JP2018072558A - ベルト装置、転写装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト装置、転写装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】接触クリーニング部材のレイアウトの自由度を向上しつつ、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができるベルト装置、転写装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】分離ローラ61及び二次転写ローラ17に掛け渡されて無端移動する二次転写ベルト60と、このベルト表面に接触して異物を除去する紙粉取りブラシローラ152と、分離ローラ61を傾動させるベルト位置補正機構50とを備える二次転写ユニット144において、紙粉取りブラシローラ152は、二次転写ベルト60における分離ローラ61と二次転写ローラ17との間で張架された部分に接触するように配置され、二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量は、ベルト位置補正機構50によって分離ローラ61が傾動してない状態で最小となる構成である。【選択図】図11

Description

本発明は、ベルト装置、転写装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、複数のローラに掛け渡されて走行するベルトとベルトクリーニング手段とを備えるベルト装置として、ローラ傾動手段によって一つのローラの回転軸を他のローラの回転軸に対して傾斜させる構成を備えたものが知られている。
例えば、特許文献1には、ベルトが軸方向に移動するベルト寄りが生じた際に、ローラの一つを他のローラに対して傾動させ、ベルト寄りの移動方向とは逆方向にベルトを移動させる力を作用させるローラ傾動手段を備えるベルト装置が記載されている。また、このベルト装置は、ベルトクリーニング手段として、ベルトにおけるローラ傾動手段によって傾動する傾動ローラ以外のローラである非傾動ローラに巻き付いている部分の表面に接触するブラシローラを備える。
特許文献1のベルト装置では、ベルトにおける非傾動ローラに巻き付いている部分は、ローラ傾動手段によって傾動ローラが傾動しても変位せず、ベルトに対するブラシローラの食い込み量も変化しないため、傾動ローラが傾動してもクリーニング性を維持できる。しかし、ブラシローラの配置をベルトにおける非傾動ローラに巻き付いている部分のみとするとレイアウトの自由度が低下する。
このような問題は、ベルトクリーニング手段としてブラシローラを用いる構成に限るものではなく、ベルトに接触して異物を除去するクリーニング部材を備える構成であれば生じ得る。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の支持回転体と、複数の前記支持回転体に掛け渡されて前記支持回転体の回転とともに無端移動するベルト部材と、前記ベルト部材の表面に接触して異物を除去する接触クリーニング部材と、前記支持回転体の少なくとも一つを他の支持回転体に対して傾動させる回転体傾動手段とを備えるベルト装置において、前記接触クリーニング部材は、前記ベルト部材における前記回転体傾動手段が傾動させる傾動支持回転体と前記他の支持回転体との間で張架された部分に接触するように配置され、前記ベルト部材に対する前記接触クリーニング部材の食い込み量は、前記回転体傾動手段によって前記傾動支持回転体が傾動してない状態で最小となる構成であることを特徴とするものである。
本発明によれば、接触クリーニング部材のレイアウトの自由度を向上しつつ、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができる、という優れた効果がある。
実施形態に係るプリンタの概略構成図。 ベルト位置補正機構を手前側から見た模式図、(a)は初期状態の説明図、(b)はベルト寄りを補正している状態の説明図。 二次転写ユニットの概略側面図。 二次転写ユニットの概略断面図。 初期状態のベルト位置補正機構の拡大断面図。 ベルト寄りを補正している状態のベルト位置補正機構の拡大断面図。 二つのローラの回転軸が平行な状態の二次転写ユニットの説明図、(a)は斜視図、(b)は上面図。 二つのローラの回転軸が傾斜した状態の二次転写ユニットの説明図(a)は斜視図、(b)は上面図。 軸傾斜部材の説明図。 軸傾斜部材及び傾斜部回転防止部材を軸方向から見た断面図。 実施形態の二次転写ユニットにおける紙粉取りブラシローラの二次転写ベルトに対する食い込み量の変化を説明する断面図、(a)は初期状態の説明図、(b)は装置手前側に向かうベルト寄りが発生した状態の説明図。 初期食い込み量を模式的に示す説明図。 実施形態の構成でベルト寄りが生じた状態における図12中の「ε」で示す領域の拡大模式図、(a)は装置手前側へのベルト寄りが発生した状態の説明図、(b)は装置奥側へのベルト寄りが発生した状態の説明図。 比較例の二次転写ユニットにおける紙粉取りブラシローラの二次転写ベルトに対する食い込み量の変化を説明する断面図、(a)は初期状態の説明図、(b)は装置手前側に向かうベルト寄りが発生した状態の説明図。 比較例の構成でベルト寄りが生じた状態における図12中の「ε」で示す領域の拡大模式図、(a)は装置手前側へのベルト寄りが発生した状態の説明図、(b)は装置奥側へのベルト寄りが発生した状態の説明図。
以下、本発明を適用した画像形成装置の一例として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタ100という)の実施形態について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。このプリンタ100は、タンデム型のカラープリンタであり、本体筐体内に配置された四つの像担持体としての感光体1(Y,M,C,K)を備える。
それぞれの感光体1(Y,M,C,K)には、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。具体的には、四つの感光体1(Y,M,C,K)の左から順に、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。なお、図1に示した個々の感光体1(Y,M,C,K)はドラム状に形成されているが、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体を用いることもできる。
四つの感光体1の下方には、ベルト部材として中間転写ベルト3を備えるベルト装置である中間転写ユニット145を備える。
四つの感光体1(Y,M,C,K)に対向して中間転写体として構成された中間転写ベルト3が配置されており、四つの感光体1(Y,M,C,K)が中間転写ベルト3の表面に当接している。ここに示した中間転写ベルト3は、複数の中間支持ローラである駆動ローラ4、従動ローラ51、テンションローラ5、二次転写対向ローラ54及び入口ローラ7に巻き掛けられている。これら複数の支持ローラのうちの駆動ローラ4が駆動源によって回転駆動されることにより、中間転写ベルト3が図1中の矢印A方向に回転駆動する。
中間転写ベルト3は、多層構造または単層構造の何れでも構わない。多層構造であれば、ベース層を伸びの少ないフッ素樹脂やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)シート、ポリイミド系樹脂等でつくり、表面層をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被ってなるものが好ましい。また、単層であれば、PVDF、PC(ポリカーボネート)、ポリイミド等の材質を用いるものが好ましい。
個々の感光体1の表面上にトナー像を形成する構成と、各トナー像を感光体1上から中間転写ベルト3上に転写する構成とは、実質的に全て同一であり、形成される各トナー像の色が異なるだけである。このため、四つの感光体1のうちのイエロー用感光体1Yにイエロートナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルト3上に転写する構成についてのみ説明する。
イエロー用感光体1Yは、図1中の矢印に示すように反時計回り方向に回転駆動され、このときにイエロー用感光体1Yの表面に除電装置からの光が照射され、イエロー用感光体1Yの表面電位が初期化される。初期化されたイエロー用感光体1Yの表面はイエロー用帯電装置8Yによって所定の極性(本実施形態ではマイナス極性)に一様に帯電される。このように帯電されたイエロー用感光体1Yの表面に、露光装置から出射する光変調されたレーザビームLが照射され、感光体1の表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示したプリンタ100では、レーザビームを出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
イエロー用感光体1Yに形成された静電潜像は、これがイエロー用現像装置10Yと対向する位置を通るとき、イエロートナー像として可視像化される。一方、中間転写ベルト3の内側には、中間転写ベルト3を挟んでイエロー用感光体1Yに対向して位置するイエロー用転写ローラ11Yが配置されている。このイエロー用転写ローラ11Yが中間転写ベルト3の裏面に当接し、イエロー用感光体1Yと中間転写ベルト3との適正な転写ニップが確保されている。
イエロー用転写ローラ11Yには、イエロー用感光体1Y上に形成されたイエロートナー像のトナー帯電極性と逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写電圧が印加される。これにより、イエロー用感光体1Yと中間転写ベルト3との間に転写電界が形成され、イエロー用感光体1Y上のトナー像が、イエロー用感光体1Yの回転に同期して回転駆動される中間転写ベルト3上に静電的に転写される。トナー像を中間転写ベルト3に転写したあとのイエロー用感光体1Y表面に付着する転写残トナーは、イエロー用クリーニング装置12Yによって除去され、イエロー用感光体1Yの表面が清掃される。
同様にして、他の三つの感光体1(M,C,K)の表面には、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらの各色のトナー像は、イエロートナー像の転写された中間転写ベルト3上に順次重ねて静電転写される。
プリンタ100は、四色のトナーを使うフルカラーモードとブラック単色のトナーのみを使うブラック単色モードの二種類の駆動モードがある。フルカラーモード時には、中間転写ベルト3と四つの感光体1(Y,M,C,K)が接触して、四色のトナー像が中間転写ベルト上に転写される。一方、ブラック単色モード時には、ブラック用感光体1Kのみが中間転写ベルト3に接触し、ブラックトナーのみが中間転写ベルト3に転写される。このとき、イエロー用、マゼンタ用及びシアン用の三つの感光体1(Y,M,C)と中間転写ベルト3とは接触しておらず、接離機構によって三つの一次転写ローラ11(Y,M,C)が感光体1(Y,M,C)から離間する。
図1に示すように、プリンタ100の装置本体内の下部には給紙装置14が配置されている。中間転写ユニット145と給紙装置14との間には、ベルト部材としての二次転写ベルト60を備えるベルト装置である二次転写ユニット144が配置されている。
二次転写ユニット144の二次転写ベルト60は、二次転写ベルト60及び中間転写ベルト3を挟んで二次転写対向ローラ54と対向して二次転写ニップを形成する二次転写ローラ17と分離ローラ61とに張架されている。二次転写ローラ17は駆動装置からの駆動が伝達されることで回転駆動する駆動ローラであり、分離ローラ61は二次転写ローラ17が回転することで無端移動する二次転写ベルト60に従動する従動ローラである。二次転写ベルト60に担持搬送される記録媒体Pは、二次転写ベルト60における分離ローラ61に掛け回されている部分で二次転写ベルト60から分離し、第二搬送ベルト72に受け渡される。
給紙装置14は給紙ローラ15の回転によって、転写紙等の記録媒体Pが矢印B方向に送り出される。送り出された記録媒体Pは、レジストローラ対16によって、所定のタイミングで二次転写ニップに給送される。このとき、二次転写対向ローラ54には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト3上の合成トナー像が二次転写ニップを通過する記録媒体Pに二次転写される。
合成トナー像が二次転写された記録媒体Pは、二次転写ベルト60で下流の第二搬送ベルト72に搬送され、第二搬送ベルト72に吸着した状態で定着装置18まで搬送される。定着装置18を通過するときに記録媒体P上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置18を通過した記録媒体Pは、排紙部に設けられた排紙ローラ対19を介してプリンタ100の装置外に排出される。第二搬送ベルト72は第二搬送駆動ローラ71と第二搬送従動ローラ73とに張架されている。第二搬送ベルト72の材質はEPDM(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)であり、厚みは1[mm]である。
記録媒体Pにトナー像を転写した後の中間転写ベルト3上に付着する転写残トナーは中間転写クリーニング装置20によって除去される。プリンタ100の中間転写クリーニング装置20は、ウレタン等で構成されたブレード形状の中間転写クリーニングブレード21を用いており、中間転写クリーニングブレード21を中間転写ベルト3の回転方向に対してカウンター方向に当接させている。中間転写クリーニング装置20としてはクリーニングブレードを用いた構成に限るものではなく、適宜様々な種類のものを用いることが可能であり、例えば、中間転写クリーニング装置20を静電容量式のものとしても良い。
トナー転写時に記録媒体Pに転写されず二次転写ベルト60上に付着したトナー、紙間で中間転写ベルト3から二次転写ベルト60へ転写してきたトナー、及び、紙から付着される紙粉等は二次転写ベルトクリーニング装置150によって除去される。
具体的には、二次転写ベルトクリーニング装置150は、回転する紙粉取りブラシローラ152およびウレタン等で構成されたブレード形状の二次転写クリーニングブレード151を用いている。
紙粉取りブラシローラ152は二次転写ベルト60の進行方向に対してカウンター方向に回転して二次転写ベルト60上の異物を除去する。その下流に配置された二次転写クリーニングブレード151は二次転写ベルト60の進行方向に対してカウンター方向に当接させている。また、二次転写クリーニングブレード151の下流には、潤滑剤塗布ブラシローラ153aを用いて固形潤滑剤153bを二次転写ベルト60に塗布する潤滑剤塗布機構153が設けられており、二次転写ベルト60上への異物付着(フィルミング)を抑制している。
次に、二次転写ユニット144でのベルト寄りの制御について説明する。
画像形成装置では、潜像担持体、中間転写体、記録媒体搬送部材あるいは画像定着部材等として様々な無端状ベルトが用いられている。この種の無端状ベルトは、少なくとも二本のローラに張架された状態で一定方向に走行するように構成されている。そして、無端状ベルトの材質等の問題や関係部品の精度、あるいは関係部品の経年劣化等に起因して、ベルトの走行方向に対して直交する軸方向へ寄っていってしまう所謂「ベルト寄り」の問題があった。このベルト寄りが発生してしまうと、記録紙等の記録媒体への転写像の位置ズレや、ベルトが張架ローラから外れることによるベルト破損等の問題が生じてしまうので、ベルト寄りを抑制または補正する必要が生じる。
本実施形態の二次転写ユニット144は、寄りが発生したベルトの軸方向への移動量に応じて、分離ローラ61を二次転写ローラ17に対して傾斜させるローラ傾動機構によってベルト寄りを補正する構成を備える。ベルト寄りが生じると、ベルト寄りの移動方向への二次転写ベルト60を移動させる力と、分離ローラ61の傾斜によってベルト寄りの移動方向とは逆方向に二次転写ベルト60を移動させる力と、が釣り合う状態でベルトが軸方向に移動しなくなる。
ベルト寄りを抑制する構成として、ローラ傾動機構を備えず、ローラの軸方向の端部近傍に、軸方向に移動したベルトの端面が突き当たり、ベルトが更に軸方向に移動することを規制する規制部材としてのフランジを備える構成が知られている。このようなローラを傾動させない構成では、ローラの端部近傍に設けられたフランジは、ベルト寄りが生じた状態のベルトの端面で直接押されており、フランジとベルトとの当接部には常にストレスがかかった状態となり、ベルトの端部が折れることがあった。
また、他のローラ傾動機構を備えない構成として、ベルト内周面のベルト幅方向両端にガイドリブを設けたリブ方式のベルト寄り規制手段が知られている。リブ方式は、ベルト寄りによってベルトがベルト幅方向へ移動したときに、ガイドリブが支持ローラの規制端面(一般にはローラ端面)に当接することで、それ以上のベルト幅方向への移動を制限するものである。リブ方式によれば、ベルト幅方向一端側に設けられた一方のガイドリブが支持ローラの規制端面に接触する位置から、ベルト幅方向他端側に設けられた他方のガイドリブが支持ローラの規制端面に接触する位置までの範囲内に、ベルト寄り範囲を収めることができる。
リブ方式は、ベルトに設けられたリブが支持ローラ側の係合部あるいは側面に係合、当接することでベルトの蛇行を抑制可能にする。このため、支持ロールの係合・当接部周辺は常時リブと摺擦しており、ベルト蛇行による繰り返し応力等が作用し、ベルトの破損を起こしてしまう恐れがある。
これに対して、本実施形態の二次転写ユニット144は、分離ローラ61を傾けてベルト寄りによる移動とは逆方向に移動させる力を作用させることによって、二次転写ベルト60端面の負荷を低減し、ベルト寄りを制御する構成である。また、二次転写ベルト60の一部が摺擦し続けたり、二次転写ベルト60の一部に応力が作用し続けたりすることを防止でき、二次転写ベルト60の破損を抑制できる。
本実施形態の分離ローラ61及び二次転写ベルト60の具体的な構成の一例を以下に示す。
分離ローラの外径:φ15[mm]
分離ローラの材質:アルミニウム
二次転写ベルトの材質:ポリイミド
二次転写ベルトのヤング率:3000[MPa]
二次転写ベルトのMIT耐揉試験による耐折回数:6000[回]
二次転写ベルトの厚み:80[μm]
二次転写ベルトの線速:352[mm/s]
二次転写ベルトのベルトテンション:0.9[N/cm]
MIT耐揉試験による耐折回数測定方法としては、JIS−P8115に準拠する。測定条件としては、幅「15[mm]」のサンプルに対して、荷重「1[kgf]」、屈曲角度「135[°]」、屈曲速度「175[回/分]」の条件にて測定した。
次に、分離ローラ61を傾動させるローラ傾動機構について説明する。
図2は、ローラ傾動機構として分離ローラ61を傾動させることによって二次転写ベルト60の軸方向の位置を補正するベルト位置補正機構50を、分離ローラ61の軸方向(図1中の手前側)から見たときの概略説明図である。図2(a)は、組み付け直後であって、ベルト位置補正機構50によって分離ローラ61が傾動してない初期状態におけるベルト位置補正機構50の説明図であり、図2(b)は、ベルト寄りを補正している状態におけるベルト位置補正機構50の説明図である。
図3は、二次転写ユニット144を図2中の左側から見た概略側面図であり、図4は、図2中のD−D断面における二次転写ユニット144の概略断面図である。
図5は、装置手前側(図3及び図4中の右側)のベルト位置補正機構50の拡大断面図である。図6は、分離ローラ61の軸部である分離ローラ軸61aの装置手前側が下方に変位し、分離ローラ61が傾斜した状態における装置手前側のベルト位置補正機構50の拡大断面図である。
紙粉取りブラシローラ152は二次転写ベルト60に沿って弾性変形するが、図2、図3及び図4では、紙粉取りブラシローラ152の上端部が二次転写ベルト60よりも上方に位置している。これは紙粉取りブラシローラ152が二次転写ベルト60に対してある程度の食い込み量で当接していることを示すために、弾性変形していない状態の紙粉取りブラシローラ152が位置する仮想の領域を示している。
図4に示すように、分離ローラ61の端部に分離ローラ61の回転軸と同軸である分離ローラ軸61aを有している。分離ローラ軸61aは分離ローラ61より直径が短い円柱の形状をしており、分離ローラ61と接合されている。また、ベルト位置補正機構50は、分離ローラ軸61aに沿って軸方向内側から順に、ベルト寄り従動部材30、軸傾斜部材31、フレーム35及びローラ軸支持部材34を備える。分離ローラ軸61aは、これらの部材を貫通している。分離ローラ軸61aの軸方向両端は、それぞれ、分離ローラ軸受部材33を介してローラ軸支持部材34に支持されている。
ベルト位置補正機構50のベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31は、分離ローラ軸61aに対してその軸方向には自由に移動可能である。一方、分離ローラ軸61aの軸方向に対して直交する方向については、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が、分離ローラ軸61aとともに移動する構成となっている。
二次転写ユニット144は金属の板材からなるフレーム35を備え、分離ローラ軸61a、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が移動してもフレーム35が移動しないように、フレーム35は本体構造体に固定されている。また、フレーム35は、その軸方向(装置本体の前後方向)外側の面よりも軸方向外側に向けて、フレーム側スプリング固定部35aが突き出している。さらに、フレーム35は、分離ローラ軸61aと傾斜部回転防止部材47とが貫通するフレーム開口部35fを備える。分離ローラ軸61aや傾斜部回転防止部材47は、図2に示すテンションスプリング52の付勢力及びこれに抗する力と、支持部材付勢スプリング40の付勢力及びこれに抗する力とによって、分離ローラ61の回転軸に直交する方向に変位する。フレーム開口部35fは、このような変位が生じても、分離ローラ軸61a及び傾斜部回転防止部材47と、フレーム35とが干渉しない形状となっている。
ローラ軸支持部材34は、二次転写ローラ17の軸部材である二次転写ローラ回転軸17aに回動可能に支持されており、ローラ軸支持部材34はフレーム35に対して図2(a)中の矢印G方向に回動自在となっている。ローラ軸支持部材34が回動することにより、分離ローラ61が上下方向に変位する。
フレーム側スプリング固定部35aには、ローラ軸支持部材34に付勢力を作用させる支持部材付勢スプリング40の一端が固定されている。この支持部材付勢スプリング40の他端はローラ軸支持部材34の支持部材側スプリング固定部34aに固定されている。
分離ローラ軸61aの両端に配置された二つのローラ軸支持部材34は、それぞれ、支持部材付勢スプリング40によって、二次転写ローラ回転軸17aを中心に図2中の時計回り方向に回転するように付勢されている。
ローラ軸支持部材34が二次転写ローラ回転軸17aを中心に回動することにより、分離ローラ軸受部材33を介してローラ軸支持部材34に支持されている分離ローラ軸61aの軸方向端部が上下方向に変位する。なお、図5及び図6に示す被ストッパ面31bとストッパ面35dとの突き当たりによって、ローラ軸支持部材34は、図2(a)に示す状態から時計回り方向に回転できない構成である。この構成により、分離ローラ軸61a及び分離ローラ61は図2(a)に示す状態では下方にのみ変位可能である。
二つのローラ軸支持部材34は、軸受スライド長穴34bを備え、分離ローラ軸61aを軸受けする分離ローラ軸受部材33を、ローラ軸支持部材34の回転中心から径方向(図2中の矢印H方向)にスライド可能に支持している。分離ローラ軸受部材33は、テンションスプリング52により、ローラ軸支持部材34に対して、ローラ軸支持部材34の回転中心から二次転写ローラ17とは反対側の径方向外側(図2中の左側)に向けて付勢されている。これにより、分離ローラ61は、常に二次転写ローラ17から離れる方向への付勢力を受け、二次転写ローラ17及び分離ローラ61に張架される二次転写ベルト60に所定のテンションを付与することができる。
図5に示すように、分離ローラ61と分離ローラ軸受部材33との間の分離ローラ軸61a上には、回転体傾動手段を構成する、ベルト寄り従動部材30と軸傾斜部材31とが設けられている。ベルト寄り従動部材30が分離ローラ61の軸方向外側に配置され、軸傾斜部材31はベルト寄り従動部材30のさらに軸方向外側に配置されている。ベルト寄り従動部材30は、分離ローラ61よりも外径が小さい円筒部分30bの軸方向外側に、分離ローラ61よりも外径が大きいフランジ部30aを備える。二次転写ベルト60にベルト寄りが生じたときには、フランジ部30aの軸方向内側の面に二次転写ベルト60の幅方向端部が突き当たる構成となっている。
次に、本実施形態の二次転写ユニット144におけるベルト位置補正機構50の動作について説明する。
駆動ローラである二次転写ローラ17が回転を始めると、二次転写ベルト60が巻き掛けられた従動ローラである分離ローラ61も回転を始める。このとき、二次転写ベルト60の端部、または、端部近傍が、ベルト寄り従動部材30に接触している場合は、ベルト寄り従動部材30も回転を始める。
この状態において、部材間の平行度等の影響により、二次転写ベルト60にベルト幅方向の図5中の右側へ移動するベルト寄りが発生すると、二次転写ベルト60の幅方向の右側端部がフランジ部30aに当接する。この当接する力を受けて、ベルト寄り従動部材30は分離ローラ軸61aに沿って軸方向外側(図5中の右側)へ移動する。ベルト寄り従動部材30が分離ローラ軸61aに沿って軸方向外側へ移動すると、ベルト寄り従動部材30に対して分離ローラ軸61aの更に外側には配置されている軸傾斜部材31がベルト寄り従動部材30によって軸方向外側に向けて押圧される。これにより、軸傾斜部材31も分離ローラ軸61aに沿って軸方向外側へ移動する。
図5に示すように、軸傾斜部材31は上部に分離ローラ軸61aに対して傾斜した傾斜面31fを有する。フレーム35には、軸方向内側に向けて突き出したガイド部35eが設けられており、傾斜面31fに対して、分離ローラ軸61aの軸方向外側(図5中の右側)から、ガイド部35eにおける傾斜面当接部35cが当接する。軸傾斜部材31が設けられている位置に対して更に軸方向外側(図5中右側)の分離ローラ軸61aの端部は、上述したように、分離ローラ軸受部材33を介して、ローラ軸支持部材34に支持されている。また、ローラ軸支持部材34は支持部材付勢スプリング40によって二次転写ローラ回転軸17aを中心に図2中の時計回り方向に回転するように付勢されているため、分離ローラ軸61aの端部は、図5中の上方に向かう付勢力を受けている。
軸傾斜部材31は、傾斜面31fの下端に連続し、分離ローラ軸61aに沿う方向に延在する被ストッパ面31bを上面に有し、軸方向外側端面31cを端面に有する突き当り部31gを備える。ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに二次転写ベルト60の幅方向端部が当接していない状態では、支持部材付勢スプリング40の付勢力により、上方に移動しようとする軸傾斜部材31の被ストッパ面31bがフレーム35のストッパ面35dに突き当たる。このため、軸傾斜部材31の被ストッパ面31bとフレーム35のストッパ面35dとが当接する位置で、軸傾斜部材31の傾斜面31fとフレーム35の傾斜面当接部35cとの当接位置が規制される。よって、フレーム35の傾斜面当接部35cが軸傾斜部材31の傾斜面31fの下端部分に当接した状態で各部材の位置関係が保持される。
この状態から、二次転写ベルト60が、上述したように、ベルト幅方向について図4及び図5中の右側へ移動する力を受けると、ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに二次転写ベルト60の幅方向端部(装置手前側端部)が接触する。さらに、二次転写ベルト60がベルト幅方向に移動すると、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が分離ローラ軸61aに沿って軸方向外側(図5中の右側)へ移動する。このとき、軸傾斜部材31の傾斜面31fに沿ってフレーム35の傾斜面当接部35cが相対的に移動する。これにより、軸傾斜部材31の傾斜面31fとフレーム35の傾斜面当接部35cとの当接位置が、傾斜面31fにおける上側へ変位しようとする。
その結果、二次転写ベルト60がベルト寄りによって移動する方向における分離ローラ軸61aの端部は、支持部材付勢スプリング40による上方に向かう付勢力に抗して押し下げられる。
一方、二次転写ベルト60がベルト寄りによって移動する方向とは逆側(図4中の左側)の二次転写ベルト60の端部は、ベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに接触していない。このため、二次転写ベルト60が移動する方向とは逆側の分離ローラ軸61aの端部は、図5に示す状態と同様に、フレーム35の傾斜面当接部35cが軸傾斜部材31の傾斜面31fの下端部分に当接した状態で保持される。
これにより、二次転写ベルト60が移動する方向側(図4中の右側)の分離ローラ軸61aの端部は、他端側に対して相対的に押し下げられた状態となり、分離ローラ軸61aが傾斜して、図7に示す状態となる。本実施形態の二次転写ユニット144では、図4中の左側の被ストッパ面31bの図4中左側端部と、ストッパ面35dとの接触部を支点として、分離ローラ軸61aの図4中の右側端部が下方に移動するように分離ローラ軸61aが傾動する。
このようにして、この分離ローラ軸61aが傾斜するにつれて、二次転写ベルト60のベルト幅方向への移動速度が次第に遅くなり、最終的には、二次転写ベルト60がベルト幅方向逆向きに移動するようになる。その結果、二次転写ベルト60のベルト幅方向の位置が徐々に戻され、二次転写ベルト60は、ベルト寄りが収束するベルト幅方向の位置で安定走行することができる。これは、二次転写ベルト60のベルト寄りが逆向きに発生する場合でも同様である。
二次転写ベルト60にベルト寄りの移動力が作用しなくなると、ベルト寄りによって押し下げられていた側の分離ローラ軸61aの端部を支持するローラ軸支持部材34が、支持部材付勢スプリング40の付勢力によって図2中の時計回り方向に回転する。
ここで、分離ローラ軸61aを傾けることにより、二次転写ベルト60のベルト寄りを戻すことができる原理について説明する。
図7は、分離ローラ61の回転軸(61d)と、二次転写ローラ17の回転軸(17d)とが平行な状態の二次転写ユニット144の説明図である。図7(a)は、分離ローラ61、二次転写ローラ17及び二次転写ベルト60の概略斜視図であり、図7(b)は、分離ローラ61近傍の概略上面図である。
図8は、図7の状態から分離ローラ軸61aの図7中の右側端部を下げて、分離ローラ61の回転軸(61d)を、二次転写ローラ17の回転軸(17d)に対して角度「α」だけ傾斜させた状態の二次転写ユニット144の説明図である。図8(a)は、分離ローラ61、二次転写ローラ17及び二次転写ベルト60の概略斜視図であり、図8(b)は、分離ローラ61近傍の概略上面図である。図8(a)では、分離ローラ61の回転軸(61d)を傾斜させる前の分離ローラ61及び二次転写ベルト60の位置を破線で示している。
図4に示すように、本実施形態の二次転写ベルト60の幅は、分離ローラ61の軸方向の長さよりも長いが、図7及び図8では、便宜的に分離ローラ61の軸方向を長く表している。
図7及び図8中の矢印C1は、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向を示し、図7及び図8中の矢印C2は、分離ローラ61に掛け回されて、分離ローラ61から分離した後の二次転写ベルト60の移動方向を示している。また、図7及び図8中の矢印Rは、二次転写ベルト60が掛け回されている部分における分離ローラ61の表面移動方向を示しており、二次転写ベルト60が掛け回されている部分では、分離ローラ61の表面は上方から下方に移動する。
二次転写ベルト60が回転すると、二次転写ベルト60の内周面と分離ローラ61の外周面との間の摩擦力によって分離ローラ61が回転する。このとき、二次転写ベルト60における分離ローラ61に掛け回されている部分では、分離ローラ61の周面の移動方向に沿う方向の力が作用する。
二次転写ベルト60を剛体であると仮定し、分離ローラ61との接触部に進入する前の二次転写ベルト60上の任意の一地点に注目する。ここで、分離ローラ61との接触部に進入する直前の二次転写ベルト60上の任意の一地点をベルト端部上の地点「E」とし、分離ローラ61との接触部から抜けた直後の二次転写ベルト60上の当該地点Eに対応する地点を地点「E’」とする。
二つの回転軸が平行な図7に示す状態では、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C1の方向)と、分離ローラ61の周面の移動方向(矢印Rの方向)とは、上方から見ると、図7(b)に示すように平行になる。このため、分離ローラ61に掛け回されている部分の二次転写ベルト60に対して分離ローラ軸61aに沿う方向の力は作用せず、上方から見ると二次転写ベルト60は矢印C1に平行に移動する。このとき、分離ローラ61との接触部に進入した地点「E」は、分離ローラ61の回転に伴い分離ローラ61の軸方向に移動することなく分離ローラ61の周面上を回転する。
そして、分離ローラ61から分離後の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C2方向)は、上方から見ると、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C1方向)とは、逆向きで平行な方向となる。このため、図7(b)で示すように、分離ローラ61の近傍の二次転写ベルト60を上方から見ると、分離ローラ61から分離した後の二次転写ベルト60は、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60に下方で重なって隠れる位置関係となる。よって、地点「E」と、地点「E’」との間では、分離ローラ61の軸方向における位置にズレが生じることはない。この場合、二次転写ベルト60にベルト寄りは発生しない。
上述したように、図8は、分離ローラ61の回転軸が二次転写ローラ17の回転軸に対して傾斜角「α」で傾斜した状態である。図8に示す状態では、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C1の方向)と、分離ローラ61の周面の移動方向(矢印Rの方向)とは、上方から見ると、図8(b)に示すように傾斜した状態となる。このため、二次転写ベルト60が分離ローラ61に斜めに巻き付き、二次転写ベルト60に対して、図8中の矢印Fで示すように、分離ローラ軸61aに沿う方向の力が作用する。ここで、図8(b)のように上方から見たときの、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C1の方向)に対する、分離ローラ61の周面上での二次転写ベルト60の移動方向の傾きを「β」とする。このとき、分離ローラ61との接触部に進入した地点「E」は、分離ローラ61の周面上を距離「N」だけ移動する間に、分離ローラ61の軸方向(図8(b)中の左方向)に距離「Ntanβ」だけ移動する。
角度「β」は、上方から見たときの、分離ローラ61に接触する前の二次転写ベルト60の移動方向(矢印C1の方向)に対する、分離ローラ61の表面移動方向(矢印Rの方向)の傾きが大きいほど大きくなる。また、この傾きは、二次転写ローラ17の回転軸(17d)に対する分離ローラ61の回転軸(61d)の傾斜角αが大きいほど、大きくなる。よって、二次転写ベルト60の無端移動の線速が一定の場合は、二次転写ベルト60の寄り量(ベルト幅方向への移動速度)は、傾斜角αが大きいほど大きくなる。
すなわち、二次転写ベルト60の寄り量は傾斜角αに比例し、傾斜角αが大きければ大きいほど、二次転写ベルト60のベルト寄り量は増していき、小さければ小さいほど前記ベルト寄り量は減少する。
したがって、図6に示すように、二次転写ベルト60が図6中右側に寄ろうとするベルト寄りが生じている場合、このベルト寄りによって軸傾斜部材31が分離ローラ61の軸方向に沿って図6中の右側へ移動する。これにより、分離ローラ軸61aの図6中の右側端部が図6中の下方に変位し、二次転写ベルト60を図6中の左側へ戻そうとするベルト寄りを生じさせることができる。
そして、二次転写ベルト60にもともと生じていたベルト寄りと、分離ローラ軸61aが傾いたことで発生する二次転写ベルト60の逆向きのベルト寄りとが釣り合う位置に、二次転写ベルト60のベルト寄りを収束させることができる。この釣り合う位置で走行している二次転写ベルト60に対し、さらに軸方向のどちらか一方へのベルト寄りが生じた場合でも、そのベルト寄りに応じて分離ローラ軸61aが傾くことで、再び、二次転写ベルト60のベルト寄りは、別の釣り合い位置で収束する。
このように、本実施形態における二次転写ユニット144のベルト位置補正機構50によれば、二次転写ベルト60のベルト幅方向への移動量に応じた傾きを分離ローラ軸61aに与えることで、二次転写ベルト60のベルト寄りを早期に収束させることができる。しかも、分離ローラ軸61aを傾かせるための駆動力には、二次転写ベルト60がベルト幅方向へ移動する力を利用するため、モータ等の駆動源を必要としない簡易な構成で実現できる。
上述の説明では、分離ローラ軸61aの図4中の右側の端部を下方に変位させることで、二次転写ベルト60に対して図4中の左側に移動する力を作用させる動作について説明した。これと同様に、分離ローラ軸61aの図4中の左側の端部を下方に変位させると、二次転写ベルト60に対して図4中の右側に移動する力を作用させることができる。
次に、軸傾斜部材31の構成について説明する。
図9は、本実施形態における軸傾斜部材31の説明図である。図9(a)は、軸傾斜部材31を図6中の左側から見た背面図であり、図9(b)は、軸傾斜部材31を図6中の手前側から見た側面図である。また、図9(c)は、軸傾斜部材31を図6中の左手前上方から見た斜視図であり、図9(d)は、軸傾斜部材31を図6中の右手前上方から見た斜視図である。
軸傾斜部材31は、ベルト寄り従動部材30が接触する接触部31aと、傾斜面31fと、被ストッパ面31bと、を備える。接触部31aは円筒形状である。傾斜面31fは、分離ローラ61に組み付けたときに、分離ローラ61の回転軸(61d)と重なる仮想軸を中心線とした円錐形の周面の一部をなすように形成された曲面で構成されている。また、ストッパ面35dに突き当たることでフレーム35に対する軸傾斜部材31の上下方向の位置決めを行う被ストッパ面31bは、上記仮想軸を中心とした円柱形の周面の一部をなすように形成された曲面で構成されている。
傾斜面31fを曲面で構成している理由は二つある。
一つ目の理由は、分離ローラ軸61a回りに軸傾斜部材31が僅かに回転するような事態が生じても、二次転写ローラ17の回転軸(17d)に対する分離ローラ61の回転軸(61d)の傾き角が変化しないようにするためである。
二つ目の理由は、フレーム35の傾斜面当接部35cとの接触を点接触に近付けて、その接触部における摩擦を軽減するためである。これにより、分離ローラ軸61aに沿う方向の力が作用したときに、ベルト寄り従動部材30及び軸傾斜部材31が滑らかに動くことができる。このため、二次転写ベルト60の端部がベルト寄り従動部材30のフランジ部30aに当接したときの当接圧を低減でき、二次転写ベルト60の端部での亀裂等の破損が生じることを抑制して二次転写ベルト60の寿命を延ばすことができる。
本実施形態では、分離ローラ61の回転軸(61d)に対する傾斜面31fの傾斜角度(図5中の角度「γ」)は30[°]であり、軸傾斜部材31の材質はPOM(ポリアセタール)としているが、これに限られるものではない。また、軸傾斜部材31は、傾斜部回転防止部材47によって分離ローラ軸61a回りに回転しない構成となっている。
軸傾斜部材31における被ストッパ面31bを有する突き当り部31gは、位置決め手段を兼ねることもできる。図5に示すように、フレーム35は、その軸方向内側に突き出したガイド部35eを備え、被ストッパ面31bの初期位置は、ガイド部35eの下面であるストッパ面35dと接触している。このように構成することによって、組み付け直後の初期状態の分離ローラ61の傾きを一定にすることができる。
仮に、軸傾斜部材31が被ストッパ面31bを備えず、傾斜面31fが軸傾斜部材31の図5中の軸方向右側端部まで形成された場合には、初期状態からフレーム35のガイド部35eに対して傾斜面31fが接触することになる。この場合、基準となる位置がないために、分離ローラ61が傾いて取り付けられてしまう恐れがある。そうすると、初期状態のときから二次転写ベルト60が片方に寄ることになり、その分、分離ローラ61を傾けなければならず、二次転写ベルト60の蛇行(ベルト寄り)が収束するのに時間がかかるおそれがある。また、組み付け方によっては、軸傾斜部材31がひっかかって十分に二次転写ベルト60の蛇行を制御できずに、二次転写ベルト60の幅方向端部に過剰な負荷が作用する可能性がある。この場合、二次転写ベルト60に早期に亀裂がはいったり、損傷してしまったりするおそれがある。
軸傾斜部材31の被ストッパ面31bとフレーム35のストッパ面35dとは、プリンタ100の前後両側(図4中の左右両側、軸方向両側)において接触しているのが好ましいが、片側だけ接触していてもばらつきはある程度抑えられる。
位置決め手段である突き当り部31gは、二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152との食い込み量維持手段としての機能を兼ねている。
フレーム35のガイド部35eの下部の傾斜面当接部35cは、図4や図5中の手前−奥方向に延在する線状角部となっており、この角部は曲面形状、ここではR形状となっている。傾斜面当接部35cが線状角部を有することで、環境変化などで二次転写ベルト60の周長が変化してベルト進行方向に分離ローラ61が動いたとしても軸傾斜部材31はガイド部35eに対して同じ高さでの点接触を保つことができる。
次に、軸傾斜部材31が分離ローラ軸61aを中心として回転することを防止する傾斜部回転防止部材47について説明する。
図10は、軸傾斜部材31及び傾斜部回転防止部材47を図5中の軸方向外側端面31cよりも右側から見た断面図である。
図10に示すように、傾斜部回転防止部材47は軸傾斜部材31の側面と底面に沿って軸傾斜部材31を覆う形状をしている。また、図2、図5及び図6に示すように、傾斜部回転防止部材47は、分離ローラ軸受部材33に接合されている。
このため、分離ローラ61とともに分離ローラ軸61aが回転することで、軸傾斜部材31がz−x平面内で、図10中の矢印I方向に回転するような力が加わっても軸傾斜部材31は回転しない。傾斜部回転防止部材47は、軸傾斜部材31の軸方向(図10中の紙面に直交する方向)の両端面に接触する部分は備えておらず、軸傾斜部材31が分離ローラ軸61aに沿って軸方向に移動することを妨げない形状となっている。このため、上述したように中間転写ベルト3のベルト寄りが生じたときには、軸傾斜部材31は分離ローラ軸61a周りを回転することなく、軸方向外側に向けて移動することができる。
傾斜部回転防止部材47は、分離ローラ軸受部材33に接合されているため、図2中の矢印Hで示す分離ローラ軸受部材33のスライド方向に分離ローラ軸61aとともに移動する。
また、傾斜部回転防止部材47が接合された分離ローラ軸受部材33は、ローラ軸支持部材34に支持されている。このため、ローラ軸支持部材34が図2中の矢印G方向に回動して、分離ローラ軸61aが上下方向に移動すると、傾斜部回転防止部材47も分離ローラ軸61aとともに上下方向に移動する。
傾斜部回転防止部材47の形状としては、軸傾斜部材31の軸方向への移動を許容しつつ、回転を止めるものであれば、図10に示す形状に限るものではない。
また、傾斜部回転防止部材47は、分離ローラ軸受部材33と接合されているものに限らず、分離ローラ軸61aの移動と連動する他の部材と接合しても良い。例えば、上述した実施形態では、ベルト寄り従動部材30は、中間転写ベルト3の走行に応じて回転するものとなっている。しかし、ベルト寄り従動部材30が回転せず、分離ローラ軸61aに沿ってスライドするものであれば、傾斜部回転防止部材47をベルト寄り従動部材30に接合する構成としてもよい。
次に、紙粉取りブラシローラ152について説明する。
図2に示すように、紙粉取りブラシローラ152は、二次転写ベルト60における分離ローラ61と二次転写ローラ17との間で張架された部分に食い込んで接触するように配置されている。また、紙粉取りブラシローラ152は、二次転写ベルト60における二次転写ローラ17の近傍に配置されている。具体的には、二次転写ベルト60の表面移動方向について、分離ローラ61に掛け回されている部分の下流端と、二次転写ローラ17に掛け回されている部分の上流端との中間点よりも二次転写ローラ17の側の二次転写ベルト60に接触している。
本実施形態の構成と異なり、紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60における二次転写ローラ17に掛け回されている部分と接触するように配置する構成では、分離ローラ61が変位しても食い込み量を維持し、クリーニング性も維持できる。
本実施形態の二次転写ユニット144で、紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60における張架された部分に接触するように配置しているのは以下の理由による。
すなわち、二次転写ベルト60における二次転写ローラ17に掛け回されている部分には、二次転写クリーニングブレード151、潤滑剤塗布ブラシローラ153a及び二次転写対向ローラ54が対向しているため、設置スペースが少ない。よって、紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60における二次転写ローラ17に掛け回されている部分に対向するように配置することができないためである。
紙粉取りブラシローラ152は、円柱状の軸部材にPET(ポリエチレンテレフタラート)からなる導電性の糸を多数固定したブラシローラである。糸の太さは「267T/24F×2」であり、糸の密度は「50000[本/inch]」である。食い込みによる変形が生じていない状態でのブラシローラの外径は「φ16[mm]」であり、毛足長さは「4.5[mm]」である。
二次転写ベルト60の寄りが発生していない理想的なユニット状態(図2(a)、図3及び図4に示す状態)のときの二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量は「1.4[mm]」である。
この食い込み量がクリーニング性と相関があり、食い込み量が少ないとクリーニング不良が発生し易くなるという不具合が生じる。逆に食い量が多過ぎるとブラシの毛倒れが発生し易くなるという不具合も生じる。
紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60における二次転写ローラ17に掛け回されている部分以外の部分に配置すると、紙粉取りブラシローラ152の二次転写ベルト60への食い込み量は分離ローラ61が傾斜することによって変化する。
本実施形態では、紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60の表面移動方向における分離ローラ61の下流側で、二次転写ローラ17の上流側となる位置に配置している。このため、紙粉取りブラシローラ152の二次転写ベルト60への食い込み量は分離ローラ61が傾斜することによって変化する。
図11は、本実施形態の二次転写ユニット144における紙粉取りブラシローラ152の二次転写ベルト60に対する食い込み量の変化を説明する断面図である。図11(a)は、初期状態の説明図であり、図11(b)は、装置手前側(図11中の右側)に向かうベルト寄りが発生した状態の説明図である。
図11は図4で示す断面と同じ断面図であるが、便宜的に分離ローラ61及び分離ローラ軸61aにのみ断面を示すハッチングをしている。また、紙粉取りブラシローラ152は二次転写ベルト60に沿って弾性変形するが、食い込み量を示すために図11では、弾性変形していない状態の紙粉取りブラシローラ152が位置する仮想の領域を破線で示している。また、図11では、分離ローラ61の回転軸と紙粉取りブラシローラ152の回転軸とを一点鎖線で示している。
図12は、初期状態における二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量(以下、「初期食い込み量J0」とする)を模式的に示す説明図である。
図13は、実施形態の二次転写ユニット144でベルト寄りが生じた状態における図12中の「ε」で示す領域の拡大模式図である。図13中の「F」は装置手前側端部を示し、「R」は装置奥側端部を示す。図13(a)は、装置手前側に向かうベルト寄りが発生した状態を示し、図13(b)は、装置奥側に向かうベルト寄りが発生した状態を示している。
図14は、軸傾斜部材31が食い込み量維持手段である突き当り部31gを備えない比較例の二次転写ユニット144における紙粉取りブラシローラ152の二次転写ベルト60に対する食い込み量の変化を説明する断面図である。図14(a)は、初期状態の説明図であり、図14(b)は、装置手前側(図14中の右側)に向かうベルト寄りが発生した状態の説明図である。比較例は軸傾斜部材31が被ストッパ面31b有する突き当り部31gを備えない点以外は上述した実施形態と同様の構成を備えている。
図15は、比較例の二次転写ユニット144でベルト寄りが生じた状態における図12中の「ε」で示す領域の拡大模式図である。図15中の「F」は装置手前側端部を示し、「R」は装置奥側端部を示す。図15(a)は、装置手前側に向かうベルト寄りが発生した状態を示し、図15(b)は、装置奥側に向かうベルト寄りが発生した状態を示している。
比較例の二次転写ユニット144で装置手前側に向かうベルト寄りが発生すると、上述した実施形態のベルト寄りを補正する構成と同様の構成によって、装置手前側の軸傾斜部材31は下方に変位する。比較例の二次転写ユニット144では、突き当り部31gを備えていないため、軸傾斜部材31は図14(a)に示す初期状態よりも上方に移動することが可能となっている。このため、図14(b)に示すように、装置手前側の軸傾斜部材31が下方に変位するだけでなく、装置奥側の軸傾斜部材31が上方に変位することがある。分離ローラ軸61aの軸方向に対して直交する方向については、軸傾斜部材31は分離ローラ軸61aとともに移動する構成となっているため、装置奥側の軸傾斜部材31が上方に変位すると分離ローラ軸61aも上方に変位する。これにより、分離ローラ61も上方に変位し、二次転写ベルト60における分離ローラ61と二次転写ローラ17との間の張架された部分も上方に変位する。
このような変位が生じると、装置奥側の領域(図14(b)中の「η」領域)で二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量が減少する。
比較例の構成では、図15(a)に示すように、装置手前側に向かうベルト寄りが発生すると、装置手前側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも大きくなり、装置奥側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも小さくなる。また、図15(b)に示すように、装置奥側に向かうベルト寄りが発生すると、装置手前側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも小さくなり、装置奥側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも大きくなる。
比較例のように、ベルト寄りを補正する際に、ベルト寄りが発生する前である初期状態と比較して二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量が減少すると、クリーニング性が低下する。
これに対して、実施形態の二次転写ユニット144は、軸傾斜部材31が食い込み量維持手段である突き当り部31gを備えている。
突き当り部31gは、被ストッパ面31bが突き当たることによって、軸傾斜部材31の位置が食い込み量Jを規定する初期状態の位置よりも上方へ移動することを防止するものである。そして、突き当り部31gは、分離ローラ61に対して軸方向の外側に配置された軸傾斜部材31の軸方向の端部に形成されている。
実施形態の二次転写ユニット144で装置手前側に向かうベルト寄りが発生すると、上述したベルト寄りを補正する構成によって、装置手前側の軸傾斜部材31は下方に変位する。このとき、実施形態の二次転写ユニット144は、突き当り部31gを備えているため、図11(b)に示すように、装置手前側の軸傾斜部材31が下方に変位するだけで、装置奥側の軸傾斜部材31が上方に変位することはない。よって、分離ローラ軸61aが上方に変位することもなく、二次転写ベルト60における分離ローラ61と二次転写ローラ17との間の張架された部分も上方には変位しない。
このように二次転写ベルト60が初期状態よりも上方へ移動することがないため、装置奥側の領域(図11(b)中の「η」領域)で二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量が減少することを防止できる。
実施形態の構成では、図13(a)に示すように、装置手前側に向かうベルト寄りが発生すると、装置手前側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも大きくなり、装置奥側では食い込み量Jは初期食い込み量J0から略変化しない。また、図13(b)に示すように、装置奥側に向かうベルト寄りが発生すると、装置手前側では食い込み量Jは初期食い込み量J0から略変化せず、装置奥側では食い込み量Jが初期食い込み量J0よりも大きくなる。
ベルト寄りに応じて二次転写ベルト60の位置を補正するベルト位置補正機構50を備える構成では、二次転写ベルト60の幅方向端部にストレスが作用し続けることを防止し、幅方向端部に亀裂が生じることを抑制できる。よって、幅方向端部の亀裂に起因して二次転写ベルト60が寿命となることを抑制し、二次転写ベルト60の長寿命化を図ることができる。
本実施形態のベルト位置補正機構50によるベルト寄り補正動作では、二次転写ベルト60が片側に寄ると傾斜面31fを有する軸傾斜部材31が、装置本体に固定されたフレーム35のガイド部35eに沿いながら分離ローラ61が傾斜していく。このとき、二次転写ベルト60が寄る方向と逆側では、突き当り部31gのような食い込み量維持手段を備えるか否かによって挙動が変化する。
本実施形態のベルト位置補正機構50のように、食い込み量維持手段を備える構成では、食い込み量が減少する方向への傾動支持回転体(分離ローラ61)の変位は、食い込み量維持手段によって抑えられるため、食い込み量の減少を防止できる。
一方、比較例のベルト位置補正機構50のように、軸傾斜部材31の傾斜面31fがガイド部35eに接触し、食い込み量維持手段を備えない構成では、食い込み量が減少する方向への傾動支持回転体(分離ローラ61)の変位を防止することはできない。このため、二次転写ベルト60にベルト寄りが発生した際に、食い込み量が減少する方向への傾動支持回転体の変位が生じ、食い込み量が減少することがある。
実施形態のように、ベルト位置補正機構50に食い込み量維持手段を設けることによって、ベルト寄りを補正するときに、傾動支持回転体である分離ローラ61を傾斜させる際の分離ローラ61の変位は、初期状態と比較して食い込み量が増加する方向のみになる。このため、ベルト寄りを補正する前の初期状態と比較して、二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量を増加させることができるため、クリーニング性が減少することを防止できる。よって、本実施形態の二次転写ユニット144では、二次転写ベルト60の長寿命化と、紙粉取りブラシローラ152によるクリーニング性の維持との両立を図ることができる。
実施形態の突き当り部31gのように、食い込み量維持手段を備える構成であれば、ベルト寄りを補正する際に、初期状態と比較して二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量が減少することを防止できる。
本実施形態の食い込み量維持手段である突き当り部31gは、軸傾斜部材31の一部であって、図9に示すように上面が円柱形の周面の一部をなすように形成された曲面状となっている。食い込み量維持手段としては、軸傾斜部材31とは別部材と設けてもよく、さらに、食い込み量を維持できる形状であれば、円柱形の周面の一部をなすように形成された曲面を有する形状に限るものではない。
次に紙粉取りブラシローラ152の二次転写ベルト60への食い込み量の上限について説明する。
食い込み量が大きくなりすぎると紙粉取りブラシローラ152の毛足が毛倒れ(塑性変形)を起こす。そうすると、クリーニング性が低下してしまうので食い込み量の上限値を設けることが好ましい。本実施形態で用いた紙粉取りブラシローラ152は、食い込み量が毛足長さの3分の2以上になると、毛倒れが許容できなくなるほと悪化した。このため、本実施形態では食い込み量の上限値を紙粉取りブラシローラ152の毛足長さの3分の2以下(3[mm]以下)に設定している。食い込み量の上限値の設定は、紙粉取りブラシローラ152の配置や二次転写ローラ17の回転軸に対する分離ローラ61の回転軸の傾斜量を制限することで達成している。
二次転写ベルト60では、二次転写ローラ17に掛け回されている部分に近いほど、分離ローラ61が変位したときの変位量が少なく、紙粉取りブラシローラ152の食い込み量の変動を抑制でき、食い込み量を上限値の範囲内とすること可能となる。本実施形態では、上述したように、紙粉取りブラシローラ152を二次転写ベルト60における二次転写ローラ17の近傍に配置している。このため、食い込み量が大きくなり過ぎることを抑制し、毛倒れに起因するクリーニング性の低下を抑制できる。
また、二次転写ローラ17の回転軸に対する分離ローラ61の回転軸の傾斜角αが大きいほど、二次転写ベルト60の変位量は大きくなり、紙粉取りブラシローラ152の食い込み量も大きくなる。傾斜角αを制御することによって、食い込み量が大きくなり過ぎることを抑制し、毛倒れに起因するクリーニング性の低下を抑制できる。
次に二次転写クリーニングブレード151について説明する。
二次転写クリーニングブレード151の材質はウレタンゴムであり、二次転写ベルト60との当接部のゴム硬度(ショアA)で「80」のものを使用している。ただし、必ずしもこの硬度である必要は無い。ゴム硬度が高いほうがブレードの巻き込みが発生し難いという点で好ましい。しかし、ゴム硬度が高過ぎると二次転写ベルト60の微小な凹凸に二次転写クリーニングブレード151が追従できなくなってクリーニング不良が発生したり、二次転写クリーニングブレード151に欠けが発生したりし易くなる。このため、使用するベルト装置のシステムに適合したゴム硬度にするのが好ましい。
次に、塗布する潤滑剤塗布機構153について説明する。
本実施形態の二次転写ユニット144では、二次転写ベルト60の表面上でのフィルミングを防止するため、また、ブレード巻き込みを防止するために二次転写ベルト60に潤滑剤を塗布している。潤滑剤塗布機構153では、潤滑剤塗布ブラシローラ153aに固形潤滑剤153bを加圧し、潤滑剤塗布ブラシローラ153aで固形潤滑剤153bを削り、二次転写ベルト60に潤滑剤を塗布している。
本実施形態では、二次転写ベルト60上に潤滑剤を塗布して二次転写ベルト60の摩擦係数を下げることで異物が付着し難くしている。これにより、異物が固着するフィルミングが生じることを抑制し、紙粉取りブラシローラ152や二次転写クリーニングブレード151によって異物を除去し易くすることが可能となる。
潤滑剤塗布ブラシローラ153aの材質はPETで外径は「φ13.5[mm]」、二次転写ベルト60への食い込み量は「1[mm]」である。固形潤滑剤153bはステアリン酸亜鉛を使用している。潤滑剤塗布ブラシローラ153aや固形潤滑剤153bについては上述のものや条件にかかわらず、ベルト装置のシステムによって適宜最適なものを選択するのがよい。
本実施形態の二次転写ユニット144は、二次転写クリーニングブレード151及び潤滑剤塗布機構153に加えて、紙粉取りブラシローラ152を備えている。このため、転写紙等の記録媒体Pを二次転写ベルト60で搬送する構成で、記録媒体Pから生じる紙粉に起因するクリーニング不良の発生を防止できる。
また、紙粉取りブラシローラ152のみであっても、二次転写ベルト60に付着したトナー等の異物をある程度は除去することが可能である。しかし、ブラシローラのみではトナーが大量に入力された場合に除去し切れずにクリーニング不良となるおそれがある。本実施形態では、ブラシローラからなる紙粉取りブラシローラ152で除去しきれなくあった異物を二次転写クリーニングブレード151で除去することができるため、トナーが大量に入力された場合であってもクリーニング不良となることを防止できる。
また、実施形態では、二次転写ベルト60における二次転写ローラ17に掛けまわされた部分に二次転写クリーニングブレード151と潤滑剤塗布機構153とを配置している。二次転写ローラ17は傾動しない非傾動ローラであるため、二次転写クリーニングブレード151や潤滑剤塗布機構153の二次転写ベルト60に対する相対的位置が変動せず、安定した異物の除去及び潤滑剤の塗布を行なうことができる。
実施形態のローラ傾動機構は、ベルト寄りによって二次転写ベルト60が片側に寄ろうとする力を利用して傾動ローラである分離ローラ61を傾斜させる構成である。そして、二次転写ローラ17に対する分離ローラ61の軸アライメントが変えられるように分離ローラ61を支持している。ベルト寄りの力を利用することで、分離ローラ61を傾動させるためのモータ等の駆動手段を用いることなく、自動でベルト寄りを補正するものである。
二次転写ベルト60に対する紙粉取りブラシローラ152の食い込み量を維持する二次転写ユニット144において、分離ローラ61を傾動させる構成としては、ベルト寄りの力を利用するものに限らない。モータ等のアクチュエータを用いてステアリングローラとしての分離ローラ61を傾動させる構成でもよい。このような構成では、ベルト寄り検出手段によってベルト寄りを検出し、この検出結果に基づいてアクチュエータを制御してベルト寄りを補正する。この構成の場合、アクチュエータによって分離ローラ軸61aの端部を移動させ得る方向を下方に限定する構成等の食い込み量維持手段を設けることにより、紙粉取りブラシローラ152の食い込み量を維持し、クリーニング性を維持することができる。
本実施形態では、ベルト寄りの力を利用して分離ローラ61を傾動させることで、アクチュエータが不要になることによる低コスト化及び軽量化を図るとともに、アクチュエータを配置するスペースが不要になることによる装置の小型化を図ることができる。
上述した実施形態では、ベルト部材の張架面に接触する接触クリーニング部材がブラシローラである構成について説明した。接触クリーニング部材としては、ブラシローラに限るものではなく、スポンジローラや可撓性のブレード部材等、接触するベルト部材に対する食い込み量によってクリーニング性が変動するクリーニング部材であれば適用可能である。
プリンタ100は、電子写真プロセスを用いた画像形成装置である、潜像担持体である感光体1上に形成した各色のトナー像を中間転写体である中間転写ベルト3に一次転写した後に、記録材である記録媒体Pに対して二次転写するカラー画像形成装置である。この種の画像形成装置における二次転写装置には、ローラ転写方式とベルト転写方式がある。ローラ転写方式は、中間転写体と転写ローラとの間で記録材を挟持して搬送しながら二次転写を行う方式である。一方、ベルト転写方式は、二次転写装置の支持ローラ間に張架したベルト状部材(二次転写ベルト)と中間転写体との間で記録材を挟持して搬送しながら二次転写を行う方式である。
ベルト転写方式は、中間転写体との間で記録材を挟持する箇所(二次転写ニップ)の記録材搬送方向上流側及び下流側の少なくとも一方の二次転写ベルト部分で、記録材を吸着搬送する。そのため、中間転写体との間で記録材を挟持する箇所(二次転写ニップ)だけでなく、その記録材搬送方向上流側や下流側でも、記録材を保持して搬送力を付与できる。よって、ベルト転写方式は、一般に、記録材の安定搬送に関してローラ転写方式よりも好適である。
しかし、ベルト転写方式は、一般的なベルト搬送装置と同様、二次転写ベルトがベルト幅方向の一端側へ寄ってしまったり(ベルト寄り)、ベルト幅方向の各端部へ向かうベルト寄りが繰り返されるベルト蛇行が生じたりする現象が発生し得る。ベルト寄り(ベルト蛇行を含む)は、二次転写装置を構成する構造体の組付け寸法公差、例えば二次転写ベルトを張架支持する複数の支持ローラの回転軸の平行度やローラ外径のばらつき、二次転写ベルト自体の周長変化による張力の不均一化などが原因で発生する。
詳しくは、これらの原因によって二次転写ベルトが直線走行せずに支持ローラ軸方向(ベルト幅方向)に変位した状態で走行することで、その変位した方向に寄せられてベルト寄りが発生する。
特に、小型の二次転写装置の場合、支持ローラ間における軸間距離が短い関係で、支持ローラの組付け寸法公差がベルト寄りの発生に影響しやすく、ベルト寄りを抑制することの要請が強い。
従来、ベルト寄りによるベルトの幅方向移動範囲(ベルト寄り範囲)を一定の規制範囲内に収めるために、種々のベルト寄り規制手段が提案されている。ベルト寄り規制手段としては、ベルト寄りが発生してベルトが幅方向へ移動するときに、そのベルト幅方向位置が一定の規制範囲を超えてベルトが移動しないようにベルト寄りを制限するものがある。また、その他に、ベルト寄りの方向とはベルト幅方向逆向きにベルトを移動させる力を作用させてベルト寄りを補正するものがある。本実施形態の二次転写ユニット144は、ベルト寄りの方向とはベルト幅方向逆向きにベルトを移動させる力を作用させる構成である。
上述した実施形態では、傾動ローラを含む複数の支持ローラによって支持され、接触クリーニング部材が接触するベルト部材が二次転写ベルトである二次転写装置(二次転写ユニット144)について説明した。ベルト部材に対する接触クリーニング部材の食い込み量を維持する構成を備えるベルト装置としては二次転写装置に限るものではない。例えば、画像形成装置の中間転写ベルトのベルト寄りを補正するために、支持ローラの一つが傾動ローラとなっている中間転写ベルト装置(本実施形態の中間転写ユニット145)にも適用可能である。さらに、画像形成装置が備えるベルト部材を駆動するベルト装置に限るものではなく、工場における材料や製品等を搬送するベルトコンベア等の各種のベルト装置にも適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
分離ローラ61及び二次転写ローラ17等の複数の支持回転体と、複数の前記支持回転体に掛け渡されて支持回転体の回転とともに無端移動する二次転写ベルト60等のベルト部材と、ベルト部材の表面に接触して異物を除去する紙粉取りブラシローラ152等の接触クリーニング部材と、前記支持回転体の少なくとも一つを二次転写ローラ17等の他の支持回転体に対して傾動させるベルト位置補正機構50等の回転体傾動手段とを備える二次転写ユニット144等のベルト装置において、接触クリーニング部材は、ベルト部材における回転体傾動手段が傾動させる分離ローラ61等の傾動支持回転体と他の支持回転体との間で張架された部分に接触するように配置され、ベルト部材に対する接触クリーニング部材の食い込み量は、回転体傾動手段によって傾動支持回転体が傾動してない状態で最小となる構成である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接触クリーニング部材のレイアウトの自由度を向上しつつ、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができる。これは、以下の理由による。
すなわち、ベルト部材における張架された部分に接触クリーニング部材を配置することで、ベルト部材の他のローラに巻き付いている部分のみに接触クリーニング部材を配置するよりもレイアウトの自由度が向上する。ベルト部材における傾動支持回転体と他の支持回転体との間で張架された部分は、回転体傾動手段によって傾動支持回転体が傾動すると、位置が変化し、接触クリーニング部材の食い込み量が変動し、クリーニング性も変動する。態様Aでは、接触クリーニング部材の食い込み量は、傾動支持回転体が傾動してない状態で最小となる構成であるため、傾動支持回転体を傾動させると食い込み量が増加する。よって、傾動支持回転体を傾動させて、ベルト部材の上記張架された部分の位置が変化しても、食い込み量を維持することができ、接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することが出来る。
(態様B)
態様Aにおいて、紙粉取りブラシローラ152等の接触クリーニング部材は、二次転写ベルト60等のベルト部材の表面移動方向について、分離ローラ61等の傾動支持回転体に掛け回されている部分の下流端と、二次転写ローラ17等の他の支持回転体に掛け回されている部分の上流端との中間点よりも他の支持回転体の側のベルト部材の位置に接触する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、食い込み量が大きくなり過ぎることを抑制し、毛倒れに起因するクリーニング性の低下を抑制できる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、ベルト位置補正機構50等の回転体傾動手段は、分離ローラ61等の傾動支持回転体の軸方向の端部を移動させることによって二次転写ベルト60等のベルト部材のベルト寄りを制御するベルト寄り制御機構である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルト寄り制御機構を備える二次転写ユニット144等のベルト装置で、ベルト寄りを補正するために傾動支持回転体を傾動させても接触クリーニング部材のクリーニング性を維持する構成を実現できる。
(態様D)
態様A乃至Cの何れかの態様において、分離ローラ61等の傾動支持回転体が傾動してない状態(初期状態等)よりも、二次転写ベルト60等のベルト部材に対する紙粉取りブラシローラ152等の接触クリーニング部材の食い込み量が小さくなることを防止する突き当り部31g等の食い込み量維持手段を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができる。
(態様E)
態様A乃至Dの何れかの態様において、分離ローラ61等の傾動支持回転体の回転軸の二次転写ローラ17等の他の支持回転体の回転軸に対する傾斜角(α)は、食い込み量が所定量以下となるように上限値が設定されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接触クリーニング部材(紙粉取りブラシローラ152等)の塑性変形(毛倒れ等)に起因するクリーニング性の低下を抑制できる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、接触クリーニング部材は、ブラシローラ(紙粉取りブラシローラ152等)である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ブラシローラのレイアウトの自由度を向上しつつ、分離ローラ61等の傾動支持回転体を傾動させたときでもブラシローラによるクリーニング性を維持することができる。
(態様G)
態様Fにおいて、二次転写ベルト60等のベルト部材に対する紙粉取りブラシローラ152等のブラシローラの食い込み量が、ブラシローラのブラシ毛足長さの3分の2以下となるように、分離ローラ61等の傾動支持回転体の回転軸の二次転写ローラ17等の他の支持回転体の回転軸に対する傾斜角(α)の上限値が設定されている。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ブラシローラの毛倒れに起因するクリーニング性の低下を抑制できる。
(態様H)
態様FまたはGにおいて、二次転写ベルト60等のベルト部材に接触して異物を除去する二次転写クリーニングブレード151等のクリーニングブレードと、ベルト部材に潤滑剤塗布ブラシローラ153a等の塗布部材が接触して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構153等の潤滑剤塗布機構とを、紙粉取りブラシローラ152等のブラシローラに対してベルト部材の移動方向下流側に配置している。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ブラシローラのみの構成よりもクリーニング不良となることを防止できる。
(態様I)
分離ローラ61及び二次転写ローラ17等の複数の支持回転体に掛け渡されて支持回転体の回転とともに走行する二次転写ベルト60等の転写ベルトを備え、転写ベルトの外周面上に記録媒体P等の記録媒体を担持し、中間転写ベルト3等の像担持体上に形成されたトナー像等の可視像を記録媒体に転写する二次転写ユニット144等の転写装置において、態様A乃至Hの何れかの態様に係るベルト装置の構成を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、転写ベルト周りでの接触クリーニング部材のレイアウトの自由度を向上しつつ、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができる。
(態様J)
分離ローラ61及び二次転写ローラ17等の複数の支持回転体に掛け渡された二次転写ベルト60等のベルト部材を支持回転体の回転とともに走行させる二次転写ユニット144等のベルト走行機構を備えるプリンタ100等の画像形成装置において、ベルト走行機構として、請求項A乃至Hの何れかの態様に係るベルト装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ベルト部材の周りでの接触クリーニング部材のレイアウトの自由度を向上しつつ、傾動支持回転体を傾動させたときでも接触クリーニング部材によるクリーニング性を維持することができる。
1 感光体
1Y イエロー用感光体
1K ブラック用感光体
3 中間転写ベルト
4 駆動ローラ
5 テンションローラ
7 入口ローラ
8Y イエロー用帯電装置
10Y イエロー用現像装置
11 一次転写ローラ
11Y イエロー用転写ローラ
12Y イエロー用クリーニング装置
14 給紙装置
15 給紙ローラ
16 レジストローラ対
17 二次転写ローラ
17a 二次転写ローラ回転軸
18 定着装置
19 排紙ローラ対
20 中間転写クリーニング装置
21 中間転写クリーニングブレード
30 従動部材
30a フランジ部
30b 円筒部分
31 軸傾斜部材
31a 接触部
31b 被ストッパ面
31c 軸方向外側端面
31f 傾斜面
31g 突き当り部
33 分離ローラ軸受部材
34 ローラ軸支持部材
34a 支持部材側スプリング固定部
34b 軸受スライド長穴
35 フレーム
35a フレーム側スプリング固定部
35c 傾斜面当接部
35e ガイド部
35d ストッパ面
35f フレーム開口部
40 支持部材付勢スプリング
47 傾斜部回転防止部材
50 ベルト位置補正機構
51 従動ローラ
52 テンションスプリング
54 二次転写対向ローラ
60 二次転写ベルト
61 分離ローラ
61a 分離ローラ軸
71 第二搬送駆動ローラ
72 第二搬送ベルト
73 第二搬送従動ローラ
100 プリンタ
144 二次転写ユニット
145 中間転写ユニット
150 二次転写ベルトクリーニング装置
151 二次転写クリーニングブレード
152 紙粉取りブラシローラ
153 潤滑剤塗布機構
153a 潤滑剤塗布ブラシローラ
153b 固形潤滑剤
J 食い込み量
J0 初期食い込み量
L レーザビーム
P 記録媒体
α 傾斜角
特開2007−011107号公報

Claims (10)

  1. 複数の支持回転体と、
    複数の前記支持回転体に掛け渡されて前記支持回転体の回転とともに無端移動するベルト部材と、
    前記ベルト部材の表面に接触して異物を除去する接触クリーニング部材と、
    前記支持回転体の少なくとも一つを他の支持回転体に対して傾動させる回転体傾動手段とを備えるベルト装置において、
    前記接触クリーニング部材は、前記ベルト部材における前記回転体傾動手段が傾動させる傾動支持回転体と前記他の支持回転体との間で張架された部分に接触するように配置され、
    前記ベルト部材に対する前記接触クリーニング部材の食い込み量は、前記回転体傾動手段によって前記傾動支持回転体が傾動してない状態で最小となる構成であることを特徴とするベルト装置。
  2. 請求項1のベルト装置において、
    前記接触クリーニング部材は、前記ベルト部材の表面移動方向について、前記傾動支持回転体に掛け回されている部分の下流端と、前記他の支持回転体に掛け回されている部分の上流端との中間点よりも前記他の支持回転体の側の前記ベルト部材の位置に接触することを特徴とするベルト装置。
  3. 請求項1または2のベルト装置において、
    前記回転体傾動手段は、前記傾動支持回転体の軸方向の端部を移動させることによって前記ベルト部材のベルト寄りを制御するベルト寄り制御機構であることを特徴とするベルト装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のベルト装置において、
    前記傾動支持回転体が傾動してない状態よりも前記ベルト部材に対する前記接触クリーニング部材の食い込み量が小さくなることを防止する食い込み量維持手段を備えることを特徴とするベルト装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のベルト装置において、
    前記傾動支持回転体の回転軸の前記他の支持回転体の回転軸に対する傾斜角は、前記食い込み量が所定量以下となるように上限値が設定されていることを特徴とするベルト装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のベルト装置において、
    前記接触クリーニング部材は、ブラシローラであることを特徴とするベルト装置。
  7. 請求項6のベルト装置において、
    前記ベルト部材に対する前記ブラシローラの食い込み量が、前記ブラシローラのブラシ毛足長さの3分の2以下となるように、
    前記傾動支持回転体の回転軸の前記他の支持回転体の回転軸に対する傾斜角の上限値が設定されていることを特徴とするベルト装置。
  8. 請求項6または7のベルト装置において、
    前記ベルト部材に接触して異物を除去するクリーニングブレードと、前記ベルト部材に塗布部材が接触して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構とを、
    前記ブラシローラに対して前記ベルト部材の移動方向下流側に配置していることを特徴とするベルト装置。
  9. 複数の支持回転体に掛け渡されて前記支持回転体の回転とともに走行する転写ベルトを備え、
    前記転写ベルトの外周面上に記録媒体を担持し、像担持体上に形成された可視像を前記記録媒体に転写する転写装置において、
    請求項1乃至8の何れかに記載のベルト装置の構成を備えることを特徴とする転写装置。
  10. 複数の支持回転体に掛け渡されたベルト部材を前記支持回転体の回転とともに走行させるベルト走行機構を備える画像形成装置において、
    前記ベルト走行機構として、請求項1乃至8の何れかに記載のベルト装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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