JP6658203B2 - 二次電池用非水電解質、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池用非水電解質、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池用非水電解質、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などに多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。
非水電解質二次電池においては、充放電サイクル性能等を向上させるために、非水電解質に各種添加剤を添加する技術が検討されている。具体的な技術としては、充放電サイクル特性等を高めるために、水酸基やアルコキシ基等を置換基として有するビフェニル誘導体が添加された二次電池用非水電解質や、4−ビフェニルボロン酸等のボロン酸が添加された二次電池用非水電解質が提案されている(特許文献1、2参照)。しかし、上記添加剤が含有された非水電解質を用いた場合においても充放電サイクルにおける容量維持率は十分ではなく、より容量維持率の高い非水電解質二次電池の開発が求められている。
特開2001−332297号公報 特開2009−245829号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができる二次電池用非水電解質、この非水電解質を備える非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、非水溶媒に電解質塩が溶解する二次電池用非水電解質であって、ビフェニルの2以上の水素原子がそれぞれ電子吸引性かつメタ配向性の置換基で置換されているビフェニル誘導体を含有することを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、上記非水電解質として、上記二次電池用非水電解質が用いられていることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、上記非水電解質として、上記二次電池用非水電解質を用いることを特徴とする。
本発明によれば、充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができる二次電池用非水電解質、この非水電解質を備える非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池用非水電解質、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池の製造方法について詳説する。
<二次電池用非水電解質>
本発明の一実施形態に係る二次電池用非水電解質(以下、単に「非水電解質」ということもある。)は、非水溶媒に電解質塩が溶解する二次電池用非水電解質であって、ビフェニルの2以上の水素原子がそれぞれ電子吸引性かつメタ配向性の置換基で置換されているビフェニル誘導体を含有する。
<ビフェニル誘導体>
上記ビフェニル誘導体は、上述のようにビフェニル(C−C)が有する2以上の水素原子がそれぞれ電子吸引性かつメタ配向性の置換基で置換されている構造を有する。すなわち、上記ビフェニル誘導体においては、ビフェニルが有する2つのベンゼン環に合計2以上の電子吸引性かつメタ配向性の置換基が結合している。
当該非電池用非水電解質は、このようなビフェニル誘導体を含有することによって、充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができる。この理由は定かでは無いが、以下の理由が推察される。従来より、ビフェニルを非水電解質に添加することで、非水電解質二次電池における容量維持率を高めることができることが知られている(上記特許文献1参照)。これは、ビフェニルが正極上で酸化分解し、正極表面に被膜を形成し、この被膜が電解質の酸化分解反応を抑制することによると推定される。しかし、置換基を有さないビフェニルや、水酸基、アルコキシ基等の電子供与性の置換基を有するビフェニル誘導体から上記被膜が形成された場合、ベンゼン環の高い電子密度により、被膜が電子伝導性を有する状態になる。このように被膜が電子伝導性を有する場合、電解質の酸化分解反応を効果的に抑制することができない。そこで、2以上の電子吸引性かつメタ配向性の置換基を有するビフェニル誘導体を用いることで、ビフェニルが有するベンゼン環の電子密度を下げることができる。特に、メタ配向性の置換基は、通常、誘起効果において電子求引性を有し、かつ共鳴効果においては電子供与性を有さない、好ましくは共鳴効果においても電子求引性を有する置換基である。このため、メタ配向性の置換基は、ビフェニルが有するベンゼン環の電子密度を特に大きく下げることができる。一方、誘起効果において電子求引性を有するが、共鳴効果において電子供与性を有するオルト・パラ配向性の置換基であるハロゲン原子などは、ビフェニルが有するベンゼン環の電子密度を十分に下げることができないと推察される。すなわち、2以上の電子吸引性かつメタ配向性の置換基を有するビフェニル誘導体から形成された被膜は電子伝導性が低く、電解質の酸化分解反応を効果的に抑制することができ、充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができると推察される。
上記電子吸引性かつメタ配向性の置換基としては、ボロン酸基(−B(OH))、スルホン酸基(−SOH)、ニトロ基(−NO)、シアノ基(−CN)、カルボキシ基(−COOH)、ホルミル基(−CHO)、アルコキシカルボニル基(−COOR:Rはアルキル基)、アシル基(−COR:Rは炭化水素基)、トリフルオロメチル基(−CF)、トリクロロメチル基(−CCl)、−N(CH等を挙げることができる。2以上のこれらの置換基は、同一でも異なっていてもよい。また、2つのカルボキシ基同士が結合して酸無水物基を形成していてもよい。
上記電子吸引性かつメタ配向性の置換基の中でも、誘起効果及び共鳴効果の双方で電子求引性基を有する基であることが好ましい。このような置換基である場合、相乗的にビフェニルのベンゼン環の電子密度を下げることができ、充放電サイクルにおける容量維持率をより効果的に高めることができる。このような誘起効果及び共鳴効果の双方で電子求引性基を有する基としては、ボロン酸基、スルホン酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ホルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基等を挙げることができる。
上記置換基としては、ボロン酸基、スルホン酸基又はニトロ基を含むことが好ましく、上記置換基が、それぞれ独立して、これらの基のいずれかであることがより好ましい。これらの置換基を用いることで、充放電サイクルにおける容量維持率をより高めることができる。これらの2以上の上記置換基は、同一又は異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
上記置換基としては、酸性基を含むことも好ましい。上記酸性基としては、ボロン酸基、スルホン酸基、カルボキシ基等を挙げることができ、ボロン酸基及びスルホン酸基が好ましく、ボロン酸基がさらに好ましい。また、上記置換基が、全て酸性基であることが好ましく、それぞれ独立して、ボロン酸基又はスルホン酸基であることがより好ましく、ボロン酸基であることがさらに好ましい。このような置換基を用いることで、非水電解質二次電池における容量維持率をより高めることに加えて、入出力特性をも高めることができる。これらの2以上の上記置換基は、同一又は異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
上記ビフェニル誘導体は、電子吸引性かつメタ配向性の置換基以外の他の置換基を有することができるが、他の置換基を有さない方が好ましい。
上記ビフェニル誘導体が有する電子吸引性かつメタ配向性の置換基の数としては、2以上である限り特に限定されないが、構造上、上限は10である。この置換基の数は、多いほど、ベンゼン環の電子密度を低下させることができる点からは好ましいと推測されるが、ビフェニル誘導体の入手容易性、合成容易性等を考慮すると、この置換基数は4以下が好ましく、2がより好ましい。
上記ビフェニル誘導体としては、(a)ビフェニルが有する2つのベンゼン環のそれぞれに1以上の上記置換基が結合したビフェニル誘導体や、(b)ビフェニルが有する2つのベンゼン環のうちの一方のみに2以上の上記置換基が結合したビフェニル誘導体を挙げることができる。これらの中でも(a)のビフェニル誘導体が好ましい。各ベンゼン環に電子吸引性かつメタ配向性の置換基が結合していることで、各ベンゼン環の電子密度を特に効果的に下げることができる。このため、このようなビフェニル誘導体から形成される被膜の電子密度を効果的に下げることができ、充放電サイクルにおける容量維持率をより高めることができる。
上記ビフェニル誘導体としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006658203
式(1)中、R及びRは、上記置換基である。nは1〜4の整数である。mは1〜4の整数である。
上記R及びRで表される電子吸引性かつメタ配向性の置換基の具体例は上述したとおりである。RとRとは同一でも異なっていてもよい。また、Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。上記R及びRで表される上記置換基の好ましい基も、上述したとおりである。すなわち、R及びRは、それぞれ独立して、ボロン酸基、スルホン酸基又はニトロ基であることが好ましく、ボロン酸基又はスルホン酸基であることがより好ましく、ボロン酸基であることがさらに好ましい。
上記nは1〜4の整数であるが、ビフェニル誘導体の入手の容易性、生産性等の点からは、nが1であることが好ましい。
上記mは1〜4の整数であるが、同様に、ビフェニル誘導体の入手の容易性、生産性等の点からは、mが1であることが好ましい。
nが1であり、かつmが1である場合、R及びRの結合位置としては、4位及び4’位であることが好ましい。
上記式(1)で表されるビフェニル誘導体としては、4,4’−ビフェニルジボロン酸、4,4’−ビフェニルジスルホン酸、4,4’−ジニトロビフェニル、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル等を挙げることができる。
これらの中でも、4,4’−ビフェニルジボロン酸、4,4’−ビフェニルジスルホン酸及び4,4’−ジニトロビフェニルが好ましく、4,4’−ビフェニルジボロン酸及び4,4’−ビフェニルジスルホン酸がより好ましく、4,4’−ビフェニルジボロン酸がさらに好ましい。
上記式(1)で表されるビフェニル誘導体以外のビフェニル誘導体としては、例えば3,4−ビフェニルジボロン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸、3,4−ビフェニルジカルボン酸ジメチル等を挙げることができる。
当該非水電解質における上記化合物の含有量の下限としては、特に限定されないが、0.05質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましい。上記化合物の含有量を上記下限以上とすることにより、充放電サイクルにおける容量維持率をより高めることができる。なお、この含有量の上限としては、特に限定されないが、例えば5質量%であり、1質量%であってもよく、0.5質量%であってもよい。
<非水溶媒>
上記非水溶媒としては、一般的な二次電池用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、特に限定されないが、例えば5:95以上50:50以下とすることが好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1−フェニルビニレンカーボネート、1,2−ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもECが好ましい。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもEMCが好ましい。
<電解質塩>
上記電解質塩としては、一般的な二次電池用非水電解質の電解質塩として通常用いられる公知の電解質塩を用いることができる。上記電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。
上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。これらの中でも、無機リチウム塩が好ましく、LiPFがより好ましい。
当該非水電解質における上記電解質塩の含有量の下限としては、0.1Mが好ましく、0.3Mがより好ましく、0.5Mがさらに好ましく、0.7Mが特に好ましい。一方、この上限としては、特に限定されないが、2.5Mが好ましく、2Mがより好ましく、1.5Mがさらに好ましい。
当該非水電解質は、本発明の効果を阻害しない限り、上記ビフェニル誘導体、上記非水溶媒、及び上記電解質塩以外の他の成分を含有していてもよい。上記他の成分としては、一般的な二次電池用非水電解質に含有される各種添加剤を挙げることができる。但し、これらの他の成分の含有量としては、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましいこともある。
当該非水電解質は、上記非水溶媒に上記電解質塩、及び上記ビフェニル誘導体を添加し、溶解させることにより得ることができる。
<非水電解質二次電池>
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備える。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された発電要素を形成する。この発電要素はケースに収納され、このケース内に上記非水電解質が充填される。当該非水電解質二次電池においては、非水電解質として、上述した二次電池用非水電解質が用いられている。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、非水電解質二次電池のケースとして通常用いられる公知のアルミニウムケース等を用いることができる。
当該非水電解質二次電池によれば、上記ビフェニル誘導体を含有する非水電解質を用いることで、充放電サイクルにおける容量維持率を高めることができる。また、置換基として、ボロン酸基、スルホン酸基等を有するビフェニル誘導体を用いた場合、入出力特性をも高めることができる。
<正極>
上記正極は、正極集電体、及びこの正極集電体に直接又は中間層を介して配される正極活物質層を有する。
上記正極集電体は、導電性を有する。集電体の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極集電体の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。つまり、正極集電体としてはアルミニウム箔が好ましい。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS−H−4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
中間層は、正極集電体の表面の被覆層であり、炭素粒子等の導電性粒子を含むことで正極集電体と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。なお、「導電性」を有するとは、JIS−H−0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。
正極活物質層は、正極活物質を含むいわゆる正極合材から形成される。また、正極活物質層を形成する正極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα―NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1−α),LiNiαMnβCo(1−α−β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2−α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記導電剤としては、電池性能に悪影響を与えない導電性材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、天然又は人造の黒鉛、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、金属、導電性セラミックスなどが挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。
上記バインダー(結着剤)としては、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子などが挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、電池性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素などが挙げられる。
<負極>
上記負極は、負極集電体、及びこの負極集電体に直接又は中間層を介して配される負極活物質層を有する。上記中間層は正極の中間層と同様の構成とすることができる。
上記負極集電体は、正極集電体と同様の構成とすることができるが、材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金が用いられ、銅又は銅合金が好ましい。つまり、負極集電体としては銅箔が好ましい。銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔等が例示される。
負極活物質層は、負極活物質を含むいわゆる負極合材から形成される。また、負極活物質層を形成する負極合材は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等の任意成分は、正極活物質層と同様のものを用いることができる。
負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材質が用いられる。具体的な負極活物質としては、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物;黒鉛(グラファイト)、非晶質炭素(易黒鉛化炭素または難黒鉛化性炭素)等の炭素材料などが挙げられる。
さらに、負極合材(負極活物質層)は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を含有してもよい。
<セパレータ>
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも多孔質樹脂フィルムが好ましい。多孔質樹脂フィルムの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。また、これらの樹脂とアラミドやポリイミド等の樹脂とを複合した多孔質樹脂フィルムを用いてもよい。
<非水電解質二次電池の製造方法>
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法は、正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、上記非水電解質として、当該二次電池用非水電解質を用いることを特徴とする。当該製造方法は、例えば、正極と負極とを収容するケースに非水電解質を注入する工程を備える。
上記注入は、公知の方法により行うことができる。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池を得ることができる。当該製造方法によって得られる非水電解質二次電池を構成する各要素についての詳細は上述したとおりである。当該非水電解質二次電池の製造方法によれば、上記ビフェニル誘導体を含有する非水電解質を用いることで、充放電サイクルにおける容量維持率が高い非水電解質二次電池を製造することができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極において、中間層を設けなくてもよい。また、例えば、非水電解質としてポリマー固体電解質を用いる場合、本発明の非水電解質二次電池の製造方法において、上述した注入工程を備えなくてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(非電解質の作製)
ECとEMCとを30:70の体積比で混合した溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解させた。これに、さらにビフェニル誘導体としての4,4’−ビフェニルジボロン酸を0.2質量%となるように添加し、実施例1の非水電解質を得た。
(正極板の作製)
α―NaFeO型結晶構造を有するLiNi1/3Co1/3Mn1/3である正極活物質、アセチレンブラック及びポリフッ化ビニリデンを質量比94:3:3の割合(固形分換算)で含有し、N−メチルピロリドンを溶媒とする正極ペーストを調製した。この正極ペーストを平均厚み15μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、ローラープレス機により加圧成形して正極合材層を形成した。その後、100℃で14時間減圧乾燥することで水分を除去し、正極板を得た。
(負極板の作製)
負極活物質としてのグラファイト、スチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロースを質量比96.7:2.1:1.2(固形分換算)の割合で含有し、水を溶媒とする負極ペーストを調製した。この負極ペーストを平均厚み10μmの銅箔集電体の両面に塗布し、ローラープレス機により加圧成形して負極合材層を形成した。その後、100℃で12時間減圧乾燥することで水分を除去し、負極板を得た。
(リチウムイオン二次電池の作製)
ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して、上記正極板と上記負極板とを積層し、扁平形状に巻回することにより発電要素を作製した。この発電要素をアルミニウム製の角形電槽缶に収納し、正極端子及び負極端子を取り付けた。この容器(角形電槽缶)内部に上記電解質を注入した後、封口し、定格容量850mAhのリチウムイオン電池(非水電解質二次電池)を得た。
[実施例2〜3、比較例1〜5]
用いたビフェニル誘導体(添加剤)の種類を表1に記載のものにした、又は添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜3及び比較例1〜5の非水電解質、及び非水電解質二次電池を得た。
[評価]
(容量確認試験)
得られた各非水電解質二次電池について、設計通りの放電容量が得られることを確認するための試験を行った。25℃において、充電電流0.2CmA、充電電圧4.35V、トータル充電時間8時間で定電流定電圧充電を行った後、放電電流0.2CmA、放電終止電圧2.75Vで定電流放電を行った。再び、上記と同じ条件で定電流定電圧充電を行った後、放電電流1.0CmA、放電終止電圧2.75Vで定電流放電を行った。
(充放電サイクル試験)
次いで、45℃の恒温槽内において充電電流1.0CmA、充電終止電圧4.35V、トータル充電時間3時間で定電流電圧充電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。その後、放電電流1.0CmA、放電終止電圧2.75Vで定電流放電を行い、その後、10分間の休止期間を設けた。このサイクルを100サイクル実施した。この充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比を「容量維持率(%)」として求めた。この結果を表1に示す。
(入出力性能試験)
次いで、25℃又は−20℃において、SOC(State of Charge)50%とした状態で、各々0.2、0.5、1CmAの電流値で10秒間充電又は各々0.1、0.2、0.5CmAの電流値で10秒間放電させ、それぞれ10秒後の電圧を測定した。充電又は放電開始10秒後の電圧を縦軸に、放電電流値を横軸にプロットして得た電流−電圧特性のグラフから、その勾配に相当する値であるDCR(直流抵抗)値を求めた。この結果を表1に示す。
Figure 0006658203
上記表1に示されるように、電子吸引性かつメタ配向性の2以上の置換基を有するビフェニル誘導体を含有する実施例1〜3の非水電解質を備える非水電解質二次電池は、高い容量維持率を有することがわかる。これらの中でも、4,4’−ビフェニルジボロン酸を用いた実施例1と、4,4’−ビフェニルジスルホン酸を用いた実施例2とは、容量維持率に加え、常温及び低温における入出力特性にも優れていることがわかる。
一方、電子吸引性であるがオルト・パラ配向性である、すなわち弱い電子吸引性基を有する4,4’−ジフルオロビフェニルを用いた比較例1、電子供与性基を有する4,4’−ジヒドロキシビフェニルを用いた比較例2及び4,4’−ジエトキシビフェニルを用いた比較例3、並びに置換基を有さないビフェニルを用いた比較例4は、これらのビフェニル誘導体等を添加しなかった比較例5と比べても容量維持率がそれほど高くなく、逆に容量維持率が低下したものも見受けられる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質二次電池、及びこれに備わる二次電池用非水電解質などに適用できる。

Claims (5)

  1. 非水溶媒に電解質塩が溶解する二次電池用非水電解質であって、
    ビフェニルの2以上の水素原子がそれぞれ電子吸引性かつメタ配向性の置換基で置換されているビフェニル誘導体を含有し、
    上記置換基が、それぞれ独立して、ボロン酸基、スルホン酸基又はニトロ基であることを特徴とする二次電池用非水電解質。
  2. 上記ビフェニル誘導体が下記式(1)で表される請求項1に記載の二次電池用非水電解質。
    Figure 0006658203
    (式(1)中、R及びRは、上記置換基である。nは1〜4の整数である。mは1〜4の整数である。)
  3. 上記置換基が、それぞれ独立して、ボロン酸基又はスルホン酸基である請求項1又は請求項2に記載の二次電池用非水電解質。
  4. 正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
    上記非水電解質として、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の二次電池用非水電解質が用いられており、
    上記正極として、層状のα−NaFeO 型結晶構造若しくはスピネル型結晶構造を有する複合酸化物、又はポリアニオン化合物を正極活物質として含む正極が用いられていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池の製造方法であって、
    上記非水電解質として、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の二次電池用非水電解質を用い
    上記正極として、層状のα−NaFeO 型結晶構造若しくはスピネル型結晶構造を有する複合酸化物、又はポリアニオン化合物を正極活物質として含む正極を用いることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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