JP2012107086A - 感熱性粘着材料および該感熱性粘着材料を利用した感熱性粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、中空粒子と自己架橋型アクリル系樹脂を含有した熱可塑性樹脂から形成された中空アンダー層、次いで熱可塑性樹脂、固体可塑剤、及び粘着付与剤からなる感熱性粘着剤層を順次塗布してなる感熱性粘着材料および感熱性粘着シート。
【選択図】なし
Description
この感熱性粘着材料の一般的な組成としては、熱可塑性樹脂および固体可塑剤(熱溶融性物質)を主要成分とし、必要に応じて粘着付与剤が含有されている(非特許文献1)。本願発明における熱可塑性樹脂とは、粘着性および接着性を付与するものであり、一方、固体可塑剤(熱溶融性物質)とは、常温では固体であるが加熱により溶融して熱可塑性樹脂を膨潤又は軟化させて粘着性を発現させるものである。また、粘着付与剤は、粘着性を向上および調整するために添加される。本願発明は、このような成分を組み合わせることにより、常温では全く粘着性を示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持することが可能である。この感熱性粘着材料を活性化させる手段については種々の方式が提案されている。
また、加熱ドラムを感熱性粘着剤層に接触させる方法(特許文献4)や熱ロールを感熱性粘着剤層に接触させる方法(特許文献5)等の加熱された伝熱媒体を感熱性粘着剤層に接触させて熱活性化する方法等も本出願前に知られているが、これらの方法はいずれも熱活性化の迅速化を図るために、加熱手段に熱を加えた状態で待機しなければならず、安全性の点で問題がある。また、記録用ラベルが感熱発色層を有する場合には、上記の熱活性化方法では、熱活性化時の熱の影響で感熱発色層が発色しやすくなるために、感熱発色層の耐熱性を向上させなければならず、熱感度の点で不利になる。
このような、種々の懸念を考慮すると、熱活性化方法としてサーマルヘッドを用いた活性化手段が好適である。このサーマルヘッドを用いる方法は、熱活性化時のエネルギー消費量が少なく、安全性や装置のコンパクト化も可能であり、必要な部分に選択的に熱を加えるということが可能になるという優れた特徴を有している(特許文献6及び7)。
また、同時に剥がすための労力が必要となるため業務の効率が悪くなる。
また、この様な場合は、一カ所に預けないと再生できないために、その運搬などによる炭酸ガス排出量が多大となるといった欠点がある。ディレードタック型ラベルにおいては、例えば、エチレン重合体とウレタン樹脂を併用するものがあるが(特許文献9)、このような構成では粘着性の失活が速くサーマルヘッド活性に適していない。また、熱応答性が低いため熱を連続的に付与しなければ十分な粘着力を得ることができないという問題もある。
したがって、感熱記録材料の裏面に本技術を適用すると、熱が反対面にまで波及して地肌かぶりを引き起こすという不具合も生じる。また、架橋樹脂を含有する架橋樹脂層の上に、感熱性粘着剤層を設ける方法(特許文献10)、および熱活性層の樹脂を架橋するという方法(特許文献11)等々の方法もあるが、いずれの方法も十分ではない。
第2の発明によれば、自己架橋型アクリル系樹脂が、熱可塑性樹脂の5〜50%を占めることを特徴とする上記の感熱性粘着材料を提供する。
第3の発明によれば、サーマルヘッドによる加熱により粘着性が発現することを特徴とする上記の感熱性粘着材料を提供する。
第4の発明によれば、支持体の感熱性粘着剤層を有する面の反対側面に記録層を有することを特徴とする上記の感熱性粘着材料を用いた感熱性粘着シートを提供する。
第5の発明によれば、記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層の何れかであることを特徴とする上記第4の発明に記載の感熱性粘着シートを提供する。
第6の発明によれば、基材として、合成紙またはプラスチックフィルムを使用することを特徴とする上記第4または第5の発明に記載の感熱性粘着シートを提供する。
逆に柔らかい材料を適用すると外的要因で変形しやすくなるため、コスレに弱く、搬送時にプリンタ内が汚染される。そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、現状の柔らかさを維持したまま凝集力を上げることが必要であり、この目的を達成するためには自己架橋型アクリル樹脂を添加することが最も有効であることを見いだしたものである。この自己架橋型アクリル樹脂の場合は塗布の時点までは通常のアクリル樹脂と同様の扱いができ、一旦成膜すると架橋の効果が発現して適度な粘りを持つという特性を有している。
本願発明における感熱性粘着材料は、中空アンダー層と感熱性粘着剤層が積層された構造をしている。
中空アンダー層は中空粒子と熱可塑性樹脂と自己架橋型アクリル樹脂、更に必要に応じてその他の成分からなる。アンダー層を用いることにより、支持体表面が平滑化されたり、表面の濡れ性を調整できるため、結果として感熱性粘着剤層の厚みが均一化し、熱による活性化度合いのバラツキを抑えることができる。また、粘着性発現の熱応答性の点から、中空粒子(中空フィラー)を用いることが特に好ましい。
従って、中空アンダー層を用いることにより、サーマルヘッド活性に好適な、熱応答性に優れた材料とすることができる。
中空アンダー層に用いる中空粒子は、低エネルギー熱活性化(高感度熱活性化)の課題を考慮すると、断熱効果を有する平均粒子径2.0〜5.0μm、且つ中空率が70%以上の中空粒子が好ましい。更に好ましくは、中空粒子の最大粒子径が10.0μm以下であると同時に、平均粒子径2.0〜5.0μmであり、中空率が70%以上の中空粒子が好ましい。中空率が低いものは、断熱効果が不充分なためにサーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通じて外へ放出され、高感度熱活性化効果が劣る。本願発明でいう中空粒子とは、熱可塑性樹脂を殻とし、内部に空気その他の気体を含有し、既に発泡状態となっている中空粒子をいう。
なお、「中空率」とは、中空粒子の中空部の直径と外径との比であり、下式で表わされるものである。
中空率(%)=〔(中空粒子の中空部の直径)/(中空粒子の外径)〕×100
また、平均粒子径が5.0μmより大きい場合は、これらを用いた中間アンダー層上に感熱性粘着剤層を設ける場合、大きな粒子の部分は感熱性粘着剤層が形成されない部分ができ、熱活性化した場合に粘着力が低下しやすい。一方2.0μmより小さい場合は、中空率70%以上を確保することが困難になり、その結果高感度熱活性化効果が劣る。
また、サーマルヘッドを用いた熱活性化方式での粘着力を確保するためには、中間層に用いる中空粒子の中空率は70%以上が好ましい。
上記の条件を満たす中空粒子を形成する材料としては、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−メタクリル酸メチル共重合体、又は、アクリロニトリル−メタクリロニトリル−イソボニルメタクリレート共重合体が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、種々公知のものを用いることができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などが挙げられる。中でも後述の感熱性粘着剤層に用いられる熱可塑性樹脂と同類の樹脂を用いると、両層の樹脂同士の相溶性、界面結着性がよくなることから、ガラス転移温度(Tg)が−70℃〜−5℃の範囲にある(メタ)アクリル共重合体ものが好ましく、例えば、ビニル系モノマーをグラフト共重合した天然ゴムラテックス、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上を用いることが好ましい。中でもアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とした共重合体を用いると、被着体との馴染みが良く、強固に貼り合わせることができる。
本願発明の中間アンダー層における熱可塑性樹脂のTgは、−70℃以上−30℃以下に調整するのが良い。−70℃よりも低いと、例えば、ロール状にして保管した際の反対面との貼り付き現象が起きるため実用上問題がある。逆に−30℃よりも高温の材料を用いると熱活性後の感熱性粘着剤層の柔軟性が低く、ガラスのような平滑な面には密着するものの、被着体表面が平滑でない場合には点接触になるためにうまく貼り付かせることができない。
本願発明に用いられる自己架橋型アクリル系樹脂とは、アクリル樹脂中に相互に反応して架橋構造を形成し得る官能基を有するものであり、高濃度下、常温もしくは加熱により、その官能基同士が架橋形成することで高分子化し高強度の塗型膜が得られる。
ただし、必要に応じて触媒を使用してもよい。
官能基としては、メチロール基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、グリシジル基、アジリジン基、オキサゾリン基、カーボンジイミド基、アルコキシシラン基等が挙げられ、これらの中から適宜反応し得る組み合わせを選択すればよい。
なお、メチロール基やアルコキシシラン基等のように自己縮合し得る基の場合は、この基を単独で含む樹脂であってもよい。より強度の高い塗型膜を得るには、メチロール基と水酸基とを有するものが好ましい。このような樹脂は、末端のメチロール基と水酸基が、脱水及び/又は脱HCHO反応により架橋形成することで高分子化し塗膜強度を顕著に向上させる。
アクリル系モノマーしては、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、アクリル酸、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリシジルメタクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等を用いることができる。具体的な例としてN−メチロールアミドとメタクリル酸ヒドロキシエチル又はアクリル酸との共重合体、メタクリル酸グリシジルとアクリル酸又はアクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合体、メタクリル酸ヒドロキシエチルとアクリル酸又はアクロレインとの共重合体が挙げられる。
本願発明の好ましい樹脂である、メチロール基と水酸基とを有する自己架橋型アクリル系樹脂は、前述したメチロール基又は水酸基を有するアクリル系モノマーを乳化重合させることにより得られる。即ち、メチロール基を有するN−メチロールアクリルアミド等と、水酸基を有する2−ヒドロキシエチルメタアクリレート等と、樹脂を構成するアクリル系モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜18)エステル等を所定のモル比で乳化重合させることにより得られる。
上記のようなアクリル系ポリマーは、一般にエマルジョンの形で添加される。上記のアクリル系ポリマーは、0℃以下のガラス転移温度を有することが、粘着性と糊残りを両立する点で好ましい。
中空アンダー層中の中空粒子の構成比率は、樹脂成分1重量部に対して中空粒子0.1〜1.0重量部が好ましい。中空粒子が0.1重量部より少ないと高感度熱活性化効果が劣り、更に耐ブロッキング性が低下する。逆に、1.0重量部より多くなると、剥離時の引き裂き耐性に劣るため、剥離粘着力が低下してしまう。
中間アンダー層の塗布量は、乾燥塗布量で通常0.2〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2の範囲とする。塗布量が0.2g/m2未満では、熱活性化時の断熱効果が得られないし、10g/m2を越えると、接着力や断熱効果が飽和し経済上好ましくない。
感熱性粘着剤層は、固体可塑剤、熱可塑性樹脂、及び粘着付与剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本願発明で用いる固体可塑剤としては、例えば、下記一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物、下記一般式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物、下記一般式(3)(4)(5)、及び(6)(7)で表される化合物などが挙げられる。
<一般式(1)>
一般式(1)におけるアルキル基としては、炭素数が1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、これらは置換基で更に置換されていてもよい。
置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−sec−ブチル−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(2)におけるアルキル基としては、炭素数1〜18のものが挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状アルキル基;イソブチル基、イソアミル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、1−エチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルヘプチル基、1−プロピルブチル基、1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルプロピル基、1−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、1−イソプロピルペンチル基、1−イソプロピル−2−メチルブチル基、1−イソプロピル−3−メチルブチル基、1−メチルオクチル基、1−プロピルヘキシル基、1−イソブチル−3−メチルブチル基、ネオペンチル基、tert−ブチル基、tert−ヘキシル基、tert−アミル基、tert−オクチル基等の分岐状アルキル基;シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基などが挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
一般式(2)におけるアルケニル基としては、炭素数2〜8のものが好適であり、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、メタクリル基、クロチル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、2−ヘプテニル基、2−オクテニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
一般式(2)におけるアラルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
一般式(2)におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントラニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基等が挙げられ、これらは更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、カルボキシル基、シアノ基、特定の置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基)を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。
一般式(2)で表されるヒドロキシ安息香酸エステル化合物の具体例としては、m−ヒドロキシ安息香酸メチル、m−ヒドロキシ安息香酸エチル、m−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ステアリル、p−ヒドロキシ安息香酸シクロヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸4−メチルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニルなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−メチルフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−メチルフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−p−クロロフェニル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸−o−クロロフェニルなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、安息香酸−4−ヒドロキシフェニル、安息香酸−2−ヒドロキシフェニル、o−メチル安息香酸−3−ヒドロキシフェニル、p−クロロ安息香酸−3−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(7)で表される化合物の具体例としては、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−n−プロピルオキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−n−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−n−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−t−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリス(m−t−ブトキシフェニル)ホスフィン等が挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本願発明の感熱粘着層に使用される熱可塑性樹脂としては、ガラス転移点が−70℃以上−20℃未満であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。熱可塑性樹脂の具体例を下記に示す。
熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げられる。これらのうち、接着性、耐候性の観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使用するのが好ましく、これらは単独または複数を組み合わせて用いられる。
粘着付与剤は感熱性粘着剤層の粘着力を向上させるために添加されるもので、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジンなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペン樹脂など)、石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などが挙げられる。これらの粘着付与剤は熱可塑性樹脂及び熱溶融物質と相溶して、感熱性粘着剤層の粘着力を著しく向上させることができる。
感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗布量で通常3〜20g/m2、好ましくは5〜15g/m2の範囲とする。塗布量が3g/m2未満では加熱による接着を行なう際に十分な接着力が得られず、20g/m2を越えると、中間層の断熱効果が薄れるし、経済上好ましくない。
感熱性粘着剤層の形成方法には特に制限はなく、塗布法、印刷法などの公知の方法によって形成することができる。塗布法の例としては、ブレード塗工法、グラビア塗工法、グラビアオフセット塗工法、バー塗工法、ロール塗工法、ナイフ塗工法、エアナイフ塗工法、コンマ塗工法、Uコンマ塗工法、AKKU塗工法、スムージング塗工法、マイクログラビア塗工法、リバースロール塗工法、4本又は5本ロール塗工法、ディップ塗工法、落下カーテン塗工法、スライド塗工法、ダイ塗工法等が挙げられる。
なお、塗布又は印刷の際の乾燥条件としては、使用する熱溶融物質が融解しない温度範囲としなければならない。乾燥の手段としては、熱風乾燥の他に、赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥方法が使用できる。
記録層には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層の何れかであることが好ましい。
これらの中でも、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録粘着材料や、熱転写記録用インク受容層を設けた感熱性粘着材料は極めて有用である。
感熱記録層は、少なくともロイコ染料などの発色剤、顕色剤、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じて填料などのその他の成分を含む。ロイコ染料としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、フルオラン系染料、フェノチアジン系染料、オーラミン系染料、スピロピラン系染料、インドリノフタリド系染料などが挙げられる。
ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロルフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン、3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フルオラン、3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)フタリド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−メチルフェニル)フタリド、3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−o−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−{1,1−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル}−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニルエチレン−2−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1−p−クロロフェニルエチレン−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−メトキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−p−クロロフェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−(4′−ジメチルアミノ−2′−ベンジルオキシ)−3−(1″−p−ジメチルアミノフェニル−1″−フェニル−1″,3″−ブタジエン−4″−イル)ベンゾフタリド、3−ジメチルアミノ−6−ジメチルアミノ−フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド、3,3−ビス{2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル}−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−ビス{1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル}−5,6−ジクロロ−4,7−ジブロモフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−1−ナフタレンスルホニルメタン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリドフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオランスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−4′,5′−ベンゾフルオラン、3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
顕色剤の具体例としては、4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、3,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−s−ブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−t−ブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−2−メチル)フェノール、4,4′−ジフェノールスルホン、4,2′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキュ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサヘプタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、サリチル−o−クロロアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸の亜鉛塩、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、4−{β−(p−メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエンチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4′−チオビス(2−メチルフェノール)、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチル−ジフェニルスルホン、4,4′−チオビス(2−クロロフェノール)などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層における顕色剤の添加量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ロイコ染料1重量部に対し1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
熱可融性物質の具体例としては、ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類;p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フェノキシ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチオ)−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェニル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、蓚酸ジベンジルエステル、1,5−ビス(p−メトキシフェニルオキシ)−3−オキサペンタンなどが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
感熱記録層の形成方法には、特に制限はなく、一般に知られている方法を採用することができ、例えば、ロイコ染料、顕色剤を別々に、バインダー樹脂やその他の成分と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル等の分散機により、分散粒子径が1〜3μmになるまで粉砕分散した後、必要に応じて填料、熱可融性物質(増感剤)分散液等と共に、一定処方で混合して感熱記録層塗布液を調製し、支持体上に塗布すればよい。
感熱記録層の厚みは、感熱記録層の組成や感熱性粘着材料の用途等により異なり一概には規定できないが、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。
熱転写記録用の感熱性粘着材料における熱溶融転写記録用インク受容層は、フィラー、バインダー樹脂、耐水化剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
フィラーには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、クレー、焼成クレー、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ、尿素−ホルマリン樹脂やスチレン−メタクリル酸共重合体やポリスチレン等の微粉末などが挙げられる。
バインダー樹脂には特に制限はなく、公知の水溶性樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン又はその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン−無水マレイン共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
耐水化剤には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、クロムミョウバン、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
耐水化剤とバインダー樹脂の割合も、耐ブロッキング性の点から、バインダー樹脂(固形分):耐水化剤=1:0.3〜0.5が好ましい。
このように、インク受容層は、フィラーと水溶性樹脂、更に、バインダー樹脂と耐水化剤を、特定の比率で含有させて形成するが、更に、インク受容層の表面をキャレンダーなどにより、平滑度500秒以上に処理することにより、上記フィラーによる効果に加えて、印字品質を一層向上させることができる。
保護層は、樹脂成分と必要に応じてその他の成分を含有する。樹脂としては、疎水性樹脂エマルジョンや水溶性樹脂を用いることができるが、保護層としてのバリアー性の点から水溶性樹脂を用いた膜が好ましい。なお、水溶性樹脂を用いた場合には、架橋剤によって耐水化することにより、その機能を向上させることができる。水溶性樹脂としては通常ポリビニルアルコールが一般的に用いられるが、耐水化するための架橋剤との組み合わせを適宜選定して用いることができる。
例えば、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、反応性カルボニル基を有するポリビニルアルコール(PVAα)とヒドラジド化合物との組み合わせなどである。中でも、PVAαと架橋剤としてヒドラジド化合物を含有する保護層は耐熱性、耐水性が極めて高く、圧力、温度、湿度の付加による影響を受け難いので、耐ブロッキング性を大きく向上させることができる。
PVAαは、反応性カルボニル基を有するビニルモノマーと脂肪酸ビニルエステルとを共重合して得た重合体を鹸化する等の公知の方法により製造することができる。反応性カルボニル基を有するビニルモノマーとしては、エステル残基を有する基、アセトン基を有する基が挙げられるが、ジアセトン基を有するビニルモノマーが好ましい。
具体例としては、ジアセトンアクリルアミドやメタジアセトンアクリルアミドが挙げられる。脂肪酸ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、これらの中でも酢酸ビニルが特に好ましい。PVAαは、共重合可能な他のビニルモノマーを共重合したものであってもよい。これらの共重合可能なビニルモノマーの例としては、アクリル酸エステル、ブタジエン、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
PVAα中の反応性カルボニル基の含有量は、ポリマー全体の0.5〜20モル%が好ましく、耐水化を考慮すると2〜10モル%範囲がより好ましい。含有量が0.5モル%よりも少ないと実用上の耐水性が不十分となり、20モル%を超えてもそれ以上耐水化の向上が見られず高価になるだけなので経済的でない。
PVAαの重合度は300〜3,000が好ましく、500〜2,200がより好ましい。また、PVAαの鹸化度は80%以上が好ましい。
また、耐水性(耐水剥がれ性)を考慮すると酸性顔料(水溶液中で酸性を示すもの)であるシリカ、カオリン、アルミナが好ましく、発色濃度の点からシリカが特に好ましい。
保護層の形成方法には特に制限はなく、一般に知られている方法を採用でき、例えば、常法により保護層塗布液を調製し感熱記録層上に塗布すればよい。保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが1.0〜7.0μmが好ましい。
、界面活性剤等を用いることができる。
本願発明の感熱性粘着材料の形状には特に制限はなく、ラベル状、シート状、ラベルシート状、ロール状などが挙げられる。これらの中でも、利便性、保管場所、取り扱い性の点から円筒状の芯材に巻き取ったロール状が特に好ましい。
本願発明の感熱性粘着材料が貼付される被着体には特に制限はなく、目的に応じて大きさ、形状、構造、材質等を適宜選択することができる。材質としては、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂板;SUS、アルミニウム等の金属板;封筒、ダンボール等の紙製品;ポリオレフィン製のラップ類;ポリ塩化ビニル製のラップ類、ポリエチレン製不織布(封筒等)などが挙げられる。
本願発明の感熱性粘着材料の感熱性粘着剤層を熱活性化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱風による活性化方法、熱ロールによる活性化方法、サーマルヘッドによる活性化方法などが挙げられる。これらの中でも、サーマルヘッドによる活性化方法が、既存の感熱記録プリンタ装置を用いて感熱性粘着材料の両面を加熱することにより、感熱記録層への記録と、感熱性粘着剤層の熱活性化を同時に行うことができる点から特に好ましい。
《実施例1》
<中空粒子[A]の調製>
塩化ナトリウム55gをイオン交換水160gに溶解し、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.0g、コロイダルシリカ20%水溶液25gを加えた後、硫酸でpHを3.8から4.2に調整し、均一に混合してこれを水相とする。アクリロニトリル45g、メタクリロニトリル16g、N−メチロールアクリルアミド5g、イソボニルメタクリレート23g、エチレングリコールジメタクリエート0.1g、アゾビスイソブチロニトリル0.3g、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル0.1g、イソブタン15gを混合、攪拌、溶解し、これを油相とする。水相と油相を混合し、ホモミキサーで4000rpmにて1分間攪拌して懸濁液とする。これをセパラブルフラスコに移して窒素置換をしてから、攪拌しつつ70℃で6時間その後90℃で14時間反応する。
反応後冷却し、濾過してカプセル粒子を得る。次にこれを加熱による発泡を行い中空粒子[A]を形成した。この中空粒子の中空率は89%、粒子径(メジアン径)は4.5μmであった。
<自己架橋型アクリル樹脂の調製例>
水 170部
乳化剤 2.5部
(三洋化成工業製エレミノールES−70)
過硫酸カリウム 0.5部
モノマー混合体 100部
上記組成からなる混合物を撹拌しながら70℃で9時間かけて重合を行った。この共重合体を水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜9に調整し、水蒸気蒸留にて未反応単量体等を除去し、水を添加して不揮発分を調整し、不揮発分50%の共重合体エマルジョンを得た。このとき、モノマー混合体は2−エチルヘキシルアクリレート0.9モル、アクリル酸0.02モル、スチレン0.02モル、N−メチロールアクリルアミド0.03モル、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート0.03モルの比率とした。
下記混合物を攪拌分散して、中空アンダー層塗布液[B液]を調製した。
中空粒子[A]の水分散液(不揮発分30%) 30部
アクリル酸エステル共重合体(不揮発分60%) 20部
(日信化学工業社製7000R、Tg:−70℃)
自己架橋型アクリル樹脂 5部
ポリビニルアルコール水溶液 9部
(クラレ製PVA117、不揮発分16%)
水 58部
上記混合物を攪拌分散して中空アンダー層塗布液[B液]を調製した。
トリフェニルホスフィン 10部
2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール 20部
30%ポリビニルアルコール溶解液(日本合成化学社製L−3266) 5部
シリカ(水澤化学工業社製P−527) 3部
界面活性剤(アルキル=アリルスルホン酸塩) 0.1部
水 70部
上記組成からなる混合物を、平均粒径が1μmとなるようにサンドミルを用いて分散して分散液[C液]を得た。
C液(固体可塑剤分散液) 66部
アクリル酸エステル共重合体(不揮発分60%) 10部
(日信化学工業社製7000R、Tg:−70℃)
特殊ロジンエステル系エマルジョン 6部
(荒川化学工業製スーパーエステルE−650、不揮発分50%)
真球状シリコーン樹脂微粒子 3部
(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製トスパール120)
水 15部
上記組成物を充分に攪拌し、感熱性粘着剤層成液[D液]を得た。
平均坪量80g/m2の基紙の表面に、中空アンダー層塗布液[B液]を乾燥後質量が4g/m2となるように塗布、乾燥して中間層を形成した。次いで、その上に、感熱性粘着剤液[D液]を、乾燥後質量が15g/m2となるように塗布し、乾燥して実施例1の感熱性粘着材料を作製した。
アクリル酸エステル共重合体、自己架橋型アクリル樹脂をそれぞれ23部、2部とした以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
《実施例3》
アクリル酸エステル共重合体、自己架橋型アクリル樹脂をそれぞれ21部、4部とした以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
《実施例4》
アクリル酸エステル共重合体、自己架橋型アクリル樹脂をそれぞれ12部、13部とした以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
《実施例5》
アクリル酸エステル共重合体、自己架橋型アクリル樹脂をそれぞれ10部、15部とした以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
《実施例6》
アクリル酸エステル共重合体をすべて自己架橋型アクリル樹脂に置き換えた以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
自己架橋型アクリル樹脂を添加せず、アクリル酸エステル共重合体を25部とした以外は実施例1と同様に感熱性粘着剤層を形成し、感熱性粘着材料を作製した。
《比較例2》
10重量%カルボキシメチルセルロース水溶液 90部
界面活性剤アルキル−アリルスルホン酸塩 0.15部
水 9.85部
からなる架橋樹脂層形成液1(A液)、および、
10重量%塩化カルシウム水溶液 20部
界面活性剤アルキル−アリルスルホン酸塩 0.15部
水 80.85部
からなる架橋樹脂層形成液2(B液)を調製した。平均坪量80g/m2の基紙の表面に、A液を乾燥後の付着量が10g/m2となるように塗布、乾燥し、その上に、B液を乾燥後の付着量が1g/m2となるように塗布、乾燥し、架橋樹脂層を形成した。引き続き実施例1の[D液]を、乾燥後質量が15g/m2となるように塗布し、乾燥して感熱性粘着材料を作製した。
《比較例3》
中空アンダー層塗布液[B液]を乾燥後質量が4g/m2となるように塗布、乾燥して中間層を形成した後、[D液]に対して水溶性メラミン樹脂(固形分15%)を5部追加投入し十分に攪拌した感熱性粘着剤液を、乾燥後質量が15g/m2となるように引き続き塗布し、乾燥して感熱性粘着材料を作製した。
《比較例4》
エチレン−酢酸ビニル共重合体 25部
(EVA;エチレン含量72重量%、融点62℃、MFR400g/10分)
粘着付与剤 8部
(テルペン系樹脂、ヤスハラケミカル(株)社製、商品名「YSポリスター
T115」)
固体可塑剤(フタル酸ジシクロヘキシル) 67部
水 67部
上記組成からなる混合物をサンドミルを用いて分散して分散液[(C−X)液]を得た。
混合分散液[(C−X)液] 100部
脂肪族系ウレタン樹脂 15部
(日本化工塗料(株)製、商品名「FW413」、重量平均分子量:約100000
、MFT:0℃、Tg:30℃、固形分33%)
上記からなる混合物を十分に攪拌し、感熱性粘着剤層成液[(D−X)液]を得た。平均坪量80g/m2の基紙の表面に、この[(D−X)液]を乾燥後質量が15g/m2となるように引き続き塗布し、乾燥して感熱性粘着材料を作製した。
得られた各感熱性粘着材料を40mm×100mmの長方形にカットし、感熱印字装置(大倉電気株式会社製、TH−PMD)を用いて、ヘッド条件:エネルギー0.40mJ/dot、印字スピード:6ms/line、プラテン圧:6kgf/lineの条件にて、感熱性粘着材料を熱活性化させた。活性化させたサンプルを速やかにポリプロピレン板に貼り付けた(JIS Z 0237記載の180度引きはがし粘着力試験の測定法に準じ、加圧2kgのゴムローラーで20mm/sの速度で2往復させて圧着)。24時間静置保管し、その後剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件で剥離させ、その時の粘着力をフォースゲージ(イマダ製DPS−5)で測定した。0.1秒間隔でデータを読み取り平均化した数値で示した。なお、単位はN/40mmである。
粘着力ランクは、
◎ : 25N/40mm以上
○ : 20N/40mm以上25N/40mm未満
△ : 3N/40mm以上20N/40mm未満
× : 3N/40mm未満
とした。
粘着特性評価にてラベルを剥離した後、ポリプロピレン板側を観察した。同じ面に対してこの操作を5回繰り返した。
◎ :表面に糊残りがない。
○ :点状の転写物がわずかに見える。
△ :点状の転写物が全面に見える。
× :ラベル側の層が剥離転写している、
あるいはラベルが破れて被着体側に残る。
下表に評価結果をまとめる。
Claims (6)
- 支持体上に、中空粒子と熱可塑性樹脂から形成された中空アンダー層、次いで熱可塑性樹脂、固体可塑剤、及び粘着付与剤からなる感熱性粘着剤層を順次塗布してなる感熱性粘着材料において、該中空アンダー層の熱可塑性樹脂が自己架橋型アクリル系樹脂を含有することを特徴とする感熱性粘着材料。
- 自己架橋型アクリル系樹脂が、熱可塑性樹脂の5〜50%を占めることを特徴とする請求項1の感熱性粘着材料。
- サーマルヘッドによる加熱により粘着性が発現することを特徴とする請求項1または2に記載の感熱性粘着材料。
- 支持体の感熱性粘着剤層を有する面の反対側面に記録層を有することを特徴とする請求項1から3に記載の感熱性粘着材料を用いた感熱性粘着シート。
- 記録層が、感熱記録層、熱溶融転写記録用インク受容層、電子写真用トナー受像層、ハロゲン化銀写真用記録層、及びインクジェット用インク受像層の何れかであることを特徴とする請求項4に記載の感熱性粘着シート。
- 基材として、合成紙またはプラスチックフィルムを使用することを特徴とする請求項4または5に記載の感熱性粘着シート。
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