JP2007331807A - 再封機能付き蓋材及びこれを用いた包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面樹脂層(A)、粘着樹脂層(B)、剥離樹脂層(C)及びヒートシール樹脂層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層されている多層フィルムを用いてなる蓋材であって、前記粘着樹脂層(B)がスチレン系熱可塑性エラストマーと粘着付与剤を主成分として構成され、前記ヒートシール樹脂層(D)を被シール体のヒートシール部でヒートシールさせ、次いで該ヒートシール部から前記蓋材を剥離したときに、前記ヒートシール部において、前記粘着樹脂層(B)と前記剥離樹脂層(C)とが層間剥離し、かつ前記粘着樹脂層(B)が前記剥離樹脂層(C)と再封可能な状態で露出することを特徴とする再封機能付き蓋材。
【選択図】図2
Description
すなわち、本発明の課題は以下の再封機能付き蓋材、並びに該蓋材を用いた包装体により達成される。
(2)前記粘着樹脂層(B)の露出が、前記ヒートシール部において、前記剥離樹脂層(C)及び前記ヒートシール樹脂層(D)の前記蓋材からの破断と、前記粘着樹脂層(B)と前記剥離樹脂層(C)との層間剥離と、前記剥離樹脂層(C)及び前記ヒートシール樹脂層(D)の被シール体側への移行とにより行われることを特徴とする上記(1)に記載の再封機能付き蓋材。
(3)前記表面樹脂層(A)が、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エステル系樹脂、及びスチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分して構成されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の再封機能付き蓋材。
(4)前記スチレン系熱可塑性エラストマー(b1)が、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)の水素添加物、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)の水素添加物、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)の水素添加物、スチレン−イソプレンランダム共重合体(SIR)の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(5)前記粘着付与剤(b2)が、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、石油樹脂及び水素添加石油樹脂からなる郡から選ばれる少なくとも1種の粘着付与剤であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(6)前記粘着樹脂層(B)中の粘着付与剤(b2)の含有率が2質量%以上50質量%以下であることを特徴とする上記(5)記載の再封機能付き蓋材。
(7)前記剥離樹脂層(C)がエステル系樹脂又はアミド系樹脂、ヒートシール樹脂層(D)がオレフィン系樹脂及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーをそれぞれ主成分として構成されることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(8)前記表面樹脂層(A)が2層以上で構成され、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を主成分とする層及び/又はアミド系樹脂を主成分とする層を有することを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(9)前記剥離樹脂層(C)と前記ヒートシール樹脂層(D)との間にオレフィン系接着性樹脂及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマー系接着性樹脂を主成分として構成される接着性樹脂層(E)を有することを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(10)前記剥離樹脂層(C)と前記ヒートシール樹脂層(D)との合計厚みが1μm以上30μm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
(11)前記剥離樹脂層(C)と前記接着性樹脂層(E)と前記ヒートシール樹脂層(D)との合計厚みが1μm以上30μm以下であることを特徴とする上記(9)に記載の再封機能付き蓋材。
(12)上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の再封機能付き蓋材を用いたことを特徴とする再封可能な包装体。
なお、本明細書において、「主成分として構成される」とは、各層を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の70質量%以上100質量%以下、好ましくは85質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは95質量%以上100質量%以下を占めることを意味する。
本発明の蓋材は、表面樹脂層(A)、粘着樹脂層(B)、剥離樹脂層(C)及びヒートシール樹脂層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層されている多層フィルムを用いてなる蓋材であって、前記粘着樹脂層(B)がスチレン系熱可塑性エラストマー(b1)と粘着付与剤(b2)を主成分として構成される層であり、前記ヒートシール樹脂層(D)を被シール体のヒートシール部でヒートシールさせ、次いで該ヒートシール部から前記蓋材を剥離したときに、前記ヒートシール部において、前記粘着樹脂層(B)と前記剥離樹脂層(C)とが層間剥離し、かつ前記粘着樹脂層(B)が前記剥離樹脂層(C)と再封可能な状態で露出することを特徴とする再封機能付き蓋材である。
表面樹脂層(A)は、熱可塑性樹脂(a)を主成分として構成される層であり、剥離時に表面樹脂層(A)と粘着樹脂層(B)との間の層間剥離強度が、粘着樹脂層(B)と剥離樹脂層(C)との間の層間剥離強度よりも大きくなる層構成であれば特に制限されるものではなく、単層であっても多層であってもよい。
粘着樹脂層(B)としては、スチレン系熱可塑性エラストマー(b1)と粘着付与剤(b2)を主成分として構成された粘着樹脂層であって、粘着性を有するものであれば特に制限されるものではない。ここで使用されるスチレン系熱可塑性エラストマー(b1)としては、スチレン、あるいはα−メチルスチレンなどのスチレン同族体と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体であることが好ましい。ここで、共役ジエン部分を構成する共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、これらは共重合体中に単独又は2種以上が混合された状態で含まれていてもよい。前記スチレン系熱可塑性エラストマー(b1)としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)などのスチレン系ブロック共重合体や、これらスチレン系ブロック共重合体の水素添加物、スチレン・ブタジエンランダム共重合体(SBR)、スチレン・イソプレンランダム共重合体(SIR)などのスチレン系ランダム共重合体や、これらスチレン系ランダム共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらは、一種のみを単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。
剥離樹脂層(C)は、熱可塑性樹脂(c)を主成分として構成される層であり、剥離時に粘着樹脂層(B)と剥離樹脂層(C)との間の層間剥離強度が、表面樹脂層(A)と粘着樹脂層(B)との間及び剥離樹脂層(C)とヒートシール樹脂層(D)との間の層間剥離強度よりも小さくなるような層構成であれば特に制限されるものではなく、所望により単層であっても多層であってもよい。
ヒートシール樹脂層(D)は、熱可塑性樹脂(d)を主成分として構成されるヒートシール可能な樹脂層である。ヒートシール樹脂層(D)は、被シール体のヒートシール部でヒートシールさせ、次いで前記ヒートシール部から蓋材を剥離するときに、剥離樹脂層(C)とヒートシール樹脂層(D)の間の層間剥離強度が、粘着樹脂層(B)と剥離樹脂層(C)の間の層間剥離強度よりも大きくなるような層構成であれば特に制限されるものではなく、所望により単層構成の樹脂層であっても、多層構成の樹脂層であってもよい。
表面樹脂層(A)は、単層あるいは多層構成の樹脂層であり、通常、その厚みは1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、かつ1000μm以下、好ましくは600μm以下、さらに好ましくは500μm以下である。ここで、表面樹脂層(A)の厚みが1μm以上であれば、ガスバリアー性や耐ピンホール性などの特性を付与する層や接着性樹脂層を配することが容易であり、またその厚みが1000μm以下であれば、ヒートシール時に熱がヒートシール樹脂層(D)に伝わりやすく被シール体のシール部と容易にヒートシールができるため好ましい。
本発明の蓋材の製造方法としては、特に制限されるものではないが、粘着樹脂層(B)の保護や生産性及び衛生性等に優れている共押出法を好適に用いることができる。すなわち、上述した表面樹脂層(A)、粘着樹脂層(B)、剥離樹脂層(C)、及びヒートシール樹脂層(D)に用いる各樹脂組成物をそれぞれ別の押出機で加熱溶融させ、マルチマニホールド法やフィードブロック法等の公知の方法で溶融状態において(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層した後、Tダイ・チルロール法やインフレーション法等により多層フィルムに成形することができる。ここで、印刷適性やラミネート適性を向上させるために、得られた多層フィルムの表面樹脂層(A)の最外層の表面に表面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理が挙げられるが、本発明においては、表面処理の効果や生産性及び製造コストの観点からコロナ処理が好適に用いられる。
本発明の蓋材自体、あるいは本発明の蓋材とラミネート基材とを積層したラミネートフィルムやラミネートシートは、それぞれ各種の包装体の蓋材に用いることができる。
例えば、該ラミネートフィルムを包装体(容器)の蓋材として使用した場合、この蓋材のヒートシール樹脂層(D)と、食品等の内容物が充填された底材(被シール体)のヒートシール樹脂層とを重ね合わせてヒートシールすることにより、気密性や実用的な初期剥離強度及び再封機能を有する包装体(容器)とすることができる。この包装体(容器)は、開封後の剥離面に粘着樹脂層(B)が再封可能な状態で露出し、手や指による加圧圧着のみで再封が可能となる。
図1は、本発明の蓋材を用いた深絞り包装体の部分断面図であり、図2は、図1で示す深絞り包装体において、蓋材の一部を底材から剥離した状態の包装体の部分断面図であり、図3は、図2で示す深絞り包装体において、蓋材と底材とを再封した状態を示す部分断面図である。
本発明の蓋材を深絞り包装体に使用する場合、粘着樹脂層4の露出部11は蓋材1側に形成されるため、底材2側に包装された内容物を粘着樹脂層4と接触させずに容易に取り出すことが可能であり、食品包装用途などに好適に使用することができる。
なお、本明細書中に表示されるフィルムについての種々の測定値及び評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向と呼ぶ。
得られた深絞り包装体の底材と蓋材のヒートシール部を手で剥離した場合における、粘着樹脂層の露出状況を下記の基準で目視により評価した。
○:粘着樹脂層が蓋材側に露出するもの
×:粘着樹脂層が底材側に露出するもの
得られた深絞り包装体の底材と蓋材のヒートシール部を15mm幅の短冊状に切り出し試験片とした。この試験片を万能試験機(インテスコ(株)製)を用い、温度23℃、引張速度200mm/minの条件で180度の角度で引っ張った場合の、底材と蓋材の剥離する時の剥離強度の最大値を初期剥離強度(N/15mm幅)として測定した。
得られた深絞り包装体の底材と蓋材のヒートシール部から手で剥離する場合の状況を下記の基準で目視により評価した。
○:樹脂層がきれいに破断し、膜残りやケバ立ちがない場合
×:樹脂層が破断できなかったり、破断した場合でも膜残りやケバ立ちがあったりする場合
得られた深絞り包装体のヒートシール部から開封後に指で再度蓋材と容器を加圧圧着により再封した後、開封と再封を計5回繰り返した後の剥離強度(再封剥離強度)を(2)初期剥離強度と同様の条件で測定した。また、下記の基準も併記した。
○:再封剥離強度が0.5N/15mm幅以上の場合
×:再封剥離強度が0.5N/15mm幅未満の場合
[蓋材]
表面樹脂層(A)を以下の3種類の樹脂を用いて3層構成とした。
A1:エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物((株)クラレ製、商品名「エバールE105」、以下「EVOH」と略称する。)
A2:6−66ナイロン樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名「ノバミッド2030」、以下「6−66Ny」と略称する。)
A3:オレフィン系接着性樹脂(三井化学(株)製、商品名「アドマーNF558」、以下「AD1」と略称する。)
最外層側から、EVOH、6−66Ny、AD1、線状低密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン(株)製、商品名「ノバテックLL UF240」、以下「LLDPE」と略称する。)に滑剤としてエルカ酸アミドを1000ppm、アンチブロッキング剤として天然シリカを2000ppm添加混合した樹脂組成物(ヒートシール樹脂層)の順に積層させ、各層の平均厚さが各々10μm/20μm/10μm/30μm、全層の厚さが70μmの多層フィルム(Y1)を共押出法によって得た。この多層フィルム(Y1)の最外層側(EVOH面)に、総厚みが250μmの無延伸ポリエチレンテレフタレートシート(三菱化学(株)製、商品名「ノバクリアー」)をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み320μmのラミネートシート(Y1LS)を得、包装体の底材に使用した。
なお、ドライラミネーション用接着剤としてはラミネートフィルム(X1LF)を作製する場合と同様のグレードを使用した。
深絞り包装機(ムルチバック社製、型番:R−530)を使用して、上記の底材(Y1LS)を無延伸ポリエチレンテレフタレートシート層が外層になるように深絞り成形することにより、縦130mm、横170mm、フランジ部幅6mmの長方形の形状の容器に加工し、ヒートシール部において、深絞りされた底材に設けられたフランジ部分に上記の蓋材(X1LF)を、ヒートシール温度:140℃、シール時間:2秒、シール圧力:4kg/cm2の条件でヒートシールすることにより深絞り包装体を作製した。
この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
実施例1において、粘着樹脂層(B)に使用する樹脂を、実施例1で使用したTPS1 45質量部とスチレン系熱可塑性エラストマー(JSR(株)製、商品名「ダイナロン1320P」、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物、スチレン含量:10質量%、以下「TPS2」と略称する。)25質量部と粘着付与剤(ヤスハラケミカル(株)製、商品名「YSレジンPX1150」、テルペン系樹脂、以下「TF2」と略称する。)30質量部を2軸押出機で均一に混合しペレット化した樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、(A1)/(A2)/(A3)/(B)/(C)/(D)の6層構成で、各層の平均厚さが各々10μm/20μm/10μm/20μm/5μm/5μm、全層の厚さが70μmの多層フィルム(X2)を得た。次いで、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み86μmのラミネートフィルム(X2LF)を得、包装体の蓋材に使用した。
実施例1と同様に、ラミネートシート(Y1LS)を包装体の底材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
表面樹脂層(A)を以下の2種類の樹脂を用いて2層構成とした。
A1:EVOH
A2:AD1
実施例1と同様に、ラミネートシート(Y1LS)を包装体の底材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
実施例1において、剥離樹脂層(C)に使用する樹脂を、非晶性ポリアミド樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名「ノバミッド X21」、以下「非晶性Ny」と略称する。)、ヒートシール樹脂層(D)に使用する樹脂を、AD1に滑剤としてエルカ酸アミドを1000ppm、アンチブロッキング剤として天然シリカを2000ppm添加混合した樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして、(A1)/(A2)/(A3)/(B)/(C)/(D)の6層構成で、各層の平均厚さが各々10μm/20μm/10μm/20μm/5μm/5μm、全層の厚さが70μmの多層フィルム(X4)を得た。次いで、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み86μmのラミネートフィルム(X4LF)を得、包装体の蓋材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
実施例1において、剥離樹脂層(C)を配せず、(A1)/(A2)/(A3)/(B)/(D)の5層構成で、各層の平均厚さを各々10μm/20μm/10μm/20μm/5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、全層の厚さが65μm の多層フィルム(X5)を得た。次いで、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み81μmのラミネートフィルム(X5LF)を得、包装体の蓋材に使用した。
実施例1と同様に、ラミネートシート(Y1LS)を包装体の底材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
実施例1において、粘着樹脂層(B)と剥離樹脂層(C)の配置を逆にして、(A1)/(A2)/(A3)/(C)/(B)/(D)の6層構成で、各層の平均厚さが各々10μm/20μm/10μm/20μm/5μm/5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、全層の厚さが70μm の多層フィルム(X6)を得た。次いで、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み86μmのラミネートフィルム(X6LF)を得、包装体の蓋材に使用した。
実施例1と同様に、ラミネートシート(Y1LS)を包装体の底材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
[蓋材]
実施例1において、(A1)/(A2)/(A3)/(B)/(C)/(D)の6層構成で、剥離樹脂層(C)の厚みのみを40μmとし、各層の平均厚さを各々10μm/20μm/10μm/20μm/40μm/5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして、全層の厚さが105μmの多層フィルム(X7)を得た。次いで、実施例1と同様にして、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材をドライラミネーション法により貼り合わせて、総厚み121μmのラミネートフィルム(X7LF)を得、包装体の蓋材に使用した。
実施例1と同様に、ラミネートシート(Y1LS)を包装体の底材に使用した。
実施例1と同様の方法で、深絞り包装体を作製した。この深絞り包装体を用いて評価した結果を表1に示した。
これに対して、粘着樹脂層とヒートシール樹脂層の間に剥離樹脂層を配していないフィルムからなる蓋材で形成された包装体の場合、初期剥離強度が大き過ぎるため手で容易に開封することは困難であり、再封剥離強度も不十分であった(比較例1)。また、粘着樹脂層と剥離樹脂層の配置を逆にしたフィルムからなる蓋材で形成された包装体の場合、開封時に粘着付与剤が含まれた粘着樹脂層が底材側に露出した(比較例2)。
なお、粘着樹脂層とヒートシール樹脂層との合計厚みが厚くなると(30μmを超える場合)、ヒートシール部から手で剥離する場合に剥離樹脂層とヒートシール樹脂層が破断できず、膜残りが生じる傾向があった(参考例)。
2 底材
3 蓋材の表面樹脂層
4 蓋材の粘着樹脂層
5 蓋材の剥離樹脂層
6 蓋材のヒートシール樹脂層
7 底材の表面樹脂層
8 底材のヒートシール樹脂層
9 底材のヒートシール部
10 蓋材のタブ部
11 剥離時における粘着樹脂層の露出部
12 剥離時におけるヒートシール樹脂層の露出部
Claims (12)
- 表面樹脂層(A)、粘着樹脂層(B)、剥離樹脂層(C)及びヒートシール樹脂層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順に積層されている多層フィルムを用いてなる蓋材であって、前記粘着樹脂層(B)がスチレン系熱可塑性エラストマー(b1)と粘着付与剤(b2)とを主成分として構成される層であり、前記ヒートシール樹脂層(D)を被シール体のヒートシール部でヒートシールさせ、次いで該ヒートシール部から前記蓋材を剥離したときに、前記ヒートシール部において、前記粘着樹脂層(B)と前記剥離樹脂層(C)とが層間剥離し、かつ前記粘着樹脂層(B)が前記剥離樹脂層(C)と再封可能な状態で露出することを特徴とする再封機能付き蓋材。
- 前記粘着樹脂層(B)の露出が、前記ヒートシール部において、前記剥離樹脂層(C)及び前記ヒートシール樹脂層(D)の前記蓋材からの破断と、前記粘着樹脂層(B)と前記剥離樹脂層(C)との層間剥離と、前記剥離樹脂層(C)及び前記ヒートシール樹脂層(D)の被シール体側への移行とにより行われることを特徴とする請求項1に記載の再封機能付き蓋材。
- 前記表面樹脂層(A)が、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エステル系樹脂、及びスチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂を主成分として構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の再封機能付き蓋材。
- 前記スチレン系熱可塑性エラストマー(b1)が、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)の水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)の水素添加物、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)の水素添加物、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)の水素添加物、スチレン−イソプレンランダム共重合体(SIR)の水素添加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のスチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記粘着付与剤(b2)が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂からなる郡から選ばれる少なくとも1種の粘着付与剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記粘着樹脂層(B)中の粘着付与剤(b2)の含有率が2質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項5記載の再封機能付き蓋材。
- 前記剥離樹脂層(C)がエステル系樹脂又はアミド系樹脂、ヒートシール樹脂層(D)がオレフィン系樹脂及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマーをそれぞれ主成分として構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記表面樹脂層(A)が2層以上で構成され、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を主成分とする層及び/又はアミド系樹脂を主成分とする層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記剥離樹脂層(C)と前記ヒートシール樹脂層(D)との間にオレフィン系接着性樹脂及び/又はスチレン系熱可塑性エラストマー系接着性樹脂を主成分として構成される接着性樹脂層(E)を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記剥離樹脂層(C)と前記ヒートシール樹脂層(D)との合計厚みが1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の再封機能付き蓋材。
- 前記剥離樹脂層(C)と前記接着性樹脂層(E)と前記ヒートシール樹脂層(D)との合計厚みが1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項9に記載の再封機能付き蓋材。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の再封機能付き蓋材を用いたことを特徴とする再封可能な包装体。
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