JP6875090B2 - ラベル付き容器及びラベル付き容器の製造方法 - Google Patents

ラベル付き容器及びラベル付き容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、触覚判別できる突部を有する容器に筒状ラベルが装着されているラベル付き容器及びその製造方法に関する。
従来、シャンプーや飲料などの各種の収納物を入れた容器に、加飾目的などで筒状ラベルが装着されている。
ところで、前記容器について、日本では高齢者や障害のある方への配慮するため(例えば、収納物の区別、開封方法などが分かりやすいなど)、包装を設計する際の配慮事項として、包装のアクセシブルデザインの日本工業規格(JIS S 0021)が2000年に制定され、2011年に国際規格(ISO11156)が制定されている。
このようなアクセシブルデザインの中で、ボディーソープを収納する容器に、容器の縦方向に延びる縦長突部を形成することなどが検討されている。例えば、ボディーソープとシャンプー及びリンスとを区別するために、ボディーソープを収納する容器(以下、ボディーソープ用容器という)に、容器の縦方向に延びる縦長突部を形成し、シャンプーを収納する容器(以下、シャンプー用容器という)に、縦方向に横長突部を所定間隔を開けて多段状に形成し、リンスを収納する容器(以下、リンス用容器という)に、突部を形成しない、などの検討がなされている。
このような縦長突部を形成したボディーソープ用容器や横長突部を縦方向に所定間隔を開けて多段状に形成したシャンプー容器などに、筒状ラベルを装着すると、前記突部が筒状ラベルに被われてしまい、その突部を触覚判別することが困難となる。
一方、特許文献1には、シャンプー用容器及びリンス用容器に、指触判別する標識となる所定形状の透孔を縦列に所定間隔をおいて設けた熱収縮性合成樹脂フィルムからなる熱収縮性筒状ラベルを装着したラベル付き容器が開示されている。
かかる特許文献1のラベル付き容器は、高齢者などの使用者が、透孔の形成によって生じたラベル厚み分の段差を指で触ることによって、その透孔の形状や配置を判別するものである。
しかしながら、熱収縮性筒状ラベルを構成する熱収縮性フィルムの厚みは小さいため、前記のようなラベル厚み分の段差では使用者は指触で確認することが難しい。近年、材料コストの上昇や資源保護の観点から、比較的厚みの小さいフィルムが用いられており、特に、指先の感度が落ちた使用者にとっては、特許文献1のラベル付き容器では、透孔の形状や配置を触覚判別することが困難である。加えて、特許文献1のような透孔を熱収縮性筒状ラベルに設ける方法では、縦方向に延びる縦長突部に近似する縦長孔を形成できない。
特開平7−329977号公報
本発明の目的は、容器に筒状ラベルが装着されたラベル付き容器において、容器に形成された突部の触覚判別を容易に行えるラベル付き容器及びその製造方法を提供することである。
本発明の第1のラベル付き容器は、容器本体と、前記容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部と、を有する容器と、前記突部が設けられた範囲を含んで前記容器本体に装着された筒状ラベルと、を有し、前記筒状ラベルの面内に、前記突部を露出させる窓部が開口されており、前記突部が、情報を伝達する機能を具備した突起であり、前記筒状ラベルの外面よりも外側に突出されていて、前記突部の全てを1つの集合部とし、その集合部に対応して1つの前記窓部が取り囲むように形成されている
本発明の第2のラベル付き容器は、容器本体と前記容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部とを有する容器と、前記突部が設けられた範囲を含んで前記容器本体に装着された筒状ラベルと、を有し、前記突部が、情報を伝達する機能を具備した突起であり、前記筒状ラベルの面内に、前記突部の周囲を取り囲むように、ラベルを切断し突部を露出させる窓部を開口するための切断用補助線が形成されている。
前記突部が、JIS S 0021に規定された触覚記号の形状であってもよい。また、前記突部の全てを1つの集合部とし、その集合部に対応して1つの前記窓部が取り囲むように形成されていてもよい。
本発明の別の局面によればラベル付き容器の製造方法を提供する。
本発明のラベル付き容器の製造方法は、筒状ラベルの外面側に、後工程で形成される窓部の周縁の近傍部に対応して収縮阻害用の印刷層が形成されている筒状ラベルを準備する準備工程、容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部が情報を伝達する機能を具備した突起である容器に、前記突部を覆って筒状ラベルを装着する装着工程、前記装着した筒状ラベルのうち、前記突部に対応する前記収縮阻害用の印刷層部分をレーザーを用いて切除することにより、前記突部を露出させる窓部を形成する切断工程、を有する。
本発明のラベル付き容器は、筒状ラベルが装着されているが、容器に形成された突部が情報を伝達する機能を具備した突起なので、突部により容器を容易に触覚判別できる。本発明のラベル付き容器をアクセシブルデザイン容器に適用することにより、筒状ラベルにて加飾しつつその容器の突部の機能を発揮させることができる。
第1実施形態のラベル付き容器の正面図。 同右側面図。 同平面図。 図1のIV−IV線で切断した拡大断面図。 図1のV−V線で切断した拡大断面図。 容器の正面図。 同右側面図。 (a)は2層構造の容器本体の要部拡大断面図、(b)は3層構造の容器本体の要部拡大断面図。 筒状に開いた熱収縮性筒状ラベルの斜視図。 扁平状に折り畳んだ熱収縮性筒状ラベルの正面図。 図10のXI−XI線で切断した断面図。 製造方法の装着工程において、熱収縮性筒状ラベルを容器に外装した状態を示す右側面図。 図平面図。 同装着工程において、熱収縮性フィルムを有する巻付け筒状ラベルを容器に外装する途中を示す平面図。 同装着工程において、熱収縮性筒状ラベル(又は巻付け筒状ラベル)を熱収縮させて容器に装着した状態を示す正面図。 図15のXVI−XVI線で切断した拡大断面図。 第2実施形態のラベル付き容器の正面図。 図17のXVIII−XVIII線で切断した拡大断面図。 第3実施形態のラベル付き容器の正面図。 図19のXX−XX線で切断した拡大断面図。 第5実施形態のラベル付き容器の正面図。 同右側面図。 第6実施形態のラベル付き容器の正面図。 図23のXXIV−XXIV線で切断した拡大断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本明細書において、ラベル付き容器及び容器の「正面」は、水平面上に自立させた容器を、容器の軸方向に対して直交する方向のうち任意の1つの方向から見たときに視認できる側をいい、「背面」は、その反対側をいう。「正面視形状」は、前記任意の1つの方向から見たときに視認される形状をいう。また、「縦方向」及び「縦」は、水平面上に自立させた容器の上下方向に相当し、「横方向」及び「横」は、前記縦方向と直交する方向であり、ラベル付き容器などを、正面などの2次元的に見たときの容器などの周方向にも相当する。
「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
各図に示される層、部分及び部材の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっている場合があることに留意されたい。
[第1実施形態]
本発明のラベル付き容器1は、図1乃至図5に示すように、容器本体21と前記容器本体21の外面から突設された突部3とを有する容器2と、前記突部3が設けられた範囲を含んで前記容器本体21に装着された筒状ラベル4と、を有し、前記筒状ラベル4の面内に、前記突部3を露出させる窓部5が開口されている。かかる窓部5を通じて、前記突部3は、前記筒状ラベル4の外面よりも外側に突出されている。なお、ラベル付き容器1に関して、外側は、ラベル付き容器1の収納空間から遠ざかる側をいう。
まず、容器及び筒状ラベルのそれぞれを具体的に説明した後、ラベル付き容器についてその製法を含めて具体的に説明する。
<容器>
容器2は、図6及び図7にも示すように、容器本体21と、前記容器本体21の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部3と、容器本体21の注出口を閉塞する蓋部22と、を有する。
容器本体21の外形は、特に限定されず、図示したような略四角柱状、その他図示しないが、略円柱状、略楕円柱状、略六角柱状などの略多角柱状、略円錐台状、略楕円錐台状、略四角錐台状などの略多角錐台状、略だるま形状、略瓢箪形状などでもよい。
本発明において、形状の「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。前記略四角柱状などの「略」は、例えば、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。また、前記略円柱状などの「略」は、例えば、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状などが含まれる。
なお、容器本体21の上方部は、上方に向かうに従いその周長が小さくなっている上方縮径部211となっており、容器本体21の下方部は、下方に向かうに従い周長が小さくなっている下方縮径部212となっている。
蓋部22は、容器本体21の上方に開口された注出口を閉塞している。蓋部22は、容器本体21の上方部に着脱可能に取り付けられていてもよく、或いは、着脱困難な状態で取り付けられていてもよい。また、蓋部22の容器本体21に対する取り付け方法は、特に限定されず、例えば、ネジ螺合、凹凸嵌合、接着剤による固着などが挙げられる。
図示例では、注出ポンプを有するネジ螺合式の蓋部22が取り付けられたシャンプー用容器を例示している。もっとも、本発明のラベル付き容器1に使用される容器2は、シャンプー用容器に限られるわけではない。
前記容器本体21の外面には、突部3が設けられている。例えば、容器本体21の側面部の外面には、突部3が設けられている。突部3は、容器本体21の外面との高低差により触覚判別できるほどの高さで突設されている。本明細書において、触覚判別できるとは、突部3の周辺を指などの身体の一部で触り、突部3と容器本体21の外面との高低差を指先などで感じることにより、突部3の存在及び形状を判別できることをいう。なお、容器本体21の外面のうち前記突部3が設けられた範囲を除く外面は、前記突部以外の凹凸を有さない、平坦面又はなだらかな曲面となっている。
前記突部3は、何らかの情報を伝達する機能を具備した突起である。その情報は、人為的な取り決めであるが、突部3は、その人為的な取り決めに係る情報が形状などに化体されている。例えば、上述のように容器の縦方向に延びる縦長突部は、ボディーソープ用容器であるという情報が化体されている。
突部3の高さHは、特に限定されないが、余りに小さいと触覚判別できないおそれがあることから、0.2mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。なお、突部3の高さHの好ましい上限はないが、余りに大きいとラベル付き容器1の使用時に突部3が邪魔になるおそれがあることから、突部3の高さHは、例えば、5mm以下である。なお、突部3の高さHは、突部3の基部31(容器本体21の外面)から突部3の頂面32までの垂直長さをいい、その高さが均等でない場合には、最大高さをいう。
突部3の正面視形状は、特に限定されず、図示したような横長略長方形状のほか、縦長略長方形状、略円形状、略楕円形状、略三角形状などの略多角形状、略星形状などが挙げられる。
突部3の数は特に限定されず、1つでもよく、或いは、独立した2つ以上であってもよい。突部3が複数設けられる場合、隣り合う突部3の形成間隔は特に限定されず、例えば、1mm〜30mmである。
図示例では、複数(例えば6つ)の正面視横長略長方形状の突部3が、縦方向に所定間隔をあけて設けられている。このような横長略長方形状の突部3の横長さ及び縦長さは特に限定されず、例えば、突部3の横長さ(横方向における長さ)は、10mm〜30mmであり、突部3の縦長さ(縦方向における長さ)は、1mm〜5mmである。
図示例では、突部3の頂面32は、平坦面に形成され、その頂面32の周囲は、突部3の基部31の方向に曲がった弧状面とされている。図4及び図5に示す断面視では、突部3の頂面32は、容器本体21の外面と略平行な直線状に形成され、その頂面32の周囲のコーナーは、突部3の基部31の方向に曲がった弧状に形成されている。もっとも、突部3の立体形状は、前記のような場合に限られず、例えば、突部3は、断面視で三角状に形成されていてもよく、断面視で直角のコーナーを有する四角形状に形成されていてもよい。
突部3は、容器本体21と一体的に形成されていてもよく、或いは、突部3と容器本体21を別々に形成し、接着剤又は自己付着力により、その別体の突部3を容器本体21の所定位置に接着してもよい。
形成容易であることから、図示のように、突部3は容器本体21と一体的に形成されていることが好ましい。
容器本体21及び蓋部22は、その材質の観点において特に限定されず、合成樹脂、ガラス、陶器、金属などが挙げられる。蓋部22は、好ましくは、合成樹脂、金属で形成され、より好ましくは、合成樹脂成形品で構成される。
レーザーによって傷付き難い点を考慮すると、容器本体21は、外面部がポリオレフィン系樹脂から形成されているオレフィン面部を有することが好ましい。一方、後述する接着部6を設ける場合にはその接着部6の接着性の観点から、容器本体21は、ポリエステル系樹脂から形成されているエステル面部を有することが好ましい。換言すると、容器本体21は、その材質の観点では、容器本体21の外面を構成する部位(この部位が外面部である)が、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されている部分を有することが好ましい。前記ポリオレフィン系樹脂から形成されている部分を、オレフィン面部といい、前記ポリエステル系樹脂から形成されている部分をエステル面部という。かかる容器本体21は、その外面部の全体がオレフィン面部又はエステル面部から構成されていてもよく、その外面部の一部分がオレフィン面部又はエステル面部から構成されていてもよい。
本明細書において、「ポリオレフィン系樹脂から形成されている」とは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする材料から形成されていることをいい、「ポリエステル系樹脂から形成されている」とは、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料から形成されていることをいう。また、本明細書において、「主成分」とは、その層に含まれる樹脂の中で最も多い樹脂(重量比)をいう。例えば、主成分樹脂は、その層に含まれる樹脂の全量を100重量%とした場合に、50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含まれる。
また、容器本体21は、1層構造でもよく、或いは、2層以上の多層構造であってもよい。
図4及び図5は、1層構造の容器本体21を示している。このように1層構造の容器本体21にあっては、その全体が合成樹脂、ガラス、陶器、金属などから形成されているが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されている。厚み方向における構造が1層の好ましい容器本体21は、概念上、外面部を含む肉厚全体がポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる。
図8(a)は、2層構造の容器本体21を示している。このように2層構造の容器本体21にあっては、少なくとも外面部214が合成樹脂、ガラス、陶器、金属などから形成されるが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成される。2層構造の容器本体21の内面部215は、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されていてもよく、或いは、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂以外の材料から形成されていてもよい。
図8(b)は、3層構造の容器本体21を示している。このように3層構造の容器本体21にあっては、少なくとも外面部214が合成樹脂、ガラス、陶器、金属などから形成されるが、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成される。3層構造の容器本体21の内面部215及び中間部216は、それぞれ独立して、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されていてもよく、或いは、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂以外の材料から形成されていてもよい。なお、4層以上の多層構造の本体については、中間部216が2層以上となる点以外は、3層構造と同様である。
容器本体21の厚みは、特に限定されず、例えば、容器本体21が合成樹脂製である場合には、その厚みは0.2mm〜3mmである。なお、容器本体21が上記のような多層構造である場合には、外面部214の厚みが0.05mm〜2mmであることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンを必須の単量体成分として構成される重合体(オレフィン系エラストマーを含む)であり、即ち、分子中(1分子中)にオレフィンを少なくとも含む重合体である。前記オレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリエチレン系樹脂)、プロピレンを必須の単量体成分として構成される重合体(ポリプロピレン系樹脂)、アイオノマー、環状オレフィン系重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
オレフィン面部は、前記ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂(主成分樹脂以外の樹脂)を含んでいてもよいが、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を実質的に含まないことが好ましい。
なお、本明細書において、「実質的に含まない」とは、不可避的に含まれる程度の微量の成分の混入は許容され、有意な量の混入は除外されるという意味である。
オレフィン面部がポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を含む場合、その樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
また、前記ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、及びこれらの変性物が例示され、ポリエチレンテレフタレート及びその変性物が好ましい。
エステル面部は、前記ポリエステル系樹脂以外の樹脂(主成分樹脂以外の樹脂)を含んでいてもよいが、ポリエステル系樹脂以外の樹脂を実質的に含まないことが好ましい。
エステル面部がポリエステル系樹脂以外の樹脂を含む場合、その樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
<筒状ラベル>
筒状ラベル4は、ラベル基材を筒状に形成した筒状体からなる。筒状ラベル4は、フィルムの性状又は容器に対する装着方法に従って、次の3つの種類に大別できる。
第1の筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部に第2側端部を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第1の筒状ラベルは、筒状シュリンク、シュリンクラベル又は熱収縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「熱収縮性筒状ラベル」という。熱収縮性筒状ラベルは、容器に外装した後、熱収縮温度(例えば、60℃〜120℃)以上に加熱されることによって縮径し、容器に装着され得る筒状ラベルである。前記熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性及び自己伸縮性の双方の性質を有する筒状ラベル(ストレッチシュリンクラベルなどとも呼ばれる)でもよい。
第2の筒状ラベルは、自己伸縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部に第2側端部を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第2の筒状ラベルは、ストレッチラベル又は自己伸縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「自己伸縮性筒状ラベル」という。自己伸縮性筒状ラベルは、拡張力を加えることによって拡径し、拡径させた状態で容器などの被着体に外装し、その後、拡張力を解除することによって復元し、被着体に装着され得る筒状ラベルである。
第3の筒状ラベルは、フィルムを有するラベル基材の第1側端部を容器に部分的に接着し、このラベル基材を容器の周囲に巻き付け、前記第1側端部にラベル基材の第2側端部を接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第3の筒状ラベルは、巻付け筒状ラベル又は巻付けラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「巻付け筒状ラベル」という。巻付け筒状ラベルを構成するラベル基材のフィルムは、熱収縮性及び自己伸縮性を有さないフィルムでもよく、或いは、熱収縮性フィルムでもよく、或いは、自己伸縮性フィルムでもよい。
図9乃至図11は、容器2に装着する前の、予め筒状に形成されている筒状ラベル4を示す。予め筒状に形成されている筒状ラベル4は、上記第1又は第2の筒状ラベルである。かかる筒状ラベル4は、容器2に装着する際に、図9に示すように筒状に開かれるが、その製造及び保管時には、図10及び図11に示すように、扁平状に折り畳まれている。
本発明において、筒状ラベル4としては、前記熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル又は巻付け筒状ラベルの何れでもよい。被着体の径差の大きい部分にも容易に密着させて装着できるなどの利点を有することから、熱収縮性筒状ラベル又は熱収縮性フィルムを用いた巻付け筒状ラベルを用いることが好ましい。
以下、筒状ラベル4として熱収縮性筒状ラベル41を用いた場合を中心に説明する。
熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベル41は、図9乃至図11に示すように、ラベル基材を有し、そのラベル基材の第1側端部411と第2側端部412を接着することによってシール部413が形成された筒状体である。かかる熱収縮性筒状ラベル41は、容器2に外装し、加熱することによって容器2に熱収縮装着される。
なお、図9乃至図11は、熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベル41を図示しており、その熱収縮性筒状ラベル41が容器に装着された後は(熱収縮させた後の熱収縮性筒状ラベルは)、容器本体21の外形に沿って略密着するので、熱収縮性筒状ラベル41の形状が変化することに留意されたい。
なお、現実的な製造工程では、一般に、熱収縮性筒状ラベル41は、その複数が連続的に繋がった連続体であって扁平状に折り畳まれた連続体の形態で提供され、この連続体を適宜切断して個々の熱収縮性筒状ラベル41が得られ、容器2に外装する直前に筒状に開かれる。
前記ラベル基材は、主として熱収縮性フィルムから構成されている。ラベル基材は、必要に応じて、前記熱収縮性フィルムに、デザイン印刷層、保護層、滑り層などの任意の公知の印刷層が設けられているものでもよい。前記様々な印刷層は、それぞれ独立して、熱収縮性フィルムの内面側に設けられていてもよく、或いは、熱収縮性フィルムの外面側に設けられていてもよい。これらの印刷層は、図示しない。
前記熱収縮性フィルムは、柔軟性を有するフィルムであって、熱収縮温度に加熱されると、熱収縮方向に収縮するフィルムである。前記熱収縮温度は、例えば、60℃〜120℃が例示される。また、熱収縮性フィルムは、透明(無色透明又は有色透明)又は不透明のいずれでもよいが、無色透明なフィルムであることが好ましい。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜100μm、更に、20μm〜80μm程度のものを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムは、熱的性質の観点では、少なくとも横方向に主として熱収縮するフィルムが用いられ、縦方向に熱変化するフィルムを用いてもよい。ラベル基材を筒状にした際(つまり、ラベル基材を用いて熱収縮性筒状ラベル41を形成した際)、前記熱収縮性フィルムの横方向は、熱収縮性筒状ラベル41の周方向となる。かかる熱収縮性フィルムとしては、横方向に主として延伸された1軸延伸又は2軸延伸フィルムを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムの横方向(熱収縮方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、前記横方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記横方向における熱収縮率は、理論上、100%未満であるが、通常、85%以下である。前記熱収縮性フィルムが縦方向に熱変化(熱収縮又は熱伸長)するフィルムである場合、熱収縮性フィルムは、縦方向に熱伸長するフィルム(例えば、下記式で求められる縦方向の熱収縮率が−3%以上のフィルム)でもよいが、レーザー切断後によって生じるラベル端部の縁の美麗さを特に良くする観点で、縦方向に熱収縮するフィルムが好ましい。かかる熱収縮性フィルムの縦方向の熱収縮率は、例えば、1%以上であり、好ましくは5%以上であり、より好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは9%以上である。前記縦方向における熱収縮率は、余りに大きすぎると、装着時に熱収縮性筒状ラベル41が位置ずれを生じやすいので、40%以下であり、好ましくは35%以下であり、より好ましくは30%以下である。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、100℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)を、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)−(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)}/(横方向又は縦方向の元の長さ)]×100。
前記熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性を有する合成樹脂フィルム、熱収縮性を有する不織布及び熱収縮性を有する発泡樹脂フィルム並びにこれらの積層フィルムなどが挙げられる。なお、前記積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性を有さない層と熱収縮性を有する層の積層物であってもよいが、全ての層が熱収縮性を有する積層物が好ましい。
好ましくは、熱収縮性フィルムとして、合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムが用いられる。また、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、金属蒸着層などのガス又は/及び光バリア層が積層されていてもよい。
前記合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。レーザーの吸収量が大きく、レーザーによって容易に切断できる点から、前記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の少なくとも一方を主成分とする熱収縮性フィルムが好ましい。
熱収縮性フィルムが多層の積層フィルムからなる場合、2層などの偶数層の積層フィルムでもよいが、3層などの奇数層の積層フィルムであることが好ましい。
奇数層の積層フィルムの多層構造は、外面層/奇数の中間層/内面層で表され、例えば、外面層/1つの中間層/内面層、外面層/第1中間層/第2中間層/第3中間層/内面層などが例示される。
熱収縮性フィルムがポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の少なくとも一方を主成分とする多層の積層フィルムからなる場合、それらの層は、それぞれ独立して、ポリエステル系樹脂を主成分とする層(以下、ポリエステル系樹脂層という)、ポリスチレン系樹脂を主成分とする層(以下、ポリスチレン系樹脂層という)、及び、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合樹脂を主成分とする層(以下、混合樹脂層という)から選ばれる。
例えば、外面層/1つの中間層/内面層の例としては、(a)ポリエステル系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(b)ポリスチレン系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層、(c)ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層、(d)ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(e)ポリエステル系樹脂層/混合樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(f)ポリスチレン系樹脂層/混合樹脂層/ポリスチレン系樹脂層などが挙げられる。
外面層/第1中間層/第2中間層/第3中間層/内面層の例としては、(g)ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(h)ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層、(i)ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層、(j)ポリエステル系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(k)ポリエステル系樹脂層/混合樹脂層/混合樹脂層/混合樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(l)ポリスチレン系樹脂層/混合樹脂層/混合樹脂層/混合樹脂層/ポリスチレン系樹脂層、(m)ポリエステル系樹脂層/混合樹脂層/ポリスチレン系樹脂層/混合樹脂層/ポリエステル系樹脂層、(n)ポリスチレン系樹脂層/混合樹脂層/ポリエステル系樹脂層/混合樹脂層/ポリスチレン系樹脂層などが挙げられる。
また、必要に応じて、筒状ラベル4の内面に接着部6が設けられていてもよい。接着部6は、筒状ラベル4を容器2の外面に接着させるための部分である。接着部6は、筒状ラベル4の内面全体に設けられていてもよいが、筒状ラベル4の必要以上の範囲が容器2に接着することから、接着部6は、容器2に接着させたい部分に対応して設けられていることが好ましい。
例えば、前記接着部6は、筒状ラベル4を容器2に装着した際に、突部3(複数の突部3が形成されている場合には、全ての突部3)を取り囲むように、所定幅の無端環状の範囲に設けられていることが好ましい。図示例では、所定幅の無端の略四角環状の範囲(内部を刳り抜いた略四角形状の範囲)に接着部6が設けられている。なお、図9及び図10に、接着部6が設けられた範囲に、便宜上、無数のドットを付加している。
接着部6は、筒状ラベル4の内面に、粘着剤又は接着剤を塗布することによって形成できる。換言すると、接着部6は、粘着剤層又は接着剤層から構成される。前記粘着剤又は接着剤は、適宜適切なものが用いられるが、通常時には接着力を示さず且つ必要時に接着力を発現させることができることから、感熱粘着剤又は感熱接着剤を用いることが好ましい。感熱粘着剤又は感熱接着剤は、常温で接着力を示さず、熱を加えることによって接着力を生じる粘着剤又は接着剤である。
前記粘着剤層又は接着剤層の厚みは特に限定されず、例えば、1μm〜30μmである。
前記感熱粘着剤又は感熱接着剤としては、例えば、ホットメルト型感熱粘着剤又は接着剤、パートコート型感熱粘着剤又は接着剤、ディレードタック型感熱粘着剤又は接着剤などを用いることができる。これらの粘着剤又は接着剤を用いて接着部6を形成する場合には、容器はエステル面部を有することが好ましい。
前記ホットメルト型感熱粘着剤又は接着剤は、常温では接着性はないが加熱することによって接着可能となるものであって加熱溶融によって塗工可能な粘着剤又は接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレンアクリル酸共重合体などのエチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのベース樹脂に粘着付与剤などの添加剤が配合されたものが例示される。
前記パートコート型感熱粘着剤又は接着剤は、ホットメルト型と同様に加熱によって接着性が生じ、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱接着性樹脂と粘着付与剤などを有機溶剤などに溶解又は分散させた溶液を、グラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な粘着剤又は接着剤であり、塗工後乾燥して使用するものである。
前記ディレードタック型感熱粘着剤又は接着剤は、加熱することによって活性化して接着性が生じ且つ冷却後長時間に亘ってそれが持続するものであってグラビアコーティングなどの印刷によって塗工可能な粘着剤又は接着剤であり、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、合成ゴムなどのベース樹脂に粘着付与剤及び固体可塑剤などが配合されたエマルジョン型などが例示される。これら粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
熱収縮性筒状ラベル41の周長は、例えば、容器2の被装着部位の最大周長×1倍を超え同×1.5倍以下であり、好ましくは同×1.01倍〜同×1.3倍であり、より好ましくは同×1.02倍〜同×1.15倍である。容器2の被装着部位は、容器2の、熱収縮性筒状ラベル41が熱収縮装着される部位をいう。
なお、熱収縮性筒状ラベル41には、必要に応じて、分断用のミシン目線(図示せず)などの公知の構造が付加されていてもよい。
<ラベル付き容器>
ラベル付き容器1は、図1乃至図5に示すように、触覚判別できる突部3を有する容器本体21の、前記突部3が設けられた範囲を含んで筒状ラベル4が装着されており、その筒状ラベル4の面内には、前記突部3を筒状ラベル4の外側に露出させる窓部5が開口されている。かかる窓部5を通じて、前記突部3は、筒状ラベル4の外面よりも外側に突出されている。図示例では、筒状ラベル4は、熱収縮性筒状ラベル41からなり、熱収縮性筒状ラベル41は熱収縮によって前記突部3が設けられた範囲を含んで容器2に装着されている。好ましくは、熱収縮性筒状ラベル41は、容器本体21の上方縮径部211及び下方縮径部212に密着して装着されている。このため、熱収縮性筒状ラベル41が容器2から外れ難くなっている。
なお、筒状ラベル4は、そのシール部413が容器本体21の突部3が形成された面とは反対側の面に対応するように装着されている。突部3が形成された面を容器本体21の正面とすると、筒状ラベル4は、そのシール部413が容器本体21の背面に対応するようにして容器2に装着されている。
窓部5は、筒状ラベル4の面内に形成された無端環状の周縁5aで囲われた開口部分である。前記窓部5を構成する周縁5aは、筒状ラベル4の上縁及び下縁に至っておらず、従って、筒状ラベル4の面内に形成された窓部5の上方及び下方において、熱収縮性筒状ラベル41の上方筒状部及び下方筒状部が周方向全体に亘って容器2に略密着している。熱収縮性筒状ラベル41の上方筒状部及び下方筒状部が窓部5の上下に存在するので、突部3の周囲全体的にデザインなどを表示する領域を確保できる。
窓部5を構成する周縁5aは、突部3を取り囲んでいる(周縁5aは、突部3を囲んだ無端環状である)。図示例のように、複数の突部3が突設されている容器2にあっては、窓部5は、それら複数の突部3のそれぞれに対応して設けられていてもよく、或いは、複数の突部3から選ばれる全て又は一部を1つの集合部と見なして、その集合部に対応して設けられていてもよい。
図示例では、複数の突部3の全てを1つの集合部とし、その集合部に対応して1つの窓部5が形成されている。従って、この窓部5を構成する周縁5aは、前記突部3の集合部を取り囲んだ無端環状である。前記周縁5aの形状は、突部3の集合部を取り囲むことができるものであれば特に限定されず、例えば、正面視略矩形状、略楕円状、略多角形状などが挙げられる。特に、レーザーにより切断して窓部5を形成する場合には、レーザー光が滑らかに動作する特性を考慮すると、角部が面取りされている(角部が丸みを帯びている)略矩形状や略多角形状が好ましい。
窓部5を構成する周縁5aは、突部3の側面33に接していてもよく、図4及び図5に示すように突部3の側面33から離れていてもよい。前記周縁5aが突部3の側面33から離れている場合、その間隔Wは特に限定されないが、余りに大きいと相対的に筒状ラベル4の面積が小さくなり、筒状ラベル4による容器2への加飾効果が小さくなる。かかる観点から、前記周縁5aが突部3の側面33から離れている場合の周縁5aから突部3の側面33までの間隔Wは、0mmを越え10mm以下が好ましく、1mm〜7mmがより好ましい。
また、筒状ラベル4の内面の一部分は、前記接着部6にて容器本体21の外面に接着されている。好ましくは、筒状ラベル4の内面のうち、前記窓部5を構成する周縁5aの近傍部の全体又は一部が、接着部6を介して容器本体21の外面に接着され、より好ましくは、図示例のように、前記周縁5aの近傍部の全体が接着部6を介して容器本体21に接着されている。なお、図1に、筒状ラベル4の内面のうち容器本体21に接着されている部分に、便宜上、無数のドットを付加している。特に図示しないが、近傍部の一部が接着部6を介して容器本体21の外面に接着されている場合としては、例えば、接着部6と接着剤を有さない非接着部が窓部5の周囲に交互に形成されている場合、窓部5の周囲の殆どに接着部6が形成されているが、少しの範囲に接着剤を有さない非接着部が存在する場合、などが挙げられる。前記のように接着部6と非接着部を窓部5の周囲に交互に形成する場合には、前記周縁5aに沿って2列形成し、一方の列と他方の列との関係で接着部6が千鳥状に配置されるようにしてもよい。
このように、窓部5を構成する周縁5aの近傍部が容器本体21に接着されていることにより、前記周縁5aが外側に反り返ることを防止でき、さらに、前記周縁5aから筒状ラベル4と容器本体21の間に異物が進入することを防止できる。
前記近傍部は、例えば、前記窓部5の周縁5aから30mm以内の範囲であり、好ましくは、前記周縁5aから20mm以内の範囲であり、より好ましくは前記周縁2aから10mm以内の範囲である。
なお、図示例では、筒状ラベル4の内面は、窓部5を構成する周縁5aの近傍部において容器本体21に接着されているが、これに限定されず、周縁5aに至るまで容器本体21に接着されていてもよい(図示せず)。
本発明のラベル付き容器1は、かかる窓部5を通じて突部3が筒状ラベル4の外面から外側に突出されている。窓部5の高さは筒状ラベル4の厚みよりも十分に大きいので、前記筒状ラベル4の外面から突出した突部3を、指触などにて容易に且つ確実に確認できる。
<ラベル付き容器の製造方法>
本発明のラベル付き容器1は、例えば、下記のような製造方法で得ることができる。もっとも、本発明のラベル付き容器1は、下記製法で製造されたものに限定されるわけではない。
例えば、本発明のラベル付き容器1の製造方法は、触覚判別できる突部3を有する容器2に、前記突部3を覆って筒状ラベル4を装着する装着工程と、前記装着した筒状ラベル4のうち、前記突部3に対応する部分をレーザーを用いて切除することにより、前記突部3を露出させる窓部5を形成する切断工程と、を少なくとも有する。前記製造方法は、これらの工程以外の他の工程を有していてもよい。
これら各工程を1つの製造ラインで一連に行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を、1つのラインで行い、且つ残る工程を他の1つ又は2つ以上のラインで行ってもよい。また、前記各工程の全てを一の実施者が行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を一の実施者が行い、且つ残る工程を他の実施者が行ってもよい。
(準備工程)
製造対象であるラベル付き容器1は、容器2と、筒状ラベル4と、から構成される。ラベル付き容器1は、容器2と筒状ラベル4を有していることを条件として、他の部材を具備していてもよい。
製造方法において、上記<容器>の欄で示した容器2、及び、上記<筒状ラベル>の欄で示した熱収縮性筒状ラベル41などの筒状ラベル4を準備する。
(装着工程)
装着工程は、容器2の外側に筒状ラベル4を外装し、その筒状ラベル4を容器2に装着する工程である。
ここでは、筒状ラベル4として、熱収縮性筒状ラベル41又は熱収縮性フィルムを有する巻付け筒状ラベルを用いた場合を説明する。
具体的には、図12及び図13に示すように、予め筒状に形成された熱収縮性筒状ラベル41を、全ての突部3を覆うようにして容器2の被装着部位の外側に被せる。外装された熱収縮性筒状ラベル41は、その上縁41aが突部3の最も上側よりも上方に延出され、且つ、その下縁41bが突部3の最も下側よりも下方に延出されている。好ましくは、熱収縮性筒状ラベル41の上縁41aが容器本体21の上方縮径部211に重なる位置に又は上方縮径部211を越えてさらに上方位置に且つ下縁41bが下方縮径部212に重なる位置に又は下方縮径部212を越えてさらに下方位置になるように、熱収縮性筒状ラベル41を容器2に外装する。また、接着部6が設けられている上記筒状ラベル4にあっては、容器2の突部3を接着部6が取り囲むようにして熱収縮性筒状ラベル41を外装することが好ましい。
容器2の被装着部位の最大径よりも大きい熱収縮性筒状ラベル41は、容器2に外装した時点では、容器2に装着されていない。つまり、外装した時点では、熱収縮性筒状ラベル41は、容器2に対して位置ずれし得る。
なお、巻付け筒状ラベルを用いる場合には、図14に示すように、容器2の外面に、熱収縮性フィルムを含むラベル基材429の第1側端部421の内面を接着剤などを用いて接着し、ラベル基材429を容器2の周方向に巻き付け、その第1側端部421の外面に第2側端部422の内面を接着剤などを用いて接着することによって、巻付け筒状ラベルを容器に外装できる。
次に、熱収縮性筒状ラベル41(又は巻付け筒状ラベル。以下同じ)を加熱し、熱収縮性筒状ラベル41を熱収縮させる。図15及び図16に示すように、熱収縮によって熱収縮性筒状ラベル41が縮径し、容器本体21に略密着する。
前記熱収縮性筒状ラベル41に対する加熱温度は所定の温度で設定でき、熱収縮性筒状ラベル41の外面を基準にして、例えば、60℃〜120℃であり、好ましくは80℃〜110℃である。加熱手段も特に限定されず、例えば、スチーム、100℃〜250℃程度の温風などが挙げられる。その他の加熱手段として、放射線、紫外線、赤外線などの活性エネルギー線照射を用いた加熱でもよい。
熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル41は、突部3が設けられた範囲を除き、上方縮径部211及び下方縮径部212の外面を含む容器本体21の外面に略密着する。なお、熱収縮性筒状ラベル41は、突部3が設けられた範囲における容器本体21の外面には密着せずに浮いているが(図16参照)、突部3の外側を覆っている。
また、熱収縮性筒状ラベル41を加熱した際に、接着部6も加熱され、接着部6が容器本体21の外面に接着するようになる。図15において、接着部6を介して容器本体21に接着されている部分に、便宜上、無数のドットを付加している。
(切断工程)
切断工程は、前記装着工程において容器2に装着した後の熱収縮性筒状ラベル41の一部分を、レーザーを用いて切断し、熱収縮性筒状ラベル41の面内に突部3を露出させる窓部5を形成する工程である。
レーザーを用いて切断する部分は、熱収縮性筒状ラベル41のうち突部3に対応する部分である。例えば、複数の突部3が形成されている容器2にあっては、各突部3に対応して各突部3の周囲を囲繞するようにレーザーを移動させてもよく、或いは、複数の突部3から選ばれる全て又は一部を1つの集合部と見なしてその集合部の周囲を囲繞するようにレーザーを移動させてもよい。好ましくは、集合部の周囲と接着部6の間に対応してその集合物を囲繞するようにレーザーを移動させる。
レーザーの種類は、熱収縮性筒状ラベル41を切断できるものであれば特に限定されず、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、YVOレーザーなどが挙げられる。
特に、熱収縮性筒状ラベル41(中でも、ポリエステル系樹脂及びポリスチレン系樹脂の少なくとも一方を主成分とする熱収縮性フィルムを有する熱収縮性筒状ラベル41)は、炭酸ガスレーザーの吸収量が大きいので、レーザーとしては、炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。炭酸ガスレーザーの波長は、特に限定されず、例えば、9.4μm又は10.6μmの波長のものが挙げられるが、前記熱収縮性フィルムの裁断に特に適していることから、波長10.6μmの炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。
レーザーを移動させることにより、レーザーの移動軌跡に応じて、熱収縮性筒状ラベル41の面内に切断線Xが形成されていく(図15の二点鎖線で示す切断線Xを参照)。切断線Xは、無端の環状に形成される。
そして、前記切断線Xで囲われた領域を除去することにより、その除去後に窓部5が生じ、図1乃至図5に示すような、ラベル付き容器1を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、レーザーを用いて切断するので、熱収縮性筒状ラベル41の所望の位置に突部3を露出させる窓部5を容易に形成できる。
なお、上記製造方法では、筒状ラベル4をレーザーを用いて切断することにより、窓部5を形成しているが、筒状ラベル4を切断する手段は、レーザーに限られず、カッターなどの切断手段を用いてもよい。
また、上記製造方法では、筒状ラベル4を容器2に装着後にその筒状ラベル4を切断手段で切断したが、容器2に装着する前に突部3に対応する箇所をレーザーなどの切断手段で切断して開口を形成し、その開口が突部3に対応するようにして筒状ラベル4を容器2に装着することによってラベル付き容器1を得てもよい。
本発明は、上記第1実施形態に限られず、様々に変更することができる。
以下、本発明の様々な他の実施形態を説明するが、上記第1実施形態と同様の構成及び効果は、(その説明をしたものとして)説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、複数の突部3の全てを1つの集合部と見なして、筒状ラベル4に1つの窓部5を形成しているが、例えば、図17及び図18に示すように、個々の突部3に対応して各突部3を露出させる窓部5が筒状ラベル4に形成されていてもよい。
なお、図17において、接着部6を介して容器本体21に接着されている部分に、便宜上、無数のドットを付加している(図19及び図21も同様)。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、複数の突部3を有する容器2を例示しているが、例えば、図19及び図20に示すように、1つの突部3を有する容器2に筒状ラベル4が装着されていてもよい。また、突部3は、図19及び図20に示すように、縦方向に延びる縦長略長方形状であってもよい。
[第4実施形態]
また、熱収縮性筒状ラベル41の窓部5の周縁5aの近傍部に対応して、収縮阻害を目的とした印刷層を形成してもよい(図示せず)。例えば、窓部の周縁5aの近傍部に対応する外面側に前記収縮阻害用の印刷層を形成する。この場合、その内面側に上記接着部6を形成してもよく、或いは、接着部を形成しなくてもよい。上述のように、装着後の熱収縮性筒状ラベルを、レーザーを用いて切断する場合、形成される窓部5の周縁5aの近傍部が熱収縮して外側にカールするおそれがあるが、前記収縮阻害用の印刷層を形成しておくことにより、そのようなカールを抑制できる。特に、接着部6が容器本体21に対して容易に接着し難い場合(例えば、容器本体21の外面部がオレフィン面部である場合など)、前記のようにカールを抑制することより、窓部5の周縁5aが美麗に収まるようになる。前記収縮阻害用の印刷層は、例えば、無色透明インキ又は有色透明インキをグラビア印刷法などの公知の印刷法によって形成することが好ましい。
[第5実施形態]
また、本発明のラベル付き容器1は、図21及び図22に示すように、取っ手部を有する容器に筒状ラベル4が装着されていてもよい。
この容器2は、容器本体21の一部分に、内側に凹んだ一対の凹み部24,24が形成されている。1つの凹み部24は、容器本体21の右側面側に形成されており、もう1つの凹み部24は、容器本体21の左側面側に形成されている。
2つの凹み部24,24は、容器本体21の左右側面において同じ位置に形成されている。また、2つの凹み部24,24は、例えば、同形同大に形成されている。もっとも、2つの凹み部24,24は、いずれか一方が他方よりも小さくてもよい。2つの凹み部24,24は、それぞれ底面を有していてもよいが、図示例では、2つの凹み部24,24は、底面を有さず、互いに連通されている。従って、2つの凹み部24,24は、貫通孔を通じて連通されている。
凹み部24が形成されることによって、容器本体21の一部分に、取っ手部25が形成される。この取っ手部25は、容器本体21の上下方向に延在されている。取っ手部25は、容器本体21の一部を成しており、その取っ手部25の内部は、中空状である。もっとも、取っ手部25は、中実状であってもよい。前記凹み部24,24を連通する貫通孔は、手先を入れることができる大きさに形成されており、かかる貫通孔によって、取っ手部25を手で包み込むように握持可能である。
なお、取っ手部25は、容器本体21と一体的に形成されている場合に限られず、別体の取っ手部を本体に取り付けることによって、取っ手部及び貫通孔が形成されていてもよい(図示せず)。
前記容器本体21には、上記各実施形態と同様に、触覚判別できる突部3が突設されている。図示例では、突部3は、取っ手部25の外面から突設されている。もっとも、取っ手部25に突部3を設けず、容器本体21の他の部分に突部3を設けてもよい。
この容器2に装着された筒状ラベル4には、突部3を筒状ラベル4の外側に露出させる窓部5が開口されている。本実施形態では、前記窓部5は、突部3のみならず、取っ手部25及び凹み部24も露出させる大きさに形成されている。つまり、突部3を露出させる窓部が凹み部24,24を露出させる窓部を兼用するように、筒状ラベル4には、窓部5が開口されている。
もっとも、特に図示しないが、突部3を露出させる窓部と、凹み部24,24を露出させる窓部と、を別個独立して形成してもよい。
かかるラベル付き容器1によれば、取っ手部25を手で持つと、手が突起3に確実に触れるので、筒状ラベル4の外面から突出した突部3を、指触などにて容易に且つ確実に確認できる。
[第6実施形態]
上記各実施形態のラベル付き容器1は、筒状ラベル4の面内に突部3を露出させる窓部5が開口されているが、ラベル付き容器の使用者が窓部を容易に形成できるようなものでもよい。
本実施形態のラベル付き容器1は、例えば、図23及び図24に示すように、上記のような突部3が容器本体21に形成された容器2と、前記突部3が設けられた範囲を含んで前記容器2に装着された筒状ラベル4と、を有し、前記筒状ラベル4の面内に、前記突部3の周囲を取り囲むように切断用補助線7が形成されている。この切断用補助線7の形成位置及び正面視形状などは、上記各実施形態の窓部5の周縁5aの形成位置及び正面視形状などと同様である。
切断用補助線7は、ラベルを切断し易くするために形成されるものであり、例えば、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられる。ミシン目線は、断続的に形成された複数の貫通孔からなる線である。ハーフカット線は、ラベルの厚み方向に断面略V字状に切り込んだ切り込み線である。図示例では、切断用補助線7として、ミシン目線を例示している。
かかる切断用補助線7が形成されたラベル付き容器1は、使用者が切断用補助線7を利用してその線7に沿って筒状ラベル4の一部分(切断用補助線7で囲われた部分)を切り取ることにより、突部3が露出する。この切断用補助線7で囲われた部分を除去すると、筒状ラベル4の面内に上記各実施形態と同様な窓部が生じ、突部3が筒状ラベル4の外面よりも外側に突出する。
必要に応じて、切断用補助線7で囲われた部分に、注意事項、クーポンなどの懸賞情報なでを印刷などによって表示しておいてもよい。クーポンなどの懸賞情報は、切断用補助線7で囲われた部分であって筒状ラベル4の内面側に表示しておくことが好ましい。
本実施形態において、切断用補助線7の形成時期は、特に限定されず、容器に装着する前の筒状ラベル4に切断用補助線7を形成しておき、その筒状ラベル4を容器2に装着してもよく、或いは、容器に装着した後の筒状ラベル4に、レーザーなどを用いて切断用補助線7を形成してもよい。
1 ラベル付き容器
2 容器
21 容器本体
3 突部
4 筒状ラベル
41 熱収縮性筒状ラベル
5 窓部
5a 窓部の周縁
6 接着部
7 切断用補助線

Claims (5)

  1. 容器本体と前記容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部とを有する容器と、前記突部が設けられた範囲を含んで前記容器本体に装着された筒状ラベルと、を有し、
    前記突部が、情報を伝達する機能を具備した突起であり、
    前記筒状ラベルの面内に、前記突部の周囲を取り囲むように、ラベルを切断し突部を露出させる窓部を開口するための切断用補助線が形成されている、ラベル付き容器。
  2. 前記突部の全てを1つの集合部とし、その集合部に対応して1つの前記窓部が取り囲むように形成されている、請求項に記載のラベル付き容器。
  3. 容器本体と前記容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部とを有する容器と、前記突部が設けられた範囲を含んで前記容器本体に装着された筒状ラベルと、を有し、
    前記筒状ラベルの面内に、前記突部を露出させる窓部が開口されており、
    前記突部が、情報を伝達する機能を具備した突起であり、前記筒状ラベルの外面よりも外側に突出されていて、
    前記突部の全てを1つの集合部とし、その集合部に対応して1つの前記窓部が取り囲むように形成されている、ラベル付き容器。
  4. 前記突部が、JIS S 0021に規定された触覚記号の形状である、請求項1乃至3のいずれかに記載のラベル付き容器。
  5. 筒状ラベルの外面側に、後工程で形成される窓部の周縁の近傍部に対応して収縮阻害用の印刷層が形成されている筒状ラベルを準備する準備工程、
    容器本体の外面から突設され且つ前記外面との高低差により触覚判別できる突部が情報を伝達する機能を具備した突起である容器に、前記突部を覆って筒状ラベルを装着する装着工程、
    前記装着した筒状ラベルのうち、前記突部に対応する前記収縮阻害用の印刷層部分をレーザーを用いて切除することにより、前記突部を露出させる窓部を形成する切断工程、
    を有する、ラベル付き容器の製造方法。
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