JP2018168350A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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隆太郎 和泉
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Takayuki Hase
隆行 長谷
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【課題】成形加工時の流動性に優れ、耐熱性、靭性、耐衝撃性、高い難燃性を有する難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)と、グラフト共重合体(B)と、ビニル系共重合体(C)と、変性ビニル系共重合体(D)と、酸変性重合体(E)と、難燃剤(F)と、難燃助剤(G)と、非繊維状無機充填材(H)と、を含有する、難燃性熱可塑性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明はポリアミドおよびスチレン系樹脂を含有する難燃性熱可塑性樹脂組成物およびその成形品に関する。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂に代表されるスチレン系樹脂とポリアミド樹脂とのアロイ組成物は、耐薬品性、機械的強度、成形加工性に優れる。このため、このようなアロイ組成物は、家庭用電気機器や、調理機器などの住宅設備機器を始めとする広範な分野で使用されている。このような広範な分野の中でも、特に調理機器用途に用いられる組成物には、難燃性、耐熱性、靭性などが求められることに加えて、複雑な形状に成形可能な、成形加工時の高い流動性が求められる。
一般的な樹脂の難燃化手法としては、ハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンに代表される難燃助剤を併用することによって高い難燃性を得る方法が挙げられる。さらに高い耐熱性を付与するために、無機充填材を配合する手法も知られている。しかしながら、このような樹脂組成物を用いて得られる成形品は、靭性や耐衝撃性が低く、曲げ変形時に破断を生じるなどの課題があった。そこで、靱性や耐衝撃性を改善するために、エラストマー成分を配合する手法がある。しかし、そのようなエラストマー成分は非常に燃えやすい。このため、エラストマー成分を配合することは、例えば、米国UL(Underwriters Laboratories)規格で規定されているUL94垂直燃焼性試験における判定基準のひとつである燃焼時間を延ばすことにつながる。よって、エラストマー成分を配合することは、難燃性を低下させると見なされている。このように、難燃性、耐熱性、靱性、耐衝撃性をバランスよく保持する材料の設計が難しいことから、特に難燃性を悪化させることなく流動性、靱性、耐衝撃性を向上させる方法が求められている。
例えば、特許文献1では、靱性、耐衝撃性、難燃性に優れる熱可塑性樹脂組成物として、ナイロン4,6、ドリッピング防止剤および臭素化ポリスチレンからなる難燃性樹脂組成物が提案されている。しかし、特許文献1の酸変性重合体は燃焼時のドリッピング防止剤として効果があるとされているが、ドリッピングが防止できても燃焼時間が長ければ難燃性が悪いと見なされる。特許文献1には、燃焼時間の短縮に関する記載および示唆が無いことから、高い難燃性を得るという効果が十分であるとはいえない。また、特許文献1には、流動性に関する記載もない。
特許文献2では、ポリアミド樹脂、酸変性ポリプロピレン樹脂、ガラス繊維、臭素系難燃剤および難燃助剤からなる難燃性熱可塑性樹脂組成物が提案されている。しかし、酸変性ポリプロピレン樹脂は、ポリアミド樹脂とポリプロピレン樹脂の相溶化剤として用いられており、難燃性への寄与に関する記載がない。また、特許文献2には、流動性に関する記載がなく、ガラス繊維を含んでいることから流動性が不十分である。
特許文献3では、植物由来ポリアミド樹脂、ガラス繊維、難燃剤およびスチレン/無水マレイン酸コポリマーからなる樹脂組成物が提案されている。しかし、特許文献3の樹脂組成物は、無水マレイン酸比率の高いスチレン/無水マレイン酸コポリマーを含んでいることから流動性の悪化が考えられる。また、スチレン/無水マレイン酸コポリマーは、無水マレイン酸が共重合されている材料であることから、主鎖にポリオレフィン、側鎖に無水マレイン酸を有する材料とは異なり、構造的に主鎖自体に柔軟性を有しておらず、靱性、耐衝撃性に対する改善効果は期待できない。また、特許文献3には、難燃性への寄与および流動性に関する記載もない。
特開平8−239574号公報 特開平6−322265号公報 特開2010−84092号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、成形加工時の流動性に優れ、耐熱性、靭性、耐衝撃性および高い難燃性を有する難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、通常では、靱性、耐衝撃性改質を目的として添加されるエラストマー成分は難燃性低下を招いてしまう。しかし、特定範囲の酸価および特定の重量平均分子量を有する酸変性重合体を、ポリアミド、グラフト共重合体、ビニル系共重合体、変性ビニル系共重合体、難燃剤、難燃助剤および非繊維状無機充填材の混合物に特定の割合で添加することにより、難燃性を低下させることなく靱性、耐衝撃性を向上させ、上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の(1)〜(7)で構成される。
(1)ポリアミド樹脂(A)と、ゴム質重合体(ア)40〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体(イ)15〜45重量%およびシアン化ビニル系単量体(ウ)5〜20重量%を含む単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(B)と、芳香族ビニル系単量体(イ)およびシアン化ビニル系単量体(ウ)を含むビニル系単量体混合物を共重合してなるビニル系共重合体(C)と、不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)0.1〜10重量%と、芳香族ビニル系単量体(イ)50〜85重量%と、シアン化ビニル系単量体(ウ)10〜40重量%と、を共重合してなる変性ビニル系共重合体(D)と、側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000以上である酸変性重合体(E1)および側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000未満の酸変性重合体(E2)を含み、前記(E1)成分と前記(E2)成分との酸価の合計が前記(A)成分〜前記(D)成分の質量の合計100gに対して60mgKOH以上であるとともに、前記(E2)成分の重量に対する前記(E1)成分の重量の比である(E1)/(E2)重量比が1〜50である酸変性重合体(E)と、前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、20〜33質量部配合される難燃剤(F)と、前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、5〜18質量部配合される難燃助剤(G)と、前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、7〜20質量部配合される非繊維状無機充填材(H)と、を含有し、前記(A)成分は、前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、62〜80質量部配合される、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(1)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、成形加工時の流動性に優れ、耐熱性、靭性、耐衝撃性、高い難燃性を有する難燃性熱可塑性樹脂組成物が実現される。
(2)(1)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記(E)成分の主鎖にポリオレフィンを含むことを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(2)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、成形品の難燃性を低下させることなく、靱性、耐衝撃性をより向上させることができる。
(3)(1)または(2)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記(F)成分が臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種以上の難燃剤であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(3)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、燃焼を抑制し成形品の難燃性をより向上させることができる。
(4)(1)から(3)までのいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記(G)成分がアンチモン化合物であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(4)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、成形品の燃焼時、難燃剤(F)と難燃助剤(G)との反応に起因する不燃性ガスにより、難燃性をより向上させることができる。
(5)(1)から(4)までのいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記(A)成分がポリアミド6であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(5)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、成形加工時の流動性および成形品の耐熱性をより高いレベルで両立できる。
(6)(1)から(5)までのいずれかに記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、前記(H)成分がタルクであることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
(6)に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物によれば、成形加工時の流動性を大きく低下させることなく耐熱性をより向上させることができる。
本発明の難燃性熱可塑性樹脂組成物は、成形加工時の流動性に優れ、高い難燃性を有し、優れた耐熱性、靭性および耐衝撃性を有する成形品を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、具体的に記載する。
本発明の実施形態における難燃性熱可塑性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と記載する場合がある)は、前述のポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)、酸変性重合体(E)、難燃剤(F)、難燃助剤(G)および非繊維状無機充填材(H)を含有する。これら各成分について説明する。
<ポリアミド樹脂(A)>
本発明の実施形態における樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)を含有することにより、成形品の流動性、耐熱性を向上させることができる。
本発明の実施形態におけるポリアミド樹脂(A)とは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸とを重縮合してなる樹脂である。ポリアミド樹脂(A)の原料としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、アミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミン、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などを挙げることができる。上記したポリアミド樹脂(A)のうち2種以上を用いてもよい。
本発明の実施形態におけるポリアミド樹脂(A)の具体例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド4,6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)などが挙げられる。成形加工時の流動性および成形品の耐熱性をより高いレベルで両立する観点から、ポリアミド樹脂(A)は、好ましくはポリアミド6である。
本発明の実施形態におけるポリアミド樹脂(A)は、0.005g/mlの濃度に調製した硫酸溶液について、25.0℃の雰囲気下で、ウベローデ粘度計を使用して得られる粘度数が90ml/g〜140ml/gの範囲にあることが好ましい。硫酸溶液における粘度数が90ml/g以上であれば、成形品の靭性をより向上させることができる。硫酸溶液における粘度数が100ml/g以上であることがより好ましい。一方、硫酸溶液における粘度数が140ml/g以下であれば、樹脂組成物の流動性をより向上させ、複雑形状の成形品を容易に成形することができる。硫酸溶液における粘度数が120ml/g以下であることがより好ましい。
粘度数は下記(式1)で与えられる。
粘度数(ml/g)=(t/t0−1)×1/0.005・・・(式1)
t:硫酸溶液のフロータイム、t0:硫酸のフロータイム。
<グラフト共重合体(B)>
本発明の実施形態におけるグラフト共重合体(B)とは、ゴム質重合体(ア)40〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体(イ)15〜45重量%およびシアン化ビニル系単量体(ウ)5〜20重量%を含む単量体混合物をグラフト共重合して得られるものである。かかるグラフト共重合体(B)を含有することにより、成形品の靭性および耐衝撃性を向上させることができる。なお、前述の重量%は、ゴム質重合体(ア)と、芳香族ビニル系単量体(イ)と、シアン化ビニル系単量体(ウ)と、の合計を100重量%とした場合に対する値である。また、ここでいうグラフト共重合体とは、ゴム質重合体(ア)に単量体混合物をグラフト共重合したものの他に、グラフトしていないビニル系単量体混合物の共重合体を含んでもよい。かかるグラフトしていないビニル系単量体混合物の共重合体は、アセトンに溶解する。
また、グラフト共重合体(B)のグラフト率は特に制限はないが、衝突時における形態の延性という観点から、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。一方、成形加工性の観点から、60%以下が好ましく、50%以下が好ましい。なお、グラフト共重合体(B)のグラフト率(%)は、次式で示される。
グラフト率(%)={[ゴム質重合体にグラフト重合した共重合体量]/[グラフト共重合体のゴム含有量]}×100
グラフト共重合体(B)を構成するゴム質重合体(ア)としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体およびアクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴム質重合体が挙げられる。上記したゴム質重合体(ア)のうち2種以上を用いてもよい。ゴム質重合体(ア)のガラス転移温度は0℃以下が好ましい。一方、ガラス転移温度は実用上−80℃以上である。本発明の実施形態においては、生産操業性の観点から、ゴム質重合体(ア)には、ポリブタジエンが好ましく採用される。
グラフト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレンおよびブロモスチレンなどが挙げられる。上記した芳香族ビニル系単量体(イ)のうち2種以上を用いてもよい。成形加工時の流動性をより向上させる観点から、芳香族ビニル系単量体(イ)には、スチレンが好ましく採用される。
グラフト共重合体(B)を構成するシアン化ビニル系単量体(ウ)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられる。上記したシアン化ビニル系単量体(ウ)のうち2種以上を用いてもよい。シアン化ビニル系単量体(ウ)には、アクリロニトリルが好ましく採用される。
また、本発明の実施形態におけるグラフト共重合体(B)には、本発明の効果を失わない程度に他の共重合可能な単量体を用いてもよい。他の共重合可能な単量体としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドおよびメタクリル酸メチルなどが挙げられ、それぞれの目的に応じて選択することができる。上記した他の共重合可能な単量体のうち2種以上を用いてもよい。例えば、耐熱性や難燃性をより向上させるためには、他の共重合可能な単量体として、N−フェニルマレイミドが好ましい。また、硬度を向上させるためには、他の共重合可能な単量体として、メタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
ゴム質重合体(ア)の重量平均粒子径は、特に制限しないが、成形品の靭性および耐衝撃性をより向上させる観点から、0.10μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましい。一方、成形加工時の流動性をより向上させる観点から、ゴム質重合体(ア)の重量平均粒子径は、0.50μm以下が好ましく、0.40μm以下がより好ましい。ゴム質重合体(ア)の重量平均粒子径は、「Rubbaer Age Vol.88 p.484〜490(1960)by E.Schmidt,P.H.Biddison」に記載のアルギン酸ナトリウム法(アルギン酸ナトリウムの濃度量割合とアルギン酸ナトリウム濃度の累積重量分率より累積重量分率50%の粒子径を求める方法。)によって測定することができる。
グラフト共重合体(B)を構成する原料中におけるゴム質重合体(ア)の重量分率は、40〜80重量%である。ゴム質重合体(ア)の重量分率が40重量%未満では、成形品の靭性が低下する。靭性を向上させるためにグラフト共重合体(B)を多量に含有すると、成形品の難燃性が低下する。ゴム質重合体(ア)の重量分率は、45重量%以上が好ましい。一方、ゴム質重合体(ア)の重量分率が80重量%を超えると、成形加工時の流動性が低下する。また、ゴム質重合体(ア)の重量分率が80重量%を超えると、成形品の表面外観が低下することがある。ゴム質重合体(ア)の重量分率は、75重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
グラフト共重合体(B)を構成する原料中における芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率は、15〜45重量%である。芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率が15重量%未満では、成形加工時の流動性が低下する。芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率は、25重量%以上が好ましい。一方、芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率が45重量%を超えると、成形品の靭性が低下する。
グラフト共重合体(B)を構成する原料中におけるシアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率は、5〜20重量%である。シアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率が5重量%未満では、成形品の靭性が低下する。一方、シアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率が20重量%を超えると、成形加工時の流動性が低下する。シアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率は、15重量%以下が好ましい。
<ビニル系共重合体(C)>
本発明の実施形態におけるビニル系共重合体(C)とは、芳香族ビニル系単量体(イ)およびシアン化ビニル系単量体(ウ)を含有するビニル系単量体混合物を共重合して得られる共重合体である。かかるビニル系共重合体(C)を含有することにより、成形加工時の流動性を向上させることができる。
ビニル系共重合体(C)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)としては、前述のグラフト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)として例示したものが挙げられ、特にスチレンが好ましく採用される。
ビニル系共重合体(C)を構成するシアン化ビニル系単量体(ウ)としては、前述のグラフト共重合体(B)を構成するシアン化ビニル単量体(ウ)として例示したものが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましく採用される。
また、ビニル系共重合体(C)には、上記以外にも本発明の効果を失わない程度に他の共重合可能な単量体を用いてもよい。共重合可能な他の単量体としては、前述のグラフト共重合体(B)を構成する共重合可能な他の単量体として例示したものが挙げられる。ただし、後述する不飽和カルボン酸および/またはα,β−不飽和カルボン酸無水物を共重合して得られる共重合体は、後述する変性ビニル系共重合体(D)に分類するものとする。
ビニル系共重合体(C)を構成する単量体組成比は、ビニル系単量体混合物の合計100重量%中、芳香族ビニル系単量体(イ)60〜85重量%、シアン化ビニル系単量体(ウ)15〜40重量%が好ましい。
本発明の実施形態におけるビニル系共重合体(C)について、ビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の30℃における極限粘度[η]が、0.25〜0.60dl/gの範囲であることが好ましい。ビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の30℃における極限粘度が0.25dl/g以上であれば、樹脂組成物の流動性をより向上させ、複雑形状の成形品を容易に成形することができる。ビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の30℃における極限粘度は、0.40dl/g以上が好ましい。一方、ビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の30℃における極限粘度が0.60dl/g以下であれば、成形品の靭性をより向上させることができる。ビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の30℃における極限粘度は、0.55dl/g以下がより好ましい。
<変性ビニル系共重合体(D)>
本発明の実施形態における変性ビニル系共重合体(D)とは、不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)0.1〜10重量%と、芳香族ビニル系単量体(イ)50〜85重量%と、シアン化ビニル系単量体(ウ)10〜40重量%と、を共重合して得られる共重合体である。かかる変性ビニル系共重合体(D)を含有することにより、グラフト共重合体(B)および/またはビニル系共重合体(C)とポリアミド樹脂(A)の相溶性を向上させ、成形品の靭性および耐衝撃性を向上させることができる。
変性ビニル系共重合体(D)を構成する不飽和カルボン酸またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)としては、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸およびグルタコン酸等の不飽和カルボン酸や、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、メチル無水マレイン酸およびメチル無水フマル酸等のα、β−不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。上記した変性ビニル系共重合体(D)のうち2種以上を用いてもよい。上記した変性ビニル系共重合体(D)の中で、メタクリル酸、マレイン酸および無水マレイン酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
変性ビニル系共重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)としては、前述のグラフト共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)として例示したものが挙げられ、特にスチレンが好ましく採用される。
変性ビニル系共重合体(D)を構成するシアン化ビニル系単量体(ウ)としては、前述のグラフト共重合体(B)を構成するシアン化ビニル系単量体(ウ)として例示したものが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましく採用される。
変性ビニル系共重合体(D)を構成する原料中における、不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)の重量分率は、0.1〜10重量%である。不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)の重量分率が0.1重量%未満では、ポリアミド樹脂(A)との相溶性や反応性が乏しく、成形品の靭性が低下する。一方、不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)の重量分率が10重量%を超えると、成形加工性の時の流動性が低下し、成形品表面にフローマークが発生するおそれがある。
変性ビニル系共重合体(D)を構成する芳香族ビニル系単量体(イ)およびシアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率は、(イ)(ウ)(エ)の合計100重量%中、芳香族ビニル系単量体(イ)50〜85重量%、シアン化ビニル系単量体(ウ)10〜40重量%である。芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率が50重量%未満では、成形加工時の流動性が低下する。一方、芳香族ビニル系単量体(イ)の重量分率が85重量%を超えると、成形品の靭性が低下する。シアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率が10重量%未満では、成形品の靭性が低下する。一方、シアン化ビニル系単量体(ウ)の重量分率が40重量%を超えると、成形加工時の流動性が低下する。
本発明の実施形態において、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)および変性ビニル系共重合体(D)の製造方法としては、例えば、塊状重合、懸濁重合、塊状懸濁重合、溶液重合、乳化重合、沈殿重合などの重合方法が挙げられる。上記した製造方法のうち2種以上を組み合わせてもよい。各共重合体を構成する単量体の仕込み方法も特に制限はなく、初期に一括して仕込んでもよい。また、共重合体の組成分布を所望の範囲に調整するために、単量体を数回に分けて仕込んでもよい。
本発明の実施形態において、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)および変性ビニル系共重合体(D)の重合に際して、開始剤を用いてもよい。開始剤としては、過酸化物またはアゾ系化合物などが好適に用いられる。開始剤として、過酸化物およびアゾ系化合物を組み合わせてもよい。
開始剤として用いられる過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクテート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。上記した過酸化物のうち2種以上を用いてもよい。上記した過酸化物の中でも、クメンハイドロパーオキサイドおよび1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが開始剤として好ましく用いられる。
開始剤として用いられるアゾ系化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、1−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノブタン、および2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペンタンなどが挙げられる。上記したアゾ系化合物のうち2種以上を用いてもよい。上記したアゾ系化合物の中でもアゾビスイソブチロニトリルが開始剤として好ましく用いられる。
グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)および変性ビニル系共重合体(D)を製造するに際しては、メルカプタンやテルペンなどの連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤を使用することにより、重合度を所望の範囲に調節することができる。連鎖移動剤の具体例としては、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタンおよびテルピノレンなどが挙げられる。上記した連鎖移動剤のうち2種以上を用いてもよい。上記した連鎖移動剤の中でも、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンおよびn−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられる。
<酸変性重合体(E)>
本発明の実施形態における樹脂組成物は、側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000以上である酸変性重合体(E1)および側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000未満の酸変性重合体(E2)成分を含み、(E1)成分と(E2)成分との酸価の合計が(A)〜(D)成分の質量の合計100gに対して60mgKOH以上であるとともに、(E2)成分の重量に対する(E1)成分の重量の比である(E1)/(E2)重量比が1〜50である酸変性重合体を含有することにより、成形品の難燃性を低下させることなく、靱性、耐衝撃性を向上させることができる。
本発明の実施形態における酸変性重合体(E)は、主鎖が、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、水添スチレン−ブタジエン共重合体であり、側鎖にカルボン酸無水物基を有する。カルボン酸無水物が主鎖中に共重合されている酸変性重合体である場合、主鎖自体の柔軟性が低く、樹脂組成物の靱性、耐衝撃性の向上効果は低い。また、靱性、耐衝撃性の効果を得るために、カルボン酸無水物が主鎖中に共重合されている酸変性重合体を多量に添加すると流動性が低下してしまうため好ましくない。酸変性重合体(E)における(E1)成分と(E2)成分との酸価の合計が60未満であると難燃性が低下する。酸変性重合体(E)における酸価量が大きいと難燃性向上に寄与するメカニズムとしては、ポリアミドのアミド結合とカルボン酸無水物基とが反応して、マレイミドが生成し、生成したマレイミドの存在により燃焼時炭化層(断熱層)の形成が促進されることによって難燃性が向上する、というメカニズムが考えられる。また、酸変性重合体(E)における(E1)/(E2)重量比が0.5未満であると、靱性、耐衝撃性が低下し、酸変性重合体(E)における(E1)/(E2)重量比が50を上回ると燃焼性が低下する。
<難燃剤(F)>
本発明の実施形態における難燃剤(F)としては、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素系難燃剤などを用いることができる。難燃性、物性保持の観点から、難燃剤(F)としては、臭素系難燃剤が好ましく、中でも臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル(臭素化ポリフェニレンオキサイド)、が特に好ましい。また、難燃剤(F)は、単独であっても2種以上の併用であってよい。
本発明の実施形態における臭素系難燃剤を含有することにより、成形品の燃焼時に生成するラジカル種を臭素でラジカルトラップできる。このため、燃焼を抑制し成形品の難燃性を向上させることができる。
<難燃助剤(G)>
本発明の実施形態における樹脂組成物は、上記特定の難燃剤(F)とともに、難燃助剤(G)を含有することにより、成形品の燃焼時、難燃剤(F)と難燃助剤(G)との反応に起因する不燃性ガスにより、難燃性をより向上させることができる。
本発明の実施形態における難燃助剤(G)としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等の酸化アンチモン類、一酸化スズ、二酸化スズ等の酸化スズ類、酸化第二鉄等の酸化鉄類、酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化カルシウム、酸化銅、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられる。上記した難燃助剤(G)のうち2種以上を用いてもよい。上記した難燃助剤(G)の中でも、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等の酸化アンチモン類およびホウ酸亜鉛がより好ましく、三酸化アンチモンがさらに好ましい。
難燃助剤の平均粒径は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。このような平均粒径である難燃助剤は、難燃効果をより向上させることができる。
<非繊維状無機充填材(H)>
本発明の実施形態における樹脂組成物は、非繊維状無機充填材(H)を含有することにより、成形品の耐熱性および難燃性を向上させることができる。また、繊維状無機充填材を含有させた樹脂組成物に比べて、非繊維状無機充填材(H)を含有することにより、成形加工時の流動性を大きく低下させることなく耐熱性を向上させることができる。
非繊維状無機充填材(H)としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウムなどの粒状無機充填材、ガラスフレーク(鱗片状ガラス)、ガラスビーズ(球状ガラス)およびガラスバルーン(球状中空ガラス)などの粉体状無機充填材などが挙げられる。上記した非繊維状無機充填材(H)のうち2種以上を用いてもよい。上記した非繊維状無機充填材(H)の中でも、タルク、カオリン、マイカがより好ましく、タルクがさらに好ましい。ガラス繊維のような繊維状無機充填材は流動性、靱性および耐衝撃性が大きく低下する恐れがあるため、本発明の実施形態における樹脂組成物に含有させるには好ましくない。
本発明の実施形態における樹脂組成物のうちポリアミド樹脂(A)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)および酸変性重合体(E)の合計100質量部に対して62〜80質量部が好ましい。樹脂組成物のうちポリアミド樹脂(A)の含有量が62質量部未満であると、耐熱性が低下するおそれがある。一方、樹脂組成物のうちポリアミド樹脂(A)の含有量が80質量部を超えると、靱性および耐衝撃性が低下するおそれがある。
本発明の実施形態における樹脂組成物のうち難燃剤(F)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)および酸変性重合体(E)の合計100質量部に対して20〜33質量部である。難燃剤(F)の含有量が20質量部未満では、樹脂組成物の難燃性が低下する。一方、難燃剤(F)の含有量が33質量部を越えると、成形品の靭性および耐衝撃性低下するおそれがある。
本発明の実施形態における樹脂組成物のうち難燃助剤(G)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)および酸変性重合体(E)の合計100質量部に対して5〜18質量部が好ましい。難燃助剤(G)の含有量が5重量部未満では、樹脂組成物の難燃性が低下する。一方、難燃助剤(G)の含有量が18質量部を超えると、成形品の靭性および耐衝撃性が低下するおそれがある。
本発明の実施形態における樹脂組成物のうち非繊維状無機充填材(H)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)および酸変性重合体(E)の合計100重量部に対して7〜20質量部が好ましい。非繊維状無機充填材(H)の含有量が7質量部未満であると、成形品の耐熱性および難燃性が低下する。一方、非繊維状無機充填材(H)の含有量が20質量部を超えると、成形品の靭性および耐衝撃性が低下するおそれがある。
本発明の実施形態における樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、含硫黄化合物系酸化防止剤、ヨウ化銅、ヨウ化カリウムなどの耐熱剤、含リン有機化合物系酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系などの熱酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サクシレート系などの紫外線吸収剤、銀系抗菌剤に代表される抗菌剤、抗カビ剤、カーボンブラック、酸化チタン、離型剤、潤滑剤、顔料および染料などを含有することもできる。
本発明の実施形態における樹脂組成物は、例えば、構成する各成分を溶融混練することにより得ることができる。溶融混練方法に関しては、特に制限はないが、例えば、加熱装置、ベントを有するシリンダーで単軸または二軸のスクリューを使用して溶融混練する方法などが採用可能である。溶融混練の際の加熱温度は、通常210〜320℃の範囲から選択される。本発明の目的を損なわない範囲で、溶融混練時の温度勾配等を自由に設定することも可能である。また、二軸のスクリューを用いる場合は、同一回転方向でも異回転方向でもいずれであってもよい。
本発明の実施形態における樹脂組成物を成形することにより、成形品を得ることができる。成形方法としては、射出成形が好ましい。射出成形温度は、220〜300℃が一般的である。射出成形温度は、さらに好ましくは240〜280℃である。射出成形温度は、特に好ましくは240〜270℃である。また、射出成形時の金型温度は、30〜80℃が一般的である。射出成形時の金型温度は、40〜80℃が好ましい。射出成形時の金型温度は、特に好ましくは50〜80℃である。
本発明の実施形態における樹脂組成物は、成形加工時の流動性に優れ、難燃性、耐熱性、靭性および耐衝撃性に優れた成形品を得ることができるため、電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類など種々の用途に用いることができる。例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、VTR部品、テレビ枠、台座、バックキャビ等のテレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、ガスレンジ部品、乾燥機用部品などに代表される自動車部品の用途に極めて有用である。
本発明をさらに具体的に説明するため、以下に実施例を挙げるが、これらの実施例は本発明を何ら制限するものではない。ここで特に断りのない限り「%」は重量%を表し、「部」は質量部を表す。
まず、各実施例および比較例における評価方法を下記する。
(1)ゴム質重合体(ア)の重量平均粒子径
ゴム質重合体(ア)の重量平均粒子径は、「Rubber Age Vol.88 p.484〜490(1960)by E.Schmidt,P.H.Biddison」記載のアルギン酸ナトリウム法によって求めた。すなわち、アルギン酸ナトリウムの濃度によりクリーム化するポリブタジエン粒子径が異なることを利用して、クリーム化した重量割合とアルギン酸ナトリウム濃度との累積重量分率より累積重量分率50%の粒子径を求めた。
(2)グラフト共重合体(B)のグラフト率
グラフト共重合体の所定量(m;約1g)にアセトン200mlを加え、70℃の温度の湯浴中で3時間還流した。この溶液を8800r.p.m.(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過した。この不溶分を60℃の温度で5時間減圧乾燥し、その重量(n)を測定した。グラフト率は、下記式より算出した。ここでLは、グラフト共重合体のゴム含有率である。
グラフト率(%)={[(n)−((m)×L)]/[(m)×L]}×100
(3)難燃性
米国のUL(Underwriters Laboratories)が定める、以下に示すUL94規格に準じて難燃性評価を行った。各実施例および比較例を用いて得られた厚み1.5mmの難燃性評価用試験片を23℃、相対湿度50%で48時間状態調整した後、試験片の上端をクランプで垂直に固定し、試験片の下端に所定の炎を10秒間当てた後、炎を離した時点からの試験片の燃焼時間(t1)を測定した。試験片の消火を確認後、ただちに再び試験片の下端に所定の炎を10秒間当てた後、炎を離した時点からの試験片の燃焼時間(t2)を測定した。試験片5本についてこの測定を繰返し、1回目の燃焼時間(t1)データ5個と、2回目の燃焼時間(t2)データ5個との計10個のデータを得た。10個のデータの合計燃焼時間が50秒以下であるとともに、10個のデータのうち燃焼時間の最大値が10秒以下であり、かつ、試験片がクランプまで燃え上がらないとともに、炎のついた溶融物がドリップして12インチ下のガーゼに着火するようなことがなければ、V−0相当と評価した。評価結果は、V−0基準に合格したものを「V−0」、V−0基準に合格しなかったものを「NG」と判定した。
(4)荷重たわみ温度(耐熱性)
各実施例および比較例を用いて得られた厚み4.0mmの荷重たわみ温度測定用試験片について、ISO75(2004年)の規定に準拠し、23℃、相対湿度15%未満のデシケータ内で24時間状態調整を行った乾燥状態の試験片において、荷重0.45MPaの条件で荷重たわみ温度を測定した。下記基準で○と判定したものを合格、×と判定したものを不合格とした。
○:荷重たわみ温度が130℃以上
×:荷重たわみ温度が130℃未満
(5)メルトフローレート(流動性)
各実施例および比較例を用いて得られた難燃性熱可塑性樹脂組成物のペレットについて、80℃の真空中にて5時間以上乾燥させた後、ISO1133(2005年)に準拠し、240℃、49Nの条件でメルトフローレートを測定した。下記基準で○と判定したものを合格、×と判定したものを不合格とした。
○:メルトフローレートが30g/10分以上
×:メルトフローレートが30g/10分未満
(6)靭性
各実施例および比較例を用いて得られた靭性評価用の試験片について、ISO178(2004年)の規定に準拠し、23℃、相対湿度15%未満のデシケータ内で24時間状態調整を行った乾燥状態の試験片において、曲げ特性試験を実施した。曲げ特性試験後、靭性の合否を以下の基準により判定した。測定はn=3で行い、○と判定したものを合格、×と判定したものを不合格とした。
○:試験片の曲げたわみ変化量が12.0mmを越えた時点で3本の試験片いずれにも破断が生じない。
×:試験片の曲げたわみ変化量が12.0mmを越えた時点で1本以上の試験片に破断が生じる。
(7)耐衝撃性
各実施例および比較例を用いて得られた厚み4.0mmのVノッチ付き試験片についてISO179の規定に準拠し、23℃、相対湿度15%未満のデシケータ内で24時間状態調整を行った乾燥状態の試験片において、シャルピー衝撃強度(kJ/m)を測定した。下記基準で○と判定したものを合格、×と判定したものを不合格とした。
○:シャルピー衝撃強度が3kJ/m以上
×:シャルピー衝撃強度が3kJ/m未満
次に、各実施例および比較例に用いた原料を下記する。
(参考例1)[ポリアミド樹脂(A)]
東レ(株)製 ポリアミド6 “アミラン”(登録商標)CM1001(粘度数:108ml/g)を使用した。
(参考例2)[グラフト共重合体(B)の製造]
窒素置換した反応器に、純水120重量部、ブドウ糖0.5重量部、ピロリン酸ナトリウム0.5重量部、硫酸第一鉄0.005重量部およびポリブタジエンラテックス(重量平均粒子径0.3μm、ゲル含有率85%)45重量部(固形分換算)を仕込み、撹拌しながら反応器内の温度を65℃に昇温した。反応器内の温度が65℃に達した時点を重合開始として、スチレン40重量部、アクリロニトリル15重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.3重量部からなる混合物を5時間かけて連続滴下した。混合物の連続滴下と同時に並行して、クメンハイドロパーオキサイド0.25重量部、オレイン酸カリウム2.5重量部および純水25重量部からなる水溶液を7時間かけて連続滴下し、反応を完結させた。得られたラテックスを90℃の0.3%希硫酸で凝固し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、洗浄・脱水・乾燥工程を経てグラフト共重合体(B)を調製した。このグラフト共重合体(B)のグラフト率は24%であった。
(参考例3)[ビニル系共重合体(C)の製造]
アクリルアミド80質量部、メタクリル酸メチル20質量部、過硫酸カリウム0.3質量部、イオン交換水1800質量部を反応器中に仕込み、反応器中の気相を窒素ガスで置換し、よく混合しながら70℃に保った。反応は単量体が完全に重合体に添加するまで続けて、アクリルアミドとメタクリル酸メチル二元共重合体との水溶液を得た。得られた水溶液は、やや白濁した粘性を有する水溶液であった。得られた水溶液に水酸化ナトリウムを35質量部とイオン交換水とを加え、0.6%のアクリルアミドとメタクリル酸メチルとの二元共重合体水溶液としてアルカリ性に保ち、70℃で2時間撹拌した。攪拌後、その二元共重合体水溶液を室温にまで冷却することで、透明な懸濁重合用のメタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体の水溶液を得た。
20Lのオートクレーブに、上記方法により得られたメタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体の水溶液6質量部を入れて400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、アクリロニトリル24質量部、スチレン76質量部、アゾビスイソブチロニトリル0.35質量部およびt−ドデシルメルカプタン0.35質量部の単量体混合物を、反応系を撹拌しながら30分間かけて添加し、70℃にて共重合反応を開始した。共重合反応を開始した後、180分間かけて100℃に昇温した。100℃に到達後30分間100℃で保温した後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行い、ビニル系共重合体(C)を得た。メチルエチルケトン溶媒(温度30℃)で測定したビニル系共重合体(C)のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度は、0.42dl/gであった。
(参考例4)[変性ビニル系共重合体(D)の製造]
スチレン70重量%、アクリロニトリル25重量%およびメタクリル酸5重量%からなる単量体混合物を懸濁重合して得られたスラリーを、洗浄・脱水・乾燥工程を経て、変性ビニル系共重合体(D)を調製した。
(参考例5)[重量平均分子量100,000以上の酸変性重合体(E1)]
三井化学(株)製 無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「タフマーMH7010(重量平均分子量200,000、酸価5mgKOH/g)」(E1−1)を使用した。
三井化学(株)製 無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「タフマーMH7020(重量平均分子量200,000、酸価10mgKOH/g)」(E1−2)を使用した。
三井化学(株)製 無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体「タフマーMH5040(重量平均分子量200,000、酸価20mgKOH/g)」(E1−3)を使用した。
(参考例6)[重量平均分子量100,000未満の酸変性重合体(E2)]
三洋化成(株)製 無水マレイン酸変性ポリプロピレン「ユーメックス1010(重量平均分子量30,000、酸価52mgKOH/g)」(E2−1)を使用した。
三洋化成(株)製 無水マレイン酸変性ポリプロピレン「ユーメックス5200(重量平均分子量70,000、酸価11mgKOH/g)」(E2−2)を使用した。
(参考例7)[難燃剤(F)]
アルベマール製 臭素化ポリスチレン「SAYTEX HP−3010(臭素含有量68重量%)」(F−1)を使用した。
第一工業薬品(株)製 臭素化ポリフェニレンエーテル「ピロガードSR−460B(臭素含有量62重量%)」(F−2)を使用した。
(参考例8)[難燃助剤(G)]
日本精鉱(株)製 三酸化アンチモン「PATOX M(純度99%以上、平均粒径0.5μm)」を使用した。
(参考例9)[非繊維状無機充填材(H)]
浅田製粉(株)製 タルク「AY−305(平均粒径5.2μm)」を使用した。
(参考例10)[ガラス繊維]
日本電気硝子(株)製 ガラス繊維T−351を使用した。
以下、実施例および比較例について説明する。
(実施例1〜10、比較例1〜12)
参考例に記載のポリアミド樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、ビニル系共重合体(C)、変性ビニル系共重合体(D)、酸変性重合体(E)、難燃剤(F)、難燃助剤(G)および非繊維状無機充填材(H)を、表1から表4に示した質量部数で配合し、スクリュー径30mmの同方向回転のベント付二軸押出機((株)池貝製PCM30)を用いて、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量10kg/時間の条件で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物のペレットを80℃の真空中にて5時間以上乾燥させた後、住友重機械工業社製電動射出成形機SE50−DUを用い、シリンダー温度250℃、金型温度60℃の条件で、ISO527(1993年)に規定された試験片(全長150mm、試験部の幅10mm、厚さ4mm)を射出成形した。射出成形された試験片を加工し、荷重たわみ温度、靭性およびシャルピー衝撃強度評価用の試験片を作製した。射出成形・加工直後に荷重たわみ温度、靭性およびシャルピー衝撃強度評価用の試験片が吸水しないように、23℃、相対湿度15%未満のデシケータ内で24時間状態調整を行った。また、同様の樹脂組成物のペレットを80℃の真空中にて5時間以上乾燥させた後、日精樹脂工業社製射出成形機PS60E−12Aを用い、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で、長さ125mm、幅12.5mm、厚さ1.5mmの難燃性評価用試験片を射出成形した。射出成形直後に燃焼性評価用試験片を23℃、相対湿度50%の雰囲気下で48時間状態調整を行った。それぞれの試験片を用いて各物性を評価した結果を表1から表4に示した。
Figure 2018168350
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Figure 2018168350
Figure 2018168350
表1および表2の評価結果から、本発明の実施形態における難燃性熱可塑性樹脂組成物(実施例1〜10)は、いずれも難燃性、耐熱性、成形加工時の流動性、靭性および耐衝撃性が均衡して優れていることが分かる。
一方、比較例1では酸変性重合体の合計酸価量が少なく難燃性が劣っていた。比較例2では、(E1)/(E2)重量比が大きく難燃性が劣っていた。比較例3では(E1)/(E2)重量比が小さく、流動性、靱性、耐衝撃性が劣っていた。比較例4はABS樹脂に対してポリアミド樹脂量が少なく、難燃性、耐熱性、流動性が劣っていた。比較例5ではABS樹脂に対してポリアミド樹脂量が多いため靱性が劣っていた。比較例6では側鎖にカルボン酸無水物基を有する酸変性重合体の代りにスチレン−無水マレイン酸共重合体を用いたが、流動性に著しい低下がみられた。比較例7および8ではタルクの量が少なく耐熱性および難燃性が劣っていた。比較例9はタルクが多く、流動性、靱性、耐衝撃性が劣っていた。比較例10では難燃剤の量が少なく難燃性が劣っていた。比較例11では難燃剤量が多く、靱性、耐衝撃性が劣っていた。比較例12ではタルクの代りにガラス繊維を用いたが、流動性、靱性、耐衝撃性が劣っていた。

Claims (6)

  1. ポリアミド樹脂(A)と、
    ゴム質重合体(ア)40〜80重量%に、芳香族ビニル系単量体(イ)15〜45重量%およびシアン化ビニル系単量体(ウ)5〜20重量%を含む単量体混合物をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(B)と、
    芳香族ビニル系単量体(イ)およびシアン化ビニル系単量体(ウ)を含むビニル系単量体混合物を共重合してなるビニル系共重合体(C)と、
    不飽和カルボン酸および/またはα、β−不飽和カルボン酸無水物(エ)0.1〜10重量%と、芳香族ビニル系単量体(イ)50〜85重量%と、シアン化ビニル系単量体(ウ)10〜40重量%と、を共重合してなる変性ビニル系共重合体(D)と、
    側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000以上である酸変性重合体(E1)および側鎖にカルボン酸無水物基を有する重量平均分子量が100,000未満の酸変性重合体(E2)を含み、前記(E1)成分と前記(E2)成分との酸価の合計が前記(A)成分〜前記(D)成分の質量の合計100gに対して60mgKOH以上であるとともに、前記(E2)成分の重量に対する前記(E1)成分の重量の比である(E1)/(E2)重量比が1〜50である酸変性重合体(E)と、
    前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、20〜33質量部配合される難燃剤(F)と、
    前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、5〜18質量部配合される難燃助剤(G)と、
    前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、7〜20質量部配合される非繊維状無機充填材(H)と、
    を含有し、
    前記(A)成分は、前記(A)成分〜前記(E)成分の質量部の合計100質量部に対して、62〜80質量部配合される、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記(E)成分の主鎖にポリオレフィンを含むことを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記(F)成分が臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルから選ばれる少なくとも1種以上の難燃剤であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記(G)成分がアンチモン化合物であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記(A)成分がポリアミド6であることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記(H)成分がタルクであることを特徴とする、難燃性熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024080062A1 (ja) * 2022-10-14 2024-04-18 テクノUmg株式会社 熱可塑性樹脂組成物及び成形品

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