JP4158983B2 - 開封保持性及び再封性に優れた容器密封用蓋体 - Google Patents
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(2) 前記タブ部の両側に設けられた引裂始点と、
(3) 前記引裂始点の引裂方向延長線に設けられた開封用ハーフカットと、
(4) 前記引裂始点の引裂方向延長線上で、かつ前記蓋体の中心線を越えたシール部の近傍に、引裂方向に凸となる向きに形成された実質的にU字状又は円弧状の引裂停止用ハーフカットと、
(5) 前記引裂始点の引裂方向延長線の間で、かつ前記両引裂停止用ハーフカットの引裂方向末端を結ぶ直線上か、この直線から逆引裂方向に10 mmの長さの領域内の下面に設けられ、引裂方向に直交し、両末端が前記引裂停止用ハーフカットから僅かに離隔している一本のデッドホールド性付与用直線状ハーフカット(a)と、
(6) 前記開封用ハーフカットの間で、前記ハーフカット(a)より逆引裂方向の領域の下面に設けられ、(6-1) X字状に交差するように、引裂方向に斜交する方向に延在し、両末端が前記開封用ハーフカットから僅かに離隔している二本のデッドホールド性付与用直線状ハーフカット(b)、又は(6-2) 実質的にX字状に交差するように、引裂方向に凸となる向き、及び引裂方向に凹となる向きの円弧状に延在し、両末端が前記開封用ハーフカットから僅かに離隔している二本のデッドホールド性付与用円弧状ハーフカット(c)と
を有することを特徴とする。
(1) 第一の蓋体
図1は本発明の第一の蓋体を示す。カップラーメン容器1に貼付される蓋体2は、(i) 開封用タブ部21の両側に設けられた一対の引裂始点22a,22bと、(ii) 一対の引裂始点22a,22bから引裂方向に延びる直線220a,220b上に引裂方向に凸となる向きに刻設された実質的に円弧状又はU字状の引裂停止用ハーフカット23a,23bと、(iii) 引裂始点22a,22bから引裂方向に延びる直線220a,220bの間で、かつ前記両引裂停止用ハーフカットの近傍に刻設されており、引裂方向に斜交又は直交する方向に延在する複数の直線状カール用ハーフカット24と、(iv) 各直線220a,220bに沿って刻設された開封用ハーフカット25a,25bとを有する。
図7(a)に示す第二の蓋体2は、引裂方向に直交する直線状カール用ハーフカット24が、引裂停止用ハーフカット23a,23bの引裂方向末端を結ぶ直線230に沿った一本のみである以外、第一の蓋体と同じである。
図7(b)に示す第三の蓋体2は、2つのX字状カール用ハーフカット240,240を引裂方向に沿って並列に設けた以外、第二の蓋体と同じである。
図7(c)に示す第四の蓋体2は、引裂方向に沿って並列に設けられた2つのX字状カール用ハーフカット240,240の引裂方向の長さが異なる以外、第三の蓋体と同じである。
図7(d)に示す第五の蓋体2は、引裂方向に沿って3つのX字状カール用ハーフカット240,240,240を有し、そのうちタブ部21側の2つは互いに平行なハーフカット24,24同士が近接するように設けられている以外、第四の蓋体と同じである。
図7(e)に示す第六の蓋体2は、X字状カール用ハーフカット240を有さず、引裂方向に直交する三本のカール用ハーフカット24,24,24が等間隔に設けられている以外、第一の蓋体と同じである。
図7(f)に示す第七の蓋体2は、引裂方向に直交する三本のカール用ハーフカット24,24,24が非等間隔に設けられている以外、第六の蓋体と実質的に同じである。
図7(g)に示す第八の蓋体2は、引裂停止用ハーフカット23a,23bの引裂方向末端を結ぶ直線230に最も近い直線状カール用ハーフカット24と、直線230との距離が比較的長い以外、第六の蓋体と同じである。ただし直線230に沿って直線状カール用ハーフカット24を設けた第六の蓋体の方が、第八の蓋体より帯状フラップ部3のカール性に優れている。
図7(h)に示す第九の蓋体2は、逆引裂方向にV字型に開くように傾斜した一対の直線状カール用ハーフカット24,24が、引裂方向に沿って二対並列に設けられている以外、第一の蓋体と同じである。
図7(i)に示す第十の蓋体2は、引裂方向にV字型に開くように傾斜した一対の直線状カール用ハーフカット24,24が、引裂方向に沿って二対並列に設けられている以外、第一の蓋体と同じである。
図8(a)に示す第十一の蓋体2は、引裂方向に開くように傾斜した一対の離隔した直線状カール用ハーフカット24,24が、引裂方向に沿って二対並列に設けられている以外、第十の蓋体と同じである。
図8(b)に示す第十二の蓋体2は、引裂方向に凸となる向きの円弧状カール用ハーフカット24と、引裂方向に凹となる向きの円弧状のカール用ハーフカット24とを接するように設けてX字状カール用ハーフカット240を形成するとともに、直線230に沿って設けた直線状カール用ハーフカット24に近接してもう一本の直線状カール用ハーフカット24を設けた以外、第一の蓋体と実質的に同じである。
図8(c)に示す第十三の蓋体2は、引裂方向に凸となる向きの円弧状カール用ハーフカット24と、引裂方向に凹となる向きの円弧状のカール用ハーフカット24とが交点を有するように設けてX字状カール用ハーフカット240を形成した以外、第十二の蓋体と実質的に同じである。
図8(d)に示す第十四の蓋体2はインスタント焼きそば用容器1に貼付するものである。この蓋体2は、開封用タブ部21の対角線上の反対側外周縁に湯切り口形成用タブ部121を有し、タブ部121に複数の湯切り口形成用のコの字状切れ目122と、両側の切込み123とを有する以外、第一の蓋体と実質的に同じである。28'は湯切り口形成用タブ部121の開封限界を示す。
図8(e)に示す第十五の蓋体2は、四角いインスタント焼きそば用容器1に貼付するものである。蓋体2の構造自体は第十四の蓋体と同じである。
図9に示す第十六の蓋体2は、引裂停止用ハーフカット23a,23bの近傍において、開封用ハーフカット25a,25bに複数対の断続部250a,250bが設けられている以外、第一の蓋体と実質的に同じである。断続部250a,250bを設ける位置は、フラップ部3の引裂方向長さに応じて適宜設定すればよいが、図9に示すように、カール用ハーフカット24のタブ部21側先端を通る引裂方向と直交する直線241から引裂方向側であるのが好ましい。断続部250a,250bは少なくとも一対設ければよいが、複数対設けるのが好ましく、2〜4対設けるのがより好ましい。断続部250a,250bを複数対設ける場合、図9に示すように、そのうち一対は直線241上に設けるのが好ましい。直線241より引裂方向側の断続部250a,250bの位置は特に限定されないが、図9に示すように、ほぼ等間隔に設けるのが好ましい。断続部250a,250bの長さd6は、0.5〜5mmであるのが好ましく、2〜3mmであるのがより好ましい。
図10に示す第十七の蓋体2は、別のタブ部21'をタブ部21とほぼ対向する位置に設けた以外、第十六の蓋体と同じである。蓋体2にタブ部21'を設けると、喫食時に蓋体2を全面開封するのが容易になる。タブ部21'の上面側にも屈曲用ハーフカット26'を設けるのが好ましい。タブ部屈曲用ハーフカット26'も紙シート層204に達していればよい。
本発明の蓋体2の層構成は限定的ではないが、図2に示す例において主要な層について説明する。
デッドホールド性を付与する紙シート層204の外側に設けるカール性プラスチックフィルム層201は、ポリエステルフィルムからなるのが好ましく、特にポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。PBTフィルムはデッドホールド性のみならずガスバリア性及び耐熱性にも優れている。また用済み後に焼却しても有害ガスが発生しないので、後処理も容易である。
PBTフィルム層201の上面に透明樹脂コーティング層を設けると、PBTフィルム層201は、微細な表面凹凸が吸収されて透明性及び高鮮映性を獲得する。そのため、PBTフィルム層201を通して見える印刷層が美麗かつ鮮明になる。透明樹脂は水溶性又は非水溶性のいずれでもよいが、有機溶剤を使用しなくて済む点で水溶性のものが好ましい。水溶性透明樹脂として、例えばポリビニルアルコール、セルロース系重合体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド等が挙げられる。ポリビニルアルコールはアニオン、カチオン、アセタール等により変性されていても良く、またエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物等でも良い。ポリビニルアルコールの重合度は1,000以下であるのが好ましい。
紙シート層204は、デッドホールド性付与層として機能する。
剛性プラスチックフィルム層207は好ましくはPETフィルムからなる。蓋体2の直線易裂性を高めるために、PETフィルムとして一軸配向又は配向度が異なる二軸配向のPETフィルムを用いるのが好ましい。また剛性プラスチックフィルム層207に多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を形成すると、蓋体2の直線易裂性が向上する。蓋体2の直線易裂性の方向は開封用ハーフカット25a,25bと平行であるのが好ましい。その厚さは必要に応じて適宜設定すれば良い。
日光や紫外線による即席食品の変質を防止するために、蓋体2は遮光性インク層208を有する。遮光性インクは、例えばカーボンブラックのような黒色又は暗色の顔料又は染料を含むインクであれば、特に限定されない。遮光性インク層208は、焼却時に環境への悪影響がないととともに、容器内の金属系異物を金属探知機で検知するのを可能にするという利点もある。なお場合によっては、遮光性インク層208の代わりにアルミニウム箔を用いても良い。
容器本体1の上端フランジ部1aに熱シールするシーラント層211はシーラントフィルム又はホットメルトからなる。シーラントフィルムは、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、アイオノマー、ポリスチレン等からなる。またシーラント層211はイージーピール性を有するのが好ましい。
接着層に特に制限はないが、接着性を有するフィルム状のプラスチックからなるのが好ましい。例えば紙シート204の上面に文字や図柄等の印刷層を有する場合、カール性プラスチックフィルム201と紙シート204を接着する層202及び203には透明接着剤を用いるのが好ましい。透明接着剤は透明性を有するものである限り特に制限されないが、例えばポリウレタン樹脂(例えば商品名「ロックボンドRU-40」、ロックペイント(株)製)、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVA)、ポリビニルアセタール系樹脂(例えばポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB等)、塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。
(1) 積層シートの製造方法
例えば図2に示す積層シート20を形成する場合、長尺の紙シート204の両面に接着層を形成し、一方の面にカール性プラスチックフィルム201を積層するとともに、他方の面に剛性プラスチックフィルム207と遮光性インク層208とシーラントフィルム211との積層フィルムを積層する。各フィルム201,207又は211には、必要に応じて予め多数の実質的に平行な線状痕及び/又は多数の微細孔を設けても良い。各フィルム201,207及び211の易裂性方向は長尺紙シート204の長手方向と一致させる。
積層シート20をカール性プラスチックフィルム201側を上にして載置し、複数のパンチにより打ち抜き/ハーフカット加工を行うと、一度に複数の蓋体2を製作することができる。打ち抜き/ハーフカット加工自体は公知の方法により行うことができる。一対の引裂始点22a,22b及びこれらに連結するハーフカット25a,25bの方向は、長尺紙シートの長手方向と一致させる。打ち抜き加工とハーフカット加工は同時に行っても、連続的に行っても良い。
蓋体2を形成した後に熱シールする場合を例にとって説明する。内容物(例えば乾燥麺、粉末スープ及び具材等)を容器本体1に収容した後、容器本体1の上端フランジ部1aに蓋体2をシーラントフィルム層211を下にして当接し、熱シールする。イージーピール性を付与するために、熱シール温度は120〜160℃程度であるのが好ましい。
1a・・・上端フランジ部
2,200,300,400・・・蓋体
2a,2b・・・側縁部
20・・・積層シート
21,21'・・・開封用タブ
22a,22b・・・引裂始点
220a,220b・・・引裂始点の延長線
23a,23b・・・引裂停止用ハーフカット
230・・・引裂停止用ハーフカットの引裂方向末端を結ぶ直線
24,240・・・カール用ハーフカット
24'・・・カール用ハーフカットの末端
241・・・カール用ハーフカットのタブ部側先端を通る引裂方向と直交する直線
25a,25b・・・開封用ハーフカット
25a',25b'・・・開封用ハーフカットの末端
250a,250b・・・断続部
26,26'・・・タブ部屈曲用ハーフカット
27・・・シール部
28,28’・・・マーク
40・・・中心線
201・・・カール性プラスチック(PBT)フィルム層
202,205,209・・・接着層
203,206,210・・・ポリエチレン層
204・・・紙シート層
207・・・剛性プラスチック(PET)層
208・・・遮光性インク層
211・・・シーラント層
3・・・フラップ部
3a,3b・・・側縁部
121・・・剥離用タブ部
122・・・コの字状切れ目
123・・・切込み
Claims (7)
- 紙シート層とカール性プラスチック層とを有し、前記カール性プラスチック層より前記紙シート層を下側にして容器にシールされる容器密封用蓋体であって、
(1) 外周縁に設けられたタブ部と、
(2) 前記タブ部の両側に設けられた引裂始点と、
(3) 前記引裂始点の引裂方向延長線に設けられた開封用ハーフカットと、
(4) 前記引裂始点の引裂方向延長線上で、かつ前記蓋体の中心線を越えたシール部の近傍に、引裂方向に凸となる向きに形成された実質的にU字状又は円弧状の引裂停止用ハーフカットと、
(5) 前記引裂始点の引裂方向延長線の間で、かつ前記両引裂停止用ハーフカットの引裂方向末端を結ぶ直線上か、この直線から逆引裂方向に10 mmの長さの領域内の下面に設けられ、引裂方向に直交し、両末端が前記引裂停止用ハーフカットから僅かに離隔している一本のデッドホールド性付与用直線状ハーフカット(a)と、
(6) 前記開封用ハーフカットの間で、前記ハーフカット(a)より逆引裂方向の領域の下面に設けられ、(6-1) X字状に交差するように、引裂方向に斜交する方向に延在し、両末端が前記開封用ハーフカットから僅かに離隔している二本のデッドホールド性付与用直線状ハーフカット(b)、又は(6-2) 実質的にX字状に交差するように、引裂方向に凸となる向き、及び引裂方向に凹となる向きの円弧状に延在し、両末端が前記開封用ハーフカットから僅かに離隔している二本のデッドホールド性付与用円弧状ハーフカット(c)と
を有することを特徴とする容器密封用蓋体。 - 請求項1に記載の容器密封用蓋体において、前記ハーフカット(c)は、前記引裂方向に凸となる向きの円弧状ハーフカット、及び前記引裂方向に凹となる向きの円弧状ハーフカットが交差して接点又は交点を有するように設けられていることを特徴とする容器密封用蓋体。
- 請求項1又は2に記載の容器密封用蓋体において、前記ハーフカット(a)及び(b)、又は前記ハーフカット(a)及び(c)が設けられている領域の引裂方向の長さは10〜30 mmであることを特徴とする容器密封用蓋体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の容器密封用蓋体において、前記開封用ハーフカットの間で、前記ハーフカット(b)又は(c)より逆引裂方向側の下面に設けられ、引裂方向に直交し、両末端が前記引裂停止用ハーフカットから僅かに離隔している一本のデッドホールド性付与用直線状ハーフカット(d)を有し、前記ハーフカット(a)、(b)及び(d)、又は前記ハーフカット(a)、(c)及び(d)が設けられている領域の引裂方向の長さは10〜30 mmであることを特徴とする容器密封用蓋体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の容器密封用蓋体において、前記蓋体は、上面から順に少なくともカール性プラスチック層、紙シート、剛性プラスチックフィルム層及び熱シール性フィルムを有する積層シートからなり、前記ハーフカット(a)及び(b)、又は前記ハーフカット(a)及び(c)は前記剛性プラスチックフィルム層の厚さの少なくとも約30%に相当する深さに達していることを特徴とする容器密封用蓋体。
- 請求項5に記載の容器密封用蓋体において、前記ハーフカット(a)及び(b)、又は前記ハーフカット(a)及び(c)はほぼ前記剛性プラスチックフィルム層の上面に達していることを特徴とする容器密封用蓋体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の容器密封用蓋体において、前記カール性プラスチック層はポリブチレンテレフタレートフィルムからなることを特徴とする容器密封用蓋体。
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