JP7371396B2 - 非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高出力密度を有することから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。
このような非水電解液二次電池では、正極又は負極の活物質と非水電解液との界面で、充電時に非水電解液に含まれる溶媒が分解して充放電サイクル後の電池性能が低下することがある。これに対して、活物質の表面に被膜を形成することで、このような現象を抑制できることが広く知られている。
特許文献1には、環状硫黄系化合物の一種である環状スルホン酸化合物及び環状硫酸エステル化合物からなる少なくとも1種を含む非水電解液電池用電解液が開示されている。
WO2017/138452
上記のような環状硫黄系化合物を非水電解液が含むことで、70℃以上での高温貯蔵特性や、高温貯蔵時に発生するガス量の低減効果が得られることが報告されている。
しかしながら、充放電サイクル後の容量保持率については、更なる改善の余地があった。そこで、発明者らが検討を重ねたところ、非水電解液が環状硫黄系化合物と、特定の組成のイミド塩と同時に含むことで、充放電サイクル後の容量低下を抑制でき、容量保持率が改善することを見出した。
本発明は上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、充放電サイクル後の容量低下を抑制できる非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法を提供することである。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、非水電解液を備える非水電解液二次電池であって、上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、環状硫黄系化合物とを含み、上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上である、非水電解液二次電池である。
本発明の他の態様に係る非水電解液二次電池の製造方法は、非水電解液を準備する工程と、上記非水電解液を電池容器に注入する工程と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、 上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、環状硫黄系化合物とを含み、上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上である、非水電解液二次電池の製造方法である。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法によれば、充放電サイクル後の容量低下を抑制できる。
図1は、非水電解液二次電池の一実施形態を示す外観斜視図である。 図2は、非水電解液二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置の一実施形態を示す概略図である。
はじめに、本明細書によって開示される非水電解液二次電池及び非水電解液二次電池の製造方法について説明する。
本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、非水電解液を備える非水電解液二次電池であって、上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、環状硫黄系化合物とを含み、上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上である、非水電解液二次電池である。
この非水電解液二次電池によれば、充放電サイクル後の容量保持率を向上できる。
本発明を実施するにあたり、係る効果が得られる理由を明らかにする必要は無いが、例えば以下の理由が推測される。
環状硫黄系化合物は、充電状態の負極上で還元分解し、負極活物質の表面に被膜を形成すると考えられる。
ここで、非水電解液が、特定の組成のイミド塩をさらに含むことで、初期充放電時の環状硫黄系化合物の分解量が増加する。即ち、本実施形態に係る非水電解液では、負極活物質の表面での環状硫黄系化合物由来の被膜形成が促進される。
このため、当該非水電解液二次電池では、環状硫黄系化合物由来の良好な被膜が初期充放電時に形成され、その後の充放電による負極の劣化を抑制し、充放電サイクル後の容量低下を抑制できると推測される。
ここで、上記環状硫黄系化合物は、硫黄-酸素二重結合を分子内に含有してもよい。
また、上記環状硫黄系化合物は、環状硫酸エステル、環状スルホン酸エステル、又は環状亜硫酸エステルを含んでもよい。
このような構成とすることで、充放電サイクル後の容量の低下を効果的に抑制できる。これは、負極活物質の表面で良好な被膜が形成されるためと考えられる。
ここで、上記非水電解液二次電池は、正極と、負極とを備え、上記正極が、オリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含んでもよい。
正極にオリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む非水電解液二次電池では、充放電を繰り返すと、非水電解液中に遷移金属のイオンが溶出しやすい。非水電解液中に溶出した遷移金属のイオンは、負極上で析出して容量劣化を引き起こす場合がある。このため、係る問題を解決する本発明の効果を十分に享受することができる。
また、当該非水電解液二次電池では、初期充放電時に環状硫黄系化合物由来の被膜が形成されると推測される。このため、充放電サイクル後に容量劣化が引き起こされやすい正極活物質と組み合わせることで、効率的に充放電サイクル後の容量低下を抑制できることが期待される。
ここで、上記オリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物は、リン酸鉄リチウムであってもよい。リン酸鉄リチウムを含む非水電解液二次電池では、充放電の繰り返しによる鉄イオンの溶出、及び鉄イオンの負極上での析出による容量劣化が生じやすい。このため、係る問題を解決する本発明の効果を十分に享受することができる。
本発明の他の態様に係る非水電解液二次電池の製造方法は、非水電解液を準備する工程と、上記非水電解液を電池容器に注入する工程と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、 上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、環状硫黄系化合物とを含み、上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上である、非水電解液二次電池の製造方法である。
この非水電解液二次電池の製造方法によれば、充放電サイクル後の容量低下を抑制できる。
この理由は定かでは無いが、環状硫黄系化合物の分解が促進され、初期充放電時に良好な被膜形成がなされるためと推測される。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)の構成及び製造方法について、リチウムイオン二次電池(以下、単に「リチウム電池」ともいう。)を例に詳述する。なお、本明細書において特に言及している事柄以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<非水電解液二次電池>
本発明の一実施形態に係る電池は、非水電解液と、正極と、負極とを備える。
(非水電解液)
当該非水電解液二次電池は、非水電解液中にリチウムイミド塩及び環状硫黄系化合物を含む。本発明の一実施形態における非水電解液では、リチウムイミド塩及び環状硫黄系化合物は、非水溶媒に溶解した状態で存在する。
(リチウムイミド塩)
当該非水電解液二次電池の非水電解液は、リチウムイミド塩を含有する。本明細書において、「リチウムイミド塩」とは、窒素原子に2つのカルボニル基が結合された構造を有するリチウムイミド塩のみならず、窒素原子に2つのスルホニル基が結合された構造を有するものや、窒素原子に2つのホスホニル基が結合された構造を有するものも含む意味である。リチウムイミド塩は、例えば、一般式(1a)から一般式(1c)で表すことができる。
式(1a)
Figure 0007371396000001

式(1b)
Figure 0007371396000002

式(1c)
Figure 0007371396000003

(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立にフッ素原子、又はハロゲン原子で置換してもよい炭素数1から5のアルキル基を示す。)
リチウムイミド塩を構成するアニオンとしては、式(1a)から式(1c)を満たす限りにおいて特に限定されないが、例えば、N(FSO 、N(CFSO 、N(CSO 、N(CFSO)(CSO 、N(CFSO)(CSO 、N(FPO) 、N(FPO)(FSO等が挙げられる。これらの中でも、N(FSO 、N(CFSO 、N(CSO 、N(CFSO)(CSO 、及びN(CFSO)(CSO が好ましく、N(FSO 及びN(CFSO がより好ましく、N(FSO が特に好ましい。リチウムイミド塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
当該非水電解液二次電池の非水電解液では、非水電解液に含まれるすべてのリチウム塩の合計に対して、リチウムイミド塩が40mol%以上含まれる。この関係を満たす限りにおいて、非水電解液はリチウムイミド塩以外のリチウム塩を含んでもよい。リチウムイミド塩以外のリチウム塩は特に限定されないが、例えば、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiC(SOCF、LiC(SO等のハロゲン化炭化水素基を有するリチウム塩等が挙げられる。当該非水電解液二次電池がリチウムイミド塩以外のリチウム塩を含有する場合、上記の中でも無機リチウム塩を含有することが好ましく、LiPFを含有することがより好ましい。
非水電解液の単位体積あたりに含まれるすべてのリチウム塩の含有量の合計は、0.50moldm-3以上2.50moldm-3以下であると好ましく、0.60moldm-3以上2.00moldm-3以下であるとより好ましく、0.70moldm-3以上1.80moldm-3以下であるとさらに好ましく、0.75moldm-3以上1.50moldm-3以下であるとさらに好ましく、0.80moldm-3以上1.30moldm-3以下であると特に好ましい。非水電解液に含まれるリチウム塩の含有量を上記の範囲とすることで、非水電解液のイオン伝導度を高めることができる。なお、ここでいう非水電解液の単位体積あたりに含まれるすべてのリチウム塩の含有量とは、リチウム塩を加えた後の非水電解液の体積を基準とする。
充放電サイクル後の容量低下を抑制する本発明の効果を発揮する観点からは、リチウムイミド塩の含有量は多い方が好ましい。このため、非水電解液に含まれるすべてのリチウム塩の含有量の合計に対する、リチウムイミド塩の含有量の割合は、40mol%超であり、50mol%以上であると好ましく、60mol%以上であるとより好ましく、65mol%以上以下であるとさらに好ましく、75mol%以上であると特に好ましい。一方で、当該非水電解液二次電池の低コスト化の観点からは、リチウムイミド塩の含有量は少ない方が好ましい。このため、非水電解液に含まれるすべてのリチウム塩の含有量の合計に対する、リチウムイミド塩の含有量の割合は、100mol%以下であり、95mol%以下であると好ましく、90mol%以下であるとより好ましく、85mol%以下であるとさらに好ましく、80mol%以下であると特に好ましい。リチウムイミド塩として2種以上を混合して用いる場合、非水電解液に含まれるすべてのリチウムイミド塩の含有量の合計が、上記の数値範囲を満たすことが好ましい。リチウムイミド塩の含有量を上記の範囲とすることで、本発明の効果を確実に発揮しつつ、当該非水電解液二次電池の低コスト化を実現できる。
非水電解液の単位体積あたりに含まれるリチウムイミド塩の含有量は、0.10moldm-3以上1.50moldm-3以下であると好ましく、0.20moldm-3以上1.40moldm-3以下であるとより好ましく、0.30moldm-3以上1.30moldm-3以下であるとさらに好ましく、0.40moldm-3以上1.20moldm-3以下であるとよりさらに好ましく、0.50moldm-3以上1.10moldm-3以下であると特に好ましい。非水電解液に含まれるリチウムイミド塩の含有量を上記の範囲とすることで、充放電後の放電容量を向上する本発明の効果を確実に発揮しつつ、当該非水電解液の低コスト化を実現できる。
(環状硫黄系化合物)
当該非水電解液二次電池の非水電解液は、環状硫黄系化合物を含有する。本明細書において、「環状硫黄系化合物」とは、硫黄元素を含むヘテロ環構造を分子内に含有する有機化合物を意味する。
環状硫黄系化合物は、例えば、一般式(2)から一般式(9)で表すことができる。
式(2)
Figure 0007371396000004

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数2から4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。)
式(3)
Figure 0007371396000005

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数2から4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。)
式(4)
Figure 0007371396000006

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1から3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。nは0又は1である。)
式(5)
Figure 0007371396000007

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1から3の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。nは0又は1である。)
式(6)
Figure 0007371396000008

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1から5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、を示す。nは1から3の整数である。)
式(7)
Figure 0007371396000009

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1から6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。nは0から2の整数である。)
式(8)
Figure 0007371396000010

(式中、RからRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは非置換の炭素数1から5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数2から5の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、又は置換若しくは非置換の炭素数2から5の直鎖状若しくは分岐状のアルキニル基を示す。nは0又は1である。nが0のとき、R又はRと、R又はRとは互いに単結合を形成してもよい。)
式(9)
Figure 0007371396000011

(式中、R23からR26はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1から5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。n及びnはそれぞれ独立に0又は1である。)
上記一般式(2)で示される環状硫黄系化合物としては、1,3-ジチエタンが好ましい。
上記一般式(3)で示される環状硫黄系化合物としては、一般式(3a)から一般式(3c)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(3a)
Figure 0007371396000012

式(3b)
Figure 0007371396000013

式(3c)
Figure 0007371396000014
上記一般式(4)で示される環状硫黄系化合物としては、式(4a)から式(4h)で示される化合物から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(4a)
Figure 0007371396000015
式(4b)
Figure 0007371396000016
式(4c)
Figure 0007371396000017
式(4d)
Figure 0007371396000018
式(4e)
Figure 0007371396000019
式(4f)
Figure 0007371396000020
式(4g)
Figure 0007371396000021
式(4h)
Figure 0007371396000022
式(4i)
Figure 0007371396000023
式(4j)
Figure 0007371396000024
上記一般式(5)で示される環状硫黄系化合物としては、一般式(5a)から一般式(5c)で示される化合物から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(式5a)
Figure 0007371396000025
(式5b)
Figure 0007371396000026
(式5c)
Figure 0007371396000027
上記一般式(6)で示される環状硫黄系化合物としては、1,3-プロペンスルトン、1-メチル-1,3-プロペンスルトン、1-フルオロ-1,3-プロペンスルトン、1,1-ジメチル-1,3-プロペンスルトン、1,2-ジメチル-1,3-プロペンスルトン、2-メチル-1,3-プロペンスルトン、2-フルオロ-1,3-プロペンスルトン、3-メチル-1,3-プロペンスルトン、3-フルオロ-1,3-プロペンスルトン、1,4-ブテンスルトン、1-メチル-1,4-ブテンスルトン、1-フルオロ-1,4-ブテンスルトン、2-メチル-1,4-ブテンスルトン、2-フルオロ-1,4-ブテンスルトン、3-メチル-1,4-ブテンスルトン、3-フルオロ-1,4-ブテンスルトン、4-メチル-1,4-ブテンスルトン、4-フルオロ-1,4-ブテンスルトンから成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、1,3-プロペンスルトン、及び1,4-ブテンスルトンから選択される少なくとも1種であることがより好ましく、1,3-プロペンスルトンであるとさらに好ましい。
上記一般式(7)で示される環状硫黄系化合物としては、1,3-プロパンスルトン、α-トリフルオロメチル-γ-スルトン、β-トリフルオロメチル-γ-スルトン、γ-トリフルオロメチル-γ-スルトン、α-メチル-γ-スルトン、α,β-ジ(トリフルオロメチル)-γ-スルトン、α,α-ジ(トリフルオロメチル)-γ-スルトン、α-ヘプタフルオロプロピル-γ-スルトン、1,4-ブタンスルトン、及び1,5-ペンタンスルトンから成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、1,3-プロパンスルトン、及び1,4-ブタンスルトンから選択されることがより好ましい。
上記一般式(8)で示される環状硫黄系化合物としては、式(8a)から式(8h)で示される化合物から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、式(8d)で示される化合物であるとより好ましい。
(式8a)
Figure 0007371396000028
(式8b)
Figure 0007371396000029
(式8c)
Figure 0007371396000030
(式8d)
Figure 0007371396000031
(式8e)
Figure 0007371396000032
(式8f)
Figure 0007371396000033
(式8g)
Figure 0007371396000034
(式8h)
Figure 0007371396000035
上記一般式(9)で示される環状硫黄系化合物としては、式(9a)から式(9c)で示される化合物から成る群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、式(9a)で示される化合物であることがより好ましい。
(式9a)
Figure 0007371396000036
(式9b)
Figure 0007371396000037
(式9c)
Figure 0007371396000038
一般式(2)から一般式(9)で示される環状硫黄系化合物の中でも、一般式(3)、(6)、(7)、(8)、(9)で示されるものが好ましく、一般式(6)から一般式(9)で示されるものが特に好ましい。
また、環状硫黄系化合物として例示した化合物の中でも、化合物4a、化合物4b、化合物4d、及び化合物5aが特に好ましい。
非水電解液に含まれる環状硫黄系化合物の含有量は、あまりに少ないと充放電後の容量低下を抑制する本発明の効果が発揮され難く、あまりに多いと当該非水電解液二次電池の性能に悪影響を与える場合がある。これらの観点から、非水電解液に含まれる環状硫黄系化合物の含有量は、非水電解液全体の質量に対して、0.001質量%以上10質量%以下であると好ましく、0.005質量%以上5質量%以下であるとより好ましく、0.01質量%以上2質量%以下であるとさらに好ましい。なお、環状硫黄系化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の環状硫黄系化合物を混合して用いる場合、非水電解液に含まれるすべての環状硫黄系化合物の含有量を合計した値が、上記の数値範囲を満たすことが好ましい。
(非水溶媒)
非水溶媒としては、一般的な非水電解液二次電池用非水電解液の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、カルボン酸エステル、リン酸エステル、スルホン酸エステル、エーテル、アミド、ニトリル等が挙げられる。非水溶媒として、これらの化合物に含まれる水素原子の一部がハロゲンに置換されたものを用いてもよい。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、1-フェニルビニレンカーボネート、1,2-ジフェニルビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でもECが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート、トリフルオロエチルメチルカーボネート、ビス(トリフルオロエチル)カーボネート等が挙げられる。これらの中でもEMCが好ましい。
非水溶媒として、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。環状カーボネートを用いることで、電解質塩の解離を促進して非水電解液のイオン伝導度を向上させることができる。鎖状カーボネートを用いることで、非水電解液の粘度を低く抑えることができる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比率(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、例えば、5:95から50:50の範囲とすることが好ましい。
当該非水電解液は、リチウムイミド塩及び環状硫黄系化合物とは異なる成分として、電解液添加剤を含んでもよい。本明細書において、「電解液添加剤」とは、非水電解液に含まれる含有量が、非水電解液全体の質量に対して10質量%以下であるものを意味する。
電解液添加剤としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)等のハロゲン化炭酸エステル;リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロオキサレートボレート(LiFOB)、リチウムビス(オキサレート)ジフルオロホスフェート(LiFOP)等のシュウ酸エステル;ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t-ブチルベンゼン、t-アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2-フルオロビフェニル、o-シクロヘキシルフルオロベンゼン、p-シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分ハロゲン化物;2,4-ジフルオロアニソール、2,5-ジフルオロアニソール、2,6-ジフルオロアニソール、3,5-ジフルオロアニソール等のハロゲン化アニソール化合物;ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物;亜硫酸エチレン、亜硫酸ジメチル、硫酸ジメチル、チオアニソール、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジスルフィド、パーフルオロオクタン、ホウ酸トリストリメチルシリル、リン酸トリストリメチルシリル、チタン酸テトラキストリメチルシリル、モノフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム等が挙げられる。これら添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
非水電解液に含まれるこれらの添加剤の含有量は、非水電解液全体の質量に対して0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上7質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。添加剤の含有量を上記範囲とすることで、サイクル性能を向上させたり、安全性をより向上させたりすることができる。
本発明の一実施形態では、非水電解液と固体電解質とを併用してもよい。固体電解質としては、イオン伝導性を有し、常温(例えば15℃から25℃)において固体である任意の材料から選択できる。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、酸窒化物固体電解質、ポリマー固体電解質等が挙げられる。
(正極)
正極は、正極基材と、当該正極基材に直接又は中間層を介して配される正極活物質層とを有する。
正極基材は、導電性を有する。正極基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はこれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ、及びコストの観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。正極基材としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、正極基材としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2014年)に規定されるA1085、A3003等が例示できる。
正極基材の平均厚さは、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上40μm以下がより好ましく、8μm以上30μm以下がさらに好ましく、10μm以上25μm以下が特に好ましい。正極基材の平均厚さを上記の範囲とすることで、正極基材の強度を高めつつ、二次電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。「平均厚さ」とは、所定の面積の基材を打ち抜いた際の打ち抜き質量を、基材の真密度及び打ち抜き面積で除した値をいう。他の部材等に対して「平均厚さ」を用いる場合にも同様に定義される。
中間層は、正極基材と正極活物質層との間に配される層である。中間層は、炭素粒子等の導電性を有する粒子を含むことで正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば、樹脂バインダ及び導電性を有する粒子を含む。「導電性」を有するとは、JIS-H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
正極活物質層は、正極活物質を含む。正極活物質層は、必要に応じて、導電剤、バインダ(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
正極活物質としては、公知の正極活物質の中から適宜選択できる。リチウムイオン二次電池用の正極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。正極活物質としては、例えば、α-NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物、オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物、カルコゲン化合物、硫黄等が挙げられる。α-NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、例えば、Li[LiNi1-x]O(0≦x<0.5)、Li[LiNiγCo(1-x-γ)]O(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LiCo(1-x)]O(0≦x<0.5)、Li[LiNiγMn(1-x-γ)]O(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LiNiγMnβCo(1-x-γ-β]O(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)、Li[LiNiγCoβAl(1-x-γ-β]O(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)等が挙げられる。スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物として、LiMn,LiNiγMn(2-γ)等が挙げられる。オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物として、LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等が挙げられる。カルコゲン化合物として、二硫化チタン、二硫化モリブデン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの材料中の原子は、他の元素からなる原子で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、特定の正極活物質の表面を、他の正極活物質で被覆したものを用いてもよい。
当該非水電解液二次電池においては、正極活物質として、オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物を含有することが好ましく、オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物を単独で用いることが特に好ましい。オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物は、層状構造のリチウム遷移金属化合物に比べて遷移金属元素の溶出が生じやすい。非水電解液中に遷移金属元素が溶出すると、負極上で遷移金属が析出し、容量劣化が引き起こされる場合がある。このため、係る問題を解決する本発明の効果を十分に享受することができる。
オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物としては、上述した化合物等が挙げられるが、中でもLiPO4-qで表される化合物が好適に用いられる。式中、Mは1種以上の遷移金属元素を含む1種以上の金属元素である。xは0<x≦2であり、0.8≦x≦1.2であると好ましい。rは0.8≦r≦1.2である。qは0≦q≦0.5である。Mは、電解液への溶出が引き起こされやすく、本発明の課題を生じやすい観点から、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cuから成る群より選択される1種以上の金属元素を含むことが好ましく、Fe、Co、Mn、Niから成る群より選択される1種以上の金属元素であることがより好ましく、Fe及びMnより選択される1種以上の金属元素であることがさらに好ましく、Feであることが特に好ましい。すなわち、リン酸鉄リチウムであることが特に好ましい。
なお、上記オリビン構造を有するリチウム遷移金属化合物を示す式は、最初の充電処理(即ち、正極、負極、非水電解液等の二次電池を構成する要素を組み立てた後に初めて行う充電処理)が行われる前の状態の組成を示すものとする。
正極活物質の平均粒径は、例えば、0.01μm以上30μm以下とすることが好ましく、0.05μm以上20μm以下とすることがより好ましい。正極活物質粒子の平均粒径を上記の範囲とすることで、正極活物質粒子の取扱いを容易にしつつ、正極活物質層の電子伝導性を向上できる。なお、正極活物質と他の材料との複合体を用いる場合、該複合体の平均粒径を正極活物質の平均粒径とする。「平均粒径」とは、JIS-Z-8825(2013年)に準拠し、粒子を溶媒で希釈した希釈液に対しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS-Z-8819-2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を意味する。
正極活物質粒子は、一次粒子が分散した状態で正極活物質層に含まれてもよく、一次粒子が凝集して成る二次粒子の状態で正極活物質層に含まれてもよい。一次粒子の平均粒径としては、例えば、0.01μm以上2μm以下であることが好ましく、0.05μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。二次粒子の平均粒径としては、例えば、1μm以上30μm以下であることが好ましく、2μm以上20μm以下であることがより好ましい。
正極活物質層に含まれる正極活物質の含有量は特に限定されないが、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上97質量%以下であることがより好ましい。係る構成とすることで、正極のエネルギー密度を向上できる。
(任意成分)
本実施形態の正極活物質層は導電剤を含んでもよい。導電剤は、導電性を有する材料であれば特に限定されない。このような材料としては、例えば、炭素質材料、金属、導電性セラミックス等が挙げられる。炭素質材料としては、黒鉛化炭素、非黒鉛化炭素、グラフェン系炭素等が挙げられる。非黒鉛化炭素としては、カーボンナノファイバー、ピッチ系炭素繊維、カーボンブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。グラフェン系炭素としては、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレン等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。これらの中でも、電子伝導性及び塗工性の観点よりカーボンブラックが好ましく、中でもアセチレンブラックが好ましい。
正極活物質層における導電剤の含有量としては、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、3質量%以上9質量%以下であることがより好ましい。導電剤の含有量をこのような範囲とすることで、非水電解液二次電池の電気容量を高めることができる。
本実施形態の正極活物質層はバインダを含んでもよい。バインダとしては、正極活物質等を固定でき、かつ使用範囲で電気化学的に安定であるものが通常用いられる。バインダとしては、水系バインダを用いてもよいし、非水系バインダを用いてもよい。
水系バインダは、水に分散又は溶解するバインダである。中でも、20℃において、水100質量部に対して1質量部以上溶解するバインダが水系バインダとして好ましい。水系バインダとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ポリプロピレンオキサイド(ポリプロピレングリコール)、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンイミン(PEI)、ニトリル―ブタジエンゴム、セルロース等が挙げられる。
非水系バインダは、N-メチルピロドリン(NMP)等の非水溶媒に分散又は溶解するバインダである。中でも、20℃において、NMP100質量部に対して1質量部以上溶解するバインダが非水系バインダとして好ましい。非水系バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVDF―HFP)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロースとキトサンピロリドンカルボン酸塩との架橋重合体、キチン又はキトサンの誘導体等が挙げられる。
バインダを用いる場合、バインダが水系であれば水を分散媒とするペーストを形成し、バインダが非水系であれば非水溶媒を分散媒とするペーストを形成する。形成したペーストは、正極基材に塗布・乾燥し、正極活物質層を形成する。
本実施形態の正極活物質層は増粘剤を含んでもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。増粘剤がリチウム等と反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させてもよい。
本実施形態の正極活物質層はフィラーを含んでもよい。フィラーは、特に限定されない。フィラーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、二酸化ケイ素、アルミナ、二酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩等の無機酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、炭酸カルシウム等の炭酸塩、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム等の難溶性のイオン結晶、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物、タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカ等の鉱物資源由来物質又はこれらの人造物等が挙げられる。
正極活物質層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、Sn、Sr、Ba、W等の遷移金属元素を正極活物質、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
(負極)
負極は、負極基材と、当該負極基材に直接又は中間層を介して配される負極活物質層とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極で例示した構成から選択することができる。
負極基材は、導電性を有する。負極基材の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等の金属又はこれらの合金が用いられる。これらの中でも銅又は銅合金が好ましい。負極基材としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、負極基材としては銅箔又は銅合金箔が好ましい。銅箔の例としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。
負極基材の平均厚さは、2μm以上35μm以下が好ましく、3μm以上30μm以下がより好ましく、4μm以上25μm以下がさらに好ましく、5μm以上20μm以下が特に好ましい。負極基材の平均厚さを上記の範囲とすることで、負極基材の強度を高めつつ、二次電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。
負極活物質層は、負極活物質を含む。必要に応じて導電剤、バインダ(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、上記正極で例示した材料から選択できる。
負極活物層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を負極活物質、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
負極活物質としては、公知の負極活物質の中から適宜選択できる。非水電解液二次電池の中でも、リチウムイオン二次電池用の負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。負極活物質としては、例えば、金属Li;Si、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Ti酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;LiTi12、LiTiO2、TiNb等のチタン含有酸化物;ポリリン酸化合物;炭化ケイ素;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。これらの材料の中でも、黒鉛及び非黒鉛質炭素が好ましい。負極活物質層においては、これら材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、中でも炭素材料のみを含むことが好ましい。
炭素材料のみから成る負極活物質は、Si、Sn等の金属又は半金属や、Si酸化物、Ti酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物等に比べ、作動電位が低い。これにより、正極電位を低くしつつ、非水電解液二次電池の充電電圧を高くすることができる。このため、充放電サイクル容量特性と、高エネルギー密度を両立することができる。
「黒鉛」とは、充放電前又は放電状態において、X線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.33nm以上0.34nm未満の炭素材料をいう。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。安定した物性の材料を入手できるという観点で、人造黒鉛が好ましい。
「非黒鉛質炭素」とは、充放電前又は放電状態においてX線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.34nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。非黒鉛質炭素としては、難黒鉛化性炭素や、易黒鉛化性炭素が挙げられる。非黒鉛質炭素としては、例えば、樹脂由来の材料、石油ピッチまたは石油ピッチ由来の材料、石油コークスまたは石油コークス由来の材料、植物由来の材料、アルコール由来の材料等が挙げられる。
ここで、「放電状態」とは、負極活物質として炭素材料を含む負極を作用極として、金属Liを対極として用いた単極電池において、開回路電圧が0.7V以上である状態をいう。開回路状態での金属Li対極の電位は、Liの酸化還元電位とほぼ等しいため、上記単極電池における開回路電圧は、Liの酸化還元電位に対する炭素材料を含む負極の電位とほぼ同等である。つまり、上記単極電池における開回路電圧が0.7V以上であることは、負極活物質である炭素材料から、充放電に伴い吸蔵放出可能なリチウムイオンが十分に放出されていることを意味する。
「難黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.36nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。
「易黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.34nm以上0.36nm未満の炭素材料をいう。
負極活物質の平均粒径は、例えば、1μm以上100μm以下とすることができる。負極活物質の平均粒径を上記下限以上とすることで、負極活物質の製造又は取り扱いが容易になる。負極活物質の平均粒径を上記上限以下とすることで、負極活物質層の電子伝導性が向上する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、60質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上98質量%以下であることがより好ましい。負極活物質の含有量を上記下限以上とすることで、非水電解液二次電池のエネルギー密度を高めることができる。負極活物質の含有量を上記上限以下とすることで、負極の製造が容易になる。
(セパレータ)
セパレータは、公知のセパレータの中から適宜選択できる。セパレータとして、例えば、基材層のみからなるセパレータ、基材層の一方の面又は双方の面に耐熱粒子とバインダとを含む耐熱層が形成されたセパレータ等を使用することができる。セパレータの基材層の材質としては、例えば、織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が挙げられる。これらの材質の中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解液の保液性の観点から不織布が好ましい。セパレータの基材層の材料としては、シャットダウン機能の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料を用いてもよい。
耐熱層に含まれる耐熱粒子は、大気下で500℃にて重量減少が5%以下であるものが好ましく、大気下で800℃にて重量減少が5%以下であるものがさらに好ましい。重量減少が所定以下である材料として無機化合物が挙げられる。無機化合物として、例えば、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、アルミノケイ酸塩等の酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物;炭酸カルシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム等の硫酸塩;フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶;タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカ等の鉱物資源由来物質又はこれらの人造物等が挙げられる。無機化合物として、これらの物質の単体又は複合体を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの無機化合物の中でも、蓄電素子の安全性の観点から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、又はアルミノケイ酸塩が好ましい。
セパレータの空孔率は、強度の観点から80体積%以下が好ましく、放電性能の観点から20体積%以上が好ましい。ここで、「空孔率」とは、体積基準の値であり、水銀ポロシメータでの測定値を意味する。
セパレータとして、ポリマーと非水電解液とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。ポリマーとして、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。ポリマーゲルを用いると、漏液を抑制する効果がある。セパレータとして、上述したような多孔質樹脂フィルム又は不織布等とポリマーゲルを併用してもよい。
<非水電解液二次電池の製造方法>
当該非水電解液二次電池の製造方法は、公知の方法から適宜選択できる。例えば、当該非水電解液二次電池の製造方法は、非水電解液を準備する工程と、非水電解液を電池容器に注入する工程と、を備える。
非水電解液を準備する工程では、リチウムイミド塩と、環状硫黄系化合物とを含む非水電解液であって、上記非水電解液に含まれるリチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して40mol%以上である非水電解液を準備する。非水電解液を準備する方法は特に限定されず、例えば、非水電解液の各成分を混合して準備してもよく、工業的に製造され販売されたものを準備してもよい。
非水電解液を電池容器に注入する工程は特に限定されず、例えば、非水電解液を電池容器に形成された注入口から注入した後、注入口を封止してもよい。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極及び負極において、中間層は設けなくてもよい。また、当該非水電解液二次電池の正極及び負極において、正極活物質層や負極活物質層は明確な層を形成しなくてもよい。例えば、上記正極は、メッシュ状の正極基材に正極活物質層が担持された構造などであってもよい。
図1に、本発明に係る非水電解液二次電池の一実施形態である矩形状の非水電解液二次電池1の概略図を示す。なお、同図は、電池容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解液二次電池1は、電極体2が電池容器3に収納されている。電極体2は、正極合剤を備える正極と、負極合剤を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード41を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード51を介して負極端子5と電気的に接続されている。また、電池容器3には、非水電解液が注入されている。
本発明に係る非水電解液二次電池の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解液二次電池を複数備える蓄電装置としても実現することができる。この場合、蓄電装置に含まれる少なくとも一つの非水電解液二次電池に対して、本発明の技術が適用されていればよい。蓄電装置の一実施形態を図2に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解液二次電池1を備えている。蓄電装置30は、二以上の蓄電素子1を電気的に接続するバスバ(図示せず)、二以上の蓄電ユニット20を電気的に接続するバスバ(図示せず)を備えていてもよい。蓄電ユニット20又は蓄電装置30は、一以上の蓄電素子の状態を監視する状態監視装置(図示せず)を備えていてもよい。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(正極の作製)
正極活物質として、カーボンコートしたLiFePO4粒子、導電剤としてアセチレンブラック、及びバインダとしてポリフッ化ビニリデンを用いた。正極活物質粒子、導電剤、及びバインダの比率をそれぞれ90質量%、5質量%及び5質量%とした混合物に、N-メチル-ピロリドン(NMP)を適量加えて粘度を調整し、正極合剤ペーストを作製した。この正極合剤ペーストを、アルミニウム箔の両面に、未塗布部(正極活物質層非形成部)を残して塗布し、乾燥することにより正極活物質層を作製した。その後、ロールプレスを行い、正極を作製した。
(負極の作製)
負極活物質として黒鉛、バインダとしてスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた。負極活物質、バインダ及び増粘剤をそれぞれ97質量%、2質量%及び1質量%とした混合物に水を適量加えて粘度を調整し、負極合剤ペーストを作製した。この負極合剤ペーストを、銅箔の両面に、未塗布部(負極活物質層非形成部)を残して塗布し、乾燥することにより負極活物質層を作製した。その後、ロールプレスを行い、負極を作製した。
(セパレータの準備)
セパレータとしてポリエチレン製微多孔膜を用いた。
(非水電解液の準備)
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、及びエチルメチルカーボネート(EMC)をそれぞれ20体積%、35体積%、及び45体積%となるように混合した溶媒を準備した。準備した溶媒に、LiFSI及びLiPFを、それぞれ塩濃度が0.70moldm-3及び0.20moldm-3となるように溶解させた。さらに、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)をそれぞれ含有量が非水電解液全体の質量に対して1.0質量%となるよう添加することにより、非水電解液を調整した。なお、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)は環状硫酸エステルであり、本発明における環状硫黄系化合物に相当する。
(非水電解液二次電池の作製)
上記手順にて得られた正極と、負極と、セパレータとを積層して巻回した。その後、正極の正極活物質層非形成部及び負極の負極活物質層非形成部を正極リード及び負極リードにそれぞれ溶接して金属製の電池容器に封入し、電池容器と蓋板とを溶接後、上記にて得られた非水電解液を注入して封口した。この様にして、実施例1の非水電解液二次電池を作製した。
[実施例2、実施例4、実施例5]
非水電解液のLiFSI及びLiPFの塩濃度を、0.60moldm-3並びに0.30moldm-3、0.30moldm-3並びに0.20moldm-3、及び0.20moldm-3並びに0.30moldm-3にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2、実施例4、及び実施例5の非水電解液二次電池を作製した。
[実施例3]
非水電解液のLiFSIの塩濃度を、0.50moldm-3に変更し、LiPFを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解液二次電池を作製した。
[比較例1、比較例3]
非水電解液のLiFSI及びLiPFの塩濃度を、0.20moldm-3並びに0.70moldm-3、及び0.10moldm-3並びに0.40moldm-3、にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1及び比較例3の非水電解液二次電池を作製した。
[比較例2、比較例4]
非水電解液にLiFSIを加えず、LiPFの塩濃度を0.9moldm-3及び0.5moldm-3にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2及び比較例4の非水電解液二次電池を作製した。
[評価]
得られた非水電解液二次電池について、以下の方法で評価を行った。
(初期放電容量の測定)
各非水電解液二次電池について、25℃の恒温槽中で、充電電流550mAにて3.6Vまで充電し、さらに3.6Vの定電圧で合計3時間充電した後、放電電流550mAにて2.0Vまで定電流放電を行うことにより初期放電容量を測定した。
(充放電サイクル試験)
各非水電解液二次電池について、60℃の恒温槽中で、充電電流550mAにて3.6Vまで充電し、さらに3.6Vの定電圧で合計3時間充電した後、放電電流550mAにて2.0Vまで定電流放電する充放電サイクル試験を250サイクル行った。
(250サイクル後放電容量の測定)
充放電サイクル試験を行った各非水電解液二次電池を25℃に冷却し、初期放電容量を測定した条件と同様の方法で250サイクル後放電容量を測定した。各非水電解液二次電池の初期放電容量に対する250サイクル後の放電容量の比を求め、容量保持率とした。さらに、実施例1、実施例2及び比較例1の非水電解液二次電池について、比較例2に対する250サイクル後の放電容量比及び250サイクル後の容量保持率比を算出した。また、実施例3、実施例4、実施例5及び比較例3の非水電解液二次電池について、比較例4に対する250サイクル後の放電容量比及び250サイクル後の容量保持率比を算出した。
(初期放電容量の測定後の環状硫酸エステル含有量の測定)
実施例1、比較例1、及び比較例2の初期放電容量を測定した後の非水電解液について、ガスクロマトグラフィーを用いて定量を行い、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)の含有量を測定した。
表1に、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の非水電解液二次電池の初期放電容量の測定後の環状硫酸エステル含有量、比較例2に対する250サイクル後の放電容量比、及び比較例2に対する250サイクル後の容量保持率比を示す。
Figure 0007371396000039
表2に、実施例3、実施例4、実施例5、比較例3及び比較例4の非水電解液二次電池の、比較例4に対する250サイクル後の放電容量比、及び比較例4に対する250サイクル後の容量保持率比を示す。
Figure 0007371396000040
表1及び表2から明らかなように、実施例の非水電解液二次電池では、比較例の非水電解液二次電池に比べ、250サイクル後の容量保持率に優れる。このため、実施例の非水電解液二次電池では、充放電後の容量低下を抑制できることが明らかとなった。
また、実施例1の非水電解液二次電池は、比較例1及び比較例2に比べて、初期放電容量の測定後の非水電解液に含まれる環状硫酸エステルの含有量が少ないことが分かる。つまり、実施例1の非水電解液二次電池では、比較例1及び比較例2に比べ、初期充放電時における環状硫黄系化合物の分解量が多いことが理解される。このことから、実施例の非水電解液二次電池では、初期充放電時に、環状硫黄系化合物由来の良好な被膜が形成されたために、充放電サイクル後の容量低下を抑制できたと考えられる。
このように、充放電サイクル後の容量低下を抑制する本発明の効果は、非水電解液に環状硫黄系化合物と、リチウムイミド塩とを同時に含むことで、初めて発揮することができるものである。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態は例示に過ぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 非水電解液二次電池
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
41 正極リード
5 負極端子
51 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (5)

  1. 非水電解液と負極とを備える非水電解液二次電池であって、
    上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)とを含み、
    上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上であり、
    上記負極は負極活物質を含み、上記負極活物質は炭素材料のみからなる、非水電解液二次電池。
  2. 正極を備え、上記正極は正極活物質を含み、上記正極活物質はオリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 非水電解液と正極とを備える非水電解液二次電池であって、
    上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)とを含み、
    上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上であり、
    上記正極は正極活物質を含み、上記正極活物質はオリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む、非水電解液二次電池。
  4. 非水電解液及び負極を準備する工程と、
    上記非水電解液を電池容器に注入する工程と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、
    上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)とを含み、
    上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上であり、
    上記負極は負極活物質を含み、上記負極活物質は炭素材料のみからなる、非水電解液二次電池の製造方法。
  5. 非水電解液及び正極を準備する工程と、
    上記非水電解液を電池容器に注入する工程と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、
    上記非水電解液は、リチウムイミド塩と、4,4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン)とを含み、
    上記非水電解液に含まれる上記リチウムイミド塩の含有量が、上記非水電解液に含まれるリチウム塩の全量に対して、40mol%以上であり、
    上記正極は正極活物質を含み、上記正極活物質はオリビン構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含む、非水電解液二次電池の製造方法。


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