JP2021080713A - 飛散防止装置およびこれを用いた養生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネットを展張し、解体材の飛散を防止することができる飛散防止装置およびこれを用いた養生方法を提供する。【解決手段】 仮設足場を用いた建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止する飛散防止装置1であって、複数段に組まれた仮設足場のうち最上段にある建枠10の上端連結部11に連結されて所定間隔を隔てて並設される複数本の支柱パイプ2と、支柱パイプ2のそれぞれに挿通され、先端部が支柱パイプ2の上方から出ているとともに、基端部が支柱パイプ2の下方から出ている操作ワイヤ3と、各操作ワイヤ3の先端部に取り付けて吊り下げられ、飛散する解体材を受け止める養生ネット4と、を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、仮設足場を用いた建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止する飛散防止装置およびこれを用いた養生方法に関するものである。
従来、建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止するため、仮設足場を利用して防護ネットを設ける技術が提案されている。例えば、特開2018−040169号公報には、仮設足場に取り付けられて鉛直方向に伸縮可能な複数の支柱と、複数の支柱間に架設されるワイヤと、複数の支柱およびワイヤに保持された防護ネットと、を備える飛散防止装置が提案されている(特許文献1)。
特開2018−040169号公報
特許文献1には、防護ネットを展張させる具体的な方法は開示されていないものの、防護ネットの上端縁に沿ってワイヤを挿通させ、当該ワイヤを各支柱の上端部に設けられたアイボルトに挿通させた後、入れ子状に分割された複数段の支柱を一段ずつ上方へ向けて伸ばすことによって展張していると考えられる。
しかしながら、防護ネットと支柱を同時に持ち上げるには、かなりの力が必要となるため、作業者の負担が大きく、大人数が必要であるという問題がある。また、防護ネットを高い位置まで展張するには、入れ子状の支柱を複数回に渡って上方へ伸ばす必要があるため、展張作業が煩雑となり時間がかかるという問題もある。さらに、伸縮可能に構成された入れ子状の支柱を多数本用意するには、コストが高いという問題もある。よって、実用性に乏しかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネットを展張し、解体材の飛散を防止することができる飛散防止装置およびこれを用いた養生方法を提供することを目的としている。
本発明に係る飛散防止装置は、安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネットを展張し、解体材の飛散を防止するという課題を解決するために、仮設足場を用いた建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止する飛散防止装置であって、複数段に組まれた前記仮設足場のうち最上段にある建枠の上端連結部に連結されて所定間隔を隔てて並設される複数本の支柱パイプと、前記支柱パイプのそれぞれに挿通され、先端部が前記支柱パイプの上方から出ているとともに、基端部が前記支柱パイプの下方から出ている操作ワイヤと、前記各操作ワイヤの先端部に取り付けて吊り下げられ、飛散する前記解体材を受け止める養生ネットと、を有する。
また、本発明の一態様として、操作ワイヤの先端部が支柱パイプの内部に入り込むのを防止するとともに、操作ワイヤの先端部に養生ネットを簡単かつ迅速に取り付けるという課題を解決するために、前記支柱パイプの外周面の上方位置および下方位置には前記操作ワイヤの先端部および基端部をそれぞれ挿通する挿通孔が形成されており、前記上方位置の挿通孔に挿通された前記操作ワイヤの先端部には、前記養生ネットと連結するための連結具が取り付けられており、前記連結具は、略C字形状の本体部材と、前記本体部材の開口部を開閉する開閉部材とを有していてもよい。
さらに、本発明の一態様として、養生ネットが展張された状態を安定的に保持するという課題を解決するために、前記支柱パイプの外周面には、前記養生ネットの側縁部を縛り付けて固定するための固定ヒモを連通させる連通孔が設けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、既存の建枠に支柱パイプを簡単かつ迅速に連結するという課題を解決するために、前記支柱パイプの下端側は、前記建枠の上端連結部に抜き差し可能な内径を有しているとともに、前記上端連結部に設けられた連結ピンを挿通させて連結するためのピン挿通孔を有していてもよい。
また、本発明に係る養生方法は、安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネットを展張し、解体材の飛散を防止するという課題を解決するために、請求項1または請求項2に記載の飛散防止装置を用いた養生方法であって、複数段に組まれた前記仮設足場のうち最上段にある建枠の上端連結部に前記支柱パイプを連結して複数本の前記支柱パイプを所定間隔を隔てて並設する支柱パイプ連結工程と、前記操作ワイヤの先端部に前記養生ネットを取り付ける養生ネット取付工程と、前記操作ワイヤの基端部を引っ張って前記養生ネットを引き上げる操作ワイヤ引張工程と、を有する。
本発明によれば、安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネットを展張し、解体材の飛散を防止することができる。
本発明に係る飛散防止装置によって養生された解体現場を示す図である。 本実施形態の飛散防止装置を示す図である。 (a)本実施形態の連結具、および(b)連結具の他の実施例を示す図である。 本発明に係る養生方法の支柱パイプ連結工程を示す図である。 本発明に係る養生方法の養生ネット取付工程を示す図である。 本発明に係る養生方法の操作ワイヤ引張工程を示す図である。
以下、本発明に係る飛散防止装置およびこれを用いた養生方法の実施形態について図面を用いて説明する。
本発明に係る飛散防止装置1は、図1に示すように、仮設足場を用いた建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止するものである。本実施形態において、飛散防止装置1は、図2に示すように、所定間隔を隔てて並設される複数本の支柱パイプ2と、これら支柱パイプ2のそれぞれに挿通される操作ワイヤ3と、各操作ワイヤ3の先端部に取り付けられる養生ネット4とを有している。以下、各構成について説明する。
支柱パイプ2は、図4に示すように、複数段に組まれた仮設足場のうち最上段にある建枠10の上端連結部11に連結されるものである。本実施形態において、支柱パイプ2は、中空状のアルミパイプによって構成されており、図2に示すように、その外周面の上方位置と下方位置には、操作ワイヤ3の先端部および基端部をそれぞれ挿通するワイヤ挿通孔21が形成されている。
また、支柱パイプ2の下端側は、建枠10の上端連結部11に抜き差し可能な内径を有しているとともに、上端連結部11に設けられた連結ピン12を挿通させて連結するためのピン挿通孔22を有している。なお、本実施形態では、施工性を高めるため、支柱パイプ2の下端部を建枠10の上端連結部11に差し込んで連結しているが、この構成に限定されるものではなく、連結クランプ等を用いて支柱パイプ2の下端部と建枠10の上端連結部11とを連結してもよい。
さらに、本実施形態において、支柱パイプ2の外周面には、図2に示すように、長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の連通孔23が設けられている。この連通孔23は、養生ネット4の側縁部を縛り付けて固定するための固定ヒモ(図示せず)等を連通させるようになっている。
操作ワイヤ3は、養生ネット4の昇降作業を操作するためのワイヤである。本実施形態において、操作ワイヤ3は、図2に示すように、支柱パイプ2に挿通されており、先端部が支柱パイプ2の上方位置に設けられたワイヤ挿通孔21から出ているとともに、基端部が支柱パイプ2の下方位置に設けられたワイヤ挿通孔21から出ている。
なお、本実施形態では、支柱パイプ2の上下に設けられたワイヤ挿通孔21から操作ワイヤ3の先端部と基端部を引き出しているが、この構成に限定されるものではない。具体的には、操作ワイヤ3の先端部を支柱パイプ2の上端開口から出してもよい。また、上述した連結クランプ等によって支柱パイプ2の下端部と建枠10の上端連結部11とを連結する場合には、操作ワイヤ3の基端部を支柱パイプ2の下端開口から出してもよい。
また、本実施形態において、操作ワイヤ3の先端部には、図2に示すように、養生ネット4と連結するための連結具5が取り付けられている。この連結具5は、図3(a)に示すように、略C字形状の本体部材51と、この本体部材51の開口部52を開閉する開閉部材53とを有している。本実施形態において、開閉部材53は、開口部52を閉じる方向にバネの弾力で付勢されており、内方へ押し込むと開口部52を開くようになっている。
なお、連結具5は上記構成に限定されるものではなく、図3(b)に示すように、開閉部材53として長ナットを採用し、この長ナットを回動させることで、本体部材51の開口部52を開閉させてもよい。あるいは、養生ネット4を取り外す必要がない場合には、操作ワイヤ3の先端部を養生ネット4に直接結び付けて取り付けてもよい。
養生ネット4は、解体作業時に飛散する解体材を受け止めるものである。本実施形態において、養生ネット4は、ポリエステル製のラッセルネット等によって構成されており、図2に示すように、連結具5を介して各操作ワイヤ3の先端部に取り付けられて吊り下げられるようになっている。
つぎに、本実施形態の飛散防止装置1の作用、および飛散防止装置1を用いた養生方法について説明する。
本実施形態の飛散防止装置1を用いて、解体しようとする建物の周囲を養生する場合、まず、図4に示すように、複数段に組まれた仮設足場のうち最上段にある建枠10の上端連結部11に支柱パイプ2を連結し、複数本の支柱パイプ2を所定間隔を隔てて並設する(支柱パイプ連結工程)。このとき、支柱パイプ2の下端部を建枠10の上端連結部11に差し込むだけで、連結ピン12がピン挿通孔22から突出するため、簡単かつ迅速に連結される。また、この段階では、養生ネット4を取り付けていないため、軽量で作業員の負担が小さい。
つぎに、図5に示すように、各操作ワイヤ3の先端部に養生ネット4を取り付ける(養生ネット取付工程)。このとき、本実施形態では、操作ワイヤ3の先端部に取り付けられた連結具5が、開閉部材53によって容易に開口部52を開閉するため、養生ネット4が簡単かつ迅速に取り付けられる。
つづいて、図6に示すように、各操作ワイヤ3の基端部を引っ張って養生ネット4を引き上げる(操作ワイヤ引張工程)。これにより、養生ネット4が支柱パイプ2の上端部から吊り下げられ、略鉛直方向に沿って展張された状態となる。このとき、作業者は操作ワイヤ3を一本ずつ引き上げるだけでよく、展張作業が簡易化および迅速化する。また、養生ネット4は比較的軽量のため、操作ワイヤ3は軽い力でスムーズに引っ張ることができる。
さらに、本実施形態では、ワイヤ挿通孔21から引き出した操作ワイヤ3の先端部に連結具5を取り付けている。このため、誤って操作ワイヤ3の基端部を引っ張り過ぎた場合でも、連結具5がワイヤ挿通孔21で引っ掛かり、操作ワイヤ3の先端部が支柱パイプ2の内部に入り込むのを防止する。
養生ネット4を引き上げた後は、引っ張った各操作ワイヤ3の基端部を建枠10等に繋ぎ止めて固定する(操作ワイヤ固定工程)。これにより、養生ネット4が略鉛直方向に沿って展張された状態で保持される。また、本実施形態では、支柱パイプ2の連通孔23に挿通させた固定ヒモ(図示せず)によって、養生ネット4の側縁部を縛り付ける。これにより、養生ネット4が風等によって揺動しにくくなり、解体材の飛散防止機能を安定的に維持する。
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.安価で簡素な構成でありながら簡単かつ迅速に養生ネット4を展張し、解体材の飛散を防止することができる。
2.操作ワイヤ3の先端部が支柱パイプ2の内部に入り込むのを防止するとともに、操作ワイヤ3の先端部に養生ネット4を簡単かつ迅速に取り付けることができる。
3.養生ネット4が展張された状態を保持し、解体材の飛散防止機能を安定的に維持することができる。
4.既存の建枠10に支柱パイプ2を簡単かつ迅速に連結することができる。
5.作業員が一人でも無理なく安全に養生ネット4を展張することができる。
なお、本発明に係る飛散防止装置1およびこれを用いた養生方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
1 飛散防止装置
2 支柱パイプ
3 操作ワイヤ
4 養生ネット
5 連結具
10 建枠
11 上端連結部
12 連結ピン
21 ワイヤ挿通孔
22 ピン挿通孔
23 連通孔
51 本体部材
52 開口部
53 開閉部材

Claims (5)

  1. 仮設足場を用いた建物の解体作業時に発生する解体材の飛散を防止する飛散防止装置であって、
    複数段に組まれた前記仮設足場のうち最上段にある建枠の上端連結部に連結されて所定間隔を隔てて並設される複数本の支柱パイプと、
    前記支柱パイプのそれぞれに挿通され、先端部が前記支柱パイプの上方から出ているとともに、基端部が前記支柱パイプの下方から出ている操作ワイヤと、
    前記各操作ワイヤの先端部に取り付けて吊り下げられ、飛散する前記解体材を受け止める養生ネットと、
    を有する、飛散防止装置。
  2. 前記支柱パイプの外周面の上方位置および下方位置には前記操作ワイヤの先端部および基端部をそれぞれ挿通するワイヤ挿通孔が形成されており、前記上方位置のワイヤ挿通孔に挿通された前記操作ワイヤの先端部には、前記養生ネットと連結するための連結具が取り付けられており、前記連結具は、略C字形状の本体部材と、前記本体部材の開口部を開閉する開閉部材とを有している、請求項1に記載の飛散防止装置。
  3. 前記支柱パイプの外周面には、前記養生ネットの側縁部を縛り付けて固定するための固定ヒモを連通させる連通孔が設けられている、請求項1または請求項2に記載の飛散防止装置。
  4. 前記支柱パイプの下端側は、前記建枠の上端連結部に抜き差し可能な内径を有しているとともに、前記上端連結部に設けられた連結ピンを挿通させて連結するためのピン挿通孔を有している、請求項1から請求項3のいずれかに記載の飛散防止装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の飛散防止装置を用いた養生方法であって、
    複数段に組まれた前記仮設足場のうち最上段にある建枠の上端連結部に前記支柱パイプを連結して複数本の前記支柱パイプを所定間隔を隔てて並設する支柱パイプ連結工程と、
    前記操作ワイヤの先端部に前記養生ネットを取り付ける養生ネット取付工程と、
    前記操作ワイヤの基端部を引っ張って前記養生ネットを引き上げる操作ワイヤ引張工程と、
    を有する、養生方法。
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