JP6398424B2 - 積層体、蓋材、分配包装容器、及び分配包装体 - Google Patents
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Description
分配包装体の内容物が、空気中の酸素により劣化するのを防止するため、蓋材の中間層として、酸素バリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層(以下、「EVOH層」ともいう。)を含み、このEVOH層と、良好な剛性を有するポリスチレン樹脂層と、シール性を有するポリエチレン系樹脂層とを共押出により積層した共押出複合フィルムが使用されている。
また、分配包装容器の蓋材の層構成の他の例としては、外側から、ポリスチレン樹脂層と、接着層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(具体的にはEVOH)層と、接着層と、ポリエチレン系樹脂層を積層した構成からなる共押出複合フィルムが開示されている(特許文献2)。
また、上記分配包装容器用蓋材において、突部を複数個有することが好ましい。
更に、本発明の別の側面の分配包装体は、上記の分配包装容器の底材の収容部に内容物が充填されたことを特徴とする。
図1に本発明の積層体の一つの実施形態を断面図で示す。図1に示された積層体10は、外側から、基材フィルム層1と、ラミネート接着剤層2と、剛性フィルム層3と、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4と、シーラント層5をこの順に積層して構成されている。この積層体10は、剛性フィルム層3の表面にラミネート接着剤層2を介して基材フィルム層1を貼り合せ、また、剛性フィルム層3の裏面にガスバリア性のあるラミネート接着剤層4を介してシーラント層5を貼り合わせて製造される。基材フィルム層1は、裏面に印刷を施すことができる。各層の材料は後で詳述するが、一例として剛性フィルム層3は、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリカーボネート樹脂である。ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4は、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物である。シーラント層5は、高密度ポリエチレン樹脂又は中密度ポリエチレン樹脂である。
開口からの内容物の単位時間当たりの流出量は、突部13の数が多いほど多い。したがって、蓋材20の突部13の数は、複数個あることが好ましい。もっとも、突部13の数は少なくとも一個あればよく、突部の数は問わない。
(基材フィルム層)
蓋材20における基材フィルム層1は、蓋材20の外側に配置される層であり、印刷適性、印刷安定性を有するという役割を有するとともに、剛性フィルム層3を保護する機能を有する熱可塑性樹脂フィルム層であれば特に限定されない。基材フィルム層1は、例えば、非晶質無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、結晶性ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリプロビレンフィルム、無延伸ポリプロビレンフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミドフィルム、無延伸ポリアミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、延伸ポリスチレンフィルム等を使用することができる。
これらのフィルムの中でも、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリプロビレンフィルムが、耐熱性、印刷適性に優れるので好ましい。
フィルムの製法は、押し出し成膜、インフレーション成膜、コーティング膜等のいずれの製法による膜でもよい。
なお、基材フィルム層の接着面には、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
また、その厚さは、5μm以上50μm以下の範囲から選択して使用することが好ましく、より好ましくは8μm以上40μm以下である。基材フィルム層1が、上記の範囲を超えると、蓋材のハーフカットの調整が難しくなる傾向にあるので好ましくない。また、基材フィルム層1が、上記の範囲未満であると、安定して印刷することができない傾向にあるので好ましくない。
蓋材20の基材フィルム層1の裏面に印刷を施して印刷層を形成することができる。通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、これを、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述の基材フィルム層1の表面または裏面に、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、かかる印刷層を形成することができる。
蓋材20のラミネート接着剤層2は、基材フィルム層1と剛性フィルム層3とを接着するという役割を有している。ラミネート接着剤層2として、主剤にポリエステル系接着剤、硬化剤には、イソシアネート系の2液反応型接着剤などが使用できる。ラミネート接着剤層2は、耐熱性を有する接着剤層であることが好ましい。耐熱性を有する接着剤層を使用することにより、積層体10のシートから蓋材20を所定の大きさに打ち抜き加工するときに、打ち抜きカスの発生を抑制することができる。これは、打ち抜き加工時の摩擦熱により打ち抜きダイが熱を持ったときに、ラミネート接着剤層2に耐熱性のない接着剤層を使用した場合には、打ち抜き時に当該ラミネート接着剤層2が伸び、うまく切断できない結果、打ち抜きカスが発生すると考えられるからである。耐熱性を有する接着剤層は、耐熱温度が120℃以上の接着剤層であって、耐熱性を有しない接着剤層よりも硬く、打ち抜きダイにより良好に切断することができ、打ち抜きカスを抑制できる。具体的には121℃以上のレトルトパウチに用いられる、2液硬化型ウレタン接着剤を使用することができる。
基材フィルム層1と剛性フィルム層3の層間を接着する方法としては、ドライラミネート法を挙げることができる。ラミネート接着強度を4N/15mm幅以上にすることが好ましい。
蓋材20の剛性フィルム層3は、蓋材20の中間に配置される層であり、蓋材20に剛性と開口性とを付与するという役割がある。剛性フィルム層3としては、例えば、ポリスチレン樹脂(以下PSともいう。)、ポリカーボネート樹脂(以下PCともいう。)、及びポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETともいう。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料で構成されているフィルムを使用することができる。
例えば、ポリスチレン樹脂フィルムの場合、剛性フィルム層を構成するポリスチレン樹脂として、一般用ポリスチレン(以下、GPPSともいう。)、耐衝撃性ポリスチレン(以下、HIPSともいう。)、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー(ブタジエン系化合物)の配合品の単体あるいは、それらのブレンドを挙げることができる。GPPSは、ゴム成分を含まず、きわめて割れやすい性質を有する。一方、HIPSは、ゴム成分がブレンドされているので、割れにくい性質を有する。したがって、GPPSとHIPSとのブレンド比を適切にコントロールすることによって、包装体を開封する際の蓋材に生じる開封性を調節することができる。
なお、剛性フィルム層の接着面には、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
剛性フィルム層3の厚みは、50μm以上500μm以下の範囲から選択して使用することが好ましく、より好ましくは200μm以上400μm以下である。剛性フィルム層3の厚みが、上記の範囲を超えると、包装体を開封する際、折り曲げるために必要以上の力を要することとなり、コスト高となるので好ましくない。また、剛性フィルム層3が、上記の範囲未満であると、包装体を開封する際、良好な開封性が得られなくなるので好ましくない。
蓋材20のガスバリア性のあるラミネート接着剤層4は、剛性フィルム層3とシーラント層5とを接着するという役割を有するとともに、酸素ガスバリア層としての機能を有している。ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4を用いることにより、酸素ガスバリア層としてのEVOH層が不要になる。したがって、従来技術のようにEVOH層積層体を用いた場合の多層化による弊害を解消することができる。
ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4としては、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物であることが必要である。このエポキシ樹脂は、飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよい。
このポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得るアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。また、前記の炭素数1〜8の一価のカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などが挙げられ、また、それらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物なども使用することができる。
蓋材20のシーラント層5は、ヒートシール可能な層であることが必要である。シーラント層5は、特に高密度ポリエチレン(HDPE)又は中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)とする。従来の蓋材20では、シーラント層5に低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が用いられていたが、発明者らの研究によりシーラント層5の膜切れ性については必ずしも十分でないことが判明した。LDPEは、もろく、毛羽立ちや全開封が発生し易い。LLDPEは延び易く、膜切れしいない結果としての膜残りが発生し易い。蓋材20に複数個の突部13が形成されているときには、特にシーラント層5の膜切れがうまくいかないことがあった。高密度ポリエチレン(HDPE)又は中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)は、LDPEやLLDPEに比べると相対的にヒートシール性は低いものの、十分にヒートシールすることが可能であって、しかも膜切れ性が良好である。
この突部13の形状は、分配包装容器50の蓋材20を折り曲げた際、曲げ応力が開封部に集中し、開封部が切り裂け、内容物が飛び出ることを目的としている。突部13の形状としては、例えば、四角錐状、半円状(ドーム型)、立方体などが挙げられる。ハーフカット部を形成することにより、蓋材を開口しやすくすることができる。ハーフカット部は、剛性フィルム層3の厚さの10%〜90%に至る深さ程度に、形成することが好ましい。
ハーフカット部は、蓋材20が折れる方向と同方向に連続した線で切れ目を入れることができる。また、突部13の頂点部のみに、切り目を2mm〜10mm程度に点線状に入れてもよい。
底材40は、成形性を有する複数の樹脂フィルム層からなり、一例として外側から、外層31、バリア性を有する中間層32、シーラント層33を順次に積層してなる構成を有している。
成形性を有する外層31としては、真空・圧空成形等の熱成形し得る樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、アクリルニトリル系樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、その他等の樹脂のフィルムを使用することができる。そのフィルムは、未延伸フィルム、延伸フィルム等のいずれのものでもよい。また、その厚さとしては10μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。
また、バリア性を有する中間層32としては、真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、ガス、水蒸気等の遮断性を有する樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共樹脂体ケン化物、ポリアクリルニトリル系樹脂等の樹脂のフィルム等を使用することができる。その厚さとしては、5μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
次に、底材のシーラント層33としては、成形性、ヒートシール性を有する樹脂のフィルムを使用できる。真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、熱により溶融して相互に熱融着し得る樹脂のフィルムを使用することができる。底材のシーラント層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、酸変性のポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂、その他等の樹脂のフィルムを使用することができる。その厚さとしては、5μm以上300μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。
例えば、成形性を有し、かつ印刷適性を有する樹脂のフィルムとして、真空・圧空成形等の熱成形性を有し、更に、文字、図形等の印刷模様を施すことができ、更に印刷ピッチ寸法安定性に富み、容器を構成する主材となり得る樹脂のフィルムを、外層31の代わりに又は外層31とバリア性を有する中間層32との間に使用することができる。成形性を有し、かつ印刷適性を有する樹脂のフィルムは、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、これらの樹脂の変性樹脂、その他の樹脂のフィルムを使用することができる。而して、そのフィルムは、未延伸ないし延伸フィルム等のいずれのものでもよく、また、その厚さとしては5μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上150μm以下がより好ましい。これらの樹脂フィルムの中でも、成形性、印刷適性、印刷ピッチ寸法安定性等の観点から、成形用ポリエチレンテレフタレートフィルム、キャスト成形によるポリプロピレンフィルムが最も望ましい材料である。なお、上記の樹脂のフィルムの表面に、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の通常の印刷方式で印刷模様を形成することができる。
蓋材は、基材フィルム層1、ラミネート接着剤層2、剛性フィルム層3、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4、シーラント層5の材料の樹脂フィルムを用意し、この順に積層した。
ラミネート接着剤層2は、2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製、商品名ロックボンドJ、主剤:RU−40、硬化剤:H−4)を塗布厚み3μmとなるように形成した。
剛性フィルム層3は、厚さ280μmのポリスチレン樹脂フィルム(電気化学工業株式会社製、商品名:デンカスチレンシート)を用いた。
ガスバリア性のあるラミネート接着剤層4は、三菱ガス化学株式会社製「マクシーブ」、主剤M−100:非ビスA系ポリエポキシ樹脂、硬化剤C−115:ポリアミン樹脂)を塗布厚み4μmとなるように用いた。
シーラント層5は、ポリエチレン樹脂フィルム(株式会社アイセロ製、商品名スズロンL)のHDPEグレード、MDPEグレード、LDPEグレード、LLDPEグレードを用いた。
実施例1は、シーラント層5がHDPEグレードの例である。
層構成は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート接着剤層(4μm)/高密度ポリエチレンフィルム(40μm)であった。
実施例2は、シーラント層5がMDPEグレードの例である。
層構成は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート接着剤層(4μm)/中密度ポリエチレンフィルム(50μm)であった。
比較例1は、シーラント層5がLLDPEグレードの例である。
層構成は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート接着剤層(4μm)/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)であった。
比較例2は、シーラント層5がLDPEグレードの例である。
層構成は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート接着剤層(4μm)/低密度ポリエチレンフィルム(50μm)であった。
比較例3は、シーラント層5がHDPEグレードであるが、厚さが大きい例である。
層構成は、2軸延伸ポリプロピレンフィルム層(25μm)/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂フィルム層(280μm)/ガスバリア性ラミネート接着剤層(4μm)/高密度ポリエチレンフィルム(60μm)であった。
比較例4は、従来の蓋材の例である。
共押出成形法によって、層構成が、ポリスチレン樹脂層(20μm)/ポリスチレン樹脂層(245μm)/接着樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体(4μm)/接着樹脂層/低密度ポリエチレン樹脂層(25μm)を有する積層フィルムを得た。
一方、基材フィルム層として、厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その片面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式により、印刷模様を印刷して印刷層を形成した。
次いで、上記グラビア印刷した基材フィルム層の印刷面に2液硬化型ウレタン接着剤(ロックペイント株式会社製、商品名ロックボンドJ、主剤:RU−40、硬化剤:H−4)を塗布厚み3μmとなるように形成し、次いで、そのラミネ−ト用接着剤層の面に、上記の共押出による積層フィルムのポリスチレン樹脂面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト積層して、試料とした。
層構成は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム層(25μm)/印刷層/ウレタン系ラミネート接着剤層(3μm)/ポリスチレン樹脂層(20μm)/ポリスチレン樹脂層(245μm)/不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系接着樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体(4μm)/不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系接着樹脂層/低密度ポリエチレン樹脂層(25μm)であった。
試料シートの基材フィルム層側からハーフカット部の切れ込みを入れ、その垂直方向に高さ2mmの突部を2か所熱成形し、試料シートを折り曲げて開封した際の突部の膜切れ性をその程度により5段階評価し、毛羽立ちの有無により良好を○で、不良を×で評価した。
評価5:開封口の膜残り(毛羽立ち)まったくなし
評価4:開封口の膜残り(毛羽立ち)ほとんどなし
評価3:開封口の膜残り(毛羽立ち)わずかに認められる
評価2:開封口の膜残り(毛羽立ち)認められる
評価1:開封口の膜残り(毛羽立ち)顕著に認められる
15mm幅の試料シートを引張試験機にて50mm/分で剥離し、層間強度を測定し、4段階で評価した。
評価4:9N/15mm幅以上
評価3:6N/15mm幅以上〜9N/15mm幅未満
評価2:3.9N/15mm幅以上〜6N/15mm幅未満
評価1:3.9N/15mm幅未満
層間強度は、6N/15mm幅以上あるものが好ましく、9N/15mm幅以上であるものが特に好ましい。
試料シートの水蒸気透過率を40℃、90%RHの条件下で測定した。
<酸素透過率の測定条件>
試料シートの酸素ガス透過率を23℃、90%RHの条件下で測定した。
2 ラミネート接着剤層
3 剛性フィルム層
4 ガスバリア性のあるラミネート接着剤層
5 シーラント層
10 積層体
11 ハーフカット部
12 折り曲げ線
13 突部
14 接合端部
16 凹部
20 蓋材
30 積層体
40 底材
31 外層
32 バリア性を有する中間層
33 シーラント層
50 分配包装容器
60 分配包装体
Claims (5)
- 基材フィルム層と、ラミネート接着剤層と、剛性フィルム層と、ガスバリア性のあるラミネート接着剤層と、シーラント層と、をこの順に積層してなり、
該シーラント層が、密度が0.94〜1.00の高密度ポリエチレン樹脂又は密度が0.925〜0.94未満(0.925を除く)の中密度ポリエチレン樹脂からなり、厚さが30〜50μmであることを特徴とする積層体。 - 請求項1記載の積層体を用いた分配包装容器用蓋材であって、
前記積層体の表面の中央で直線状に形成され、該積層体の基材フィルム層の表面から剛性フィルム層までの深さの切れ込みよりなるハーフカット部と、該ハーフカット部を横切って形成され、該積層体を部分的に基材フィルム層の表面よりも外方に突出させてなる突部と、を有することを特徴とする分配包装容器用蓋材。 - 前記突部を複数個有する請求項2記載の分配包装容器用蓋材。
- 請求項2又は3記載の分配包装容器用蓋材と、該分配包装容器用蓋材のシーラント層と接してヒートシールされた底材からなる分配包装容器であって、
該底材が収容部と、該分配包装容器用蓋材に接し重ね合されるフランジ部と、を有することを特徴とする分配包装容器。 - 請求項4記載の分配包装容器の底材の収容部に内容物が充填されたことを特徴とする分配包装体。
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