JP2018155975A - ベルト装置、中間転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト装置、中間転写装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第一支持回転体を他の支持回転体に対して傾斜させる構成で、第一支持回転体の下降に起因する不具合の発生を防止できるベルト装置を提供する。【解決手段】複数の支持回転体である二次転写対向ローラ4及びテンションローラ5等に掛け渡されて無端移動する中間転写ベルト3と、複数の支持回転体の一つの第一支持回転体であるテンションローラ5のテンションローラ軸5aを他の支持回転体である二次転写対向ローラ4の回転軸に対して傾斜させる支持回転体傾斜手段であるベルト位置補正機構50を備えるベルト装置である中間転写装置60において、ベルトの張力であるベルトテンションを調整する張力調整手段である入口ローラ退避機構70と、テンションローラ5の下降を防止する下降防止手段であるローラ下降防止部材42とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト装置、中間転写装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、複数のローラに掛け渡された無端移動するベルトを備えるベルト装置として、複数のローラのうちの一つを他のローラに対して傾斜させるものがある。
特許文献1には、この種のベルト装置が記載されている。
一つのローラを傾斜させる構成を備えたベルト装置では、ベルトの張力を緩和させると、傾斜させることができるローラが下降して、周辺の部材と接触し、ローラ、ローラに掛けまわされたベルト及び接触した周辺部材等が損傷することがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の支持回転体に掛け渡されて無端移動するベルトと、複数の前記支持回転体の一つである第一支持回転体の回転軸を他の前記支持回転体の回転軸に対して傾斜させる支持回転体傾斜手段とを備えるベルト装置において、前記ベルトの張力を調整する張力調整手段と、前記第一支持回転体の下降を防止する下降防止手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、第一支持回転体を他の支持回転体に対して傾斜させる構成で、第一支持回転体の下降に起因する不具合の発生を防止できる、という優れた効果がある。
中間転写装置の概略断面図。 プリンタの概略構成図。 組み付け直後のベルト位置補正機構を手前側から見た模式図。 ベルト寄り規制後のベルト位置補正機構を手前側から見た模式図。 中間転写装置の概略側面図。 組み付け直後の状態のベルト位置補正機構の拡大断面図。 ベルト寄り規制後のベルト位置補正機構の拡大断面図。 二つのローラの回転軸が平行な状態の中間転写装置の説明図、(a)は斜視図、(b)は上面図。 二つのローラの回転軸が傾斜した状態の中間転写装置の説明図(a)は斜視図、(b)は上面図。 軸傾斜部材の説明図。 軸傾斜部材及び傾斜部回転防止部材を軸方向から見た断面図。 ローラ軸支持部材に作用する力がベルトテンションの状態によって異なることの説明図。 図1に示す状態からテンション緩和状態としたときの中間転写装置の概略断面図。 図13に示すベルト位置補正機構の右側端部を拡大した拡大断面図。 中間転写装置で、ベルトテンションの緩和によってテンションローラが下降する過程の概略説明図。 テンション付与状態での入口ローラ退避機構の幅方向端部近傍の概略説明図。 テンション緩和状態での入口ローラ退避機構の幅方向端部近傍の概略説明図。 テンション付与状態での入口ローラ退避機構の幅方向中央部近傍の概略説明図。 テンション緩和状態での入口ローラ退避機構の幅方向中央部近傍の概略説明図。 テンション付与状態での退避レバーの概略説明図。 テンション緩和状態での退避レバーの概略説明図。 接触状態でのベルト接離機構の説明図。 離間状態でのベルト接離機構の説明図。 本体前面開口部の説明図。 装着時と装着後との中間転写装置と感光体との説明図。 ベルトテンションがゼロになった状態の中間転写装置の説明図。 テンションローラが下降することによって不具合が生じる恐れのある中間転写装置の概略説明図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の一例として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタ100という)の実施形態について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。プリンタ100は、タンデム型のカラープリンタであり、本体筐体101内に配置された第一乃至第四の四つの像担持体としての感光体1(a〜d)を備える。四つの感光体1の上方には、ベルト部材として中間転写ベルト3を備えるベルト装置である中間転写装置60を備え、中間転写装置60は、プリンタ100の装置本体に対して着脱可能となっている。
四つの感光体1(a〜d)上には、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。本実施形態の四つの感光体1(a〜d)には、それぞれブラックトナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びイエロートナー像がそれぞれ形成される。図2に示した感光体1(a〜d)はドラム状に形成されているが、感光体としては複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体を用いることもできる。
中間転写装置60には、第一乃至第四の感光体1(a〜d)に対向するように中間転写体である中間転写ベルト3が配置されており、図2に示す状態では、四つの感光体1(a〜d)は、中間転写ベルト3の表面に接触している。図2に示す中間転写ベルト3は、二次転写対向ローラ4、テンションローラ5、入口ローラ7等の複数の支持ローラに巻き掛けられている。これらの支持ローラのうちの一つである二次転写対向ローラ4が駆動源によって駆動される駆動ローラとして構成され、この二次転写対向ローラ4の駆動により中間転写ベルト3が図2中の矢印「A」方向に回転駆動される。
中間転写ベルト3は、多層構造、単層構造のいずれでもよいが、多層構造であれば、ベース層を伸びの少ない材料、例えば、フッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でつくり、表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなるものが好ましい。単層であればPVDF、PC、ポリイミド等の材質を用いるものがよい。
感光体1へのトナー像の形成と、各トナー像の中間転写ベルト3への転写は、四つの感光体1(a〜d)において実質的にすべて同一であり、形成されるトナー像の色が異なるだけである。このため、四つの感光体1(a〜d)のうち、中間転写ベルト3の表面移動方向最下流側に配置されたブラック用感光体1aへのブラックトナー像を形成と中間転写ベルト3への転写とについてだけを説明する。
ブラック用感光体1aは、図2中の矢印「C」に示すように図2中の時計方向に回転駆動され、このときブラック用感光体1a表面に除電装置からの光が照射され、ブラック用感光体1aの表面電位が初期化される。初期化されたブラック用感光体1aの表面はブラック用帯電装置8aによって所定の極性(本実施形態ではマイナス極性)に一様に帯電される。このように帯電されたブラック用感光体1aの表面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザービームLが照射され、ブラック用感光体1aの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図2に示したプリンタ100では、レーザービームを出射するレーザー書き込み装置よりなる露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
ブラック用感光体1aに形成された静電潜像は、ブラック用現像装置10aとの対向部を通過するときブラックトナー像として可視像化される。一方、中間転写ベルト3の内側には、中間転写ベルト3を挟んでブラック用感光体1aに対向する位置にブラック用一次転写ローラ11aが配置されている。このブラック用一次転写ローラ11aが中間転写ベルト3の裏面に当接し、ブラック用感光体1aと中間転写ベルト3との適正な転写ニップが形成される。
ブラック用一次転写ローラ11aには、ブラック用感光体1a上に形成されたトナー像のトナー帯電極性とは逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写電圧が印加される。これにより、ブラック用感光体1aと中間転写ベルト3との間に転写電界が形成され、ブラック用感光体1a上のブラックトナー像が、ブラック用感光体1aと同期して回転駆動される中間転写ベルト3上に静電的に転写される。ブラックトナー像を中間転写ベルト3に転写した後のブラック用感光体1a表面に付着する転写残トナーは、ブラック用クリーニング装置12aによって除去され、ブラック用感光体1aの表面が清掃される。
同様にして、他の三つの感光体1(b,c,d)には、マゼンタトナー像、シアントナー像及びイエロートナー像がそれぞれ形成される。各色のトナー像は、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像の順に、中間転写ベルト3上に順次重ねて静電転写される。
プリンタ100は、四色のトナーを使うフルカラーモードとブラック単色のみを使うブラック単色モードとの二種類の駆動モードがある。フルカラーモード時には、中間転写ベルト3と四つの感光体1(a〜d)が接触して、四色のトナー像が中間転写ベルト3上に転写される。一方、ブラック単色モードでは、ブラック用感光体1aのみが中間転写ベルト3に接触し、ブラックトナーのみが中間転写ベルト3上に転写される。このとき、マゼンタ用、シアン用、及び、イエロー用の三つの感光体1(b〜d)と中間転写ベルト3とは接触しておらず、後述する接離機構(ベルト接離機構80)により三つの一次転写ローラ11(b〜d)が感光体1(b〜d)から離間した状態である。
プリンタ100の本体筐体101の下部には、図2に示すように、給紙装置14が配置されている。給紙装置14は、給紙ローラ15の回転によって、記録媒体である記録紙Pが図2中の矢印「B」方向に送り出される。送り出された記録紙Pは、レジストローラ対16に突き当たり、一旦停止する。
中間転写ベルト3における二次転写対向ローラ4に巻き掛けられた部分と、これに対向配置された二次転写部材である二次転写ローラ17とは接触し、二次転写ニップを形成する。レジストローラ対16に突き当たった記録紙Pは、所定のタイミングで二次転写ニップに向けて搬送される。このとき、二次転写ローラ17には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト3上に重ねて転写されたトナー像が記録紙Pに二次転写される。
トナー像が二次転写された記録紙Pは、本体筐体101内をさらに上方に搬送されて定着装置18を通る。このとき記録紙P上のトナー像が定着装置18での熱と圧力との作用により定着される。定着装置18を通過した記録紙Pは、排紙部に設けられた排紙ローラ対19によりプリンタ100の外に排出される。
トナー像を記録紙Pに転写した後の中間転写ベルト3の表面上に付着する転写残トナーはベルトクリーニング装置20によって中間転写ベルト3から除去される。本実施形態におけるベルトクリーニング装置20では、ウレタン等で構成されたブレード形状のクリーニングブレード21を用いており、クリーニングブレード21を中間転写ベルト3の表面移動方向に対してカウンタ方向に当接させている。ベルトクリーニング装置20としては、適宜様々な種類のものを用いることが可能であり、例えば、ベルトクリーニング装置20を静電式のものとしても良い。
クリーニングブレード21によって中間転写ベルト3上から除去された転写残トナーはクリーニングケース内の廃トナーコイルによって、長手方向後側に送られ、プリンタ100の装置本体に設けられた廃トナー経路を通って、廃トナー容器へ搬送される。クリーニングブレード21の両端には除去した転写残トナーを周りに漏れさせないように、サイドシールが設けられ、ベルトクリーニングケースに貼り付けられている。サイドシールの構成は低摺動部材と発泡部材との二層構造で、ベルトと接触する側の低摺動部材の材質はアンビック製GF0471、発泡部材の材質はSM55#60を使用している。
ここで、従来の画像形成装置が備えるベルト装置について説明する。
従来の画像形成装置では、潜像担持体、中間転写体、記録媒体搬送部材あるいは画像定着部材等として様々な無端状ベルトが用いられている。この種の無端状ベルトは、少なくとも二本のローラに張架された状態で一定方向に走行するように構成されている。そして、無端状ベルトの材質等の問題や関係部品の精度、あるいは関係部品の経年劣化等に起因して、ベルトの走行方向に対して直交する方向へ寄っていってしまう、所謂ベルト寄りの問題があった。このベルト寄りが発生してしまうと、記録紙等の記録媒体への転写像に位置ズレが生じたり、ベルトが張架ローラから外れることによるベルト破損が生じたりする等の問題が生じてしまうので、ベルト寄りを防止または補正する必要が生じる。
そこで、ベルト寄り方向の移動を検知部材により検知し、その検知結果を基にベルトが張架されているローラをローラ変位部材により変位させ、ベルトの移動を補正または防止する方法が従来から提案されている。
例えば、張架ローラの一つとして、軸方向端部が、ベルトの加圧方向と直交する方向に移動自在に保持され、ベルト蛇行を補正する蛇行補正ローラを有する構成がある。この構成では、蛇行補正ローラの少なくとも一端部に軸方向に沿って移動自在に配設され、ベルトの端部に当接する面と、蛇行補正ローラ軸方向に沿って外径が変化する傾斜面を有する回転体とを有する。そして、回転体の外周面に当接するよう配置された固定ガイド部材を有する。このような構成のベルト蛇行補正装置では蛇行したベルトの端部が回転体に接触し、ベルトの蛇行により回転体が移動することで、蛇行補正ローラが傾斜し、この傾斜によって蛇行が補正される。
本実施形態のテンションローラ5及び中間転写ベルト3の具体構成の一例を以下に示す。
テンションローラの外径:φ26.18[mm]
テンションローラの材質:アルミニウム
中間転写ベルトの材質:ポリアミドイミド
中間転写ベルトのヤング率:3400[MPa]
中間転写ベルトのMIT耐揉試験による耐折回数:500[回]以上
中間転写ベルトの厚み:80[μm]
中間転写ベルトの線速:256[mm/s]
画像形成時の中間転写ベルトのベルトテンション:1.3[N/cm]
なお、MIT耐揉試験による耐折回数測定方法としては、JIS−P8115に準拠する。測定条件としては、幅15[mm]のサンプルに対して、荷重1[kgf]、屈曲角度135[°]、屈曲速度175[回/分]の条件にて測定した。
次に、中間転写ベルト3を備えた中間転写装置60におけるベルト寄り規制手段であるベルト位置補正機構50の構成及び動作について説明する。
図3及び図4は、中間転写装置60におけるベルト位置補正機構50の概略説明図である。本実施形態のベルト位置補正機構50は、中間転写ベルト3を支持する一つの支持ローラであるテンションローラ5の回転軸を傾斜させることで、中間転写ベルト3のベルト寄り範囲を所定の規制範囲内に規制する軸傾斜手段としての軸傾斜機構で構成されている。
図3は、組み付け直後における中間転写装置60のベルト位置補正機構50を、テンションローラ5の軸方向から(図2中の手前側から)見たときの模式図である。図4は、ベルト寄り規制後におけるベルト位置補正機構50を、テンションローラ5の軸方向から(図2中の手前側から)見たときの模式図である。
図5は、中間転写装置60を図3中の左側から見た概略側面図であり、図1は、図3中のD−D断面における中間転写装置60の概略断面図である。
図6は、図1に示すベルト位置補正機構50の右側端部を拡大した拡大断面図である。図7は、図1中のテンションローラ軸5aの右側が下方に変位してテンションローラ5が傾斜した状態のベルト位置補正機構50の右側端部を拡大した拡大断面図である。
図1に示すように、テンションローラ5の軸方向端部の外側にテンションローラ5の回転軸と同軸であるテンションローラ軸5aを有している。テンションローラ軸5aはテンションローラ5より直径が小さい円柱の形状をしており、テンションローラ5と接合されている。また、ベルト位置補正機構50は、テンションローラ軸5aに沿って軸方向内側から順に、ベルト寄り従動部材30、軸傾斜部材31、フレーム35及びローラ軸支持部材34を備える。テンションローラ軸5aは、これらの部材を貫通している。テンションローラ軸5aの軸方向両端は、それぞれ、テンションローラ軸受部材33を介してローラ軸支持部材34に支持されている。
ベルト位置補正機構50のベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31は、テンションローラ軸5aに対してその軸方向には自由に移動可能である。一方、テンションローラ軸5aの軸方向に対して直交する方向については、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が、テンションローラ軸5aとともに移動する構成となっている。
中間転写装置60は金属製等の板材からなるフレーム35を備える。中間転写装置60をプリンタ100本体に装着した状態では、テンションローラ軸5a、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が移動しても、フレーム35が移動しないように、フレーム35は本体筐体101に固定されている。また、フレーム35は、その軸方向外側の面よりも軸方向外側に向けて、支持部材回転軸36と、フレーム側スプリング固定部35aとが突き出している。さらに、フレーム35は、テンションローラ軸5aや後述する傾斜部回転防止部材47が貫通するフレーム開口部35fを備える。テンションローラ軸5aや傾斜部回転防止部材47は、後述するテンションスプリング52の付勢力及びこれに抗する力(ベルトテンション)と、支持部材付勢スプリング40の付勢力及びこれに抗する力(自重及びベルト寄りで生じる下方に向かう力)とを受ける。これらの力の変動によって、テンションローラ5の回転軸に直交する方向に変位する。フレーム開口部35fは、このような変位が生じても、テンションローラ軸5a及び傾斜部回転防止部材47とフレーム35とが干渉しない形状となっている。
支持部材回転軸36は、フレーム35に対してローラ軸支持部材34を図3中の矢印「G」方向に回動自在に支持する軸部材である。フレーム側スプリング固定部35aには、ローラ軸支持部材34に図3中の矢印「G1」方向の付勢力を作用させる支持部材付勢スプリング40の一端が固定されている。この支持部材付勢スプリング40の他端はローラ軸支持部材34の支持部材側スプリング固定部34aに固定されている。
テンションローラ軸5aの両端に配置された二つのローラ軸支持部材34は、それぞれ、支持部材付勢スプリング40によって、支持部材回転軸36を中心に図3中の時計回り方向に回転するように付勢されている。
ローラ軸支持部材34が支持部材回転軸36を中心に回動することにより、テンションローラ軸受部材33を介してローラ軸支持部材34に支持されているテンションローラ軸5aの軸方向端部が上下方向に変位する。
二つのローラ軸支持部材34は、軸受スライド長穴34bを備え、テンションローラ軸5aを軸受けするテンションローラ軸受部材33を、ローラ軸支持部材34の回転中心から径方向(図3中の矢印「H」方向)にスライド可能に支持している。テンションスプリング52は、テンションローラ軸受部材33をローラ軸支持部材34に対してローラ軸支持部材34の回転中心から二次転写対向ローラ4とは反対側の径方向外側(図3中の左側)に向けて付勢する。これにより、テンションローラ5は、常に二次転写対向ローラ4から離れる方向への付勢力を受け、二次転写対向ローラ4及びテンションローラ5を含む複数の支持ローラに張架される中間転写ベルト3に所定のテンションを付与することができる。
図6等に示すように、テンションローラ5とテンションローラ軸受部材33との間のテンションローラ軸5a上には、支持回転体傾斜手段を構成する、ベルト寄り従動部材30と軸傾斜部材31とが設けられている。ベルト寄り従動部材30がテンションローラ5の軸方向外側に配置され、軸傾斜部材31はベルト寄り従動部材30のさらに軸方向外側に配置されている。ベルト寄り従動部材30は、テンションローラ5よりも外径が小さい円筒部分30bと、円筒部分30bの軸方向外側に配置されたテンションローラ5よりも外径が大きいフランジ部30aとを備える。中間転写ベルト3にベルト寄りが生じたときには、フランジ部30aの軸方向内側の面に中間転写ベルト3の幅方向端部が突き当たる構成となっている。
次に、本実施形態の中間転写装置60におけるベルト位置補正機構50の動作について説明する。
駆動ローラである二次転写対向ローラ4が回転を始めると、中間転写ベルト3が巻き掛けられた従動ローラであるテンションローラ5も回転を始める。このとき、中間転写ベルト3の端部、または、端部近傍が、ベルト寄り従動部材30に接触している場合は、ベルト寄り従動部材30も回転を始める。
この状態において、部材間の平行度等の影響により、中間転写ベルト3にベルト幅方向の図6中の右側へ移動するベルト寄りが生じると、中間転写ベルト3の幅方向の右側端部がフランジ部30aに当接する。この当接する力を受けて、ベルト寄り従動部材30はテンションローラ軸5aに沿って軸方向外側(図6中の右側)へ移動する。ベルト寄り従動部材30がテンションローラ軸5aに沿って軸方向外側へ移動すると、ベルト寄り従動部材30に対してテンションローラ軸5aの更に外側には配置されている軸傾斜部材31がベルト寄り従動部材30によって軸方向外側に向けて押圧される。これにより、軸傾斜部材31もテンションローラ軸5aに沿って軸方向外側へ移動する。
図6に示すように、軸傾斜部材31は上部にテンションローラ軸5aに対して傾斜した傾斜面31fを備える。この傾斜面31fには、テンションローラ軸5aの軸方向外側(図6中の右側)から、フレーム35の傾斜面当接部35cが当接している。軸傾斜部材31が設けられている位置に対して更に軸方向外側(図6中右側)のテンションローラ軸5aの端部は、上述したように、テンションローラ軸受部材33を介して、ローラ軸支持部材34に支持されている。また、ローラ軸支持部材34は支持部材付勢スプリング40によって支持部材回転軸36を中心に図3中の時計回り方向に回転するように付勢されているため、テンションローラ軸5aの端部は、図6中の上方に向かう付勢力を受けている。
軸傾斜部材31は、傾斜面31fの下端に連続し、テンションローラ軸5aに沿う方向に延在する被ストッパ面31bを備える。ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに中間転写ベルト3の幅方向端部が当接していない状態では、支持部材付勢スプリング40の付勢力により、上方に移動しようとする軸傾斜部材31の被ストッパ面31bがフレーム35のストッパ面35dに突き当たる。このため、軸傾斜部材31の被ストッパ面31bとフレーム35のストッパ面35dとが当接する位置で、軸傾斜部材31の傾斜面31fとフレーム35の傾斜面当接部35cとの当接位置が規制される。よって、フレーム35の傾斜面当接部35cが軸傾斜部材31の傾斜面31fの下端部分に当接した状態(図6に示す状態)で各部材の位置関係が保持される。
この状態から、中間転写ベルト3が、ベルト幅方向について図1及び図6中の右側へ移動する力を受けると、ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに中間転写ベルト3の幅方向端部が接触する。さらに、中間転写ベルト3がベルト幅方向に移動すると、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31がテンションローラ軸5aに沿って軸方向外側(図6中の右側)へ移動する。
このとき、軸傾斜部材31の傾斜面31fに対するフレーム35の傾斜面当接部35cの位置は、傾斜面31fに沿って相対的に移動する。このため、傾斜面31fと傾斜面当接部35cとの当接位置が、傾斜面31fにおける上側へ変位しようとする。傾斜面当接部35cはフレーム35の一部であり、プリンタ100の本体筐体101に固定されているため変位せず、傾斜面当接部35cから受ける反力によって傾斜面31fを有する軸傾斜部材31が下方へ変位する。
その結果、中間転写ベルト3がベルト寄りによって移動する方向のテンションローラ軸5aの端部は、支持部材付勢スプリング40の付勢力によって上方に向かおうとする力に抗して押し下げられる。
一方、中間転写ベルト3がベルト寄りによって移動する方向とは逆側(図1中の左側)の中間転写ベルト3の端部は、ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに接触していない。このため、中間転写ベルト3が移動する方向とは逆側のテンションローラ軸5aの端部は、図6に示す状態と同様に、軸傾斜部材31の被ストッパ面31bがフレーム35のストッパ面35dに当接した状態で保持される。
したがって、中間転写ベルト3が移動する方向側(図1中の右側)のテンションローラ軸5aの端部は、他端側に対して相対的に押し下げられた状態となる。これにより、テンションローラ軸5aが傾斜して、図7に示す状態となる。
このようにして、このテンションローラ軸5aが傾斜するにつれて、中間転写ベルト3のベルト幅方向への移動速度が次第に遅くなり、最終的には、中間転写ベルト3がベルト幅方向逆向きに移動するようになる。その結果、中間転写ベルト3の幅方向位置が徐々に戻され、中間転写ベルト3は、ベルト寄りが収束する幅方向位置で安定走行することができる。これは、中間転写ベルト3のベルト寄りが逆向き(図1中の左向き)に生じる場合でも同様である。
ここで、テンションローラ軸5aを傾けることにより、中間転写ベルト3のベルト寄りを戻すことができる原理について説明する。
図8は、テンションローラ5の回転軸(5d)と、二次転写対向ローラ4の回転軸(4d)とが平行な状態の中間転写装置60の説明図である。図8(a)は、複数の支持ローラのうち、テンションローラ5及び二次転写対向ローラ4のみを示した概略斜視図であり、図8(b)は、テンションローラ5近傍の概略上面図である。
図9は、図8の状態からテンションローラ軸5aの図8中の右側端部を下げて、テンションローラ5の回転軸(5d)を、二次転写対向ローラ4の回転軸(4d)に対して角度「α」だけ傾斜させた状態の中間転写装置60の説明図である。図9(a)は、複数の支持ローラのうち、テンションローラ5及び二次転写対向ローラ4のみを示した概略斜視図であり、図9(b)は、テンションローラ5近傍の概略上面図である。図9(a)では、テンションローラ5の回転軸(5d)を傾斜させる前のテンションローラ5及び中間転写ベルト3の位置を破線で示している。
なお、図1に示すように、本実施形態の中間転写ベルト3の幅は、テンションローラ5の軸方向の長さよりも長いが、図8及び図9では、便宜的にテンションローラ5の軸方向を長く表している。
図8及び図9中の矢印「A1」は、表面移動によってテンションローラ5に接触する位置に到達する前の中間転写ベルト3の移動方向を示している。また、図8及び図9中の矢印「A2」は、テンションローラ5に掛け回される位置を通過し、テンションローラ5から分離した後の中間転写ベルト3の移動方向を示している。さらに、図8及び図9中の矢印「R」は、中間転写ベルト3が掛け回されている部分におけるテンションローラ5の表面移動方向を示しており、中間転写ベルト3が掛け回されている部分では、テンションローラ5の表面は上方から下方に移動する。
また、二次転写対向ローラ4は、テンションローラ5に対して上流側で中間転写ベルト3を張架する支持ローラである。
中間転写ベルト3が回転すると、中間転写ベルト3の内周面とテンションローラ5の外周面との間の摩擦力によってテンションローラ5が回転する。このとき、中間転写ベルト3におけるテンションローラ5に掛け回されている部分では、テンションローラ5の周面の移動方向に沿う方向の力が作用する。
ここで、テンションローラ5との接触部に進入する前の中間転写ベルト3上の任意の一地点に注目する。そして、テンションローラ5との接触部に進入する直前の中間転写ベルト3の幅方向端部上の任意の一地点を地点「E」とし、テンションローラ5との接触部から抜けた直後の中間転写ベルト3上の当該地点Eに対応する地点を地点「E’」とする。
二つの回転軸が平行な図8に示す状態では、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A1」の方向)と、テンションローラ5の周面の移動方向(矢印「R」の方向)とは、上方から見ると、図8(b)に示すように平行になる。このため、テンションローラ5に掛け回されている部分の中間転写ベルト3に対してテンションローラ軸5aに沿う方向の力は作用せず、上方から見ると中間転写ベルト3は矢印「A1」に平行に移動する。このとき、テンションローラ5との接触部に進入した地点「E」は、テンションローラ5の回転に伴いテンションローラ5の軸方向に移動することなくテンションローラ5の周面上を回転する。
そして、テンションローラ5から分離後の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A2」方向)は、上方から見ると、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A1」方向)とは、逆向きで平行な方向となる。このため、図8(b)で示すように、テンションローラ5の近傍の中間転写ベルト3を上方から見ると、テンションローラ5から分離した後の中間転写ベルト3は、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3に下方で重なって隠れる位置関係となる。よって、地点「E」と、地点「E’」との間では、テンションローラ5の軸方向における位置にズレが生じることはない。この場合、中間転写ベルト3にベルト寄りは発生しない。
上述したように、図9は、テンションローラ5の回転軸が二次転写対向ローラ4の回転軸に対して傾斜角「α」で傾斜した状態である。図9に示す状態では、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A1」の方向)と、テンションローラ5の周面の移動方向(矢印「R」の方向)とは、上方から見ると、図9(b)に示すように傾斜した状態となる。このため、中間転写ベルト3がテンションローラ5に斜めに巻き付き、中間転写ベルト3に対して、図9中の矢印「F」で示すように、テンションローラ軸5aに沿う方向の力が作用する。ここで、図9(b)のように上方から見たときの、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A1」の方向)に対する、テンションローラ5の周面上での中間転写ベルト3の移動方向の傾きを「β」とする。このとき、テンションローラ5との接触部に進入した地点「E」は、テンションローラ5の周面上を距離「L」だけ移動する間に、テンションローラ5の軸方向(図9(b)中の左方向)に距離「Ltanβ」だけ移動する。
角度「β」は、上方から見たときの、テンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3の移動方向(矢印「A1」の方向)に対する、テンションローラ5の表面移動方向(矢印「R」の方向)の傾斜が大きいほど大きくなる。また、この傾斜は、二次転写対向ローラ4の回転軸(4d)に対するテンションローラ5の回転軸(5d)の角度「α」が大きいほど、大きくなる。よって、中間転写ベルト3の寄り量(ベルト幅方向への移動速度)は、傾斜角「α」が大きいほど大きくなる。
すなわち、傾斜角「α」が大きければ大きいほど、中間転写ベルト3のベルト寄り量は増していき、小さければ小さいほど前記ベルト寄り量は減少する。したがって、例えば、図7に示すように、中間転写ベルト3が図7中右側に寄ろうとするベルト寄りが生じている場合、次のようになる。すなわち、このベルト寄りによって軸傾斜部材31がテンションローラ5の軸方向に沿って図7中の右側へ移動する。これにより、テンションローラ軸5aの図7中の右側端部が図7中の下方へ変位し、テンションローラ軸5aは右側が下がる状態に傾斜する。これにより、中間転写ベルト3を図7中の左側へ戻そうとするベルト寄りを生じさせることができる。
そして、中間転写ベルト3にもともと生じていたベルト寄りと、テンションローラ軸5aが傾斜したことで発生する中間転写ベルト3の逆向きのベルト寄りとが釣り合う位置に、中間転写ベルト3のベルト寄りを収束させることができる。この釣り合い位置で走行している中間転写ベルト3に対し、さらにどちらか一方へのベルト寄りが生じた場合でも、そのベルト寄りに応じてテンションローラ軸5aが傾くことで、再び、中間転写ベルト3のベルト寄りは、別の釣り合い位置で収束する。
このように、本実施形態における中間転写装置60のベルト位置補正機構50によれば、中間転写ベルト3のベルト幅方向への移動量に応じた傾きをテンションローラ軸5aに与えることで、中間転写ベルト3のベルト寄りを早期に収束させることができる。しかも、テンションローラ軸5aを傾かせるための駆動力には、中間転写ベルト3がベルト幅方向へ移動する力を利用するため、モータ等の駆動源を必要としない簡易な構成で実現できる。
テンションローラ5等の支持ローラの軸を傾かせる構成を備えず、ベルトの寄りを軸の傾きによって制御しない構成では、ベルト突き当て部材でベルト部材の端面を押し返すことでベルト部材の寄りを制御する。このような構成では、ベルト部材の端面に対して常にストレスがかかることとなる。そして、ベルト部材の端面はベルト部材の最も弱い箇所であり、端面にストレスがかかったままであると、ベルト部材の端部が折れることがある。一方、本実施形態の中間転写装置60では、テンションローラ5の軸を傾けることで、発生したベルト寄りとは逆方向に移動する力を作用させるため、中間転写ベルト3の端面の負荷を低減し、ベルト寄りを制御できる。
次に、軸傾斜部材31の構成について説明する。
図10は、本実施形態における軸傾斜部材31の説明図である。図10(a)は、軸傾斜部材31を図6中の左側から見た背面図であり、図10(b)は、軸傾斜部材31を図6中の手前側から見た側面図である。また、図10(c)は、軸傾斜部材31を図6中の左手前上方から見た斜視図であり、図10(d)は、軸傾斜部材31を図6中の右手前上方から見た斜視図である。
軸傾斜部材31は、傾斜面31fと、被ストッパ面31bと、を備える。傾斜面31fは、テンションローラ5に組み付けたときに、テンションローラ5の回転軸(5d)と重なる仮想軸を中心線とした円錐形の周面の一部をなすように形成された曲面で構成されている。また、被ストッパ面31bは、この仮想軸を中心とした円柱形の周面の一部をなすように形成された曲面で構成されている。
傾斜面31fを曲面で構成している理由は二つある。
一つ目の理由は、テンションローラ軸5a回りに軸傾斜部材31が僅かに回転するような事態が生じても、二次転写対向ローラ4の回転軸(4d)に対するテンションローラ5の回転軸(5d)の傾き角が変化しない構成にするためである。
二つ目の理由は、フレーム35の傾斜面当接部35cとの接触を点接触に近付けて、その接触点における摩擦を軽減するためである。これにより、テンションローラ軸5aに沿う方向の力が作用したときに、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が滑らかに動くことができる。このため、中間転写ベルト3の端部がベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに当接したときの当接圧を低減でき、中間転写ベルト3の端部の劣化を抑制して中間転写ベルト3の寿命を延ばすことができる。
本実施形態では、テンションローラ5の回転軸(5d)に対する傾斜面31fの傾斜角度(図6中の角度「γ」)は30[°]であり、軸傾斜部材31の材質はPOM(ポリアセタール)としているが、これに限られるものではない。また、軸傾斜部材31は、詳細は図11を用いて後述する傾斜部回転防止部材47によってテンションローラ軸5a回りに回転しない構成となっている。
軸傾斜部材31の被ストッパ面31bは、位置決めとして兼ねることもできる。図6に示すように、フレーム35は、その軸方向内側に突き出したガイド部35eを備え、被ストッパ面31bの初期位置は、ガイド部35eの下面であるストッパ面35dと接触している。このように構成することによって、組み付け初期のテンションローラ5の傾きを一定にすることができる。
仮に、軸傾斜部材31が被ストッパ面31bを備えず、傾斜面31fが軸傾斜部材31の図6中の軸方向右側端部まで形成された場合には、組み付け初期からフレーム35のガイド部35eに対して傾斜面31fが接触することになる。この場合、基準となる位置がないために、テンションローラ5が傾いて取り付けられてしまう恐れがある。そうすると、初期的に中間転写ベルト3が片方に寄ることになり、その分、テンションローラ5を傾けなければならず、中間転写ベルト3の蛇行(ベルト寄り)が収束するのに時間がかかるおそれがある。また、組み付け方によっては、軸傾斜部材31がひっかかって十分に中間転写ベルト3の蛇行を制御できずに、中間転写ベルト3の幅方向端部に負荷がかかりすぎたり、中間転写ベルト3とユニットとが干渉してしまったりする可能性がある。この場合、中間転写ベルト3に早期に亀裂が入ったり、損傷したりするおそれがある。
軸傾斜部材31の被ストッパ面31bとフレーム35のストッパ面35dとは、プリンタ100の前後両側(図1中の左右両側、軸方向両側端部)において接触しているのが好ましいが、片側だけ接触してもばらつきはある程度抑えられる。
フレーム35のガイド部35eの下部の傾斜面当接部35cは、図1や図6中の手前−奥方向に延在する線状角部となっており、この角部は曲面形状、ここではR形状となっている。傾斜面当接部35cが線状角部を有することで、環境変化などで中間転写ベルト3の周長が変化してベルト進行方向にテンションローラ5が動いたとしても軸傾斜部材31はガイド部35eと同じ高さで点接触を保つことができる。
次に、ローラ軸支持部材34について説明する。
図3及び図4に示すテンションローラ5に接触する前の中間転写ベルト3とテンションローラ5から分離した後の中間転写ベルト3とが成す角の二等分線となる仮想線を「ベルト二等分線39」とする。ローラ軸支持部材34の回転軸である支持部材回転軸36は、傾斜面31fとガイド部35eとの接触部に対して、ベルト二等分線39を挟んで反対側となる範囲に配置されている。
本実施形態の中間転写装置60では、ガイド部35eの傾斜面当接部35cと傾斜面31fとの接触部はベルト二等分線39を挟んで上方に位置し、支持部材回転軸36は、図3に示すようにベルト二等分線39を挟んで上方に位置する。
複数の支持ローラに張架される中間転写ベルト3のベルトテンションによって、個々の支持ローラには中間転写ベルト3の内側に向かう力が作用し、テンションローラ5に対しては、ベルト二等分線39に沿って図3中の右側に向かう力が作用する。
このベルトテンションによって作用する力によって、支持部材回転軸36を中心に図3中の時計回り方向にテンションローラ5を回転させようとするトルクが作用する。
このトルクによって、軸傾斜部材31を上方に移動させる力が働き、軸傾斜部材31の傾斜面31fがガイド部35eの傾斜面当接部35cのほうに移動するように力が働く。これにより、軸傾斜部材31とガイド部35eとが接触し、ベルト寄りが発生した際にテンションローラ5を傾斜させる構成を実現できる。また、支持部材付勢スプリング40については、ベルトテンションによって作用する力によるトルクが、軸傾斜部材31とガイド部35eとの接触状態を保てるように支持部材回転軸36を配置できれば、支持部材付勢スプリング40は無くてもよい。
また、本実施形態の中間転写装置60では、軸傾斜部材31の軸方向外側への移動を一定範囲内に制限している。具体的には、軸傾斜部材31の軸方向外側端面31cがフレーム35の軸方向ストッパ面35gに当接することで、それ以上の軸方向外側への軸傾斜部材31の移動が制限される。軸傾斜部材31の軸方向外側への移動を制限する面は、フレーム35の軸方向ストッパ面35gに限らず、例えば、ローラ軸支持部材34やテンションローラ軸受部材33の軸方向内側の面などであってもよい。
次に、軸傾斜部材31がテンションローラ軸5aを中心として回転することを防止する傾斜部回転防止部材47について説明する。
図11は、軸傾斜部材31及び傾斜部回転防止部材47を図6中の軸方向外側端面31cよりも右側から見た断面図である。
図11に示すように、傾斜部回転防止部材47は軸傾斜部材31の側面と底面に沿って軸傾斜部材31を覆う形状をしている。また、図3及び図4や図6及び図7に示すように、傾斜部回転防止部材47は、テンションローラ軸受部材33に接合されている。
テンションローラ5とともにテンションローラ軸5aが回転することで、軸傾斜部材31がz−x平面(図11の紙面と平行な面)内で、図11中の矢印「I」方向に回転するような力が加わる場合がある。このような場合、軸傾斜部材31が図11中の矢印「I」方向に回転しても、軸傾斜部材31の側面が傾斜部回転防止部材47に突き当たり、それ以上は回転しない。
傾斜部回転防止部材47は、軸傾斜部材31の軸方向(図11中の紙面に直交する方向)の両端面に接触する部分は備えておらず、軸傾斜部材31がテンションローラ軸5aに沿って軸方向に移動することを妨げない形状となっている。このため、上述したように中間転写ベルト3のベルト寄りが生じたときには、軸傾斜部材31はテンションローラ軸5a周りを回転することなく、軸方向外側に向けて移動することができる。
傾斜部回転防止部材47は、テンションローラ軸受部材33に接合されているため、図3中の矢印「H」で示すテンションローラ軸受部材33のスライド方向にテンションローラ軸5aとともに移動する。
また、傾斜部回転防止部材47が接合されたテンションローラ軸受部材33は、ローラ軸支持部材34に支持されている。このため、ローラ軸支持部材34が図3中の矢印「G」方向に回動して、テンションローラ軸5aが上下方向に移動すると、傾斜部回転防止部材47もテンションローラ軸5aとともに上下方向に移動する。
傾斜部回転防止部材47の形状としては、軸傾斜部材31の軸方向への移動を許容しつつ、回転を止めるものであれば、図11に示す形状に限るものではない。
また、傾斜部回転防止部材47は、テンションローラ軸受部材33と接合されているものに限らず、テンションローラ軸5aの移動と連動する他の部材と接合しても良い。例えば、上述した実施形態では、ベルト寄り従動部材30は、中間転写ベルト3の走行に応じて回転するものとなっている。しかし、ベルト寄り従動部材30が回転せず、テンションローラ軸5aに沿ってスライドするものであれば、傾斜部回転防止部材47をベルト寄り従動部材30に接合する構成としてもよい。
次に、ベルトテンション緩和機構(カール癖防止機構)について説明する。
本実施形態の中間転写装置60は、入口ローラ7を中間転写ベルト3の内側に移動させることで、中間転写ベルト3のベルトテンションを緩和するベルトテンション緩和機構を備える。
プリンタ100では、中間転写ベルト3が駆動ローラの回転に応じて適切に回転するように、画像形成時には中間転写ベルと3にある程度のベルトテンションが掛かった、ベルトが張った状態となっている。
テンションをかけて張架した状態で中間転写ベルト3を長期間放置すると、支持ローラの巻き付き径が小さい部分でカール癖とよばれる塑性変形を起こすことがある。特に高温高湿環境で長期間放置するとカール癖の程度が悪くなる。カール癖がついた中間転写ベルト3で画像形成動作を行うと、感光体1から中間転写ベルト3への転写時に適正な転写ニップが作られずに転写不良による異常画像を引き起こしてしまう。また、近年低コスト化要求から中間転写ベルトの低コスト化も進んでいるが、低コスト材料の中間転写ベルトの中にはカール癖が付き易いものも多い。
高温高湿環境の長期間放置は主に製造されてから顧客に納品されるまでの間の放置であることが多い。よって、放置期間中にはベルトテンションを緩和した状態、あるいは張架ローラの巻き付き部が少ない状態にしておくのが好ましい。よって、本実施形態の中間転写装置60では、巻き付き径の小さな入口ローラ7(外径「φ13」)を移動させ、巻き付き角度を減らしベルトテンションを弱めることによってカール癖を防ぐ構成にしている。
具体的には、入口ローラ7の位置をテンション付与位置とテンション緩和位置との二箇所に設定可能とし、入口ローラ7を移動させるカムが付いたレバーを手動で切り替えることで入口ローラ7の位置を変化させる。入口ローラ7の位置をテンション緩和位置に移動させると、ベルトテンションが緩和した状態となるとともに、入口ローラ7に対する中間転写ベルト3の巻き付き角度が減少する。これにより、カール癖の発生を抑制できる。
本実施形態の中間転写装置60のように、ベルト寄りが生じたときにテンションローラ5が他の支持ローラに対して傾斜する構成では、ベルトテンションを緩和させたときに、テンションローラ5に作用する力が変化する。これにより、テンションローラ5とテンションローラ5とともに移動する部材とが下降して周辺部材と干渉するおそれがある。
図12は、ローラ軸支持部材34に作用する力がベルトテンションの状態によって異なることの説明図である。図12(a)は、入口ローラ7がテンション付与位置にあるテンション付与状態の説明図であり、図12(b)は、入口ローラ7がテンション緩和位置にあるテンション緩和状態の説明図である。
図12(a)に示すテンション付与状態のときに、テンションローラ5が中間転写ベルト3から受ける力を「F1」、ベルト二等分線39から支持部材回転軸36までの距離を「W1」とする。このとき、中間転写ベルト3のベルトテンションによってローラ軸支持部材34に作用する支持部材回転軸36回りのトルクを「N1」とすると、「N1=F1×W1」となる。
図12(b)に示すテンション緩和状態のときに、テンションローラ5が中間転写ベルト3から受ける力を「F2」、ベルト二等分線39から支持部材回転軸36までの距離を「W2」とする。このとき、中間転写ベルト3のベルトテンションによってローラ軸支持部材34に作用する支持部材回転軸36回りのトルクを「N2」とすると、「N2=F2×W2」となる。
テンション緩和状態ではテンションローラ5が中間転写ベルト3から受ける力が小さくなるため、「F1>F2」である。テンションローラ5が中間転写ベルト3から受ける力が小さくなると、テンションスプリング52を圧縮させる方向の力が小さくなり、テンションスプリング52の長さは自然長に近づくように長くなるため、テンションローラ5は、図12中の左側に移動する。これにより、「W1>W2」となる。
この結果、「N1−N2」、すなわち、「F1×W1−F2×W2」分だけテンションローラ5を持ち上げる方向に作用するトルクが小さくなる。
テンションローラ5は、ローラ軸支持部材34に支持されており、このローラ軸支持部材34が支持部材回転軸36を中心に図12中の反時計回り方向に回転すると、テンションローラ5が下降し、時計回り方向に回転するとテンションローラ5が上昇する。
中間転写装置60では、支持部材付勢スプリング40の引っ張り力と、ベルトテンション(図12中の「F1」または「F2」)とによって、ローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させるトルクが作用する。テンションローラ5等のローラ軸支持部材34に取り付けられた部材の自重によってローラ軸支持部材34を図12中の反時計回り方向に回転させるトルクが作用する。
図12(a)に示すテンション付与状態では、図12中の反時計回り方向のトルクよりも時計回り方向のトルクの方が大きくなり、テンションローラ5が上昇するような力関係になる。このとき、軸傾斜部材31の被ストッパ面31bがフレーム35のガイド部35eにおけるストッパ面35dに突き当たり、テンションローラ5の上下方向の位置決めが成される。
一方、図12(b)に示すテンション緩和状態では、ベルトテンションが小さくなり(F1>F2)、支持部材回転軸36からみたテンションローラ5に作用する力の加わる点までの距離が短くなる(W1>W2)。これにより、ベルトテンションによってローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させようとするトルク(N1>N2)が小さくなる。そして、このトルクと、支持部材付勢スプリング40の引っ張り力によるトルクとを足した図12中の時計回り方向のトルクが、上述した反時計回り方向のトルクよりも小さくなることで、テンションローラ5が下降する。
さらに、図12中の「W2」は、テンションローラ5が下がるにつれて、小さくなり、さらにはマイナスになるので、テンションローラが下がった方が、テンションローラ5を持ち上げようとする力はより小さくなってしまう。
図27は、テンションローラ5が下降することによって不具合が生じる恐れのある中間転写装置60の概略説明図である。テンション付与状態では図27(a)に示すように、テンションローラ5は、支持部材付勢スプリング40の付勢力とベルトテンションとによって、上に持ち上げられ、軸傾斜部材31とガイド部35eとが接触した状態となる。これに対して、テンション緩和状態では、図27中の矢印「K」で示すように入口ローラ7が中間転写ベルト3の内側に移動することで、ベルトテンションが低下する。ベルトテンションが低下すると、テンションスプリング52の付勢力によってテンションローラ5は図27中の矢印「L」で示すように図27中の左方向に移動する。ベルトテンションが低下すると、テンションローラ5を持ち上げる力が低下し、図27(c)中の矢印「M」で示すように、テンションローラ5が下降する。このとき、テンションローラ5やテンションローラ5とともに移動する部材が、中間転写装置60を構成する他の部材と衝突すると、中間転写装置60の破損につながってしまう。
これに対して、本実施形態の中間転写装置60は、図1及び図6等に示すように、テンションローラ5の下降範囲を所定の範囲内とするローラ下降防止部材42を備えている。図13は、図1に示す状態からテンション緩和状態としたときの説明図であり、図14は、図13に示すベルト位置補正機構50の右側端部を拡大した拡大断面図である。
図13及び図14に示すように、テンションローラ5が下降すると、テンションローラ5とともに上下方向に移動する傾斜部回転防止部材47も下降し、傾斜部回転防止部材47がローラ下降防止部材42に突き当たって、下降が止まる。
図15は、本実施形態の中間転写装置60で、ベルトテンションの緩和によってテンションローラ5が下降する過程の概略説明図である。テンション付与状態では図15(a)に示すように、テンションローラ5は、支持部材付勢スプリング40の付勢力とベルトテンションとによって、上に持ち上げられ、軸傾斜部材31とガイド部35eとが接触した状態となる。テンション緩和状態では、図15中の矢印「K」で示すように入口ローラ7が中間転写ベルト3の内側に移動することで、ベルトテンションが低下する。ベルトテンションが低下すると、テンションスプリング52の付勢力によってテンションローラ5は図27中の矢印「L」で示すように図15中の左方向に移動する。ベルトテンションが低下すると、テンションローラ5を持ち上げる力が低下し、図15(c)中の矢印「M」で示すように、テンションローラ5が下降する。このとき、テンションローラ5やテンションローラ5とともに移動する傾斜部回転防止部材47がローラ下降防止部材42に突き当たって、下降が止まり、それ以上は下降しなくなる。
図1及び図6等の示すように、ローラ下降防止部材42は、フレーム35と一体で構成されているが、別体としても構わない。
テンションローラ5の下降を防止する構成としては、支持部材付勢スプリング40として、バネ定数が大きく、引っ張り力が強いものを用いることが考えられる。
しかし、支持部材付勢スプリング40が強いと、中間転写ベルト3にベルト寄りが生じたときに、テンションローラ5にベルト寄りを補正するような傾斜が生じにくく、中間転写ベルト3の幅方向端部が破損し易くなる。これは以下の理由による。
すなわち、上述したように、支持部材付勢スプリング40の引っ張り力と、ベルトテンションとによって、ローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させるトルクが作用する。一方、テンションローラ5等のローラ軸支持部材34に取り付けられた部材の自重によってローラ軸支持部材34を図12中の反時計回り方向に回転させるトルクが作用する。ベルト寄りが生じていいない状態では、ローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させるトルクの方が大きく、テンションローラ5が上昇する力が作用するが、被ストッパ面31bがストッパ面35dに突き当たり、位置決めがなされる。
ベルト寄りが生じると、テンションローラ5における中間転写ベルト3が寄った側の端部が下降し、テンションローラ5が傾斜することで、ベルト寄りを戻そうとする力が作用する。このとき、ベルト寄りが生じた中間転写ベルト3の幅方向の端部がベルト寄り従動部材30を押圧する力を、軸傾斜部材31の傾斜面31fによってテンションローラ5の軸方向の端部を下降さようとする力に変換する。このときの下降させようとする力は、ローラ軸支持部材34を図12中の反時計回り方向に回転させるトルクに寄与する。そして、このトルクがローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させるトルクよりも大きくなると、テンションローラ5の軸方向の端部が下降し、テンションローラ5の軸が傾斜する。
支持部材付勢スプリング40が強いと、ローラ軸支持部材34を図12中の時計回り方向に回転させるトルクが大きくなり、テンションローラ5を上昇させよとする力が大きくなる。このとき、ベルト寄りが発生し、中間転写ベルト3の端面がフランジ部30aに当接して、テンションローラ5の軸方向の端部を下降さようとする力が作用しても、上昇させよとする力よりも大きい下降する力が作用しないと、この端部を下降させることができない。
テンションローラ5の軸方向の端部が下降しない状態では、ベルト寄りを戻そうとする力が作用せず、上述したベルト突き当て部材でベルト部材の端面を押し返す構成と同様に、中間転写ベルト3の端面にストレスが掛かったままとなる。また、テンションローラ5の軸方向の端部が下降する状態でも、上述した上昇させよとする力よりも大きい下降する力が作用するように、中間転写ベルト3の端面がフランジ部30aに対して強い当接圧で接触することになる。この状態も、中間転写ベルト3の端面にストレスが掛かったままとなる。中間転写ベルト3の端面にストレスが掛かったままとなると、亀裂等の破損し易くなり、中間転写ベルト3の耐久寿命が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態の中間転写装置60は、ローラ下降防止部材42を備えることで、支持部材付勢スプリング40に引っ張り力が強いものを用いることなく、テンションローラ5の下降に起因する不具合を防止することができる。よって、上述した支持部材付勢スプリング40に引っ張り力が強いものを用いることに起因する不具合も防止することができる。
本実施形態の中間転写装置60では、傾斜部回転防止部材47がローラ下降防止部材42に突き当たって、下降が止まる構成であるが、ローラ下降防止部材42に突き当たる部材は傾斜部回転防止部材47に限らない。ベルト寄り従動部材30や軸傾斜部材31等、テンションローラ5とともに上下方向に移動する部材に対して、下降したときに突き当たる位置にローラ下降防止部材42を設けることで、テンションローラ5の下降を防止できる。また、本実施形態の中間転写装置60では、ローラ下降防止部材42がフレーム35から内側に突き出す配置となっているが、フレーム35の外側に突き出す配置としてもよい。この場合、テンションローラ5が下降しようとした際に、ローラ軸支持部材34がローラ下降防止部材42に突き当たり、テンションローラ5の下降を防止できる。
ベルト装置である中間転写装置60は、無端状のベルト部材である中間転写ベルト3を備える。また、中間転写ベルト3を張架支持し、中間転写装置60本体に対して移動可能で、二次転写対向ローラ4に対して傾斜可能な第一支持回転体であるテンションローラ5と、中間転写装置60本体に対して移動可能な第二支持回転体である入口ローラ7とを備える。さらに、中間転写装置60本体に対して、回転可能であるが位置は変化しない非移動支持回転体である二次転写対向ローラ4を備える。
中間転写装置60は、入口ローラ7を移動させることで、中間転写ベルト3のベルトテンションを弱めるとともに、入口ローラ7に掛かる力を弱める退避手段である入口ローラ退避機構70を備える。また、テンションローラ5を傾斜させることで中間転写ベルト3の寄りを補正する寄り補正機構であるベルト位置補正機構50を備える。
さらに、中間転写装置60は、入口ローラ7が入口ローラ退避機構70によって移動した際に、テンションローラ5が下降して、落下することを抑制する下降落下防止部材であるローラ下降防止部材42を備える。
中間転写装置60では、入口ローラ退避機構70はカール癖防止機構としての機能を有し、ベルト位置補正機構50はベルト蛇行補正機構としての機能を有する。
カール癖を防止するために入口ローラ7をベルトテンションが下がるテンション緩和位置に移動させると、中間転写ベルト3が緩んだ分、テンションスプリング52が伸びてテンションローラ5が左側に移動する。テンションスプリング52が伸びたのでベルトテンションが低下し、テンションローラ5が中間転写ベルト3から受ける力が低下する。これにより、テンションローラ5を持ち上げるように作用するトルクが低下して、テンションローラ5が下降する。このとき、テンションローラ5とともに移動する傾斜部回転防止部材47がローラ下降防止部材42に引っかかってテンションローラ5の下降が止まる。
このように、中間転写装置60では、ベルトテンションを緩和したときにテンションローラ5を持ち上げる力が減少することによってテンションローラ5が下降する問題をローラ下降防止部材42によって抑制する。これにより、テンションローラ5が下降することに起因する周辺装置との干渉や破損を抑制しつつ、カール癖なくベルト蛇行補正することが可能になる。
次に、入口ローラ7の位置をテンション付与位置からテンション緩和位置へと退避させる入口ローラ退避機構70について説明する。
図16〜図21は入口ローラ退避機構70の説明図である。図16及び図17は、入口ローラ退避機構70の幅方向(図16〜図21中の手前奥方向)端部近傍の概略説明図であり、図16はテンション付与状態の説明図、図17はテンション緩和状態の説明図である。図18及び図19は、入口ローラ退避機構70の幅方向中央部近傍の概略説明図であり、図18はテンション付与状態の説明図、図19はテンション緩和状態の説明図である。図20及び図21は、入口ローラ退避機構70を操作する退避レバー51の概略説明図であり、図20はテンション付与状態の説明図、図21はテンション緩和状態の説明図である。
図16〜図21に示すように、入口ローラ退避機構70は、入口レバー45、第一退避カム43、カム回転軸44、第二退避カム48、退避カム用スプリング49、第二退避カムストッパ63及び退避レバー51等から構成されている。第一退避カム43、第二退避カム48及び退避レバー51は、カム回転軸44に固定されている。第一退避カム43は、中間転写装置60の奥行方向(図16〜図21中の手前奥方向)の前後両端近傍に一個ずつ配置されている。第二退避カム48は中間転写装置60の奥行方向の中央に一個配置され、退避レバー51は中間転写装置60の奥行方向の前側端部に一個配置されている。
中間転写ユニットとしてプリンタ100の本体筐体101に対して着脱可能な中間転写装置60は、図21の実線に示す状態で本体筐体101に対して着脱される。このとき、入口ローラ7及びブラック用一次転写ローラ11aは、正規の位置(画像形成を行うときの位置)から退避された状態にある。
この状態で退避レバー51を手動で図21中の反時計回り方向に回すと図20の状態になる。このときの、入口ローラ7及びブラック用一次転写ローラ11aの動きを図16及び図17を用いて説明する。
図17に示す状態では、入口ローラ7及びブラック用一次転写ローラ11aの位置が退避状態にある。この状態から退避レバー51を回すことによりカム回転軸44とともに第一退避カム43が反時計回り方向に回転する。これにより、入口ローラ7を回転可能に支持する入口レバー45が第一退避カム43に押されて、二次転写対向ローラ4の回転軸を中心に図17中の反時計回り方向に回転し、入口ローラ7の位置が図16に示すように、非退避(正規)の位置に決まる。
ブラック用一次転写ローラ11aは、ブラック用ブラケット回転軸46aを中心に回転可能なブラック用一次転写ブラケット46に対して回転可能に支持されている。ブラック用一次転写スプリング57は、ブラック用一次転写ローラ11aが中間転写ベルト3を挟んでブラック用感光体1aに接触するように付勢している。図17に示す状態では、第一退避カム43がブラック用一次転写ブラケット46に突き当たり、ブラック用一次転写スプリング57の付勢力に抗する方向にブラック用一次転写ブラケット46を押圧している。このため、ブラック用一次転写ローラ11aは正規の位置に対して退避した状態となっている。
図17に示す状態から退避レバー51を回すことによりカム回転軸44とともに第一退避カム43が反時計回り方向に回転する。これにより、ブラック用一次転写ブラケット46に対する押圧がなくなり、ブラック用一次転写ブラケット46はブラック用一次転写スプリング57の付勢力によってブラック用ブラケット回転軸46aを中心に図17中の反時計回り方向に回転する。これにより、ブラック用一次転写ブラケット46に支持されたブラック用一次転写ローラ11aは、中間転写ベルト3を介してブラック用感光体1aを加圧する状態となる。
入口ローラ7及びブラック用一次転写ローラ11aの位置を、退避状態と非退避(正規)状態とのそれぞれで保持する為に、中間転写装置60幅方向中央部付近に、第二退避カム48と第二退避カムストッパ63とを設けている。
図19は、入口ローラ7が退避位置にあるときの第二退避カム48の位置を示している。図19に示す状態から、退避レバー51を反時計回り方向に回すことで第二退避カム48がカム回転軸44を撓ませながら反時計周り方向に回る。これにより、図18に示す非退避位置に設定することができ、非退避状態を保持できる。
次に、一次転写ローラ11の接離機構について説明する。
図22及び図23は、ブラック用以外の三つの一次転写ローラ11の接離機構の説明図であり、図22は接触状態の説明図であり、図23は離間状態の説明図である。
四つの一次転写ローラ11(a,b,c,d)のうちブラックの画像転写に用いられるブラック用一次転写ローラ11aは入口ローラ退避機構70によってブラック用感光体1aに対して接離可能に支持されている。他の三つの一次転写ローラ11(b,c,d)は、転写ローラホルダ55に回転可能に支持されている。転写ローラホルダ55はその一端側が接離支軸58に支持されており、転写ローラホルダ55は、接離支軸58を中心に中間転写装置60の本体に対して揺動自在に支持されている。転写ローラホルダ55は、接離モータ53が接離カム56を回転させることによって揺動される。
制御部54が接離モータ53を制御して、接離カム56の回転位置を制御することにより、図22に示す接触状態と、図23に示す離間状態とに設定することができる。
図22に示す接触状態では、転写ローラホルダ55は、三つの一次転写ローラ11(b,c,d)が中間転写ベルト3を介して三つの感光体1(b,c,d)に接触する接触位置となる。図23に示す離間状態では、転写ローラホルダ55は、三つの一次転写ローラ11(b,c,d)が中間転写ベルト3より離間するとともに、中間転写ベルト3が三つの感光体1(b,c,d)から離間する離間位置となる。
図22及び図23に示す構成では、転写ローラホルダ55、接離支軸58、接離モータ53及び接離カム56等によってベルト接離手段であるベルト接離機構80が構成されている。
転写ローラホルダ55の他端側には、検知片61が固定されており、転写ローラホルダ55の揺動に伴う検知片61の移動経路上には接離検知手段として機能する光透過型の接離センサ62が配設されている。接離センサ62は、転写ローラホルダ55が接触位置に位置するときに検知片61によって光の透過を阻害されることにより「OFF」となり、転写ローラホルダ55が離間位置に位置して光の透過を検出することにより「ON」となる。
中間転写装置60は、ブラック単色モード時には、ベルト接離機構80の作動により転写ローラホルダ55が離間位置に位置し、四つの感光体1のうち、ブラック用感光体1aのみが回転して画像形成が行われる。フルカラーモード時には、ベルト接離機構80が接触位置に位置し、四つの感光体1(a,b,c,d)がそれぞれ回転して上述したように画像形成が行われる。装置待機時には転写ローラホルダ55は離間位置にあり、接離センサ62は「ON」の状態となっている。
次に、中間転写装置60のプリンタ100本体からの着脱について説明をする。
図24は、中間転写装置60の着脱時に開放される本体前面開口部90の説明図であり、図24中の二点鎖線が本体前面開口部90の縁を示している。
中間転写装置60をプリンタ100本体から着脱する方向はプリンタ100の前後方向(図24中の紙面手前−奥方向)である。
中間転写装置60の着脱の際に、中間転写ベルト3と感光体1とが接触しないように、上述した一次転写ローラの接離機構を設けている。
一次転写ローラ11の接離機構は、Y、M、C用と、Bk用との二種類ある。Y、M、C用の一次転写ローラ11(a,b,c)の接離は、図22及び図23を用いて説明した接離センサ62を用いたベルト接離機構80によって接離動作が行われる。Bk用のブラック用一次転写ローラ11aは、図16〜図21を用いて説明した入口ローラ退避機構70によって中間転写装置60の着脱時等に手動で接離動作が行われる。
ベルト接離機構80による離間動作は、画像形成終了時または本体前面開口部90の開放時に制御部54が接離モータ53を駆動し、接離カム56を回転させることで、Y、M、C用の三つの一次転写ローラ11(a,b,c)が中間転写ベルト3から離間する。これとともに、中間転写ベルト3は、Y、M、C用の三つの感光体1(a,b,c)から離間する。
図25は、装着時と装着後との中間転写装置60と感光体1との説明図であり、図25(a)は装着時の説明図であり、図25(b)は装着後の説明図である。
図16〜図21を用いて説明したように、プリンタ100では、ブラック用一次転写ローラ11aの接離動作と、入口ローラ7の接離動作とが連動する機構(入口ローラ退避機構70)となっている。
図25(a)に示すように、ブラック用一次転写ローラ11aと中間転写ベルト3とがブラック用感光体1aに対して離間状態で、かつ、入口ローラ7がテンション緩和位置にいるときに中間転写装置60をプリンタ100本体装置に装着する。その後、退避レバー51を回転させることにより、第一退避カム43を回転させ、図25(b)に示すように、ブラック用一次転写ローラ11aに接触する位置の中間転写ベルト3をブラック用感光体1aに接触させる。このとき、入口ローラ7はテンション付与位置に移動する。
このようにブラック用一次転写ローラ11aの接離動作と入口ローラ7のテンション緩和動作とを共通の機構によって同時に行い、中間転写装置60の搬送時と、中間転写装置60のプリンタ100本体への着脱時とを同じ状態にしている。これにより、操作性の向上を図ることができる。
また、入口ローラ7をテンション緩和位置に移動させたときに、ベルトテンションがゼロにならない構成とすることが望ましい。図26は、ベルトテンションがゼロになった状態の中間転写装置60の説明図である。テンション緩和状態のときに、テンションスプリング52の自然長よりも図26中の左側にテンションローラ5が移動可能であると、図26中の「ε」で示すように、テンションスプリング52とテンションローラ5とが離間するおそれがある。テンションスプリング52とテンションローラ5とが離間する状態となると、テンションスプリング52の付勢力が中間転写ベルト3に作用しなくなり、ベルトテンションがゼロの状態となる。この状態では、中間転写ベルト3が緩んでしまい、周辺の部材と干渉し、破損するおそれがある。
このため、テンション緩和状態であっても、テンションスプリング52の長さが自然長よりも短く、圧縮された状態が維持されるように、入口ローラ7のテンション緩和位置を設定する。これにより、中間転写ベルト3が緩むことに起因する不具合を防止できる。入口ローラ7の位置は、第一退避カム43の形状によって適宜設定する。
また、ローラ下降防止部材42の位置は、中間転写装置60をプリンタ100本体から着脱する際に、プリンタ100本体と干渉しないように設定されている。詳しくは、ローラ下降防止部材42を備える中間転写装置60よりも本体前面開口部90が大きい設定としている。これにより、中間転写装置60が着脱時にプリンタ100本体と接触しない構成を実現できる。
上述した実施形態では、中間転写ベルト3が幅方向の一方に移動するベルト寄りを補正するベルト位置補正機構50について説明した。本実施形態のベルト位置補正機構50の構成によりベルト寄りを補正するベルト部材は、中間転写ベルト3に限るものではない。例えば、画像形成装置の転写紙等の記録媒体に画像が転写される転写位置を含めて記録媒体を搬送する転写搬送ベルトを備えた転写装置の転写搬送ベルトのベルト寄りを補正する構成にも適用可能である。さらに、画像形成装置が備えるベルト部材を駆動するベルト装置に限るものではなく、工場における材料や製品等を搬送するベルトコンベア等の各種のベルト装置に適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
二次転写対向ローラ4及びテンションローラ5等の複数の支持回転体に掛け渡されて無端移動する中間転写ベルト3等のベルトと、複数の支持回転体の一つであるテンションローラ5等の第一支持回転体のテンションローラ軸5a回転軸を二次転写対向ローラ4等の他の前記支持回転体の回転軸に対して傾斜させるベルト位置補正機構50等の支持回転体傾斜手段とを備える中間転写装置60等のベルト装置において、ベルトのベルトテンション等の張力を調整する入口ローラ退避機構70等の張力調整手段と、第一支持回転体の下降を防止するローラ下降防止部材42等の下降防止手段とを備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、例えばカール癖防止の目的で、張力調整手段がベルトの張力を緩和して第一支持回転体に作用する力が変動し、第一支持回転体を下降させる力が発生しても、下降防止手段で第一支持回転体の下降を防止できる。このため、第一支持回転体を他の支持回転体に対して傾斜させる構成で、第一支持回転体の下降に起因する不具合の発生を防止できる。
(態様B)
態様Aにおいて、ベルト位置補正機構50等の支持回転体傾斜手段は、中間転写ベルト3等のベルトがテンションローラ5等の第一支持回転体の軸方向の一方に移動するベルト寄りが生じたときに、ベルトが軸方向の他方に移動するように第一支持回転体を傾斜させる構成である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第一支持回転体を傾斜させることで、ベルト寄りを解消し、ベルトの蛇行を補正することができる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、入口ローラ退避機構70等の張力調整手段は、複数の支持回転体の一つである入口ローラ7等の第二支持回転体を、第二支持回転体の回転軸に直交する方向に移動させて、ベルトテンション等の張力を調整する入口ローラ退避機構70等の第二支持回転体移動機構を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成時以外のタイミングで張力が弱くなるように第二支持回転体を移動させ、第二支持回転体に掛かる力を弱めることができる。これにより、カール癖を防止する構成を実現できる。
(態様D)
態様Cにおいて、入口ローラ退避機構70等の第二支持回転体移動機構がベルトテンション等の張力を弱める位置(テンション緩和位置)に入口ローラ7等の第二支持回転体を移動させても、張力がゼロにならない構成となっている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、中間転写ベルト3等のベルトが緩んで周辺の部材と干渉することを抑制できる。
(態様E)
二次転写対向ローラ4及びテンションローラ5等の複数の支持回転体に掛け渡されて無端移動し、感光体1等の像担持体から転写されたトナー像当の可視像を、記録紙P等の被転写体に転写する中間転写ベルト3等の中間転写ベルトを備える中間転写装置60等の中間転写装置において、態様A乃至Dの何れかの態様に係るベルト装置の構成を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、支持回転体の下降に起因する中間転写ベルトの破損を防止できる中間転写装置を実現することができる。
(態様F)
二次転写対向ローラ4及びテンションローラ5等の複数の支持回転体に掛け渡された中間転写ベルト3等のベルトを無端移動させるベルト移動機構を備えるプリンタ100等の画像形成装置において、ベルト移動機構として、態様A乃至Dの何れかの態様に係る中間転写装置60等のベルト装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルトやベルトの周辺部材の破損を防止できる画像形成装置を実現することができる。
(態様G)
態様Fにおいて、ローラ下降防止部材42等の下降防止手段を、入口ローラ退避機構70等の張力調整手段がベルトテンション等の張力を緩和させたときに、中間転写装置60等のベルト装置を構成する部材が装置本体に接触しない位置に配置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、張力を緩和させたときに、ベルト装置を構成する部材と、ベルト装置の周辺の部材との干渉を防止することができる。
(態様H)
態様FまたはGにおいて、中間転写装置60等のベルト装置はプリンタ100等の装置本体に対して着脱可能に構成され、ベルトは感光体1等の像担持体から転写された可視像を記録紙P等の被転写体に転写する中間転写ベルト3等の中間転写ベルトであり、ベルト装置を着脱するときには、像担持体と中間転写ベルトとを離間させ、張力調整手段によって張力を弱めた状態として、装置本体に対して着脱する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルト装置の搬送時とベルト装置の装置本体に対する着脱時とで、ベルト装置を同じ状態にすることが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
1 感光体
1a ブラック用感光体
3 中間転写ベルト
4 二次転写対向ローラ
5 テンションローラ
5a テンションローラ軸
7 入口ローラ
8a ブラック用帯電装置
9 露光装置
10a ブラック用現像装置
11a ブラック用一次転写ローラ
11 一次転写ローラ
12a ブラック用クリーニング装置
14 給紙装置
15 給紙ローラ
16 レジストローラ対
17 二次転写ローラ
18 定着装置
19 排紙ローラ対
20 ベルトクリーニング装置
21 クリーニングブレード
30 ベルト寄り従動部材
30a フランジ部
30b 円筒部分
31 軸傾斜部材
31b 被ストッパ面
31c 軸方向外側端面
31f 傾斜面
33 テンションローラ軸受部材
34 ローラ軸支持部材
34a 支持部材側スプリング固定部
34b 軸受スライド長穴
35 フレーム
35a フレーム側スプリング固定部
35c 傾斜面当接部
35d ストッパ面
35e ガイド部
35f フレーム開口部
35g 軸方向ストッパ面
36 支持部材回転軸
39 ベルト二等分線
40 支持部材付勢スプリング
42 ローラ下降防止部材
43 第一退避カム
44 カム回転軸
45 入口レバー
46 ブラック用一次転写ブラケット
46a ブラック用ブラケット回転軸
47 傾斜部回転防止部材
48 第二退避カム
49 退避カム用スプリング
50 ベルト位置補正機構
51 退避レバー
52 テンションスプリング
53 接離モータ
54 制御部
55 転写ローラホルダ
56 接離カム
57 ブラック用一次転写スプリング
58 接離支軸
60 中間転写装置
61 検知片
62 接離センサ
63 第二退避カムストッパ
70 入口ローラ退避機構
80 ベルト接離機構
90 本体前面開口部
100 プリンタ
101 本体筐体
L レーザービーム
P 記録紙
特開2014−010429号公報

Claims (8)

  1. 複数の支持回転体に掛け渡されて無端移動するベルトと、
    複数の前記支持回転体の一つである第一支持回転体の回転軸を他の前記支持回転体の回転軸に対して傾斜させる支持回転体傾斜手段とを備えるベルト装置において、
    前記ベルトの張力を調整する張力調整手段と、
    前記第一支持回転体の下降を防止する下降防止手段とを備えることを特徴とするベルト装置。
  2. 請求項1のベルト装置において、
    前記支持回転体傾斜手段は、前記ベルトが前記第一支持回転体の軸方向の一方に移動するベルト寄りが生じたときに、前記ベルトが前記軸方向の他方に移動するように前記第一支持回転体を傾斜させる構成であることを特徴とするベルト装置。
  3. 請求項1または2のベルト装置において、
    前記張力調整手段は、複数の前記支持回転体の一つである第二支持回転体を、前記第二支持回転体の回転軸に直交する方向に移動させて、前記ベルトの張力を調整する第二支持回転体移動機構を備えることを特徴とするベルト装置。
  4. 請求項3に記載のベルト装置において、
    前記第二支持回転体移動機構が前記張力を弱める位置に前記第二支持回転体を移動させても、前記張力がゼロにならないことを特徴とするベルト装置。
  5. 複数の支持回転体に掛け渡されて無端移動し、像担持体から転写された可視像を、被転写体に転写する中間転写ベルトを備える中間転写装置において、
    請求項1乃至4の何れか一に記載のベルト装置の構成を備えることを特徴とする中間転写装置。
  6. 複数の支持回転体に掛け渡されたベルトを無端移動させるベルト移動機構を備える画像形成装置において、
    前記ベルト移動機構として、請求項1乃至4の何れか一に記載のベルト装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    前記下降防止手段を、前記張力調整手段が前記張力を緩和させたときに、前記ベルト装置を構成する部材が装置本体に接触しない位置に配置することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6または7の画像形成装置において、
    前記ベルト装置は装置本体に対して着脱可能に構成され、
    前記ベルトは像担持体から転写された可視像を被転写体に転写する中間転写ベルトであり、
    前記ベルト装置を着脱するときには、前記像担持体と前記中間転写ベルトとを離間させ、前記張力調整手段によって前記張力を弱めた状態として、前記装置本体に対して着脱することを特徴とする画像形成装置。
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