JP2018178472A - 仮設養生体の昇降機構及び昇降方法 - Google Patents

仮設養生体の昇降機構及び昇降方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建物の外側に設けられ養生シートなどを支持するマストを容易に昇降させることができる仮設養生体の昇降機構及び昇降方法を提供する。【解決手段】仮設養生体の昇降機構1は、建物50の少なくとも一部を覆う養生シート16を取り付け可能とされたマスト11と、マスト11を建物50に支持させるとともに、マスト11に対して相対的に上下動可能とされた上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41と、マスト11及び下荷重受ブラケット41を建物50に対して相対的に昇降させる油圧ジャッキ装置と、上荷重受ブラケット31をマスト11に対して相対的に昇降させるチェーンブロックと、マスト11に対して相対的に昇降する上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41の移動軌跡が建物50の設置位置から外れるように上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41を退避させる上回動構造及び下回動構造と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、仮設養生体の昇降機構及び昇降方法に関する。
高層建物の解体工事では、解体材の飛来落下の防止、解体中の粉じん及び騒音の抑制等のために解体対象階の外周及び上部を養生シートなどで覆って解体作業を行う養生仮設体を用いるケースが多くなっている。このように解体対象階の外周及び上部を覆う技術として、従来、建物解体システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この建物解体システムでは、複数の支持マストで支持される屋根部の表面に設けられた外周養生で囲われた解体空間を形成し、この解体空間内で解体作業を行うようにしている。また、建物解体システムは、解体対象階の解体作業が済むと、下階を解体対象階とし、解体対象階の下降に合わせて支持マストを下降させる。このため、建物解体システムは、支持マストを下降装置を備えている。
特開2014−227651号公報
その一方、建物の内側に水平式ジブクレーンなどを設けて、高層建物の解体工事を行う低空頭型クライミングクレーンを用いた施工法も考えられている。このような施工法においても、支持マストで支持される屋根部の表面に設けられた外周養生で囲われた解体空間を形成して解体作業を行い、下階の解体作業のために支持マストを下降させることが望まれる。この場合、建物の内側には、水平式ジブクレーンなどが設けられることから、マストを建物の外側に設けることが望ましい。
ここで、マストを建物の外側に設けた場合にも、支持マストを下降させるに際して、上記特許文献1に開示された建物解体システムにおける下降装置を用いることが考えられる。ところが、上記特許文献1に開示された建物解体システムでは、支持マストが建物の内側に設けられている。このため、上記特許文献1に開示された建物解体システムにおける下降装置は、低空頭型クライミングクレーンを用いた施工法では用いることができず、支持マストを建物の外側に設けた場合には、支持マストを下降させることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、建物の外側に設けられ養生シートなどを支持するマストを容易に昇降させることができる仮設養生体の昇降機構及び昇降方法を提供することである。
上記課題を解決した本発明に係る仮設養生体の昇降機構は、建物の少なくとも一部を覆う養生シートを取り付け可能とされたマストと、前記マストを前記建物に支持させるとともに、前記マストに対して相対的に上下動可能とされた支持部材と、前記マストを前記建物に対して相対的に昇降させるマスト駆動装置と、前記支持部材を前記マストに対して相対的に昇降させる支持部材駆動装置と、前記マストに対して相対的に昇降する前記支持部材の移動軌跡が前記建物の設置位置から外れるように前記支持部材を退避させる退避構造と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る仮設養生体の昇降機構においては、養生シートを取り付け可能とされたマストを建物に対して相対的に昇降させるマスト駆動装置と、支持部材を前記マストに対して相対的に昇降させる支持部材駆動装置を備えている。このため、建物の解体に伴い、マストに取り付けられた養生シートを下降させることができる。ここで、養生シートを下降させる際にマストも下降させるが、マストを支持するための支持部材が建物に引っかかってマスト及び支持部材の下降を妨げる懸念がある。この点、本発明に係る仮設養生体の昇降機構では、マストに対して相対的に昇降する支持部材の移動軌跡が建物の設置位置から外れるように支持部材を退避させる退避構造が設けられている。このため、マスト及び支持部材を下降させる際に、支持部材を退避させることにより、支持部材が建物に引っかからないようにすることができる。したがって、建物の外側に設けられ養生シートなどを支持するマストを容易に昇降させることができる。
また、本発明に係る仮設養生体の昇降機構において、前記退避構造は、前記マストに沿った軸周りに前記支持部材を回動可能とする回動構造であるようにしてもよい。
このように、退避構造は、マストに沿った軸周りに支持部材を回動可能とする回動構造であることにより、支持部材を容易に退避させることができる。
また、本発明に係る仮設養生体の昇降機構において、支持部材は、上方に配置された第1支持部材と下方に配置された第2支持部材とを備えており、前記支持部材駆動装置は、前記第1支持部材を昇降させる第1支持部材駆動装置と、前記第2支持部材を昇降させる第2支持部材駆動装置と、を備えるようにしてもよい。
このように、支持部材として、上方に配置された第1支持部材及び下方に配置された第2支持部材とを備えており、それぞれ第1支持部材駆動装置及び第2支持部材駆動装置によって昇降される。このため、第1支持部材と第2支持部材を独立して昇降させることができるので、支持部材やマストの昇降作業を行う際の効率及び安全度を高めることができる。
また、本発明に係る仮設養生体の昇降機構において、前記第2支持部材駆動装置が、前記マストに設けられた油圧ジャッキであるようにしてもよい。
このように、第2支持部材駆動装置が、マストに設けられた油圧ジャッキであることにより、マストを容易に昇降させることができる。
また、本発明に係る仮設養生体の昇降機構は、前記第1支持部材駆動装置が、前記マストに設けられたチェーンブロックであるようにしてもよい。
このように、第1支持部材駆動装置が、マストに設けられたチェーンブロックであることにより、設備の簡素化を図ることができる。
また、本発明に係る仮設養生体の昇降機構は、前記マスト駆動装置が、前記第1支持部材駆動装置または前記第2支持部材駆動装置と共通の駆動装置であるようにしてもよい。
このように、マスト駆動装置が、第1支持部材駆動装置または第2支持部材駆動装置と共通の駆動装置であることにより、部材点数の削減に寄与することができる。
また、上記課題を解決した本発明に係る仮設養生体の昇降方法は、建物の少なくとも一部を覆う養生シートが取り付けられたマストを前記建物に対して相対的に昇降させ、前記建物に支持させる支持部材を、前記マストに対して相対的に昇降する前記支持部材の移動軌跡が前記建物の設置位置から外れるように退避させて、前記建物による前記マストの支持状態を解放し、前記支持部材を前記マストに対して相対的に昇降させた後、前記支持部材によって前記マストを前記建物に支持させることを特徴とする。
本発明に係る仮設養生体の昇降機構及び昇降方法によれば、建物の外側に設けられ養生シートなどを支持するマストを容易に昇降させることができる。
解体中の建物の側面図である。 解体中の建物の平面図である。 昇降機構の平面図である。 昇降機構の側面図である。 仮設養生体の下降手順を示す工程図である。 図5に続く手順を示す工程図である。
以下、本発明の一実施形態に係る仮設養生体の昇降機構について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、解体中の建物の側面図、図2は、解体中の建物の平面図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る仮設養生体の昇降機構1は、例えば100mを超える超高層建物(以下、単に「建物」という)50に設けられている。仮設養生体の昇降機構1は、仮設養生体10と複数の昇降ユニット20とを備えている。建物50は、上層階から順に各階層を解体される。仮設養生体10は、建物50における解体される階層及びその周囲の階層に設けられている。
建物50は、平面視で長方形状をなす鉄骨造(S造)のものを一例としており、本設梁51、本設柱52、床スラブ53及び外壁54によって構築されている。また、図2に示すように、床スラブ53には、荷降ろし用の開口部15が設けられている。荷卸し用の開口部15は、各階層の床スラブ53において、最上階TFから図示しない地上階まで上下方向に連続して形成されている。また、建物50の最上階TFには、例えば建物50の解体作業に用いられる図示しない水平式ジブクレーンが設けられる。
図1に示すように、仮設養生体10は、建物50の上方に設けられている。仮設養生体10は、上下方向に延在する複数のマスト11を備えている。複数のマスト11は、図2に示すように、建物50の周囲に配置されている。図1に示すように、マスト11の上端部には、屋根フレーム12が設けられている。屋根フレーム12は、マルチトラスによって構成されており、側面視して山形をなしている。屋根フレーム12における下端部同士の間には、タイロッド13が架け渡されている。
マスト11の外方には、外周フレーム14が設けられている。外周フレーム14は、マスト11とともに上下方向に沿って延在している。外周フレーム14の外側には、養生シート16が取り付けられている。養生シート16は、建物50の一部、ここでは、解体作業が行われる階層を含む階層を覆う。養生シート16は、例えばメッシュシートによって構成されており、建物の解体作業によって生じる粉じんや騒音を抑制している。養生シート16の下端部には、折返17が設けられている。
昇降ユニット20は、マスト11ごとに設けられている。図3及び図4にも示すように、昇降ユニット20は、支持部材(第1支持部材)である上荷重受ブラケット31及び支持部材(第2支持部材)である下荷重受ブラケット41を備えている。上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41は、上ガイド金物32及び下ガイド金物42にそれぞれ取り付けられている。上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41は、いずれも中央に開口31H、41Hが形成された略直角三角形状をなしている。上ガイド金物32及び下ガイド金物42は、マスト11に対して上下動可能(昇降可能)となるように取り付けられている。このため、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41もマスト11に対して相対的に上下動可能となっている。
また、昇降ユニット20は、上ブラケット受金物33及び下ブラケット受金物43を備えている。上ブラケット受金物33及び下ブラケット受金物43は、建物50における本設梁51の端部に取り付けられており、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41と当接可能な位置に配置されている。
さらに、図3及び図5(A)に示すように、昇降ユニット20は、支持部材駆動装置(第1支持部材駆動装置)である油圧ジャッキ装置34及び支持部材駆動装置(第2支持部材駆動装置)であるチェーンブロック35を備えている。油圧ジャッキ装置34は、油圧ジャッキ34Aと、マスト11の上端部に設けられた上チャック34Bと、マスト11の下端部に設けられた下チャック34Cと、を備えている。油圧ジャッキ装置34における上ジャッキは、上ワイヤ34Dを介して上チャック34Bに接続されており、油圧ジャッキ装置34における下ジャッキは、上ワイヤ34Eを介して下チャック34Cに接続されている。油圧ジャッキ装置34を作動させることにより、マスト11または下荷重受ブラケット41を上下動可能とされている、油圧ジャッキ装置34は、マスト11または下荷重受ブラケット41の共通の駆動装置である。
チェーンブロック35は、手動式であり、マスト11の上端部に設けられた巻上装置35Aを備えている。チェーンブロック35は、巻上装置35Aに吊下げられる吊下ワイヤ35Bを備えており、吊下ワイヤ35Bの下端部には、フック部材35Cが取り付けられている。フック部材35Cは、上ガイド金物32に設けられた図示しないフック掛け孔部に引っ掛けられるようになっている。
さらに、図3に示すように、上ガイド金物32と上荷重受ブラケット31の間には、退避構造である上回動構造36が設けられ、下ガイド金物42と下荷重受ブラケット41の間には、退避構造である下回動構造46が設けられている。上回動構造36は、マスト11と平行に配置された上回動軸36Aを備えている。上回動構造36は、上ガイド金物32に設けられ、上回動軸36Aが貫通する貫通孔が形成されたマスト側回動軸取付部36Bと、上荷重受ブラケット31に設けられ、上回動軸36Aが貫通する貫通孔が形成されたブラケット側回動軸取付部36Cとを備えている。下回動構造46は、上回動構造36と同様に、下回動軸46Aと、マスト側回動軸取付部46Bと、ブラケット側回動軸取付部46Cを備えている。
また、上荷重受ブラケット31の先端部下面には、下方に突出するストッパ31Aが設けられており、上ブラケット受金物33におけるマスト11側の先端には、ストッパ31Aが嵌合可能とされた嵌合孔33Aが形成されている。さらに、下荷重受ブラケット41及び下ブラケット受金物43においても、上荷重受ブラケット31及び上ブラケット受金物33に設けられたストッパ31A及び嵌合孔33Aと同様のストッパ41A及び嵌合孔43Aが設けられている。ストッパ31A,41Aが嵌合孔33A,43Aに嵌合することにより、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41は、上回動構造36及び下回動構造46による回動が抑制される。
また、上ガイド金物32には、図示しないかんぬき構造が形成されている。かんぬき構造では、かんぬきと、このかんぬきが嵌め込まれる孔部とを備えており、孔部にかんぬきが嵌め込まれているときには、上ガイド金物は上下動が不能となるようにされている。同様に、下ガイド金物42にもかんぬき構造が形成されている。
次に、本実施形態に係る仮設養生体の昇降機構を用いた仮設養生体の下降方法(昇降方法)について説明する。図5は、仮設養生体の下降手順を示す工程図である。まず、図5(A)に示すように、仮設養生体10(図1参照)のマスト11は、建物50における解体される階層である(N+2)階(N+2)FL及びその下の階層に設けられている。このとき、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41が建物50の本設梁51に設けられた上ブラケット受金物33及び下ブラケット受金物43に当接することにより、上ブラケット受金物33及び下ブラケット受金物43を介した建物50によるマスト11の支持状態が形成される。
次に、図5(a)に示すように、仮設養生体10が建物50に支持された状態で、解体作業が行われる。ここでは、(N+2)階(N+2)FLに上ブラケット受金物33を取り付け、上荷重受ブラケット31支持するとともに、(N)階(N)FLに下ブラケット受金物43を取り付け、下荷重受ブラケット41を支持して(N+3)階(図5では図示せず)の解体が行われる。
(N+3)階の解体が済んだ後、仮設養生体10を下降させる。そのため、まず、図5(b)に示すように、上ブラケット受金物33及び下ブラケット受金物43で上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41を支持した状態で、油圧ジャッキ装置34を作動させることにより、マスト11を下降させる。このとき、油圧ジャッキ装置34は、マスト駆動装置として機能している。マスト11を下降させることにより、マスト11の上端部が上荷重受ブラケット31に近接するとともに、マスト11の下端部が下荷重受ブラケット41から遠ざかる。こうして、所定の高さ位置までマスト11を下降させてから停止させる。
マスト11を停止させた後、下荷重受ブラケット41をわずかに上昇させて、ストッパ41Aを嵌合孔43Aから引き抜き、下荷重受ブラケット41を下回動軸46A周りに回動可能とする。その後、図5(c)に示すように、下荷重受ブラケット41を、下回動軸46A周りの平面視して時計回り方向に約90度回動させ、下荷重受ブラケット41の移動軌跡が建物50の設置位置から外れるように、下荷重受ブラケット41を退避位置に退避させ、下荷重受ブラケット41を介した建物50(図1参照)によるマスト11の支持状態を解放する。
下荷重受ブラケット41を退避させた後、油圧ジャッキ装置34を作動させ、図6(d)に示すように、下荷重受ブラケット41を下ガイド金物42とともに(N−2)階(N−2)FLまで下降させる。それから、下荷重受ブラケット41を、下回動軸46A周りの平面視して反時計回り方向に約90度回動させ、退避位置から元の位置に復帰させる。そして、下荷重受ブラケット41をわずかに下降させて、ストッパ41Aを嵌合孔43Aに嵌め込み、下荷重受ブラケット41を介した建物50によるマスト11の支持状態を形成する。
こうして、下荷重受ブラケット41を下降させた後、上荷重受ブラケット31をわずかに上昇させて、ストッパ31Aを嵌合孔33Aから引き抜き、上荷重受ブラケット31を上回動軸36A周りに回動可能とする。その後、図6(e)に示すように、上荷重受ブラケット31を、上回動軸36A周りの平面視して時計回り方向に約90度回動させ、上荷重受ブラケット31の移動軌跡が建物50の設置位置から外れるように、上荷重受ブラケット31を退避位置に退避させ、上荷重受ブラケット31を介した建物50(図1参照)によるマスト11の支持状態を解放する。
上荷重受ブラケット31を退避させた後、上ガイド金物32のフック掛け孔部にチェーンブロック35のフック部材35Cを引っ掛ける。その後、チェーンブロック35を作動させ、図6(f)に示すように、上荷重受ブラケット31を上ガイド金物32とともに(N)階(N)FLまで下降させる。それから、上荷重受ブラケット31を、上回動軸36A周りの平面視して反時計回り方向に約90度回動させ、退避位置から元の位置に復帰させる。そして、上荷重受ブラケット31をわずかに下降させて、ストッパ31Aを嵌合孔33Aに嵌め込み、下荷重受ブラケット41を介した建物50によるマスト11の支持状態を形成する。なお、上荷重受ブラケット31の下降作業時には、マスト11の下降作業は完了しているので、水平式ジブクレーンなどを用いた(N+2)階(N+2)FLの解体作業と同時に上荷重受ブラケット31の下降作業を行うことができる。こうして、仮設養生体10を下降させる作業が終了する。
このように、本実施形態に係る仮設養生体の施工方法においては、解体作業をにあたり、解体作業を行うフロアの周囲の階を仮設養生体10で覆っている。仮設養生体10は、建物50の外側に配置されるマスト11を備えており、このマストに養生シート16が取り付けられている。このため、建物の内側には、水平式ジブクレーンなどを設けるスペースを広く確保することができる。また、マスト11は、建物50の外側に設けられているが、マスト11には、昇降ユニット20が設けられている。昇降ユニット20は、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41を回動させるための上回動構造36及び下回動構造46を有している。このため、仮設養生体10を下降させるときには、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41の移動軌跡が建物50の設置位置から外れるように上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41を退避位置に退避させることができる。したがって、建物50の外側に設けられ養生シート16などを支持するマスト11を容易に昇降させることができる。
また、昇降ユニット20は、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41の二段構造でマスト11を建物50に支持させている。このため、仮設養生体10を下降させる際に、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41のいずれかではマスト11を建物50に支持させた状態を維持することができる。したがって、仮設養生体10の下降作業を行う際の効率及び安全度を高めることができる。
また、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41は、上回動構造36及び下回動構造46によってそれぞれ回動することによって退避位置に退避するようにされている。このため、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41を容易に退避させることができる。
また、マスト11及び下荷重受ブラケット41については、油圧ジャッキ装置34によって下降作業を行っている。このため、マスト11及び下荷重受ブラケット41の下降作業を容易に行うことができる。また、マスト11及び下荷重受ブラケット41のそれぞれの下降作業を共通の駆動装置で実行することができるので、その分部材点数の削減に寄与することができる。また、上荷重受ブラケット31については、チェーンブロック35によって下降作業を行っている。このため、上荷重受ブラケット31については、より簡素な装置で下降作業を行うことができるので、設備の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。たとえば、上記の実施形態では、仮設養生体10を下降させる方法について説明しているが、仮設養生体10を現在位置よりも高い階に上昇させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、昇降ユニット20は上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41の2段のブラケットを有しているが、1段のみでもよく、あるいは3段以上であってもよい。また、上荷重受ブラケット31及び下荷重受ブラケット41における退避構造は、上回動構造36及び下回動構造46によって形成されているが、その他の退避構造であってもよい。例えば、水平軸周りに回動する回動構造であってもよいし、回動式ではなくスライド式などの退避構造であってもよい。
また、上記の実施形態では、マスト11を建物50の周囲に設けているが、建物50の周囲以外の位置に設けるようにしてもよい。また、駆動装置として、油圧ジャッキ装置34やチェーンブロック35を用いているが、他の駆動装置、例えばモータやシリンダアクチュエータなどを用いてもよい。
1 仮設養生体の昇降機構
10 仮設養生体
11 マスト
16 養生シート
20 昇降ユニット
31 上荷重受ブラケット
32 上ガイド金物
33 上ブラケット受金物
34 油圧ジャッキ装置
35 チェーンブロック
36 上回動構造
36A 上回動軸
36B マスト側回動軸取付部
36C ブラケット側回動軸取付部
41 下荷重受ブラケット
42 下ガイド金物
43 下ブラケット受金物
46 下回動構造
46A 上回動軸
46B マスト側回動軸取付部
46C ブラケット側回動軸取付部
50 建物

Claims (7)

  1. 建物の少なくとも一部を覆う養生シートを取り付け可能とされたマストと、
    前記マストを前記建物に支持させるとともに、前記マストに対して相対的に上下動可能とされた支持部材と、
    前記マストを前記建物に対して相対的に昇降させるマスト駆動装置と、
    前記支持部材を前記マストに対して相対的に昇降させる支持部材駆動装置と、
    前記マストに対して相対的に昇降する前記支持部材の移動軌跡が前記建物の設置位置から外れるように前記支持部材を退避させる退避構造と、
    を備えることを特徴とする仮設養生体の昇降機構。
  2. 前記退避構造は、前記マストに沿った軸周りに前記支持部材を回動可能とする回動構造である請求項1に記載の仮設養生体の昇降機構。
  3. 前記支持部材は、上方に配置された第1支持部材と下方に配置された第2支持部材とを備えており、
    前記支持部材駆動装置は、前記第1支持部材を昇降させる第1支持部材駆動装置と、前記第2支持部材を昇降させる第2支持部材駆動装置と、
    を備える請求項1または請求項2に記載の仮設養生体の昇降機構。
  4. 前記第2支持部材駆動装置が、前記マストに設けられた油圧ジャッキである請求項3に記載の仮設養生体の昇降機構。
  5. 前記第1支持部材駆動装置が、前記マストに設けられたチェーンブロックである請求項3または請求項4に記載の仮設養生体の昇降機構。
  6. 前記マスト駆動装置が、前記第1支持部材駆動装置または前記第2支持部材駆動装置と共通の駆動装置である請求項3〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の仮設養生体の昇降機構。
  7. 建物の少なくとも一部を覆う養生シートが取り付けられたマストを前記建物に対して相対的に昇降させ、
    前記建物に支持させる支持部材を、前記マストに対して相対的に昇降する前記支持部材の移動軌跡が前記建物の設置位置から外れるように退避させて、前記建物による前記マストの支持状態を解放し、
    前記支持部材を前記マストに対して相対的に昇降させた後、
    前記支持部材によって前記マストを前記建物に支持させることを特徴とする仮設養生体の昇降方法。
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