JP6657993B2 - 蓋材用積層体、蓋材、分配包装容器、分配包装体、及び蓋材用積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
そして、分配包装体の内容物が、酸素による劣化を防止するため、蓋材の中間層としては、酸素バリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層(以下、EVOH層ともいう。)と、良好な剛性を有するポリスチレン樹脂層と、シール性を有するポリエチレン系樹脂層とを共押出により積層した共押出複合フィルムが使用されている。
また、分配包装容器の蓋材の他の層構成としては、外側から、ポリスチレン樹脂層と、接着層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)層と、接着層と、ポリエチレン系樹脂層を積層した構成からなる共押出複合フィルムが開示されている(特許文献2)。
例えば、分配包装容器の蓋材の層構成としては、EVOH層を用いないで酸素バリア層を有する蓋材として、外側から、基材フィルム層、ラミネート接着剤層と、剛性フィルムと、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層と、シーラント層を積層した構成からなる蓋材用積層体が開示されている(特許文献3)。
図1に本発明の蓋材用積層体である一つの実施形態を示す。
図1に示される積層体10は、外側から、基材フィルム層1と、耐熱性のあるラミネート接着剤層2と、剛性フィルム層3と、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4と、シーラント層5をこの順に積層して構成されている。
各層の内容は、後述するが、一例として、基材フィルム層1は、非晶性ポリエステル系フィルムである。ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4は、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物である。剛性フィルム層3は、ポリスチレン系樹脂である。
図1に示される積層体10は、剛性フィルム層3の裏面にガスバリア性のあるラミネート接着剤層4を介してシーラント層5を貼り合わせ、更に、剛性フィルム層3の表面に耐熱性のあるラミネート接着剤層2を介して基材フィルム層1を貼り合せて製造される。
開口からの内容物の単位時間当たりの流出量は、突部13の数が多いほど多い。したがって、蓋材20の突部13の数は、複数個あることが好ましい。もっとも、突部13の数は少なくとも一個あればよく、突部の数は問わない。
(基材フィルム層)
蓋材における基材フィルム層1は、蓋材20の外側に配置される層であり、印刷適性、印刷安定性を有するという役割を有するとともに、剛性フィルム層3を保護する機能を有している。基材フィルム層1は、非晶性ポリエステル系フィルムであることが必要である。非晶性ポリエステル系フィルムであると、蓋材を加熱成形する際、ハーフカット部の切れ込み幅が所望の寸法より広がってしまうことを有効に防止することができる。これは、積層体のハーフカット部が、加熱成形の際の寸法変動が小さいため、所望の位置より広がることを防止すると考えられるからである。非晶性ポリエステル系フィルムとしては、例えば、非晶性ポリチレンテレフタレートフィルム、非晶性ポリブチレンテレフタレートフィルム等を使用することができる。これらのフィルムは無延伸フィルム、及び延伸フィルムのいずれでも用いることができるが、中でも、無延伸フィルムであることが引裂抵抗の点から好ましい。
フィルムの製法は、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよいが、中でも、インフレーション成膜であることが好ましい。これは、インフレーションフィルム法を用いて製造されたポリエステル系インフレーションフィルムであると、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと比べて大きな引裂抵抗を有する。このため、上記基材フィルムを用いて製造された蓋材のハーフカット部の切れ込み方向が、後加工の加熱成形の際、ハーフカットの寸法が所望の寸法より広がりにくい。
なお、基材フィルム層の接着面には、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
また、その厚さは、5μm以上50μm以下の範囲から選択して使用することが好ましく、より好ましくは8μm以上40μm以下である。
基材フィルム層1が、上記の範囲を超えると、蓋材のハーフカットの調整が難しくなる傾向にあるので好ましくない。また、基材フィルム層1が、上記の範囲未満であると、安定して印刷することができない傾向にあるので好ましくない。
蓋材20の基材フィルム層1の裏面に印刷して印刷層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、これを、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述の基材フィルム層1の表面または裏面に、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷層を形成することができるものである。
蓋材における剛性フィルム層3としては、蓋材20の中間に配置される層であり、蓋材に剛性と開口性とを付与するという役割がある。剛性フィルム層3としては、ポリスチレン樹脂(以下PSともいう。)の材料で構成されているフィルムを使用することが必要である。
例えば、ポリスチレン樹脂フィルムの場合、剛性フィルム層を構成するポリスチレン樹脂として、一般用ポリスチレン(以下、GPPSともいう。)、耐衝撃性ポリスチレン(以下、HIPSともいう。)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(ブタジエン系化合物)の配合品の単体あるいは、それらのブレンドを挙げることができる。GPPSは、ゴム成分を含まず、きわめて割れやすい性質を有する。一方、HIPSは、ゴム成分がブレンドされているので、割れにくい性質を有する。したがって、GPPSとHIPSとのブレンド比を適切にコントロールすることによって、包装体を開封する際の蓋材に生じる開封性を調節することができる。
なお、剛性フィルム層の接着面には、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
剛性フィルム層3の厚みは、50μm以上500μm以下の範囲から選択して使用することが好ましく、より好ましくは200μm以上400μm以下である。
剛性フィルム層3の厚みが、上記の範囲を超えると、包装体を開封する際、折り曲げるために必要以上の力を要することとなり、コスト高となるので好ましくない。また、剛性フィルム層3が、上記の範囲未満であると、包装体を開封する際、良好な開封性が得られなくなるので好ましくない。
蓋材におけるガスバリア性のあるラミネート接着剤層4としては、剛性フィルム層3とシーラント層5とを接着するという役割を有するとともに、酸素ガスバリア層としての機能を有している。
ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4としては、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物であることが必要である。
本発明に用いられるエポキシ樹脂は、飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよい。
前記のポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得るアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。また、前記の炭素数1〜8の一価のカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などが挙げられ、また、それらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物なども使用することができる。
蓋材におけるラミネート接着剤層2としては、基材フィルム層1と剛性フィルム層3とを接着するという役割を有している。
ラミネート接着剤層2として、主剤にポリエステル系接着剤、硬化剤には、イソシアネート系の2液反応型接着剤などが使用できる。ラミネート接着剤層2は、耐熱性を有する接着剤層であることが好ましい。耐熱性を有する接着剤層を使用することにより、積層体10のシートから蓋材20を所定の大きさに打ち抜き加工するときに、打ち抜きカスの発生を抑制することができる。これは、打ち抜き加工時の摩擦熱により打ち抜きダイが熱を持ったときに、ラミネート接着剤層2に耐熱性のない接着剤層を使用した場合には、打ち抜き時に当該ラミネート接着剤層2が伸び、うまく切断できない結果、打ち抜きカスが発生すると考えられるからである。耐熱性を有する接着剤層は、耐熱温度が120℃以上の接着剤層であって、耐熱性を有しない接着剤層よりも硬く、打ち抜きダイにより良好に切断することができ、打ち抜きカスを抑制できる。具体的には121℃以上のレトルトパウチに用いられる、2液硬化型ウレタン接着剤を使用することができる。
基材フィルム層1と剛性フィルム層3の層間を接着する方法としては、ドライラミネート法を挙げることができる。ラミネート接着強度を4N/15mm幅以上にすることが好ましい。
蓋材20のシーラント層5は、ヒートシール可能な層であることが必要である。シーラント層5は、特に高密度ポリエチレン(HDPE)又は中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)とする。従来の蓋材20では、シーラント層5に低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が用いられていたが、発明者らの研究によりシーラント層5の膜切れ性については必ずしも十分でないことが判明した。LDPEは、もろく、毛羽立ちや全開封が発生し易い。LLDPEは延び易く、膜切れしいない結果としての膜残りが発生し易い。蓋材20に複数個の突部13が形成されているときには、特にシーラント層5の膜切れがうまくいかないことがあった。高密度ポリエチレン(HDPE)又は中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)は、LDPEやLLDPEに比べると相対的にヒートシール性は低いものの、十分にヒートシールすることが可能であって、しかも膜切れ性が良好である。
この突部13の形状は、容器蓋材を折り曲げた際、曲げ応力が開封部に集中し、開封部が切り裂け、内容物が飛び出ることを目的としている。突部13の形状としては、例えば、四角錐状、半円状(ドーム型)、立方体などが挙げられる。
ハーフカット部を形成することにより、蓋材を開口しやすくすることができる。ハーフカット部は、剛性フィルム層3の10%〜90%程度、形成することが好ましい。
ハーフカット部は、蓋材が折れる方向と同方向に連続で切れ目を入れることができる。また、突部13の頂点部のみに、切り目を2mm〜10mm程度に点線状に入れてもよい。
底材を構成する材料について説明すると、成形性を有する樹脂のフィルムからなり、外側から、外層31、バリア性を有する中間層32、シーラント層33を順次に積層してなる層構成からなる。
まず、成形性を有する外層31としては、真空・圧空成形等の熱成形し得る樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、アクリルニトリル系樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、その他等の樹脂のフィルムを使用することができる。そのフィルムは、未延伸フィルム、延伸フィルム等のいずれのものでもよい。また、その厚さとしては10μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。
次に、本発明において、成形性を有し、かつ印刷適性を有する樹脂のフィルムとしては、上記と同様に真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、文字、図形等の印刷模様を施すことができ、更に印刷ピッチ寸法安定性に富み、容器を構成する主材となり得る樹脂のフィルムを使用することができる。上記の層は、外層または中間層に配置できる。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、これらの樹脂の変性樹脂、その他の樹脂のフィルムを使用することができる。而して、そのフィルムは、未延伸ないし延伸フィルム等のいずれのものでもよく、また、その厚さとしては5μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下がより好ましい。本発明においては、中でも、成形性、印刷適性、印刷ピッチ寸法安定性等の観点から、成形用ポリエチレンテレフタレートフィルム、キャスト成形によるポリプロピレンフィルムが最も望ましい材料である。なお、本発明においては、上記の樹脂のフィルムの表面に、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の通常の印刷方式で印刷模様を形成することができる。
また、上記の本発明において、バリア性を有する中間層32としては、真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、ガス、水蒸気等の遮断性を有する樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共樹脂体ケン化物、ポリアクリルニトリル系樹脂等の樹脂のフィルム等を使用することができる。その厚さとしては、5μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
次に、本発明において、底材のシーラント層33としては、成形性、ヒートシール性を有する樹脂のフィルムを使用できる。真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、熱により溶融して相互に熱融着し得る樹脂のフィルムを使用することができる。底材のシーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、酸変性のポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、その他等の樹脂のフィルムを使用することができる。その厚さとしては、5μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。
ば、密封シールした包装体の外周の周辺をトリミングして、分配包装体60を製造することができる。また、液状又はペースト状物中には、分配包装体60を折り曲げて内容物の押し出し際に突部13の開口を詰まらせない範囲で固形物を含有させてもよい。なお、真空成型・圧空成形ともに連続成形機を用いて、成形し、次いで内容物の充填、蓋材の密封シール、トリミング等を連続的に行って分配包装体60を製造することもできる。
(実施例1)
<蓋材>
まず、剛性フィルム層3として、厚さ280μmのポリスチレン樹脂フィルム(デンカ株式会社製、商品名、デンカHIシート HIWHDS)を用い、これの一方のコロナ処理面に、グラビアロールコート法でコーティングし、塗布量4.0g/m2となるようにガスバリア性ラミネート接着剤4(三菱ガス化学株式会社製「マクシーブ」、主剤M−100:非ビスA系ポリエポキシ樹脂、硬化剤C−115:ポリアミン樹脂)を形成し、次いで、そのガスバリア性のあるラミネ−ト用接着剤層の面に、シーラントフィルム5として、厚さ40μmの高密度ポリエチレンフィルム(タマポリ株式会社製、商品名、HD)のコロナ処理面の面を対向させて重ね合わせ、ドライラミネート法により積層した。
一方で、基材フィルム層1として、インフレーション法で成膜された、厚さ25μmの非晶性ポリエチレンフィルム(東和加工株式会社製、商品名、SA−70)を用い、そのコロナ処理面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、文字、図形、記号、絵柄等からなる所定の印刷模様を印刷して印刷層を形成した。
次いで、上記基材フィルム層1の印刷面に、耐熱性を有するラミネ−ト用接着剤として2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製、商品名、主剤:RU−77T、硬化剤:H−7)を用い、その塗布量が3.5g/m2となるように形成し、次いで、その耐熱性を有するラミネ−ト用接着剤層の面に、上記で積層したポリスチレン樹脂フィルムのもう一方のコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト法により積層して、層構成、非晶性ポリエステルフィルム層(25μm)/印刷層/ウレタン系ラミネート接着剤層/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート用接着剤層/高密度ポリエチレンフィルム(40μm)の本発明にかかる分配包装容器用蓋材を製造した。
底材40として、層構成、表面から順次、未延伸ポリアミド樹脂層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層/低密度ポリエチレン樹脂層の未延伸共押出し積層フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名、ダイアミロン)を使用した。
得られた分配包装体は、酸素透過をより高いレベルで防止できるとともに、蓋材を開口する際、所望の寸法より裂けが生じることを有効に防止し得るものであった。
実施例2は、シーラント層5が中密度ポリエチレン樹脂の例である。
層構成は、非晶性ポリエステルフィルム層(25μm)/印刷層/ウレタン系ラミネート接着剤層/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート用接着剤層/中密度ポリエチレンフィルム(40μm)であった。
比較例1は、実施例1の蓋材で用いた基材フィルム層に変えて、二軸延伸ポリプロプレンフィルム(サン・トックス株式会社製、商品名、MF20)を用いた以外は、実施例1と同様にして分配包装体を製造した。
使用した蓋材の層構成は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/印刷層/ウレタン系ラミネート接着剤層/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート用接着剤層/高密度ポリエチレンフィルム(40μm)である。
試料シートの基材フィルム層側からハーフカット部の切れ込みを30mm入れ、その垂直方向に高さ2mmの突部を2か所、熱成形後、ハーフカットの切れ込み幅を測定し、その程度により3段階評価し、切れ込み幅の変化の有無により良好を○で、不良を×で評価した。なお、切れ込み幅の変化(寸法)を括弧内に示した。
評価3:ハーフカット部の切れ込み幅の熱成形前後の寸法変化 まったくなし
評価2:ハーフカット部の切れ込み幅の熱成形前後の寸法変化 1mm未満
評価1:ハーフカット部の切れ込み幅の熱成形前後の寸法変化 1mm以上
試料シートの基材フィルム層側からハーフカット部の切れ込みを入れ、その垂直方向に高さ2mmの突部を2か所熱成形し、試料シートを折り曲げて開封した際の突部の膜切れ性をその程度により5段階評価し、毛羽立ちの有無により良好を○で、不良を×で評価した。
評価5:開封口の膜残り(毛羽立ち)まったくなし
評価4:開封口の膜残り(毛羽立ち)ほとんどなし
評価3:開封口の膜残り(毛羽立ち)わずかに認められる
評価2:開封口の膜残り(毛羽立ち)認められる
評価1:開封口の膜残り(毛羽立ち)顕著に認められる
蓋材の積層体のサンプルは、平シールからシール温度190℃、3kg/cm2、1秒
の条件にてシールし、サンプルを作成した。
上記で得られた蓋材のサンプルから15mm幅の短冊状試験片を切出し、試験速度50mm/min、常温で引張試験機(島津製オートグラフ:タイプ:AGS−50D)により蓋材の基材フィルム層1と剛性フィルム層3との層間強度、および、剛性フィルム層3とシーラントフィルム5との層間強度を測定した。なお、層間強度はN/15mm幅であらわした。
4:層間強度が、9N/15mm幅以上である。
3:層間強度が、6N/15mm幅以上、9N/15mm幅未満である。
2:層間強度が、3.9N/15mm幅以上、6N/15mm幅未満である。
1:層間強度が、3.9N/15mm未満である。
層間強度が、6N/15mm幅以上であるものが望ましく、9N/15mm幅以上のものが特に好ましい。
酸素ガス透過率測定装置(モダンコントロール社製 MOCON OX−TRAN2/
20)を用いて、温度23℃、湿度90%RHで測定した。
これに対して、比較例1の分配包装体については、ハーフカットの切れ込み幅の熱成形前後の寸法変化において、所望の寸法より広がるサンプルがあった。
2 ラミネート接着剤層
3 剛性フィルム層
4 ガスバリア性のあるラミネート接着剤層
5 シーラント層
10 積層体
11 ハーフカット部
12 折り曲げ線
13 突部
14 接合端部
16 凹部
20 蓋材
30 積層体
40 底材
31 外層
32 バリア性を有する中間層
33 シーラント層
50 分配包装容器
60 分配包装体
Claims (5)
- 外側から、基材フィルム層と、ラミネート接着剤層と、剛性フィルム層と、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層と、シーラント層をこの順に積層してなり、
かつ、前記の剛性フィルム層が、ポリスチレン系樹脂であり、
かつ、前記ガスバリア性のあるラミネート接着剤層が、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物であり、
かつ、前記基材フィルム層が、非晶性ポリエステル系フィルムであり、
かつ、前記ラミネート接着剤層が、耐熱性を有するラミネート接着剤であり、
かつ、前記のシーラント層が、密度が0.94以上1.00以下の高密度ポリエチレン樹脂又は密度が0.925以上0.94未満の中密度ポリエチレン樹脂からなり、
前記のシーラント層の厚みが、30μm以上50μm以下であることを特徴とする蓋材用積層体。 - 請求項1記載の蓋材用積層体が、前記蓋材用積層体のシーラント層と反対側の表面中央部に外側から剛性フィルム層まで形成されたハーフカット部を有する折り曲げ線と、前記の折り曲げ線を折り曲げたときに吐出口を形成する突部とを有することを特徴とする分配包装容器用蓋材。
- 蓋材とフランジを有する底材からなる包装容器であって、蓋材は請求項2記載の分配包装容器用蓋材であることを特徴とする分配包装容器。
- 請求項2に記載の分配包装容器用蓋材と、
底材の成形凹部内に液状またはペースト状の内容物を充填する底材におけるフランジと、を互いに重ね合わせ、その接合端部としてヒートシールしてなることを特徴とする分配包装体。 - ポリスチレン系剛性フィルム層にドライラミネ−ト法でガスバリア性のあるラミネート用接着剤を形成し、前記ガスバリア性のあるラミネ−ト用接着剤の形成面に、密度が0.94以上1.00以下の高密度ポリエチレン樹脂又は密度が0.925以上0.94未満の中密度ポリエチレン樹脂からなり、前記のシーラント層の厚みが、30μm以上50μm以下であるシーラントフィルムを対向させて重ね合わせて積層する工程と、
基材フィルム層であるインフレーション法で成膜された非晶性ポリエステル系フィルムの片面にドライラミネ−ト法で耐熱性を有するラミネート接着剤を形成し、前記基材フィルム層の前記耐熱性を有するラミネート層の形成面に、前記ポリスチレン系剛性フィルムの前記シーラントフィルムを積層していない面側を対向させて重ね合わせて積層する工程と、を備えることを特徴とする蓋材用積層体の製造方法。
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