JP2018141110A - 多孔質ポリイミドフィルム、ポリイミド前駆体溶液、および多孔質ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、ポリイミドからなる孔を有する有機多孔体と、孔内にカチオン成分とアニオン成分とを含有する電解質材料を保持したイオン伝導体が記載されている。
特許文献3には、ポリアミド酸若しくはポリイミド、シリカ粒子及び溶媒を混合してワニスを製造する、又はシリカ粒子が分散した溶剤中でポリアミド酸若しくはポリイミドを重合してワニスを製造するワニス製造工程、ワニス製造工程で製造されたワニスを基板に製膜後、イミド化を完結させて、ポリイミド−シリカ複合膜を製造する複合膜製造工程、及び、複合膜製造工程で製造されたポリイミド−シリカ複合膜のシリカを除去するシリカ除去工程を有する多孔質ポリイミド膜の製造方法が記載されている。
特許文献4には、シリカ粒子を充填後、焼結して、多孔質シリカ製鋳型を得る多孔質シリカ製鋳型の製造工程、多孔質シリカ製鋳型の製造工程で得られた多孔質シリカ製鋳型の空隙にポリイミドを充填するポリイミド充填工程およびポリイミドが充填された多孔質シリカ製鋳型からシリカを除去して、多孔質ポリイミドを得るシリカ除去工程を有する多孔質ポリイミドの製造方法が記載されている。
特許文献6には、正極と、負極と、平均細孔径が5μm以下であり、ポリイミドあるいはポリイミド前駆体の溶液塗布後、相分離によって多孔質膜化した多孔質ポリイミド膜を含むセパレータ層と、を有する非水電解液二次電池が記載されている。
Liを除くアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびケイ素からなる金属群の合計含有量が、多孔質ポリイミドフィルムに対して、100ppm以下である多孔質ポリイミドフィルム。
前記金属群の合計含有量が50ppm以下である請求項1に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
請求項3に係る発明は、
前記金属群の合計含有量が20ppm以下である請求項2に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
空孔の最大径が0.1μm以上0.5μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
水を含む水性溶剤、前記水性溶剤に溶解しない樹脂粒子、有機アミン化合物、およびポリイミド前駆体を含有し、Liを除くアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびケイ素からなる金属群の合計含有量が、ポリイミド前駆体溶液に対して、200ppm以下であるポリイミド前駆体溶液。
前記樹脂粒子の平均粒径が、0.1μm以上0.5μm以下である請求項5に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項7に係る発明は、
前記樹脂粒子の平均粒径が、0.25μm以上0.5μm以下である請求項6に記載のポリイミド前駆体溶液。
前記樹脂粒子の含有量が、ポリイミド前駆体固形分100質量部に対し、20質量部以上600質量部以下である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項9に係る発明は、
前記樹脂粒子の含有量が、ポリイミド前駆体固形分100質量部に対し、30質量部以上100質量部以下である請求項8に記載のポリイミド前駆体溶液。
前記樹脂粒子が、ソープフリー乳化重合粒子である請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項11に係る発明は、
前記樹脂粒子が、洗浄樹脂粒子である請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
前記水性溶剤は、水性溶剤全量に対する前記水の含有量が50質量%以上100質量%以下である請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項13に係る発明は、
前記水性溶剤は、水性溶剤全量に対する前記水の含有量が80質量%以上100質量%以下である請求項12に記載のポリイミド前駆体溶液。
前記有機アミン化合物が、3級アミン化合物である請求項5〜請求項13のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項15に係る発明は、
前記有機アミン化合物が、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、及びN−エチルピペリジンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項16に係る発明は、
前記有機アミン化合物が、モルホリン骨格を有するアミン化合物である請求項15に記載のポリイミド前駆体溶液。
請求項5〜請求項16のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を乾燥して、前記ポリイミド前駆体及び前記樹脂粒子を含む被膜を形成する第1の工程と、
前記被膜を加熱して、前記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドフィルムを形成する第2の工程であって、前記樹脂粒子を除去する処理を含む第2の工程と、
を有する多孔質ポリイミドフィルムの製造方法。
これに対し、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、特定金属群の合計含有量が100ppm以下であり、多孔質ポリイミドフィルム中を透過するイオン流の乱れを生じると考えられる金属種の含有量が少ないため、サイクル特性の低下が抑制されると推測される。
例えば、従来の多孔質ポリイミドフィルムが、樹脂粒子とポリイミド前駆体とを含むポリイミド前駆体溶液を用いて多孔質ポリイミドを形成した場合、この樹脂粒子は、例えば、乳化重合等の方法によって造粒される。樹脂粒子を乳化重合によって造粒した場合、乳化重合に用いる界面活性剤として、特定金属群の金属が含まれていることがある。そして、この金属が含まれている界面活性剤を用いて得られた樹脂粒子を、ポリイミド前駆体溶液に分散させると、ポリイミド前駆体溶液中には、樹脂粒子に含まれている金属に由来する金属を含んでいる。このポリイミド前駆体溶液を用いて、多孔質ポリイミドフィルムの形成に適用すると、皮膜のイミド化の過程、又は樹脂粒子を除去する過程等において、ポリイミド前駆体溶液に含まれている金属が、多孔質ポリイミドフィルムに残留する。その結果、特定金属群の合計含有量として、多孔質ポリイミドフィルムに対して100ppmを超えて残留すると考えられる。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、特定金属群の合計含有量が、多孔質ポリイミドフィルムに対して、100ppm以下である。好ましくは50ppm以下であり、より好ましくは20ppm以下である。多孔質ポリイミドフィルムに対する特定金属群の合計含有量は、少ないほうがよく、下限値は特に限定されないが、0ppmであることが好ましい。なお、0ppmとは、検出限界以下を示す。
なお、多孔質ポリイミドフィルムに含有する特定金属群の合計含有量は、測定対象となる多孔質ポリイミドフィルムを原子吸光分析装置により測定する。
多孔質ポリイミドフィルムは、球状に近い形状の空孔が連結したものを有する。本明細書中において、空孔の形状が「球状に近い」とは、球状、及びほぼ球状の両者の形状を包含するものである。具体的には、長径と短径の比(長径/短径)が1以上2以下である空孔の割合が50%以上存在することを意味する。この空孔の存在割合が多いほど、球状の空孔の割合が増加する。長径と短径の比(長径/短径)が1以上2以下である空孔は、50%以上100%以下であることが好ましく、55%以上100%以下であることがさらに好ましい。また、長径と短径の比が1に近づくほど真球状に近くなる。球状に近い形状の空孔が連結したものであるため、連結部分は壁をなしている部分からの外挿で形状を推定する。
また、多孔質ポリイミドフィルムを、例えば、リチウムイオン電池の電池セパレータに適用した場合に、イオン流の乱れの発生が抑制されるため、リチウムデンドライトの形成が抑制されやすくなる。また、フィルターとして用いた場合、ろ過の精度(例えば、ろ液中に含まれる物質の大きさの均一性)が高まる。
なお、「空孔の最大径と最小径の比率」とは、空孔の最大径を最小径で除した値(つまり、空孔径の最大値/最小値)で表される比率である。
本実施形態に係る多孔質フィルムが適用される用途としては、例えば、リチウム電池の電池セパレータが挙げられる。また、リチウム電池の電池セパレータ以外にも、例えば、リチウム電池以外の電池セパレータ;電解コンデンサー用のセパレータ;燃料電池等の電解質膜;電池電極材;気体又は液体の分離膜;低誘電率材料;各種フィルター;等が挙げられる。
また、例えば、電池電極材に適用した場合には、電解液に接触する機会が増加するため、電池の容量が増えると考えられる。これは、多孔質ポリイミドフィルムに含有させた電極用のカーボンブラック等の材料が、多孔質ポリイミドフィルムの空孔径の表面や、フィルムの表面に露出する量が増加するためと推測される。
さらに、例えば、多孔質ポリイミドフィルムの空孔内に、例えば、いわゆるイオン性液体をゲル化したイオン性ゲルを充填して電解質膜として適用することも可能である。本実施形態の多孔質フィルムの製造方法により、工程が簡略化されるため、より低コストの電解質膜が得られると考えられる。
多孔質ポリイミドフィルムに含有するポリイミドは、具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合してポリイミド前駆体を生成し、ポリイミド前駆体の溶液を得て、イミド化反応させて得られる。より具体的には、ポリイミドは、水を含む水性溶剤に、ポリイミド前駆体と有機アミン化合物とが溶解しているポリイミド前駆体溶液を用いてイミド化反応させて得られる。例えば、水性溶剤中で、有機アミン化合物の存在下、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合して樹脂(ポリイミド前駆体)を生成してポリイミド前駆体溶液を得る方法が挙げられる。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムの製造方法は、下記に挙げる第1の工程及び第2の工程を有する。
ポリイミド前駆体溶液に対する特定金属群の合計含有量は、少ないほうがよく、下限値は特に限定されないが、0ppmであることが好ましい。なお、0ppmとは、検出限界以下を示す。
なお、樹脂粒子を除去する処理が、樹脂粒子を溶解する有機溶剤により樹脂粒子を除去する場合、樹脂が架橋しているために除去性が低いときであっても、加熱により除去することができる。
第1の工程は、まず、水性溶剤、樹脂粒子、有機アミン化合物、およびポリイミド前駆体を含有するポリイミド前駆体溶液(以下、「樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液」と称することがある。)を作製する。
ポリイミド前駆体溶液は、まず、樹脂粒子と、水性溶剤にポリイミド前駆体が溶解しているポリイミド前駆体溶液とを準備する。ポリイミド前駆体が溶解しているポリイミド前駆体溶液としては、ポリイミド前駆体及び有機アミン化合物が溶解しているポリイミド前駆体溶液である。
そして、樹脂粒子と、ポリイミド前駆体及び有機アミン化合物が溶解しているポリイミド前駆体溶液とを混合して、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液とする。
次に、得られた樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液を、基板上に塗布して塗膜を形成する。この塗膜には、ポリイミド前駆体溶液と、樹脂粒子と、を含んでいる。そして、この塗膜中の樹脂粒子は、凝集が抑制された状態で分布している。その後、基板上に形成された塗膜を乾燥して、ポリイミド前駆体及び前記樹脂粒子を含む被膜を形成する。
また、塗膜を得た後、乾燥して被膜を形成する過程で、樹脂粒子を露出させる処理を行って、樹脂粒子を露出させた状態にしてもよい。この樹脂粒子を露出させる処理を行うことによって、多孔質ポリイミドフィルムの開孔率が高められる。
水を含む水性溶剤中で、樹脂粒子を造粒した樹脂粒子分散液とする。そして、この樹脂粒子分散液中で、有機アミン化合物の存在下、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合して樹脂(ポリイミド前駆体)を生成してポリイミド前駆体溶液とする。
なお、樹脂粒子が予め水性溶剤に分散されている分散液としては、予め樹脂粒子を水性溶剤に分散させた樹脂粒子の分散液を作製してもよい。樹脂粒子が予め水性溶剤に分散されている市販品の分散液を用意してもよい。市販品の分散液を用いる場合、多孔質ポリイミドフィルムに含有する金属群の合計含有量が、多孔質ポリイミドフィルムに対して100ppm以下となる分散液がよい。なお、予め分散させた樹脂粒子の分散液を作製する場合、特定金属群の金属を含まない界面活性剤をあらかじめ加え、樹脂粒子の分散性を高めてもよい。
第2の工程は、第1の工程で得られたポリイミド前駆体及び樹脂粒子を含む被膜を加熱して、ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドフィルムを形成する工程である。そして、第2の工程には、樹脂粒子を除去する処理を含んでいる。樹脂粒子を除去する処理を経て、多孔質ポリイミドフィルムが得られる。
なお、本実施形態において、ポリイミド前駆体をイミド化する過程とは、第1の工程で得られたポリイミド前駆体及び樹脂粒子を含む被膜を加熱して、イミド化を進行させ、イミド化が完了した後のポリイミドフィルムとなるよりも前の状態となる過程を示す。
なお、図1に示す符号のうち、3は基板、4は剥離層、7は空孔、62は多孔質ポリイミドフィルムを表す。
この樹脂粒子の除去は、例えば、イミド化の工程も兼ねて熱による分解除去のみで行ってもよいが、加熱による分解除去と樹脂粒子を溶解する有機溶剤による除去とを併用してもよい。残留応力をより緩和しやすくなり、多孔質ポリイミドフィルムの亀裂の発生を抑制する点から、樹脂粒子を溶解する有機溶剤により除去する処理を含む方法が好ましい。なお、この作用は、有機溶剤により除去する処理では、有機溶剤に溶解した樹脂成分がポリイミド樹脂中に移行し易くなるためと推測される。
なお、樹脂粒子を溶解する有機溶剤により除去した後に、さらに加熱を行い、除去率を上げることも効果的である。
これらの中でも、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族類が好ましく、テトラヒドロフラン、トルエンを用いることがさらに好ましい。
樹脂粒子を溶解する際に水性溶剤が残留している場合には、水性溶剤が非架橋樹脂粒子を溶解する溶剤中に溶解し、ポリイミド前駆体が析出し、いわゆる湿式相転換法と類似の状態となり、空孔径の制御が困難となる場合があるため、残留している水性溶剤量は、ポリイミド前駆体質量に対して20質量%以下、好ましくは10質量%以下に低減した後に有機溶剤で非架橋樹脂粒子を溶解除去することが好ましい。
ポリイミド膜中のポリイミド前駆体のイミド化率が10%未満であるとき(すなわち、ポリイミド膜が水に溶解できる状態)に樹脂粒子を露出させる処理を行う場合、上記のポリイミド膜中に埋没している樹脂粒子を露出させる処理としては、拭き取る処理、水に浸漬する処理等が挙げられる。
例えば、機械的に切削する場合には、ポリイミド膜に埋没している樹脂粒子層の上部の領域(つまり、樹脂粒子層の基板から離れた側の領域)に存在する樹脂粒子の一部分が、樹脂粒子の上部に存在しているポリイミド膜とともに切削され、切削された樹脂粒子がポリイミド膜の表面から露出される。
一部がイミド化したポリイミド前駆体は、例えば、下記一般式(I−1)、下記一般式(I−2)、及び下記一般式(I−3)で表される繰り返し単位を有する構造の前駆体が挙げられる。
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体溶液を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶剤をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶剤は、THFに限定されることなく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体溶液に含まれている溶剤成分と混和し得る溶剤より選択できる。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶剤、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用できる。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにN2ガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体溶液をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製、FT−730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm−1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm−1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm−1))に対する、1780cm−1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm−1))の比I(x)を求める。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm−1))/(Ab’(1500cm−1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm−1))/(Ab(1500cm−1))
ポリイミド前駆体溶液は、水性溶剤、樹脂粒子、有機アミン化合物、およびポリイミド前駆体を含有する。
ポリイミド前駆体は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂(ポリイミド前駆体)である。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
ポリイミド前駆体の数平均分子量を上記範囲とすると、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性の低下が抑制され、製膜性が確保され易くなる。
・カラム:東ソーTSKgelα−M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
有機アミン化合物は、ポリイミド前駆体(そのカルボキシル基)をアミン塩化して、その水性溶剤に対する溶解性を高めると共に、イミド化促進剤としても機能する化合物である。具体的には、有機アミン化合物は、分子量170以下のアミン化合物であることがよい。有機アミン化合物は、ポリイミド前駆体の原料となるジアミン化合物を除く化合物であることがよい。
なお、有機アミン化合物は、水溶性の化合物であることがよい。水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
これらの中でも、有機アミン化合物としては、2級アミン化合物、及び3級アミン化合物から選択される少なくとも一種(特に、3級アミン化合物)がよい。有機アミン化合物として、3級アミン化合物又は2級アミン化合物を適用すると(特に、3級アミン化合物)、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まり易くなり、製膜性が向上し易くなり、また、ポリイミド前駆体溶液の保存安定性が向上し易くなる。
2級アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、モルホリンなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。
ポリイミド前駆体溶液のポットライフ、フィルム膜厚均一性の観点で、3級アミン化合物が好ましい。この点で、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
含窒素複素環アミン化合物としては、例えば、イソキノリン類(イソキノリン骨格を有するアミン化合物)、ピリジン類(ピリジン骨格を有するアミン化合物)、ピリミジン類(ピリミジン骨格を有するアミン化合物)、ピラジン類(ピラジン骨格を有するアミン化合物)、ピペラジン類(ピペラジン骨格を有するアミン化合物)、トリアジン類(トリアジン骨格を有するアミン化合物)、イミダゾール類(イミダゾール骨格を有するアミン化合物)、モルホリン類(モルホリン骨格を有するアミン化合物)、ポリアニリン、ポリピリジン、ポリアミンなどが挙げられる。
有機アミン化合物の含有量を上記範囲とすると、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まり易くなり、製膜性が向上し易くなる。また、ポリイミド前駆体溶液の保存安定性も向上し易くなる。
水を含む水性溶剤は、具体的には、全水性溶剤に対して水を50質量%以上含有する溶剤であることがよい。水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
樹脂粒子は、水を含む水性溶剤に溶解しないものである。また、樹脂粒子は、ポリイミド前駆体溶液に溶解しないものである。
樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、ポリイミド以外の樹脂からなる樹脂粒子である。例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の重合性単量体を重縮合して得られた樹脂粒子、ビニル樹脂、オレフィン樹脂等の重合性単量体をラジカル重合して得られた樹脂粒子が挙げられる。ラジカル重合して得られた樹脂粒子としては、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン・(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂の樹脂粒子等が挙げられる。
樹脂粒子としては、前述の第2工程で行う樹脂粒子の除去の点から、ポリイミド樹脂を溶解しない溶剤に可溶な樹脂粒子であることが好ましい。
また、これらの中でも、樹脂粒子としては、粒子形状の制御、除去性の観点から、ラジカル重合性のモノマーを用いた樹脂が好ましく、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン・(メタ)アクリル樹脂、及びポリスチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
例えば、「水を含む水性溶剤に溶解しない」とは、対象となる樹脂粒子が、25℃において、水を含む水性溶剤に実質的に溶解しない樹脂粒子であることを意味し、樹脂粒子が水を含む水性溶剤に対して溶解しないことに加え、3質量%以下の範囲内で溶解することも含む。また、「ポリイミド前駆体溶液に溶解しない」とは、25℃において、対象となる樹脂粒子が、ポリイミド前駆体溶液に実質的に溶解しない樹脂粒子であることを意味し、樹脂粒子がポリイミド前駆体溶液に対して溶解しないことに加え、3質量%以下の範囲内で溶解することも含む。
「有機溶剤に可溶」とは、25℃において、対象となる樹脂粒子が対象となる有機溶剤に対して質量基準で10%以上溶解することを意味する。
つまり、樹脂粒子は、特定金属群を含有しない界面活性剤乳化重合粒子、ソープフリー乳化重合粒子、洗浄樹脂粒子のうちの少なくとも一つであることが好ましい。これらの樹脂粒子は1種単独、又は2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書中において、洗浄樹脂粒子とは、樹脂粒子を洗浄して、樹脂粒子中に含まれる特定金属群の合計含有量を上記範囲に調整した樹脂粒子のことを表す。
また、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤を溶解させた水中に、スチレン類、(メタ)アクリル酸類等の単量体を加え、さらに、必要に応じて、特定金属群を含まない界面活性剤を添加し、攪拌を行いながら加熱することにより重合を行うことで、樹脂粒子中に含まれる特定金属群の合計含有量が上記範囲であるビニル樹脂粒子が得られる。
また、得られたビニル樹脂粒子を洗浄することで、樹脂粒子中に含まれる特定金属群の合計含有量が上記範囲であるビニル樹脂粒子が得られる。特に、界面活性剤として、特定金属群の金属を含む界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤など)を用いた場合は、得られたビニル樹脂粒子を洗浄すると、特定金属群の合計含有量が上記範囲であるビニル樹脂粒子が得られる。
特定金属群の金属を含まない界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩型等のアンモニウム塩のアニオン界面活性剤;エーテル型、エステル型、エステル・エーテル型等の非イオン界面活性剤;4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ベタイン型等の両性界面活性剤;などが挙げられる。
その他の単量体として、酢酸ビニルなどの単官能単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ノナンジアクリレート、デカンジオールジアクリレートなどの二官能単量体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能単量体を併用してもよい。
また、ビニル樹脂は、これらの単量体を単独で用いた樹脂でもよいし、2種以上の単量体を用いた共重合体である樹脂であってもよい。
なお、樹脂粒子の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、コールターカウンターLS13(ベックマン・コールター社製)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。
本実施形態に係る多孔質フィルムの製造方法において、ポリイミド前駆体溶液には、イミド化反応促進のための触媒や、製膜品質向上のためのレベリング材などを含んでもよい。
イミド化反応促進のための触媒には、酸無水物など脱水剤、フェノール誘導体、スルホン酸誘導体、安息香酸誘導体などの酸触媒などを使用してもよい。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック(例えばpH5.0以下の酸性カーボンブラック);金属(例えばアルミニウムやニッケル等);金属酸化物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等);イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等);等が挙げられる。これら導電材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ポリイミド前駆体溶液の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す製造方法が挙げられる。
この方法によれば、水性溶剤を適用するため、生産性も高く、ポリイミド前駆体溶液が1段階で製造される点で工程の簡略化の点で有利である。
−樹脂粒子(1−1)−
800mlの脱イオン水と400mlのメタクリル酸メチルモノマーをフラスコに入れ、窒素雰囲気下で、300rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。反応開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクリド0.8gを10mlの脱イオン水に溶解し、フラスコに加えた。70℃で6時間反応させて、ソープフリー乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
800mlの脱イオン水をフラスコに入れ、窒素雰囲気下で、300rpmで攪拌しながら70℃に昇温した。100mlのスチレンモノマーを加えた後、温度が安定したら、過硫酸カリウム0.35gを50mlの脱イオン水に溶かし、70℃に加熱してフラスコに加え、30時間反応させてソープフリー乳化重合粒子であるスチレン樹脂粒子を得た。
メタクリル酸メチルモノマー225gと非イオン界面活性剤としてラムテルPD−420(花王(株)製)5.4g、開始剤として過硫酸カリウム0.36g、イオン交換水112gを、600rpmで30分間攪拌し、プレエマルジョンを作製した。
イオン交換水160gに、過硫酸カリウム0.09g、非イオン界面活性剤としてラムテルPD−420(花王社製)を、1.35g、さらにプレエマルジョン17gを加え、窒素置換、80℃に昇温。初期重合を30min行った。これに、プレエマルジョンを3時間かけて滴下重合し、さらに1時間熟成させて、非イオン界面活性剤乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
非イオン界面活性剤のラムテルPD−420を、カチオン界面活性剤コータミン24P(花王(株)製)に代えた以外は、樹脂粒子(1−3)と同様にして、カチオン界面活性剤乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
非イオン界面活性剤のラムテルPD−420を、両性界面活性剤アンヒトール20AB(花王(株)製)に代えた以外は、樹脂粒子(1−3)と同様にして、両性界面活性剤乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
非イオン界面活性剤のラムテルPD−420を、金属元素を有しないアニオン界面活性剤ラムテルPD−104(花王(株)製)に代えた以外は、樹脂粒子(1−3)と同様にして、金属元素を有しないアニオン界面活性乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
非イオン界面活性剤のラムテルPD−420を、金属元素を有するアニオン界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムに代えた以外は、樹脂粒子(1−3)と同様にして、金属元素を有するアニオン界面活性乳化重合粒子であるポリメチルメタクリレート樹脂粒子を得た。
樹脂粒子(1−7)を、スプレードライで乾燥してポリメチルメタクリレート粉体を得た。なお、金属イオンであるナトリウムイオン及びカリウムイオンが原子吸光法で検出された。
樹脂粒子(1−7)を、水洗後、スプレードライで乾燥して、洗浄樹脂粒子であるポリメチルメタクリレート粉体を得た。なお、金属イオンであるナトリウムイオン及びカリウムイオンが原子吸光法で検出された。
市販の平均粒径0.1μmのスチレン・アクリル共重合体の水分散液(FS−102E:日本ペイント社製、固形分濃度21質量%)を準備した。なお、金属イオンであるナトリウムイオンが原子吸光法で検出された。
(ポリイミド前駆体の作製)
−ポリイミド前駆体(2−1)−
樹脂粒子(1−1)の分散液150部に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物10部と、p−フェニレンジアミン3.5部と、脱イオン水85部とを添加し、50℃に昇温し攪拌した。ついで、N−メチルモルホリンを1時間かけて滴下し、24時間攪拌して溶解、反応を行い、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−1)を得た。
樹脂粒子(1−2)の分散液の固形分濃度を、樹脂粒子(1−1)の分散液の固形分濃度と同じになるように調整した。そして、樹脂粒子(1−1)の分散液を、固形分濃度調整した樹脂粒子(1−2)の分散液に代えた以外は、ポリイミド前駆体(2−1)と同様にして、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−2)を得た。
樹脂粒子(1−3)〜(1−7)の分散液の固形分濃度を、樹脂粒子(1−1)の分散液の固形分濃度と同じになるように調整した。そして、樹脂粒子(1−1)の分散液を、固形分濃度調整した樹脂粒子(1−3)〜(1−7)の分散液に、それぞれ代えた以外は、ポリイミド前駆体(2−1)と同様にして、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−3)〜(2−7)を得た。
攪拌棒、温度計、滴下ロートを取り付けたフラスコに、脱イオン水を270部充填した。ここに、p−フェニレンジアミン3.5部と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物10部とを添加し、50℃に昇温して攪拌した。ついで、N−メチルモルホリン:9.5部を1時間かけて滴下し、24時間攪拌して溶解、反応を行いポリイミド前駆体を得た。これに、樹脂粒子(1−8)で得た粉体粒子を21部添加し、ディゾルバで3時間攪拌混合して、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−8)を得た。
樹脂粒子(1−8)で得た粉体粒子に代えて、樹脂粒子(1−9)で得た洗浄樹脂粒子とした以外は、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−8)と同様にして、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−9)を得た。
また、樹脂粒子(1−8)で得た粉体粒子に代えて、樹脂粒子(1−10)とした以外は、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−8)と同様にして、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−10)を得た。
−樹脂粒子分散ポリイミド前駆体(3−1)〜(3−10)−
ガラス板に、樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液(2−1)〜(2−10)を、それぞれ100μm厚みとなるように塗布して乾燥した。その後、320℃で1時間焼成し、粒子除去を行って多孔質ポリイミド膜(3−1)〜(3−10)を作製した。
(金属量)
各例で得られた樹脂粒子分散ポリイミド前駆体溶液のポリイミド前駆体溶液に対する特定金属群の合計含有量、および多孔質ポリイミドフィルムに対する特定金属群の合計含有量を原子吸光法で測定した。
各例で得られた多孔質ポリイミドフィルムを用いて、リチウムイオン電池を作製し、500回繰り返し充放電(25℃における1C充電と1C放電)したときの電池容量の低減率を調べた。低減率が小さいほどサイクル特性が良好である。低減率20%未満となったものを「良好」、低減率20%以上となったものを「不良」とした。
Claims (17)
- Liを除くアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびケイ素からなる金属群の合計含有量が、多孔質ポリイミドフィルムに対して、100ppm以下である多孔質ポリイミドフィルム。
- 前記金属群の合計含有量が50ppm以下である請求項1に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
- 前記金属群の合計含有量が20ppm以下である請求項2に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
- 空孔の最大径が0.1μm以上0.5μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
- 水を含む水性溶剤、前記水性溶剤に溶解しない樹脂粒子、有機アミン化合物、およびポリイミド前駆体を含有し、Liを除くアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびケイ素からなる金属群の合計含有量が、ポリイミド前駆体溶液に対して、200ppm以下であるポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子の平均粒径が、0.1μm以上0.5μm以下である請求項5に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子の平均粒径が、0.25μm以上0.5μm以下である請求項6に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子の含有量が、ポリイミド前駆体固形分100質量部に対し、20質量部以上600質量部以下である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子の含有量が、ポリイミド前駆体固形分100質量部に対し、30質量部以上100質量部以下である請求項8に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子が、ソープフリー乳化重合粒子である請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記樹脂粒子が、洗浄樹脂粒子である請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記水性溶剤は、水性溶剤全量に対する前記水の含有量が50質量%以上100質量%以下である請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記水性溶剤は、水性溶剤全量に対する前記水の含有量が80質量%以上100質量%以下である請求項12に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記有機アミン化合物が、3級アミン化合物である請求項5〜請求項13のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記有機アミン化合物が、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペリジン、及びN−エチルピペリジンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 前記有機アミン化合物が、モルホリン骨格を有するアミン化合物である請求項15に記載のポリイミド前駆体溶液。
- 請求項5〜請求項16のいずれか1項に記載のポリイミド前駆体溶液を塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を乾燥して、前記ポリイミド前駆体及び前記樹脂粒子を含む被膜を形成する第1の工程と、
前記被膜を加熱して、前記ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドフィルムを形成する第2の工程であって、前記樹脂粒子を除去する処理を含む第2の工程と、
を有する多孔質ポリイミドフィルムの製造方法。
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