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるアクリル系樹脂、及びガラス転移温度が−70℃以上30℃未満であるポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を主体とした接着性樹脂と、フィラーとを含み、
前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みが3〜20μmであり、
前記フィラーが、ポリオレフィンワックス、及び変性ポリオレフィンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種の粉体を主体としてなる有機フィラーを含み、
前記有機フィラーの含有量は、前記接着性樹脂100質量部に対して5質量部超30質量部以下である
ことを特徴とする、プレススルーパック包装体用蓋材。 - 前記接着性樹脂が、アクリル系樹脂を主体とした樹脂からなり、
前記アクリル系樹脂が、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、及びアクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のカルボキシル基又はカルボン酸エステル基をもつエチレン性不飽和単量体と、エチレン、スチレン、及びα−メチルスチレンからなる群より選ばれる少なくとも1種の他の単量体とを含む単量体成分を共重合して得られる共重合体である、
請求項1に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。 - 前記有機フィラーの粒子径が、前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みの0.02倍以上1.0倍未満である、請求項1又は2に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 前記フィラーが、アンチブロッキング粒子をさらに含み、
前記アンチブロッキング粒子の粒子径が、前記ヒートシール層のうち前記フィラーを含まない部分の厚みの1.0倍以上である、
請求項1又は2に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。 - 前記蓋材フィルムが、スチレン系樹脂を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓋材と、内容物を収容する凹部、及び前記プレススルーパック包装体用蓋材のヒートシール層と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、を互いに貼り合わせてなるプレススルーパック包装体。
- 前記底材と前記ヒートシール層との間の動摩擦係数(μD)が0.8未満である、
請求項6に記載のプレススルーパック包装体。 - 前記底材を構成する樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂を含む、請求項7に記載のプレススルーパック包装体。
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