JP2018181772A - 非水電解質蓄電素子及びその製造方法 - Google Patents

非水電解質蓄電素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケイ素を含む負極を用いた非水電解質蓄電素子であって、高率放電性能が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を備える非水電解質蓄電素子である。本発明の他の一態様は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を用いる非水電解質蓄電素子の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質蓄電素子及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
このような非水電解質蓄電素子の負極活物質としては、黒鉛等の炭素材料が広く用いられている。これに対し、炭素材料以外の負極活物質として、ケイ素を含む材料を用いることが検討されている(特許文献1〜3参照)。ケイ素は炭素材料と比べて大きい電気容量を有することから、有望な負極活物質として期待されている。
特開2015−053152号公報 特開2014−120459号公報 特開2015−088462号公報
しかし、ケイ素を負極活物質として用いた非水電解質蓄電素子は、高い出力条件下では容量低下が大きい、すなわち高率放電性能が高くないという不都合を有する。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、ケイ素を含む負極を用いた非水電解質蓄電素子であって、高率放電性能が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を備える非水電解質蓄電素子である。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を用いる非水電解質蓄電素子の製造方法である。
本発明によれば、ケイ素を含む負極を用いた非水電解質蓄電素子であって、高率放電性能が高い非水電解質蓄電素子、及びこのような非水電解質蓄電素子の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を備える非水電解質蓄電素子である。
当該非水電解質蓄電素子は、ケイ素を含む負極を用いた非水電解質蓄電素子であって、高率放電性能が高い。このような効果が生じる理由は定かではないが、(1)電解質塩としてリチウムイミド塩を用いることで、LiPFに比べてフッ素が遊離され難いので、ケイ素を含む負極に対する悪影響を低減できること、(2)非水電解質にスルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物が含有されていることで、高率放電性能に影響を与える負極のケイ素表面への被膜形成が抑制されることなどによると推測される。また、当該非水電解質蓄電素子は、比較的高温下(例えば45℃)での充放電サイクル後の容量維持率も高い。なお、スルトン構造とは、環状のスルホン酸エステル(−SOO−)構造をいう。また、環状サルフェート(sulfate)構造とは、環状の硫酸エステル(−OSOO−)構造をいう。
上記非水電解質における上記リチウムイミド塩の含有量が、1.5mol/kg以上5mol/kg以下であることが好ましい。このようにリチウムイミド塩濃度を高めることで、高率放電性能等をより高めることができる。
上記スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物が、複数の環構造を有することが好ましい。このような構造を有する化合物を用いることで、高率放電性能等をより高めることができる。
上記非水電解質が、フッ素化環状カーボネートをさらに含むことが好ましい。非水電解質にフッ素化環状カーボネートがさらに含有されていることで、高率放電性能等をより高めることができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を用いる非水電解質蓄電素子の製造方法である。当該製造方法によれば、ケイ素を含む負極を用いた非水電解質蓄電素子であって、高率放電性能が高い非水電解質蓄電素子を得ることができる。また、当該製造方法によって得られる非水電解質蓄電素子は、比較的高温下での充放電サイクル後の容量維持率も高い。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子、及びその製造方法について詳説する。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、非水電解質蓄電素子の一例として、非水電解質二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知の金属ケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
上記正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層を有する。
上記正極基材は、導電性を有する。基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極基材としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
上記中間層は、正極基材の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
上記正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。また、正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1−α),LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックス等が挙げられ、アセチレンブラックが好ましい。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等が挙げられる。
(負極)
上記負極は、負極基材、及びこの負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極基材は、正極基材と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極基材としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
上記負極活物質層は、ケイ素を含むいわゆる負極合材から形成される。具体的には、上記負極活物質層は、通常、ケイ素を含む負極合材のスラリーを負極基材表面又は中間層表面に塗工し、乾燥させることにより形成される。上記ケイ素は、負極活物質として機能する。また、負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて他の負極活物質、導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
上記ケイ素は、ケイ素単体として存在してもよく、ケイ素の化合物として存在してもよく、これらが混在していてもよい。ケイ素の化合物としては、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。これらの中でも、酸化ケイ素として存在することが好ましい。酸化ケイ素を用いることで、高率放電性能をより改善することなどができる。
上記酸化ケイ素は、例えばSiO(0<x<2)で表わすことができる。酸化ケイ素としては、SiO及びSiの両相を含む材料であることが好ましい。SiOのマトリックス中のSiにリチウム等が吸蔵放出されることで、体積膨張を抑えることができるので、放電容量が大きく、充放電サイクル性能に優れた非水電解質蓄電素子が得られるためである。上記xの下限は、0.8が好ましい。また、上記xの上限は、1.2が好ましい。
上記負極活物質層(負極合材)中のケイ素単体、ケイ素化合物及びこれらの混合物(以下、ケイ素材料ともいう)の含有量の下限としては、例えば40質量%が好ましく、60質量%がより好ましい。ケイ素材料の含有量を上記下限以上とすることで、容量をより大きくすることなどができる。一方、上記含有量の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。ケイ素材料の含有量を上記上限以下とすることで、良好な導電性を確保することなどができ、その結果高率放電性能をより高めることなどができる。
上記ケイ素以外に含まれていてもよい負極活物質としては、Sn等の金属又は半金属;Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(ソフトカーボン又はハードカーボン)等の炭素材料などが挙げられる。これらの中でも、炭素材料が好ましく、黒鉛がより好ましい。これらの炭素材料は、ケイ素に比べて充放電サイクル性能に優れ、また良好な導電性を有する。従って、ケイ素と炭素材料とを併用することによって、当該非水電解質蓄電素子の良好な高率放電性能を維持しつつ、容量維持率をより高めることなどができる。
ケイ素材料と炭素材料との混合比(ケイ素材料:炭素材料)としては、質量基準で例えば7:3以上9:1以下であることが好ましい。このような混合比とすることで、高率放電性能や容量維持率をより高めることなどができる。
さらに、負極合材(負極活物質層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機層が配設されていても良い。この無機層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方の面に無機層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機層は、通常、無機粒子及びバインダーとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質は、非水溶媒、電解質塩であるリチウムイミド塩、及びスルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物を含有する。なお、上記非水電解質は、液体に限定されるものではない。すなわち、上記非水電解質は、液体状のものだけに限定されず、固体状やゲル状のもの等も含まれる。
(非水溶媒)
上記非水溶媒としては、一般的な蓄電素子用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、特に限定されないが、例えば5:95以上50:50以下とすることが好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができる。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもDMC及びEMCが好ましい。
上記非水電解質は、上記非水溶媒としてフッ素化環状カーボネートを含むことが好ましい。上記フッ素化環状カーボネートとは、環状カーボネートが有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された化合物をいう。上記フッ素化環状カーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート等のフッ素化エチレンカーボネート、フッ素化プロピレンカーボネート、フッ素化ブチレンカーボネート等を挙げることができるが、フッ素化エチレンカーボネートが好ましく、FECがより好ましい。上記フッ素化環状カーボネートは、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
上記非水溶媒に占める上記フッ素化カーボネートの含有量の下限としては、1体積%が好ましく、5体積%がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、30体積%が好ましく、15体積%がより好ましい。フッ素化カーボネートの含有量を上記範囲とすることで、高率放電性能、容量維持率等をより改善することができる。
(リチウムイミド塩)
上記リチウムイミド塩としては、
LiN(SOF)(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド:LiFSI)、LiN(CFSO(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド:LiTFSI)、LiN(CSO(リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド:LiBETI)、LiN(CSO(リチウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド)、CF−SO−N−SO−N−SOCFLi、FSO−N−SO−CLi、CF−SO−N−SO−CF−SO−N−SO−CFLi、CF−SO−N−SO−CF−SOLi、CF−SO−N−SO−CF−SO−C(−SOCFLi等のリチウムスルホニルイミド塩;
LiN(POF(リチウムビス(ジフルオロホスホニル)イミド:LiDFPI)等のリチウムホスホニルイミド塩等を挙げることができる。リチウムイミド塩は、1種又は2種以上を用いることができる。
リチウムイミド塩は、フッ素原子を有することが好ましく、具体的には例えばフルオロスルホニル基、ジフルオロホスホニル基、フルオロアルキル基等を有することが好ましい。リチウムイミド塩の中でも、リチウムスルホニルイミド塩が好ましく、LiFSIがより好ましい。なお、正極基材がアルミニウムである場合、LIFSIを高濃度(例えば非水電解質中の濃度が1.5mol/kg以上)で用いることで、高電位で生じうる正極基材の腐食溶解を抑制することができる。また、同様に、CF−SO−N−SO−N−SOCFLiやFSO−N−SO−CLiを用いた場合も、正極基材の腐食溶解を抑制することができる。
また、同様に、CF−SO−N−SO−N−SOCFLi、FSO−N−SO−CLiやLiDFPIを用いた場合も、正極基材の腐食溶解を抑制することができる。
上記非水電解質における上記リチウムイミド塩の含有量の下限は、例えば0.5mol/kgであってもよく、1mol/kgであってもよいが、1.5mol/kgが好ましく、2mol/kgがより好ましく、2.5mol/kgがさらに好ましい。リチウムイミド塩の含有量を上記下限以上とすることで、高率放電性能や容量維持率をより高めることができる。一方、この含有量の上限は、例えば5mol/kgが好ましく、4mol/kgがより好ましく、3mol/kgがさらに好ましい。リチウムイミド塩の含有量を上記上限以下とすることで、高率放電性能や放電容量自体をより高めることなどができる。
(他の電解質塩)
上記非水電解質には、上記リチウムイミド塩以外の電解質塩がさらに含有されていてもよい。このような電解質塩としては、リチウムイミド塩以外のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができる。但し、上記非水電解質におけるリチウムイミド塩以外の電解質塩の含有量の上限としては、1mol/kgが好ましいことがあり、0.1mol/kgがより好ましいことがある。リチウムイミド塩以外の電解質塩の含有量を上記上限以下とすることで、高率放電性能や容量維持率をより高めることができる。
(スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物)
当該非水電解質蓄電素子においては、上記非水電解質が上記スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物(以下、単に「化合物」と称する場合がある。)を含むことなどにより、高率放電性能や比較的高温下での充放電サイクル後の容量維持率を高めることができる。
上記化合物の炭素数としては、例えば2〜10とすることができる。また、上記スルトン構造及び環状サルフェート構造の環員数としては、例えば4〜8とすることができ、5及び6が好ましい。すなわち、上記スルトン構造及び環状サルフェート構造は、五員環及び六員環が好ましい。
上記化合物は、通常、炭素原子、水素原子、硫黄原子及び酸素原子のみから構成されるが、その他の原子を含んでいてもよい。但し、上記化合物が、炭素原子、水素原子、硫黄原子及び酸素原子のみから構成されることが好ましい。これらの原子から構成されることで、より良好な高率放電性能等を発揮することができる。
上記化合物は、1つのみの環構造を有するものであってもよいが、複数の環構造を有することが好ましい。このような構造を有する化合物を用いることで、高率放電性能や容量維持率をより高めることができる。複数の環構造を有する化合物としては、複数のスルトン構造を有する化合物、複数の環状サルフェート構造を有する化合物、1以上のスルトン構造と1以上の環状サルフェート構造を有する化合物、スルトン構造又は環状サルフェート構造とその他の環構造を有する化合物を挙げることができる。これらの中では、複数のスルトン構造を有する化合物、複数の環状サルフェート構造を有する化合物、及び1以上のスルトン構造と1以上の環状サルフェート構造を有する化合物が好ましく、複数の環状サルフェート構造を有する化合物がより好ましい。
スルトン構造においては、環構造中に1のスルホン酸エステル構造を有していてもよく、2以上のスルホン酸エステル構造を有していてもよいが、1又は2のスルホン酸エステル構造を有することが好ましい。スルトン構造を有する化合物においては、1のみのスルトン構造を有することが好ましいこともある。また、スルトン構造を有する化合物においては、スルトン構造のみから構成されている、すなわちスルトン構造に結合する側鎖を有さない構造であるものが好ましいこともある。
スルトン構造を有する化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン、1−メチル−1,3−プロパンスルトン、3−メチル−1,3−プロパンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、3−フルオロ−1,3−プロパンスルトン、メチレンメタンジスルホン酸エステル等を挙げることができる。これらの中でも、1,3−プロペンスルトン及びメチレンメタンジスルホン酸エステルが好ましい。
環状サルフェート構造においては、環構造中に1の硫酸エステル構造を有していてもよく、2以上の硫酸エステル構造を有していてもよい。また、環状サルフェート構造を有する化合物は、その他のエステル構造(鎖状のスルホン酸エステル構造等)をさらに有していてもよい。
環状サルフェート構造を有する化合物としては、2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、4−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、4−エチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、ビス((2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチル)サルフェート、4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)等を挙げることができる。環状サルフェート構造を有する化合物としては、2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン構造を有するものが好ましく、4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン及び4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)がより好ましく、4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)がさらに好ましい。
上記非水電解質における上記化合物の含有量の下限としては、0.05質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。一方、この含有量の上限としては、5質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。上記化合物の含有量を上記下限以上及び上記上限以下とすることで、高率放電性能や容量維持率等をより改善することができる。
(添加剤)
上記非水電解質は、本発明の効果を阻害しない限り、上記非水溶媒、リチウムイミド塩を含む電解質塩、及びスルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物以外の成分を添加剤としてさらに含有していてもよい。上記添加剤としては、一般的な蓄電素子用非水電解質に含有される各種添加剤を挙げることができる。上記非水電解質における上記添加剤の含有量の上限としては、例えば5質量%であってよく、1質量%が好ましいこともあり、0.1質量%がより好ましいこともある。添加剤によっては、高率放電性能等に影響を与える場合がある。
上記非水電解質は、通常、上記非水溶媒に、リチウムイミド塩を含む電解質塩、及びスルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物等の各成分を添加し、溶解させることにより得ることができる。
<非水電解質蓄電素子の製造方法>
本発明の一実施形態に係る非水電解質蓄電素子の製造方法は、ケイ素を含む負極、及びリチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を用いる非水電解質蓄電素子の製造方法である。
上記製造方法は、例えば、正極を作製する工程、ケイ素を含む負極を作製する工程、リチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質を調製する工程、正極及び負極をセパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を容器に収容する工程、並びに上記容器に上記非水電解質を注入する工程を備える。注入後、注入口を封止することにより非水電解質蓄電素子を得ることができる。なお、上記負極を作製する工程は、ケイ素を含む負極合材のスラリーを用いて負極活物質層を形成する工程を備えることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、正極及び負極において、中間層を設けなくてもよく、明確な層構造を有していなくてもよい。例えば正極及び負極は、メッシュ状の基材に活物質が担持された構造などであってもよい。また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が非水電解質二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図1に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の非水電解質蓄電素子1(非水電解質二次電池)の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質蓄電素子1は、電極体2が容器3に収納されている。電極体2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質蓄電素子1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いたスルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物(添加剤)を以下に示す。
エステルa:下記式(a)で表される4,4’−ビス(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン)
エステルb:下記式(b)で表される4−メチルスルホニルオキシメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン
エステルc:下記式(c)で表されるメチレンメタンジスルホン酸エステル エステルd:下記式(d)で表される1,3−プロペンスルトン
Figure 2018181772
[実施例1]
(非水電解質の調製)
FEC:EMCを10:90の体積比で混合した非水溶媒に、電解質塩としてLiFSIを3.00mol/kgの濃度で溶解させ、これに上記エステルaを1.0質量%添加し、非水電解質を得た。
(非水電解質蓄電素子の作製)
組成式LiNi1/3Co1/3Mn1/3で表される正極活物質、アセチレンブラック、及びPVDFを94:3:3の質量比で含有する正極板を作製した。また、酸化ケイ素(SiO)、グラファイト、及びポリイミドを72:18:10の質量比で含有する負極板を作製した。次いで、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して、上記正極板と上記負極板とを積層することにより電極体を作製した。この電極体を金属樹脂複合フィルム製のケースに収納し、内部に上記非水電解質を注入した後、熱溶着により封口し、非水電解質蓄電素子(リチウムイオン二次電池)を得た。
[実施例2〜10、比較例1〜11]
負極活物質の種類、電解質塩の種類及び含有量、並びに添加剤の種類を表1〜8に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例1〜11の非水電解質蓄電素子を得た。なお、表の負極活物質の欄において、「Si+Gr(8:2)」は、酸化ケイ素(SiO)とグラファイトとの質量比8:2の混合物を示す。「Gr」は、グラファイトを示す。表の添加剤の欄において、「−」は、添加剤を使用していないことを示す。また、比較のため、同じ実施例又は比較例を複数の表に記載しているものもある。
[評価]
(1C放電容量確認試験)
表1〜3に記載の各実施例及び比較例の各非水電解質蓄電素子について、25℃において定電流過程の充電電流1.0C、充電終止電圧4.2V、定電圧過程の充電終止電流0.02Cとして定電流定電圧充電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。その後、放電電流1.0C、放電終止電圧2.5Vとして定電流放電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。この充放電を2サイクル実施し、2サイクル目の放電容量を「放電容量(1C)」とした。
(5C放電容量確認試験)
次いで、25℃において定電流過程の充電電流1.0C、充電終止電圧4.2V、定電圧過程の充電終止電流0.02Cとして定電流定電圧充電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。その後、放電電流5.0C、放電終止電圧2.5Vとして定電流放電を行い、このときの放電容量を「放電容量(5C)」とした。
得られた放電容量(1C)(mAh)及び放電容量(5C)(mAh)を表1〜3に示す。また、添加剤を添加していないこと以外は同じである比較例を基準(100.0%)とした放電容量(5C)の相対値(%)を表1〜3にあわせて示す。すなわち、放電容量(5C)の相対値は、表1については比較例1を基準とした値で有り、表2については比較例5を基準とした値で有り、表3については比較例7を基準とした値である。
Figure 2018181772
Figure 2018181772
Figure 2018181772
上記表1〜3に示されるように、実施例1〜4の非水電解質蓄電素子は、放電容量(5C)の絶対値及び相対値共に大きく、高率放電性能が高いことがわかる。特に表1の比較例1と実施例1〜4とを比べると、1Cでの放電容量はほとんど差異が無いのに対し、出力を高めた5Cでの放電容量については、添加剤を添加した実施例1〜4が顕著に高まっていることがわかる。
一方、表2に示されるように、電解質塩がLiPFである場合は、添加剤を添加することによって5Cにおける放電容量が低下している。同様に、表3に示されるように、負極活物質がグラファイトのみである場合も、添加剤を添加することによって5Cにおける放電容量が低下している。すなわち、高率放電性能が高まるという効果は、負極活物質にケイ素を用い、かつ電解質塩にリチウムイミド塩を用いた非水電解質蓄電素子において、その非水溶媒に特定の添加剤を添加した場合に生じる特有の効果であるといえる。
(放電容量(1C)、放電容量(2C)及び放電容量比(2C/1C)の測定)
表4〜7に記載の各実施例及び比較例の各非水電解質蓄電素子について、上記「1C放電容量確認試験」と同様の方法にて「放電容量(1C)」を求めた。また、放電電流を2.0Cとしたこと以外は、上記「5C放電容量確認試験」と同様にして、放電電流2.0Cにおける放電容量、すなわち「放電容量(2C)」を求めた。上記「放電容量(1C)」に対する上記「放電容量(2C)」の比(2C/1C)を百分率で求めた。この放電容量比(2C/1C)も高率放電性能の指標であり、この値が高いほど高率放電性能が高いと判断できる。この放電容量比(2C/1C)を表4〜7に示す。また、表4においては、「放電容量(1C)」及び「放電容量(2C)」の測定値も示す。
(充放電サイクル試験)
次いで、表4〜8に記載の各実施例及び比較例の各非水電解質蓄電素子について、以下のサイクル試験を行った。45℃において、充電電流1.0C、充電終止電圧4.2Vとして定電流定電圧充電した。充電の終了条件は、充電電流が0.02Cとなるまでとした。その後、10分間の休止期間を設けた。その後、放電電流1.0C、放電終止電圧2.5Vとして定電流放電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。この充放電を100サイクル実施した。なお、表8の各非水電解質蓄電素子についても、サイクル試験前に、上記「1C放電容量確認試験」と同様の方法にて、25℃における放電容量確認試験を行った。
その後、上記「1C放電容量確認試験」と同様の方法にて、25℃における放電容量確認試験を行った。初期の放電容量に対するサイクル試験後の放電容量を百分率で示したものを表4〜8に示す。なお、各表の容量維持率の欄において、「−」は評価を行っていないことを示す。
Figure 2018181772
Figure 2018181772
Figure 2018181772
Figure 2018181772
Figure 2018181772
上記表4〜7に示されるように、各実施例の非水電解質蓄電素子は、放電容量比、すなわち高率放電性能が高いことに加え、45℃の充放電サイクルにおける容量維持率も高いことがわかる。一方、表8に示されるように、電解質塩がLiPFである場合は、添加剤を添加しても容量維持率は変化していないか逆に低下している。従って、この容量維持率の向上効果は、電解質塩にリチウムイミド塩を用いた非水電解質蓄電素子において、その非水溶媒に特定の添加剤を添加した場合に生じる特有の効果であるといえる。
さらに、表4、5、7に示されるように、リチウムイミド塩の含有量を増加させることで、高率放電性能(放電容量比)及び容量維持率がより高まることがわかる。なお、表4からは、放電容量(1C)及び放電容量(2C)については、電解質塩の含有量が2.25mol/kg及び2.50mol/kgのときに最も大きくなっていることがわかる。また、表1、4〜7等からわかるように、添加剤の中では、複数の環構造を有するエステルaを用いた場合が、特に高率放電性能及び容量維持率が高い。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等の電源として使用される非水電解質蓄電素子に適用できる。
1 非水電解質蓄電素子
2 電極体
3 容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (5)

  1. ケイ素を含む負極、及び
    リチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質
    を備える非水電解質蓄電素子。
  2. 上記非水電解質における上記リチウムイミド塩の含有量が、1.5mol/kg以上5mol/kg以下である請求項1の非水電解質蓄電素子。
  3. 上記スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物が、複数の環構造を有する請求項1又は請求項2の非水電解質蓄電素子。
  4. 上記非水電解質が、フッ素化環状カーボネートをさらに含む請求項1、請求項2又は請求項3の非水電解質蓄電素子。
  5. ケイ素を含む負極、及び
    リチウムイミド塩と、スルトン構造又は環状サルフェート構造を有する化合物とを含む非水電解質
    を用いる非水電解質蓄電素子の製造方法。
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