JP4125697B2 - 難燃性樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
これらの難燃性樹脂組成物において、ハロゲン系難燃剤を用いた場合、加工機器等の金属腐食を起こす等の問題がある。又、ホスフェート化合物等のリン系難燃剤を用いた場合、難燃剤が樹脂の可塑剤として作用することから、機械的強さ、耐熱性等が劣る等の問題がある。
更に、特公昭57−1547号公報には、スチレン系樹脂に複合金属水酸化物を配合する技術が開示されているが、その実施例から明らかな通り、多量に配合する割に難燃性の改善効果が低い。また、無機物質を多量に配合することから、得られた組成物の耐衝撃性および流動性が劣る。更に、特開昭61−291642号公報には、ABS樹脂にリン系化合物及びノボラック樹脂を配合する方法が開示されているが、耐衝撃性が低い、黄変が生じる等の問題がある。
即ち本発明によれば、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分を含み、該(A)成分100質量部に対して該(B)成分0.1〜50質量部、該(C)成分0.001〜30質量部、該(D)成分0.1〜50質量部を配合してなることを特徴とする難燃性樹脂組成物が提供される。
(A)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、または、芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるゴム変性スチレン系樹脂、
(B)熱膨張性黒鉛、
(C)水溶性高分子で変性された層状粘土物質、
(D)シリコーン化合物、酸化ホウ素、硫酸アミノトリアジン化合物及びアミノトリアジン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種。
また、本発明の他の局面によれば、上記本発明の難燃性樹脂組成物からなる成形品が提供される。
本発明の(A)成分であるゴム変性スチレン系樹脂は、下記成分(A−i)から構成されてもよく、または、下記成分(A−i)に下記成分(A−ii)の(共)重合体をブレンドしてなる所謂グラフト‐ブレンド型のゴム変性スチレン系樹脂であってもよい。
成分(A−i):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物、または、芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体から構成される単量体(b)を(共)重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂、
成分(A−ii):ゴム質重合体(a)の非存在下に、ビニル単量体(b‘)を(共)重合して得られる(共)重合体。
上記成分(A−i)および(A−ii)のそれぞれは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明が目的とする難燃性と耐衝撃性の観点から、(A)成分中のゴム質重合体(a)含有量は、(A)成分全体を100質量%として、3〜80質量%の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜30質量%である。
尚、本明細書において、「(共)重合」とは、単独重合及び/又は共重合を意味する。また、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
ゲル含率(質量%)=〔{W2(g)−W1(g)}/1(g)〕×100…(1)
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調整剤の種類および量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整できる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、このマレイミド単位は、無水マレイン酸を共重合させ、後イミド化する方法で導入してもよい。マレイミド化合物を使用すると、耐熱性が付与される。マレイミド化合物を使用する場合、その使用量は、(b)成分中、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%である。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基含有不飽和化合物としては、ビニルオキサゾリン等が挙げられ、これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸アミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン等があり、これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記その他各種の官能基含有不飽和化合物を使用した場合、ゴム変性スチレン系樹脂と他のポリマーとをブレンドした時、両者の相溶性を向上させることができる。かかる効果を達成するために好ましい単量体は、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、および水酸基含有不飽和化合物であり、さらに好ましくは水酸基含有不飽和化合物であり、特に好ましくは2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートである。
上記その他各種の官能基含有不飽和化合物の使用量は、ゴム変性スチレン系樹脂中で使用される官能基含有不飽和化合物の合計量で、ゴム変性スチレン系樹脂全体に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p―メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert―ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、tert―ドデシルメルカプタン、ターピノーレン等が挙げられる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、炭素数10〜20の高級脂肪酸のカリウム塩またはナトリウム塩、ロジン酸のカリウム塩またはナトリウム塩等を用いることができる。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
また、連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、α―メチルスチレンダイマー、ターピノーレン類等を用いることができる。
また、塊状重合または懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
尚、ゴム質重合体(a)の存在下、単量体(b)を重合して得られる重合体成分には、通常、上記単量体(b)がゴム質重合体(a)にグラフト共重合した共重合体と、上記ゴム質重合体にグラフトしていない未グラフト成分(上記単量体(b)同士の(共)重合体)が含まれる。
上記重合法によって得た(A−i)成分中に残存する単量体の量は、好ましくは10,000ppm以下、更に好ましくは5,000ppm以下である。
上記(A−i)のグラフト率は、好ましくは20〜200質量%、更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%である。このグラフト率(%)は、次式により求められる。
上記式(2)中、Tは(A−i)成分1gをアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合、アセトニトリル)20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A)成分1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
本発明に関わる(A−i)成分中に分散するグラフト化ゴム質重合体の平均粒径は、好ましくは500〜30,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは1,500〜8,000Åの範囲である。平均粒子径は、電子顕微鏡を用いる公知の方法で測定できる。
成分(A−ii)の(共)重合体を構成するビニル系単量体(b‘)としては、上記ビニル系単量体(b)として列挙した芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、不飽和酸化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、水酸基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物などをすべて使用できる。これらの化合物は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(A−ii)は、単一組成の(共)重合体であってもよいし、組成の異なる2種以上の(共)重合体のブレンドであってもよい。
とりわけ、ビニル系単量体(b‘)は、芳香族ビニル化合物を必須単量体成分とし、必要に応じてシアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物および水酸基含有不飽和化合物からなる群より選ばれる1種又は2種以上を単量体成分として併用することが好ましい。ビニル系単量体(b)に関連してこれらの化合物について上記した好ましい例及び好ましい使用量は、そのままビニル系単量体(b‘)についても当てはまる。
成分(A−ii)は、前記ビニル系単量体(b‘)の重合をゴム質重合体の非存在下に行なう以外、前記成分(A−i)と同様の方法により製造できる。
成分(A−ii)の極限粘度〔η〕(溶媒としてメチルエチルケトンを使用し、30℃で測定)は、好ましくは0.2〜1.2dl/g、更に好ましくは0.2〜1dl/g、特に好ましくは0.3〜0.8dl/gである。この極限粘度は、連鎖移動剤、重合時間、重合温度などによって制御することができる。
成分(A−ii)は、上記成分(A−i)に適宜の方法で混合することができる。
本発明で使用される熱膨張性黒鉛とは、前記した黒鉛層間化合物であって、例えば次に列挙するものが挙げられる。
(i)黒鉛を陰極酸化または、硝酸、クロム酸、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、過酸化水素等の存在下の酸化条件下で硫酸と共存させることにより得られる黒鉛酸性硫酸等の各種無機酸塩。
(ii)黒鉛とアルカリ金属やアルカリ土類金属とを溶融状態となすことによって得られるナトリウム黒鉛(C64Na)、カリウム黒鉛(C8K、C24K、C36K)等の各種金属黒鉛。
(iii)黒鉛とハロゲンまたはハロゲン化合物を室温またはそれ以上の温度で反応させて得られる塩化黒鉛(C8Cl)、臭化黒鉛(C8Br)等の各種ハロゲン化黒鉛。
(iv)黒鉛と金属ハロゲン化物とを室温以上の温度で反応させて得られる塩化アルミニウム黒鉛化合物、塩化第二鉄黒鉛化合物等の金属ハロゲン化合物黒鉛化物。
等があるが、特に好ましいものは、上記(i)である。
上記(i)の熱膨張性黒鉛は、例えば、原料黒鉛を98%硫酸と60%過酸化水素水の混合物中に45℃以下で10〜30分接触させ、ついで、酸処理後の黒鉛を水洗するが、水洗後または水洗工程でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液と接触させ、ついで濾別した後、乾燥することにより製造することが出来る。アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物等の水溶性化合物で洗浄することから、例えば、Na、K等のアルカリ金属、また、Ca、Mg等のアルカリ土類金属が熱膨張性黒鉛に含まれる遊離酸との間で塩を形成し、アルカリ金属、アルカリ土類金属が熱膨張性黒鉛中に含有される場合があるが、特に問題は無い。
また、熱膨張性黒鉛の粒径は、20〜150メッシュのものが好ましい。これらの粒径のものは、粉砕及び/又は分級等により得ることが出来る。
更に、本発明の熱膨張性黒鉛は、各種化合物で被覆されていてもよく、具体的な被覆剤としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸バリウム、酸化バリウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属化合物、シリコーン系、チタニウム系、アルミニウム系カップリング剤等がある。
熱膨張性黒鉛(B)の使用量は、本発明の(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜40質量部、更に好ましくは0.5〜35質量部、特に好ましくは1〜30質量部であり、その使用量が0.1質量部未満では難燃性の改良効果が得られず。50質量部を超えると耐衝撃性が大きく低下する。
本発明の層状粘土物質は、小板粒子が積層された凝集体であるが、個々の小板粒子は、好ましくは厚さ10nm以下、直径5000nm以下のものであり、更に好ましくは厚さ0.5nm〜5nm、直径10nm〜1000nmのものである。
本発明の層状粘土物質として好ましいものは、モンモリロナイト、雲母であり、更に好ましくはモンモリロナイトであり、特に好ましく層間に介在する陽イオンがナトリウムのものである。
即ち、(C)成分の層状粘土物質と水溶性高分子との合計に対する層状粘土物質量は、好ましくは1〜99質量%、更に好ましくは2〜91質量%、特に好ましくは20〜80質量%である。
ここで使用されるシリコーン化合物は、一般式(I)で示される構造単位、及び一般式(II)で示される繰り返し構造単位を必須成分とし、一般式(III)で示されるくり返し構造単位、または一般式(IV)で示されるくり返し構造単位を80モル%以下含有するものが好ましく、性状は、オイル状、ガム状、ワニス状、粉末状、ゴム状、およびペレット状のものが使用できる。
尚、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができ、置換アルキル基としては、トリフルオロプロピル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記酸化ホウ素は、本発明の(A)成分100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは、1〜30質量部、更に好ましくは5〜20質量部、特に好ましくは5〜15質量部の範囲で使用され、0.1質量部未満では難燃性が劣り、また50質量部を超えると耐衝撃性が劣る。
上記R7及びR8において、炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基等が挙げられ、また、炭素数7〜20のアリールアルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。好ましく使用できるアミノトリアジン化合物を具体的に例示すれば、メラミン、メチルグアナミン、ベンゾグアナミン、ベンジルグアナミン、2、4−ジアミノ−6―モノホリノ−1、3、5−トリアジン、2、4−ジアミノ−6−ピペリジノ−1、3、5―トリアジン、2、4−ジアミノ−6−チオモルホリノ−1、3、5−トリアジン等であり、これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましいものはメラミンである。これらのアミノトリアジン化合物は、平均粒子径0.1〜50μmのものが好ましく用いられるが、この粒径範囲に限定されるものではない。
また、得られた硫酸アミノトリアジン化合物は、平均粒子径が50μm以下のものが好ましく、更に好ましくは0.01〜30μm、特に好ましくは0.1〜15μmのものである。
芳香族ポリカーボネートとしては、種々のヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重縮合によって得られるもの、またはジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネート等のカーボネート化合物とのエステル交換反応(溶融重縮合)によって得られるもの等、公知の重合法によって得られるものが全て使用できる。芳香族ポリカーボネートの原料となるジヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2―ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4′―ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′―ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4′―ジヒドロキシ−3,3′―ジメチルフェニルスルホキシド、4,4′―ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4′―ジヒドロキシ−3,3′―ジメチルジフェニルスルホン、ヒドロキノン、レゾルシン等、更に、ヒドロキシアリールオキシ末端化されたポリオルガノシロキサン(例えば、米国特許第3,419,634参照)等があり、これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましいものは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)である。上記芳香族ポリカーボネートは、上記原料より得られた各種ポリカーボネートを1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
尚、芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は、通常、塩化メチレンを溶媒として、20℃、濃度0.7g/100ml(塩化メチレン)で測定した比粘度(ηsp)を次式に挿入して算出することができる。
粘度平均分子量=([η]×8130)1.205
(式中、[η]=〔(ηsp×1.12+1)1/2―1〕/0.56Cである。尚、Cは濃度を示す。)
本発明で使用される芳香族ポリカーボネートにおいて、界面重縮合で得られるものは各種塩素化合物を含む場合がある。この塩素化合物は、本発明の難燃性樹脂組成物の熱安定性に悪影響する場合があるため、芳香族ポリカーボネートの塩素化合物含有量は、塩素原子として300ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは100ppm以下である。
(―Ar―S−)n ・・・(VII)
(式中、Arは置換または非置換のアリーレン基、好ましくはフェニレン基であり、nは50より大きい数でありことが好ましい。)
本発明で使用されるポリアリーレンスルフィドは、直鎖状、分岐鎖状または交叉結合されているものであってもよい。
ポリアリーレンスルフィドの好ましい出発化合物および製造方法は、例えば、米国特許第3,354,129号明細書、及び同第3,919,177号明細書に記載されている。その製造において、ポリハロゲン化された芳香族化合物を極性溶媒中で触媒存在下にて含硫黄化合物と反応させて得られる。
好適な含硫黄化合物としては、アルカリ金属硫化物、例えば硫化ナトリウム及びカリウムがある。これらのアルカリ金属硫化物の水和物が特に好ましい。また、アルカリ金属硫化物は、アルカリ水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムを用いて硫化水素から生成出来る。
好適な極性溶媒には、例えば、N―メチルピロリドン、N―エチルピロリドン、N―メチルカプロラクタム、N―エチルカプロラクタム及び1,3−ジメチルイミダゾリンがある。又、適当な触媒として、例えばアルカリフッ化物、アルカリリン酸塩またはアルカリカルボン酸塩の如き物質が挙げられ、アルカリ金属硫化物1モル当たり0.02〜1.0モルの量で用いることが好ましい。
本発明の(E)成分である上記ポリアミドは、(A)成分と(E)成分との合計100質量%に対して5〜90質量%、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%の範囲で使用され、5質量%未満では、難燃性を向上させる効果がなく、90質量%を超えると耐衝撃性が低下するために好ましくない。
上記ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ナフタレン―2,6―ジカルボン酸等が挙げられ、これらのエステル形成誘導体も、本発明の熱可塑性ポリエステルの成分として用いることが出来る。また、p―ヒドロキシ安息香酸も単独で、またはジオール成分、ジカルボン酸成分と併用して使用することができる。
本発明の熱可塑性ポリエステルは、1種単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステルの極限粘度には特に制限は無いが、ポリブチレンテレフタレートの場合、o―クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定した極限粘度[η](単位dl/g)が、0.4〜2.0の範囲のものが好ましく使用できる。
ポリエチレンテレフタレートの場合は、テトラクロルエタン/フェノールの等量混合溶媒中、25℃で測定した極限粘度[η](単位dl/g)は、好ましくは0.5〜2.0、更に好ましくは0.5〜1.5である。
本発明の(E)成分である上記熱可塑性ポリエステルは、(A)成分と(E)成分との合計100質量%に対して5〜90質量%、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜90質量%の範囲で使用され、5質量%未満では、難燃性を向上させる効果がなく、90質量%を超えると耐衝撃性が低下するために好ましくない
上記フェノール系樹脂は特に限定されるものではなく、市販されているもの等が用いられる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合、フェノール類とアルデヒド類のモル比を1:0.7〜1:0.9となるような比率で反応槽に仕込み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルホン酸等の触媒を加えた後、加熱し、所定の時間環流反応を行う。生成した水を除去するため真空脱水または静置脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を除去する方法により得ることができる。これらの樹脂または複数の原料成分を用いることにより得られる共縮合フェノール樹脂は、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
ここでフェノール類としては、フェノール、o―クレゾール、m―クレゾール、p―クレゾール、チモール、p―tert―ブチルフェノール、tert―ブチルカテコール、カテコール、イソオイゲノール、o―メトキシフェノール、4,4′―ジヒドロキシフェニル−2,2−プロパン、サルチル酸イソアミル、サルチル酸ベンジル、サルチル酸メチル、2,6−ジ−tert―ブチル−p―クレゾール等が挙げられる。これらのフェノール類は1種単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
一方、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、トリオキサン等が挙げられる。これらのアルデヒド類は必要に応じて1種単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
フェノール系樹脂の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均で300〜200000の範囲のものであり、軟化点が60℃以上のものが好ましく、更に好ましくは80℃〜200℃、特に好ましくは100℃〜150℃のものである。
尚、フェノール系樹脂の分子量は、テトラヒドロフラン溶液で、フェノール樹脂分子量標準試料を使用し、ゲルパーミエーション法で測定できる。
本発明の(E)成分である上記フェノール系樹脂は、(A)成分と(E)成分との合計100質量%に対して5〜90質量%、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%の範囲で使用され、5質量%未満では、難燃性を向上させる効果がなく、90質量%を超えると耐衝撃性が低下するために好ましくない。
本発明の上記(F)成分は、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
ビスフェノールAへのアルキレンオキサイド付加物は、工業的に三洋化成工業社製ニューポールBPEシリーズ、BPシリーズとして入手することができる。
上記(G)成分は、1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。好ましい組み合わせとしては、酸化亜鉛/酸化チタン、酸化チタン/ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛/ホウ酸亜鉛、および、酸化亜鉛/酸化チタン/ホウ酸亜鉛が挙げられる。
更に、各々の成分を混練りするに際して、それらの成分を一括混練してもよく、多段または分割配合して混練してもよい。
また、アラミド繊維、フェノール繊維、ポリエステル繊維等の有機充填材を配合することができる。
これらの充填材は、本発明の難燃性樹脂組成物100質量部に対して、1〜100質量部の範囲で通常使用される。
VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク等の音声機部品、照明部品、冷蔵庫部品などに代表される家電製品・事務機器の電気部品。
便座、タンクカバー、ケーシング、台所回りの部品、洗面台関連部品、浴室関連部品等のサニタリー関連部品。
窓枠、家具、床材、壁材等の住宅・住設関連部品。
顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等で代表される光学機器・精密機器関連部品。
オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系の各種バルブ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウエアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウオーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関連部品、ディストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイパーハーネス、ウインドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関連電磁弁用コイルボビン、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、スイッチモーターローラー、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース等の車両関連部品。その他各種用途。
(1)ゴム質重合体のゲル含率;前記した方法に従った。
(2)ゴム質重合体ラテックスの平均粒子径;
(A)成分の形成に用いるゴム質重合体ラテックスの平均粒子径は、光散乱で測定した。測定機は、大塚電子社製LPA―3100型を使用し、70回積算でミュムラント法を用いた。尚、(A)成分中の分散グラフト化ゴム質重合体の粒子径は、ラテックス粒子径とほぼ同じであることを電子顕微鏡で確認した。
(3)(A)成分のグラフト率;前記した方法に従った。
(4)(A)成分のアセトン可溶分の極限粘度〔η〕;前記した方法に従った。
(燃焼性―1)
限界酸素指数測定装置(スガ試験機社製燃焼性試験器ONI METER)及び試験片(ASTM試験法 D2863に準拠)を用い、限界酸素指数(LOI、%)を測定した。
(燃焼性―2)
限界酸素指数測定装置(スガ試験機社製燃焼性試験器ONI METER)及び試験片(ASTM試験法 D2863に準拠)を用い、酸素濃度24%で自己消火までの時間(秒)を測定した。着火後から自己消火までの時間が短いものは、難燃性が高い。また、60秒以上燃焼し続けるものは、×とした。
(燃焼性―3)
UL94V試験に準拠して、試験片肉厚1.6mmで試験した。
(燃焼性―4)
燃焼性―3において、5本の試験片を燃焼させた時に、燃焼時間の合計を測定した。
(6)耐衝撃性
ISO試験法179に準拠して、ノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m2)を測定した。
(1) (A)成分
(1−1)製造例A1;ABS樹脂
撹拌機を備えた内容積7Lのガラス製フラスコに窒素気流中で、イオン交換水75部、ロジン酸カリウム0.5部、ポリブタジエンラテックス(平均粒子径;3,500Å、ゲル含率;85%)40部(固形分)、スチレン15部、アクリロニトリル5部、tert―ドデシルメルカプタン0.1部を加え、撹拌しながら昇温した。内温が45℃に達した時点で、ピロリン酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄7水和物0.01部及びブドウ糖0.2部をイオン交換水20部に溶解した溶液を加えた。その後、クメンハイドロパーオキサイド0.07部を加えて重合を開始した。1時間重合させた後、更にイオン交換水50部、ロジン酸カリウム0.7部、スチレン30部、アクリロニトリル10部、tert―ドデシルメルカプタン0.05部およびクメンハイドロパーオキサイド0.01部を3時間かけて連続的に添加し、更に、1時間重合を継続させた後、2,2′―メチレンービス(4―エチル−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加し重合を完結させた。反応生成物のラテックスを硫酸水溶液で凝固、水洗した後、乾燥してスチレン系樹脂A1を得た。このスチレン系樹脂A1のグラフト率は68%、アセトン可溶分の極限粘度〔η〕は、0.45dl/gであった。
内容積30Lのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応容器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の反応容器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部及び、分子量調節剤としてtert―ドデシルメルカプタン0.12部とトルエン5部からなる溶液、更に重合開始剤として、1,1′―アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部とトルエン5部からなる溶液を連続的に添加した。1基目の重合温度は、110℃にコントロールし、平均滞留時間2.0時間、重合転化率は57%であった。
得られた重合体溶液は、1基目の反応容器の外部に設けられたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤、および重合開始剤の供給量と同量を連続的に取り出し2基目の反応容器に供給した。2基目の反応容器の重合温度は、130℃で行い、重合転化率は75%であった。2基目の反応容器で得られた共重合体溶液は、2軸3段ベント付き押出機を用いて、直接未反応単量体と溶媒を脱揮し、極限粘度〔η〕0.48dl/gのスチレン系樹脂A2を得た。
製造例A2において用いたスチレンとアクリロニトリルの使用量をスチレン65部、アクリロニトリル35部に変えた以外は、全て製造例A2の方法で行い、極限粘度〔η〕0.44dl/gのスチレン系樹脂A3を得た。
熱膨張性黒鉛として、三洋貿易社のSYZR503(商品名)(膨張開始温度300℃)を用いた。
(3−1)製造例C1
重合度600、ケン化度75モル%のポリビニルアルコール3部を水100部に溶解した溶液とナトリウムイオン含有モンモリロナイト[サウザンクレイ社製クロサイトNa+(商品名)]5部を水1000部に分散させた溶液を調製した。
撹拌と超音波をかけながら両溶液を2時間かけて均一に混合した後、真空乾燥機を用いて、60℃、24時間で乾燥した。その後、粉砕し微粉のC1を得た。このもののモンモリロナイト含有量は、62.5%であった。
ビスフェノールAへのエチレンオキサイド付加物として三洋化成工業社製ニューポールBPE―100(商品名)を製造例C1のポリビニルアルコールの替わりに用いた以外は、全て製造例C1の条件で行い、モンモリロナイト含有量62.5%のC2を得た。
D2;シリコーン化合物として、信越化学工業社製X−40−9805(メチルフェニル系シリコーンレジンの商品名)を用いた。
D3;酸化ホウ素として、和光純薬の試薬を用いた。
D4;硫酸アミノトリアジン化合物として、三和ケミカル社製硫酸メラミン アピノン901(商品名)を用いた。
芳香族ポリカーボネートとして、三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバレックス7022PJ(商品名)(粘度平均分子量22,000)を用いた。
ビスフェノールAへのエチレンオキサイド付加物として三洋化成工業社製ニューポールBPE―20(商品名)を用いた。
本発明の(G)成分として下記のものを用いた。
G1;石原産業社製微粒子酸化チタンTTO―51C(商品名)。
G2;日本精鉱社扱いのホウ酸亜鉛ストーフラム ZB 2335(商品名)
G3;堺化学工業社製微粉酸化亜鉛(平均粒径0.3μm)
表1記載の配合割合で全成分をヘンシエルミキサーにより混合したあと、二軸押出機(シリンダー設定温度は、表1に記載)を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを十分に乾燥したのち、射出成形機(シリンダー設定温度は、表1に記載)により、評価用試験片を作製した。この試験片を用い、前記方法で、難燃性及び耐衝撃性を評価した。
本発明の実施例1〜13の成形品は、難燃性および耐衝撃性の何れにも優れている。
一方、比較例1は、本発明の(B)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性が劣る。比較例2は、本発明の(B)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり、耐衝撃性が劣る。比較例3は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性が劣る。比較例4は、本発明の(C)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり難燃性および耐衝撃性が劣る。比較例5は、本発明の(D)成分の使用量が発明の範囲外で少ない例であり、難燃性が劣る、比較例6は、本発明の(D)成分の使用量が発明の範囲外で多い例であり、難燃性および耐衝撃性が劣る。
Claims (5)
- 下記(A)成分と難燃剤とを含有し、該難燃剤が下記(B)成分、(C)成分、および(D)成分、並びに所望により下記(E)成分、(F)成分および(G)成分からなる群より選ばれた少なくとも1種からなり、該(A)成分100質量部に対して該(B)成分0.1〜50質量部、該(C)成分0.001〜30質量部、該(D)成分0.1〜50質量部を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
(A)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル化合物、または、芳香族ビニル化合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を(共)重合してなるゴム変性スチレン系樹脂、
(B)熱膨張性黒鉛、
(C)水溶性高分子で変性された層状粘土物質、
(D)シリコーン化合物、酸化ホウ素、硫酸アミノトリアジン化合物及びアミノトリアジン化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種、
(E)芳香族ポリカーボネート、ポリアリーレンスルフィド、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種、
(F)ジヒドロキシアリール化合物のアルキレンオキサイド付加物、
(G)金属酸化物及び/又は無機酸の金属塩。 - (E)成分を、(A)成分と(E)成分との合計100質量%に対して5〜90質量%含有させてなる請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
- (F)成分を、(A)成分100質量部または(A)成分と(E)成分との合計100質量部に対して0.1〜30質量部含有させてなる請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
- (G)成分を、(A)成分100質量部または(A)成分と(E)成分との合計100質量部に対して0.0001〜20質量部含有させてなる請求項1〜3の何れか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物からなる成形品。
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