JP2015176033A - ベルト装置及び画像形成装置 - Google Patents

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直毅 岩谷
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Yasushi Takahashi
泰史 高橋
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Koki Hozumi
功樹 穂積
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Abstract

【課題】支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体を備えたベルト装置において、傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材の変形を防止し、経時に渡って部品交換が可能な状態を維持することができるベルト装置を提供する。【解決手段】無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する支持回転体63とを備え、前記支持回転体63の回転軸63aを揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、前記複数の支持回転体のうち少なくとも前記傾動可能な支持回転体63を保持する保持部材64を有し、前記傾動可能な支持回転体63の傾動に伴い、前記保持部材64が傾き得るように取り付けた。【選択図】図10

Description

本発明は、複数の支持回転体に張架されて走行する無端状のベルト部材を備えたベルト装置、及び、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置として、外周面上に画像を担持する潜像担持体や中間転写体などの像担持体、外周面上にシート材を担持して搬送するシート材搬送部材などに、無端状のベルト部材を採用したものが知られている。このようなベルト部材を備えたベルト装置は、複数の支持回転体としての支持ローラに掛け渡され、所定のテンション(張力)をもつように張架される。さらに、複数の支持回転体の軸端部には、支持回転体を保持するフレームや可動アームなどの保持部材を備えている。
このベルト装置は、経時使用によってベルト装置を構成する構成部品(ベルト部材,支持ローラ、保持部材など)の磨耗、疲労、汚れの付着等が生じる結果、本来の機能が徐々に低下する。このため、必要に応じて、あるいは、所定の使用期間経過後に、構成部品の交換作業が必要になる。この構成部品の交換は、例えば、ベルト部材や支持ローラを交換する場合、ベルト部材を張架している支持ローラの少なくとも1つについて、その回転軸を保持部材から取り外すことにより行うことができる。
また、このベルト装置は、二次転写ベルトを張架支持する複数の支持ローラの回転軸の平行度やローラ外径のばらつき、二次転写ベルト自体の周長変化による張力の不均一化などが原因で、ベルト部材がベルト幅方向の一端側へ寄ってしまうベルト寄りが生じ得る。このベルト寄り制御のため、複数の支持ローラの少なくとも1つの支持ローラの回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持ローラ(以下、傾斜ローラという)としたベルト装置が知られている。
例えば、特許文献1には次のようなベルト装置が記載されている。
このベルト装置は、ベルト部材としての中間転写ベルトと、複数の支持ローラとを備え、この複数の支持ローラのうち1つの支持ローラを傾斜ローラとしている。この傾斜ローラの回転軸上には、傾斜ローラの回転軸の軸線方向に可動で、かつ、ベルト部材の端部と接するベルト突当部と、このベルト突当部の同軸線方向外方に、同軸線方向に可動に設けられた軸押下部材とを備えている。この軸押下部材は同軸線方向外方に斜面を有しており、この斜面は下側に行くほど同軸線方向外方に位置するよう傾斜している。
また、傾斜ローラの回転軸端部は、ローラ軸保持部材(保持部材)によって傾動可能に保持されている。このローラ軸保持部材は、本体フレームに設けられた支持軸を支点として回動可能に設けられている。また、ローラ軸保持部材は、一端を固定部に取り付けたバネ部材を有し、このバネ部材によって傾斜ローラの傾斜を戻す向きへの引張力が常時付与されている。
ベルト寄りが発生すると、ベルト端部がベルト突当部に突き当たり、この突き当たる力によってベルト突当部が同軸方向外方へ移動し、軸押下部材と接触する。軸押下部材がベルト突当部に突き当てられて同軸方向外方へ移動すると、軸押下部材の斜面とベルト装置の本体フレームに設けられた凸部とが接触する。軸押下部材と凸部が接した状態で軸押下部材が同軸方向外方へ移動することで、軸押下部材の斜面と凸部との当接位置が軸押下部材の斜面に沿って上側へ変位し、軸押下部材が傾斜ローラの回転軸を下側へ押し下げる。
軸押下部材によって傾斜ローラの回転軸が押し下げられると、傾斜ローラが傾動することでベルト部材がベルト幅方向反対側へ移動する。ベルト部材がベルト幅方向反対側へ移動することでベルト端部がベルト突当部に突き当たる力が無くなり、ローラ軸保持部材に設けられたバネ部材の力により、ローラ軸保持部材を介して傾斜ローラの回転軸が傾斜を戻す向きに押し上げられ、ベルト寄りを制御することができる。
しかしながら、特許文献1のベルト装置は、ベルト寄り制御のために傾斜ローラを傾動させることで、ローラ軸保持部材における傾斜ローラの回転軸の取付け部と傾斜ローラの回転軸とが接触する。また、当該接触により、ローラ軸保持部材を支持する支持軸とローラ軸保持部材の該支持軸の取付け部とが接触する。これらの接触箇所の各々には傾斜ローラの傾動に伴って圧接力が生じ、傾斜ローラの回転による摩擦や、傾斜ローラの傾動による押圧力により、各々の接触箇所が削れたり変形したりする。
この結果、支持ローラの軸端部がローラ軸保持部材の軸受部から抜けなくなったり、ローラ軸保持部材が本体フレームの支持軸から抜けなくなったりし、ベルト部材や支持ローラなどの部品交換ができなくなるという問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体を備えたベルト装置において、傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材の変形を防止し、経時に渡って部品交換が可能な状態を維持することができるベルト装置を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する複数の支持回転体とを備え、前記複数の支持回転体の少なくとも1つの支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、
前記複数の支持回転体のうち少なくとも前記傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材を有し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記保持部材が傾き得るように取り付けたことを特徴とする。
本発明によれば、支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体を備えたベルト装置において、傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材の変形を防止し、経時に渡って部品交換が可能な状態を維持することができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。 組み付け直後における二次転写装置の軸傾斜機構の構成を、分離ローラの軸方向から見たときの模式図である。 ベルト寄り規制後における同軸傾斜機構の構成を、分離ローラの軸方向から見たときの模式図である。 組み付け直後における同軸傾斜機構の構成を、分離ローラの回転軸に沿って切断した切断面で示した模式図である。 ベルト寄り規制後における同軸傾斜機構の構成を、分離ローラの回転軸に沿って切断した切断面で示した模式図である。 二次転写ベルトにおけるベルト寄りについての説明図である。 同軸傾斜機構における軸傾斜部材の斜視図である。 同二次転写装置の斜視図である。 図4に示すスライド軸受部近傍を拡大した模式図である。 図9に示す分離ローラが傾動した状態のスライド軸受部近傍を拡大した模式図である。 図10に示す分離ローラが更に傾斜した状態のスライド軸受部近傍を拡大した模式図である。 図10に示す分離ローラが更に傾斜した状態の、二次転写ローラの回転軸による回転軸支持アームの取付け部の構成を、二次転写ローラの回転軸に沿って切断した模式図である。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるプリンタに適用した一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
本プリンタに、その本体筐体内に配置された4つの感光体1a,1b,1c,1dが設けられている。各感光体上には互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。具体的には、これらの感光体1a,1b,1c,1d上に、ブラックトナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びイエロートナー像がそれぞれ形成される。なお、本実施形態における各感光体1a,1b,1c,1dはドラム状に形成されているが、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体を用いることもできる。
4つの感光体1a,1b,1c,1dに対向して、像担持体である中間転写体として、無端ベルト状部材の中間転写ベルト51が配置されている。各感光体1a,1b,1c,1dの外周面は、それぞれ中間転写ベルト51の外周面に当接している。本実施形態の中間転写ベルト51は、テンションローラ52、駆動ローラ53、斥力ローラ54、入口ローラ55等の支持ローラ(支持回転体)に巻き掛けられ、張架されている。これらの支持ローラのうちの1つである駆動ローラ53は、図示しない駆動源によって回転駆動し、この駆動ローラ53の回転駆動により中間転写ベルト51が図中矢印Aの向きに走行する。
中間転写ベルト51は、多層構造のものでも単層構造のものでも良い。多層構造のベルトで構成する場合、例えば、伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシート、ポリイミド系樹脂でベース層を形成し、ベルト外周面をフッ素系樹脂等の平滑性の良いコート層で構成するものが好ましい。一方、単層構造のベルトで構成する場合には、PVDF、PC、ポリイミド等の材質を用いるものが良い。
各感光体1a,1b,1c,1d上に各色トナー像を形成する構成及び動作、並びに、各色トナー像を中間転写ベルト51上に一次転写する構成及び動作は、ほぼ同様であり、形成される各色トナー像の色が異なるだけである。よって、以下、ブラック用感光体1aにブラックトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト51上に一次転写する構成及び動作について説明し、他の色については説明を省略する。
ブラック用感光体1aは、図1中反時計回り方向に回転駆動する。感光体1aの外周面には、図示しない除電装置からの光が照射されることで、感光体1aの表面電位が初期化される。初期化された感光体外周面は、帯電装置8aによって所定の極性(本実施形態ではマイナス極性)に一様に帯電される。このようにして帯電された感光体外周面は、図示しない露光装置から出射される光変調されたレーザビームLが照射され、これにより感光体1aの外周面上に静電潜像が形成される。本実施形態においては、レーザビームLを出射する露光装置がレーザ書き込み装置で構成されているが、例えばLEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。感光体1aに形成された静電潜像は、現像装置10aと対向する現像領域を通過する際に、ブラックトナー像として可視像化される。
中間転写ベルト51の内周面側には、感光体1aと対向する位置に一次転写ローラ11aが配置されている。この一次転写ローラ11aが中間転写ベルト51の内周面に当接することで、感光体1aと中間転写ベルト51との間に適正な一次転写ニップが確保されている。一次転写ローラ11aには、感光体1a上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性(本実施形態ではプラス極性)の一次転写電圧が印加される。これにより、感光体1aと中間転写ベルト51との間に一次転写電界が形成され、感光体1a上のトナー像が、その感光体1aと同期して回転駆動される中間転写ベルト51上に静電的に一次転写される。トナー像を中間転写ベルト51に一次転写した後の感光体1aの外周面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置12aによって除去され、感光体1aの外周面が清掃される。
4色のトナー像をすべて使うフルカラーモードにおいては、他の色の感光体1b、1c、1dについても同様に、マゼンタトナー像、シアントナー像及びイエロートナー像がそれぞれ形成される。そして、これらの各色トナー像は、中間転写ベルト51上に一次転写されているブラックトナー像に重ね合わさるようにして順次一次転写される。
一方、ブラック単色モードにおいては、図示しない接離機構により、一次転写ローラ11b、11c、11dを感光体1b、1c、1dから離間させることで、マゼンタ、シアン、イエロー用の感光体1b、1c、1dを中間転写ベルト51から離間させる。そして、ブラック感光体1aのみが中間転写ベルト51に当接した状態で、ブラックトナー像のみが中間転写ベルト51に一次転写される。
また、図1に示すように、プリンタ本体内の下部には、給紙装置14が配置されている。給紙装置14は、給紙ローラ15の回転によって、シート材としての転写紙Pを図中矢印Bの方向へ送り出す。送り出された転写紙Pは、レジストローラ対16により、所定のタイミングで斥力ローラ54に巻き掛けられた中間転写ベルト51の部分と、これに対向配置された二次転写ベルト61の部分とが当接している二次転写ニップへと給送される。このとき、斥力ローラ54には所定の二次転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト51上のトナー像が転写紙Pに二次転写される。
無端状のベルト部材としての二次転写ベルト61は、傾動可能な支持回転体である分離ローラ63と、二次転写ローラ62とに張架支持されている。本実施形態では、二次転写ローラ62が駆動ローラとなって回転駆動することで、二次転写ベルト61は、図中矢印Cに示す向きに走行する。トナー像が二次転写された転写紙Pは、二次転写ベルト61の外周面に静電的に吸着した状態で、二次転写ベルト61の走行に伴って搬送される。そして、転写紙Pは、分離ローラ63に巻き付いた二次転写ベルト61の部分の曲率によって二次転写ベルト61の外周面から分離し、二次転写ベルト61の転写紙搬送方向下流側に配置されている搬送ベルト17によって更に転写紙搬送方向下流側へ搬送される。この搬送ベルト17は、入口回転体としての駆動ローラである入口ローラ17Aと従動回転体である従動ローラ17Bとに張架されている。そして、転写紙Pが定着装置18を通る際に、転写紙P上のトナー像が熱と圧力の作用により転写紙Pに定着される。定着装置18を通過した転写紙Pは、排紙部に設けられた排紙ローラ対19を通って機外に排出される。
また、トナー像を二次転写した後の中間転写ベルト51上に付着する転写残トナーは、ベルトクリーニング装置20によって除去される。本実施形態におけるベルトクリーニング装置20では、ウレタン等で形成されたブレード形状のクリーニングブレード21を用いており、そのクリーニングブレード21を中間転写ベルト51の走行方向に対してカウンタ方向から当接させている。なお、ベルトクリーニング装置20には適宜様々な種類のものを用いることが可能であり、例えば、クリーニング装置を静電式のものとしても良い。
次に、二次転写ベルト61を備えた二次転写装置60におけるベルト寄り規制手段の構成及び動作について説明する。
本実施形態における二次転写装置60のベルト寄り規制手段は、軸傾斜方式であり、二次転写ベルト61を張架する一方の支持ローラである分離ローラ63の回転軸を傾斜させることで、二次転写ベルト61のベルト寄り範囲を所定の規制範囲内に規制する軸傾斜機構70で構成されている。
図2は、組み付け直後における二次転写装置60の軸傾斜機構の構成を、分離ローラ63の軸方向から見たときの模式図である。
図3は、ベルト寄り規制後における軸傾斜機構の構成を、分離ローラ63の軸方向から見たときの模式図である。
本実施形態の二次転写ローラ62の回転軸各端部には、それぞれ図示しない軸受部材が取り付けられている。各軸受部材は、二次転写ローラ62の軸方向両端側に位置する二次転写装置60の2つのフレーム68にそれぞれ保持される。これにより、二次転写ローラ62は、フレーム68に対して回転自在に支持される。
また、本実施形態の分離ローラ63の回転軸各端部は、フレーム68よりも更に軸方向外側に配置される2つの回転軸支持アーム(保持部材)64にそれぞれ保持されたスライド軸受部65に取り付けられる。これにより、分離ローラ63は、回転軸支持アーム64に対して回転自在に支持される。
各回転軸支持アーム64は、二次転写ローラ62に設けられた図示しない玉軸受69を介して回動可能に保持され、二次転写ローラ62の回転軸62aの各端部に対して回動自在に取り付けられている。また、二次転写装置60のフレーム68に一端が固定されたアームスプリング66によって、図2時計回り方向に付勢されている。二次転写ベルト61にベルト寄りが生じていない組み付け直後の状態においては、アームスプリング66の付勢力により、フレーム68に回転軸支持アーム64が突き当たった位置で、回転軸支持アーム64の回動位置が保持される(図2)。
また、各回転軸支持アーム64は、図2及び図3に示すように、分離ローラ63を軸受けするスライド軸受部65を、回転軸支持アーム64の回転中心から径方向にスライド可能に保持している。スライド軸受部65は、回転軸支持アーム64に対し、テンションスプリング67により、回転軸支持アーム64の回転中心から径方向に径方向外側に向けて付勢されている。これにより、分離ローラ63は、常に二次転写ローラ62から離れる方向への付勢力を受け、分離ローラ63と二次転写ローラ62とに張架される二次転写ベルト61に所定のテンション(張力)を付与することができる。
図4は、二次転写装置60の軸傾斜機構70の構成を、分離ローラ63の回転軸63aに沿って切断した切断面で示した模式図である。
分離ローラ63には、分離ローラ63とスライド軸受部65との間の回転軸63a上に、軸方向変位部材を構成するベルト寄り検知部材71及び軸傾斜部材72が設けられている。ベルト寄り検知部材71は、二次転写ベルト61の端部と接触するフランジ部71aを備えている。二次転写ベルト61がベルト幅方向へ移動して二次転写ベルト61の端部がフランジ部71aに当接すると、その力を受けて、ベルト寄り検知部材71は分離ローラ63の回転軸63aに沿って軸方向外側へ移動する。ベルト寄り検知部材71が回転軸63aに沿って軸方向外側へ移動すると、ベルト寄り検知部材71に対して回転軸63aの更に外側には配置されている軸傾斜部材72も回転軸63aに沿って軸方向外側へ移動する。
また、軸傾斜部材72の傾斜面72aには、回転軸63aの軸方向外側から、固定部材であるフレーム68の当接部68aが当接している。このとき、当該軸傾斜部材72が設けられている分離ローラ63の回転軸63aの端部は、スライド軸受部65を介して、アームスプリング66によって付勢されている回転軸支持アーム64に支持されているため、図4中上側に向かう付勢力を受けている。そのため、ベルト寄り検知部材71のフランジ部71aに二次転写ベルト61の端部が当接していない状態であれば、アームスプリング66の付勢力により、軸傾斜部材72の傾斜面72aの下端に連続している被ストッパ面72bに、フレーム68のストッパ面68bが当接する位置で、軸傾斜部材72の傾斜面72aとフレーム68の当接部68aとの当接位置が規制される。すなわち、フレーム68の当接部68aが軸傾斜部材72の傾斜面72aの下端部分に当接した状態で保持される。
この状態から、二次転写ベルト61がベルト幅方向へ移動する力を受けて、ベルト寄り検知部材71及び軸傾斜部材72が回転軸63aに沿って軸方向外側へ移動すると、軸傾斜部材72の傾斜面72aに沿ってフレーム68の当接部68aが相対的に移動する。これにより、軸傾斜部材72の傾斜面72aとフレーム68の当接部68aとの当接位置が傾斜面72aの上側へ変位する。その結果、二次転写ベルト61が移動する方向の軸方向端部側における分離ローラ63の回転軸63aの端部は、図5に示すように、アームスプリング66の付勢力に抗して押し下げられる。このとき、二次転写ベルト61が移動する方向とは逆側の分離ローラ63の回転軸63aの端部は、二次転写ベルト61の端部がベルト寄り検知部材71のフランジ部71aに接触していないため、図4に示すように、フレーム68の当接部68aが軸傾斜部材72の傾斜面72aの下端部分に当接した状態で保持されている。したがって、二次転写ベルト61が移動する方向とは逆側の分離ローラ63の回転軸63aの端部は、他端側に対して相対的に押し下げられた状態となり、その回転軸63aは傾斜することになる。
このようにして分離ローラ63の回転軸63aが傾斜するにつれて、二次転写ベルト61のベルト幅方向への移動速度が次第に遅くなり、最終的には、二次転写ベルト61がベルト幅方向逆向きに移動するようになる。その結果、二次転写ベルト61の幅方向位置が徐々に戻され、二次転写ベルト61は、ベルト寄りが収束する幅方向位置で安定走行することができる。これは、二次転写ベルト61のベルト寄りが逆向きに生じる場合でも同様である。
ここで、分離ローラ63の回転軸63aを傾けることによりベルト寄りを戻すことができる原理について説明する。
図6は、二次転写ベルトにおけるベルト寄りについての説明図である。
二次転写ベルト61を剛体であると仮定し、分離ローラ63に進入する前の二次転写ベルト61上の任意の一地点(ここではベルト端部上の地点Eとする。)に注目する。2つのローラ62、63に張架されている二次転写ベルト61が完全に水平あるいは平行な状態であれば、分離ローラ63に進入する直前の二次転写ベルト61上の当該地点Eと、分離ローラ63から抜けた直後の二次転写ベルト61上の当該地点Eに対応する地点E’との間では、分離ローラ63の回転軸方向における位置にズレが生じることはない。この場合、二次転写ベルト61にベルト寄りは発生しない。
一方、分離ローラ63の回転軸63aが二次転写ローラ62の回転軸62aに対して傾いている場合、その傾斜角をαとすると、二次転写ベルト61上の当該地点Eは、分離ローラ63の周面に沿って移動する間に、図6に示すように、およそtanα分だけ分離ローラ63の回転軸方向へ変位する。したがって、分離ローラ63の回転軸63aを、二次転写ローラ62の回転軸62aに対して傾斜角αだけ傾ければ、二次転写ベルト61を分離ローラ63の回転にあわせて、二次転写ベルト61のベルト幅方向位置をおよそtanα分だけ移動させることができる。
二次転写ベルト61の寄り量(ベルト幅方向への移動速度)は、傾斜角αに比例する。すなわち、傾斜角αが大きければ大きいほど、二次転写ベルト61の寄り量は増していき、小さければ小さいほどベルト寄り量は減少する。したがって、例えば、図5に示すように、二次転写ベルト61が図5中右側に寄ろうとするベルト寄りが生じている場合、このベルト寄りによって軸傾斜部材72が分離ローラ回転軸方向へ移動して分離ローラ63の回転軸63aが図中下側へ下がることで、二次転写ベルト61を図5中左側へ戻そうとするベルト寄りを生じさせることができる。そして、二次転写ベルト61にもともと生じていたベルト寄りと、分離ローラ63の回転軸63aが傾いたことで発生する二次転写ベルト61の逆向きのベルト寄りとが釣り合う位置に、二次転写ベルト61のベルト寄りを収束させることができる。この釣り合い位置で走行している二次転写ベルト61に対し、さらにどちらか一方へのベルト寄りが生じた場合でも、そのベルト寄りに応じて分離ローラ63の回転軸63aが傾くことで、再び、二次転写ベルト61のベルト寄りは、別の釣り合い位置で収束する。
このように、本実施形態における二次転写装置60の軸傾斜機構70によれば、二次転写ベルト61のベルト幅方向への移動量に応じた傾きを分離ローラ63の回転軸63aに与えることで、二次転写ベルト61のベルト寄りを早期に収束させることができる。しかも、分離ローラ63の回転軸63aを傾かせるための駆動力には、二次転写ベルト61がベルト幅方向へ移動する力を利用するため、モータ等の駆動源を必要としない簡易な構成で実現できる。
次に、軸傾斜部材72の構成について説明する。
図7は、本実施形態における軸傾斜部材72の斜視図である。本実施形態の軸傾斜部材72は、円筒形状本体の外周面に傾斜面72aをもつ突起部が形成された構成となっている。傾斜面72aは、円筒形状本体の中心軸を中心とした円錐形の周面の一部をなすように形成された曲面で構成されている。このように傾斜面72aを曲面で構成している理由には2つある。1つ目に理由は、分離ローラ63の回転軸63a回りに軸傾斜部材72が僅かに回転するような事態が生じても、分離ローラ63の傾き角が変化しないようにするためである。2つ目の理由は、フレーム68の当接部68aとの接触を点接触に近付けて、その接触点における摩擦を軽減して、二次転写ベルト61の端部とベルト寄り検知部材71との当接圧を低減し、二次転写ベルト61の端部の劣化を抑制して二次転写ベルト61の寿命を延ばすためである。なお、本実施形態において、傾斜面72aの回転軸63aに対する傾斜角度βは30°であり、軸傾斜部材72の材質はPOM(ポリアセタール)としているが、これに限られるものではない。
本実施形態の分離ローラ63及び二次転写ベルト61の具体構成の一例を以下に示す。
分離ローラの外径:φ15
分離ローラの材質:アルミ
二次転写ベルトの材質:ポリイミド
二次転写ベルトのヤング率:3000MPa
二次転写ベルトのMIT耐揉試験による耐折回数:6000回
二次転写ベルトの厚み:80μm
二次転写ベルトの線速:352mm/s
ベルトテンション:0.9N/cm
なお、MIT耐揉試験による耐折回数測定方法としては、JIS−P8115に準拠する。測定条件としては、幅15mmのサンプルに対して、荷重1kgf、屈曲角度135度、屈曲速度175回/分の条件にて測定した。
本発明の特徴部分である、分離ローラ63の回転軸63aと回転軸支持アーム64との接触箇所の構成について詳述する。
図8は、同二次転写装置60の組み付け直後における斜視図である。
本実施形態において、回転軸支持アーム64は回転軸支持アーム64に設けた玉軸受69を介して二次転写ローラ62の回転軸62aに支持されている。また、回転軸支持アーム64は金属板で形成され、支持回転体の軸線方向に1〜2mmの厚みを有している。分離ローラ63は、分離ローラ63の回転軸63aをスライド軸受部65を介して回転軸支持アーム64に保持されている。
二次転写装置60が駆動を開始し、図8中手前側にベルト寄りが発生すると、分離ローラ63が図中矢印a方向へ押し下げられる。分離ローラ63が傾くと、分離ローラ63の回転軸63a端部を保持する回転軸支持アーム64が、スライド軸受部65を介して二次転写ローラ62を支点に図中矢印a方向へ回動する。
このとき、分離ローラ63の回転軸63aが図中矢印a方向に傾動するのに対し、分離ローラ63の回転軸63aを保持するスライド軸受部65は、図中左右方向にしか移動できない。したがって、スライド軸受部65と分離ローラ63の回転軸63aとの接する箇所には、分離ローラ63の回転軸63aの傾動による圧力や、分離ローラ63の回転軸63aの回転による摩擦が生じる。
図9は、図4に示すスライド軸受部65近傍を拡大した模式図である。
図10は、図9に示す分離ローラ63が傾動した状態のスライド軸受部65近傍を拡大した模式図である。
図9に示すように、本実施形態におけるスライド軸受部65は、回転軸支持アーム64と接する面上に凹部100を有している。また、本実施形態における回転軸支持アーム64におけるスライド軸受部65の取付け部とスライド軸受部65の凹部100との間には隙間Aを有している。
この隙間Aは、分離ローラ63の傾動に伴う分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65の内輪65aとの接触により、スライド軸受部65の内輪65aが変形することなく、スライド軸受部65が回転軸支持アーム64に対して傾動可能な隙間である。
例えば、回転軸支持アーム64におけるスライド軸受部65の取付け部とスライド軸受部65との間に隙間Aを設けなかった場合、分離ローラ63の回転軸63aが矢印a方向へ傾斜すると、スライド軸受部65の内輪65aと、分離ローラ63の回転軸63aとが強く接触する。この状態のままベルト装置を稼動し続けると、スライド軸受部65の内輪65aは、分離ローラ63の回転軸63aの傾動による圧接力を受け、当該接触箇所が摩擦や押圧力で削れたり変形したりする。この結果、スライド軸受部65の内輪65aが変形し、スライド軸受部65から分離ローラ63の回転軸63a回転軸が抜けなくなってしまう。
本実施形態では、回転軸支持アーム64におけるスライド軸受部65の取付け部とスライド軸受部65との間に隙間Aを設けた。これにより、図10に示すように、分離ローラ63の回転軸63aが矢印a方向へ傾動した場合でも分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65とが一体となって隙間A内で傾くことができる。したがって、分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65との間に過剰な圧接力を生じさせず、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる。
この結果、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、スライド軸受部65の内輪65aを変形させることなく部品交換が可能な状態を維持することができる。
本発明の特徴部分である、二次転写ローラ62の回転軸62aと玉軸受69と回転軸支持アーム64との構成について詳述する。
図11は、図10に示す分離ローラ63が更に傾斜角γ傾斜した状態のスライド軸受部65近傍を拡大した模式図である。
図12は、図10に示す分離ローラ63が更に傾斜角γ傾斜した状態の、二次転写ローラ62の回転軸62aによる回転軸支持アーム64の取付け部の構成を、二次転写ローラ62の回転軸62aに沿って切断した模式図である
図11に示すように、ベルト部材のベルト幅方向へ寄る力が大きい場合、分離ローラ63の回転軸63aは図示しない軸傾斜機構70によって更に矢印a方向に押し下げられる。本実施形態において、二次転写ローラ62の回転軸62aに対して分離ローラ63が傾斜角α+γ傾いた場合、スライド軸受部65の凹部100内の当接面100aが、回転軸支持アーム64と強く接触する。このとき、回転軸支持アーム64は分離ローラ63の回転軸63aの傾動による図中b方向の力をスライド軸受部65を介して受ける。
図12に示すように、本実施形態において回転軸支持アーム64は、二次転写ローラ62の回転軸62aに、玉軸受69を介して保持されている。この玉軸受69は二次転写ローラ62の回転軸62aに圧入されている。
また、本実施形態において、回転軸支持アーム64における玉軸受69の取り付け部と玉軸受69との間に隙間Bを設けた。この隙間Bは、分離ローラ63の傾動に伴う玉軸受69と二次転写ローラ62の回転軸62aとの接触により、玉軸受69の内輪69aが変形することなく、回転軸支持アーム64が二次転写ローラ62の軸線方向に傾斜可能な隙間である。
例えば、回転軸支持アーム64における玉軸受69の取り付け部と玉軸受69との間に隙間Bを設けなかった場合、二次転写ローラ62は図示しない二次転写装置60のフレーム68に軸端部が固定されているため、分離ローラ63の傾動による図11中矢印b方向の力を受けた回転軸支持アーム64によって玉軸受69と二次転写ローラ62の回転軸62aとが接触する。この状態のままベルト装置を稼動し続けると、当該接触箇所に圧接力が生じ、摩擦や押圧力によって当該接触箇所が削れたり変形したりする。この結果、玉軸受69の内輪69aが変形し、玉軸受69から二次転写ローラ62の回転軸62aが抜けなくなってしまう。
本実施形態では、回転軸支持アーム64における玉軸受69の取り付け部と玉軸受69との間に隙間Bを設けた。これにより、分離ローラ63の傾動と連動して、回転軸支持アーム64が二次転写ローラ62の軸線方向に傾斜することができ、玉軸受69と二次転写ローラ62の回転軸62aとの間に圧接力を生じさせない。したがって、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる。
この結果、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、玉軸受69の内輪69aを変形させることなく、部品交換が可能な状態を維持することができる。
また、回転軸支持アーム64を二次転写ローラ62の軸線方向に傾斜することで、分離ローラ63の傾きが大きい場合でも、図示しない分離ローラ63の回転軸63aを保持するスライド軸受部65と回転軸支持アーム64との間に圧接力を生じさせず、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる。
回転軸支持アーム64に保持されている分離ローラ63の保持性について述べる。
回転軸支持アーム64を保持する玉軸受69との間に隙間Bを設けた場合でも、分離ローラ63は、回転軸支持アーム64に設けられたアームスプリング66によりフレーム68の当接部68aに回転軸支持アーム64が突き当たることで高さ方向を規制されている。このため、問題なく回転軸支持アーム64による分離ローラ63の保持性を維持することができる。さらに、回転軸支持アーム64の同回転軸の軸線方向の傾動に伴い、分離ローラ63に軸線方向のずれが生じた場合でも、分離ローラ幅を転写紙Pの幅以上確保できていれば、問題なく搬送を行うことができる。
本実施形態では、回転軸支持アーム64におけるスライド軸受部65の取付け部とスライド軸受部65との間と、回転軸支持アーム64における玉軸受69の取り付け部と玉軸受69との間とに隙間を設けたが、この隙間はどちらか一方のみに設けても良い。
回転軸支持アーム64における玉軸受69の取り付け部と玉軸受69との間のみに隙間を設けた場合、分離ローラ63の傾動に伴い、分離ローラ63と回転軸支持アーム64とが一体となって傾動することができる。したがって、分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65との間に過剰な圧接力を生じさせない。また、二次転写ローラ62の回転軸62aに対して回転軸支持アーム64が傾斜することができ、玉軸受69と二次転写ローラ62の回転軸62aとの間に過剰な圧接力を生じさせない。したがって、各々の接触箇所に生じる摩擦を軽減することができる。
また、本発明は、ベルト寄り以外の目的で揺動可能な支持回転体を備えたベルト装置にも適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
二次転写ベルト61などの無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する二次転写ローラ62や分離ローラ63などの複数の支持回転体とを備え、前記複数の支持回転体のうち少なくとも1つの支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで分離ローラ63などの傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、
前記複数の支持回転体のうち少なくとも分離ローラ63などの前記傾動可能な支持回転体を保持する回転軸支持アーム64など保持部材を有し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記保持部材が傾き得るように前記保持部材を取り付けたことを特徴とする。
本態様においては、分離ローラ63の傾動に伴って回転軸支持アーム64が傾き得るので、回転軸支持アーム64がこの傾きを生じ得ない場合に比して、分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65との間に圧接力を生じさせない。したがって、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる
これにより、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、スライド軸受部65の内輪を変形させることなく部品交換が可能な状態を維持することができる。
(態様B)
態様Aにおいて、回転軸支持アーム64などの前記保持部材は、前記複数の支持回転体のうち傾動可能な支持回転体とは異なる二次転写ローラ62などの支持回転体の回転軸に設けられた玉軸受69などの軸受部材に対し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記複数の支持回転体の軸線方向に傾き得るような隙間Bなどの隙間を設けて取り付けられたことを特徴とするベルト装置。
本態様においては、玉軸受69と回転軸支持アーム64との間に隙間Bを設けたことで、分離ローラ63の傾動に伴って回転軸支持アーム64が玉軸受69に対して二次転写ローラ62の軸線方向に傾き得るので、回転軸支持アーム64がこの傾きを生じ得ない場合に比して、回転軸支持アーム64がこの傾きを生じ得ない場合に比して、二次転写ローラ62の回転軸62aと玉軸受69との間に圧接力を生じさせない。したがって、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる
これにより、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、二次転写ローラ62の回転軸62aや玉軸受69の内輪69aを変形させることなく、部品交換が可能な状態を維持することができる
(態様C)
態様A又はBにおいて、回転軸支持アーム64などの前記保持部材は、分離ローラ63などの前記傾動可能な支持回転体の回転軸をスライド軸受部65などの軸受部材を介して保持し、前記保持部材における前記軸受部材の取付け部と該軸受部材との間に、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記軸受部材が傾き得るような隙間Aなどの隙間を設けたことを特徴とする。
本態様においては、スライド軸受部65と回転軸支持アーム64との接触箇所に隙間Aを設けたことで、分離ローラ63の傾動に伴って回転軸支持アーム64が傾き得るので、回転軸支持アーム64がこの傾きを生じ得ない場合に比して、分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65との間に圧接力を生じさせない。したがって、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる
これにより、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、スライド軸受部65の内輪を変形させることなく部品交換が可能な状態を維持することができる。
(態様D)
態様A乃至Cいずれかの態様において、回転軸支持アーム64などの前記保持部材は、前記複数の支持回転体の軸線方向の厚みが1〜2mmの金属板であることを特徴とする。
これにより、分離ローラ63や二次転写ローラ62と回転軸支持アーム64との接触箇所に設ける隙間を小さくすることができる。
(態様E)
態様A乃至Dいずれかの態様において、二次転写ローラ62などの前記複数の支持回転体のうち傾動可能な支持回転体とは異なる支持回転体は、二次転写ローラ62などの該支持回転体の回転軸に圧入された玉軸受69などの玉軸受を備え、玉軸受69などの前記玉軸受けを介して回転軸支持アーム64などの前記保持部材を支持することを特徴とするベルト装置。
本態様においては、二次転写ローラ62の回転軸62aと玉軸受69が一体となって傾動、又は回転することができる。したがって、二次転写ローラ62の回転軸62aと玉軸受69との摩擦を低減できる。これにより、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、玉軸受69の内輪を変形させることなく部品交換が可能な状態を維持することができる。
(態様F)
二次転写ベルト61などの無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する二次転写ローラ62や分離ローラ63などの複数の支持回転体とを備え、前記複数の支持回転体のうち少なくとも1つの支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで分離ローラ63などの傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、
前記複数の支持回転体のうち少なくとも分離ローラ63などの前記傾動可能な支持回転体をスライド軸受部65などの軸受部材を介して保持する回転軸支持アーム64など保持部材を有し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記軸受部材が前記保持部材に対して傾き得るように取り付けたことを特徴とするベルト装置。
本態様において、分離ローラ63の傾動に伴ってスライド軸受部65が回転軸支持アーム64に対して傾き得るので、スライド軸受部65がこの傾きを生じ得ない場合に比して、分離ローラ63の回転軸63aとスライド軸受部65との間や、二次転写ローラ62の回転軸62aと玉軸受69との間に圧接力を生じさせない。したがって、当該接触箇所に生じる摩擦や押圧力を軽減することができる。
これにより、分離ローラ63を傾斜させた状態でベルト装置を稼動し続けても、スライド軸受部65の内輪を変形させることなく部品交換が可能な状態を維持することができる。
(態様G)
画像又は画像が記録されるシート材を外周面上に担持する無端状のベルト部材を備えたベルト装置を用いて、該画像を該シート材上に形成する画像形成装置において、
前記ベルト装置として、態様A乃至Fいずれかの態様を用いることを特徴とする。
これにより、支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体を有するベルト装置を備えた画像形成装置において、傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材の変形を防止し、経時に渡って部品交換が可能な状態を維持することができる。
(態様H)
態様Gにおいて、潜像担持体上に形成した画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に一次転写された画像を前記シート材に二次転写する二次転写手段とを有し、前記二次転写手段は、前記ベルト部材の外周面上に担持されているシート材上に前記中間転写体上の画像を二次転写することを特徴とする。
これにより、支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体を備えた二次転写装置において、傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材の変形を防止し、経時に渡って部品交換が可能な状態を維持することができる。
1 感光体
11 一次転写ローラ
51 中間転写ベルト
53 分離ローラ
60 二次転写装置
61 二次転写ベルト
62 二次転写ローラ
62a 回転軸
63 分離ローラ
63a 回転軸
64 回転軸支持アーム
65 スライド軸受部
65a スライド軸受部内輪
69 玉軸受
69a 玉軸受内輪
70 軸傾斜機構
100 凹部
100a 当接面
A 隙間
B 隙間
α 傾斜角
γ 傾斜角
特開2013−238823号公報

Claims (8)

  1. 無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する複数の支持回転体とを備え、前記複数の支持回転体の少なくとも1つの支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、
    前記複数の支持回転体のうち少なくとも前記傾動可能な支持回転体の回転軸を保持する保持部材を有し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記保持部材が傾き得るように該保持部材を取り付けたことを特徴とするベルト装置。
  2. 請求項1のベルト装置において、前記保持部材は、前記複数の支持回転体のうち傾動可能な支持回転体とは異なる支持回転体の回転軸に設けられた軸受部材に対し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記複数の支持回転体の軸線方向に傾き得るような隙間を設けて取り付けられたことを特徴とするベルト装置。
  3. 請求項1又は2のベルト装置において、前記保持部材は、前記傾動可能な支持回転体の回転軸を軸受部材を介して保持し、前記保持部材における前記軸受部材の取付け部と該軸受部材との間に、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記軸受部材が傾き得るような隙間を設けたことを特徴とするベルト装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか一のベルト装置において、前記保持部材は、前記複数の支持回転体の軸線方向の厚みが1〜2mmの金属板であることを特徴とするベルト装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか一のベルト装置において、前記複数の支持回転体のうち傾動可能な支持回転体とは異なる支持回転体は、該支持回転体の回転軸に圧入された玉軸受を備え、前記玉軸受けを介して前記保持部材を保持することを特徴とするベルト装置。
  6. 無端状のベルト部材と、前記ベルト部材を張架支持する複数の支持回転体とを備え、前記複数の支持回転体の少なくとも1つの支持回転体の回転軸を揺動可能に保持することで傾動可能な支持回転体としたベルト装置において、
    前記複数の支持回転体のうち少なくとも前記傾動可能な支持回転体の回転軸を軸受部材を介して保持する保持部材を有し、前記傾動可能な支持回転体の傾動に伴い、前記軸受部材が前記保持部材に対して傾き得るように取り付けたことを特徴とするベルト装置。
  7. 画像又は画像が記録されるシート材を外周面上に担持する無端状のベルト部材を備えたベルト装置を用いて、該画像を該シート材上に形成する画像形成装置において、
    前記ベルト装置として、請求項1乃至7いずれか一のベルト装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、潜像担持体上に形成した画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に一次転写された画像を前記シート材に二次転写する二次転写手段とを有し、前記二次転写手段は、前記ベルト部材の外周面上に担持されているシート材上に前記中間転写体上の画像を二次転写することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017151201A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 株式会社リコー ベルト制御装置、ベルト装置、及び、画像形成装置

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