JP2016216060A - プレススルーパック包装体用蓋材及びプレススルーパック包装体、並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)蓋材フィルムと、ヒートシール剤を含有するヒートシール層とを有し、
前記ヒートシール剤は、ガラス転移温度が-70℃以上30℃以下である第1の熱可塑性樹脂と、ガラス転移温度が前記第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂とを含む、プレススルーパック包装体用蓋材。
(2)前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂とが、ブレンドされている、前記(1)記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(3)前記第2の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、40℃以上220℃以下であり、前記(2)記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(4)前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂との質量比率が、99/1〜70/30である、前記(1)〜(3)のいずれか一項記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(5)前記第1の熱可塑性樹脂又は前記第2の熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂である、前記(1)〜(4)いずれかに項記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
(6)前記(1)〜(5)いずれかに項記載のプレススルーパック包装体用蓋材と、内容物を収容する凹部、及び、当該凹部の周囲に位置し、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、を備えるプレススルーパック包装体。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のプレススルーパック包装体用蓋材と、内容物を収容する凹部、及び、当該凹部の周囲に位置し、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、を互いにヒートシールする、プレススルーパック包装体の製造方法。
(8)蓋材フィルム上にヒートシール層を形成する工程を備え、前記ヒートシール層は、ガラス転移温度が-70℃以上30℃以下である第1の熱可塑性樹脂と、ガラス転移温度が前記第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂とを含むヒートシール剤を含有する、プレススルーパック包装体用蓋材の製造方法。
図1に示す本実施形態のPTP包装体10は、底材1と蓋材8とを備えている。底材1は、錠剤2などの内容物を収容し充填するための、ポケット状に成形された凹部1aと、当該凹部1aの周囲に位置し、蓋材8と貼り合わされるフランジ部1bと、を有している。蓋材8は、蓋材フィルム4Aと、当該蓋材フィルム4Aの一方側の表面F1上(図示の例では、上方側)に設けられるヒートシール層3と、を備えている。
また、ヒートシール層3が含有するヒートシール剤が、ガラス転移温度が第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂を含むことにより、蓋材8において、常温でのすべり性がよく、巻きジワが発生しにくく、さらに耐ブロッキング性にも優れる。
蓋材フィルム4Aは、内容物を押し出すことによって容易に破れるという性質(プレススルー性)を持つ素材であればいずれのものからなっていてもよく、一般的にはアルミ箔、グラシン紙、熱可塑性樹脂からなるフィルム等があげられる。廃棄時の易焼却性、リサイクル性、印刷判読性等の観点から、熱可塑性樹脂からなるフィルムが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、フィルム状に製膜できるものであれば特に制限されず、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂、エステル系樹脂(ポリ乳酸を含む)、アミド系樹脂等が挙げられる。このうち1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。熱可塑性樹脂の中でも、剛性と脆性の観点から、好ましくはスチレン系樹脂が用いられる。
また、ポリスチレンとポリフェニレンエーテル樹脂のポリマーアロイ(m−PPE)等も用いられる。これらの中でも、より好ましくは、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、及び、これら3種の共重合体のいずれか1種を構成する2種のモノマー成分に更にエステル成分を含む三元共重合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱可塑性樹脂が用いられる。なお、上記スチレン系単量体の共重合体は、共重合する成分の種類数に関わらず、「スチレン系共重合樹脂」とも呼ばれる。
延伸フィルムを製造する方法の代表的な例として、熱可塑性樹脂(必要に応じて無機フィラーを所定の割合で配合した樹脂)を、スクリュー押出機等により溶融混錬し、Tダイによりシート状にした後、ロール延伸又はテンター延伸により一軸延伸する方法、ロール延伸に続いてテンター延伸することにより二軸延伸する方法、インフレーション法により延伸する方法等が挙げられる。この時の延伸倍率は縦及び横の少なくとも一方向で2〜20倍が好ましく、5〜10倍がより好ましい。
蓋材8を構成するヒートシール層3は、後述するヒートシール剤を原料とするものであり、好ましくは、ヒートシール剤からなる。ヒートシール剤は、ガラス転移温度が−70℃以上30℃以下である第1の熱可塑性樹脂(低Tg成分)と、ガラス転移温度が第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂(高Tg成分)とを含む。このヒートシール剤は、含まれる熱可塑性樹脂のガラス転移温度に対応した、複数のガラス転移点を有する。
第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とがブレンドとして存在する場合、第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、−40℃以上25℃以下が特に好ましい。
また、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とがコア/シェル構造を形成している場合、第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、−60℃以上0℃以下が特に好ましい。
第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とがブレンドとして存在する場合、第2の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80℃以上220℃以下であり、より好ましくは90℃以上190℃以下であり、更に好ましくは90℃以上170℃以下である。
また、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とがコア/シェル構造を形成している場合、第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40℃以上150℃以下であり、より好ましくは50℃以上145℃以下である。
ここで「低温ヒートシール性」とは、低温域(100℃以上150℃以下)でヒートシール可能であること、及び、ヒートシール強度が実用に耐えるほど十分であることをいう。
これらの重量比率において、第1の熱可塑性樹脂の質量比率が99%以下(第2の熱可塑性樹脂の比率が1%以上)であると耐ブロッキング性が向上し、また第1の熱可塑性樹脂の質量比率が70%以上(第2の熱可塑性樹脂の質量比率が30%以下)であると低温ヒートシール性が向上する。
本実施形態のプレススルーパック包装体用蓋材は、前述のとおり、蓋材フィルム上に、ヒートシール剤を含有するヒートシール層を形成することにより製造することができる。以下、蓋材フィルム上にヒートシール剤を塗工し乾燥する方法を例に挙げて、詳細を説明する。
乾燥温度は好ましくは50℃〜115℃、より好ましくは60℃〜100℃である。乾燥温度が50℃以上であると、乾燥不足による巻きジワやブロッキングが発生しにくく、乾燥温度が115℃以下であると、乾燥時の過加熱がなく、塗工後にシワが生じにくい等の観点から好ましい。
乾燥時間は好ましくは1秒〜200秒、より好ましくは2秒〜100秒、さらに好ましくは3秒〜30秒である。乾燥時間が1秒以上であれば、乾燥不足による巻きジワやブロッキングの発生が起こりにくく、乾燥時間が200秒以下であれば、乾燥時の過加熱がなく、塗工後にシワが生じにくい、生産性が向上するという観点から好ましい。
[蓋材フィルムのビカット軟化点]
実施例及び比較例で作製した蓋材フィルムについて、JIS K7206に準拠して、試験荷重:50N、昇温速度:50℃/時の条件で、ビカット軟化点(℃)を測定した。
[ヒートシール剤のエマルジョン粒子の平均粒径]
JIS Z8825に準拠したレーザー回折・散乱法により、レーザー回折式粒径分布測定装置(株式会社セイシン企業製、LMS−2000e)を用いて、得られた水性分散液の平均粒径を測定した。測定条件は、分散媒種:エタノール、屈折率:分散媒1.36であり、体積変換して得られた粒度分布より、d(50)の値を用いて算出し、これを平均粒径とした。
[ヒートシール剤のガラス転移温度]
実施例及び比較例で作製した蓋材フィルムからヒートシール層のみを剥離し、このヒートシール層について、JIS K7121に準じたDSC法により、20℃/分の昇温速度で、補外ガラス転移温度を測定し、これをガラス転移温度(℃)とした。
実施例及び比較例で作製した蓋材及びこれを用いたPTP包装体の評価方法は、以下の通りである。
[蓋材のブロッキング(耐ブロッキング性)]
ロール状に巻き取った蓋材を、23℃、50%RHの環境下で1週間保管後に、ロールから蓋材を手で引っ張って巻き解きながら、ブロッキング性を評価した。判定基準は以下のとおりである。
○:巻き解いたときの手にかかる抵抗感は小さく、ブロッキングしていない。非常に実用的である。
△:巻き解いたとき、手に抵抗感があるが、蓋材自体も破れることなく巻き解くことが可能であり、巻き解いた後の印刷、OPニス、ヒートシール層の状態も綺麗である。実用上の問題はない。
×:巻き解いたとき、手に非常に大きな抵抗感があり、蓋材がすぐに破れてしまう。実用上不適と判断される。
作製したPTP包装体について、減圧リーク試験(PTP包装体100ポケットを水中に入れて、−67kPaで5分間保持し、PTPポケット中に水の漏れがないかを確認する)を行って、ヒートシール強度を確認した。また、底材側から錠剤を親指で押し出すことにより蓋材を押し破って開封する時の様子を、下記基準に基づきヒートシール層と底材とのヒートシール強度を評価した。ヒートシール強度が高いほど低温ヒートシール性が高いと判断した。
○:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が0個である。ヒートシール層と底材が剥がれることなく、綺麗に錠剤が押出せた。ヒートシール温度が低温(150℃)でも確実に接着し、且つ十分な強度があり、非常に実用的である。
△:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が1〜2個である。ヒートシール層と底材がごく僅かに剥がれる場合があるが、特に問題なく錠剤を押出すことが可能で、実用上問題はない。
×:減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が3個以上である。錠剤を押出す前に、ヒートシール層と底材が剥がれてしまい、ヒートシール強度が不十分である。実用上不適と判断される。
また、総合判定の評価基準は以下のとおりである。
◎:耐ブロッキング性と低温ヒートシール性が両方○である。
○:耐ブロッキング性と低温ヒートシール性のどちらか一方が○で、もう一方が△である。
△:耐ブロッキング性と低温ヒートシール性が両方△である。
×:耐ブロッキング性と低温ヒートシール性のどちらかひとつでも×がある。
実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
(1)蓋材フィルム
(i)PS系フィルム−1:スチレン−メタクリル酸−メチルメタクリレート共重合体(メチルメタクリルレート含量5wt%、メタクリル酸含量10wt%、ビカット軟化点=123℃)を90質量%、及び、ハイインパクトポリスチレン(DIC社製耐衝撃ポリスチレンGH8300−5、ビカット軟化点=95℃)を10質量%の割合で配合し、インフレーション法によって延伸し、その後フィルムの両面に50mN/mのコロナ処理を施して作製した、(熱可塑性樹脂の)ビカット軟化点=120℃、厚さ20μm、突刺し強さ1.9Nの熱可塑性樹脂からなるフィルム。
(i)HS剤−1:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、ガラス転移温度:−15℃
(ii)HS剤−2:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、ガラス転移温度:23℃
(iii)HS剤−3:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、ガラス転移温度:−44℃
(iv)HS剤−4:スチレン−アクリル系樹脂(スチレン-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、ガラス転移温度:−5℃
(v)HS剤−5:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-メタクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:10μm、ガラス転移温度:110℃
(vi)HS剤−6:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-メタクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:10μm、ガラス転移温度:170℃
(vii)HS剤−7:アクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-メタクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:10μm、ガラス転移温度:80℃
(viii)HS剤−8:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、低Tg成分/高Tg成分(質量比率)=70/30、ガラス転移温度:−55℃及び105℃
(ix)HS剤−9:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、低Tg成分/高Tg成分(質量比率)=80/20、ガラス転移温度:−55℃及び105℃
(x)HS剤−10:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、低Tg成分/高Tg成分(質量比率)=60/40、ガラス転移温度:−55℃及び105℃
(xi)HS剤−11:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、低Tg成分/高Tg成分(質量比率)=70/30、ガラス転移温度:−35℃及び105℃
(xii)HS剤−12:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、低Tg成分/高Tg成分(質量比率)=70/30、ガラス転移温度:−55℃及び70℃
(xiii)HS剤−13:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、第1の低Tg成分/第2の低Tg成分(質量比率)=70/30、ガラス転移温度:−35℃及び30℃
(xiv)HS剤−14:コア/シェル構造を有するアクリル系樹脂(メタクリル酸エステル-アクリル酸エステル共重合体樹脂)、平均粒径:0.120μm、第1の低Tg成分/第2の低Tg成分(質量比率)=60/40、ガラス転移温度:−15℃及び10℃
巾460mm、長さ500mのロール状に巻かれたPS系フィルム−1(スチレン−メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体及びハイインパクトポリスチレンからなるフィルム)の片面に、線数=175線/インチ、版深度=24μmの版を用いたグラビア印刷機にて、文字サイズ=7ポイントの黒色ゴシック体のアルファベット文字を印刷し、その上にOPニスを塗工・乾燥した。次に、その反対側の面に上記と同様の印刷を行い、その上に線数=80線/インチ、版深度=140μmの版を用いて、表1に記載の組み合わせのHS剤−1及びHS剤−5(低Tg成分であるHS剤−1と高Tg成分であるHS剤−5を混ぜ合わせたもの)を塗工した。ヒートシール剤は塗工前に、ヒートシール剤の不揮発分が40重量%、粘度が100mPa・s〜1000mPa・sとなるように水で希釈して用いた。塗工後は、100℃に設定した熱風式乾燥機の中を5秒間通過する速度で乾燥し、直後に直径3インチの紙管にロール状に巻き取った。このときの、巻き取られた蓋材の様子は、まったく巻ジワがない綺麗な巻き姿であった。
また、錠剤の表面(蓋材側)に、サーモラベルスーパーミニ(日油技研工業製)3R−40、3R−80、又は3R−120を貼り(各シールのn数=3)、充填速度1.2m/分にてヒートシールした後に、サーモラベルの変色を確認することにより錠剤の表面温度を測定した。一般的なアルミ箔蓋材フィルムを用いて一般的なヒートシール温度230℃で実施した場合、表面温度が60℃以上(最大で100℃)であったのに対し、本実施例1の蓋材をヒートシール温度150℃で実施した場合は、表面温度は45℃未満であった。このように、低温でのヒートシールは、内容物が受ける熱が少なく好ましいことが確認された。
実施例2〜16は、表1に記載のヒートシール剤を用いた以外は実施例1と同様にて蓋材を作製し、PTP包装体を得たものである。なお、表1中の「ΔTg」は、低Tg成分と高Tg成分のガラス転移温度の差を意味している。
比較例1は、表1に記載のヒートシール剤を用いた以外は実施例1と同様にて蓋材を作製し、PTP包装体を得たものである。比較例1の蓋材は、低Tg成分(第1の熱可塑性樹脂)のみからなるヒートシール層を有する蓋材である。表1に示すとおり、巻き解いたとき、手に非常に大きな抵抗感があり、蓋材がすぐに破れてしまい、耐ブロッキング性は悪かった。
比較例2は、表1に記載のヒートシール剤を用いた以外は実施例1と同様にて蓋材を作製し、PTP包装体を得たものである。比較例2の蓋材は、高Tg成分(第2の熱可塑性樹脂)のみからなるヒートシール層を有する蓋材である。巻き解いたときのブロッキング性は問題ないものの、減圧リーク試験の結果、100ポケット中、水が漏れたポケット数が100個であり、錠剤を押出す前に、ヒートシール層と底材が剥がれてしまい、ヒートシール強度が不十分であった。これは実用上不適と判断される。
比較例3は、表1に記載のヒートシール剤を用いた以外は実施例1と同様にて蓋材を作製し、PTP包装体を得たものである。比較例3の蓋材は、Tgが30℃以下のヒートシール剤(第1の熱可塑性樹脂)をブレンドしたヒートシール層を有する蓋材である。表1に示すとおり、巻き解いたとき、手に非常に大きな抵抗感があり、蓋材がすぐに破れてしまい、耐ブロッキング性は悪かった。
Claims (8)
- 蓋材フィルムと、ヒートシール剤を含有するヒートシール層とを有し、
前記ヒートシール剤は、ガラス転移温度が-70℃以上30℃以下である第1の熱可塑性樹脂と、ガラス転移温度が前記第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂とを含む、プレススルーパック包装体用蓋材。 - 前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂とが、ブレンドされている、請求項1記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 前記第2の熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、40℃以上220℃以下であり、請求項2記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂との質量比率が、99/1〜70/30である、請求項1〜3のいずれか一項記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 前記第1の熱可塑性樹脂又は前記第2の熱可塑性樹脂が、アクリル系樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項記載のプレススルーパック包装体用蓋材。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載のプレススルーパック包装体用蓋材と、
内容物を収容する凹部、及び、当該凹部の周囲に位置し、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、
を備えるプレススルーパック包装体。 - 請求項1〜5のいずれか一項記載のプレススルーパック包装体用蓋材と、
内容物を収容する凹部、及び、当該凹部の周囲に位置し、前記蓋材と貼り合わされるフランジ部を有する底材と、を互いにヒートシールする、プレススルーパック包装体の製造方法。 - 蓋材フィルム上にヒートシール層を形成する工程を備え、
前記ヒートシール層は、ガラス転移温度が-70℃以上30℃以下である第1の熱可塑性樹脂と、ガラス転移温度が前記第1の熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高く、30℃超である第2の熱可塑性樹脂とを含むヒートシール剤を含有する、プレススルーパック包装体用蓋材の製造方法。
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